JPH05297619A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05297619A
JPH05297619A JP10308692A JP10308692A JPH05297619A JP H05297619 A JPH05297619 A JP H05297619A JP 10308692 A JP10308692 A JP 10308692A JP 10308692 A JP10308692 A JP 10308692A JP H05297619 A JPH05297619 A JP H05297619A
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JP
Japan
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group
electrophotographic
anhydride
dye
chemical
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Pending
Application number
JP10308692A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Yamamoto
浩和 山本
Shoji Tatsuki
昭治 田附
Minoru Ohashi
稔 大橋
Akira Tanaka
章 田中
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約書】 【目的】電子写真感光体に関し、赤色光ないし赤外線に
対して実用的な高い感度を有し、保存安定性にも優れた
電子写真感光体を提供するものである。更に詳しくは、
酸化亜鉛電子写真感光体において困難とされてきた半導
体レーザー光による走査露光が可能となるような、半導
体レーザー光に適合する電子写真オフセットマスターを
提供するものである。 【構成】導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛体、結着
樹脂、増感色素および環状酸無水物を含んで成る光導電
体層を有する電子写真感光体において、該増感色素が化
1または化2によって表される少なくとも一種類の色素
化合物を含む電子写真感光体。 【化1】 【化2】 (Y1、Y2およびY3は含窒素環の3位の炭素原子と共
に炭化水素環を形成するのに必要な原子群、Z1、Z2
3およびZ4はベンゼン環、ナフタレン環を形成するの
に必要な原子群、mは2または3、nは1または2であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長波長領域に感光性を有
する電子写真感光体に関するものであり、更に詳しくは
導電体として酸化亜鉛を使用し、半導体レーザー光に適
合する電子写真オフセットマスターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている電子写真オフセ
ットマスターは、導電性支持体上に光導電性酸化亜鉛、
結着樹脂、増感色素および増感助剤を含んで成る光導電
体層を設けたものである。
【0003】酸化亜鉛は、安価、取扱易さ、無公害等の
点から電子写真用の感光体として多量に使用されてき
た。酸化亜鉛固有の感光波長域は紫外部(380nm)
付近であり、電子写真感光体として使用する場合は可視
光に感度をもたせるために、ローズベンガル、エリスロ
シン、フルオレッセイン、メチレンブルー、クリスタル
バイオレット、ブロムフェノールブルー等の増感色素を
加え、スペクトル増感して使用されてきた。この様な増
感色素を用いた従来の酸化亜鉛電子写真オフセットマス
ターの製版方法は、ハロゲンランプ等の光源によるカメ
ラ型のダイレクト製版方式であった。
【0004】これに対して、最近ではレーザー光による
走査露光方式が用いられるようになってきた。このレー
ザー光による走査露光方式では、コンピューターからの
電気信号によって直接オフセットマスターに書き込むこ
とができ、拡大縮小、ネガポジ変換、直接網掛け等の多
くの機能を製版時に持たせることが可能となるため、従
来の製版方式に比べて多大のメリットを有する。この方
式によるレーザー光源としては、安価、小型、直接変換
可能というメリットを持つ半導体レーザー(波長域 7
00〜1000nm)が現在注目されている。しかし、
従来の酸化亜鉛電子写真オフセットマスターに使用され
ている増感色素の感光波長域はせいぜい650〜700
nmまでであり、700〜1000nmの波長域には感
度を持たず、半導体レーザー光源に対しては適合できな
いものであった。
【0005】そこで、レーザー光源に対して適合する電
子写真感光体として、特開昭59−116760号、特
開昭59−220753号、特開昭61−156132
号、特開平1−202758号、特開平3−48856
号、特開平3−50557号公報等にフタロシアニン化
合物を用いた電子写真感光体の記載があるが、このよう
な感光体をオフセットマスターとして使用した場合、エ
ッチ液による不感脂化が不充分なために地汚れが発生し
たり、耐刷性不良や感度が不十分であるという欠点を有
していた。また、ポリメチン系シアニン色素を分光増感
剤として用いたものとしては、例えば、米国特許361
9154号、米国特許3682630号、特開昭57−
46245号、特開昭58−42055号、特開昭58
−58554号、特開昭58−59453号、特開昭5
9−22053号、特開昭59−78358号、特開昭
60−26949号、特開昭59−78358号、特開
昭60−26949号、特開昭62−220962号公
報等に記載されている。これらの中には、特性的に良好
なものもあるが、電子写真感光体とした場合に感度的に
不十分なものや、ポリメチン系色素特有の保存性に劣る
という欠点を有するものもある。
【0006】また、従来知られている酸化亜鉛を用いた
電子写真感光体用の増感助剤としては、クロラニル、P
−ベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン等の電子親
和性化合物が知られているが、本発明のような赤色光な
いし赤外線に対して感度を持つような色素を使用する電
子写真感光体では、これらの増感助剤は増感効果を発現
せず、使用する色素によっては増感助剤により色素が分
解する等の悪影響を受けることが判った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、赤色光ない
し赤外線に対して実用的な高い感度を有し、かつ保存安
定性にも優れた電子写真感光体を提供するものであり、
更に詳しくは、半導体レーザー光に対して適合する電子
写真オフセットマスターを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、導
電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛、結着樹脂、増感色
素および環状酸無水物を含んで成る光導電体層を有し、
該増感色素が、化1または化2によって表される少なく
とも一種類の色素化合物であることを特徴とする電子写
真感光体に関するものである。
【0009】化1および化2において、R1、R2、R3
およびR4は互いに同じでも異なってもよく、アルキル
基、アルケニル基またはアラルキル基を示す。Y1、Y2
およびY3は互いに同じでも異なってもよく、含窒素環
の3位の炭素原子と共に炭化水素環を形成するのに必要
な原子群を示す。Z1、Z2、Z3およびZ4は互いに同じ
でも異なってもよく、ベンゼン環、ナフタレン環を形成
するのに必要な原子群を示す。Lはメチン基を示す。m
は2または3である。X-はアニオン、nは1または2
であり、色素が分子内塩を形成するときは1である。
【0010】R1、R2、R3およびR4は互いに同じでも
異なってもよく、置換基を有してもよいアルキル基、ア
ルケニル基またはアラルキル基を示す。R1、R2、R3
およびR4の具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペ
ンチル基等のアルキル基、アリル基、メタリル基等のア
ルケニル基、ベンジル基、βーフェニルエチル基、αー
ナフチルメチル基等のアラルキル基を挙げることができ
る。置換基の具体例としては、スルホ基、カルボキシ
基、ホスホ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、シアノ基等を挙げることができる。また、置換基
が酸置換基の場合は、Na、K等のアルカリ金属塩、M
g、Ca等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ト
リエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩、
ピリジニウム塩等の有機アンモニウム塩の形になってい
てもよい。
【0011】Y1、Y2およびY3で示される含窒素環の
3位の炭素原子と共に形成される炭化水素環は互いに同
じでも異なってもよく、好ましくは4〜7員の炭化水素
環であり、炭化水素環の具体例としては、シクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン
等を挙げることができる。また、Y1、Y2およびY3
炭化水素環は置換基を有してもよく、置換基の具体例と
しては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基を挙げ
ることができる。
【0012】Z1、Z2、Z3およびZ4は互いに同じでも
異なってもよく、ベンゼン環、ナフタレン環を形成する
のに必要な原子群を示す。Z1、Z2、Z3およびZ4は置
換基を有してもよく、置換基の具体例としては、スルホ
基、カルボキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルボ
キサミド基等を挙げることができる。また、置換基が酸
置換基の場合は、Na、K等のアルカリ金属塩、Mg、
Ca等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエ
チルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウム塩、ピリ
ジニウム塩等の有機アンモニウム塩の形になっていても
よい。
【0013】Lで示されるメチン基は、無置換または置
換されたものであり、置換基の具体例としては、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スル
ホンアミド基、カルボキサミド基等を挙げることができ
る。さらに、置換基どうしが結合して3つのメチン基を
含む6員環、例えば4,4−ジメチルシクロヘキサン
等、を形成してもよい。また、メチン鎖の長さを示すm
は、2または3であり、より好ましくは3である。
【0014】X-で示されるアニオンとしては、ハロゲ
ンイオン、過塩素酸イオン、アリールスルホン酸イオ
ン、アルキル硫酸イオン等を挙げることができる。ここ
で、nは1または2であり、色素が分子内塩を形成する
ときは1である。
【0015】本発明で用いられる化1および化2で示さ
れる化合物の具体例を以下に挙げるが、その化合物の範
囲は、これらに限定されるものではない。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】
【化15】
【0029】
【化16】
【0030】
【化17】
【0031】
【化18】
【0032】
【化19】
【0033】
【化20】
【0034】本発明における色素化合物は、従来から知
られている単純なポリメチンシアニン色素に比べ、その
著しい増感効果および保存安定性において驚くべきもの
があり、該環にスピロ環を導入することによりスピロ環
を持たないインドシアニン色素よりも分光増感能に優
れ、且つまた、その保存安定性にも優れていることは後
述する実施例によって明らかとなる。
【0035】本発明に用いられる色素化合物は、従来公
知の方法によって合成することができる。例えば、特開
平2−187751号、特開平2−223944号公報
等に記載されている方法によって合成することができ
る。
【0036】本発明において、電子写真感光層に含まれ
る前記増感色素の含有量は、酸化亜鉛に対して0.00
01重量%〜2.0重量%の範囲内で使用可能である
が、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲内である
ことがより好ましい。該範囲より少ないと、増感性への
効果が発現せず、また、該範囲より多くなると、見かけ
の感度は向上するが、帯電性、暗電荷保持性が低下する
とともに、コスト的にも問題となる。
【0037】電子写真オフセットマスターとして使用す
る場合、電子写真感光層に用いられる酸化亜鉛は、光導
電性を有するものであって、平均粒径0.1〜1.0μ
m程度の微粉末のものが好ましく使用できる。
【0038】本発明に用いられる環状酸無水物は、無置
換または置換基を有してもよく、脂肪族ジカルボン酸の
環状酸無水物および芳香族環状酸無水物が好ましい。
【0039】脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物の具体
例としては、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水
エチルコハク酸、無水n−オクチルコハク酸、無水n−
オクタデセニルコハク酸、無水s−アセチルメルカプト
コハク酸等の無水コハク酸類、無水マレイン酸、無水2
−クロロマレイン酸、無水ジクロロマレイン酸、無水
2,3−ジメチルマレイン酸等の無水マレイン酸類、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無
水アジピン酸、無水イソ酪酸、無水ジグリコール酸、c
is−アニコット酸無水物、無水5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸等を挙げることができる。
【0040】芳香族環状酸無水物の具体例としては、無
水フタル酸、無水3−ニトロフタル酸、無水メトキシフ
タル酸、無水メチルフタル酸、無水クロロフタル酸、無
水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロムフタル酸、
無水シアノフタル酸、無水cis−ヘキサヒドロフタル
酸等の無水フタル酸類、無水3,3′,4,4′−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸、無水ピロメリット酸、無
水トリメリット酸、無水ジフェン酸、1,8−無水ナフ
タル酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン
酸ジ無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸ジ無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸ジ無水物、cis−シクロヘキセン
−1,2−ジカルボン酸無水物等を挙げることができ
る。
【0041】本発明に用いられる環状酸無水物は、酸化
亜鉛の表面と相互作用し、感光体の帯電性と電荷保持性
を著しく向上させると共に、本発明で用いる増感色素の
増感効果を促進させる機能を有するものである。また、
これらの環状酸無水物は感光体の保存安定性を向上させ
る。
【0042】電子写真感光層に含まれる前記環状酸無水
物の含有量は、酸化亜鉛に対して0.001重量%〜
1.0重量%の範囲内で使用可能であるが、0.01重
量%〜0.5重量%の範囲内であることがより好まし
い。該範囲より少ないと、帯電性、暗電荷保持性、増感
性への効果が発現せず、また、該範囲より多くなると、
見かけの感度は向上するが、帯電性、暗電荷保持性が著
しく低下してしまう。
【0043】電子写真感光層に用いられる結着樹脂とし
ては、一般に電子写真感光体用としてよく知られている
全ての結着樹脂が利用できる。例えば、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の結着
樹脂が利用できるが、電子写真オフセットマスター用と
しては、コスト、電子写真感光層の感度特性、さらには
印刷適性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
【0044】アクリル系樹脂としては、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル等の単独のポリマーの他
に、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの共重
合体や、さらにはアクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルとスチレンや酢酸ビニル等の共重合体であっても
よい。また、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フタル酸、クロトン酸、無水フタル酸、ティグ
リン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルマロン酸等
で変性されたものであってもよい。これらの結着樹脂
は、単一種類で用いてもよいし、2種類以上の樹脂を混
合して用いてもよい。
【0045】電子写真感光層に含まれる結着樹脂の含有
量は、酸化亜鉛に対して10重量%〜30重量%の範囲
内であることが好ましく、該範囲をはずれると感度が低
下したり、地汚れや耐刷性等の印刷適性が悪化するので
好ましくない。
【0046】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、既知の支持体を用いることができ
る。一般に電子写真感光層の支持体は導電性であること
が好ましく、表面に導電性、耐溶剤性、耐水性を付与し
た紙およびプラスチックフィルムや、プラスチックでラ
ミネートされた紙、金属シート、金属ホイル、金属ホイ
ルを張り合わせた紙およびプラスチックフィルム等が用
いられる。
【0047】本発明に係る電子写真感光体の感光層を形
成するための塗布液は、所定量の酸化亜鉛、増感色素、
環状酸無水物および結着樹脂を有機溶媒(例えば、トル
エン、キシレン、ベンゼン、アセトン、メチルエチルケ
トン等)とともに、混合分散機(例えば、ボールミル、
サンドグラインダー、あるいはペイントコンデショナー
等)を用いて混合分散して調製する。
【0048】得られた塗布液は、ワイヤーバー、リバー
スロール、エヤーナイフ等の塗布方式により上記支持体
上に塗布し、熱風乾燥して電子写真感光層を形成する。
電子写真感光層の厚さは、帯電性、感度等に関係して印
刷性に影響するものであって、通常は5〜25μmが好
ましい。より好ましくは、10〜20μmである。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 光導電性酸化亜鉛(堺化学社製サゼックス#2000)
100重量部、環状酸無水物として無水フタル酸0.4
0重量部、アクリル系樹脂(三菱レイヨン社製ダイヤナ
ールLR−118、固形分率40%)50重量部、トル
エン140重量部および化5のヘプタメチンシアニン色
素の1×10-2モル/リットルのメチルアルコール色素
溶液10重量部を混合し、磁器製ボールミルで2時間混
練し、酸化亜鉛感光液を調製した。この感光液を導電
性、耐溶剤性、耐水性を有する紙に乾燥後の感光層の厚
さが約15μmとなるようにワイヤーバーで塗布し、熱
風乾燥した。
【0050】得られた電子写真感光体を20℃、65%
RHの雰囲気の暗所で、24時間コンディショニングを行
った後、下記の測定法により電子写真特性を測定した。
作成した電子写真感光体の電子写真特性の測定には、川
口電機社製のペーパーアナライザーSP−428の光源
部を改造したものを用いた。光源部に半導体レーザー投
光器を設置し、この投光器より発したレーザー光(発振
波長780nm、出力2mW、ガリウム−アルミニウム
−ヒ素半導体レーザー)が反射ミラーを通して感光体に
照射されるようにした。感光体に対する帯電はスタテッ
ク方式により行い、帯電直後の表面電位を初期帯電電位
0(V)、帯電後60秒間暗減衰させた後の表面電位
の初期電位V0に対する割合を暗減衰保持率D.D.
(%)および帯電してから60秒後の表面電位が半導体
レーザー光照射により半分の電位になるまでに必要な露
光量を半減露光量E1/2(erg/cm2)として感光体
の評価を行った。その測定結果を表1に示す。
【0051】この感光体について、製造直後と80℃で
12時間加温処理後の反射スペクトルを測定し、700
nm〜850nmにおける反射スペクトルの吸収極大波
長の吸光度を測定し、加温処理後の吸光度を製造直後の
吸光度で除した値を安定度値として色素の保存安定性を
評価した。この色素の安定度の評価値は、1に近いほど
保存安定性が良いことを示す。安定度の評価値を表1に
示す。また、加温処理後の電子写真特性も表1に示す。
加温処理前後の電子写真特性の変化が少なく、安定度値
が1に近い感光体が保存安定性に優れた電子写真感光体
である。
【0052】実施例2 環状酸無水物をジクロロ無水マレイン酸替える以外は、
実施例1と同様の方法で感光体を作成し、電子写真特性
および保存安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0053】実施例3 増感色素を化8のヘプタメチンシアニン色素に替え、環
状酸無水物を無水ピロメリット酸に替える以外は、実施
例1と同様の方法で感光体を作成し、電子写真特性およ
び保存安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0054】実施例4 増感色素を化17のヘプタメチンシアニン色素に替え、
環状酸無水物を無水エチルコハク酸に替え、アクリル系
樹脂として長瀬化成社製デソートE−048(固形分率
50%)を40重量部とした以外は、実施例1と同様の
方法により感光体を作成し、電子写真特性および保存安
定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0055】実施例5 実施例4の環状酸無水物を無水テトラクロロフタル酸に
替える以外は、実施例4と同様の方法で感光体を作成
し、電子写真特性および保存安定性を評価した。測定結
果を表1に示す。
【0056】比較例1 増感色素を下記構造の化21のヘプタメチンシアニン色
素に替える以外は、実施例1と同様の方法で感光体を作
成し、電子写真特性および保存安定性を評価した。測定
結果を表1に示す。
【0057】
【化21】
【0058】比較例2 増感色素を下記構造の化22のヘプタメチンシアニン色
素に替える以外は、実施例1と同様の方法で感光体を作
成し、電子写真特性および保存安定性を評価した。測定
結果を表1に示す。
【0059】
【化22】
【0060】比較例3 実施例1の環状酸無水物を使用せずに、実施例1と同様
の方法で感光体を作成し、電子写真特性および保存安定
性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1が明瞭に示すように実施例1〜5の感
光体は、半導体レーザー光(波長780nm)に対して
高い感度を有し暗減衰保持率にも優れていた。また、加
温処理後の電子写真特性の変化も少なく、安定度も高い
保存安定性に優れた電子写真感光体であった。
【0063】実施例6 実施例1〜5の感光体の印刷特性を調べるため、144
0ES Plate−setter製版機(Print
ware社製)を用いて製版物を作成し、この製版物を
ダイヤファックスマスター用エッチ液LOM−OH(三
菱製紙社製)でエッチング処理後、トーコーモデル81
0小型オフセット印刷機(東京航空計器社製)で上質紙
に印刷したところ、実施例1〜5の各感光体の製版物は
5000枚以上の耐刷性があり、地汚れも発生せず、良
好な印刷物が得られた。
【0064】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の電子写真感
光体は、赤色光ないし赤外線、特に半導体レーザー光に
対して実用的な高い感度を有し、保存安定性にも優れた
感光体であり、酸化亜鉛電子写真感光体において困難と
されてきた半導体レーザー光による走査露光が可能とな
り、半導体レーザー光に適合する電子写真オフセットマ
スターの実用化が可能となった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G03G 15/04 116 9122−2H (72)発明者 田中 章 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛、
    結着樹脂、増感色素および環状酸無水物を含んで成る光
    導電体層を有する電子写真感光体において、該増感色素
    が下記の化1または化2によって表される少なくとも一
    種類の色素化合物であることを特徴とする電子写真感光
    体。 【化1】 【化2】 (化1および化2において、R1、R2、R3およびR4
    互いに同じでも異なってもよく、アルキル基、アルケニ
    ル基またはアラルキル基を示す。Y1、Y2およびY3
    互いに同じでも異なってもよく、含窒素環の3位の炭素
    原子と共に炭化水素環を形成するのに必要な原子群を示
    す。Z1、Z2、Z3およびZ4は互いに同じでも異なって
    もよく、ベンゼン環、ナフタレン環を形成するのに必要
    な原子群を示す。Lはメチン基を示し、mは2または3
    である。X-はアニオン、nは1または2であり、色素
    が分子内塩を形成するときは1である。)
  2. 【請求項2】 半導体レーザー光により露光することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
JP10308692A 1991-12-27 1992-04-22 電子写真感光体 Pending JPH05297619A (ja)

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