JPH08292590A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH08292590A
JPH08292590A JP9473595A JP9473595A JPH08292590A JP H08292590 A JPH08292590 A JP H08292590A JP 9473595 A JP9473595 A JP 9473595A JP 9473595 A JP9473595 A JP 9473595A JP H08292590 A JPH08292590 A JP H08292590A
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JP
Japan
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group
electrophotographic
substituted
atoms
zinc oxide
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JP9473595A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Matsubayashi
達朗 松林
Atsushi Maruyama
淳 丸山
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体レーザー光による走査露光が可能で、
高感度、および良好な暗減衰を有し、保存安定性にも優
れた電子写真オフセットマスターを提供する。 【構成】 導電性支持体上に、光半導性酸化亜鉛、結着
樹脂、下記の一般式化1によって表される増感色素およ
び必要に応じて増感助剤を含んで成る感光層を有する電
子写真感光体。 【化1】 (式中、R1は1個以上のカルボキシ基によって置換さ
れた炭素数2個以上のアルキル基を表し、該アルキル基
はカルボキシ基以外の物で置換されていてもよい。R2
は2価の連結基を表し、kは0または1である。Yは含
窒素環3位の炭素原紙上と共に環状炭化水素を形成する
のに必要な非金属原子群であって、炭素原子の一個以上
がヘテロ原子で置換されていても良い。Zは置換もしく
は無置換のベンゼン環またはナフタレン環を形成するの
に必要な原子群を表す。L1〜L3は無置換もしくは置換
のメチン基を表し、mは2または3である。Xはアニオ
ンを表し、nは分子内の電荷を0に調整するのに必要な
数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長波長領域に感光性を有
する電子写真感光体に関するものであり、更に詳しくは
光導電体として酸化亜鉛を使用した、半導体レーザー光
に適合する電子写真オフセットマスターに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている電子写真オフセ
ットマスターは、導電性支持体上に光導電性酸化亜鉛、
結着樹脂、増感色素および増感助剤を含んで成る光導電
体層を設けたものである。
【0003】酸化亜鉛は、安価、取扱易さ、無公害等の
点から電子写真用の感光体として多量に使用されてき
た。酸化亜鉛固有の感光波長域は紫外部(380nm)
付近であり、電子写真感光体として使用する場合は可視
光に感度をもたせるために、ローズベンガル、エリスロ
シン、フルオレッセイン、メチレンブルー、クリスタル
バイオレット、ブロムフェノールブルー等の増感色素を
加え、スペクトル増感して使用されてきた。この様な増
感色素を用いた従来の酸化亜鉛電子写真オフセットマス
ターの製版方法は、ハロゲンランプ等の光源によるカメ
ラ型のダイレクト製版方式であった。
【0004】これに対して、最近ではレーザー光による
走査露光方式が用いられるようになってきた。このレー
ザー光による走査露光方式では、コンピューターからの
電気信号によって直接オフセットマスターに書き込むこ
とができ、拡大縮小、ネガポジ変換、直接網掛け等の多
くの機能を製版時に持たせることが可能となるため、従
来の製版方式に比べて多大のメリットを有する。この方
式によるレーザー光源としては、安価、小型、直接変換
可能というメリットを持つ半導体レーザー(波長域 7
00〜1000nm)が現在注目されている。しかし、
従来の酸化亜鉛電子写真オフセットマスターに使用され
ている増感色素の感光波長域はせいぜい650〜700
nmまでであり、700〜1000nmの波長域には感
度を持たず、半導体レーザー光源に対しては適合できな
いものであった。
【0005】そこで、レーザー光源に対して適合する電
子写真感光体として、特開昭59−116760号、特
開昭59−220753号、特開昭61−156132
号、特開平1−202758号、特開平3−48856
号、特開平3−50557号公報等にフタロシアニン化
合物を用いた電子写真感光体の記載があるが、このよう
な感光体をオフセットマスターとして使用した場合、エ
ッチ液による不感脂化が不充分なために地汚れが発生し
たり、耐刷性不良や感度が不十分であるという欠点を有
していた。また、ポリメチン系シアニン色素を分光増感
剤として用いたものとしては、例えば、米国特許361
9154号、米国特許3682630号、特開昭57−
46245号、特開昭58−42055号、特開昭58
−58554号、特開昭58−59453号、特開昭5
9−22053号、特開昭59−78358号、特開昭
60−26949号、特開昭59−78358号、特開
昭60−26949号、特開昭62−220962号公
報等に記載されている。これらの中には、特性的に良好
なものもあるが、電子写真感光体とした場合に感度的に
不十分なものや、感度は高くても暗減衰保持率の劣るも
の、ポリメチン系色素特有の保存性に劣るという欠点を
有するものもある。これらの欠点を改善すべく、特開平
4−107466号公報では、酸化亜鉛に対する吸着性
の異なる2種類の色素を併用することを記載している
が、その効果は必ずしも満足できるものではなかった。
【0006】また、従来知られている酸化亜鉛を用いた
電子写真感光体用の増感助剤としては、クロラニル、P
−ベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン等の電子親
和性化合物が知られているが、本発明のような赤色光な
いし赤外線に対して感度を持つような色素を使用する電
子写真感光体では、これらの増感助剤は増感効果を発現
せず、使用する色素によっては増感助剤により色素が分
解する等の悪影響を受けることが判った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、赤色光ないし赤外線に対して実用的な高い感度、お
よび高い暗減衰保持率を有し、かつ保存安定性にも優れ
た電子写真感光体を提供するものであり、更に詳しく
は、半導体レーザー光に対して適合する電子写真オフセ
ットマスターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、導
電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛、結着樹脂、増感色
素および必要に応じて増感助剤を含んで成る光導電体層
を有し、該増感色素が一般式化2によって表される色素
化合物であることを特徴とする電子写真感光体によって
達成された。
【0009】
【化2】 (式中、R1は1個以上のカルボキシ基によって置換さ
れた炭素数2個以上のアルキル基を表し、該アルキル基
はカルボキシ基以外のもので置換されていてもよい。R
2は2価の連結基を表し、kは0または1である。Yは
含窒素環3位の炭素原子上と共に環状炭化水素を形成す
るのに必要な非金属原子群であって、炭素原子の一個以
上がヘテロ原子で置換されていても良い。Zは置換もし
くは無置換のベンゼン環またはナフタレン環を形成する
のに必要な原子群を表す。L1〜L3は無置換もしくは置
換のメチン基を表し、mは2または3である。Xはアニ
オンを表し、nは分子内の電荷を0に調整するのに必要
な数を表す。)
【0010】R1は1個以上のカルボキシ基によって置
換された炭素数2個以上のアルキル基を表す。具体例と
しては、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシ−n
−プロピル基、4−カルボキシ−n−ブチル基、5−カ
ルボキシ−n−ペンチル基、1,2−ジカルボキシエチ
ル基、1,3−ジカルボキシ−n−プロピル基、6−カ
ルボキシヘキシル基、3,5−ジカルボキシ−n−プロ
ピル基などを挙げることができる。また該アルキル基は
カルボキシ基以外のもので置換されていてもよく、具体
例としてはアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0011】R2は2価の連結基を表し、具体的にはメ
チレン、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、−
CO2−、−NHCO−、−CONH−、−SO2−、−
S−、−O−などであり、kは0または1である。
【0012】Yは含窒素環3位の炭素原子上と共に環状
炭化水素を形成するのに必要な非金属原子群であり、好
ましくは4〜7員であって、炭素原子の一個以上がヘテ
ロ原子で置換されていてもよい。具体的にはシクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
ン、オキサシクロブタン、アザシクロブタン、チアシク
ロブタン、テトラハイドロフラン、テトラハイドロチオ
フェン、ピロリジン、ジオキソラン、テトラハイドロピ
ラン、チアシクロヘキサン、アザシクロヘキサン、ジオ
キサン、ジチアン、オキサシクロヘプタン、チアシクロ
ヘプタン、アザシクロヘプタン等が挙げられる。
【0013】Zは置換もしくは無置換のベンゼン環、ナ
フタレン環を形成するのに必要な原子群を示す。置換基
を有する場合の置換基の具体例としては、スルホ基、カ
ルボキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホンアミド基、カルボキサミド基等を挙げる
ことができる。また、置換基がカルボキシ基、スルホ基
などの酸置換基の場合は、Na、K等のアルカリ金属
塩、Mg、Ca等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、トリエチルアンモニウム塩、トリブチルアンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩等の有機アンモニウム塩の形にな
っていてもよい。
【0014】L1〜L3で示されるメチン基は、無置換ま
たは置換されたものであり、置換されたものである場合
の置換基の具体的な例としては、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基等を挙
げることができる。さらに、置換基どうしが結合して3
つのメチン基を含む6員環、例えば4,4−ジメチルシ
クロヘキセン、1−クロロシクロヘキセン等を形成して
もよい。また、メチン鎖の長さを示すmは、2または3
である。
【0015】X-で示されるアニオンとしては、ハロゲ
ンイオン、過塩素酸イオン、アリールスルホン酸イオ
ン、アルキル硫酸イオン等を挙げることができる。ここ
で、nは分子内の電荷を0に調整するのに必要な数を表
す。
【0016】本発明で用いられる化2で示される化合物
の具体例を以下に挙げるが、その化合物の範囲は、これ
らに限定されるものではない。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】本発明の化合物の具体的合成例を次に詳述
する。
【0031】合成例1 例示化合物、化3の合成 合成スキームを化16に示す。
【0032】
【化16】
【0033】フェニルヒドラジン54.0gとアセチル
シクロヘキサン63.0gを氷酢酸150mlに溶解
し、2時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧留去
し、残さに酢酸エチルを加え、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液で3回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾去し、濾液を
減圧濃縮し、化合物(A)の粗製品92.2gを得た。
この(A)の粗製品を、減圧蒸留による精製を加えるこ
となく次反応に賦した。
【0034】4−アミノ−n−酪酸2.06g(20m
mol)を2N水酸化ナトリウム水溶液11.0ml中
に溶解し、氷水浴上内温5℃以下に保ちつつブロモアセ
チルブロミド3.15g(20mmol)を5分間かけ
滴下した。この内温を保ったまま1時間攪拌、さらに氷
水浴をはずし室温下1時間攪拌した。テトラヒドロフラ
ン30mlで2回抽出し、乾燥のため無水硫酸ナトリウ
ムを加え4時間攪拌した。減圧下濃縮し、淡黄色透明の
オイルを得た。精製のためイソプロピルエーテル20m
lを加え、50℃温水浴上攪拌、放冷後デカンテーショ
ンで上澄溶液を除去した。この洗浄操作を5回繰り返し
た。残留したオイルを再び減圧下濃縮し、無色透明のオ
イル状化合物(B)1.15gを得た。1 H-NMR(DMSO-d6、δppm) 1.63(t、2H) 2.23(t、2H) 3.0
8(dd、2H) 3.83(s、2H)
【0035】上記化合物(A)1.13gと上記化合物
(B)1.10gを混合し、90℃の油浴上で6時間加
熱した。室温下放冷し、生成した茶褐色のアメ状物に2
−ブタンを加えて結晶化し、粉砕、攪拌洗浄後、濾取、
乾燥し化合物(C)を1.03g得た。
【0036】上記化合物(C)1.03gとトリエチル
アミン0.73gをメタノール10mlに溶解し、氷水
冷下で塩酸グルタコンジアルデヒドジアニール0.35
g、無水酢酸0.75gを加え同温にて30分、室温で
4時間攪はんした。反応液を水80ml中にあけ、析出
物を濾取した。少量のメタノールに溶解し、酢酸エチル
エステルで再沈澱2回。濾取、乾燥し化3で示される色
素0.47g得た。 融点 230℃以上(分解) λmax=756nm(M
eOH)
【0037】合成例2 例示化合物、化6の合成 合成スキームを化17に示す。
【0038】
【化17】
【0039】上記化合物(A)0.85gと6−ブロモ
−n−カプロン酸0.83gとを混合し、90℃の油浴
上で5時間加熱した。室温下放冷し、生成した赤褐色の
アメ状物に2−ブタン10mlを加えて50℃加温しな
がら粉砕、攪拌し、放冷静置後沈殿を濾取し、イソプロ
ピルエーテルで洗浄、乾燥し化合物(D)を0.81g
を得た。
【0040】上記化合物(D)0.81gとトリエチル
アミン0.62gをメタノール10mlに溶解し、氷水
冷下で塩酸グルタコンジアルデヒドジアニール0.29
g、無水酢酸0.62gを加え同温にて30分、室温で
5時間攪拌した。反応溶液を水30ml中に加えて再沈
澱し、デカントで得た粗精製物の沈澱に酢酸エチルエス
テルmlを加え、60℃水浴上攪拌洗浄した。減圧下濃
縮乾固の後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒クロロホルム+メタノール)処理し、化6で示され
る色素0.56g得た。 融点 240℃以上(分解) λmax=755nm(M
eOH)
【0041】本発明において、感光層に含まれる前記増
感色素の含有量は、光導電性酸化亜鉛に対して0.00
01重量%〜2.0重量%の範囲内で使用可能である
が、0.0005重量%〜1.0重量%の範囲内である
ことがより好ましい。該範囲より少ないと、増感性への
効果が発現せず、また、該範囲より多くなると、見かけ
の感度は向上するが、帯電性、暗電荷保持性が低下する
とともに、コスト的にも問題となる。
【0042】本発明に用いられる光導伝性酸化亜鉛は、
電子写真オフセットマスターとして使用する場合、平均
粒径0.1〜1.0μm程度の微粉末のものが好ましく
使用できる。
【0043】本発明に係る、必要に応じて用いられる増
感助剤としては、一般に電子写真感光体用としてよく知
られている増感助剤をはじめ種々のものが利用できる。
例えば、クロラニル、p‐ベンゾキノン、テトラシアノ
キニジメタン等の電子親和性化合物、および環状酸無水
物等が利用できるが、本発明のような赤色光ないし赤外
光に対して感度を持つような色素を使用する電子写真感
光体では、色素の酸化分解等の悪影響を避けるために、
後者の方がより望ましい。この環状酸無水物は、無置換
または置換基を有してもよく、脂肪族ジカルボン酸の環
状酸無水物および芳香族環状酸無水物が好ましい。
【0044】本発明に用いられる結着樹脂としては、一
般に電子写真感光体用としてよく知られている結着樹脂
をはじめ種々のものが利用できる。例えば、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッ
ド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の結
着樹脂が利用できるが、電子写真オフセットマスター用
としては、コスト、電子写真感光層の感度特性、さらに
は印刷適性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
【0045】アクリル系樹脂としては、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル等の単独のポリマーの他
に、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの共重
合体や、さらにはアクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルとスチレンや酢酸ビニル等の共重合体であっても
よい。また、さらにはアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フタル酸、クロトン酸、無水フタル酸、ティグ
リン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルマロン酸等
で変性されたものであってもよい。これらの結着樹脂
は、単一種類で用いてもよいし、2種類以上の樹脂を混
合して用いてもよい。
【0046】本発明に用いられる結着樹脂の含有量は、
酸化亜鉛に対して10重量%〜30重量%の範囲内であ
ることが好ましく、該範囲をはずれると感度が低下した
り、地汚れや耐刷性等の印刷適性が悪化するので好まし
くない。
【0047】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、種々の支持体を用いることができ
る。一般に電子写真感光層の支持体は導電性であること
が好ましく、表面に導電性、耐溶剤性、耐水性を付与し
た紙およびプラスチックフィルムや、プラスチックでラ
ミネートされた紙、金属シート、金属ホイル、金属ホイ
ルを張り合わせた紙およびプラスチックフィルム等が用
いられる。
【0048】本発明に係る電子写真感光体の感光層を形
成するための塗布液は、所定量の光導伝性酸化亜鉛、結
着樹脂、増感色素、および必要に応じて増感助剤を有機
溶媒(例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、アセト
ン、メチルエチルケトン等)とともに、混合分散機(例
えば、ボールミル、サンドグラインダー、あるいはペイ
ントコンデショナー等)を用いて混合分散して調製す
る。
【0049】得られた塗布液は、ワイヤーバー、リバー
スロール、エヤーナイフ等の塗布方式により上記支持体
上に塗布し、熱風乾燥して感光層を形成する。感光層の
厚さは、帯電性、感度等に関係して印刷性に影響するも
のであって、通常は5〜25μmが好ましい。より好ま
しくは、10〜20μmである。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】実施例1 光導電性酸化亜鉛(堺化学社製サゼックス#2000)
100重量部、増感助剤として無水フタル酸0.40重
量部、アクリル系樹脂(三菱レイヨン社製ダイヤナール
LR−118、固形分率40%)50重量部、トルエン
140重量部および化6のヘプタメチンシアニン色素の
1×10-2モル/リットルのメチルアルコール色素溶液
10重量部を混合し、磁器製ボールミルで2時間混練
し、酸化亜鉛感光液を調製した。この感光液を導電性、
耐溶剤性、耐水性を有する紙に乾燥後の感光層の厚さが
約15μmとなるようにワイヤーバーで塗布し、熱風乾
燥した。
【0052】得られた電子写真感光体を20℃、65%
RHの雰囲気の暗所で、24時間コンディショニングを
行った後、下記の測定法により電子写真特性を測定し
た。作成した電子写真感光体の電子写真特性の測定に
は、川口電機社製のペーパーアナライザーSP−428
の光源部を改造したものを用いた。光源部に半導体レー
ザー投光器を設置し、この投光器より発したレーザー光
(発振波長780nm、出力2mW、ガリウム−アルミ
ニウム−ヒ素半導体レーザー)が反射ミラーを通して感
光体に照射されるようにした。感光体に対する帯電はス
タテック方式により行い、帯電直後の表面電位を初期帯
電電位V0(V)、帯電後60秒間暗減衰させた後の表
面電位の初期電位V0に対する割合を暗減衰保持率D.
D.(%)および帯電してから10秒後の表面電位が半
導体レーザー光照射により半分の電位になるまでに必要
な露光量を半減露光量E1/2(erg/cm2)として感
光体の評価を行った。その測定結果を表1に示す。
【0053】この感光体について、製造直後と80℃で
12時間加温処理後の反射スペクトルを測定し、700
nm〜850nmにおける反射スペクトルの吸収極大波
長の吸光度を測定し、加温処理後の吸光度を製造直後の
吸光度で除した値を安定度値として色素の保存安定性を
評価した。この色素の安定度の評価値は、1に近いほど
保存安定性が良いことを示す。安定度の評価値を表1に
示す。また、加温処理後の電子写真特性も表1に示す。
加温処理前後の電子写真特性の変化が少なく、安定度値
が1に近い感光体が保存安定性に優れた電子写真感光体
である。
【0054】実施例2 増感色素を化8のヘプタメチンシアニン色素に替える以
外は、実施例1と同様の方法で感光体を作成し、電子写
真特性および保存安定性を評価した。測定結果を表1に
示す。
【0055】実施例3 増感色素を化15のヘプタメチンシアニン色素に替え、
アクリル系樹脂として長瀬化成社製デソートE−048
(固形分率50%)を40重量部とした以外は、実施例
1と同様の方法により感光体を作成し、電子写真特性お
よび保存安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0056】比較例1 増感色素を下記構造の化18のヘプタメチンシアニン色
素に替える以外は、実施例1と同様の方法で感光体を作
成し、電子写真特性および保存安定性を評価した。測定
結果を表1に示す。
【0057】
【化18】
【0058】比較例2 増感色素を下記構造の化19のヘプタメチンシアニン色
素に替える以外は、実施例1と同様の方法で感光体を作
成し、電子写真特性および保存安定性を評価した。測定
結果を表1に示す。
【0059】
【化19】
【0060】比較例3 増感色素を化19と下記構造の化20のヘプタメチンシ
アニン色素併用(重量比で化19:化20=1:9で使
用。総添加量は、実施例1と同量)に替える以外は、実
施例1と同様の方法で感光体を作成し、電子写真特性お
よび保存安定性を評価した。測定結果を表1に示す。
【0061】
【化20】
【0062】
【表1】
【0063】表1が明瞭に示すように、実施例1〜3の
感光体は、半導体レーザー光(波長780nm)に対し
て高い感度を持ちながら、かつ暗減衰保持率にも優れて
いた。また、加温処理後の電子写真特性の変化も少な
く、安定度も高く、保存安定性に優れた電子写真感光体
であった。
【0064】
【発明の効果】以上に述べたように本発明の電子写真感
光体は、赤色光ないし赤外線、特に半導体レーザー光に
対して実用的な高い感度、および良好な暗減衰保持率を
有し、保存安定性にも優れた感光体であり、酸化亜鉛電
子写真感光体において困難とされてきた半導体レーザー
光による走査露光が可能となり、半導体レーザー光に適
合する電子写真オフセットマスターの実用化が可能とな
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛、
    結着樹脂、増感色素、および必要に応じて増感助剤を含
    んで成る感光層を有する電子写真感光体において、該増
    感色素が下記一般式化1によって表される色素化合物で
    あることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1は1個以上のカルボキシ基によって置換さ
    れた炭素数2個以上のアルキル基を表し、該アルキル基
    はカルボキシ基以外のもので置換されていてもよい。R
    2は2価の連結基を表し、kは0または1である。Yは
    含窒素環3位の炭素原子上と共に環状炭化水素を形成す
    るのに必要な非金属原子群であって、炭素原子の一個以
    上がヘテロ原子で置換されていても良い。Zは置換もし
    くは無置換のベンゼン環またはナフタレン環を形成する
    のに必要な原子群を表す。L1〜L3は無置換もしくは置
    換のメチン基を表し、mは2または3である。Xはアニ
    オンを表し、nは分子内の電荷を0に調整するのに必要
    な数を表す。)
  2. 【請求項2】 半導体レーザー光により露光することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
JP9473595A 1995-04-20 1995-04-20 電子写真感光体 Pending JPH08292590A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7855293B2 (en) * 2000-09-19 2010-12-21 Lutz Haalck 3-spiro-cyanin fluorochromes and their use in bioassays

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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