JP2751749B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2751749B2
JP2751749B2 JP21752592A JP21752592A JP2751749B2 JP 2751749 B2 JP2751749 B2 JP 2751749B2 JP 21752592 A JP21752592 A JP 21752592A JP 21752592 A JP21752592 A JP 21752592A JP 2751749 B2 JP2751749 B2 JP 2751749B2
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貴弘 鈴木
滋基 鷲野
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正典 村瀬
正治 白井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体、特
に、導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層が順
次積層してなる積層型の感光層を有する電子写真感光体
に関する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン顔料は、塗料、印刷イン
キ、触媒或いは電子材料として有用な材料であり、特に
近年は電子写真感光体用材料、光記録用材料、光電変換
材料として、広範に検討がなされており、フタロシアニ
ン顔料を電荷発生材料として含有する電子写真感光体に
ついても、種々のものが提案されている。一般に、フタ
ロシアニン顔料は、製造方法、処理方法の相違により、
多数の結晶型を示すことが知られており、この結晶型の
違いは、フタロシアニンの光電変換特性に大きな影響を
及ぼすことが知られている。従来、積層型感光層を有す
る電子写真感光体において、感光層の結着樹脂としては
種々のものが提案されており、例えば、ポリビニルブチ
ラール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エステル、ポリカーボネート、スチレン−アクリル酸共
重合体等を使用することも知られている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フタロ
シアニン顔料は、上記ポリビニルブチラール系樹脂或い
はスチレン−アクリル酸共重合体等を結着樹脂として使
用した場合、結着樹脂中での分散性が悪く、そして得ら
れる塗布液の塗布性が悪いという問題があった。この様
な塗布液を使用して形成された感光層は、感度特性或い
は電荷保持性に問題があり、さらに、画像上、カブリや
黒点等の欠陥を生じ、十分満足のいく特性のものではな
かった。例えば、クロロガリウムフタロシアニン、チタ
ンオキサイドフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン等は、電荷発生能は優れているが、分散性、
塗布性が悪く、これらを使用して作製された電子写真感
光体は、カブリや黒点等の画像欠陥が多発するという問
題があった。本発明は、従来の技術における上記のよう
な問題点を解決することを目的としてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、高感度特性を有し、電
荷保持性が良好で、画質欠陥の少ない電子写真感光体を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、感
光層における電荷発生材料としてフタロシアニン顔料を
用い、結着樹脂として、カルボキシル基を有するポリビ
ニルアセタール系樹脂を用いることにより達成すること
ができる。すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電
性支持体上に積層型の感光層を有するものであって、そ
の感光層が、電荷発生材料としてフタロシアニン顔料を
含有し、結着樹脂として、下記式(I)で示される、カ
ルボキシル基を有するポリビニルアセタール系樹脂を含
有することを特徴とする。
【化2】 (式中、R1 は水素原子またはアルキル基を表わし、R
2 およびR3 は、それぞれアルキル基、カルボキシル基
またはカルボキシアルキル基を表わすが、R2 およびR
3 の少なくとも一方は、カルボキシル基またはカルボキ
シアルキル基を表わし、k、mおよびnは共重合比であ
て、k=60〜85モル%、m=0〜10モル%、n=
20〜40モル%である。)
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。図
1ないし図4は、本発明の電子写真感光体の模式的断面
図である。図1においては、導電性支持体3上に電荷発
生層1が設けられ、その上に、電荷輸送層2が設けられ
ている。図2においては、さらに、導電性支持体3と電
荷発生層1との間に、下引き層4が設けられており、ま
た、図3においては、表面に保護層5が設けられてい
る。また、図4においては、下引き層4と保護層5の両
者が設けられている。
【0006】本発明において、導電性支持体としては、
アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金
属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、ク
ロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化イ
ンジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィル
ム等、或いは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙
およびプラスチックフィルム等があげられる。これらの
導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状な
ど、適宜の形状のものとして使用されるが、特に限定さ
れるものではない。さらに、必要に応じて、導電性支持
体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を施す
ことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、お
よび着色処理など、または砂目立て等の乱反射処理など
を行うことができる。
【0007】導電性支持体の上には、下引き層を設けて
もよい。下引き層は、積層構造からなる感光層を帯電し
た際に、導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止
すると共に、感光層を導電性支持体に対して、一体的に
接着保持させる接着層としての作用、或いは場合によっ
て導電性支持体の反射光防止作用などを示す。下引き層
に用いる材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルア
ルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトロセルロ
ース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、
スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポ
リアクリルアミド、ジルコニウムキレート化合物、ジル
コニウムアルコキシド化合物、チタニルキレート化合
物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合
物、シランカップリング剤等の公知の材料が上げられ
る。下引き層の膜厚は、0.01〜10μm、好ましく
は0.05〜2μmの範囲である。
【0008】導電性支持体またはその上の下引き層の上
には電荷発生層が設けられるが、電荷発生層は、電荷発
生材料が結着樹脂中に分散されたものである。本発明に
おいては、電荷発生材料として、フタロシアニン顔料が
用いられる。具体的には、無金属フタロシアニン、バナ
ジウムフタロシアニン、チタンオキサイドフタロシアニ
ン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン、クロロスズフタロシアニン等のフ
タロシアニン結晶が用いられる。
【0009】これらフタロシアニン結晶は、公知の方法
で製造されたフタロシアニン化合物を、ボールミル、乳
鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて機械的に粉砕する
ことによって製造することができる。粉砕する際には、
食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いるのが好ましく、それ
によりフタロシアニン化合物を、非常に効率よく、粒径
の整った結晶型のものに転移させることができる。磨砕
助剤は、フタロシアニン化合物に対して0.5〜20
倍、好ましくは1〜10倍の範囲で使用する。粉砕によ
って得られたフタロシアニン結晶は、さらに、トルエ
ン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、2−ブタノ
ン、フェノール、ベンジルアルコール等の有機溶剤で処
理し、さらに結晶性、粒径を整えることができる。これ
らの有機溶剤による処理は、必要に応じてガラスビー
ズ、スチールビーズ等の磨砕媒体等を用いてミーリング
しながら行ってもよい。また、公知の方法で製造された
フタロシアニン化合物について、酸またはアルカリ水溶
液中で加水分解またはアシッドペースティング等の処理
を施してフタロシアニン結晶を製造することもできる。
なお、アシッドペースティングとは、顔料を90〜10
0%の濃硫酸に溶解した溶液を、水、有機溶剤、または
水と有機溶剤との混合物中に滴下して、顔料を析出する
方法であり、溶解時の温度、濃度によって、生成する顔
料の特性が異なってくる。通常、顔料の特性に応じて、
30〜50℃の温度、飽和溶解度の1/100〜9/1
0の濃度が採用され、その温度および濃度範囲を適宜選
択して実施することができる。フタロシアニン顔料の粒
子サイズは、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以
下、さらに好ましくは0.15μm以下である場合に、
結着樹脂への分散が好適に行われる。
【0010】本発明において、電荷発生層における結着
樹脂は、上記式(I)で示される、カルボキシル基を有
するポリビニルアセタール系樹脂が使用されるが、好ま
しくは、上記式(I)中、R1 、R2 およびR3 が下記
表1に示されるものがあげられる。
【0011】
【表1】 上記式(I)で示されるポリビニルアセタール系樹脂
は、重量平均分子量1000〜80000の範囲のもの
から適宜選択することができる。また、同種の単量体よ
りなる分子量の異なる2種以上のポリビニルアセタール
系樹脂を混合して用いることもできる。
【0012】フタロシアニン顔料と結着樹脂との配合比
は、10:1〜1:10(重量比)の範囲が好ましい。
フタロシアニン顔料を結着樹脂中に分散させる方法とし
ては、ボールミル分散法、アトライター分散法、サンド
ミル分散法、ダイノ−ミル分散法、ペイントシェーカー
による方法など、通常使用している方法を用いることが
できるが、その際、分散によってフタロシアニン顔料の
結晶型が変化しないような条件で行うことが必要であ
る。ちなみに、本発明において実施する上記の分散法
は、いずれも分散前と分散後では結晶型が変化していな
いことが確認されている。また、分散処理時間について
も、10分から50時間の範囲で、分散状態、異物の混
入度等を考慮しながら適当な時間を選択する必要があ
る。なお、分散方法によっては、異物が混入する場合が
あるが、その場合には、遠心分離、磁気処理、濾過等に
よって異物を除去することが必要になる。上記分散処理
に際して使用する溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアル
コール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセト
ン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢
酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチ
レンクロライド、クロロホルム、キシレン、トルエン、
モノクロロベンゼン等の有機溶剤があげられ、これらは
単独或いは2種以上混合して用いることができる。
【0013】電荷発生層の膜厚は、一般には0.1〜5
μm、好ましくは0.2〜2μmの範囲に設定される。
また、電荷発生層を設ける際の塗布方法としては、ブレ
ードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ビ
ードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カ
ーテンコーティング法等、通常採用される方法が使用で
きる。
【0014】電荷輸送層は、電荷輸送材料を適当な結着
樹脂中に含有させて形成される。電荷輸送材料として
は、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘
導体、1、3、5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピ
リジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン
等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、ジベンジ
ルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N′−
ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−
[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳
香族第3級ジアミノ化合物、3−(4′−ジエチルアミ
ノフェニル)−5,6−(4′−メトキシフェニル)−
1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−1,1′−ジフェニルヒドラゾン等の
ヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾ
リン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−
ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフ
ラン誘導体、p−(2,2′−ジフェニルビニル)−
N,N−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導
体、「Journal of imaging Science」29:7−10(1985)
に記載されているエナミン誘導体、N−エチルカルバゾ
ール、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導
体、ポリ−γ−カルバゾールエチルグルタメートおよび
その誘導体、さらにはピレン、ポリビニルピレン、ポリ
ビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ−9
−ビフェニルアントラセン、ピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
公知の電荷輸送材料を用いることができるが、これらに
限定されるものではない。これら電荷輸送材料は単独或
いは2種以上混合して用いることができる。
【0015】電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹
脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−ア
ルキッド樹脂なお、公知の樹脂を用いることができる。
これらの結着樹脂は単独で或いは2種以上のものを混合
して用いることができる。
【0016】電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、1
0:1〜1:5(重量比)の範囲が好ましい。電荷輸送
層を形成する際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素
類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、メチレンク
ロライド、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状また
は直鎖状エーテル類等があげられ、これらは単独で或い
は2種以上混合して用いることができる。電荷輸送層の
膜厚は、一般には5〜50μm、好ましくは10〜30
μmの範囲に設定される。また、電荷輸送層を設ける際
の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法、ビードコーティング法、エアー
ナイフコーティング法、カーテンコーティング法等、通
常採用される方法が使用できる。
【0017】また、電荷発生層または電荷輸送層には、
複写機中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは光、熱
による感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤、光
安定剤、熱安定剤等の添加剤を含有させることができ
る。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリ
ールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピ
ロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、
有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、
ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメ
ート、テトラメチルピペリジン等があげられる。また、
感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低
減等の目的で、1種以上の電子受容性物質を含有させる
こともできる。使用可能な電子受容性物質としては、例
えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マ
レイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、
テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o
−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニ
ル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノ
ン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息
香酸、フタル酸等があげられる。これらの中でも、フル
オレノン系、キノン系のものや、Cl,CN,NO2
どの電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好
ましい。
【0018】本発明の電子写真感光体においては、さら
に必要に応じて電荷輸送層の上に保護層を設けてもよ
い。保護層は、積層構造からなる感光層の帯電時におけ
る電荷輸送層の化学的変質を防止すると共に、感光層の
機械的強度を改善する作用をする。保護層は、導電性材
料を適当な結着樹脂中に含有させることによって形成さ
れる。導電性材料としては、N,N′−ジメチルフェロ
セン等のメタロセン化合物、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−
ビフェニル]−4,4′−ジアミン等の芳香族アミン化
合物、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化イン
ジウム、酸化スズ−酸化アンチモン等の金属酸化物等の
材料を用いることができる。また、保護層に用いる結着
樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の公知の樹脂を用い
ることができる。保護層は、その電気抵抗が109 〜1
14Ω・cmになるように構成するのが好ましい。電気
抵抗が1014Ω・cmよりも高くなると、残留電位が上
昇し、カブリの多い複写物が形成される。また、109
Ω・cmよりも低くなると、画像ボケ、解像力の低下が
生じるようになる。また、保護層は、像露光に用いる光
の透過を実質的に妨げないように構成する必要がある。
保護層の膜厚は、0.5〜20μm、好ましくは1〜1
0μmの範囲に設定される。
【0019】
【作用】本発明の電子写真感光体の電荷発生層におい
て、電荷発生材料の結着樹脂として、カルボキシル基を
有するポリビニルアセタール系樹脂を使用するが、この
ポリビニルアセタール系樹脂はフタロシアニン顔料への
吸着状態が良好であり、その結果、塗布液でのフタロシ
アニン顔料の分散安定性が良好になり、経時においても
良好な分散状態を保つように作用する。したがって、形
成される電子写真感光体は、優れた電気的特性を有し、
良質な画質の画像を形成するようになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。な
お、実施例中「部」は、全て「重量部」を意味する。 実施例1 アルミニウム基板(1mm×40mmφ×310mm)
上に、ジルコニウム化合物(オルガチックスZC54
0、マツモト製薬社製)10部およびシラン(A111
0、日本ユニカー社製)1部と、i−プロパノール40
部およびブタノール20部とよりなる溶液を、浸漬塗布
法によって塗布し、120℃において10分間加熱乾燥
し、膜厚0.1μmの下引き層を形成した。次に、ヒド
ロキシガリウムフタロシアニン結晶l部を、例示樹脂N
o.21のポリビニルアセタール樹脂(Mw=25,0
00、k=0.7、m=0.05、n=0.25)1部
を含む10部のモノクロロベンゼンに溶解した溶液に添
加し、ガラスビーズと共にサンドミルで12時間分散処
理した。得られた分散液を、遠心分離(10000G×
30分間)を行い、分散中に混入した鉄、クロム、ニッ
ケル、および原料中に含まれているAl、Ca等の重い
成分を除去した後、浸漬塗布に適する濃度である約3%
になるように、トルエン/テトラヒドロフラン(1:
1)混合溶剤で希釈し、濾過精度3μmのピュアセルロ
ースフィルター(ポールセルDC、ポール社製)によっ
て濾過を行った。得られた塗布液を、上記のようにして
形成された下引き層の上に浸漬塗布法によって塗布し、
100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.10μ
mの電荷発生層を形成した。なお、X線回折によって、
分散後のヒロドキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶
型は、分散前の結晶型から変化していないことを確認し
た。また、塗布液中のヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン結晶の平均粒径をレーザー散乱光型分布計(LA70
0、堀場製作所製)で測定したところ、0.22μmで
あった。次に、下記構造式(1)で示される化合物8部
と、下記構造式(2)で示される化合物2部と、下記式
(3)で示される構造単位から構成されるポリ(4,
4′−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート)
10部とを、モノクロロベンゼン80部に溶解し、得ら
れた塗布液を、電荷発生層の上に浸漬塗布法によって塗
布し、120℃において1時間加熱乾燥して、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成した。
【0021】
【化3】
【0022】このようにして得られた電子写真感光体
を、レーザープリンター改造スキャナ−(XP−11改
造機、富士ゼロックス社製)を用いて、常温常湿(20
℃、40%RH)下で、グリッド印加電圧−700Vの
スコロトロン帯電器で帯電し(A)、780nmの半導
体レーザーを用いて、1秒後に7.0erg/cm2
光を照射して放電を行い(B)、さらに3秒後に50e
rg/cm2 の赤色KED光を照射して除電を行う
(C)という、プロセスによって、各部の電位[(VH
)、(VL )および(VRP)]を測定した。また、こ
の測定を、低温低湿(10℃、15%RH)および高温
高湿(28℃、85%RH)の各環境下でも行い、3環
境間での各電位の変動量を測定して環境安定性評価を行
った。この電子写真感光体をレーザープリンター(XP
−11、富士セロックス社製)に装着し、高温高湿(2
8℃、85%RH)下で10000枚の耐久試験を行
い、画質評価を行った。また、上記の電荷発生層形成用
塗布液を、作成した後30日放置し、同様にして電子写
真感光体を作製し、同様のテストを行った。これらの結
果を表2に示す。
【0023】実施例2 実施例1と同様にして、アルミニウム基板(1mm×4
0mmφ×310mm)上に下引き層を形成した。次
に、X線回折によってブラッグ角度(2θ±0.2°)
の少なくとも27.3°に強いピークを有するチタンオ
キサイドフタロシアニンl部を、前記例示樹脂No.4
のポリビニルアセタール樹脂(Mw=20,000、k
=0.66、m=0.04、n=0.30)1部を含む
10部の酢酸i−アミルに溶解した溶液に添加し、低ア
ルカリガラスビーズと共にダイノーミルで15時間分散
処理した。得られた分散液を、遠心分離(15000G
×30分間)を行い、分散中に混入した鉄、クロム、ニ
ッケル、および原料中に含まれているAl、Ti、Si
等の重い成分を除去した後、浸漬塗布に適する濃度であ
る約5.8%になるように、モノクロロベンゼンで希釈
し、濾過精度10μmのメンブランフィルターによって
濾過を行った。得られた塗布液を、上記下引き層の上に
浸漬塗布法によって塗布し、180℃において15分間
加熱乾燥し、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成し
た。なお、X線回折によって、分散後のチタンオキサイ
ドフタロシアニン結晶の結晶型は、分散前の結晶型から
変化していないことを確認した。また、塗布液中のチタ
ンオキサイドフタロシアニン結晶の平均粒径を実施例1
と同様に測定したところ、0.20μmであった。次
に、実施例1と同様にして、電荷輸送層を電荷発生層の
上に形成し、電子写真感光体を作製した。この電子写真
感光体について、実施例1と同様に測定して評価を行っ
た。その結果を後記表2に示す。
【0024】実施例3 実施例1と同様にして、アルミニウム基板(1mm×4
0mmφ×310mm)上に下引き層を形成した。次
に、X線回折によってブラック角度(2θ±0.2°)
の少なくとも7.4°、16.6°、25.5°、2
8.3°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシ
アニン結晶l部を、前記例示樹脂No.15のポリビニ
ルアセタール樹脂(Mw=10,000、k=0.7
0、m=0.05、n=0.25)1部を含む10部の
酢酸ブチルに溶解した溶液に添加し、低アルカリガラス
ビーズと共にダイノーミルで8時間分散処理した。得ら
れた分散液を、遠心分離(7000G×30分間)を行
い、分散中に混入した鉄、クロム、ニッケル、および原
料中に含まれているAl、Ca、Si等の重い成分を除
去した後、浸漬塗布に適する濃度である約4.8%にな
るように、キシレンで希釈し、濾過精度13μmのピュ
アセルロースフィルター(ポールセルDC、ポール社
製)によって濾過を行った。得られた塗布液を、上記下
引き層の上に浸漬塗布法によって塗布し、100℃にお
いて10分間加熱乾燥し、膜厚0.15μmの電荷発生
層を形成した。なお、X線回折によって、分散後のクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶の結晶型は、分散前の結
晶型から変化していないことを確認した。また、塗布液
中のクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を実
施例1と同様に測定したところ、0.19μmであっ
た。次に、実施例1と同様にして、電荷輸送層を電荷発
生層の上に形成し、電子写真感光体を作製した。この電
子写真感光体について、実施例1と同様に測定して評価
を行った。その結果を後記表2に示す。
【0025】比較例1 実施例1における例示樹脂No.21のポリビニルアセ
タール樹脂の代わりに下記式(4)で示されるポリビニ
ルブチラール樹脂
【化4】 (Mw=21,000、a=0.70、b=0.05、
c=0.25)を用いた以外は、実施例1と同様にして
電子写真感光体を作製し、同様に測定して評価を行っ
た。その結果を後記表2に示す。なお、電荷発生層形成
用塗布液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の
平均粒径は、0.52μmであった。
【0026】比較例2 実施例2における例示樹脂No.4のポリビニルアセタ
ール樹脂の代わりに上記式(4)で示される比較例1と
同様のポリビニルブチラール樹脂を用いた以外は、実施
例2と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に測定
して評価を行った。その結果を後記表2に示す。なお、
電荷発生層形成用塗布液中のチタンオキサイドフタロシ
アニン結晶の平均粒径は、0.44μmであった。
【0027】比較例3 実施例3における例示樹脂No.15のポリビニルアセ
タール樹脂の代わりに上記式(4)で示される比較例1
と同様のポリビニルブチラール樹脂を用いた以外は、実
施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に測
定して評価を行った。その結果を後記表2に示す。な
お、電荷発生層形成用塗布液中のクロロガリウムフタロ
シアニン結晶の平均粒径は、0.73μmであった。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記実施例および比較例の比
較からも明らかなように、電荷発生層形成用塗布液中の
フタロシアニン顔料の分散安定性が優れており、作製さ
れた電子写真感光体は、感度が高く、残留電位が低く、
環境安定性および繰り返し安定性が優れている。したが
って、繰り返し使用に際して、黒点、カブリなどの画質
欠陥を生じることがなく、優れた画質のコピー画像を長
期間にわたって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、
4…下引き層、5…保護層。
フロントページの続き (72)発明者 鷲野 滋基 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 竹本 誠 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 村瀬 正典 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (72)発明者 白井 正治 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献 特開 昭63−55553(JP,A) 特開 平2−146548(JP,A) 特公 昭53−39767(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 101 G03G 5/06 371

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に積層型の感光層を有す
    る電子写真感光体において、該感光層が、電荷発生材料
    としてフタロシアニン顔料を含有し、結着樹脂として、
    下記式(I)で示される、カルボキシル基を有するポリ
    ビニルアセタール系樹脂を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはアルキル基を表わし、R
    2 およびR3 は、それぞれアルキル基、カルボキシル基
    またはカルボキシアルキル基を表わすが、R2 およびR
    3 の少なくとも一方は、カルボキシル基またはカルボキ
    シアルキル基を表わし、k、mおよびnは共重合比であ
    て、k=60〜85モル%、m=0〜10モル%、n=
    20〜40モル%である。)
  2. 【請求項2】 フタロシアニン顔料が、クロロガリウム
    フタロシアニンである請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン顔料が、ヒドロキシガリ
    ウムフタロシアニンである請求項1記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 フタロシアニン顔料が、チタンオキサイ
    ドフタロシアニンである請求項1記載の電子写真感光
    体。
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