JPH05297549A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH05297549A
JPH05297549A JP12790392A JP12790392A JPH05297549A JP H05297549 A JPH05297549 A JP H05297549A JP 12790392 A JP12790392 A JP 12790392A JP 12790392 A JP12790392 A JP 12790392A JP H05297549 A JPH05297549 A JP H05297549A
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JP
Japan
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liquid
processing
solvent
solvent liquid
photosensitive material
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Application number
JP12790392A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Hirohisa Ogawa
裕久 小川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の処理液でも良好な処理を行え、小型に
構成できる感光材料処理装置を提供。 【構成】 処理槽内で隔壁12及び溶剤液Dで2種の処
理液W1,W2が分離されており、下流側に処理液W2
を補充すると上流側にオーバーフローするように、溶剤
量、オーバーフロー孔、処理液量が設定されている。溶
剤液と処理液の界面近傍には塵埃吸引用の開口端部36
が位置している。溶剤液中には冷却手段30、加熱手段
32が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料を複数の
処理液に順次浸漬して処理するに際し、異なる処理液の
間に溶剤液を充填して処理液の混合(コンタミネーショ
ン)を防止し、しかもコンパクトな処理槽を構成する感
光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料を処理する際に、感光材料
の進行に伴い前浴の処理液が後浴の処理液中に混入する
と、処理液の成分が変化して適正な処理が行われず、処
理ムラとなってしまう。そこで、処理液の混入するため
に、特開平1−105946号に開示されているよう
に、異なる複数の処理液層の下に処理液より比重が大き
くかつ溶解度が10重量%以下の有機溶剤液の層を設け
た感光材料処理装置が提案されている。この装置によれ
ば、処理液と溶剤液との比重の関係で、複数の処理液は
溶剤液により分離されているので混合することはない。
【0003】また、感光材料が処理液から溶剤液中に搬
送された際に処理液が溶剤液中に混入しても処理液成分
は溶剤液中を上昇して処理液中に戻り、感光材料が溶剤
液中から次の処理液中に搬送された際に溶剤液がこの処
理液中に混入しても、溶剤液は処理液中を下降して溶剤
液中に戻る。そのため、感光材料の処理中であっても溶
剤液を介して異なる処理液が混合されることはない。ま
た、この溶剤液は比重が高いので、感光材料が通過する
ときに、感光材料表面に付着していた処理液成分を除去
する(スクイズ)機能をも有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】感光材料を処理するに
従い、処理液は順次疲労又は劣化して行くので、処理液
の性能を回復させるために補充をする必要がある。水洗
処理のように同じ機能の処理液槽をカスケード状に多段
に配置する際には、最後段槽に新鮮な水洗水を補充して
順次前段槽にオーバーフローさせるように構成されてい
る。ところが、複数の処理液の間に溶剤液の層を設けて
多段カスケード状態を構成した場合では、後段槽から前
段槽へ処理液を供給する構成が複雑になってしまう。
【0005】また、処理液中に補充液を補充して処理液
性能を回復させていても、感光材料を処理した際に感光
材料に付着していた塵埃や、感光材料の切断切り屑、端
部の乳剤切り屑等が離脱して処理液に混入することは避
けられず、塵埃等による処理不良が発生する。例えば、
処理液に混入した塵埃等は処理液中を浮遊したり処理液
と溶剤液との界面に溜まり、この塵埃等が感光材料に再
度付着して汚れとなり、良好に処理することができな
い。本発明の目的は上記問題を解決することにあり、溶
剤液で処理液を区画して良好な処理を行え、小型に構成
できる感光材料処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記目的
は、下記(1)〜(5)によって達成される。 (1) 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解度が1
0重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離された2つの処
理液の共通の下層として設け、一方の処理液中から溶剤
液層を通って他方の処理液中にハロゲン化銀写真感光材
料を搬送して該感光材料を処理する感光材料処理装置に
おいて、後浴の前記処理液と前記溶剤液との界面が前記
隔壁下端のオーバーフロー部分に位置したときに、前浴
の前記処理液上面がオーバーフロー孔のレベルに位置す
るように、前記オーバーフロー孔の位置と前記溶剤液の
充填量とが関係付けられていることを特徴とする感光材
料処理装置。
【0007】(2) 比重が1.1以上でかつ水に対す
る溶解度が10重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離さ
れた2つの処理液の共通の下層として設け、一方の処理
液中から溶剤液層を通って他方の処理液中にハロゲン化
銀写真感光材料を搬送して該感光材料を処理する感光材
料処理装置において、前記溶剤液だけを充填したときの
液面が、前記隔壁下端のオーバーフロー部分から下式で
示すH0 の高さまで達する量の前記溶剤液を充填し、前
記隔壁の両側で前記溶剤液の上に前記処理液を充填した
感光材料処理装置。 H0 =H2 /2=wH1 /2(d−w) H1 :上流側処理液のオーバーフロー孔から下流側処理
液の液面までの高さ H2 :隔壁の下端から上流側処理液と溶剤液との界面ま
での高さ w :処理液の比重 d :溶剤液の比重
【0008】(3) 比重が1.1以上でかつ水に対す
る溶解度が10重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離さ
れた2つの写真処理液の共通の下層として設け、一方の
処理液中から溶剤液層を通って他方の処理液中にハロゲ
ン化銀写真感光材料を搬送して該感光材料を処理する感
光材料処理装置において、前記処理液と前記溶剤液との
境界付近で開口した端部を有する管と、該管の開口端部
から溶剤液上の浮遊物を吸引する吸引手段とを設けたこ
とを特徴とする感光材料処理装置。
【0009】(4) 前記管の開口端部が溶剤液面と交
差する形状であることを特徴とする前記(3)に記載の
感光材料処理装置。 (5) 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解度が1
0重量%以下で更に室温付近に融点がある溶剤液層を、
隔壁で分離された2つの写真処理液の共通の下層として
設け、一方の処理液中から溶剤液層を通って他方の処理
液中にハロゲン化銀写真感光材料を搬送して該感光材料
を処理する感光材料処理装置において、前記溶剤液を冷
却する冷却手段と、前記溶剤液を加熱する加熱手段と、
該冷却手段と該加熱手段との作動を切り換える制御手段
とを設けたことを特徴とする感光材料処理装置。
【0010】隔壁で分離された2つの処理液の下には溶
剤液層が設けられるが、溶剤液層の上に充填される各処
理液の量により、隔壁の両側での溶剤液上面の位置はそ
れぞれ異なる。すなわち、溶剤液上の処理液が多いほど
溶剤液上面は下方に位置する。逆に溶剤液上の処理液が
少ないほど溶剤液上面は上方に位置する。したがって、
溶剤液上の処理液量を適当に設定すれば、該処理液と溶
剤液との界面がちょうど隔壁の下端に位置するようにで
きる。また、該処理液の下面が隔壁の下端に位置した状
態では、他方の処理液と溶剤液の界面は、隔壁の下端か
ら所定高さ上に位置する。このような、隔壁の両側で処
理液面が釣り合った状態のときの処理液面位置にオーバ
ーフロー孔を設けておくことにより、液面レベルを一定
に維持することができる。
【0011】この状態で、界面が隔壁の下端に位置した
方の処理液に対して処理液を補充すると、処理液の重み
で界面が隔壁下端より下方に下がり、隔壁下端より下方
に下がった処理液は隔壁の反対側へオーバーフローす
る。オーバーフローした処理液は溶剤液中を上昇して、
その上の処理液中に混入する。すると、流れ込んだ方の
処理液は一時的に量が増えるが、その分オーバーフロー
孔から排出されるので、処理液量は一定に維持される。
感光材料はオーバーフロー孔を有する側から隔壁の下を
通って他方の側に搬送されて行く過程で、溶剤液中を通
って溶剤液にスクイズされるので、上流側の処理液が下
流側の処理液に混入することはなく、少量の処理液でも
良好に処理でき、処理装置を小型に構成できる。特に、
上記構成を水洗処理に適用した場合には、隔壁の両側の
処理液が良好なカスケード状態になり、少量の水洗水で
もムラなく確実に感光材料を洗浄することができる。
【0012】本装置は水洗に対して特に有効であり水洗
水の補充量を著しく低減できるが、現像液、漂白液、定
着液に対しても同様に有効で、やはり各液の補充量を少
なくすることができる。すなわち、処理液をカスケード
で補充して処理すると、前液の持ち込みの多い液で始め
は予備処理でき、後半ではいつもフレッシュな液で処理
することになり、総合的には処理時間の短縮や補充量の
低減が図られる。更に、後半の処理部分に温度調整手段
を備え、設定温度を高めにしておくことにより、前半の
処理液部分は加温しなくて済む。こうすることによっ
て、更に時間短縮や補充量低減が図られる。
【0013】溶剤液上に浮遊している塵埃等は、界面付
近で開口した端部を有する管から処理槽外に吸引するこ
とにより容易に除去することができる。吸引速度を適当
に調整することにより、溶剤は吸引せずに溶剤液上の塵
埃等を処理液とともに吸引することができる。塵埃等と
ともに吸引した処理液は再び処理槽内に戻すことがこの
ましいが、この場合には、処理液を処理槽内に戻す前に
フィルタ等の濾過手段で塵埃等を除去することが必要で
ある。管の開口端部はどのような形状でもよいが、開口
部が処理液と溶剤液の界面と交差する形状が好ましい。
しかも、開口部は鉛直方向にある程度の高さを有し水平
方向に長く延びて、界面の広い領域にわたって交差して
いることが好ましい。ここで言う交差とは、図4、図5
及び図6に示す開口端部36のように、処理液と溶剤液
層の界面を横切って開口端部が位置することを意味す
る。感光材料の処理中又は処理前後の適当な時期に溶剤
液上にある塵埃等を吸引して除去することにより、塵埃
等が界面に長期にわたって滞留せず、これが感光材料に
再付着することもなく、良好な処理を行うことができ
る。
【0014】また、本発明に用いることができる溶剤液
のうち、室温付近に融点を有するものがある。このよう
な性質の溶剤液を用いれば、感光材料の処理時にのみ溶
剤液を液化し、他の時は溶剤液を固化させておくことが
できる。このために、溶剤液を冷却する冷却手段及び溶
剤液を加熱する加熱手段を備えていることが好ましい。
溶剤液の冷却手段及び加熱手段を備えていることによ
り、装置の非稼働時には溶剤を冷却して固化させておく
ことができ、メンテナンス等が容易になる。特に、溶剤
液上に機能の異なる2種の処理液層があり、これらの処
理液を交換する場合には、溶剤液を固化させておくと処
理液交換が容易である。処理を行うには、処理の開始に
先立ち加熱手段を作動させ溶剤を加熱して液化しておけ
ばよく、処理に対する問題はない。この種の溶剤液とし
ては、例えば、スリーエム製フロリナートFC−71
(融点33℃)、ダイキン製ダイフロンS−2(融点2
6℃)が好適である。
【0015】なお、溶剤液の融点が通常の室温よりかな
り低いときは、加熱手段がなくても液化が可能であるか
ら、このような特性を有する溶剤液を用いる場合は加熱
手段を備えなくてもよい。逆に、溶剤液の融点が通常の
室温より高く、通常の室温下でも固化する場合は、特に
冷却手段がなくても固化が可能であるから、このような
特性を有する溶剤液を用いる場合は冷却手段を備えなく
てもよい。ただし、この場合、液化状態での溶剤温度も
高くなるので、この温度に耐えられる感光材料を用いる
必要がある。また、冷却手段と加熱手段とを適当に作動
させて溶剤の固体と液体が混ざった状態を形成すること
ができる。これにより、感光材料との接触摩擦を調整す
ることができ、スクイズ機能を調整することができる。
【0016】本発明で用いる溶剤は、比重が1.1以
上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.4〜
2.9である。すなわち、ここで比重が処理液の約1と
ほとんど同じであると両者が混合してしまうので好まし
くないからである。また、水に対する溶解度が10重量
%(以下、%と略称する。)以下、好ましくは1%以
下、より好ましくは0.1%以下のものであり、主とし
てハロゲン化炭化水素系溶剤が用いられる。しかし、他
の溶剤でも上記要件を満足するものであれば使用するこ
とができ、例えば二硫化炭素、炭酸エチレン、o−ニト
ロアニソール、ニトロベンゼン、モノクロル酢酸、トリ
クロル酢酸、グリセリン−α,γ−ジクロルヒドリンな
どが挙げられる。なお、当然のことながら、ハロゲン化
銀感光材料の支持体を溶解したり等、感光材料に悪影響
を与えないものが好ましい。
【0017】このうち、特にハロゲン化炭化水素系溶剤
が好ましく、例えば、テトラクロルエチレン(比重1.
62〜1.63;水への溶解度160mg/リット
ル)、トリフッ化トリ塩化エタン(比重1.57;水へ
の溶解度90mg/リットル)、塩化メチレン(比重
1.33)、クロロホルム(比重1.49)、四塩化炭
素(比重1.59)、1,1,1−トリクロルエタン
(比重1.35)、1,1,2−トリクロルエタン(比
重1.44)、テトラクロルエタン(比重1.59〜
1.60)、ペンタクロルエタン(比重1.68)、ヘ
キサクロルエタン(比重2.09)、トリクロルエチレ
ン(比重1.46)、テトラクロルエチレン(比重1.
62)、1,2,3−トリクロルプロパン(比重1.3
9)、臭化エチレン(比重2.16)、テトラブロムエ
タン(比重2.96)、クロルブロムメタン(比重1.
92)、エチレンクロルプロミド(比重1.74)、o
−ジクロルベンゼン(比重1.31)、1,2,4−ト
リクロルベンゼン(比重1.46)、o−ジブロムベン
ゼン(比重1.97)、フルオロジクロルメタン(比重
1.43)、ジクロルジフルオルメタン(比重1.3
3)、フルオルトリクロルメタン(比重1.49)、ト
リフルオルモノブロムメタン(比重1.57)、1,
1,2−トリクロル−1,2,2−トリフルオルエタン
(比重1.58)、1,1,2,2−テトラクロロ−
1,2−ジフルオロエタン(比重1.64)などが挙げ
られる。これらは単独でも2種以上混合して用いてもよ
い。
【0018】本発明では写真処理液でハロゲン化銀感光
材料を処理した後、該処理液の下層として設置された上
記溶剤の相を通過させることを特徴とする。ここで写真
処理液としては、ハロゲン化銀感光材料の現像処理工程
で用いる処理液、例えば現像液、漂白液、定着液、漂白
定着液、リンス液等が挙げられる。また、現像液として
は黒白現像液、発色現像液が挙げられる。本発明では、
該溶剤層を通過するに要する時間は任意とすることがで
きるが、現像処理液成分、特に現像主薬が感光材料から
溶剤中へ移動するのに十分な時間を処理速度との関連で
決めるのがよい。一般的には、該溶剤層を1〜60秒、
好ましくは3〜20秒かけて通過するのがよい。また溶
剤で処理する温度は20〜80℃、好ましくは30〜6
0℃である。
【0019】次に本発明の処理装置における処理工程及
び各工程で使用する処理液、処理される感光材料の種類
について記載する。 処理工程 本発明では、下記のA〜Kにおいて発色現像の次に溶剤
処理を設けることができ、L〜Oにおいては、黒白現像
及び/又は発色現像の後に溶剤処理を設けることができ
る。尚、P及びQにおいては黒白現像の後に溶剤処理を
設ける。さらに、現像工程以外の処理工程の間にも溶剤
処理を設けることができる。
【0020】 A.発色現像−漂白定着−水洗−乾燥 B.発色現像−リンス−漂白定着−水洗−乾燥 C.発色現像−漂白−定着−水洗−乾燥 D.発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−乾燥 E.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−乾燥 F.発色現像−定着−漂白定着−水洗−乾燥 G.発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定−乾燥 H.発色現像−漂白−定着−水洗−安定−乾燥 I.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定−乾燥 J.発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥 K.発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定−乾燥 L.黒白現像−リンス−反転−発色現像−調整−漂白−
定着−水洗−安定−乾燥 M.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−定着−水洗−
安定−乾燥 N.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−漂白定着−水
洗−安定−乾燥 O.黒白現像−リンス−発色現像−漂白定着−水洗−安
定−乾燥 P.黒白現像−定着−水洗−乾燥 Q.黒白現像−停止−定着−水洗−乾燥
【0021】上記A〜Qの方法は、あくまでも例示のた
めに記載したものであり、本発明の処理は上記処理工程
に限定されるものではない。尚、上記Bの方法では、現
像処理→溶剤処理に続いて水洗(リンス)が設けられて
いるが、このようにリンスを行うと、ハロゲン化銀感光
材料を構成する乳剤層内部に取り込まれた現像液成分を
少量の水で除去できるので好ましい。また、上述したよ
うに、本発明では溶剤層を現像液等の写真処理液の下層
として設けるので、上記L〜Oのように工程が複雑な場
合に、処理工程の長さを圧縮でき、コンパクトな処理機
をつくることができる。また、L〜Oにおいて黒白現像
の後にも溶剤処理を設けると、次の水洗を省略できると
いう大きな利点が得られるのである。
【0022】現像処理 本発明では、現像液として発色現像液又は黒白現像液を
用いる。このうち、発色現像液は、好ましくは芳香族第
一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水
溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェノ
ール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミン
系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3−
メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシ
エチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエ
チルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−
トルエンスルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物は
目的に応じて2種以上併用することもできる。
【0023】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、亜硫酸塩ヒドラジン類、フェニルセミカルバジ
ド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸
類、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン)類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイド
ライドのようなカブラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾ
リドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリ
オルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−
N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミ
ン−N,N,N′−N′−テトラメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)
及びそれらの塩を代表例として挙げることができる。
【0024】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは一般的には9〜12である。またこ
れらの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料
にもよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リ
ットル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減
させておくことにより500ml以下にすることもでき
る。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面
積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止
することが好ましい。また現像液中の臭化物イオンの蓄
積を抑える手段を用いることにより補充量を低減するこ
ともできる。
【0025】漂白及び/又は定着処理(脱銀処理) 発色現像後、通常漂白処理される。漂白処理は定着処理
と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処理)、個別に
行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂白
処理後漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに二槽
の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理の
前に定着処理すること、又は漂白定着処理後漂白処理す
ることも目的に応じ任意に実施できる。漂白剤として
は、例えば鉄 (III)、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅
(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニト
ロ化合物等が用いられる。代表的漂白剤としてはフェリ
シアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコバルト
(III) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジ
エチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン
四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などのア
ミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸
塩;ニトロベンゼン類などを用いることができる。これ
らのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩を始めと
するアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩及び過硫酸塩は
迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらにア
ミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液においても、
漂白定着液においても特に有用である。これらのアミノ
ポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白液又は漂白定
着液のpHは通常5.5〜8であるが、処理の迅速化の
ために、さらに低いpHで処理することもできる。
【0026】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤として、具体的には、米国特許第3,
893,858号、西独特許第1,290,812号、
特開昭53−95630号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載
のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合
物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン
誘導体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ
尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物
塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキ
シエチレン化合物類;特公昭45−8836号記載のポ
リアミン化合物;臭化物イオン等があげられる。なかで
もメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が
促進効果が大きいので好ましく、特に米国特許第3,8
93,858号、西独特許第1,290,812号、特
開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。更
に、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も
好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよ
い。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれ
らの漂白促進剤は特に有効である。
【0027】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜
硫酸塩あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0028】水洗及び/又は安定化処理 上記脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程の水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers 第64巻、p.248〜25
3(1955年5月号)に記載の方法で求めることがで
きる。
【0029】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号公報に記載の
カルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方
法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭5
7−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイア
ペンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等
の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博
著「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅
菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴
剤事典」に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0030】使用する水洗水のpHは、4〜9であり、
好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時間も、感光
材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、1
5〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃
で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感
光材料は、上記水洗水に代り、直接安定波によって処理
することもできる。このような安定化処理においては、
特開昭57−8543号、同58−14834号、同6
0−220345号に記載の公知の方法はすべて用いる
ことができる。
【0031】又、前記水洗処理に続いて、更に安定化処
理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光材
料の最終浴として使用される、ホルマリンと界面活性剤
を含有する安定浴を挙げることができる。この安定浴に
も各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。上記
水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は
脱銀工程等他の工程において再利用することもできる。
【0032】本発明におけるハロゲン化銀カラー感光材
料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を
内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各
種ブレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許
第3,342,597号記載のインドアニリン系化合
物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロ
ージャー14,850号及び同15,159号記載シッ
フ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化
合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯
体、特開昭53−135628号記載のウレタン系化合
物を挙げることができる。
【0033】本発明におけるハロゲン化銀カラー感光材
料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種
の1−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良
い。典型的な化合物は特開昭56−64339号、同5
7−144547号、及び同58−115438号等に
記載されている。上記各種処理液は10℃〜50℃で使
用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的である
が、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮した
り、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の
改良を達成することができる。また、感光材料の節銀の
ため西独特許第2,226,770号または米国特許第
3,674,499号に記載のコバルト補力もしくは過
酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
【0034】処理対象 本発明の装置で処理される感光材料としては、例えばカ
ラーペーパー、カラー撮影用ネガフィルム、カラー反転
フィルム、カラー反転(直接ポジ)ペーパー等のカラー
感光材料、黒白ネガフィルム、医療用感光材料、印刷用
感光材料、マイクロフィルム等の黒白感光材料を挙げる
ことができる。
【0035】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。先ず、水洗処理について本発明を適用した実
施態様について説明する。図1は水洗槽10の断面図で
あり、水洗槽10は隔壁12で仕切られている。水洗槽
10の底部には下層として溶剤液Dが充填されており、
溶剤液Dの上にはそれぞれ水洗水W1、W2が充填され
ている。感光材料Sは図示しない搬送手段(搬送ロー
ラ、搬送ベルト等)により想像線で示すように矢印方向
へ搬送されて、各水洗水W1、W2に浸漬して処理され
る。
【0036】本水洗槽10の構成は、下流側の水洗槽1
0bに水洗水を補充することにより、下流側水洗水が上
流側にオーバーフローし、更に上流側の水洗水が水洗槽
10a外に排出されるようになっている。したがって、
隔壁12を介して充填されている水洗水W1、W2は下
流側水洗水W2の方が上流側水洗水W2より清浄度が高
いカスケード状態になっている。この水洗槽10におけ
るオーバーフローは、従来のように処理槽の上から溢れ
た水洗水が下流側へ供給されるのではなく、下流側の水
洗水が隔壁12の下から下流側に供給されることによ
る。このために、上流側水洗槽10aのオーバーフロー
孔14との高さと、隔壁12の下端と高さと、底部に充
填される溶剤液Dの量、隔壁12の両側それぞれに充填
される水洗水の量とが以下に説明するように所定の関係
で設定されている。
【0037】上流側水洗槽10のオーバーフロー孔14
から下流側水洗水の液面までの高さをH1 、隔壁12の
下端から上流側水洗水W1と溶剤液Dの界面までの高さ
をH2 、水洗水W1、W2の比重をw、溶剤液Dの比重
をdとした場合、これらの関係は下式のようになって
いる。 H2 =wH1 /(d−w) この関係は、水洗水W1、W2の上面及び溶剤液Dとの
界面の位置が、図1に示した平衡状態になっていること
から、下記のように求められる。 dH2 =wH1 +wH2 (d−w)H2 =wH1 ∴ H2 =wH1 /(d−w)
【0038】水洗水W1、W2を充填していない状態、
すなわち溶剤液Dだけが充填されているときには、溶剤
液Dの液面は点線で示すように、隔壁12の下端から上
にH0 =H2 /2の位置にある。したがって、オーバー
フロー孔14の高さと溶剤液充填量とが決まれば、水洗
水量も自ずと決まってくる。上流側の水洗水W1と溶剤
液Dとの界面の、隔壁12の下端からの高さH2 が上記
の値になるように、溶剤液量、水洗水量を設定すること
により、下流側水洗槽10bに水洗水を補充すると、余
分な水洗水W2は上流側にオーバーフローして上流側水
洗水W1中に補充され、上流側水洗槽10aの余分な水
洗水W1はオーバーフロー孔14より水洗槽10外に排
出される。
【0039】したがって、下流側水洗槽10bに補充し
た水洗水量と等しい量がそのままオーバーフローにより
上流側水洗槽10aに補充され、下流側水洗水W2は上
流側水洗水W1より清浄度が高いカスケード状態になっ
ている。隔壁12の下端縁は直線等のどのような形状で
あっても水洗水はオーバーフローするが、図2(a)、
(b)に示すように、隔壁12にオーバーフロー口12
a、12bを形成することにより、多量の水洗水が一度
にオーバーフローしないようにすることができる。図2
(a)に示すオーバーフロー口12aは隔壁12の下端
縁をV字状に切り欠いたものであるが、溝の形状は限定
されない。図2(b)に示すオーバーフロー口12bは
隔壁12を貫通した断面円形状の孔であるが、孔の形状
は限定されない。隔壁12にこのような溝や孔を形成す
ることにより、水洗水を少量ずつオーバーフローさせる
ことができる。
【0040】現像、定着等の処理後の感光材料Sは、上
流側水洗水W1中を搬送され、溶剤液D中を通り隔壁1
2の下で反転されて下流側水洗水W2中を搬送されて処
理される。水洗水W1、W2がカスケード状態になって
おり、感光材料Sは順次清浄度が高くなっている水洗水
W1、W2で洗浄されるので、少量の水洗水W1、W2
でも良好に洗浄される。しかも水洗水W1、W2の間に
溶剤液Dの層があるので、感光材料Sは溶剤液D中を通
過する間に前浴の水洗水W1をスクイズされてから後浴
の水洗水W2中に達するので、少量の水洗水W1、W2
でも良好に洗浄される。水洗槽10において洗浄された
感光材料Sは、更に後続の処理部へ搬送されて処理され
る。後続の処理部としては、水洗処理が更に必要であれ
ば水洗槽を設け、また図示の水洗槽だけで水洗処理が十
分に行われるのであれば、乾燥部を設ける。
【0041】次に、現像処理と定着処理について本発明
を適用した実施態様について説明する。図3は本発明の
実施態様である感光材料処理装置の断面図である。処理
槽20は底部近傍を除いて隔壁12により仕切られてお
り、現像槽22と定着槽24とが形成されている。処理
槽20の下層には溶剤液Dが充填されており、その上層
には現像液26と定着液28とがそれぞれ充填されてい
る。溶剤液Dとしては例えばダイフロンS−1、ダイフ
ロンS−2、ダイフロンS−3(いずれも商品名、ダイ
キン製)を用いることができる。溶剤液Dの比重は現像
液26及び定着液28の比重より大きく、静止状態で3
種の液は分離している。
【0042】溶剤液Dの比重をγ1 、現像液26の比重
をγ2 、深さをa、漂白定着液28の比重をγ3 、深さ
をbとすると、溶剤液面の差xは下式で表される。 x=(γ3 b−γ2 a)/γ1 溶剤液D中には、溶剤液Dを冷却する冷却手段30及び
溶剤液Dを加熱する加熱手段32が設置されている。冷
却手段30及び加熱手段32については後述する。
【0043】感光材料Sは図示しない搬送手段(搬送ロ
ーラ、搬送ベルト等)により想像線で示すように矢印方
向へ搬送されて、各処理液に浸漬して処理され、更に、
図示しない後続の水洗槽で水洗された後、乾燥部で乾燥
される。感光材料Sの移動により現像液26の一部は溶
剤液D中に持ち込まれ、また感光材料Sが溶剤液D中を
移動することにより感光材料Sに付着していた現像液2
6が除去される。このようにして溶剤液D中に混入した
現像液26は溶剤液D中を上昇し、現像液26中に戻る
ようになっている。また、感光材料Sが溶剤液D中から
定着液28中に移動した際に溶剤液Dの一部が定着液2
8中に持ち込まれるが、溶剤液Dは定着液28中を下降
して溶剤液D中に戻るようになっている。現像液26と
溶剤液Dとの界面近傍、定着液28と溶剤液Dとの界面
近傍には、パイプ34の開口端部36が設けられてい
る。該開口端部36は界面の近傍にあればよいが、開口
部が界面と交差していることが好ましい。
【0044】図4は現像槽22を感光材料搬送方向から
見た断面図である。パイプ34には吸引ポンプ37が接
続され、該吸引ポンプ37の下流側にはフィルタ38が
接続されている。更に、フィルタ38の下流側のパイプ
34は現像槽22に接続されている。感光材料Sの処理
に伴い、感光材料Sに付着していた塵埃(乳剤、バライ
タ繊維、ベース切り屑等)40が現像液26中で離脱す
る。離脱した塵埃40は感光材料Sの処理中は現像液中
を浮遊しているが、感光材料Sの処理後の液が静止状態
になったときに溶剤液面上に沈澱して集まる。上記構成
によれば、吸引ポンプ37を作動させることにより、溶
剤液Dの上面に沈澱した塵埃40はパイプ34の開口端
部36から吸引されて除去されるので、沈澱した塵埃4
0が感光材料Sに再付着して汚れとなることはない。
【0045】塵埃40の吸引動作はいつでもよいが、現
像液26が静止した状態になれば塵埃40は溶剤液D上
に溜まるので、このときに吸引することが好ましい。開
口端部36から吸引された塵埃40はフィルタ38によ
り捕捉されるので、フィルタ38を通過した現像液26
は塵埃40を含んでいない。したがって、これをパイプ
34により現像液26中に戻せば再び利用することがで
きる。また、上記構成は主に界面に集まった塵埃40を
除去するための構成であるが、現像液26を循環させる
ことにより現像液26を攪拌する機能も有する。
【0046】なお、定着槽24についても同様に構成す
ることができるが説明を省略する。ここで注意すること
は、開口端部36から溶剤液Dが同時に吸引されないよ
うにすることである。開口端部Dが界面から離れた現像
液中にあれば、界面上の塵埃40を効率良く吸引するこ
とができず、また、開口端部36が界面と交差していて
も、溶剤液中での開口面積が大きければ、溶剤液Dを吸
引する恐れがある。また、ポンプ37の吸引能力が大き
すぎると塵埃40、現像液26と共に溶剤液Dも吸引し
てしまい、現像液中に溶剤液Dを供給することになり好
ましくない。そこで、このような不具合を防止するため
に、開口端部36の位置及びポンプ37の吸引能力を適
当に設定する必要がある。
【0047】図5は開口端部36の形状及び界面に対す
る設置位置を示す断面図である。開口端部36は断面が
円形のパイプ34を斜めに切断して形成されており、斜
めの開口端部36が界面と交差するようにパイプ34は
界面に対してほぼ直交して設けられる。ここで、鉛直方
向に沿った開口端部36の長さLH と界面より上の長さ
D の関係が、(LD /LH )≧0.7であることが好
ましい。また、界面上の開口長さLD は5〜10mmが
好ましい。なお、この関係はポンプ37の吸引能力によ
って多少変わり、ポンプ37の吸引能力が毎分6リット
ル程度であれば、上式の関係でよいが、吸引能力が毎分
60リットル程度であれば、(LD /LH )≧0.5の
関係が好ましい。
【0048】また、開口端部36の形状も上記に限ら
ず、界面の広い領域にわたって開口している形状である
ことが好ましい。図6は開口端部36の変形例の斜視図
である。この開口端部36は鉛直方向よりも水平方向に
長い長手状の開口を有し、この開口端部36を長手方向
が水平になるようにかつ界面と交差させて設置すること
により、広い領域にわたって効率良く塵埃40を吸引す
ることができる。上記構成の処理槽20に充填する溶剤
液Dは、処理液より比重が大きく水に対する溶解度が極
めて低いものであるが、このような特性に加えて融点が
室温付近にある溶剤液Dを用いることが好ましい。融点
が室温付近にある溶剤液Dを用いることにより、これを
適宜冷却及び加熱して溶剤液Dを液体、固体にすること
ができる。
【0049】次に、図3を参照して冷却手段30及び加
熱手段32による作用を説明する。冷却手段30及び加
熱手段32は制御装置42に接続されており、それぞれ
独立に作動を制御される。また、溶剤液Dの温度を検出
する温度センサ44が溶剤Dに接して設けられており、
該センサ44による検出温度に応じて、制御装置42は
冷却手段30及び加熱手段32の作動を制御する。冷却
手段30は公知のどのような構成であってもよく、例え
ば冷媒を流通させる冷凍装置の冷却部や、ペルチエ素子
を用いた電子冷却素子を用いることができる。また、加
熱手段32も公知のどのような構成であってもよい。冷
却手段30により溶剤液32を融点よりも低い温度に冷
却すると、溶剤液Dは固体になり、感光材料Sの通過は
もちろんできないが、液体時の液面レベルが保持された
状態で固まる。すると、溶剤液Dの上にある現像液26
及び定着液28を容易に交換することができ、また処理
液を排出した後に処理槽20内に溶剤液Dを入れたまま
容易に清掃を行うことができる。処理液を容易に排出す
るためには、設定された界面位置の近傍に排液口46及
びコック48を設けておけばよい。
【0050】処理液交換後又は処理槽清掃後に再度処理
を開始するには、固体状の溶剤Dの上に各処理液を充填
してから、冷却手段30の作動を停止し、代わって加熱
手段32を作動させる。そして、加熱手段32により溶
剤Dを融点以上の温度に加熱すれば溶剤Dは液化するの
で、感光材料Sの処理が可能になる。なお、溶剤Dの融
点が室温付近であれば、冷却手段30の作動を停止した
後、加熱手段32を作動させなくてもいずれは液化す
る。したがって、特に急いで液化させる必要のないとき
には、加熱手段32を作動させずに自然に液化させても
よい。また、溶剤Dの融点が通常の室温より高い場合
は、溶剤Dを冷却しなくても通常の室温で溶剤Dは固化
するので、特に冷却手段30を作動させなくてもよい。
なお、上記実施態様は、現像処理及び定着処理について
本発明を適用したものであるが、対象とする処理はこれ
らに限らない。隔壁12の両側で溶剤Dの上に充填され
る処理液は、感光材料Sの処理工程において連続する処
理の機能の異なる処理液や、場合によっては同じ機能の
処理液であってもよい。
【0051】上記構成は多量の処理液を収容できるタン
ク式の処理槽であるから隔壁12で仕切ることが容易で
あるが、本発明は図7に示す構成の処理槽も含むものと
する。すなわち、図7に示す処理槽の構成は前述したよ
うな平板状の隔壁ではなく、断面U字状の隔壁で2つの
液が分離されているとみなすことができる。図7
(a)、(b)の処理槽は、それぞれ外部材50と内部
材52とにより、水平断面がスリット状の狭路である処
理部が形成され、更に、処理部は縦断面がU字状に形成
されている。感光材料Sはスリット状の処理部に充填さ
れた極めて少量の処理液により処理される。このような
構成の処理槽でも、上記した多段カスケードのためのオ
ーバーフロー構成、塵埃吸引構成、溶剤の温度調整構成
を適用することができ、同様な効果を奏する。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、比重が1.1以上でか
つ水に対する溶解度が10重量%以下の溶剤液層を、隔
壁で分離された2つの処理液の共通の下層として設け、
一方の処理液中から溶剤液層を通って他方の処理液中に
ハロゲン化銀写真感光材料を搬送して該感光材料を処理
する感光材料処理装置において、後浴の前記処理液と前
記溶剤液との界面が前記隔壁下端のオーバーフロー部分
に位置したときに、前浴の前記処理液上面がオーバーフ
ロー孔のレベルに位置するように、前記オーバーフロー
孔の位置と前記溶剤液の充填量とが関係付けられている
ことにより、簡単な構成で多段カスケード状態が得られ
るので、処理装置を小型に構成でき、かつ良好に処理で
きる。この構成を水洗処理に適用した場合には、少量の
水洗水でも良好に感光材料を水洗でき、廃液も少なくな
る。
【0053】また、前記処理液と前記溶剤液との境界付
近で開口した端部を有する管と、該管の開口端部から溶
剤液上の浮遊物を吸引する吸引手段とを設けたことによ
り、溶剤液上に溜まった塵埃等の浮遊物が感光材料に再
付着して汚れとなることがない。また、前記溶剤液を冷
却する冷却手段と、前記溶剤液を加熱する加熱手段と、
該冷却手段と該加熱手段との作動を切り換える制御手段
とを設けたことにより、溶剤の形態を液化、固化のいず
れかに選択して設定することができ、溶剤上の処理液の
交換や処理槽内の清掃等のメンテナンスが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は感光材料処理装置の断面図であり水洗槽
を表す。
【図2】図2は隔壁のオーバーフロー口を示す斜視図で
ある。
【図3】図3は感光材料処理装置の断面図であり現像槽
と定着槽を表す。
【図4】図4は現像槽の断面図である。
【図5】図5は吸引パイプの開口端部の設置状態図であ
る。
【図6】図6は吸引パイプの変形例の斜視図である。
【図7】図7(a)、(b)は本発明が適用されるスリ
ット状処理槽の断面図である。
【符号の説明】
10 水洗槽 12 隔壁 14 オーバーフロー孔 20 処理槽 22 現像槽 24 定着槽 26 現像液 28 定着液 30 冷却手段 32 加熱手段 34 パイプ 36 開口端部 37 吸引ポンプ 38 フィルター 40 塵埃 42 制御装置 44 温度センサ 46 排出口 48 コック 50 外部材 52 内部材 S 感光材料 D 溶剤 W1,W2 水洗水

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解
    度が10重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離された2
    つの処理液の共通の下層として設け、一方の処理液中か
    ら溶剤液層を通って他方の処理液中にハロゲン化銀写真
    感光材料を搬送して該感光材料を処理する感光材料処理
    装置において、 後浴の前記処理液と前記溶剤液との界面が前記隔壁下端
    のオーバーフロー部分に位置したときに、前浴の前記処
    理液上面がオーバーフロー孔のレベルに位置するよう
    に、前記オーバーフロー孔の位置と前記溶剤液の充填量
    とが関係付けられていることを特徴とする感光材料処理
    装置。
  2. 【請求項2】 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解
    度が10重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離された2
    つの処理液の共通の下層として設け、一方の処理液中か
    ら溶剤液層を通って他方の処理液中にハロゲン化銀写真
    感光材料を搬送して該感光材料を処理する感光材料処理
    装置において、 前記溶剤液だけを充填したときの液面が、前記隔壁下端
    のオーバーフロー部分から下式で示すH0 の高さまで達
    する量の前記溶剤液を充填し、前記隔壁の両側で前記溶
    剤液の上に前記処理液を充填した感光材料処理装置。 H0 =H2 /2=wH1 /2(d−w) H1 :上流側処理液のオーバーフロー孔から下流側処理
    液の液面までの高さ H2 :隔壁の下端から上流側処理液と溶剤液との界面ま
    での高さ w :処理液の比重 d :溶剤液の比重
  3. 【請求項3】 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解
    度が10重量%以下の溶剤液層を、隔壁で分離された2
    つの写真処理液の共通の下層として設け、一方の処理液
    中から溶剤液層を通って他方の処理液中にハロゲン化銀
    写真感光材料を搬送して該感光材料を処理する感光材料
    処理装置において、 前記処理液と前記溶剤液との境界付近で開口した端部を
    有する管と、該管の開口端部から溶剤液上の浮遊物を吸
    引する吸引手段とを設けたことを特徴とする感光材料処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記管の開口端部が溶剤液面と交差する
    形状であることを特徴とする請求項3に記載の感光材料
    処理装置。
  5. 【請求項5】 比重が1.1以上でかつ水に対する溶解
    度が10重量%以下で更に室温付近に融点がある溶剤液
    層を、隔壁で分離された2つの写真処理液の共通の下層
    として設け、一方の処理液中から溶剤液層を通って他方
    の処理液中にハロゲン化銀写真感光材料を搬送して該感
    光材料を処理する感光材料処理装置において、 前記溶剤液を冷却する冷却手段と、前記溶剤液を加熱す
    る加熱手段と、該冷却手段と該加熱手段との作動を切り
    換える制御手段とを設けたことを特徴とする感光材料処
    理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0738921A1 (en) * 1995-04-17 1996-10-23 Konica Corporation Processing apparatus for a silver halide light-sensitive material

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