JPH05127340A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH05127340A
JPH05127340A JP31728491A JP31728491A JPH05127340A JP H05127340 A JPH05127340 A JP H05127340A JP 31728491 A JP31728491 A JP 31728491A JP 31728491 A JP31728491 A JP 31728491A JP H05127340 A JPH05127340 A JP H05127340A
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JP
Japan
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processing
solution
liquid
washing
solvent
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Application number
JP31728491A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Eiichi Tadokoro
榮一 田所
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の処理液でも感光材料を良好に処理で
き、補充液も少なくなる感光材料処理装置を提供。 【構成】 処理槽2内を下部近傍のみ連通させて隔壁6
で仕切ってある。前記隔壁6の両側下層に溶剤液14が
充填されており、該溶剤液14の上で隔壁6の両側に、
漂白定着液16と水洗水18が充填されている。感光材
料4は漂白定着液16、溶媒液14、水洗水18中に順
次搬送される。前記溶媒液14より下流側の水洗部は複
数の水洗室24に分割され、該分割された水洗室24は
下流側から上流側に水洗水がオーバーフローするように
カスケード状に配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料を複数の
処理液に順次浸漬して処理するに際し、異なる処理液の
間に溶剤液を充填して処理液の混合(コンタミネーショ
ン)を防止した構成の感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料を処理する際に、感光材料
の進行に伴い前浴の処理液が後浴の処理液中に混入する
と、処理液の成分が変化して適正な処理が行われず、処
理ムラとなってしまう。そこで、処理液の混入するため
に、特開平1−105946号公報に開示されているよ
うに、異なる複数の処理液層の下に処理液より比重が大
きくかつ溶解度が10重量%以下の有機溶剤液の層を設
けた感光材料処理装置が提案されている。この装置によ
れば、処理液と溶剤液との比重の関係で複数の処理液は
溶剤液により分離されているので混合することはない。
また感光材料が処理液から溶剤液中に搬送された際に処
理液が溶剤液中に混入しても処理液成分は溶剤液中を上
昇して処理液中に戻り、感光材料が溶剤液中から次の処
理液中に搬送された際に溶剤液がこの処理液中に混入し
ても溶剤液は処理液中を下降して溶剤液中に戻る。その
ため、感光材料の処理中であっても溶剤液を介して異な
る処理液が混合されることはない。またこの溶剤液は比
重が高いので、感光材料が通過するときに、感光材料表
面に付着していた処理液成分を除去する(スクイズ)機
能を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶剤液の上層
にそれぞれ異なる処理液を充填しただけでは、各処理液
は1浴となり処理液機能が均一になる。現像処理であれ
ば1浴で行うことが好ましいが、感光材料に付着した成
分や乳剤膜中の成分を除去したりする洗い出し処理(例
えば水洗、安定、定着、漂白定着)を1浴で行うには、
常に処理液に多量の補充液を補充して機能を高レベルに
維持しておく必要がある。また、補充量を増やせば結果
として廃液量も多くなってしまう。本発明の目的は上記
問題を解決することにあり、迅速かつ良好な処理を行う
ことができ、処理液の補充量が少なくて済む感光材料の
処理装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記目的
は、処理槽内を下部近傍のみ連通させて上下方向の隔壁
で仕切り、前記隔壁の両側下層に比重が1.1以上でか
つ水に対する溶解度が10重量%以下の溶剤の液を充填
し、該液の上で隔壁の両側にそれぞれ異なる処理液が充
填され、前記各液に感光材料を浸漬して搬送する感光材
料処理装置において、前記溶媒液より下流側の処理部は
複数に分割され、該分割された処理部は下流側から上流
側に処理液がオーバーフローするようにカスケード状に
配設されていることを特徴とする感光材料処理装置によ
って達成される。
【0005】本発明における上流及び下流はそれぞれ感
光材料搬送方向に対する上流及び下流を意味する。溶媒
液より下流側の上部で、複数の処理部がカスケード状に
配設され、下流側の処理部から上流側の処理部に処理液
がオーバーフローするので、溶媒液の下流側処理部では
下にあるほど前浴(溶媒液の上流側処理部)の持込み成
分の濃度が濃くなっている。したがって、洗い出し機能
を有する処理液をこれらの処理部に充填して感光材料を
浸漬搬送することにより、感光材料は順次新鮮な処理液
に接して余分な成分を洗い出されるので、補充液の補充
量が少なくても効率良く処理することができる。更に、
後浴の処理液は前浴の処理液との間を溶媒液相で仕切ら
れているので、溶媒液の上流側の処理液が下流側の処理
液に混入することは少なく、後浴の処理液は良好に機能
を維持できるので、その分補充量も少なくて済む。
【0006】溶媒液より上流側での処理は後に洗い出し
処理を必要とする処理であることが好ましく、下流側で
の処理は洗い出し処理であることが好ましい。溶媒液の
上流側の処理液と下流側の処理液との組合せは、例えば
現像液と漂白定着液、現像液と漂白液、漂白定着液と水
洗水、漂白液と定着液、定着液と水洗水等がある。溶媒
液より下流側で水洗処理を行った場合には硫化物が発生
することがあるが、硫化銀は溶媒液中に沈澱するので、
沈澱物が感光材料に接して感光材料を傷付けることはな
い。また、処理液が感光材料に付着して溶剤液中に持ち
込まれても、処理液は溶剤液より比重が小さいので上層
に戻ることができる。
【0007】本発明で用いる溶剤は、比重が1.1以
上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.4〜
2.9である。すなわち、ここで比重が処理液の約1と
ほとんど同じであると両者が混合してしまうので好まし
くないからである。また、水に対する溶解度が10重量
%(以下、%と略称する。)以下、好ましくは1%以
下、より好ましくは0.1%以下のものであり、主とし
てハロゲン化炭化水素系溶剤が用いられる。しかし、他
の溶剤でも上記要件を満足するものであれば使用するこ
とができ、例えば二硫化炭素、炭酸エチレン、o−ニト
ロアニソール、ニトロベンゼン、モノクロル酢酸、トリ
クロル酢酸、グリセリン−α,γ−ジクロルヒドリンな
どがあげられる。尚、当然のことながら、ハロゲン化銀
感光材料の支持体を溶解したり等、感光材料に悪影響を
与えないものが好ましい。このうち、特にハロゲン化炭
化水素系溶剤が好ましく、例えば、テトラクロルエチレ
ン(比重1.62〜1.63;水への溶解度160mg
/リットル)、トリフッ化トリ塩化エタン(比重1.5
7;水への溶解度90mg/リットル)、塩化メチレン
(比重1.33)、クロロホルム(比重1.49)、四
塩化炭素(比重1.59)、1,1,1−トリクロルエ
タン(比重1.35)、1,1,2−トリクロルエタン
(比重1.44)、テトラクロルエタン(比重1.59
〜1.60)、ペンタクロルエタン(比重1.68)、
ヘキサクロルエタン(比重2.09)、トリクロルエチ
レン(比重1.46)、テトラクロルエチレン(比重
1.62)、1,2,3−トリクロルプロパン(比重
1.39)、臭化エチレン(比重2.16)、テトラブ
ロムエタン(比重2.96)、クロルブロムメタン(比
重1.92)、エチレンクロルプロミド(比重1.7
4)、o−ジクロルベンゼン(比重1.31)、1,
2,4−トリクロルベンゼン(比重1.46)、o−ジ
ブロムベンゼン(比重1.97)、フルオロジクロルメ
タン(比重1.43)、ジクロルジフルオルメタン(比
重1.33)、フルオルトリクロルメタン(比重1.4
9)、トリフルオルモノブロムメタン(比重1.5
7)、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリフル
オルエタン(比重1.58)、1,1,2,2−テトラ
クロロ−1,2−ジフルオロエタン(比重1.64)な
どがあげられる。これらは単独でも2種以上混合して用
いてもよい。
【0008】本発明では写真処理液でハロゲン化銀感光
材料を処理した後、該処理液の下層として設置された上
記溶剤の相を通過させる。ここで写真処理液としては、
ハロゲン化銀感光材料の現像処理工程で用いる処理液、
例えば現像液、漂白液、定着液、漂白定着液、リンス液
等があげられる。また、現像液としては黒白現像液、発
色現像液があげられる。本発明では、該溶剤層を通過す
るに要する時間は任意とすることができるが、現像処理
液成分、特に現像主薬が感光材料から溶剤中へ移動する
のに十分な時間を処理速度との関連で決めるのがよい。
一般的には、該溶剤層を1〜60秒、好ましくは3〜2
0秒かけて通過するのがよい。また溶剤で処理する温度
は20〜80℃、好ましくは30〜60℃である。
【0009】次に本発明の処理装置における処理工程及
び各工程で使用する処理液、処理される感光材料の種類
について記載する。 処理工程 本発明では、下記のA〜Kにおいて発色現像の次に溶剤
処理を設けることができ、L〜Oにおいては、黒白現像
及び/又は発色現像の後に溶剤処理を設けることができ
る。尚、P及びQにおいては黒白現像の後に溶剤処理を
設ける。さらに、現像工程以外の処理工程の間にも溶剤
処理を設けることができる。
【0010】A.発色現像−漂白定着−水洗−乾燥 B.発色現像−リンス−漂白定着−水洗−乾燥 C.発色現像−漂白−定着−水洗−乾燥 D.発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−乾燥 E.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−乾燥 F.発色現像−定着−漂白定着−水洗−乾燥 G.発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定−乾燥 H.発色現像−漂白−定着−水洗−安定−乾燥 I.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定−乾燥 J.発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥 K.発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定−乾燥 L.黒白現像−リンス−反転−発色現像−調整−漂白−
定着−水洗−安定−乾燥 M.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−定着−水洗−
安定−乾燥 N.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−漂白定着−水
洗−安定−乾燥 O.黒白現像−リンス−発色現像−漂白定着−水洗−安
定−乾燥 P.黒白現像−定着−水洗−乾燥 Q.黒白現像−停止−定着−水洗−乾燥
【0011】上記A〜Qの工程は、あくまでも例示のた
めに記載したものであり、本発明の処理は上記処理工程
に限定されるものではない。尚、上記Bの方法では、現
像処理→溶剤処理に続いて水洗(リンス)が設けられて
いるが、このようにリンスを行うと、ハロゲン化銀感光
材料を構成する乳剤層内部に取り込まれた現像液成分を
少量の水で除去できるので好ましい。また、上述したよ
うに、本発明では溶剤層を現像液等の写真処理液の下層
として設けるので、上記L〜Oのように工程が複雑な場
合に、処理工程の長さを圧縮でき、コンパクトな処理機
をつくることができる。また、L〜Oにおいて黒白現像
の後にも溶剤処理を設けると、次の水洗を省略できると
いう大きな利点が得られるのである。
【0012】現像処理 本発明では、現像液として発色現像液又は黒白現像液を
用いることができる。このうち、発色現像液は、好まし
くは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とする
アルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、
アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フェニ
レンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例
としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルア
ニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β
−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルア
ニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β
−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩
もしくはp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。これ
らの化合物は目的に応じて2種以上併用することもでき
る。
【0013】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、亜硫酸塩ヒドラジン類、フェニルセミカルバジ
ド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸
類、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン)類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイド
ライドのようなカブラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾ
リドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリ
オルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−
N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミ
ン−N,N,N′−N′−テトラメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)
及びそれらの塩を代表例として挙げることができる。
【0014】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは一般的には9〜12である。またこ
れらの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料
にもよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リ
ットル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減
させておくことにより500ml以下にすることもでき
る。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面
積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止
することが好ましい。また現像液中の臭化物イオンの蓄
積を抑える手段を用いることにより補充量を低減するこ
ともできる。
【0015】漂白及び/又は定着処理(脱銀処理) 発色現像後、通常漂白処理される。漂白処理は定着処理
と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処理)、個別に
行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂白
処理後漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに二槽
の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理の
前に定着処理すること、又は漂白定着処理後漂白処理す
ることも目的に応じ任意に実施できる。漂白剤として
は、例えば鉄 (III)、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅
(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニト
ロ化合物等が用いられる。代表的漂白剤としてはフェリ
シアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコバルト
(III) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジ
エチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン
四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などのア
ミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸
塩;ニトロベンゼン類などを用いることができる。これ
らのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩を始めと
するアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩及び過硫酸塩は
迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらにア
ミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液においても、
漂白定着液においても特に有用である。これらのアミノ
ポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白液又は漂白定
着液のpHは通常5.5〜8であるが、処理の迅速化の
ために、さらに低いpHで処理することもできる。
【0016】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤として、具体的には、米国特許第3,
893,858号、西独特許第1,290,812号、
特開昭53−95630号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載
のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合
物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン
誘導体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ
尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物
塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキ
シエチレン化合物類;特公昭45−8836号記載のポ
リアミン化合物;臭化物イオン等があげられる。なかで
もメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が
促進効果が大きいので好ましく、特に米国特許第3,8
93,858号、西独特許第1,290,812号、特
開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。更
に、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も
好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよ
い。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれ
らの漂白促進剤は特に有効である。定着剤としてはチオ
硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ
尿素類、多量の沃化物塩等をあげることができるが、チ
オ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニ
ウムが最も広範に使用できる。漂白定着液の保恒剤とし
ては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩あるいはカルボニル重亜硫
酸付加物が好ましい。
【0017】水洗及び/又は安定化処理 上記脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程の水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers 第64巻、p.248〜25
3(1955年5月号)に記載の方法で求めることがで
きる。前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水
量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時
間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物
が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラ
ー感光材料の処理において、このような問題の解決策と
して、特開昭62−288838号に記載のカルシウム
イオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて
有効に用いることができる。また、特開昭57−854
2号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアペンダゾー
ル類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺
菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防
黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防
黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記
載の殺菌剤を用いることもできる。
【0018】使用する水洗水のpHは、4〜9であり、
好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時間も、感光
材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、1
5〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃
で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感
光材料は、上記水洗水に代り、直接安定波によって処理
することもできる。このような安定化処理においては、
特開昭57−8543号、同58−14834号、同6
0−220345号に記載の公知の方法はすべて用いる
ことができる。又、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、ホルマリンと界面活性
剤を含有する安定浴を挙げることができる。この安定浴
にも各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。上
記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液
は脱銀工程等他の工程において再利用することもでき
る。
【0019】本発明により処理するハロゲン化銀カラー
感光材料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像
主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主
薬の各種ブレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米
国特許第3,342,597号記載のインドアニリン系
化合物、同第3,342,599号、リサーチ・ディス
クロージャー14,850号及び同15,159号記載
のシッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルド
ール化合物、米国特許第3,719,492号記載の金
属塩錯体、特開昭53−135628号記載のウレタン
系化合物を挙げることができる。本発明により処理する
ハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じて、発色現
像を促進する目的で、各種の1−フェニル−3−ピラゾ
リドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は特開昭5
6−64339号、同57−144547号、及び同5
8−115438号等に記載されている。上記各種処理
液は10℃〜50℃で使用される。通常は33℃〜38
℃の温度が標準的であるが、より高温にして処理を促進
し処理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の向
上や処理液の安定性の改良を達成することができる。ま
た、感光材料の節銀のため西独特許第2,226,77
0号または米国特許第3,674,499号に記載のコ
バルト補力もしくは過酸化水素補力を用いた処理を行っ
てもよい。
【0020】処理対象 本発明の装置で処理される感光材料としては、例えばカ
ラーペーパー、カラー撮影用ネガフィルム、カラー反転
フィルム、カラー反転(直接ポジ)ペーパー等のカラー
感光材料、黒白ネガフィルム、医療用感光材料、印刷用
感光材料、マイクロフィルム等の黒白感光材料を挙げる
ことができる。
【0021】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。図1は本発明の実施態様である感光材料処理
装置の断面図であり、図2は感光材料処理装置の一部切
欠斜視図である。図2において一部の部材は図示を省略
してある。処理装置2は図示しない発色現像部において
現像処理された感光材料4を漂白定着処理して更に水洗
処理するものであり、写真感光材料の自動現像装置の一
部である。該処理装置2には、現像装置、乾燥装置が連
設される。
【0022】処理装置2は底部近傍を除いて隔壁6によ
り仕切られており、隔壁6の一方の側では、処理室を複
数に分割するためのブロック8が設けられている。該ブ
ロック8は感光材料通路となるスリット10を有し、該
スリット10内には可撓性を有する一対のブレード12
が先端部を当接させて設けてあり、一時的に通路を遮断
している。隔壁6は処理装置2と一体に形成されていて
もよく着脱可能に設けてもよい。隔壁6を着脱可能に構
成した場合は、隔壁6の両側に充填される処理液が混合
しないように、処理装置2に対して確実にシールされた
状態で設けられる。
【0023】処理装置2の下層には溶剤液14が充填さ
れており、隔壁6の両側で溶剤液14の上層には漂白定
着液16と水洗水18とがそれぞれ充填されている。溶
剤液14としては例えばダイフロンS−1、ダイフロン
S−2、ダイフロンS−3(いずれも商品名)を用いる
ことができる。溶剤液14の比重は漂白定着液16及び
水洗水18の比重より大きく、静止状態で3種の液は分
離している。感光材料4は搬送ローラ20とガイド部材
22等により想像線で示すように矢印方向へ搬送され
て、漂白定着液16、溶媒液14、水洗水18中を順に
浸漬搬送される。なお、搬送ローラ20の駆動機構は特
に図示しないが、搬送ローラ20は公知の機構で駆動さ
れる。
【0024】隔壁6の下流側は2つのブロック8により
装置2の内部を仕切られており、これらブロック8と溶
媒液14とにより水洗部は3つの水洗室24に分割され
ている。各水洗室24はブレード12により連通しない
ようになっているが、感光材料4がブレード12の間を
通過するときに、感光材料4の幅方向(図中、紙面と直
交する方向)の両端に生じたブレード12の間隙を水洗
水18がわずかに移動するようになっている。最下の水
洗室24にはオーバーフローパイプ26が設けられてお
り、パイプ26に設けた弁28の開として水洗水を補充
することにより、水洗水18がわずかずつ排出されるよ
うになっている。オーバーフローパイプ26の先端部は
水洗水の液面が設定レベルを越えると水洗水がオーバー
フローするような位置にある。一方、最上の水洗室24
には、補充パイプ30から清浄な水洗水18が補充され
る。したがって、上にある水洗室24から下にある水洗
室24に水洗水18がオーバーフローするので、3つの
水洗室24はカスケード状態になっており、上にある水
洗室24ほど水洗水18の清浄度が高くなっている。ま
た、感光材料4を洗浄したことにより汚れた水洗水18
は、比重が大きくなるので下方へ移動するので、最下の
水洗室24に汚れた水洗水が溜まるようになっている。
【0025】上記構成では、感光材料4がブレード12
間を通過するときに生じるブレード12の間隙から水洗
水18が移動して、水洗室24内の水洗水18はカスケ
ード状の濃度勾配となるが、各水洗室24間をパイプ等
により連結して流路を形成し、該流路を経て水洗水18
がオーバーフローするように構成してもよい。また、水
洗部は2つのブロック8により分割されているが、他の
構成で分割してもよい。例えば複数の処理室を有する処
理部を射出成形品として形成し、これらを組み合わせて
構成してもよい。更に、分割された処理室の数は上記に
限定されない。
【0026】隔壁6の左側にある漂白定着部16には、
設定された液面を維持できるようにオーバーフローパイ
プ32が設けられており、また漂白定着液16の補充液
を補充する補充パイプ34が設けられている。この補充
パイプ34は漂白定着液の液面より下まで延びていても
よい。このような構成によれば、補充された液がすぐに
オーバーフローすることを防止できる。また同様な意味
で、補充パイプ34とオーバーフローパイプ32との間
に邪魔板を設けて、補充液が直接オーバーフローしない
ように構成してもよい。感光材料4の処理量に基づい
て、又は装置2内の漂白定着液16の劣化状態を検出し
て、漂白定着液16の補充液が補充されることにより、
装置2内の漂白定着液16の機能は一定に維持される。
【0027】また、溶媒液14の収容部にも排出パイプ
36及び補充パイプ38が設けられており、溶媒液14
も必要に応じて補充又は交換される。補充パイプ38は
隔壁6の下端より上に補充口を有し、処理中には補充口
に蓋39がかぶさっており、溶媒液14が噴出しないよ
うになっている。この補充パイプ38は通常は用いるこ
とはなく、処理槽の洗浄時に使用する。排出パイプ36
の弁37を開にすればすべての液は排出される。液を排
出して処理槽内を洗浄した後に排出パイプ36の弁37
を閉とし、補充パイプ38から溶媒液を供給した後蓋3
9をして、漂白定着液及び水洗水を同時に流入させる。
【0028】感光材料4は搬送ローラ20により漂白定
着液16中に浸漬されて漂白定着処理され、次いで溶媒
液14に浸漬される。感光材料4は溶媒液14中を搬送
されることにより、表面に付着していた漂白定着液16
が除去される。また、漂白定着液16が感光材料4の搬
送により溶媒液14中に一部持ち込まれる。このように
して溶媒液14中に混入した漂白定着液16は溶媒液1
4より比重が低いので、溶媒液14中を上昇して元に戻
る。溶媒液14を通過することにより漂白定着液16を
除去された感光材料4は、次いで水洗水18中を上昇し
て搬送される。水洗水18中では、感光材料4の表面に
残存していた漂白定着液16や乳剤膜中の不要成分が洗
い流される。各水洗室24内の水洗水18には感光材料
4の処理に伴い漂白定着液16や不要成分が混入する
が、漂白定着液16や不要成分は水洗水18より比重が
高いので最下の水洗室24内に溜まり、各水洗室24の
水洗水18の間における濃度勾配は設定通りに保たれ、
上の水洗室24にある水洗水18ほど清浄度が高い。
【0029】また、補充パイプ30から水洗水を補充す
るとオーバーフローパイプ28から汚れた液が排出され
る。感光材料4の漂白定着処理を行うと、乳剤膜中に含
まれていた銀が除去され、コロイド銀が生ずる。生じた
コロイド銀は溶媒液14よりも比重が高いので、漂白定
着液16中から溶媒液14中に移動して処理装置2の底
部に沈澱する。また、感光材料4の水洗処理を行うと水
洗水18中に硫化物が生じる。生じた硫化物は溶媒液1
4よりも比重が高いので、同様に水洗水18中から溶媒
液14中に移動して処理装置2の底部に沈澱する。した
がって、硫化物が感光材料4に接して感光材料4を傷付
けることがない。
【0030】沈澱したコロイド銀や硫化物は、排出パイ
プ38から排出して回収してもよく、また排出パイプ3
8とは別に回収口を設けてここから回収してもよい。上
記構成では、カスケード状態になっている水洗部は隔壁
6の右側にあり、溶媒液14に対して感光材料搬送方向
下流側である。溶媒液14の下流側では感光材料4は上
方へ向けて搬送されるので、溶媒液14の下流側をカス
ケード状の処理部とすることにより、上の処理液ほど清
浄度が高くなる。したがって、水洗、安定化のような洗
い出し処理を、溶媒液より下流のカスケード処理部で行
うことにより、少量の処理液でも良好の処理を行え、補
充量を少なくて済む。このように溶媒液14の下流側で
上記のような洗い出し処理を行うことにより、感光材料
4を効率的に処理することができる。
【0031】なお、洗い出し処理とは、水洗処理や安定
処理は勿論であるが、定着能を有する処理液による処理
も感光材料から銀を除去する脱銀処理であるので、一種
の洗い出し処理と言える。更に、現像後の漂白は現像液
成分を洗い出している機能もあり、これも洗い出し処理
と言える。このような関係は漂白と定着でも同じであ
る。本発明は、溶媒液14の下流側にあるカスケード処
理部で、定着能を有する処理液による処理を行っても、
水洗と同様に良好に脱銀処理することができ、処理液の
機能低下が少ないので補充量も少なくて済む。
【0032】図1及び図2に示す処理装置2は、溶媒液
14の上層に漂白定着液16と水洗水18とを充填した
ものであるが、充填する液としてはこれらに限定されな
い。溶媒液14の上流側と下流側での上層の処理液の他
の組合せとしては、現像液と漂白定着液、現像液と漂白
液、漂白液と定着液、定着液と水洗水、水洗水と安定化
液等がある。これらのいずれの液の組合せに対して本発
明を適用してもよいが、本発明は特に、溶媒液14の下
流側に分割して設けられたカスケード状の処理部に洗い
出し機能を有する処理液を充填して処理するときに有効
である。更に、感光材料に付着した前浴の液は溶剤液と
接触により確実に除去されるので、前浴の液が後浴の液
に混入することはなく、処理液の劣化を防止することが
できる。また、水洗処理により生じた硫化銀が溶媒液中
に沈澱するので、銀の回収が容易である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒液を通過した感光
材料はカスケード状に配置された分割処理部により処理
されるので、少量の処理液でも良好に処理することがで
き、更に少量の処理液で処理できるので処理液の補充量
も少なくて済み、廃液量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は感光材料処理装置の断面図である。
【図2】図2は感光材料処理装置の一部切欠斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 処理装置 4 感光材料 6 隔壁 8 ブロック 10 スリット 12 ブレード 14 溶媒液 16 漂白定着液 18 水洗水 20 搬送ローラ 22 ガイド部材 24 水洗室 26,32 オーバーフローパイプ 28,37 弁 30,34 補充パイプ 36 排出パイプ 38 補充パイプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽内を下部近傍のみ連通させて上下
    方向の隔壁で仕切り、前記隔壁の両側下層に比重が1.
    1以上でかつ水に対する溶解度が10重量%以下の溶剤
    の液を充填し、該液の上で隔壁の両側にそれぞれ異なる
    処理液が充填され、前記各液に感光材料を浸漬して搬送
    する感光材料処理装置において、 前記溶媒液より下流側の処理部は複数に分割され、該分
    割された処理部は下流側から上流側に処理液がオーバー
    フローするようにカスケード状に配設されていることを
    特徴とする感光材料処理装置。
JP31728491A 1991-11-06 1991-11-06 感光材料処理装置 Pending JPH05127340A (ja)

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JP31728491A JPH05127340A (ja) 1991-11-06 1991-11-06 感光材料処理装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5396309A (en) * 1993-04-26 1995-03-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive material processing apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5396309A (en) * 1993-04-26 1995-03-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive material processing apparatus

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