JP2729550B2 - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JP2729550B2
JP2729550B2 JP3317281A JP31728191A JP2729550B2 JP 2729550 B2 JP2729550 B2 JP 2729550B2 JP 3317281 A JP3317281 A JP 3317281A JP 31728191 A JP31728191 A JP 31728191A JP 2729550 B2 JP2729550 B2 JP 2729550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料を処理液
に浸漬して処理する処理装置における清掃等のメンテナ
ンスが容易な感光材料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光材料を処理液により処理する装置と
して、処理槽内に処理液を充填し、該処理液中に感光材
料を浸漬して搬送するものがある。感光材料はまず空中
から下方に向けて搬送され、次いで処理液中で反転され
て更に上方に向けて搬送されて空中に出る。感光材料を
上記処理液中に浸漬して搬送するためには、搬送ロー
ラ、ガイド部材等が必要であり、これらの搬送手段は一
般に搬送ラックとして構成され、該搬送ラックを処理槽
内に装填するようにしている。そのため、搬送ラックは
感光材料を搬送する手段として下降手段、上昇手段を備
えている。この搬送ラック及び処理槽内を清掃するに
は、搬送ラックを取り外すことにより容易に行うことが
できる。
【0003】この種の処理槽を並設して感光材料の処理
を行う場合、感光材料の進行に伴い前浴の処理液が後浴
の処理液中に混入すると、処理液の成分が変化して適正
な処理が行われず、処理ムラとなってしまう。そこで、
処理液の混入するために、特開平1−105946号公
報に開示されているように、1つの処理槽を下部近傍の
み連通させて上下方向の隔壁で仕切り、該隔壁の両側下
層に処理液より比重が大きくかつ溶解度が10重量%以
下の有機溶剤液の層を設けた感光材料処理装置が提案さ
れている。この装置によれば、処理液と溶剤液との比重
の関係で複数の処理液は溶剤液により分離されているの
で混合することはない。また感光材料が処理液から溶剤
液中に搬送された際に処理液が溶剤液中に混入しても処
理液成分は溶剤液中を上昇して処理液中に戻り、感光材
料が溶剤液中から次の処理液中に搬送された際に溶剤液
がこの処理液中に混入しても溶剤液は処理液中を下降し
て溶剤液中に戻る。そのため、感光材料の処理中であっ
ても溶剤液を介して異なる処理液が混合されることはな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように処理槽内
に隔壁を備えた処理装置では、隔壁下方の空隙で感光材
料を下降から上昇に反転させる反転部材を設ける必要が
あるが、反転部材を処理槽に固定して設けると、該反転
部材を含めた処理槽内の底部近傍の清掃の際に隔壁が障
害となって清掃が困難である。
【0005】本発明の目的は上記問題を解決することに
あり、処理槽内に隔壁が設けられていても処理槽底部の
清掃が容易な感光材料処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る上記目的
は、処理槽を下部近傍のみ連通させて上下方向の隔壁で
仕切り、前記隔壁の両側下層に比重が1.1以上でかつ
水に対する溶解度が10重量%以下の溶剤の液を充填
し、該液の上で隔壁の両側にそれぞれ異なる処理液が充
填され、前記各液に感光材料を浸漬して搬送する感光材
料処理装置において、前記隔壁が取り外し可能に構成さ
れ、前記隔壁で仕切られて形成された複数の処理室に、
各処理室ごとに装脱可能な感光材料搬送ラックを配設
し、前記隔壁を介して対向する一対の前記ラックを、一
方は空中から液中に感光材料を搬送するように構成し、
他方は液中から空中に感光材料を搬送するように構成し
たことを特徴とする感光材料処理装置によって達成され
る。
【0007】処理槽内が隔壁で仕切られていても、隔壁
が着脱可能に構成され、搬送ラックが処理室ごとに装脱
可能であるので、隔壁及び搬送ラックを外すことにより
容易に手を差し入れることができ清掃が容易である。搬
送ラックには搬送ローラ、ガイド部材等、感光材料の搬
送に必要な手段が設けられており、1つの搬送ラックで
感光材料を上方又は下方に搬送することができる。搬送
ラックには狭路を構成するガイド部材だけを設けてもよ
く、搬送ローラを当接させて複数対設けてもよく、複数
の搬送ローラを千鳥状に配設してもよい。また、これら
の搬送手段を複合した構成でもよい。
【0008】隔壁の下方で感光材料を反転する手段は、
処理槽底部に固定して設けてもよく、また搬送ラックに
設けてもよい。反転ガイド部材の構成は限定されず、湾
曲した曲面を有する板を設けてもよく、湾曲した案内縁
を有する板を櫛歯状に連設してもよく、金属や樹脂のワ
イヤーにより湾曲した案内路を構成してもよい。また、
これらの案内構成を複合した構成でもよい。搬送ラック
は処理槽内に装填しただけで適正に位置決めされるよう
に構成することができる。例えば、処理槽と搬送ラック
とに係合部材を設け、適正な装填位置においてのみ係合
部材が係合するように構成する。
【0009】本発明で用いる溶剤は、比重が1.1以
上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.4〜
2.9である。すなわち、ここで比重が処理液の約1と
ほとんど同じであると両者が混合してしまうので好まし
くないからである。また、水に対する溶解度が10重量
%(以下、%と略称する。)以下、好ましくは1%以
下、より好ましくは0.1%以下のものであり、主とし
てハロゲン化炭化水素系溶剤が用いられる。しかし、他
の溶剤でも上記要件を満足するものであれば使用するこ
とができ、例えば二硫化炭素、炭酸エチレン、o−ニト
ロアニソール、ニトロベンゼン、モノクロル酢酸、トリ
クロル酢酸、グリセリン−α,γ−ジクロルヒドリンな
どがあげられる。尚、当然のことながら、ハロゲン化銀
感光材料の支持体を溶解したり等、感光材料に悪影響を
与えないものが好ましい。このうち、特にハロゲン化炭
化水素系溶剤が好ましく、例えば、テトラクロルエチレ
ン(比重1.62〜1.63;水への溶解度160mg
/リットル)、トリフッ化トリ塩化エタン(比重1.5
7;水への溶解度90mg/リットル)、塩化メチレン
(比重1.33)、クロロホルム(比重1.49)、四
塩化炭素(比重1.59)、1,1,1−トリクロルエ
タン(比重1.35)、1,1,2−トリクロルエタン
(比重1.44)、テトラクロルエタン(比重1.59
〜1.60)、ペンタクロルエタン(比重1.68)、
ヘキサクロルエタン(比重2.09)、トリクロルエチ
レン(比重1.46)、テトラクロルエチレン(比重
1.62)、1,2,3−トリクロルプロパン(比重
1.39)、臭化エチレン(比重2.16)、テトラブ
ロムエタン(比重2.96)、クロルブロムメタン(比
重1.92)、エチレンクロルプロミド(比重1.7
4)、o−ジクロルベンゼン(比重1.31)、1,
2,4−トリクロルベンゼン(比重1.46)、o−ジ
ブロムベンゼン(比重1.97)、フルオロジクロルメ
タン(比重1.43)、ジクロルジフルオルメタン(比
重1.33)、フルオルトリクロルメタン(比重1.4
9)、トリフルオルモノブロムメタン(比重1.5
7)、1,1,2−トリクロル−1,2,2−トリフル
オルエタン(比重1.58)、1,1,2,2−テトラ
クロロ−1,2−ジフルオロエタン(比重1.64)な
どがあげられる。これらは単独でも2種以上混合して用
いてもよい。
【0010】本発明では写真処理液でハロゲン化銀感光
材料を処理した後、該処理液の下層として設置された上
記溶剤の相を通過させる。。ここで写真処理液として
は、ハロゲン化銀感光材料の現像処理工程で用いる処理
液、例えば現像液、漂白液、定着液、漂白定着液、リン
ス液等があげられる。また、現像液としては黒白現像
液、発色現像液があげられる。本発明では、該溶剤層を
通過するに要する時間は任意とすることができるが、現
像処理液成分、特に現像主薬が感光材料から溶剤中へ移
動するのに十分な時間を処理速度との関連で決めるのが
よい。一般的には、該溶剤層を1〜60秒、好ましくは
3〜20秒かけて通過するのがよい。また溶剤で処理す
る温度は20〜80℃、好ましくは30〜60℃であ
る。
【0011】次に本発明の処理装置における処理工程及
び各工程で使用する処理液、処理される感光材料の種類
について記載する。 処理工程 本発明では、下記のA〜Kにおいて発色現像の次に溶剤
処理を設けることができ、L〜Oにおいては、黒白現像
及び/又は発色現像の後に溶剤処理を設けることができ
る。尚、P及びQにおいては黒白現像の後に溶剤処理を
設ける。さらに、現像工程以外の処理工程の間にも溶剤
処理を設けることができる。
【0012】A.発色現像−漂白定着−水洗−乾燥 B.発色現像−リンス−漂白定着−水洗−乾燥 C.発色現像−漂白−定着−水洗−乾燥 D.発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−乾燥 E.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−乾燥 F.発色現像−定着−漂白定着−水洗−乾燥 G.発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定−乾燥 H.発色現像−漂白−定着−水洗−安定−乾燥 I.発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定−乾燥 J.発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥 K.発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定−乾燥 L.黒白現像−リンス−反転−発色現像−調整−漂白−
定着−水洗−安定−乾燥 M.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−定着−水洗−
安定−乾燥 N.黒白現像−リンス−発色現像−漂白−漂白定着−水
洗−安定−乾燥 O.黒白現像−リンス−発色現像−漂白定着−水洗−安
定−乾燥 P.黒白現像−定着−水洗−乾燥 Q.黒白現像−停止−定着−水洗−乾燥
【0013】上記A〜Qの方法は、あくまでも例示のた
めに記載したものであり、本発明の処理は上記処理工程
に限定されるものではない。尚、上記Bの方法では、現
像処理→溶剤処理に続いて水洗(リンス)が設けられて
いるが、このようにリンスを行うと、ハロゲン化銀感光
材料を構成する乳剤層内部に取り込まれた現像液成分を
少量の水で除去できるので好ましい。また、上述したよ
うに、本発明では溶剤層を現像液等の写真処理液の下層
として設けるので、上記L〜Oのように工程が複雑な場
合に、処理工程の長さを圧縮でき、コンパクトな処理機
をつくることができる。また、L〜Oにおいて黒白現像
の後にも溶剤処理を設けると、次の水洗を省略できると
いう大きな利点が得られるのである。
【0014】現像処理 本発明では、現像液として発色現像液又は黒白現像液を
用いる。このうち、発色現像液は、好ましくは芳香族第
一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水
溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェノ
ール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミン
系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3−
メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシ
エチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエ
チルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−
トルエンスルホン酸塩が挙げられる。これらの化合物は
目的に応じて2種以上併用することもできる。
【0015】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、亜硫酸塩ヒドラジン類、フェニルセミカルバジ
ド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸
類、トリエチレンジアミン(1,4−ジアザビシクロ
〔2,2,2〕オクタン)類の如き各種保恒剤、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶
剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四
級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイド
ライドのようなカブラセ剤、1−フェニル−3−ピラゾ
リドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリ
オルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン
酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレー
ト剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−
N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミ
ン−N,N,N′−N′−テトラメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)
及びそれらの塩を代表例として挙げることができる。
【0016】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類また
はN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェ
ノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み
合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び
黒白現像液のpHは一般的には9〜12である。またこ
れらの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料
にもよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リ
ットル以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減
させておくことにより500ml以下にすることもでき
る。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面
積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止
することが好ましい。また現像液中の臭化物イオンの蓄
積を抑える手段を用いることにより補充量を低減するこ
ともできる。
【0017】漂白及び/又は定着処理(脱銀処理) 発色現像後、通常漂白処理される。漂白処理は定着処理
と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処理)、個別に
行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂白
処理後漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに二槽
の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理の
前に定着処理すること、又は漂白定着処理後漂白処理す
ることも目的に応じ任意に実施できる。漂白剤として
は、例えば鉄 (III)、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅
(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニト
ロ化合物等が用いられる。代表的漂白剤としてはフェリ
シアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコバルト
(III) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジ
エチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン
四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などのア
ミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸
塩;ニトロベンゼン類などを用いることができる。これ
らのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩を始めと
するアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩及び過硫酸塩は
迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらにア
ミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は漂白液においても、
漂白定着液においても特に有用である。これらのアミノ
ポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白液又は漂白定
着液のpHは通常5.5〜8であるが、処理の迅速化の
ために、さらに低いpHで処理することもできる。
【0018】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤として、具体的には、米国特許第3,
893,858号、西独特許第1,290,812号、
特開昭53−95630号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo.17129号(1978年7月)などに記載
のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合
物;特開昭50−140129号に記載のチアゾリジン
誘導体;米国特許第3,706,561号に記載のチオ
尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物
塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキ
シエチレン化合物類;特公昭45−8836号記載のポ
リアミン化合物;臭化物イオン等があげられる。なかで
もメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が
促進効果が大きいので好ましく、特に米国特許第3,8
93,858号、西独特許第1,290,812号、特
開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。更
に、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も
好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよ
い。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれ
らの漂白促進剤は特に有効である。
【0019】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜
硫酸塩あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0020】水洗及び/又は安定化処理 上記脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程の水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers 第64巻、p.248〜25
3(1955年5月号)に記載の方法で求めることがで
きる。
【0021】前記文献に記載の多段向流方式によれば、
水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の
滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖し、生成した
浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じる。本発明
のカラー感光材料の処理において、このような問題の解
決策として、特開昭62−288838号に記載のカル
シウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を
極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−
8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアペン
ダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩
素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著
「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、
殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事
典」に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0022】使用する水洗水のpHは、4〜9であり、
好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時間も、感光
材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般には、1
5〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃
で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感
光材料は、上記水洗水に代り、直接安定波によって処理
することもできる。このような安定化処理においては、
特開昭57−8543号、同58−14834号、同6
0−220345号に記載の公知の方法はすべて用いる
ことができる。
【0023】又、前記水洗処理に続いて、更に安定化処
理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光材
料の最終浴として使用される、ホルマリンと界面活性剤
を含有する安定浴を挙げることができる。この安定浴に
も各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。上記
水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は
脱銀工程等他の工程において再利用することもできる。
【0024】本発明におけるハロゲン化銀カラー感光材
料には処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を
内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各
種ブレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許
第3,342,597号記載のインドアニリン系化合
物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロ
ージャー14,850号及び同15,159号記載のシ
ッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール
化合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩
錯体、特開昭53−135628号記載のウレタン系化
合物を挙げることができる。
【0025】本発明におけるハロゲン化銀カラー感光材
料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種
の1−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良
い。典型的な化合物は特開昭56−64339号、同5
7−144547号、及び同58−115438号等に
記載されている。上記各種処理液は10℃〜50℃で使
用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的である
が、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮した
り、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の
改良を達成することができる。また、感光材料の節銀の
ため西独特許第2,226,770号または米国特許第
3,674,499号に記載のコバルト補力もしくは過
酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
【0026】処理対象 本発明の装置で処理される感光材料としては、例えばカ
ラーペーパー、カラー撮影用ネガフィルム、カラー反転
フィルム、カラー反転(直接ポジ)ペーパー等のカラー
感光材料、黒白ネガフィルム、医療用感光材料、印刷用
感光材料、マイクロフィルム等の黒白感光材料を挙げる
ことができる。
【0027】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されない。まず、本発明の実施態様を説明する前に本発
明の参考例を説明する。図1は本発明の参考例である感
光材料処理槽の一部切欠斜視図であり、図2は断面図で
ある。処理槽2は底部近傍を除いて隔壁4により仕切ら
れており、第1処理室6と第2処理室8とが構成されて
いる。隔壁4の両側下層には溶剤液10が充填され、そ
の上層には例えば現像液12と漂白定着液14とがそれ
ぞれ充填される。該処理槽2は更に水洗槽、リンス槽、
乾燥部と連設されて感光材料の自動現像装置を構成す
る。
【0028】下層に充填する溶剤液10としては例えば
ダイフロンS−1、ダイフロンS−2、ダイフロンS−
3(いずれも商品名)を用いることができる。溶剤液1
0の比重は現像液12及び漂白定着液14の比重より大
きく、静止状態で3種の液は分離している。溶剤液10
の比重をγS 、現像液12の比重をγD 、深さをa、漂
白定着液14の比重をγF 、深さをbとすると、溶剤液
面の差xは下式で表される。 x=(γF b−γD a)/γS
【0029】感光材料16は搬送ラック18に設けた搬
送ローラ20により想像線で示すように矢印方向へ搬送
されて、各処理液に浸漬して処理される。搬送ラック1
8は対向する側板22間に搬送ローラ20対を複数備え
ており、搬送ローラ20は歯車24を介して図示しない
駆動手段により駆動され、感光材料16を挟持して上方
又は下方に搬送することができるようになっている。本
実施態様の場合、搬送ローラ20は一対が当接するニッ
プローラである。搬送ラック18は隔壁4の左右の処理
室6,8に対してそれぞれ設けられており、各搬送ラッ
ク18は各処理室6,8に装脱可能に設けられている。
【0030】また、処理槽2内の底部には隔壁4の下方
で感光材料16の搬送方向を反転するガイド部材26が
設けられている。ガイド部材26は処理槽2の底面に固
着してもよく、対向する側板間に固着してもよい。ガイ
ド部材26の形状の例を図3に示す。(a)は金属又は
樹脂製の高剛性のワイヤー28により構成したガイド部
材26でありワイヤー28の湾曲部28aにより感光材
料16を案内する。(b)は湾曲縁30aを有する多数
のガイド板30を同列に櫛歯状に設けたガイド部材26
であり、ガイド板30の湾曲縁30aにより感光材料1
6を案内する。(c)は湾曲面32a,34aを有する
ブロック状のガイド部材32,34であり、リブ36に
より感光材料16を案内する。
【0031】搬送ラック18は処理槽2内に装填するだ
けでガイド部材26に対して適正に位置決めされるよう
になっている。例えば側板22の鉛直方向の長さにより
搬送ローラ20の位置が設定され、具体的には、搬送ラ
ック18は処理槽2の底部で支持され、搬送ラック18
の各側板22の下端が処理槽2の内底部に当接した状態
で、最下の搬送ローラ20がガイド部材26に対して適
正な位置に配置されるようになっている。搬送ラック1
8を処理槽2の底部で支持する場合にはこのような構成
にできるが、搬送ラック18を処理槽2に懸吊する構成
であれば、懸吊部材を設ける位置を調整して搬送ローラ
20の位置を調整することができる。また、このような
構成の他に、搬送ローラ20がガイド部材26に対して
適正な位置に配置されたときにのみ係合や嵌合する手段
を、側板22と処理槽2とにそれぞれ設けておき、搬送
ローラ20とガイド部材26との位置の整合を図っても
よい。
【0032】感光材料16は搬送ローラ20により搬送
されて、現像液12、溶剤液10、漂白定着液14に順
次浸漬されて処理される。感光材料16が現像液12か
ら溶剤液10中に進入すると、感光材料16に付着して
いた現像液12が溶剤液10中に持ち込まれる。また感
光材料16の乳剤膜中からは不要成分が溶出する。しか
し、感光材料16が溶剤液10中を移動することによ
り、現像液12や不要成分は感光材料16の表面から除
去される。また、現像液12や不要成分は溶剤液10よ
り比重が小さいので溶剤液10中を上昇して上層の現像
液12中に戻る。また、感光材料16が溶剤液10中か
ら漂白定着液14中に進入すると、溶剤液10の一部が
感光材料16と共に漂白定着液14中に持ち込まれる
が、溶剤液10は漂白定着液14より比重が高いので漂
白定着液14中を下降して下層の溶剤液10中に戻る。
【0033】感光材料16の処理に伴い、搬送ローラ2
0やガイド部材26が汚れてくるので、これらを清掃す
る必要がある。隔壁4が処理槽2に対して着脱可能に構
成されていれば、隔壁4を処理槽2から外せば隔壁4の
下部のガイド部材26の清掃が容易である。しかし、隔
壁4が処理槽2に固着された構成や、処理槽2内に各液
を充填したままの状態では、隔壁4を外して清掃するこ
とができない。そこで、このような場合には、搬送ラッ
ク18を処理槽2から外せば容易にガイド部材26等を
清掃することができる。
【0034】本実施態様では、ガイド部材26は隔壁4
の下方の処理槽底部に設けられているので容易に外すこ
とができないが、搬送ラック18を処理槽2から外すこ
とにより手を差し入れることができるので容易に清掃す
ることができる。また、ガイド部材26を処理槽2の底
部に設けずに、搬送ラック18に設けておけば、一層清
掃が容易である。ただし、搬送ラック18を処理槽2か
ら取り出せるようにガイド部材26を構成する必要があ
る。
【0035】図4は搬送ラック18にガイド部材を設け
た構成を表す。各搬送ラック18のガイド部材はスリッ
ト状の搬送路を形成するガイドブロック38からなり、
ガイドブロック38は搬送ラック18を上方に引き上げ
たときに隔壁4と接触しないように側板22間に設けら
れる。隔壁4の真下にはガイド部材を設けられないの
で、隔壁4の真下では感光材料16は何ら案内されるこ
となく溶剤液10のみに接して搬送される。したがっ
て、感光材料16が一方の搬送ラック18から他方の搬
送ラック18に確実に搬送されるように、搬送方向下流
側のガイドブロック38の感光材料導入部は広い開口と
なっており、また各ガイドブロック38は正確に位置決
めされる。
【0036】図5はガイド部材の変形例を表し、図4に
おける上流側のガイドブロック38に代えてローラ対4
0を設けたものである。この構成では、該ローラ対40
により感光材料16を水平に送り出すようになっている
ので、感光材料16は確実にガイドブロック38に導入
される。
【0037】上記参考例における上記処理槽2は隔壁4
が処理槽2と一体であるが、隔壁4を着脱可能に設けて
もよい。図6は本発明の実施態様である処理槽2の斜視
であり、該処理槽2は隔壁4を取り外すことができる
ようになっている。処理槽2の側壁には隔壁4が差しこ
まれる溝42が凹設されており、隔壁4は該溝42内に
差しこまれて位置を固定されるが、矢印で示すように上
下方向に移動できるようになっている。溝42には隔壁
4との間で確実なシール性が得られるようにシール部材
43が設けられている。
【0038】図7は隔壁4と溝42のシール構成の変形
例を表す。(a)は溝42を形成する突部44にゴム環
46を巻装したシール構成の水平断面図であり、ゴム環
46が隔壁4と接してシール機能を発揮する。ゴム環4
6の断面は円でも矩形でもよい。(b)は上記ゴム環4
6を隔壁4に巻装した構成の斜視図でありゴム環46部
分を溝42に嵌め込むことによりシールされる。(c)
は溝42を形成する突部44の先端縁にゴム片48を設
けたシール構成の水平断面図であり、ゴム片48が隔壁
4と弾性的に密接してシール機能を発揮するようになっ
ている。(d)は溝42を形成する突部44の先端縁に
ゴム片50を設け、更にゴム片50の対向部分に隔壁4
と密接する突起52を設けた構成の水平断面図であり、
突起52が隔壁4と弾性的に密接してシール機能を発揮
するようになっている。
【0039】これらのシール構成を採用して隔壁4を処
理槽2に対して着脱可能にかつ液密になるように設ける
ことにより、処理槽2から現像液12及び漂白定着液1
4を除去した状態であれば隔壁4を処理槽2から外せる
ので、処理槽2の底部近傍の清掃が更に容易になる。こ
のとき、溶剤液10が充填されていても除去されていて
も清掃可能である。
【0040】上述の処理槽2は、上層に現像液12と漂
白定着液14とを充填したものであるが、充填する液と
してはこれらに限定されない。上流側と下流側での上層
の処理液の組合せとしては、現像液と漂白液、漂白液と
定着液、定着液と水洗水、水洗水と安定化液等がある。
両液は溶剤液により分離されているので両液が混合する
ことはなく、両液の変質や劣化を防止することができ
る。更に、感光材料に付着した前浴の液は溶剤液と接触
により確実に除去されるので、前浴の液が後浴の液に混
入することはない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、隔壁を取り外し可能に
構成し、隔壁により仕切って形成した複数の処理室ごと
に搬送ラックを装脱可能に設けたので、隔壁及び搬送ラ
ックを処理槽から取り出すことにより処理槽底部近傍の
清掃が容易である。また、隔壁が取り外し可能であって
も、隔壁を装着して処理液を充填した状態でも、搬送ラ
ックを取り出して底部近傍を容易に清掃することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は感光材料処理槽の一部切欠斜視図であ
る。
【図2】図2は感光材料処理槽の断面図である。
【図3】図3はガイド部材の斜視図である。
【図4】図4は搬送ラックに設けたガイド部材の断面図
である。
【図5】図5は搬送ラックに設けたガイド部材の断面図
である。
【図6】図6は処理槽の変形例の斜視図である。
【図7】図7は隔壁と溝とのシール構成を表す図であ
る。
【符号の説明】
2 処理槽 4 隔壁 6 第1処理室 8 第2処理室 10 溶剤液 12 現像液 14 漂白定着液 16 感光材料 18 搬送ラック 20 搬送ローラ 22 側板 24 歯車 26 ガイド部材 28 ワイヤー 30 ガイド板 32,34 ブロック 36 リブ 38 ガイドブロック 40 ローラ対 42 溝 43 シール部材 44 突部 46 ゴム環 48,50 ゴム片 52 突起

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽を下部近傍のみ連通させて上下方
    向の隔壁で仕切り、前記隔壁の両側下層に比重が1.1
    以上でかつ水に対する溶解度が10重量%以下の溶剤の
    液を充填し、該液の上で隔壁の両側にそれぞれ異なる処
    理液が充填され、前記各液に感光材料を浸漬して搬送す
    る感光材料処理装置において、前記隔壁が取り外し可能に構成され、 前記隔壁で仕切ら
    れて形成された複数の処理室に、各処理室ごとに装脱可
    能な感光材料搬送ラックを配設し、前記隔壁を介して対
    向する一対の前記ラックを、一方は空中から液中に感光
    材料を搬送するように構成し、他方は液中から空中に感
    光材料を搬送するように構成したことを特徴とする感光
    材料処理装置。
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