JPH05296103A - エンジンブロック構造 - Google Patents

エンジンブロック構造

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JPH05296103A
JPH05296103A JP9530392A JP9530392A JPH05296103A JP H05296103 A JPH05296103 A JP H05296103A JP 9530392 A JP9530392 A JP 9530392A JP 9530392 A JP9530392 A JP 9530392A JP H05296103 A JPH05296103 A JP H05296103A
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JP
Japan
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wall
water jacket
engine block
cylinder
resin casing
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JP9530392A
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English (en)
Inventor
Takaharu Goto
隆治 後藤
Tetsuaki Goto
徹朗 後藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂製ケーシングを備えるエンジンブロック
構造の信頼性を高める。 【構成】 燃焼室壁21とシリンダ壁3およびウォータ
ジャケット壁5とを一体形成する金属製エンジンブロッ
ク1を備えるとともに、このウォータジャケット壁5に
接合する外壁部11とスカート部12とを一体形成する
樹脂製ケーシング10を備え、ウォータジャケット壁5
に樹脂製ケーシング10の締結用ボルト7を螺合させる
ネジ穴を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンブロック構造
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属製エンジンブロックの外壁に樹脂製
ケーシングを用いてエンジンの軽量化をはかるものとし
て、従来例えば図8に示すものがある(実開昭63−9
8465号公報、参照)。
【0003】これについて説明すると、金属製エンジン
ブロック91に燃焼室を画成する燃焼室壁92とピスト
ンを収装するシリンダ壁93とを一体形成し、樹脂製ウ
ォータジャケット壁95がこのエンジンブロック91の
外側に結合され、このウォータジャケット壁95の内側
に冷却水が循環するウォータジャケット94が画成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
ウォータジャケット壁95によって金属製エンジンブロ
ック91との間にウォータジャケット94を画成する構
造では、両者の接合部で冷却水に対する密封性を十分に
確保することが難しいという問題点があった。
【0005】本発明は上記の問題点に着目し、樹脂製ケ
ーシングを備えるエンジンブロック構造の信頼性を高め
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃焼室壁とシ
リンダ壁とこの燃焼室壁およびシリンダ壁との間でウォ
ータジャケットを画成するウォータジャケット壁とを一
体形成する金属製エンジンブロックを備えるとともに、
このウォータジャケット壁に接合する外壁部とクランク
室を画成するスカート部とを一体形成する樹脂製ケーシ
ングを備え、ウォータジャケット壁に樹脂製ケーシング
の締結用ボルトを螺合させるネジ穴を形成する。
【0007】また、ウォータジャケット壁はシリンダ壁
の上部に形成され、シリンダ壁の下部と樹脂製ケーシン
グの外壁部との間に断熱空間を形成する。
【0008】また、ウォータジャケット壁の内壁面を各
気筒に沿って湾曲させるとともに、ウォータジャケット
壁に樹脂製ケーシングの締結用ボルトを螺合させるネジ
穴を気筒間に位置して形成する。
【0009】
【作用】金属製エンジンブロックにウォータジャケット
を画成するウォータジャケット壁を一体形成する構造に
より、樹脂製ケーシングと金属製エンジンブロックの接
合部からケーシングの変形等によってウォータジャケッ
トの冷却水が漏れ出すことを回避する。
【0010】樹脂製ケーシングを金属製エンジンブロッ
クのウォータジャケットを画成するウォータジャケット
壁に接合させる構造により、燃焼ガスに直接的にさらさ
れて高温となる燃焼室壁またはシリンダ壁の上部の熱が
冷却水に吸収され、エンジンブロックからの伝熱により
樹脂製ケーシングが過熱されることを防止する。
【0011】また、ウォータジャケット壁はシリンダ壁
の上部に形成され、シリンダ壁の下部と樹脂製ケーシン
グの外壁部との間に断熱空間を形成することにより、エ
ンジン運転中に燃焼ガスにさらされるシリンダ壁の上部
の冷却が十分に行われるとともに、シリンダ壁の下部の
放熱が抑制される。この結果、シリンダ壁の温度分布を
適正にして、ピストンの摩擦損失を低減する。さらに、
シリンダ壁の下部の放熱が抑制されることにより、暖機
時にシリンダ壁の温度上昇を早めて、HCの排出を抑え
られる。
【0012】また、ウォータジャケット壁に樹脂製ケー
シングの締結用ボルトを螺合させるネジ穴を気筒間に位
置して、ウォータジャケット壁の肉厚が増大する部位に
形成することにより、このボルトを螺合させるボス部分
のためにウォータジャケット壁の肉厚が増大することが
避けられる。この結果、エンジンブロックの軽量化がは
かれるとともに、ウォータジャケット壁の内壁面を滑ら
かにしてウォータジャケットにおける冷却水の流れを乱
すことを防止できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0014】図1に示すように、直列4気筒エンジンに
備えられるアルミ合金製エンジンブロック1は、燃焼室
を画成するヘッド部2と、シリンダボア9を形成するシ
リンダ壁3と、クランクシャフトを支承する複数の軸受
け支持部6と、このシリンダ壁3の周囲にウォータジャ
ケット4を画成するウォータジャケット壁5とが一体形
成される。ヘッド部2は、燃焼室を画成する燃焼室壁2
1、吸気ポート22、排気ポート23、およびウォータ
ジャケット4等を有している。
【0015】ウォータジャケット壁5は、シリンダ壁3
に沿って上下方向に延びるウォータジャケット壁側部3
2と、このウォータジャケット壁側部32から直角に折
れ曲がってシリンダ壁3の途中に接続するウォータジャ
ケット壁底部31を有する。
【0016】図2に示すように、エンジンブロック1の
ウォータジャケット壁側部32の内壁面33は各気筒に
沿って湾曲して形成され、シリンダ壁3とウォータジャ
ケット壁5の間に画成されるウォータジャケット4の幅
を略一定にしている。
【0017】ウォータジャケット壁底部31はピストン
の上死点と下死点を結ぶ中間ストローク位置にあるピス
トンランド部に対峙する位置でシリンダ壁3に接続す
る。これにより、ウォータジャケット4はシリンダ壁3
の上半部分の周囲に画成されている。なお、ウォータジ
ャケット4は燃焼室壁21の上方、排気ポート23の周
囲にも画成されている。
【0018】各軸受け支持部6にはクランクシャフトを
支承するベアリングキャップ39がボルト38を介して
締結される。各軸受け支持部6は、図2に示すように、
隣り合う気筒間、および気筒前後端に位置して並び、各
軸受け支持部6は2本のビーム37を介して梯子状に一
体形成されている。
【0019】エンジンブロック1の外側に嵌合する箱形
の樹脂製ケーシング10が設けられる。このケーシング
10はその上部がウォータジャケット壁5に接合する外
壁部11と、クランク室を画成するスカート部12と、
各軸受け支持部6の左右側面30に接合するバルクヘッ
ド部16とが一体形成される。
【0020】外壁部11の下端にはエンジンブロック1
に対する接合フランジ14が内側に向けて突出形成され
る一方、シリンダ壁3の下端にはこのフランジ14に接
合するロアデッキ27が外側に向けて突出形成される。
フランジ14の端面18は各軸受け支持部6を避けるよ
うに波形をしている。
【0021】シリンダ壁3の周囲にはウォータジャケッ
ト4の下方に位置してケーシング10の外壁部11との
間に断熱空間8が画成される。
【0022】スカート部12の下端には図示しないオイ
ルパンに対する接合フランジ13が外側に突出形成され
る。
【0023】ケーシング10の外壁部11をエンジンブ
ロック1のウォータジャケット壁5に締結する複数のボ
ルト7が設けられる。図2に示すように、ウォータジャ
ケット壁側部32には各ボルト7を螺合させるネジ穴2
5が隣り合う気筒間、および前後気筒端に位置して形成
される。エンジンブロック1のウォータジャケット壁側
部32はその外壁面34が平面状に形成される一方、そ
の内壁面33が前述したようにシリンダ壁3に沿って湾
曲して形成されており、各ネジ穴25は内壁面33の湾
曲によりウォータジャケット壁側部32の肉厚が増大す
る部位に形成されている。
【0024】ケーシング10のスカート部12をエンジ
ンブロック1の各軸受け支持部6に締結する複数のボル
ト15が設けられる。ケーシング10のバルクヘッド部
16には各ボルト15を貫通させるボス部17が形成さ
れる一方、エンジンブロック1の軸受け支持部6には、
図3にも示すように、各ボルト15を螺合させるネジ穴
26が形成される。
【0025】このようにして、比重の小さい樹脂製ケー
シング10によってシリンダ壁3の下部外側を覆うと共
にクランク室を画成するスカート部12を形成したの
で、従来のように全てを金属製のエンジンブロックで形
成する構造に比べて軽量化がはかれる。
【0026】金属製エンジンブロック1にウォータジャ
ケット4を画成するジャケット壁5を一体形成する構造
により、従来装置のように金属製エンジンブロックと樹
脂製ケーシングの接合部から冷却水漏れが生じる心配が
ない。
【0027】樹脂製ケーシング10を金属製エンジンブ
ロック1のウォータジャケット4を画成するジャケット
壁5に接合させる構造により、燃焼ガスにさらされて高
温となる燃焼室壁21およびシリンダ壁3の上部の熱が
冷却水に吸収され、この熱により樹脂製ケーシング10
が過熱されることを防止する。また、シリンダ壁3の下
部の熱がロアデッキ27からケーシング10に伝えられ
るが、シリンダ壁3の下部は燃焼ガスに直接的にさらさ
れることがなく比較的低温に保たれるため、シリンダ壁
3の熱により樹脂製ケーシング10が過熱されることを
防止できる。
【0028】シリンダ壁3の上半部分の周囲にウォータ
ジャケット4を形成し、下半部分の周囲に断熱空間8を
形成したため、エンジン運転中にシリンダ壁3の上部の
冷却が十分に行われるとともに、シリンダ壁3の下部の
放熱が抑制される。この結果、シリンダ壁3の温度分布
を適正にして、ピストンの摩擦損失を低減する。また、
シリンダ壁3の下部の放熱が抑制されることにより、暖
機時にシリンダ壁3の温度上昇を早めて、HCの排出を
抑えられる。
【0029】ケーシング10を締結する各ボルト7,1
5をエンジンブロック1のジャケット壁側部5と軸受け
支持部6にそれぞれ螺合させることにより、エンジンブ
ロック1に対する樹脂製ケーシング10の結合剛性を十
分に確保できる。また、各ボルト7,15がエンジンの
左右側部に配設されることにより、各ボルト7,15の
組付け性が良く、生産性に優れる。
【0030】各ボルト7を螺合させるネジ穴25が隣り
合う気筒間、および前後気筒端に位置して、ウォータジ
ャケット壁側部32の肉厚が増大する部位に形成される
ことにより、ボルト7を螺合させるボス部分のためにウ
ォータジャケット壁側部32の肉厚が増大することが避
けられ、エンジンブロック1の軽量化がはかれる。ま
た、ウォータジャケット壁5の内壁面33を滑らかにし
て、ウォータジャケット4における冷却水の流れを乱す
ことを防止できる。
【0031】次に、図4に示した他の実施例は、エンジ
ンブロック41のウォータジャケット壁45に樹脂製ケ
ーシング50に対する接合フランジ49を斜め下方に向
けて傾斜させて形成するものである。
【0032】図5、図6にも示すように、ケーシング5
0にはその上部がウォータジャケット壁45に接合する
外壁部51と、クランク室を画成するスカート部52
と、各軸受け支持部46の左右側面44に接合するバル
クヘッド部56とが一体形成される。
【0033】外壁部51の上部にはフランジ49に接合
するフランジ61が傾斜して形成される。接合フランジ
49にはケーシング50の締結用ボルト47を螺合させ
るネジ穴48が隣り合う気筒間、および前後気筒端に位
置して形成される。ケーシング50のフランジ61には
各ボルト47を貫通させるボルト穴62が形成される。
【0034】外壁部51の下端にはエンジンブロック1
に対する接合フランジ54が内側に向けて突出形成され
る一方、シリンダ壁43の下端にはこのフランジ54に
接合するロアデッキ67が外側に向けて突出形成され
る。フランジ54の端面58は各軸受け支持部46を避
けるように5対の凹部59を持つ波形をしている。
【0035】外壁部51とシリンダ壁43の間にはウォ
ータジャケット64の下方に位置して断熱空間68が画
成される。
【0036】スカート部52には軸受け支持部46のネ
ジ穴69に螺合するボルト70に対するボス部71が形
成される。
【0037】スカート部52の下端にはオイルパンに対
する接合フランジ57が形成され、このフランジ57に
はオイルパン締結用のボルト穴60が形成される。
【0038】次に、図7に示した他の実施例は、外壁部
51とシリンダ壁43の間に画成される間隙(断熱空
間)に潤滑油が循環するオイルギャラリ72を設けるも
のである。
【0039】互いに接合する各フランジ49とフランジ
61の間、および各フランジ54とロアデッキ67の間
には液状パッキン74,75がそれぞれ設けられ、潤滑
油に対する密封性を確保する。
【0040】図示しないオイルポンプから圧送される潤
滑油がオイルギャラリ72に供給され、オイルギャラリ
71からフランジ61および軸受け支持部46に形成さ
れた通孔73を通してクランクシャフトの軸受部に供給
される。
【0041】エンジン運転中、シリンダ壁3の上部の熱
はウォータジャケット64を循環する冷却水に持ち去ら
れ、シリンダ壁3の下部の熱はオイルギャラリ72を循
環する潤滑油に持ち去られる。潤滑油の温度は冷却水よ
り高いため、シリンダ壁3の下部の放熱が抑制され、シ
リンダ壁3の温度分布を適正化して、ピストンの摩擦損
失を低減する。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、燃焼室壁
とシリンダ壁とこの燃焼室壁およびウォータジャケット
壁とを一体形成する金属製エンジンブロックを備えると
ともに、このウォータジャケット壁に接合する外壁部と
スカート部とを一体形成する樹脂製ケーシングを備え、
ウォータジャケット壁に樹脂製ケーシングの締結用ボル
トを螺合させるネジ穴を形成したため、樹脂製ケーシン
グの変形等によってウォータジャケットの冷却水が漏れ
出すことを回避し、またエンジンブロックからの伝熱に
より樹脂製ケーシングが過熱されることを防止して、信
頼性を高められる。
【0043】また、ウォータジャケット壁はシリンダ壁
の上部に形成され、シリンダ壁の下部と樹脂製ケーシン
グの外壁部との間に断熱空間を形成することにより、シ
リンダ壁の温度分布を適正にして、ピストンの摩擦損失
を低減するとともに、暖機時にシリンダ壁の温度上昇を
早めて、HCの排出を抑えられる。
【0044】また、ウォータジャケット壁に樹脂製ケー
シングの締結用ボルトを螺合させるネジ穴を気筒間に位
置して、ウォータジャケット壁の肉厚が増大する部位に
形成されることにより、エンジンブロックの軽量化がは
かれるとともに、ウォータジャケット壁の内壁面を滑ら
かにしてウォータジャケットにおける冷却水の流れを乱
すことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すエンジンの縦断面図であ
る。
【図2】同じく図1のI−I線に沿う横断面図である。
【図3】同じくエンジンブロックの側面図である。
【図4】他の実施例を示すエンジンの縦断面図である。
【図5】同じく樹脂製ケーシングの平面図である。
【図6】同じく樹脂製ケーシングの側面図である。
【図7】さら他の実施例を示すエンジンの縦断面図であ
る。
【図8】従来例を示すエンジンの縦断面図である。
【符号の説明】
1 エンジンブロック 2 ヘッド部 3 シリンダ壁 4 ウォータジャケット 5 ウォータジャケット壁 6 軸受け支持部 7 ボルト 8 断熱空間 10 樹脂製ケーシング 11 外壁部 12 スカート部 21 燃焼室壁 25 ネジ穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室壁とシリンダ壁およびウォータジ
    ャケットを画成するウォータジャケット壁とを一体形成
    する金属製エンジンブロックを備えるとともに、このウ
    ォータジャケット壁に接合する外壁部とクランク室を画
    成するスカート部とを一体形成する樹脂製ケーシングを
    備え、ウォータジャケット壁に樹脂製ケーシングの締結
    用ボルトを螺合させるネジ穴を形成したことを特徴とす
    るエンジンブロック構造。
  2. 【請求項2】 ウォータジャケット壁はシリンダ壁の上
    部に形成され、シリンダ壁の下部と樹脂製ケーシングの
    外壁部との間に断熱空間を形成したことを特徴とする請
    求項1記載のエンジンブロック構造。
  3. 【請求項3】 ウォータジャケット壁の内壁面を各気筒
    に沿って湾曲させるとともに、ウォータジャケット壁に
    樹脂製ケーシングの締結用ボルトを螺合させるネジ穴を
    気筒間に位置して形成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のエンジンブロック構造。
JP9530392A 1992-04-15 1992-04-15 エンジンブロック構造 Pending JPH05296103A (ja)

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