JP2021080900A - シリンダブロック - Google Patents

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    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/04Composite, e.g. fibre-reinforced

Abstract

【課題】樹脂製の外壁部分を備えたシリンダブロックにおいて保温性を確保しながら剛性を向上させるとともに外壁部分と金属部材との接触によるガルバニック腐食を抑制することが可能なシリンダブロックを提供する。【解決手段】シリンダブロック1は、本体部分2の外周を取り囲む繊維強化樹脂製の外壁部分3と、外壁部分3に取り付けられた金属部材7とを備えている。外壁部分3は、本体部分2の外周を取り囲む内側層5と、当該内側層5の外周を取り囲む外側層6とで構成されている。外側層6に含まれる強化繊維の密度は、内側層5に含まれる強化繊維の密度よりも高くなるように設定されている。金属部材7は、外側層6に接触するように外壁部分3に取り付けられている。外側層6に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維である。【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダブロックに関する。
自動車その他のエンジンの軽量化による燃費改善のために、シリンダブロックの一部を樹脂で構成する技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、シリンダを備えた金属製の本体部分の外側にそれぞれ繊維強化樹脂製の内側層と外側層からなる2層構造の外側部分を備えたシリンダブロックが開示されている。外側層には、炭素繊維が樹脂に含有され、内側層にはガラス繊維が樹脂に含有されている。
シリンダが形成された本体部分は、燃焼ガスへの耐熱性や、燃焼ガス圧への耐久性、ヘッドボルト軸力に対する耐久性などが要求されているので、樹脂ではこれらの要求を満たすことが困難である。そのため、本体部分は金属材料で形成されている。
特開2019−15227号公報
しかし、特許文献1に示されるシリンダブロックでは、外側層に金属部材が接触する場合、例えば、外壁部分にインテークマニホールドなどのエンジン構成部品やセルモータなどの補機をボルト締結するために金属製のボスなどの部材を取り付ける場合、またはシリンダブロックが金属製の部分を含み、当該金属製の部分が外側層に接触する場合などでは、外壁部分の外側層に含まれる炭素繊維が導電性を有するので、当該炭素繊維が金属部材に接触する部分に水分が介在することによってサビ(いわゆるガルバニック腐食または電食)が生じるおそれがある。そのため、炭素繊維が金属部材に接触する部分に絶縁層を形成するなどの対策が必要となる。
また、特許文献1のシリンダブロックでは、外壁部分の外側層の繊維密度が50重量%以上(50〜90重量%)、内側層の繊維密度が60重量%以上(60〜70重量%)に設定されており、外壁部分における厚さ方向全体にわたって繊維密度が高く設定されている。そのため、外壁部分の厚さ方向全体において熱浸透率が高まり、シリンダブロック外部へ熱が放出しやすくなるので、外壁部分の保温性を確保することが困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、樹脂製の外壁部分を備えたシリンダブロックにおいて保温性を確保しながら剛性を向上させるとともに外壁部分と金属部材との接触によるガルバニック腐食を抑制することが可能なシリンダブロックを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のシリンダブロックは、シリンダが形成された本体部分と、当該本体部分の外周を取り囲む繊維強化樹脂製の外壁部分と、前記外壁部分に取り付けられた金属部材とを備えたシリンダブロックであって、前記外壁部分は、前記本体部分の外周を取り囲む内側層と、当該内側層の外周を取り囲む外側層とで構成され、前記外側層に含まれる強化繊維の密度は、前記内側層に含まれる強化繊維の密度よりも高くなるように設定され、前記金属部材は、前記外側層に接触するように前記外壁部分に取り付けられ、前記外側層に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維であることを特徴とする。
かかる構成では、シリンダブロックの外壁部分は、内側層と外側層とからなる2層構造で構成され、かつ、外側層に含まれる強化繊維は、内側層に含まれる強化繊維よりも密度が高くなるように設定されている。これにより、外壁部分における外側層の剛性を向上させることが可能である。それとともに内側層の強化繊維の密度を外側層と比較して相対的に低くすることによって内側層における熱浸透率を低下させ、本体部分から内側層への熱伝達を抑制することが可能であり、これにより、シリンダブロックの保温性能の低下を抑制することが可能である。
また、金属部材は外側層に接触するように外壁部分に取り付けられ、外側層に含まれる強化繊維が電気絶縁性の強化繊維であるので、炭素繊維のように導電性を有する強化繊維と金属部材との間で発生するガルバニック腐食を抑制することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記外側層の平均厚さは、前記内側層の平均厚さよりも小さくなるように設定されているのが好ましい。
外壁部分において外側層における強化繊維の密度が内側層よりも高く設定されていることによって、外壁部分の重量が増大することが懸念されるが、上記のように外側層の平均厚さが内側層の平均厚さよりも小さくなるように設定されているので、外側層は内側層よりも薄く形成され、シリンダブロックの重量増大を抑制することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記内側層は、中空粒子を含んでいるのが好ましい。
かかる構成では、内側層が中空粒子を含むことにより、外壁部分をより軽量化することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記金属部材は、前記外壁部分に締付力を与えるねじ部材が螺合するねじ孔が形成された筒状部材であり、前記外側層は、前記筒状部材の外周面の少なくとも一部に固着するように形成されているのが好ましい。
かかる構成では、強化繊維の密度が高い外側層が筒状部材の外周面に固着することにより、ボルトなどのねじ部材の締付け力に対する外壁部分の強度を確保することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記内側層に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維であり、前記金属部材は、前記外側層および前記内側層の両方に接触するように取り付けられているのが好ましい。
かかる構成では、外側層だけでなく内側層に含まれる強化繊維も電気絶縁性の強化繊維であるので、金属部材が外側層および内側層の両方に接触するように取り付けられている場合でも、ガルバニック腐食を回避することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記内側層における前記強化繊維の体積比率は、70%未満であるのが好ましい。
かかる構成では、内側層の保温性を確保することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記外側層は、電気絶縁性の強化繊維を含む樹脂からなるシートが当該外側層の厚さ方向に積層されることによって構成されているのが好ましい。
かかる構成では、外壁部分を形成する際に外側層の厚さを容易かつ精度よく管理することが可能である。
上記のシリンダブロックにおいて、前記電気絶縁性の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維およびバサルト繊維からなる群から選択された少なくとも1種の繊維であるのが好ましい。
これらの繊維は、いずれも電気絶縁性を有しており、金属部材との間におけるガルバニック腐食を回避することが可能であり、しかも外壁部分を強化する強化繊維として十分な強度を有し、かつ市場で入手しやすい。
本発明のシリンダブロックによれば、樹脂製の外壁部分を備えたシリンダブロックにおいて保温性を確保しながら剛性を向上させることができる。それとともに外壁部分と金属部材との接触によるガルバニック腐食を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るシリンダブロックの全体構成を示す分解斜視図である。 図1のシリンダブロックの拡大断面図である。 図1の外壁部分に用いられるガラス繊維樹脂のガラス繊維配合率と熱伝導率との関係を4種類の算定方法によって示したグラフである。 本発明の変形例に係るシリンダブロックの拡大断面図である。 本発明の他の変形例に係るシリンダブロックの拡大断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1〜2に示されるように、シリンダブロック1は、上下方向Aに延びるシリンダ2bが形成された本体部分2と、当該本体部分2の外周を取り囲む繊維強化樹脂製の外壁部分3と、外壁部分3に取り付けられた金属部材としてのボス部7とを備えている。シリンダ2bの内周面は、シリンダライナ13で覆われている。また、図1に示されるように、シリンダブロック1の本体部分2の下側A2の端面には、クランクケース4が取り付けられている。また、シリンダブロック1(本体部分2および外壁部分3の両方)の上側A1の端面には、シリンダヘッドHがヘッドボルトによって固定されている。
図1〜2に示されるように、本体部分2は、上下方向Aに延びる円筒状のシリンダ2bを形成する周壁2aと、周壁2aの外面から外方へ突出する底壁形成部2cと、複数のボス部2dとを有する。本体部分2は、アルミニウム合金などの耐熱性および強度が高い金属材料で形成されている。
ここで、シリンダ2bを形成とは、周壁2aとは別体に製造された円筒状のシリンダ2bを、本体部分2を鋳造成型する際に鋳ぐるんで一体化することや、鋳造成型された本体部分2を加工して円筒部を形成することを意味する。
本体部分2の周壁2a、底壁形成部2c、および当該本体部分2の外側を覆う外壁部分3(とくに内側層5)によって、本体部分2の外周に冷却水Wを循環させるための冷却水通路8が形成される。底壁形成部2cと外壁部分3(とくに内側層5)との間はパッキン9によって封止されている。
外壁部分3は、本体部分2の外周を取り囲む内側層5と、当該内側層5の外周を取り囲む外側層6とで構成されている。
内側層5および外側層6のうち少なくとも外側層6は、電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成されている。本実施形態では、内側層5および外側層6の両方が電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成されている。
電気絶縁性を有する繊維強化樹脂は、ガラス繊維、アラミド繊維およびバサルト繊維からなる群から選択された少なくとも1種の繊維である。
外側層6に含まれる強化繊維の密度は、内側層5に含まれる強化繊維の密度よりも高くなるように設定されている。
例えば、外側層6に含まれる強化繊維の重量%は、アラミド繊維を用いる場合には35重量%、ガラス繊維を用いる場合には54重量%程度が設定される。
一方、内側層5に含まれる強化繊維の重量%は、ガラス繊維を用いる場合には30重量%が設定されている。なお、内側層5は、保温性向上のために中空粒子を含んでいるのが好ましい。
また、外壁部分3の重量増大を抑制するために、強化繊維の密度が高い外側層6の平均厚さ(例えば、シリンダブロックの周方向における平均の厚さ)は、内側層5の平均厚さよりも小さくなるように設定されているのが好ましい。ここで、平均厚さとは、ボスやリブが形成されていない平面部分の厚みの平均値を意味する。
本実施形態の外側層6は、図2に示されるように、電気絶縁性の強化繊維を含む樹脂からなるシート6a、6b、6cが当該外側層6の厚さ方向に積層されることによって構成されている。シート6a、6b、6cは、例えば、強化繊維が面内方向に配向されたシートであって、例えば、強化繊維が面内においてランダムな方向に配向された不織布からなるシートであってもよい。なお、強化繊維はシートの面内において所定の方向に配向していてもよい。
ボス部7は、外壁部分3に締付力を与えるねじ部材が螺合するねじ孔7aが形成されたスチールなどの金属製の筒状部材である。ボス部7は、外壁部分3にインテークマニホールド、エキゾーストマニホールドなどのエンジン構成部品やセルモータなどの補機をボルト締結するために用いられる。
ボス部7は、外側層6に接触するように外壁部分3の外周面の適宜の位置に取り付けられている。本実施形態では、内側層5および外側層6の両方がガラス繊維などの電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成されているので、ボス部7は、図2に示されるように外側層6および内側層5の両方に接触するように取り付けられていてもガルバニック腐食のおそれが低い。
外側層6は、ボス部7の外周面の少なくとも一部に固着するように形成されており、これによって、ねじ部材をボス部7に締結したときの締付け力に対する強度を確保することが可能である。図2に示される例では、外側層6の各シート6a、6b、6cにおけるボス部7周囲の開口縁の部分がボス部7の外周面に固着して締付け力に対する強度を確保している。
内側層5における強化繊維の体積比率は、シリンダブロック1の保温性の確保の観点から70%未満であるのが好ましい。その理由は、以下の通りである。
図3のグラフでは、強化繊維としてガラス繊維を用いた場合において、ガラス繊維(GF)配合率c(体積%)と熱伝導率λ(W/m・K)との関係を4種類の異なる関係式から求めたグラフである。Iは複合則から求めた直線、IIは直列式から求めた曲線、IIIはMaxwellの式から求めた曲線、IVはMeredithの式から求めた曲線である。
なお、直列式とは、ガラス繊維樹脂をガラス繊維および樹脂が直列接続された直列モデルとして当該モデル全体の熱伝導率を求める式である。
図3のグラフを見れば、直線Iでは、GF配合率cが高くなるのに比例して熱伝導率λが一定割合で高くなるが、他の曲線II〜IVではGF配合率cが70%以上になると急激に熱伝導率λが上昇し、保温性が低下することが分かる。この図3のグラフを見れば、シリンダブロック1の保温性を確保するためには70%未満であるのが好ましいことが理解される。
上記のような繊維強化樹脂からなる内側層5および外側層6の2層構造の外壁部分3を製造する場合、例えば、金型の空間部内周面に外側層6を構成する複数のガラス繊維を含む不織布シートを1枚配置または複数枚積層して配置し、その後、内側層5の材料となるガラス繊維の短繊維を含む溶融樹脂材料を金型に注入することによって、上記2層構造の外壁部分3を製造することが可能である。
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態のシリンダブロック1は、シリンダブロック1は、シリンダが形成された本体部分2と、当該本体部分2の外周を取り囲む繊維強化樹脂製の外壁部分3と、外壁部分3に取り付けられた金属部材としてのボス部7とを備えている。外壁部分3は、本体部分2の外周を取り囲む内側層5と、当該内側層5の外周を取り囲む外側層6とで構成されている。外側層6に含まれる強化繊維の密度は、内側層5に含まれる強化繊維の密度よりも高くなるように設定されている。ボス部7は、外側層6に接触するように外壁部分3に取り付けられている。外側層6に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維である。
この構成では、シリンダブロック1の外壁部分3は、内側層5と外側層6とからなる2層構造で構成され、かつ、外側層6に含まれる強化繊維は、内側層5に含まれる強化繊維よりも密度が高くなるように設定されている。これにより、外壁部分3における外側層6の剛性を向上させることが可能である。それとともに内側層5の強化繊維の密度を外側層6と比較して相対的に低くすることによって内側層5における熱浸透率を低下させ、本体部分2から内側層5への熱伝達を抑制することが可能であり、これにより、シリンダブロック1の保温性能の低下を抑制することが可能である。
また、ボス部7は外側層6に接触するように外壁部分3に取り付けられ、外側層6に含まれる強化繊維が電気絶縁性の強化繊維であるので、炭素繊維のように導電性を有する強化繊維とボス部7との間で発生するガルバニック腐食を抑制することが可能である。
(2)
本実施形態のシリンダブロック1では、外側層6の平均厚さは、内側層5の平均厚さよりも小さくなるように設定されている。
外壁部分3において外側層6における強化繊維の密度が内側層5よりも高く設定されていることによって、外壁部分3の重量が増大することが懸念されるが、上記のように外側層6の平均厚さが内側層5の平均厚さよりも小さくなるように設定されているので、外側層6は内側層5よりも薄く形成され、シリンダブロック1の重量増大を抑制することが可能である。
(3)
本実施形態のシリンダブロック1では、内側層5は、中空粒子を含んでいるのが好ましい。内側層5が中空粒子を含むことにより、外壁部分3をより軽量化することが可能である。また、内側層5が中空粒子を含有することにより、内側層5の保温効果を向上することも可能である。
(4)
本実施形態のシリンダブロック1では、金属部材としてのボス部7は、外壁部分3に締付力を与えるねじ部材が螺合するねじ孔7aが形成された筒状部材である。外側層6は、筒状部材の外周面の少なくとも一部に固着するように形成されている。
かかる構成では、強化繊維の密度が高い外側層6が筒状部材の外周面に固着することにより、ボルトなどのねじ部材の締付け力に対する外壁部分3の強度を確保することが可能である。
(5)
本実施形態のシリンダブロック1では、内側層5に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維である。ボス部7は、外側層6および内側層5の両方に接触するように取り付けられている。
この構成では、外側層6だけでなく内側層5に含まれる強化繊維も電気絶縁性の強化繊維であるので、ボス部7が外側層6および内側層5の両方に接触するように取り付けられている場合でも、ガルバニック腐食を回避することが可能である。
(6)
本実施形態のシリンダブロック1では、内側層5における強化繊維の体積比率は、70%未満である。この構成では、内側層5の保温性を確保することが可能である。
(7)
本実施形態のシリンダブロック1では、外側層6は、電気絶縁性の強化繊維を含む樹脂からなるシート6a、6b、6cが当該外側層6の厚さ方向に積層されることによって構成されている。この構成では、外壁部分3を形成する際に外側層6の厚さを容易かつ精度よく管理することが可能である。なお、シート6a、6b、6cを積層する際に成形のしやすさ等のためにシート間に接着剤層が存在していても良い。
(8)
本実施形態のシリンダブロック1では、電気絶縁性の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維およびバサルト繊維からなる群から選択された少なくとも1種の繊維である。これらの繊維は、いずれも電気絶縁性を有しており、ボス部7との間におけるガルバニック腐食を回避することが可能であり、しかも外壁部分3を強化する強化繊維として十分な強度を有し、かつ市場で入手しやすい。なお、本件発明の主旨から、電気絶縁性を有するとは、ガルバニック腐食を回避できる程度の絶縁性を有していれば十分であり、必ずしも完全絶縁であることを必要としない。
(変形例)
(A)
上記実施形態では、図2に示されるように、外側層6の各シート6a、6b、6cにおけるボス部7周囲の開口縁の部分がボス部7の外周面に固着して締付け力に対する強度を確保しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外側層6は、筒状部材であるボス部7の外周面の少なくとも一部に固着するように形成されていればよく、ボス部7の外周面全体に固着してもよい。
すなわち、図4に示される本発明の変形例のように、外側層6のシート6a、6bが内側層5に向けて折り曲げられることによって筒状部分10を形成し、この外側層6の筒状部分10がボス部7の外周面全体に固着した構成であってもよい。この場合、外側層6の筒状部分10はボス部7の外周面と広い接触面積で接触して当該ボス部7を強固に支持するので、ねじ部材の締付け力に対する外壁部分3の強度を十分に確保することが可能である。
また、図4に示される変形例では、電気絶縁性の繊維強化樹脂からなる外側層6を構成するシート6aがボス部7の端部と内側層5との間に介在している。これにより、内側層5がカーボン樹脂を含む層であってもガルバニック腐食を回避することが可能である。
(B)
上記実施形態では、図2に示されるように、外壁部分3の外側層6に取り付けられる金属部材の一例としてインテークマニホールドのエンジン構成部品やセルモータなどの補機を取り付けるための金属製のボス部7が例に挙げられているが、本発明の金属部材はボス部7に限定されるものではなく、外壁部分3の外側層6に取り付けられる金属部材であれば種々の部材が含まれる。
例えば、本発明の他の変形例として、図5に示されるように、シリンダヘッドHのフランジ部HFをシリンダブロック1の上側A1の端面にヘッドボルトで締結する構成において、当該ヘッドボルトが上下方向Aに挿入されるヘッドボルト孔11aを形成する金属製の筒状部材11が外側層6に取り付けられたシリンダブロック1であってもよい。
この筒状部材11は、本体部分2のシリンダ2bと同じように上下方向Aに延びている。図4の外壁部分3は、上記実施形態と同様に内側層5および外側層6の2層構造を有している点では共通するが、外側層6の構成が異なる。すなわち、図4の外側層6は、筒状部材11の外周を囲むようにシートを巻き付けることによって筒状に構成されている。外側層6は、筒状部材11の外周面全体に固着している。このシートは、例えば、ガラス繊維などの電気絶縁性を有する強化繊維を含む不織布などからなるシートである。
図5の外側層6は、筒状部材11の下方まで延びる円筒状の延長部分6aを有しており、本体部2のボス部2dが挿入されている。
図6に示される変形例では、シリンダヘッドHをシリンダブロック1の上側A1の端面にヘッドボルトで締結する際には、当該ヘッドボルトを上下方向Aに延びるヘッドボルト孔11aに貫通させ、その後ヘッドボルトの先端部をボス部2dのねじ孔2eに螺合することにより、シリンダヘッドHおよびシリンダブロック1をヘッドボルトによって上下方向から締結する。この際、ボルトによる上下方向Aの締結力が筒状部材11を通して外側層6に作用するが、外側層6は、筒状部材11の外周面全体に固着しているので、外側層6は筒状部材11の外周面と広い接触面積で接触して当該筒状部材11を強固に支持するので、ヘッドボルトの締付け力に対する外壁部分3の強度を十分に確保することが可能である。
(C)
上記実施形態では、内側層5および外側層6の両方が電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成されている構成であるが、外側層6のみが電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成されていてもよい。例えば、外側層6のみが電気絶縁性を有する繊維強化樹脂で形成され、内側層5がカーボン樹脂で形成されてもよい。その場合、上記変形例(A)および図4のように、電気絶縁性の繊維強化樹脂からなる外側層6を構成するシート6aがボス部7の端部と内側層5との間に介在するようにすれば、内側層5がカーボン樹脂を含む層であってもガルバニック腐食を回避することが可能である。
(D)
上記実施形態では、内側層5に含まれる強化繊維の重量%がガラス繊維を用いる場合には30重量%が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の変形例として、例えば、上記の内側層5にカーボン繊維を含有させる場合は、カーボン繊維を5重量%含有させてもよい。または、内側層5としてカーボン繊維を用いる場合には30重量%が設定され、さらに中空粒子としてガラスバルーンを35重量%含有させて、シリンダブロック1の重量増大を抑制するとともに保温効果をより高めても良い。
1 シリンダブロック
2 本体部分
3 外壁部分
5 内側層
6 外側層
7 ボス部(金属部材)
7a ねじ孔
11 筒状部材(金属部材)
11a ヘッドボルト孔

Claims (8)

  1. シリンダが形成された本体部分と、
    当該本体部分の外周を取り囲む繊維強化樹脂製の外壁部分と、
    前記外壁部分に取り付けられた金属部材と
    を備えたシリンダブロックであって、
    前記外壁部分は、前記本体部分の外周を取り囲む内側層と、当該内側層の外周を取り囲む外側層とで構成され、
    前記外側層に含まれる強化繊維の密度は、前記内側層に含まれる強化繊維の密度よりも高くなるように設定され、
    前記金属部材は、前記外側層に接触するように前記外壁部分に取り付けられ、
    前記外側層に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維である、
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  2. 前記外側層の平均厚さは、前記内側層の平均厚さよりも小さくなるように設定されている、
    請求項1に記載のシリンダブロック。
  3. 前記内側層は、中空粒子を含んでいる、
    請求項1または2に記載のシリンダブロック。
  4. 前記金属部材は、前記外壁部分に締付力を与えるねじ部材が螺合するねじ孔が形成された筒状部材であり、
    前記外側層は、前記筒状部材の外周面の少なくとも一部に固着するように形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
  5. 前記内側層に含まれる強化繊維は、電気絶縁性の強化繊維であり、
    前記金属部材は、前記外側層および前記内側層の両方に接触するように取り付けられている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
  6. 前記内側層における前記強化繊維の体積比率は、70%未満である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
  7. 前記外側層は、電気絶縁性の強化繊維を含む樹脂からなるシートが当該外側層の厚さ方向に積層されることによって構成されている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
  8. 前記電気絶縁性の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維およびバサルト繊維からなる群から選択された少なくとも1種の繊維である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリンダブロック。
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