JP2011064142A - ウォータジャケット構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷間始動時のシリンダ外壁部表面からの放熱を効果的に抑えるとともに、シリンダブロックの上下方向におけるウォータジャケットの熱分布を均一化することができるウォータジャケット構造を提供する。
【解決手段】シリンダブロックにおけるシリンダボアを形成するシリンダライナ部と、シリンダブロックにおけるシリンダライナ部よりも外周側に配設されたシリンダ外壁部と、シリンダ外壁部の内周面を被覆する樹脂製のスペーサと、スペーサの内周面とシリンダライナ部の外周面との間に設けられたウォータジャケットとを有し、スペーサはシリンダライナ部の軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有する。
【選択図】図6
【解決手段】シリンダブロックにおけるシリンダボアを形成するシリンダライナ部と、シリンダブロックにおけるシリンダライナ部よりも外周側に配設されたシリンダ外壁部と、シリンダ外壁部の内周面を被覆する樹脂製のスペーサと、スペーサの内周面とシリンダライナ部の外周面との間に設けられたウォータジャケットとを有し、スペーサはシリンダライナ部の軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、車両等のエンジンに設けられているウォータジャケット構造に関する。
図8に示すように、車両用エンジンのシリンダブロック91には、筒状のシリンダボア92を囲むようにウォータジャケット構造93が設けられている。ウォータジャケット構造93は、シリンダボア92を形成するシリンダライナ部94と、シリンダ外壁部95と、シリンダライナ部94とシリンダ外壁部95との間に設けられたウォータジャケット96とを有する。ウォータジャケット96に冷却水を流通させて冷却水が熱を奪うことで、シリンダライナ部94、即ちシリンダボア92壁の冷却を図っている。
ところで、エンジンの冷間始動時には、シリンダボア92の温度を素早く高温に上昇させて燃焼効率を上げることが望まれている。このため、冷間始動時には、ウォータジャケット96に流通させる冷却水の量をエンジン高温時よりも少なくしてシリンダボア92からの放熱を抑えている。
しかし、シリンダブロック91は、アルミニウム等の金属から形成されているものが多い。このため、シリンダブロック91のシリンダ外壁部95表面からの放熱量が多い。ゆえに、冷間始動時には、シリンダ外壁部95表面からの放熱を抑えることで、シリンダボア92の迅速な温度上昇を促して燃費向上を図ることが望まれる。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、シリンダボアを形成する金属製のシリンダライナ部と、FRP(繊維強化樹脂)からなるシリンダ外壁部と、シリンダライナ部とシリンダ外壁部との間に介在させたウォータジャケットとを有するシリンダブロックがある。特許文献1のシリンダブロックでは、シリンダ外壁部がFRPからなるため、シリンダ外壁部が金属製である場合に比べて、シリンダ外壁部表面からの放熱量を少なくすることができる。
また、特許文献2には、ウォータジャケットの内部の一部にスペーサを配設して、ボア壁温を均一にすることが開示されている。
しかしながら、近年、燃費向上、CO2排出抑制の要望が高まり、冷間始動時に更に迅速にエンジン温度を上昇させたいという要望がある。かかる要望に対して、特許文献1に開示された技術では、FRPからなるシリンダ外壁部表面からの放熱が、金属製のシリンダ外壁部表面からの放熱よりも少なくすることができるとしても、近年の要望に応じた冷間始動時の迅速なシリンダ温度の上昇には十分に応ずることはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、冷間始動時のシリンダ外壁部表面からの放熱を効果的に抑えるとともに、シリンダライナ部の軸方向におけるウォータジャケットの熱分布を均一化することができるウォータジャケット構造を提供することを課題とする。
本発明は、シリンダブロックにおけるシリンダボアを形成するシリンダライナ部と、前記シリンダブロックにおける該シリンダライナ部よりも外周側に配設されたシリンダ外壁部と、該シリンダ外壁部の内周面を被覆する樹脂製のスペーサと、該スペーサの内周面と該シリンダライナ部の外周面との間に設けられたウォータジャケットと、を有し、該スペーサはシリンダライナ部の軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有することを特徴とする。
前記スペーサは、その内周面に高熱伝導層が形成されていることが好ましい。
前記スペーサは、高熱伝導性のフィラーをシリンダライナ部の軸方向に配向して形成されていることが好ましい。
本発明においては、樹脂製のスペーサの内周面と、シリンダライナ部の外周面との間には、ウォータジャケットが形成されている。このスペーサは、シリンダライナ部の軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有している。このため、シリンダからウォータジャケット内を流れる冷却媒体に伝達された熱分布が均一でない場合でも、スペーサの伝熱機構により熱が伝達されて、熱分布を均一化することができる。
シリンダ外壁部の内周面が樹脂製のスペーサにより被覆されている。このため、シリンダ外壁部全体を金属により構成した場合に比べて、放熱を抑えることができる。よって、冷間始動時には、シリンダ外壁部表面からの放熱を効果的に抑えることができる。したがって、エンジンを素早く暖機することができ、燃費向上、CO2排出抑制及びノッキング抑制を図ることができる。
本発明のウォータジャケット構造は、内燃機関のシリンダブロックに形成されている構造であり、シリンダライナ部と、シリンダ外壁部と、スペーサと、ウォータジャケットとを有する。
シリンダライナ部の内周面側には、筒状の複数のシリンダボアが直列状に形成されている。シリンダライナ部の外周面側には、ウォータジャケットが配置されている。本明細書において、「内周面側」とは、ウォータジャケット構造を構成する各部材における、シリンダブロックの外周部からシリンダボアの中心に向かう径方向内側に面する側を意味し、「外周面側」とは、シリンダボアの中心からシリンダブロックの外周部に向かう径方向外側に面する側を意味する。
シリンダライナ部の材質は、例えば、アルミニウム、鋳鉄などの金属などが用いられる。
ウォータジャケットは、シリンダ外壁部を被覆するスペーサの内周面と、シリンダライナ部の外周面との間に形成された空間である。ウォータジャケットには冷却媒体が流通する。エンジン高温時にはウォータジャケット内の冷却媒体の流通量を多くして、シリンダボアからシリンダライナ部を通じて伝達されてきた熱を外部に排出する。これにより、シリンダライナ部の温度の過剰上昇を抑える。一方、冷間始動時には、ウォータジャケット内の冷却媒体の流通量を、エンジン高温時よりも少なくして、冷却媒体による熱の排出量を抑える。これにより、冷間始動時に、素早くシリンダボア温度を上昇させて、効率よく燃料を燃焼させる。
エンジンブロックにおけるウォータジャケットよりも外周側にはスペーサが配置されている。スペーサは、シリンダライナ部における軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有している。これにより、シリンダからウォータジャケット内を流れる冷却媒体に伝達された熱分布が均一でない場合でも、スペーサの伝熱機構によりシリンダライナ部における軸方向に熱が伝達されて、熱分布を均一化することができる。スペーサの内周面は、ウォータジャケットに対面している。スペーサの外周面は、シリンダ外壁部の内周面に対面している。スペーサは、ウォータジャケットの外周面を構成する形状をもち、シリンダ外壁部の内周面全体を被覆しているとよい。この場合には、ウォータジャケットからシリンダ外壁部への放熱を効果的に抑えることができる。
スペーサは樹脂材からなる。スペーサに好適に用いられる樹脂材としては、強度が高く、耐熱性及び耐水性に優れた材質であることがよい。スペーサに用いられる好適な樹脂としては、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA66(ポリアミド66)などがあり、特に、樹脂の中に、ガラス、カーボンなどからなる繊維が含浸されたFRP(繊維強化樹脂)を用いることがよい。
スペーサの伝熱機構としては、内周面に高熱伝導層が形成されていても良いし、スペーサ自体の樹脂材が高熱伝導性のフィラーをシリンダライナ部における軸方向に配向して形成されていても良い。高熱伝導層や高熱伝導性フィラーは、100W/m・K以上の熱伝導率を有するものが好ましい。例えば、高熱伝導層としてはアルミニウムやステンレスなどを用いることができ、高熱伝導性フィラーとしてはカーボンフィラーやアルミニウム、ステンレス等の各種金属フィラーを用いることができる。また、高熱伝導性フィラーは、針状、繊維状、鱗片状などの異方形状のものが用いられる。
スペーサは、シリンダ外壁部の内周面に液密に接合されているとよい。この場合には、スペーサとシリンダ外壁部との間に隙間が生じるのを防止して、ウォータジャケットを流通する冷却媒体の漏出を防止することができる。スペーサをシリンダ外壁部の内周面に液密に接合する方法としては、例えば、スペーサをシリンダ外壁部に溶着する方法、スペーサをシリンダ外壁部に接着剤を用いて接着する方法、シリンダ外壁部をインサートしてスペーサを射出成形する方法などがあげられる。スペーサは、射出成形、プレス成形、ブロー成形などにより形成される。
シリンダ外壁部は、シリンダブロックの上部外周部に配置されている。シリンダ外壁部は、スペーサと対面しない部分で、シリンダライナ部の外周面に固定されている。本体部は、シリンダライナと一体に形成されてもよいし、別体で形成した後にシリンダライナ部に接合してもよい。本体部を構成する金属は、例えば、アルミニウム、鋳鉄などが挙げられる。本体部を構成する金属は、シリンダライナ部を構成する金属と同材質であっても、異なる材質であってもよい。
また、シリンダ外壁部の全体が外壁樹脂材により構成されていてもよい。この場合に用いる樹脂材は、FRPなどの強化樹脂を用いるとよい。
本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1に示すように、本例のウォータジャケット構造3は、車両エンジンのシリンダブロック1の上部に設けられた構造である。シリンダブロック1は、直列4気筒エンジンに用いられる。シリンダブロック1の上部には4つのシリンダボア2が直列に配設されている。シリンダブロック1の下部にはクランクシャフトやオイルポンプが収容されるクランクケース10が設けられている。シリンダブロック1上部に設けられたシリンダボア2の周囲には、ウォータジャケット構造3が設けられている。
図2に示すように、ウォータジャケット構造3は、シリンダライナ部4と、シリンダ外壁部5と、スペーサ6と、ウォータジャケット7と、断熱空間8とを有する。
図1,図3,図4に示すように、シリンダライナ部4は、4つの直列に配列する円筒形状のシリンダボア2を形成するとともに、各シリンダボア2を連結している。
図2、図3に示すように、シリンダ外壁部5は、シリンダブロック1のシリンダライナ部4よりも外周側に設けられている。シリンダ外壁部5は、本体部51と、本体部51に設けられた窓部52と、窓部52を塞ぐ外壁樹脂材53とを有する。本体部51は、その下部でシリンダライナ部4と一体に連結して、シリンダブロック1の一部を構成している。本体部51は、シリンダブロック1の上部の外側骨格を形成している。本体部51には、ウォータジャケット7に冷却媒体を流通させる配管50が配設されている。本体部51及びシリンダライナ部4を含むシリンダブロック1の材質は、アルミニウムである。
図1、図3,図4に示すように、窓部52は、シリンダ外壁部5の側部のコーナ部以外の中間部に形成されている。シリンダ外壁部5の外形は略直方体であり、シリンダ外壁部5の側部の中間部の中でもシリンダ外壁部5の厚みの薄い部分、即ちシリンダ外壁部5外表面とシリンダボア2との間の距離が狭い部分に、窓部52が配置されている。シリンダ外壁部5には、シリンダブロック1の長手方向に沿って各シリンダボア2に対応する位置に窓部52が形成されている。また、シリンダブロック1の長手方向の一端側の側面にも、窓部52が形成されている。シリンダブロック1の長手方向の他端側の側面は、弁開閉調整機構が設けられる部分であり、窓部を設けるスペースがない。
図2に示すように、窓部52は、本体部51の内周面側と外周面側とを連通している。窓部52の周縁の外周面側には、外壁樹脂材53が配設されて、窓部52を塞いでいる。外壁樹脂材53は、シリンダ外壁部5の内周面側に表出している。シリンダ外壁部5の窓部52が開口している部分では、シリンダ外壁部5の内周面よりも窓部52の厚み分だけ外周面側に奥まった部分に、外壁樹脂材53が配設されている。外壁樹脂材53は、パネル形状であり、その厚みは2.5mmである。外壁樹脂材53の材質はガラス繊維を含浸させたPPSである。外壁樹脂材53の周縁部は、接着剤により窓部52の外周面に接着されている。図1の斜線部分に示すように、外壁樹脂材53は、シリンダブロック1の外部から視認できる位置に設けられている。
図2,図3に示すように、スペーサ6は、シリンダ外壁部5の内周面に合った形状をもち、シリンダ外壁部5の内周面全体を被覆している。スペーサ6の材質は、ガラス繊維を含浸させたPPSである。スペーサ6は、上部から中央部にわたる一般部6aで均一な厚みA(2.5mm)をもち、一般部6aよりも下方の下部6bでは厚みAよりも厚い厚みBをもつ。スペーサ6の一般部6aの内周面とシリンダライナ部4の外周面との間には、冷却媒体が流通するウォータジャケット7が介在している。スペーサ6の下部6bの内周面はシリンダライナ部4の外周面に当接して、ウォータジャケット7の底部を構成している。ウォータジャケット7の厚みは、スペーサ6の下部6bの厚みBから一般部6aの厚みAを差し引いた大きさである。ウォータジャケット7の厚みは、周方向で若干変わり、1〜30mmである。図6に示すように、スペーサ6の一般部6aの内周面には、高熱伝導層としてアルミニウム層63が形成されている。アルミニウム層63の厚さは、放熱量を抑制する観点から0.3mm以下が好ましい。
スペーサ6の外周面はシリンダ外壁部5の内周面に対面している。シリンダ外壁部5の窓部52が開口している部分では、スペーサ6の外周面は、窓部52を塞ぐ外壁樹脂材53に対面している。外壁樹脂材53は、シリンダ外壁部5の内周面よりも窓部52の厚み分だけ窪んだ位置に配置されているので、外壁樹脂材53とスペーサ6との間には、窓部52の厚みと同じ厚みをもつ断熱空間8が形成されている。断熱空間8の内部は、空洞であり、幅方向に対向するスペーサ6及び外壁樹脂材53と、上下方向に対向する窓部52の周縁とによって気密に囲まれている。
スペーサ6の外周面には、リブ61、62が突設している。リブ61、62は、スペーサ6の上下方向の位置が異なる2箇所の位置に配置されている。一方のリブ61は他方のリブ62よりも上側に位置している。リブ61、62の先端は、外壁樹脂材53の内周面に溶着している。図4に示すように、リブ61、62は、それぞれスペーサ6の周方向に延びている。
ウォータジャケット構造3を作製するにあたっては、図5に示すように、シリンダライナ部4及びシリンダ外壁部5の本体部51を一体に有するシリンダブロック1をアルミニウムで鋳造する。また、外壁樹脂材53を射出成形で形成する。スペーサ6は、シリンダブロック1を金型の一部とするインサート射出成形により一体成形する。
スペーサ6をシリンダ外壁部5に射出成形するのと同時に接着するために、シリンダ外壁部5の内周面に予め接着処理を行って、シリンダ外壁部5の内周面に官能基(例えばカルボニル基)を付与する。射出成形時の熱と圧力によりスペーサ6を形成する樹脂中の官能基(例えばエポキシ基)をシリンダ外壁部5の内周面の官能基と化学結合させる。
外壁樹脂材53をシリンダ外壁部5の窓部52周縁の外周面に、エポキシ系の接着剤を用いて接着する。また、熱板溶着法により、スペーサ6の外周面に突出するリブ61,62の先端部を、外壁樹脂材53の内周面に対して溶着する。
本例のウォータジャケット構造3においては、シリンダ外壁部5の内周面が樹脂製のスペーサ6により被覆されている。スペーサ6の外周面と、シリンダ外壁部5の外壁樹脂材53の内周面との間には、断熱空間8が形成されている。このため、シリンダボア2から伝達されてきた熱を断熱空間8に蓄えることができる。また、断熱空間8は、樹脂製のスペーサ6と外壁樹脂材53との間に設けられているため、外壁樹脂材53により囲まれることになる。ゆえに、断熱空間8は、金属材により囲まれている場合に比べて、熱を効果的に蓄えることができる。
シリンダ外壁部5の内周面が樹脂製のスペーサ6により被覆されており、また、シリンダ外壁部5の一部は外壁樹脂材53により構成されている。このため、シリンダ外壁部5全体を金属により構成した場合に比べて、シリンダ外壁部5表面からの放熱を抑えることができる。よって、冷間始動時には、シリンダ外壁部5からの放熱を効果的に抑えることができる。しかも、樹脂製のスペーサ6の内周面に形成されたアルミニウム層63により、ウォータジャケット内の冷却媒体に均一に熱を伝達することができる。したがって、エンジンを素早く暖機することができ、燃費向上、CO2排出抑制及びノッキング抑制を図ることができる。
シリンダブロック1のウォータジャケット7よりも外周面側に、樹脂製のスペーサ6、外壁樹脂材53及び断熱空間8が配置されている。このような放熱を抑える性質をもつ構成は、ウォータジャケット7よりも外周面側に存在しており、ウォータジャケット7よりも内周面側にはない。このため、エンジン高温時にシリンダボア2で発生した熱のウォータジャケット7への伝達は妨げられない。ゆえに、エンジン高温時には、ウォータジャケット7に冷却媒体を流通させることでシリンダボア2の温度の過剰上昇を効果的に抑えることができる。
また、シリンダ外壁部5が、金属製の本体部51と、本体部51に開口する窓部52とをもち、窓部52が外壁樹脂材53により塞がれている。このため、外壁樹脂材53をシリンダブロック1の外周面側から窓部52に装着することで、本体部51に外壁樹脂材53を接合することができる。ゆえに、シリンダ外壁部5の本体部51に外壁樹脂材53を容易に一体化することができる。
断熱空間8は、シリンダブロック1におけるシリンダ外壁部5の径方向の厚みが薄い部分に対応する部分に設けられている。シリンダ外壁部5の径方向の厚みが薄い部分は、シリンダボア2からの熱伝導距離が短く、放熱し易い部分である。この部分に断熱空間8を設けることによって、シリンダ外壁部5表面からの放熱を効果的に抑制できる。
また、シリンダボア2の下部は、燃焼室が設けられている上部よりも温度上昇しにくい。このため、シリンダブロック1におけるシリンダボア2の下部を囲む部分には、スペーサ6の厚肉の下部6bが配置され、且つ断熱空間8が配置されている。このため、温度上昇しにくいシリンダボア2下部からの放熱を抑えて、温度上昇しやすいシリンダボア上部との温度差を抑えることができる。さらに、スペーサ6の内周面に形成されたアルミニウム層63により、燃焼室が設けられているシリンダボア2の上部と燃焼室のない下部との、冷却媒体への熱分布を均一化するように働く。
本例においては、図7に示すように、樹脂製のスペーサ6の内周面にアルミニウム層63を形成して伝熱機構を付与した実施例1に対して、スペーサ64はスペーサ自体がカーボンフィラーをシリンダライナ部の軸方向に配向して形成することで、伝熱機構を付与していることが異なるのみである。フィラーの配向方法としては、材料の流動によりえられる流動配向や磁場を利用した磁場配向を用いることができる。このようにして製造されたスペーサ64は、カーボンフィラーの配向により、シリンダライナ部4における径方向(スペーサ64の厚さ方向)には小さな熱伝導率しか有さず、シリンダライナ部4における軸方向には大きな熱伝導率を有している。このため、ウォータジャケット7内の冷却媒体に対する熱分布の均一化を効果的に図るとともに、シリンダ外壁部5表面からの放熱を効果的に抑制することができる。
1:シリンダブロック
2:シリンダボア
3:ウォータジャケット構造
4:シリンダライナ部
5:シリンダ外壁部
6:スペーサ
6a:スペーサの一般部
6b:スペーサの下部
7:ウォータジャケット
8:断熱空間
10:クランクケース
50:冷却媒体を流通させる配管
51:本体部
52:窓部
53:外壁樹脂材
61:リブ
62:リブ
63:アルミニウム層
64:スペーサ
91:シリンダブロック
92:シリンダボア
93:ウォータジャケット構造
94:シリンダライナ部
95:シリンダ外壁部
96:ウォータジャケット
2:シリンダボア
3:ウォータジャケット構造
4:シリンダライナ部
5:シリンダ外壁部
6:スペーサ
6a:スペーサの一般部
6b:スペーサの下部
7:ウォータジャケット
8:断熱空間
10:クランクケース
50:冷却媒体を流通させる配管
51:本体部
52:窓部
53:外壁樹脂材
61:リブ
62:リブ
63:アルミニウム層
64:スペーサ
91:シリンダブロック
92:シリンダボア
93:ウォータジャケット構造
94:シリンダライナ部
95:シリンダ外壁部
96:ウォータジャケット
Claims (3)
- シリンダブロックにおけるシリンダボアを形成するシリンダライナ部と、
前記シリンダブロックにおける該シリンダライナ部よりも外周側に配設されたシリンダ外壁部と、
該シリンダ外壁部の内周面を被覆する樹脂製のスペーサと、
該スペーサの内周面と該シリンダライナ部の外周面との間に設けられたウォータジャケットと、を有し、
該スペーサはシリンダライナ部の軸方向に熱を伝達する伝熱機構を有することを特徴とするウォータジャケット構造。 - 前記スペーサは、内周面に高熱伝導層が形成されている請求項1記載のウォータジャケット構造。
- 前記スペーサは、高熱伝導性のフィラーをシリンダライナ部の軸方向に配向して形成されている請求項1記載のウォータジャケット構造。
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