JP2005214077A - シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダブロック2は、ウォータジャケット28となる部位を境として、シリンダ部22と、そのシリンダ部22周囲を囲む外壁部ととに分割形成されている。更に外壁部は、シリンダ21の配列方向に対してシリンダ部22の前方、後方、左側方及び右側方に配置される4つの外壁部、すなわち前方外壁部24、後方外壁部25、左側方及び右側方外壁部26,27に分割形成されている。そして各外壁部24〜27をシリンダ部22の周囲に配置し、外周側から左側方及び右側方外壁部26,27に形成された貫通孔36aを通じてボルト38を挿入し、そのボルト38をシリンダ部22の外周壁に設けられた雌ねじボス35にねじ止めすることで、左側方及び右側方外壁部26,27をシリンダ部22に締結固定する。
【選択図】 図4
Description
請求項1に記載の発明は、複数のシリンダを備えるとともに、それらシリンダの周囲にウォータジャケットの形成されたシリンダブロックにおいて、前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部と、前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方、後方、左側方及び右側方の各々において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲をそれぞれ覆う前方外壁部、後方外壁部、左側方外壁部及び右側方外壁部の4つの外壁部とに当該シリンダブロックを分割形成するとともに、前記4つの外壁部を締結により前記シリンダ部の周囲に固定することをその要旨とする。
すなわち請求項6に記載の発明は、シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されるとともに、そのウォータジャケットの幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造する方法であって、当該シリンダブロックの各部をそれぞれ構成する5つのパーツ、すなわち
・前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部、
・前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う前方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の後方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う後方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の左側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う左側方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の右側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う右側方外壁部、
をそれぞれ別体に形成する工程と、前記シリンダ部の外周壁面に、その外周側に向けて複数の雌ねじボスを突出形成する行程と、各外壁部にあって前記雌ねじボスに対向される位置に、貫通孔をそれぞれ形成する工程と、該当種類のシリンダブロックにおけるウォータジャケットの幅に応じて、前記シリンダ部の外周壁面からの前記雌ねじボスの突出量を調整する行程と、前記突出量の調整された前記雌ねじボスの頂面と各外壁部の内周壁面とを当接させた状態で、前記貫通孔を通じて挿入されたボルトを該雌ねじボスにねじ止めして、該当外壁部を前記シリンダ部に締結固定する行程とを有することをその要旨とする。
以下、本発明を具体化したシリンダブロックの一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお本実施形態は、直列4気筒エンジン用のシリンダブロックに対する本発明の適用例を示している。
こうしたシリンダブロック2aを製造する場合にも、上記ブロック本体20及び左側方及び右側方外壁部26,27については、そのベースとなるシリンダブロック2と全く同じものを用意する。そして、雌ねじボス35の頂面部40を、ベースとなるシリンダブロック2に対するウォータジャケット幅Wの縮小量分、除去加工して、その突出量αを縮小させる。こうして雌ねじボス35の突出量αの縮小されたブロック本体20に対して左側方及び右側方外壁部26,27を組み付ければ、左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wのより狭いシリンダブロック2aが製造されるようになる。
こうしたシリンダブロック2bを製造する場合にも、上記ブロック本体20及び左側方及び右側方外壁部26,27については、そのベースとなるシリンダブロック2と全く同じものを用意する。この場合、ブロック本体20への左側方及び右側方外壁部26,27の組み付けに際して、雌ねじボス35の頂面部40と左側方及び右側方外壁部26,27のとの間に必要な厚みのスペーサ41を介設することで、実質的な雌ねじボス35の突出量αを増大させる。これにより、左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wのより広いシリンダブロック2bを製造することができる。
(1)本実施形態のシリンダブロック2のウォータジャケット28は、そのシリンダ21側の壁面がシリンダ部22側に、その外周側の壁面が各外壁部24〜27側にと、それぞれ別途に成形されることから、その成形用の型に幅の狭い凸状を設けたり、中子を用いたりせずともその成形が可能となる。そしてそうした型形状の簡易化により、鋳巣等の鋳造欠陥の抑制や型寿命の延命が図られるようになる。したがって、シリンダ21周囲へのウォータジャケット28の形成を容易とすることができる。
(7)ウォータジャケット幅Wが、シリンダ部22の外周壁面からの上記雌ねじボス35の突出量αによって決まることから、その突出量αの調整により、ウォータジャケット幅Wを変化可能な構造とされている。そのため、突出量αの調整を通じてウォータジャケット幅Wの異なる複数種のシリンダブロック2を容易に製造することができる。
次に、本発明を具体化したシリンダブロック構造の第2実施形態を、第1実施形態との相違点を中心に図7及び図8に従って説明する。なお本実施形態にあって、第1実施形態のものと同等の機能を有する構成については、共通の符号を付してその説明は省略する。
(8)シリンダ部22にあって剛性の高いボア間部39に雌ねじボス35が配置されるようになっている。そのため、左側方及び右側方外壁部26,27をシリンダ部22に対してより安定して強固に取付けることができる。
次に、本発明を具体化したシリンダブロック構造の第3実施形態を、上記各実施形態との相違点を中心に図9に従って説明する。なお本実施形態にあって、上記各実施形態のものと同等の機能を有する構成については、共通の符号を付してその説明は省略する。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、雌ねじボス35をブロック本体20に一体形成するようにしていたが、雌ねじボス35を後付で設置するようにしても良い。
Claims (8)
- 複数のシリンダを備えるとともに、それらシリンダの周囲にウォータジャケットの形成されたシリンダブロックにおいて、
前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部と、
前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方、後方、左側方及び右側方の各々において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲をそれぞれ覆う前方外壁部、後方外壁部、左側方外壁部及び右側方外壁部の4つの外壁部と
に当該シリンダブロックを分割形成するとともに、
前記4つの外壁部を締結により前記シリンダ部の周囲に固定する
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 前記シリンダ部の前記左側方及び右側方の外周壁面に、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部の内周壁面に向けて突出形成された雌ねじボスと、
前記左側方外壁部及び右側方外壁部の前記雌ねじボスと対向される位置にそれぞれ形成された貫通孔と、
を更に備えるとともに、
前記左側方外壁部及び右側方外壁部の外周側から前記貫通孔を通じてボルトを挿入し、前記雌ねじボスにねじ止めすることで、前記左側方外壁部及び右側方外壁部を前記シリンダ部に締結固定し、且つ前記前方外壁部及び後方外壁部を、前記左側方外壁部及び右側方外壁部と締結固定することで、前記4つの外壁部を締結により前記シリンダ部の周囲に固定した
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロック。 - 前記雌ねじボスは、前記シリンダ部の前記左側方及び右側方の外周壁面にあって、前記複数のシリンダが互いに連結されるボア間部同士の中間位置に配設される
請求項1又は2に記載のシリンダブロック。 - 前記雌ねじボスは、前記シリンダ部にあって前記複数のシリンダを互いに連結するボア間部に配設される
請求項1又は2に記載のシリンダブロック。 - 前記シリンダ部に、当該シリンダブロックのスカート部を一体形成するとともに、該スカート部に前記左側方外壁部及び右側方外壁部が載置される載置面、及び該載置面より穿設されてヘッドボルトがねじ止めされるボルト穴を形成し、
更に前記左側方外壁部及び右側方外壁部の前記ボルト穴に対応する位置に、それらの頂面から底面に至るまで延伸された前記ヘッドボルトの挿通孔を形成した
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリンダブロック。 - シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されるとともに、そのウォータジャケットの幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造する方法であって、
当該シリンダブロックの各部をそれぞれ構成する5つのパーツ、すなわち
・前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部、
・前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う前方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の後方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う後方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の左側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う左側方外壁部、
・同配列方向に対する前記シリンダ部の右側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う右側方外壁部、
をそれぞれ別体に形成する工程と、
前記シリンダ部の外周壁面に、その外周側に向けて複数の雌ねじボスを突出形成する行程と、
各外壁部にあって前記雌ねじボスに対向される位置に、貫通孔をそれぞれ形成する工程と、
該当種類のシリンダブロックにおけるウォータジャケットの幅に応じて、前記シリンダ部の外周壁面からの前記雌ねじボスの突出量を調整する行程と、
前記突出量の調整された前記雌ねじボスの頂面と各外壁部の内周壁面とを当接させた状態で、前記貫通孔を通じて挿入されたボルトを該雌ねじボスにねじ止めして、該当外壁部を前記シリンダ部に締結固定する行程と
を有することを特徴とするシリンダブロックの製造方法。 - 前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面部の除去加工を通じて行われる請求項6に記載のシリンダブロックの製造方法。
- 前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面と前記外壁部の内周壁面との間に介設されるスペーサの厚みを変更することを通じて行われる請求項6に記載のシリンダブロックの製造方法。
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