JP2005264760A - シリンダブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】捩り応力に対する強度を高め、捩り変形に起因する振動や騒音の発生を抑制することのできるシリンダブロックを提供する。
【解決手段】シリンダブロックは、列をなすようにして配置され、かつ上端部に共通アッパデッキ部23が設けられた複数のシリンダライナ13〜16と、これらのシリンダライナ13〜16を囲む外側壁18を有するシリンダブロック本体12とを備える。シリンダブロック本体12には、外側壁18のうちシリンダライナ13〜16の配列方向に設けられた一対の内壁面18A,18Bを連結する連結壁31が設けられている。前記配列方向における中央部分のシリンダライナ14,15は、それらの中心線Lの間隔D2が、中央部分以外のシリンダライナ13,14及び15,16の中心線Lの間隔D1,D3よりも広くなるように配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】シリンダブロックは、列をなすようにして配置され、かつ上端部に共通アッパデッキ部23が設けられた複数のシリンダライナ13〜16と、これらのシリンダライナ13〜16を囲む外側壁18を有するシリンダブロック本体12とを備える。シリンダブロック本体12には、外側壁18のうちシリンダライナ13〜16の配列方向に設けられた一対の内壁面18A,18Bを連結する連結壁31が設けられている。前記配列方向における中央部分のシリンダライナ14,15は、それらの中心線Lの間隔D2が、中央部分以外のシリンダライナ13,14及び15,16の中心線Lの間隔D1,D3よりも広くなるように配置されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、端部にアッパデッキ部が設けられた複数のシリンダライナと、それらのシリンダライナを囲む外側壁を有するシリンダブロック本体とを備えるシリンダブロックに関するものである。
内燃機関用のシリンダブロックとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。このシリンダブロックは、熱膨張係数の小さな鉄系合金を用いて鋳造により一体に形成されたライナケースと、アルミニウム合金等の比較的比重の小さな金属材料を用いて鋳造により一体に形成されたクランクケースとを主要部品として備える。ライナケースは、列をなすように配置された複数のシリンダライナと、それらのシリンダライナの周りにウォータジャケットを形成する外壁部と、外壁部の上端に一体に形成されたフランジ部とからなる。一方、クランクケースのシリンダ部分には、ライナケース受け口を有するライナケース支持部が設けられている。
こうした構成のシリンダブロックでは、ライナケースがクランクケースのライナケース受け口からライナケース支持部内に挿入され、フランジ部がライナケース受け口に載置される。シリンダヘッドがガスケットを介してフランジ部上に載置される。そして、シリンダヘッド、ガスケット、ライナケース、クランクケースがヘッドボルトにより共締めされる。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、上記特許文献1のほかに次の特許文献2が挙げられる。
特開平10−169503号公報(図2)
特開2002−97997号公報
ところで、ピストンの往復直線運動をクランク機構によって回転運動に変換して、出力軸であるクランクシャフトを回転させるようにしたいわゆるレシプロエンジンにあっては、そのクランクシャフトの回転に伴い同シャフトに捩りモーメントが作用し、捩り応力としてシリンダブロック本体に伝達される。
一方、上記公報に記載されたシリンダブロックでは、ライナケース支持部がシリンダライナを囲む構成を採っていて、そのライナケース支持部の内部が空洞状態となっている。こうした構造は、前述した捩り応力に対して十分ではなく、この捩り応力によりクランクケースが変形し、この変形に伴い振動や騒音を発生するおそれがある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、捩り応力に対する強度を高め、捩り変形に起因する振動や騒音の発生を抑制することのできるシリンダブロックを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、列をなすように配置され、かつ端部にアッパデッキ部が設けられた複数のシリンダライナと、前記複数のシリンダライナを囲む外側壁を有するシリンダブロック本体と、前記外側壁のうち前記シリンダライナの配列方向に設けられた一対の内壁面を連結する連結部とを備えるとする。
請求項1に記載の発明では、列をなすように配置され、かつ端部にアッパデッキ部が設けられた複数のシリンダライナと、前記複数のシリンダライナを囲む外側壁を有するシリンダブロック本体と、前記外側壁のうち前記シリンダライナの配列方向に設けられた一対の内壁面を連結する連結部とを備えるとする。
上記の構成によれば、シリンダブロック本体の外側壁が複数のシリンダライナを囲む構造を採っているが、その外側壁の一対の内壁面が連結部によって連結されることで、外側壁の強度が補われ、捩り応力に対する剛性が高められる。このため、捩り応力により外側壁が変形してシリンダブロックが振動したり騒音を発したりするのを抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記連結部は、前記シリンダライナの配列方向についての中央部分に設けられているとする。
上記の構成によれば、外側壁の一対の内壁面が、連結部により、シリンダライナの配列方向についての中央部分で連結される。この連結により、外側壁の強度が、連結部を中心としてシリンダライナの配列方向についての両側でバランスよく補われ、捩り応力に対する剛性が略均等に高められる。
上記の構成によれば、外側壁の一対の内壁面が、連結部により、シリンダライナの配列方向についての中央部分で連結される。この連結により、外側壁の強度が、連結部を中心としてシリンダライナの配列方向についての両側でバランスよく補われ、捩り応力に対する剛性が略均等に高められる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記アッパデッキ部は、前記外側壁及びシリンダヘッド間に配置されて締結されるものであるとする。
上記の構成によれば、複数のシリンダライナはシリンダブロック本体の外側壁の内部空間内に配置される。シリンダライナの端部に設けられたアッパデッキ部は外側壁とシリンダヘッドとによって挟み込まれる。そして、これらのシリンダヘッド、アッパデッキ部及び外側壁がボルト等の締結部材によって締結される。この締結により、複数のシリンダライナがアッパデッキ部を通じてシリンダブロック本体に固定されてシリンダブロックが構成されるとともに、このシリンダブロック上にシリンダヘッドが固定される。こうしたシリンダブロックでは、外側壁の一対の内壁面を連結する連結部は、隣り合うシリンダライナ間に位置して、外側壁の強度を補うこととなる。
上記の構成によれば、複数のシリンダライナはシリンダブロック本体の外側壁の内部空間内に配置される。シリンダライナの端部に設けられたアッパデッキ部は外側壁とシリンダヘッドとによって挟み込まれる。そして、これらのシリンダヘッド、アッパデッキ部及び外側壁がボルト等の締結部材によって締結される。この締結により、複数のシリンダライナがアッパデッキ部を通じてシリンダブロック本体に固定されてシリンダブロックが構成されるとともに、このシリンダブロック上にシリンダヘッドが固定される。こうしたシリンダブロックでは、外側壁の一対の内壁面を連結する連結部は、隣り合うシリンダライナ間に位置して、外側壁の強度を補うこととなる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記シリンダライナ毎のアッパデッキ部は1つの共通アッパデッキ部により構成されており、前記複数のシリンダライナのうち隣り合う所定のシリンダライナの対については、それらの中心線の間隔が、他の対における中心線の間隔よりも広くなるように配置されており、前記連結部は、前記間隔の広いシリンダライナ間に対応する箇所に設けられているとする。
上記の構成によれば、シリンダブロック本体の外側壁の内部空間は連結部により複数の空間に仕切られる。シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられる際には、全部のシリンダライナが外側壁の内部空間に収容される。この収容により所定のシリンダライナが外側壁内の適正箇所に配置されると、隣り合うシリンダライナにあって中心線の間隔の広いものが連結部を挟む箇所に位置し、同間隔の狭いものが連結部を挟まない箇所に位置する。このように全部のシリンダライナが外側壁の適正箇所に配置されるため、シリンダライナが連結部と当たって干渉することはない。従って、互いに独立したシリンダライナを外側壁の所定箇所に配置する場合に比べて全シリンダライナの位置決めが容易となる。
そして、共通アッパデッキ部が外側壁とシリンダヘッドとによって挟み込まれて締結されると、全てのシリンダライナがシリンダブロック本体に固定されてシリンダブロックが構成されるとともに、このシリンダブロックにシリンダヘッドが固定される。
また、連結部に対応する箇所のみ中心線の間隔が広くされているため、連結部の追加に伴いシリンダブロックがシリンダライナの配列方向に不要に長くなるのを抑制することが可能となる。
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記複数のシリンダライナは複数の組に分けられ、各組のシリンダライナには共通のアッパデッキ部が設けられており、所定の組のシリンダライナは前記連結部を挟んで隣の組のシリンダライナから離間した箇所に配置されるとする。
上記の構成によれば、シリンダブロック本体の外側壁の内部空間は連結部により複数に仕切られる。シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられる際には、組毎のシリンダライナが、外側壁の内部空間のうち連結部によって仕切られたいずれかの空間に収容される。この収容により、所定の組のシリンダライナは、連結部を挟んで隣の組のシリンダライナから離間した箇所に配置される。シリンダライナが連結部と当たって干渉することはない。そして、各組のアッパデッキ部が外側壁とシリンダヘッドとによって挟み込まれて締結されると、全てのシリンダライナがシリンダブロック本体に固定されてシリンダブロックが構成されるとともに、このシリンダブロックにシリンダヘッドが固定される。
以下、本発明を多気筒レシプロエンジンに用いられるシリンダブロックに具体化した一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。レシプロエンジンは、ピストンの往復直線運動をクランク機構によって回転運動に変換して、出力軸であるクランクシャフトを回転させるタイプのエンジンである。
図1及び図2に示すように、シリンダブロック11はシリンダブロック本体12及び複数(ここでは4つ)のシリンダライナ13,14,15,16を備えて構成されている。シリンダブロック本体12はシリンダブロック11の多くの部分を占めるものであり、スカート部17及び外側壁18を備えている。スカート部17はシリンダブロック本体12の下部を構成するものであり、その下端部には、クランクシャフト19を回転可能に支持するためのジャーナル部21が設けられている。外側壁18はシリンダブロック本体12の上部を構成するものであり、全てのシリンダライナ13〜16を囲む。シリンダブロック本体12は、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の比較的比重の小さな金属材料を用い、ダイカスト、中圧鋳造、低圧鋳造等の鋳造法により一体に形成されている。
各シリンダライナ13〜16は上下両端が開放された円筒状をなしており、クランクシャフト19に沿って列をなすように配置されている。全シリンダライナ13〜16の上端部には、板状をなす共通アッパデッキ部23が一体に設けられている。共通アッパデッキ部23及びシリンダライナ13〜16は、鋳鉄等の耐摩耗性に優れた金属材料によって形成されている。シリンダライナ13〜16は外側壁18内に収容され、共通アッパデッキ部23は外側壁18上に載置される。各シリンダライナ13〜16の内部空間は、ピストン(図示略)を往復動可能に収容するためのシリンダボア24を構成する。各シリンダボア24においてピストンよりも上側の空間は、燃料及び空気の混合気を燃焼するための燃焼室(図示略)を構成する。
外側壁18の複数箇所には、その外側壁18の上面において開口するねじ穴25が設けられている。また、共通アッパデッキ部23の前記ねじ穴25に対応する箇所には貫通孔26が設けられている。そして、図1及び図3に示すように共通アッパデッキ部23が外側壁18上に載置され、その上にガスケット27を介してシリンダヘッド28が載置され、それらのシリンダヘッド28、ガスケット27及び共通アッパデッキ部23の貫通孔26にそれぞれ挿通されたヘッドボルト29が、外側壁18の対応するねじ穴25に螺入される。この螺入されたヘッドボルト29により、共通アッパデッキ部23、ガスケット27及びシリンダヘッド28がシリンダブロック本体12に締結される。
以上がシリンダブロック11の基本構造である。ところで、レシプロエンジンにあっては、クランクシャフト19の回転に伴い同シャフト19に捩りモーメントが作用し、捩り応力がシリンダブロック本体12に伝達される。一方、本実施形態のシリンダブロック11では、前述したようにシリンダブロック本体12の外側壁18が複数のシリンダライナ13〜16の全部を囲む構成を採っていて、その外側壁18の内部が空洞状態となっている。こうした構造は上記捩り応力に対して十分に強いとは言い難い。
そこで、本実施形態では、上記シリンダブロック11の捩り応力に対する強度を高めるために以下の構造が採用されている。図2及び図4に示すように、外側壁18のうちシリンダライナ13〜16の配列方向に設けられた一対の内壁面18A,18Bが連結部によって連結されている。連結部は、上記配列方向についての中央部分において外側壁18と一体に設けられた連結壁31によって構成されている。連結壁31の上面は外側壁18の上面と略同じ高さに位置している。また、連結壁31の下端部はスカート部17につながっている。外側壁18の内部空間は、連結壁31により2つの空間(第1空間S1及び第2空間S2)に仕切られている。
また、前記連結壁31に対応して、上記配列方向について中央部分で隣り合うシリンダライナ14,15と、それ以外の箇所で隣り合うシリンダライナ13,14及び15,16とで、中心線Lの間隔(ピッチ)D1,D2,D3が異なっている。詳しくは、前者の間隔D2が後者の間隔D1,D3よりも広くなるように全シリンダライナ13〜16が配置されている。この配置により、両端のシリンダライナ13,16が中央部分のシリンダライナ14,15に接触していてそれらの間に隙間がないのに対し、中央部分の2つのシリンダライナ14,15は所定の間隔をおいて相互に離間している。ここで、所定の間隔は、連結壁31の厚みよりも若干広く設定されている。
そして、シリンダライナ13,14が第1空間S1内に収容され、シリンダライナ15,16が第2空間S2内に収容されている。この状態では、中央部分のシリンダライナ14,15が連結壁31をシリンダライナ13〜16の配列方向(図3では左右方向)についての両側から挟み込んでいる。
なお、上記連結壁31によって仕切られた第1空間S1及び第2空間S2においてシリンダライナ13〜16の周りの箇所はウォータジャケット22として機能する。ウォータジャケット22は、シリンダブロック本体12、シリンダライナ13〜16等を冷却するための冷却水の通路である。ここでは、第1空間S1及び第2空間S2が連結壁31を介して互いに独立しており、それぞれ冷却水の流入部及び流出部(ともに図示略)を有している。
上記のように構成された本実施形態のシリンダブロック11にシリンダヘッド28を組み付ける際には、図3に示すように、全部のシリンダライナ13〜16を外側壁18の内部空間に、詳しくはシリンダライナ13,14については第1空間S1に、シリンダライナ15,16については第2空間S2にそれぞれ挿入する。そして、共通アッパデッキ部23を外側壁18上に載置する。この載置により、各シリンダライナ13〜16が外側壁18内の適正箇所に配置される。隣り合うシリンダライナ13〜16にあって中心線Lの間隔D2の広いもの(14,15)が連結壁31を両側から挟む箇所に位置し、同間隔D1,D3の狭いもの(13,14及び15,16)が連結壁31を挟まない箇所に位置する。このように全部のシリンダライナ13〜16が外側壁18の内部空間の適正箇所に配置される。この際、シリンダライナ13〜16が連結壁31と当たって干渉することはない。
続いて、図1に示すように、共通アッパデッキ部23の上にガスケット27及びシリンダヘッド28を重ね、ヘッドボルト29をシリンダヘッド28及びガスケット27に挿通するとともに、共通アッパデッキ部23の貫通孔26に挿通する。このヘッドボルト29を外側壁18のねじ穴25に螺入する。ヘッドボルト29を締め付けることにより、共通アッパデッキ部23が外側壁18とガスケット27及びシリンダヘッド28との間に挟まれて締結される。この締結により、全シリンダライナ13〜16がシリンダブロック本体12に固定されてシリンダブロック11が構成されるとともに、このシリンダブロック11上にシリンダヘッド28が固定される。
ところで、上記シリンダブロック11では、シリンダブロック本体12の外側壁18が全部のシリンダライナ13〜16を囲む構造を採っている。この構造のみでは、捩り応力に対する外側壁18の剛性が十分に高くない。しかし、本実施形態では、外側壁18の一対の内壁面18A,18Bが連結壁31によって連結されることで、外側壁18の強度が補われ、捩り応力に対する剛性が高められている。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)複数のシリンダライナ13〜16の全部を囲む外側壁18内に連結壁31を設け、この連結壁31によって外側壁18の一対の内壁面18A,18Bを連結している。この連結壁31によって外側壁18の強度を補って捩り応力に対する剛性を高め、捩り応力により外側壁18が変形してシリンダブロック11が振動したり騒音を発したりするのを抑制することができる。
(1)複数のシリンダライナ13〜16の全部を囲む外側壁18内に連結壁31を設け、この連結壁31によって外側壁18の一対の内壁面18A,18Bを連結している。この連結壁31によって外側壁18の強度を補って捩り応力に対する剛性を高め、捩り応力により外側壁18が変形してシリンダブロック11が振動したり騒音を発したりするのを抑制することができる。
(2)連結壁31を、シリンダライナ13〜16の配列方向についての中央部分に設けている。このため、外側壁18の強度を、連結壁31を中心として同配列方向についての両側でバランスよく補い、捩り応力に対する剛性を略均等に高めることができる。
(3)シリンダライナ13〜16毎のアッパデッキ部を1つの共通アッパデッキ部23により構成している。また、配列方向における中央部分のシリンダライナ14,15の対については、それらの中心線Lの間隔D2が、他の対における中心線Lの間隔D1,D3よりも広くなるように配置している。そして、連結壁31を、外側壁18において、上記間隔D2の広いシリンダライナ14,15間に対応する箇所に設けている。
このため、所定のシリンダライナ、例えば隣り合うシリンダライナにあって中心線Lの間隔D2の広いものが連結壁31を挟む箇所に位置するように、シリンダライナ13,14を第1空間S1に挿入し、シリンダライナ15,16を第2空間S2に挿入することで、シリンダライナ13〜16を外側壁18の適正箇所に配置することができる。互いに独立しているシリンダライナ13〜16をそれぞれ外側壁18の所定箇所に配置する場合に比べて全シリンダライナ13〜16の位置決めを簡単に行うことができる。
(4)連結壁31に対応する箇所についてのみ、シリンダライナの中心線Lの間隔D2を他の間隔D1,D3よりも広くしている。このため、連結壁31の追加に伴いシリンダブロック11がシリンダライナ13〜16の配列方向に不要に長くなるのを抑制することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・共通アッパデッキ部23をシリンダライナ13〜16とは別部材によって構成してもよい。この場合にも前記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・共通アッパデッキ部23をシリンダライナ13〜16とは別部材によって構成してもよい。この場合にも前記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・前記実施形態において、連結壁31に第1空間S1及び第2空間S2を連通させる開口等の連通部を設け、この連通部を通じて両空間S1,S2間で冷却水が流通するようにしてもよい。
・前記実施形態における共通アッパデッキ部23を、図5に示すようにシリンダライナ13〜16の配列方向についての中央部分で2つに分けてもよい。この場合には、シリンダライナ13,14とシリンダライナ15,16とを別々に外側壁18の内部空間(第1空間S1、第2空間S2)に収容することとなる。
・複数のシリンダライナ13〜16を複数の組に分け、各組のシリンダライナに共通のアッパデッキ部を設け、所定の組のシリンダライナを連結部を挟んで隣の組のシリンダライナから離間した状態で配置してもよい。その一態様を図5に示す。この態様では、4つのシリンダライナ13〜16がシリンダライナ13,14の組とシリンダライナ15,16の組との2組に分けられている。シリンダライナ13,14の組の上端部には共通のアッパデッキ部32が設けられ、シリンダライナ15,16の組の上端部には共通のアッパデッキ部33が設けられている。なお、図5において前記実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号が付されている。
こうした構成のシリンダブロック11にシリンダヘッド28を組み付ける際には、シリンダライナ13,14の組を外側壁18の第1空間S1内に収容し、シリンダライナ15,16の組を第2空間S2内に収容する。これらの収容により、一方の組のシリンダライナ13,14は連結壁31を挟んで他方の組のシリンダライナ15,16から離間した状態で配置される。中央部分のシリンダライナ14,15が連結壁31と当たって干渉することはない。そして、各組のアッパデッキ部32,33が外側壁18とシリンダヘッド28との間に挟まれて締結されると、全シリンダライナ13〜16がシリンダブロック本体12に固定されてシリンダブロック11が構成されるとともに、このシリンダブロック11上にシリンダヘッド28が固定される。
なお、複数のシリンダライナ13〜16を複数の組に分ける際、組間でシリンダライナの数が必ずしも同じでなくてもよい。例えば、複数のシリンダライナ13〜16を2組に分ける場合、一方の組のシリンダライナを1つとし、他方を3つとしてもよい。
また、複数のシリンダライナ13〜16を2つ以上の組、例えば3つ又は4つの組に分けてもよい。4気筒エンジンにおいて、3つの組に分ける場合、そのうちの2つの組についてはシリンダライナが1つとなり、1つの組についてはシリンダライナが2つとなる。4気筒エンジンにおいて、4つの組に分ける場合、各組毎にシリンダライナが1つずつとなる。
・外側壁18のうちシリンダライナ13〜16の配列方向に設けられた一対の内壁面18A,18Bについて、連結壁31を前記実施形態とは異なる箇所に設けてもよい。例えば、図6に示すように、シリンダライナ13〜16の配列方向(図6の左右方向)の中央部分以外の箇所に連結壁31を設けてもよい。なお、図6において前記実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号が付されている。この場合には、中心線Lの間隔D1,D3が間隔D2よりも広くなる。
・連結部を前記実施形態とは異なる形状に変更してもよい。例えば、棒状をなすものによって連結部を構成してもよい。
・連結壁31の上面を外側壁18の上面よりも低くしたり、同連結壁31の下端部をスカート部17から離間させたりしてもよい。
・連結壁31の上面を外側壁18の上面よりも低くしたり、同連結壁31の下端部をスカート部17から離間させたりしてもよい。
・外側壁18とは別部材からなる連結部によって、一対の内壁面18A,18Bを連結してもよい。
・シリンダライナの中心線Lの間隔D1,D3についても、連結壁31に対応する箇所の間隔D2と同様に広く設定してもよい。
・シリンダライナの中心線Lの間隔D1,D3についても、連結壁31に対応する箇所の間隔D2と同様に広く設定してもよい。
・本発明のシリンダブロックは「4」以外の数の気筒を有するレシプロエンジンにも適用可能である。
11…シリンダブロック、12…シリンダブロック本体、13,14,15,16…シリンダライナ、18…外側壁、18A,18B…内壁面、23…共通アッパデッキ部、28…シリンダヘッド、31…連結壁(連結部)、32,33…アッパデッキ部、D1,D2,D3…間隔、L…中心線。
Claims (5)
- 列をなすように配置され、かつ端部にアッパデッキ部が設けられた複数のシリンダライナと、
前記複数のシリンダライナを囲む外側壁を有するシリンダブロック本体と、
前記外側壁のうち前記シリンダライナの配列方向に設けられた一対の内壁面を連結する連結部と
を備えることを特徴とするシリンダブロック。 - 前記連結部は、前記シリンダライナの配列方向についての中央部分に設けられている請求項1に記載のシリンダブロック。
- 前記アッパデッキ部は、前記外側壁及びシリンダヘッド間に配置されて締結される請求項1又は2に記載のシリンダブロック。
- 前記シリンダライナ毎のアッパデッキ部は1つの共通アッパデッキ部により構成されており、
前記複数のシリンダライナのうち隣り合う所定のシリンダライナの対については、それらの中心線の間隔が、他の対における中心線の間隔よりも広くなるように配置されており、前記連結部は、前記間隔の広いシリンダライナ間に対応する箇所に設けられている請求項3に記載のシリンダブロック。 - 前記複数のシリンダライナは複数の組に分けられ、各組のシリンダライナには共通のアッパデッキ部が設けられており、所定の組のシリンダライナは前記連結部を挟んで隣の組のシリンダライナから離間した箇所に配置される請求項3に記載のシリンダブロック。
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2004
- 2004-03-16 JP JP2004074987A patent/JP2005264760A/ja active Pending
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