JP4352970B2 - シリンダブロック - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載されるエンジンのシリンダブロックに関するものである。
車両等に搭載されるエンジンでは、シリンダヘッドとシリンダブロックとがボルト等の締結部材によって固定されている(例えば特許文献1)。
他方、シリンダブロックをシリンダの壁面を構成するシリンダライナ部と、同シリンダライナ部を囲む外壁を構成するシリンダ外壁部を有するシリンダブロック本体とに分割構成したものがある。このようなシリンダブロックの一例を図5に示す。
同図5に示すように、このシリンダブロックはシリンダの壁面を構成するシリンダライナ部121と、同シリンダライナ部121を囲む外壁を構成するシリンダ外壁部132を有するシリンダブロック本体130とに分割構成されている。また、シリンダライナ部121はシリンダ外壁部132の頂面132aに支持される略平板状のアッパデッキ部122を有しており、同シリンダライナ部121はシリンダブロック本体130に緩挿されている。シリンダ外壁部132の頂面132aにはアッパデッキ部122が載置され、同アッパデッキ部122の上面にはガスケット104を介してシリンダヘッド120が載置されている。そしてシリンダヘッド120、ガスケット104、アッパデッキ部122、及びシリンダ外壁部132がボルト170によって締結固定される。
特開平11−200941号公報
ここで、図5に示すような分割構造のシリンダブロックでは、シリンダライナ部がシリンダヘッドとシリンダ外壁部との間で狭持されるアッパデッキ部を介して固定されるため、同シリンダライナ部に生じる振動を十分に抑えることができないおそれがあり、例えばシリンダ壁面の偏摩耗や異音等が発生する可能性がある。
この発明はこうした事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダライナ部とシリンダブロック本体とに分割構成されるシリンダブロックにおいて、同シリンダライナ部の振動を好適に抑制することのできるシリンダブロックを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであって、前記第1分割構造体は、複数のシリンダライナが設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが設けられものであり、前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つ同外壁部の頂部により前記アッパデッキを支持するものであり、前記アッパデッキが前記外壁部の頂部に配置され且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定される分割型のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダライナ同士が互いに接続され、且つこの接続される部分がシリンダボア間の壁部であるボア間壁部をなすものであり、前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナのボア間壁部、及びこのボア間壁部に対向する前記外壁部の一方、及び前記ボア間壁部に対向する前記外壁部の他方を貫通する穿孔が設けられ、且つこの穿孔に挿入される締結部材により前記外壁部と前記ボア間壁部とが互いに固定されるものであることを要旨としている。
同構成によれば、シリンダライナ部(第1分割構造体)とシリンダブロック本体(第2分割構造体)とに分割構成されるシリンダブロックにおいて、シリンダライナ部はアッパデッキ部を介してシリンダ外壁部の頂面、すなわちシリンダブロック本体に固定される。このような固定態様に加え、同構成ではさらに上記締結部材によって、シリンダライナ部のシリンダボア間がシリンダ外壁部で狭持される。すなわち、シリンダライナ部の側壁も固定されるようになるため、同シリンダライナ部の振動を好適に抑制することができるようになる。また、シリンダライナ部とシリンダブロック本体との固定がより強固なものとなるため、分割構造とされるシリンダブロックの剛性を向上させることもできるようになる。ちなみに上記締結部材としては、ボルトなどを用いることができる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシリンダブロックにおいて、前記締結部材は、ボルト及びナットからなるものであり、前記ボルトは、前記外壁部の一方及び前記ボア間壁部及び前記外壁部の他方を貫通して前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体に挿入され、且つそのヘッドが前記外壁部の一方の外側に設けられ、且つそのねじ部が前記外壁部の他方の外側に設けられるものであり、前記ナットは、前記ボルトのねじ部に対応して前記外壁部の他方の外側に設けられるものであることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであって、前記第1分割構造体は、複数のシリンダライナが設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが設けられものであり、前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つ同外壁部の頂部により前記アッパデッキを支持するものであり、前記アッパデッキが前記外壁部の頂部に配置され且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定される分割型のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダライナ同士が互いに接続され、且つこの接続される部分がシリンダボア間の壁部であるボア間壁部をなすものであり、前記外壁部は、前記複数のシリンダライナの配列方向に直交して前記ボア間壁部を通過する一の断面上において、前記シリンダライナの外周面との間にウォータジャケットとしての空間を形成する第1壁部と、この第1壁部よりもクランクケース側に設けられて前記シリンダライナの外周面に接触する第2壁部とに区分されるものであって、当該シリンダブロックは、前記断面上において前記ボア間壁部を介して互いに対向する第2壁部の一対の部位をそれぞれ対向壁部A及び対向壁部Bとして、同対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bの他方の順にこれらを貫通する穿孔が形成され、この穿孔に挿入される締結部材により前記対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bが互いに固定されるものであることを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、前記ボルトは、前記対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bを貫通して前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体に挿入され、且つそのヘッドが前記対向壁部Aの外側に設けられ、且つそのねじ部が前記対向壁部Bの外側に設けられるものであり、前記ナットは、前記ボルトのねじ部に対応して前記対向壁部Bの外側に設けられるものであることを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記穿孔は、前記第2分割構造体のうちクランクシャフトジャーナルの軸受部を有するバルクヘッド部の上方に形成されることを要旨としている。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記穿孔は、前記シリンダライナの下端近傍に形成されることを要旨としている。
同構成によれば、アッパデッキ部によってシリンダライナ部の上端近傍が固定されるとともに、締結部材の締結力によってシリンダライナ部の下端近傍がシリンダ外壁部に固定されるため、シリンダライナ部の振動をより好適に抑制することができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記複数のシリンダライナのボア間には前記締結部材の締結力による前記シリンダライナの変形を抑制する補強部材が設けられることを要旨としている。
同構成によれば、シリンダ外壁部によって狭持されるシリンダライナ部の変形を上記補強部材により抑制することができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のシリンダブロックにおいて、前記補強部材は、前記穿孔の内壁を構成するカラーであり、このカラーは、前記穿孔と同一の長さを有し、且つ前記複数のシリンダライナよりも剛性の高い材料により形成されるものであることを要旨としている。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係るシリンダブロックの潤滑構造を具体化した第1の実施形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の適用された直列4気筒のエンジン1における本体部の斜視構造を示している。エンジン1の本体部は大きくは、シリンダヘッド2及びシリンダブロック3を備えて構成されている。シリンダヘッド2とシリンダブロック3とは、ガスケット4を介してボルト締結にて組み付けられる。なおシリンダヘッド2の上方にはヘッドカバーが、シリンダブロック3の下方にはオイルパンがそれぞれ取付けられるようになっている。
図2(a)は、シリンダブロック3の斜視構造を、図2(b)はその側面構造をそれぞれ示している。これらの図に示されるように、シリンダブロック3には、その上部に4つのシリンダボア5が形成され、その下部にはクランクケース部31、いわゆるシリンダブロックのスカート部分が設けられている。クランクケース部31は、その下方に取付けられる上記オイルパンと共に、クランクシャフトが収容されるクランクケースを形成する。またシリンダブロック3の頂部には、シリンダヘッド2が載置されてその底面と当接される平板状のアッパデッキ部22が設けられている。
図3には、図1または図2のIII−III線に沿ったエンジン1の本体部分の断面構造、すなわちシリンダボア間での断面構造が示されている。
同図3に示すように、シリンダブロック3は、内周ブロック20とシリンダブロック本体30とにより分割形成されている。これにより上記アッパデッキ部22とクランクケース部31との間は、シリンダ周囲に形成されるウォータジャケットとなる部位を境に、シリンダの壁面を構成するシリンダライナ部21と、同シリンダライナ部21を囲む外壁を構成するシリンダ外壁部32を有するシリンダブロック本体30とに分割形成されている。そしてシリンダライナ部21は上記アッパデッキ部22と一体成形され、シリンダ外壁部32は上記クランクケース部31と一体成形されている。
シリンダライナ部21とアッパデッキ部22とを構成する内周ブロック20は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金からなり、ダイカスト製法等を用いて一体に鋳造されている。そして内周ブロック20のシリンダライナ部21は、各気筒のシリンダライナとなる4つの円管体を連続して繋げた形状に形成されている。各円筒体の内周面は上記シリンダボア5の周壁を構成し、その外周面24はシリンダ周囲に形成されるウォータジャケットのシリンダ側の壁面を構成する。なおシリンダボア5の表面となるシリンダライナ部21の内周面には、例えば鉄等による保護膜が溶射等によって被覆形成されている。
アッパデッキ部22は、上記シリンダライナ部21の上端部に略平板状をなして形成されている。このアッパデッキ部22は、シリンダブロック3の頂面部を構成する。アッパデッキ部22上面は、上記シリンダヘッド2が載置される載置面26となっており、組み付けに際してシリンダヘッド2の底面がガスケット4を介して当接されるようになっている。またアッパデッキ部22には、上記シリンダヘッド2とシリンダブロック3との締結に用いられるヘッドボルト7の挿通される複数のボルト挿通孔27が形成されている。
クランクケース部31とシリンダ外壁部32とを構成するシリンダブロック本体30も、上記内周ブロック20と同様、アルミニウム合金やマグネシウム合金等からなり、ダイカスト製法等を用いて一体に鋳造されている。こうしたシリンダブロック本体30のクランクケース部31及びシリンダ外壁部32の外周には、縦横に延伸されるように、補強のための複数のリブ3aが形成されている。
クランクケース部31上部には、その上方に突出するようにシリンダ外壁部32が形成されている。シリンダ外壁部32は、上記内周ブロック20のシリンダライナ部21の外周面24と対向するように形成された内周面35を有する略環状に成形されている。こうしたシリンダ外壁部32の内周面35は、シリンダ周囲に形成されるウォータジャケット6の外壁を構成する。
またシリンダ外壁部32の上端部には、その外周からシリンダボア外周側に突出したフランジ36が形成されている。このフランジ36は、シリンダ外壁部32の外周に形成された上記リブ3aに連結されており、その剛性が高められている。なおフランジ36の形成されたシリンダ外壁部32の頂面32aは、上記内周ブロック20のアッパデッキ部22を当接支持する受け面となっている。なお本実施形態では、シリンダ外壁部32の上端部に上記の如くフランジ36を形成することで、そうした受け面の面積が拡大されている。
シリンダ外壁部32には、上記ヘッドボルトの締結される複数のボルト締結穴37が上記頂面32aから穿設されている。
シリンダ外壁部32の内部には、その上方から上記内周ブロック20のシリンダライナ部21が緩挿される。このとき、シリンダライナ部21の外周面24とシリンダ外壁部32の内周面35との対向面間には、間隙が形成されるようになっている。そして、シリンダライナ部21の外周面24、シリンダ外壁部32の内周面35、及び上記アッパデッキ部22の下面とによって、シリンダ周囲にウォータジャケット6が区画形成されるようになっている。ちなみにこのウォータジャケット6は、アッパデッキ部22に設けられた孔を介してシリンダヘッド2の冷却水通路に連通されている。
また、クランクケース部31には、クランクシャフトのジャーナル部を支持する軸受部33が形成されたバルクヘッド部34が、同ジャーナル部の数に応じて複数設けられており、シリンダライナ部21のシリンダボア間は各バルクヘッド部34の上方に位置している。
さらに、シリンダの配列方向にシリンダライナ部21を挟んで対向するシリンダ外壁部32の一方の壁部32bと同対向する他方の壁部32cとシリンダライナ部21のシリンダボア間とには、それらを貫通する穿孔50が設けられている。この穿孔50は、上記一方の壁部32b及び他方の壁部32cといったシリンダ外壁部32に設けられる穿孔50aと、シリンダライナ部21にあって隣り合うシリンダボア5の間、すなわちシリンダボア間を貫通する穿孔50bとで構成されており、穿孔50aの軸線と同一軸線上に穿孔50bの軸線は位置している。穿孔50aは上記各バルクヘッド部34の上方にそれぞれ形成されている。また、穿孔50bはシリンダライナ部21の下端部近傍にあって各シリンダボア間にそれぞれ形成されている。このように穿孔50は各シリンダボア間にあってシリンダライナ部21の下端部近傍を貫通するように複数形成されている。
一方、シリンダ外壁部32の内壁面にあって上記穿孔50aの開口周辺部にはウォータジャケット6からの漏水を抑えるためのシール体61が設けられている。このシール体61はシール剤の塗布や、ゴムあるいはシールガスケット等といったシール部材などの介設によるものとなっている。
そしてシリンダブロック3は、ヘッドボルト7の締結を通じてシリンダヘッド2に組み付けられる。
ここでヘッドボルト7は、内周ブロック20のアッパデッキ部22に形成されたボルト挿通孔27を介して、シリンダブロック本体30に設けられたボルト締結穴37内に挿入され、同ボルト挿通孔27に設けられためねじ部27aに螺合される。このとき、内周ブロック20のアッパデッキ部22は、シリンダヘッド2の底面2aとシリンダブロック本体30のシリンダ外壁部32の上記頂面32aとの間に狭持されており、ヘッドボルト7の締め付けによってそれら底面2aと頂面32aとから圧縮力を受けて締結固定される。
また、シリンダライナ部21は、締結部材である締結ボルト51によってシリンダ外壁部32に狭持固定される。
ここで、締結ボルト51は上記一方の壁部32bの穿孔50aから上記穿孔50bを介して上記他方の壁部32cの穿孔50aに貫挿される。そして壁部32cから突出した先端部のおねじ部にナット52が螺合される。このとき、シリンダライナ部21はシリンダ外壁部32によって狭持されており、締結ボルト51およびナット52の締め付けによってそれら同シリンダライナ部21は狭持され、固定される。
以上のように構成された本実施形態のシリンダブロックでは、シリンダ周囲に形成されるウォータジャケット6の内周壁が内周ブロック20側に、またその外周壁がシリンダブロック本体30側にと、それぞれ別体に成形されている。そのため、ウォータジャケット6の成形に係る型部分の形状を簡易とすることができる。そして型形状が簡易化されたことで、鋳巣等の鋳造欠陥の大幅な低減や型寿命の延命が可能となることから、シリンダ周囲へのウォータジャケット6の成形等が容易となる。
また、シリンダライナ部21はアッパデッキ部22を介してシリンダ外壁部32の頂面32a、すなわちシリンダブロック本体30に固定されるとともに、さらに締結ボルト51の締結力によってシリンダライナ部21のシリンダボア間がシリンダ外壁部32に狭持される。すなわち、シリンダライナ部21の側壁も固定される。そのためシリンダライナ部21の振動を抑制することができるようになる。
また、締結ボルト51によってシリンダライナ部21とシリンダブロック本体30との固定がより強固なものとなるため、分割構造とされるシリンダブロックの剛性を向上させることもできるようになる。
また、クランクシャフトジャーナルの軸受部33を有するバルクヘッド部34の上方にシリンダ外壁部32の穿孔50aを形成するようにしている。そのため、穿孔50aに挿入される締結ボルト51がクランクシャフトの回転に干渉するといった状態を回避することができる。
そして、シリンダライナ部21のシリンダボア間を貫通する穿孔50bを、同シリンダライナ部21の下端近傍に形成するようにしている。そのため、シリンダライナ部21の上端近傍は上記アッパデッキ部22によって固定されるとともに、その下端近傍は締結ボルト51の締結力によってシリンダ外壁部32に固定される。従って、シリンダライナ部21の振動をより好適に抑制することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態のシリンダブロックによれば、次のような効果を得ることができる。
(1)シリンダライナ部21とシリンダブロック本体30とに分割構成されるシリンダブロック3にあって、シリンダライナ部21はその上端に形成されたアッパデッキ部22を介してシリンダ外壁部32の頂面32a、すなわちシリンダブロック本体30に固定されるようにしている。そして、このような固定態様に加え、さらに締結ボルト51によって、シリンダライナ部21のシリンダボア間がシリンダ外壁部32に狭持されるようにもしている。すなわち、シリンダライナ部21の側壁も固定されるようにしている。そのため、同シリンダライナ部21の振動を好適に抑制することができるようになる。また、シリンダライナ部21とシリンダブロック本体30との固定がより強固なものとなるため、分割構造とされるシリンダブロックの剛性を向上させることもできるようになる。
(2)シリンダ外壁部32に設けられる穿孔50aを、シリンダブロック本体30にあって、クランクシャフトジャーナルの軸受部33を有するバルクヘッド部34の上方に形成するようにしているため、締結ボルト51がクランクシャフトの回転に干渉するといった状態を回避することができる。
(3)シリンダライナ部21のシリンダボア間に形成される穿孔50bを同シリンダライナ部21の下端近傍に形成するようにようにしている。そのため、シリンダライナ部21の上端近傍及び下端近傍を固定することができるようになり、シリンダライナ部21の振動をより好適に抑制することができるようになる。
(4)シリンダ周囲に形成されるウォータジャケット6の内周壁が内周ブロック20側に、またその外周壁がシリンダブロック本体30側にと、それぞれ別体に成形されるようにしている。そのため、シリンダ周囲へのウォータジャケット6の成形等が容易となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかるシリンダブロックを具体化した第2の実施形態を、図4を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、締結ボルト51の締結力による同シリンダライナ部21の変形を抑制する補強部材をシリンダライナ部21のシリンダボア間に設けるようにしており、この相違点以外は基本的に上記第1の実施形態で説明した構成と同一である。そこで以下では、同相違点を中心に本実施形態にかかるシリンダブロックを説明する。
この図4に示されるように、本実施形態ではシリンダライナ部21に上記補強部材を構成するカラー53を設けるようにしている。
このカラー53の内壁53aは上記穿孔50bを構成しており、同内壁53aと穿孔50aとで上記穿孔50は構成される。カラー53の軸方向の長さは上記穿孔50bと同一の長さとされている。換言すればシリンダライナ部21のシリンダボア間にあってシリンダの配列方向に直交する方向への長さ(図5に示す線Aの長さ)と同一の長さにされている。また、カラー53は上記シリンダライナ部21の構成部材よりも剛性の高い部材、例えば鉄及び炭素からなる炭素鋼や、これにニッケル、マンガン、クロムなどを加えた特殊鋼等で形成されている。そして、カラー53はシリンダライナ部21のシリンダボア間に圧入、あるいは鋳込まれることにより同シリンダボア間に固定されている。ちなみに、組み付け時等におけるシリンダライナ部21からの脱落を防止できるのであれば、シリンダボア間に設けられた孔に同カラー53を緩挿させるようにしてもよい。
このように構成される本実施形態のシリンダブロックでは、カラー53が設けられることにより、シリンダ外壁部32によって狭持されるシリンダライナ部21の変形を抑制することができるようになる。
また、シリンダライナ部21の変形が抑制されることにより、シリンダ外壁部32の変形も抑えられるようになり、上記穿孔50aの開口周辺部に設けられるシール体61の過度な圧縮なども抑制することができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、隣り合うシリンダボア5の間にそれぞれ穿孔50を設けるようにした。すなわち4つのシリンダボア5の間、換言すれば3つのシリンダボア間にそれぞれ穿孔50を設けるようにしたが、少なくともいずれか1つのシリンダボア間に穿孔50を設けるようにしてもよい。
・穿孔50をバルクヘッド部34の上方に設けるようにしたが、要はシリンダライナ部21のシリンダボア間に穿孔50が設けられるようにすればよい。
・穿孔50は必ずしもシリンダライナ部21の下端近傍に設ける必要はなく、シリンダボア5の軸線方向における配設位置は適宜変更して実施することができる。この場合であっても、少なくともシリンダライナ部21の側壁を固定することができるため、シリンダライナ部21の振動を好適に抑制することができるようになる。また、シリンダボア5の軸線方向に複数の穿孔50を設け、各穿孔50に締結ボルト51を挿入してシリンダライナ部21を固定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、締結ボルト51にナット52を組み合わせてシリンダライナ部21を固定するようにしたが、上記壁部32cの穿孔50aにめねじ部を形成し、これに締結ボルト51のおねじ部を螺合させてシリンダライナ部21を固定するようにしてもよい。
・第2の実施形態における補強部材は、上記締結ボルト51の締結力による同シリンダライナ部21の変形を抑制することのできるものであれば、カラー53以外のものを用いることもできる。
・上記締結部材は締結ボルト51に限定されるものではなく、要は上記穿孔50に挿入されてシリンダライナ部21をシリンダ外壁部32に固定することのできるものであればよい。
・内周ブロック20及びシリンダブロック本体30を、アルミニウム合金製或いはマグネシウム合金製としていたが、例えばそれらの一方又は双方を鋳鉄製とするなど、それらの材料を任意に変更しても良い。例えばシリンダブロック3全体の機械的強度がシリンダブロック本体30側である程度確保されるとすれば、内周ブロック20には、比較的強度の確保の難しい材料、セラミックスや焼結合金等の使用も考えられる。また直接シリンダ内の燃焼ガスに晒されることのないシリンダブロック本体30には、樹脂材料等の比較的耐熱性の低い材料の使用を考慮しても良い。
・内周ブロック20及びシリンダブロック本体30をダイカスト製法にて成形していたが、それらの製法もこれに限らず任意に変更しても良い。
・シリンダボア5壁面に溶射により鉄等からなる保護膜を被覆形成していたが、そうした加工は行わないようにしても良い。例えばシリンダライナ部21の内周面23に別途製造されたシリンダライナを装着するようにしたり、或いは内周ブロック20が鋳鉄等の十分な摩耗耐性を有する材料で成形されているのであれば、その母材をそのままシリンダボア5表面としたりしても良い。
・シリンダライナ部21が上述したようなアッパデッキ部22を有しておらず、それぞれ別部材とされている場合であっても、本発明にかかる潤滑構造は同様に適用することができる。
・クランクケース部31とシリンダ外壁部32とを一体成形してシリンダブロック本体30を構成するようにしていたが、クランクケース部31とシリンダ外壁部32とを別体として成形するようにしても良い。その場合、シリンダブロック3は、内周ブロック20、シリンダ外壁部32及びクランクケース部31の3つの成形体による分割構造となる。こうした構造を採用すれば、部品点数及び鋳造型数が増加することにはなるが、クランクケース部31とシリンダ外壁部32とを一体成形した場合に形状が複雑となってその成形が困難となる場合等には有利である。
・上記各実施形態及びその変形例では、直列4気筒エンジンのシリンダブロックに本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず任意の形式のエンジンを構成するシリンダブロックにも本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかるシリンダブロックを具体化した第1の実施形態について、エンジンの本体部分における斜視図。 (a)は、同実施形態のシリンダブロックの斜視構造図。(b)はその側面構造図。 図1のIII−III線に沿った断面図。 第2の実施形態におけるシリンダブロックの構造を示す断面図。 従来のシリンダブロックを示す断面図。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド(2a…底面)、3…シリンダブロック、3a…リブ、4…ガスケット、5…シリンダボア、6…ウォータジャケット、7…ヘッドボルト、20…内周ブロック、21…シリンダライナ部(23…内周面、24…外周面)、22…アッパデッキ部(26…載置面)、27…ボルト挿通孔、27a…めねじ部、30…シリンダブロック本体、31…クランクケース部、32…シリンダ外壁部(32a…頂面、32b、32c…壁部、35…内周面、36…フランジ)、33…軸受部、34…バルクヘッド部、37…ボルト締結穴、50…穿孔(50a、50b…穿孔)、51…締結ボルト、52…ナット、53…カラー(53a…内壁)、61…シール体。

Claims (8)

  1. 第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであって、前記第1分割構造体は、複数のシリンダライナが設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが設けられものであり、前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つ同外壁部の頂部により前記アッパデッキを支持するものであり、前記アッパデッキが前記外壁部の頂部に配置され且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定される分割型のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダライナ同士が互いに接続され、且つこの接続される部分がシリンダボア間の壁部であるボア間壁部をなすものであり、
    前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナのボア間壁部、及びこのボア間壁部に対向する前記外壁部の一方、及び前記ボア間壁部に対向する前記外壁部の他方を貫通する穿孔が設けられ、且つこの穿孔に挿入される締結部材により前記外壁部と前記ボア間壁部とが互いに固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  2. 請求項1に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記締結部材は、ボルト及びナットからなるものであり、
    前記ボルトは、前記外壁部の一方及び前記ボア間壁部及び前記外壁部の他方を貫通して前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体に挿入され、且つそのヘッドが前記外壁部の一方の外側に設けられ、且つそのねじ部が前記外壁部の他方の外側に設けられるものであり、
    前記ナットは、前記ボルトのねじ部に対応して前記外壁部の他方の外側に設けられるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  3. 第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであって、前記第1分割構造体は、複数のシリンダライナが設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが設けられものであり、前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つ同外壁部の頂部により前記アッパデッキを支持するものであり、前記アッパデッキが前記外壁部の頂部に配置され且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定される分割型のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダライナ同士が互いに接続され、且つこの接続される部分がシリンダボア間の壁部であるボア間壁部をなすものであり、
    前記外壁部は、前記複数のシリンダライナの配列方向に直交して前記ボア間壁部を通過する一の断面上において、前記シリンダライナの外周面との間にウォータジャケットとしての空間を形成する第1壁部と、この第1壁部よりもクランクケース側に設けられて前記シリンダライナの外周面に接触する第2壁部とに区分されるものであって、
    当該シリンダブロックは、前記断面上において前記ボア間壁部を介して互いに対向する第2壁部の一対の部位をそれぞれ対向壁部A及び対向壁部Bとして、同対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bの他方の順にこれらを貫通する穿孔が形成され、この穿孔に挿入される締結部材により前記対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bが互いに固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  4. 請求項3に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記締結部材は、ボルト及びナットからなるものであり、
    前記ボルトは、前記対向壁部A及び前記ボア間壁部及び前記対向壁部Bを貫通して前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体に挿入され、且つそのヘッドが前記対向壁部Aの外側に設けられ、且つそのねじ部が前記対向壁部Bの外側に設けられるものであり、
    前記ナットは、前記ボルトのねじ部に対応して前記対向壁部Bの外側に設けられるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記穿孔は、前記第2分割構造体のうちクランクシャフトジャーナルの軸受部を有するバルクヘッド部の上方に形成される
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記穿孔は、前記シリンダライナの下端近傍に形成される
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記複数のシリンダライナのボア間には前記締結部材の締結力による前記シリンダライナの変形を抑制する補強部材が設けられる
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  8. 請求項7に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記補強部材は、前記穿孔の内壁を構成するカラーであり、
    このカラーは、前記穿孔と同一の長さを有し、且つ前記複数のシリンダライナよりも剛性の高い材料により形成されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
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