JP4304472B2 - シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法 - Google Patents

シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4304472B2
JP4304472B2 JP2004022061A JP2004022061A JP4304472B2 JP 4304472 B2 JP4304472 B2 JP 4304472B2 JP 2004022061 A JP2004022061 A JP 2004022061A JP 2004022061 A JP2004022061 A JP 2004022061A JP 4304472 B2 JP4304472 B2 JP 4304472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
wall
wall portion
cylinder block
water jacket
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004022061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005214077A (ja
Inventor
実 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004022061A priority Critical patent/JP4304472B2/ja
Publication of JP2005214077A publication Critical patent/JP2005214077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4304472B2 publication Critical patent/JP4304472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、複数のシリンダを備えるとともに、それらシリンダの周囲にウォータジャケットの形成されたシリンダブロック、及びウォータジャケットの幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造する方法に関する。
水冷方式を採用するガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどのシリンダブロックにおいては、冷却水の流されるウォータジャケットがシリンダの周囲に形成されている。通常、そうしたウォータジャケットは、シリンダブロックの鋳造時にその鋳造型内に配設されたウォータジャケット型にて成型されている(例えば、特許文献1参照)。
実開昭64−44342号公報(第4−5頁、図1)
ところで上記のようなウォータジャケットを備えるシリンダブロックは、ウォータジャケット周辺の型部分が入り組んだ複雑な形状となり、鋳巣等の鋳造欠陥が生じ易く、品質の保証が困難となっていた。またウォータジャケット成形用の型部分は極めて肉薄となり、鋳造中の冷却が困難であることから、型寿命を縮める大きい要因となっていた。特に近年には、エンジンの小型化や軽量化、冷却水循環量の低減などのため、ウォータジャケットをより幅狭に形成することが要望されており、上記問題はより顕著となる傾向にある。
一方、上記のようなウォータジャケットを備えるシリンダブロックでは、ウォータジャケット幅の変更が必要となった場合には、たとえウォータジャケット幅以外の寸法形状が同じでも、鋳造型全体を作り直す必要がある。そのため、設計変更などへの柔軟な対応が困難となっていた。
ちなみに特許文献1には、シリンダブロック側面にウォータジャケットと連通する開口部を形成し、その開口部を覆うように冷却水の供給ダクトを取付けた構造のシリンダブロックが記載されている。こうしたシリンダブロックでは、上記開口部の設けられた側面部分については、鋳造でウォータジャケットを成形する必要はなく、上記鋳造欠陥や型寿命の低下といった問題は生じないものの、それ以外の部分については一般のシリンダブロックと変わりなく、そうした問題を回避できるものとはなっていない。またウォータジャケット幅の変更については、鋳造型全体の作り直しが必要となってしまうことについても、やはり一般のシリンダブロックと同じである。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、その第1の課題は、シリンダ周囲へのウォータジャケットの形成を容易とすることにある。また本発明の第2の課題は、ウォータジャケット幅の変更を容易とすることにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、一列に並べられた複数のシリンダのうち隣り合うもの同士が互いに接続されたシリンダ部を含む第1分割構造体と、前記複数のシリンダの周囲を取り囲む外壁部として構成された第2分割構造体とを備え、これら第1分割構造体及び第2分割構造体が互いに固定されて前記シリンダ部と前記外壁部との間にウォータジャケットを形成する分割型のシリンダブロックにおいて、前記第2分割構造体は、各別に形成された4つの構成要素、すなわちシリンダ配列方向の端にある一方のシリンダと同配列方向において対向する前方外壁部と、シリンダ配列方向の端にある他方のシリンダと同配列方向において対向する後方外壁部と、シリンダ配列方向に対して左側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する左側方外壁部と、シリンダ配列方向に対して右側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する右側方外壁部との組み合わせにより構成されるものであり、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、固定部材によりそれぞれ前記シリンダ部に固定されて同シリンダ部との間に前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものであり、前記前方外壁部は、前記左側方外壁部の一方の端部と前記右側方外壁部の一方の端部との間に配置されて、固定部材によりこれら左側方外壁部及び右側方外壁部のそれぞれに固定されて前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものであり、前記後方外壁部は、前記左側方外壁部の他方の端部と前記右側方外壁部の他方の端部との間に配置されて、固定部材によりこれら左側方外壁部及び右側方外壁部のそれぞれに固定されて前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものであることを要旨としている。
上記構成では、シリンダブロックが、ウォータジャケットとなる部位を境として、そのシリンダ側のシリンダ部と、その周囲を囲む外壁部とに分割形成されている。更に外壁部が、シリンダ配列方向に対してシリンダ部の前方、後方、左側方及び右側方に配置される4つの部分、すなわち前方外壁部、後方外壁部、左側方外壁部及び右側方外壁部に分割形成されている。そして各外壁部をシリンダ部の周囲に配置し、締結を通じてシリンダ部の周囲に固定することで、シリンダブロックが形成される。そしてこのとき、シリンダ部の外周壁面と各外壁部の内周壁面との対向面間に形成される間隙によってウォータジャケットが区画形成されるようになる。
こうして形成されるウォータジャケットはそのシリンダ側の壁面がシリンダ部側に、その外周側の壁面が各外壁部側にと、それぞれ別途に成形されることから、その成形用の型に幅の狭い凸状を設けたり、中子を用いたりせずともその成形が可能となる。そしてそうした型形状の簡易化により、鋳巣等の鋳造欠陥の抑制や型寿命の延命が図られるようになる。したがって上記構成によれば、シリンダ周囲へのウォータジャケットの形成を容易とすることができる。
(2)請求項2に記載の発明は、一列に並べられた複数のシリンダのうち隣り合うもの同士が互いに接続されたシリンダ部を含む第1分割構造体と、前記複数のシリンダの周囲を取り囲む外壁部として構成された第2分割構造体とを備え、これら第1分割構造体及び第2分割構造体が互いに固定されて前記複数のシリンダと前記外壁部との間にウォータジャケットを形成する分割型のシリンダブロックにおいて、前記第2分割構造体は、各別に形成された4つの構成要素、すなわちシリンダ配列方向の端にある一方のシリンダと同配列方向において対向する前方外壁部と、シリンダ配列方向の端にある他方のシリンダと同配列方向において対向する後方外壁部と、シリンダ配列方向に対して左側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する左側方外壁部と、シリンダ配列方向に対して右側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する右側方外壁部との組み合わせにより構成されるものであり、当該シリンダブロックは、前記シリンダ部の外周面と前記外壁部の内周面とが対向してこれらの間に前記ウォータジャケットが形成された状態のもと前記シリンダ部と前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部とが互いに固定されるものであって、前記ウォータジャケットがシリンダヘッドに向けて解放されたオープンデッキ型のものであることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のシリンダブロックにおいて、前記第2分割構造体は、前記4つの構成要素のうち前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のみが前記第1分割構造体に固定されるものであることを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記前方外壁部及び前記後方外壁部は、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のみに固定されるものであることを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、複数のシリンダのそれぞれの外周面に前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のそれぞれの内周壁面に向けて突出する一対の雌ねじボスが設けられるものであり、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、それぞれ前記雌ねじボスと対応するところに貫通孔が設けられるものであり、当該シリンダブロックは、前記左側方外壁部及び右側方外壁部の外周側から前記貫通孔を通じて前記固定部材としてのボルトが挿入され、このボルトが前記雌ねじボスにねじ込まれることにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部が前記シリンダ部に締結固定され、且つ前記前方外壁部及び後方外壁部のそれぞれが前記固定部材としてのボルトにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部に締結固定され、これにより前記第2分割構造体が締結により前記シリンダ部の周囲に固定されるものであることを要旨としている。
上記構成では、左側方及び右側方外壁部の外周側から、それら外壁部に形成された貫通孔を通じて、シリンダ部の外周壁面に形成された雌ねじボスにボルトをねじ止めすることで、シリンダ部と左側方及び右側方外壁部とが締結固定される。そして更に前方外壁部及び後方外壁部を左側方外壁部及び右側方外壁部に締結固定することで、4つの外壁部がシリンダブロックの周囲に固定される。これにより、比較的容易にシリンダ部に対する各外壁部の締結固定を行うことができる。
しかもそうした態様で締結固定を行えば、外壁部をシリンダ部に締結するためのボルトが、シリンダブロックのシリンダ配列方向の側方のみに配設されるようになる。このため、一般に補機類やそれらを駆動するための巻掛け伝動機構(タイミングベルトやプーリ等)の配置されるシリンダブロックのシリンダ配列前後方向の壁面には、上記外壁部締結用のボルトの頭が突出されないようになる。これにより、上記補機類や巻掛け伝動機構と上記外壁部締結用のボルトの頭との干渉を考慮する必要が無くなることから、シリンダブロックの設計が容易となる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、各シリンダの外周面に前記雄ねじボスが設けられるものであって、シリンダ配列方向と直交する方向においてシリンダ径が最大となるところに前記雄ねじボスが設けられるものであることを要旨としている。
上記構成では、シリンダ部にあってシリンダブロックの側方、すなわちシリンダ配列方向に直交する方向において、最も突出した位置に雌ねじボスが配置されるようになる。したがって上記構成によれば、シリンダ部の外周壁面と加工用のバイト等との干渉が問題となり難いことから、雌ねじボス頂面の加工が必要な場合であれ、その加工を容易に施すことができる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダ同士が互いに接続された部位であるボア間部に前記雄ねじボスが設けられるものであることを要旨としている。
上記構成では、シリンダ部にあって剛性の高いボア間部に雌ねじボスが配置されるようになる。そのため、左側方及び右側方の外壁部をシリンダ部に対してより安定して強固に取付けることができる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記第1分割構造体は、クランクシャフトを覆うスカート部をさらに含めて構成されるものであり、このスカート部は、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部が載置される載置面、及びヘッドボルトがねじ込まれるボルト穴が設けられるものであり、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、それぞれ前記スカート部のねじ穴と対応するところに各々の頂面から底面までにわたるヘッドボルトのための挿通孔が設けられるものであり、当該シリンダブロックは、前記左側方外壁部及び右側方外壁部の頂面側から前記挿通孔を通じてヘッドボルトが挿入され、このヘッドボルトが前記スカート部のボルト穴にねじ込まれることにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部が前記スカート部に固定されるものであることを要旨としている。
上記構成では、当該シリンダブロックとシリンダヘッドとの締結固定に際し、ヘッドボルトは、左側方及び右側方外壁部に形成された挿通孔を通って、シリンダ部に一体形成されたスカート部のボルト穴に挿入され、そのボルト穴にねじ止めされる。そのため、左側方及び右側方外壁部は、それらの側方からシリンダ部外周壁面の雌ねじボスにボルト締結されるとともに、シリンダヘッド底面と上記スカート部の載置面との間に挟み込まれた状態で圧縮力を受けて締結固定されるようになる。したがって左側方及び右側方外壁部をより安定して強固に取付けることができる。
(9)請求項9に記載の発明は、シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されるとともに、そのウォータジャケットの幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造する方法であって、当該シリンダブロックの各部をそれぞれ構成する5つのパーツ、すなわち、前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部、前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う前方外壁部、同配列方向に対する前記シリンダ部の後方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う後方外壁部、同配列方向に対する前記シリンダ部の左側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う左側方外壁部、同配列方向に対する前記シリンダ部の右側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う右側方外壁部、をそれぞれ別体に形成する工程と、前記シリンダ部の外周壁面に、その外周側に向けて複数の雌ねじボスを突出形成する工程と、各外壁部にあって前記雌ねじボスに対向される位置に、貫通孔をそれぞれ形成する工程と、該当種類のシリンダブロックにおけるウォータジャケットの幅に応じて、前記シリンダ部の外周壁面からの前記雌ねじボスの突出量を調整する工程と、前記突出量の調整された前記雌ねじボスの頂面と各外壁部の内周壁面とを当接させた状態で、前記貫通孔を通じて挿入されたボルトを該雌ねじボスにねじ止めして、該当外壁部を前記シリンダ部に締結固定する工程とを有することを要旨としている。
上記方法ではまず、ウォータジャケットとなる部位を境として、そのシリンダ側のシリンダ部と、その周囲を囲む4つの外壁部、すなわちシリンダ配列方向に対してシリンダ部の前方、後方、左側方及び右側方にそれぞれ配置される前方外壁部、後方外壁部、左側方外壁部及び右側方外壁部との、シリンダブロックの各部を構成する5つのパーツが別体として形成される。そして、シリンダ部の外周壁面には、その外周側に向けて複数の雌ねじボスが突出形成され、上記各外壁部にあってその雌ねじボスに対向される位置には、貫通孔がそれぞれ形成される。そして最終的には、雌ねじボスの頂面と各外壁部の内周壁面とを当接させた状態で、貫通孔を通じて挿入されたボルトを該雌ねじボスにねじ止めして、当該外壁部をシリンダ部に締結固定して一体化することで、シリンダブロックが製造される。
このように製造されるシリンダブロックでは、ウォータジャケットの幅は、シリンダ部外周壁面からの上記雌ねじボスの突出量によって決まることから、その突出量の調整により、ウォータジャケット幅を変化させることができる。よってそうした突出量の調整を通じてウォータジャケット幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造することができる。
このときのウォータジャケット幅の変更に対し、シリンダ部の形状寸法を変える必要はない。一方、そうしたウォータジャケット幅の変更に対しては、左側方及び右側方の外壁部と前方及び後方の外壁部とが干渉するようになったり、或いはそれらの間に隙間が形成されるようになったりすることはある。しかしながら、そうした場合にも、外壁部同士の対向面に除去加工を施したり、或いはそれらの対向面間に隙間を埋めるためのスペーサを介設したりすることで、容易に対応することができる。また外壁部成型用の型を変更する場合にも、左右の外壁部、或いは前後の外壁部のいずれか一方の成型用の型のみを変更すれば、その対処が可能である。したがって上記方法によれば、ウォータジャケット幅の変更を容易とすることができる。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のシリンダブロックの製造方法において、前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面部の除去加工を通じて行われることを要旨としている。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のシリンダブロックの製造方法において、前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面と前記外壁部の内周壁面との間に介設されるスペーサの厚みを変更することを通じて行われることを要旨としている。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化したシリンダブロックの一実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお本実施形態は、直列4気筒エンジン用のシリンダブロックに対する本発明の適用例を示している。
図1は、本実施形態のシリンダブロック2の適用されるエンジンの本体部分(以下、エンジン本体1と記載する)の斜視構造を示している。同図に示すようにエンジン本体1には、その下方にシリンダブロック2が配置され、その上方にはシリンダヘッド3が配置されている。シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間には、燃焼ガス等の漏れを防止するガスケット4が挟み込まれている。
図2に、上記シリンダブロック2の斜視構造を示す。同図に示すようにシリンダブロック2の下部には、クランクシャフトの収容されるクランクケースの上半部分を構成するスカート部23が形成されている。またシリンダブロック2の上部には、それぞれピストンの収容される4つのシリンダ21が形成されている。シリンダブロック2上部の上記各シリンダ21の周囲には、冷却水の循環されるウォータジャケット28が形成されている。
なお以下の説明では、同図の矢印F、矢印B、矢印L、矢印Rで示される方向をそれぞれ、シリンダブロック2の前方、後方、左側方、右側方と記載する。同図に示すように、上記シリンダブロック2の前後方向(F−B方向)は、上記4つのシリンダ21の配列方向に対応している。
同図3に、図2に示したエンジン本体1の分解斜視構造を示す。同図に示すように、本実施形態のシリンダブロック2は大きくは、上記ウォータジャケット28となる部位を境に、そのシリンダ21側の壁面を構成するシリンダ部22の設けられたブロック本体20と、シリンダ部22の周囲を覆う外壁部とに分割形成されている。また外壁部は更に、シリンダ部22外周の上記前方(矢印F方向)、後方(矢印B方向)、左側方(矢印L方向)、右側方(矢印R方向)をそれぞれ覆う前方外壁部24、後方外壁部25、左側方外壁部26及び右側方外壁部27に分割形成されている。すなわちこのシリンダブロック2は、主に上記ブロック本体20及び4つの外壁部24〜27の5つのパーツによる分割構造とされている。なお本実施形態のシリンダブロック2では、ブロック本体20に、上記シリンダ部22とともに上記スカート部23が一体形成された構成となっている。
ブロック本体20のスカート部23の上方には、各シリンダ21の外周壁面を構成する円筒体を連結したシリンダ部22が上方に向かって突出するように形成されている。こうしたスカート部23上面のシリンダ部22の周囲は、平坦面に形成され、上記各外壁部24〜27の載置される載置面33とされている。またスカート部23の載置面33には、ヘッドボルト34の螺入されるボルト穴32が10箇所形成されている。
シリンダ部22には、各シリンダ21の左右側方にそれぞれ2つ、都合16個の雌ねじボス35が形成されている。雌ねじボス35は、ボルト38の螺入されるボルト穴の設けられた略円筒形に形成されており、シリンダ部22の外周側面より前記左側方及び右側方外壁部26,27の内周壁面に向けて突出形成されている。このシリンダブロック2では、雌ねじボス35は、シリンダ部22の左方及び右方側面にあって、各シリンダ21を連結するボア間部39同士の中間位置に、それぞれ2つずつ上下に並んで配置されている。
一方、前方外壁部24、後方外壁部25、左側方外壁部26及び右側方外壁部27それぞれの上端には平面状の頂面29が形成されており、下端には平面状の外壁部底面30が形成されている。左側方外壁部26及び右側方外壁部27の頂面29から外壁部底面30へはそれぞれ5カ所ずつ挿通孔31が貫通している。この挿通孔31はスカート部23に設けられた10カ所のボルト穴32に対応して設けられている。
左側方及び右側方外壁部26,27には、上記雌ねじボス35と対向する位置に貫通孔36aがそれぞれ8ヶ所形成されている。また、左側方及び右側方外壁部26,27それぞれの両端部には、さらに2ヶ所ずつ貫通孔36bが形成されている。これら貫通孔36bは、前方及び後方外壁部24,25の側面に形成された雌ねじ部37と対向するように設けられている。
尚、左側方外及び右側方外壁部26,27の材質は、樹脂あるいは樹脂複合材料(例えば、ガラス繊維やカーボン繊維等による繊維強化樹脂等)の成形体が用いられている。一方、前方及び後方外壁部24,25は、補機類やそれらを駆動するための巻掛け伝動機構等が固定されることから、左側方外及び右側方外壁部26,27よりも、高い強度が必要となる。そこで本実施形態では、前方及び後方外壁部24,25は、金属材料例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材料、又はセラミックス材料によって形成するようにしている。
こうしたシリンダブロック2は、次のように組み立てられる。まずブロック本体20の載置面33上の所定の位置に、上記各外壁部24〜27をそれぞれ載置する。続いて左側方及び右側方外壁部26,27の外側から貫通孔36aを介して上記雌ねじボス35にボルト38をそれぞれ螺入して、左側方及び右側方外壁部26,27をブロック本体20に締結固定する。これとともに、左側方及び右側方外壁部26,27の外側から貫通孔36bを介してボルト38を螺入して、左側方及び右側方外壁部26,27と前方及び後方外壁部24,25とを締結固定する。
こうして一体に組み立てられたシリンダブロック2を、ヘッドボルト34によりシリンダヘッド3と締結することで図1のようなエンジン本体1が組み立てられる。このとき、ヘッドボルト34は、シリンダヘッド3の上方から、左側方及び右側方外壁部26,27の挿通孔31を挿通して、ブロック本体20の載置面33に形成されたボルト穴32に締結される。これにより、各外壁部24〜27は、シリンダヘッド3の底面とブロック本体20の載置面33とから圧締力を受けて締結固定されることとなる。
図4は、上記シリンダブロック2の上部における平面構造を示している。同図に示すように、上記左側方及び右側方外壁部26,27は、その内周壁面がブロック本体20の雌ねじボス35先端の頂面部40に突き当たる位置に配置される。このとき、上記左側方及び右側方外壁部26,27の内周壁面とシリンダ部22の外周壁面と間には、上記雌ねじボス35の高さ分の、すなわちシリンダ部22の外周壁面からの雌ねじボス35の突出量α分の間隙が形成される。そしてその間隙により、シリンダ21の周囲にウォータジャケット28が区画形成されている。すなわち、このシリンダブロック2では、上記左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wが、シリンダ部22の外周壁面からの雌ねじボス35の突出量αによって規定されるようになっている。
こうした構造のシリンダブロック2では、雌ねじボス35の突出量αの変化に応じてウォータジャケット幅Wも変化される。そのため、そうした突出量αの調整を通じて、ウォータジャケット幅Wの異なる複数種のシリンダブロック2を容易に製造することができる。
まず、図4のシリンダブロック2をベースとして、図5に示されるようなウォータジャケット幅Wのより狭いシリンダブロック2aを製造する場合を説明する。
こうしたシリンダブロック2aを製造する場合にも、上記ブロック本体20及び左側方及び右側方外壁部26,27については、そのベースとなるシリンダブロック2と全く同じものを用意する。そして、雌ねじボス35の頂面部40を、ベースとなるシリンダブロック2に対するウォータジャケット幅Wの縮小量分、除去加工して、その突出量αを縮小させる。こうして雌ねじボス35の突出量αの縮小されたブロック本体20に対して左側方及び右側方外壁部26,27を組み付ければ、左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wのより狭いシリンダブロック2aが製造されるようになる。
なおこのときのウォータジャケット幅Wの縮小に応じて左側方及び右側方外壁部26,27の対向面間距離も縮小されることから、前方及び後方外壁部24,25については、その幅の短縮が必要となる。そこでベースとなるシリンダブロック2のものと全く同じ前方及び後方外壁部24,25を用意して、その幅を除去加工によって狭めたり、シリンダブロック2aに対応した狭い幅の前方及び後方外壁部24,25を新たに設計したりすることとなる。なお、たとえそれら前方及び後方外壁部24,25を新規設計するとしても、それらが比較的簡易な形状であることから、その設計、製造は比較的容易に行うことができる。
次に、図4のシリンダブロック2をベースとして、図6に示されるようなウォータジャケット幅Wのより広いシリンダブロック2bを製造する場合を説明する。
こうしたシリンダブロック2bを製造する場合にも、上記ブロック本体20及び左側方及び右側方外壁部26,27については、そのベースとなるシリンダブロック2と全く同じものを用意する。この場合、ブロック本体20への左側方及び右側方外壁部26,27の組み付けに際して、雌ねじボス35の頂面部40と左側方及び右側方外壁部26,27のとの間に必要な厚みのスペーサ41を介設することで、実質的な雌ねじボス35の突出量αを増大させる。これにより、左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wのより広いシリンダブロック2bを製造することができる。
このときにも、そうしたウォータジャケット幅Wの変更に応じた左側方及び右側方外壁部26,27の対向面間距離の拡大に併せて、前方及び後方外壁部24,25の幅を増大させる必要がある。これには、例えばシリンダブロック2bに対応した広い幅の前方及び後方外壁部24,25を新規設計したり、或いはベースとなるシリンダブロック2のものと同じ前方及び後方外壁部24,25を用意して、左側方及び右側方外壁部26,27との組付時に必要な厚みのスペーサを介設したりすることで対応することができる。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態のシリンダブロック2のウォータジャケット28は、そのシリンダ21側の壁面がシリンダ部22側に、その外周側の壁面が各外壁部24〜27側にと、それぞれ別途に成形されることから、その成形用の型に幅の狭い凸状を設けたり、中子を用いたりせずともその成形が可能となる。そしてそうした型形状の簡易化により、鋳巣等の鋳造欠陥の抑制や型寿命の延命が図られるようになる。したがって、シリンダ21周囲へのウォータジャケット28の形成を容易とすることができる。
(2)本実施形態では、各外壁部24〜27をシリンダ部22に締結するためのボルト38が、シリンダブロック2のシリンダ21配列方向の側方のみに配設されている。このため、一般に補機類やそれらを駆動するための巻掛け伝動機構(タイミングベルトやプーリ等)の配置されるシリンダブロック2のシリンダ21配列前後方向の壁面には、上記外壁部締結用のボルト38の頭が突出されないようになる。これにより、上記補機類や巻掛け伝動機構と上記外壁部締結用のボルト38の頭との干渉を考慮する必要が無くなることから、シリンダブロック2の設計が容易となる。
(3)本実施形態では、上記雌ねじボス35を、シリンダ部22の外周壁面におけるボア間部39同士の中間位置に設けるようにしている。そのため、雌ねじボス35の頂面部40を加工する際のシリンダ部22の外周壁面と加工用のバイト等との干渉が問題となり難く、その加工を容易に施すことができる。
(4)ヘッドボルト34を、左側方及び右側方外壁部26,27に形成された挿通孔31を通って、シリンダ部22に一体形成されたスカート部23のボルト穴32にねじ止めして、シリンダブロック2とシリンダヘッド3とを締結するようにしている。そのため、左側方及び右側方外壁部26,27は、それらの側方からシリンダ部22の外周壁面に配置された雌ねじボス35にボルト締結されるとともに、シリンダヘッド3の底面と上記スカート部23の載置面33との間に挟み込まれた状態で圧縮力を受けて締結固定されるようになる。したがって左側方及び右側方外壁部26,27をより安定して強固に取付けることができる。
(5)シリンダ21の各外周壁面に雌ねじボス35を配設したことにより、ボルト38の締め付け間隔が密になっている。このため、左側方及び右側方外壁部26,27の膜振動や騒音の発生を抑制することができると共に、変形についても抑制することができ、冷却水漏れを防止することができる。
(6)左側方及び右側方外壁部26,27の材質は、樹脂あるいは樹脂複合材料にて成形されている。このため、エンジンの軽量化や低コスト化を図ることが可能となる。
(7)ウォータジャケット幅Wが、シリンダ部22の外周壁面からの上記雌ねじボス35の突出量αによって決まることから、その突出量αの調整により、ウォータジャケット幅Wを変化可能な構造とされている。そのため、突出量αの調整を通じてウォータジャケット幅Wの異なる複数種のシリンダブロック2を容易に製造することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化したシリンダブロック構造の第2実施形態を、第1実施形態との相違点を中心に図7及び図8に従って説明する。なお本実施形態にあって、第1実施形態のものと同等の機能を有する構成については、共通の符号を付してその説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態のシリンダブロック102では、雌ねじボス35を、シリンダ部22の外周壁面の上記ボア間部39に配設するようにしている。そしてそうした雌ねじボス35の位置の変更に応じて、左側方及び右側方外壁部26,27の貫通孔36aの形成位置も変更されている。
図8に示すように、こうしたシリンダブロック102においても、左側方及び右側方外壁部26,27は、雌ねじボス35の頂面部40とその内周壁面がブロック本体20の雌ねじボス35先端の頂面部40に突き当たる位置に配置される。そのため、シリンダブロック102の左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅Wは、やはりシリンダ部22の外周壁面からの雌ねじボス35の突出量αによって規定されることとなる。
以上説明した第2実施形態によれば、上記(1)、(2)及び(4)〜(7)に記載の効果に加え、更に次の効果が得られる。
(8)シリンダ部22にあって剛性の高いボア間部39に雌ねじボス35が配置されるようになっている。そのため、左側方及び右側方外壁部26,27をシリンダ部22に対してより安定して強固に取付けることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化したシリンダブロック構造の第3実施形態を、上記各実施形態との相違点を中心に図9に従って説明する。なお本実施形態にあって、上記各実施形態のものと同等の機能を有する構成については、共通の符号を付してその説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態においても、シリンダブロック202は、シリンダ部22及びスカート部23を構成するブロック本体20、前方、後方、左側方及び右側方の各外壁部224〜227の5つのパーツによって分割形成されている。なおこのシリンダブロック202では、左側方及び右側方外壁部226,227の前後方向端面を、前方及び後方外壁部224,225の内周壁面に突き当てた状態でそれらを固定するようになっている。
このシリンダブロック202の左側方及び右側方外壁部226,227は大きくは、ブロック本体20の載置面33に載置される平板状の底板部53と、その底板部53より上方に延伸され、シリンダ部22の外周壁面に沿う波形状に形成された側壁部54とにより構成されている。
左側方及び右側方外壁部226,227の底板部53には、ブロック本体20のボルト穴32にそれぞれ対応して、図示しないヘッドボルトの挿通される挿通孔52aが形成されている。この挿通孔52aは、シリンダブロック202の左右方向に延びる長穴とされている。
一方、左側方及び右側方外壁部226,227の側壁部54の両端には、内周にねじの形成されたボルト孔50を有する固定部51が形成されている。これに対して前方及び後方外壁部224,225には、そうした固定部51のボルト孔50に対応する位置に、同ボルト孔50にねじ止めされるボルト38の挿通される挿通孔52bが形成されている。この挿通孔52bもシリンダブロック202の左右方向に延びる長穴とされている。
こうしたシリンダブロック202の組立は次のように行われる。まず上記各外壁部224〜227をブロック本体20の載置面33上の所定の位置にそれぞれ配置する。次に雌ねじボス35の頂面部40と左側方及び右側方外壁部226,227の内周壁面とを当接させた状態で、左側方及び右側方外壁部226,227の貫通孔36aを通してボルト38を雌ねじボス35にねじ止めし、左側方及び右側方外壁部226,227をブロック本体20に締結固定する。その後、前方及び後方外壁部224,225の挿通孔52bを通してボルト38を左側方及び右側方外壁部226,227の固定部51のボルト孔50にねじ止めし、それらを互いに締結固定する。
こうして一体に組み立てられたシリンダブロック202は、上記左側方及び右側方外壁部226,227の底板部53に形成された挿通孔52aを通してブロック本体20に形成されたボルト穴32にヘッドボルトをねじ止めすることで、シリンダヘッド3と締結されるようになっている。
こうしたシリンダブロック202でも、左側方及び右側方外壁部226,227の内周壁面とシリンダ部22の外周壁面と間に形成される上記雌ねじボス35の突出量分の間隙により、シリンダ21の周囲にウォータジャケットが区画形成される。そして雌ねじボス35の突出量によって、上記左側方及び右側方におけるウォータジャケット幅が規定されるようになっている。そのため、頂面部40の除去加工やスペーサの介設等による雌ねじボス35の突出量の調整を通じてウォータジャケット幅を容易に変更することができる。
なお、このシリンダブロック202では、上記挿通孔52a,52bがその左右方向に延びる長穴に形成されているため、左側方及び右側方外壁部226,227の位置が左右方向に変更されたとしても、ボルト穴32やボルト孔50に対してヘッドボルトやボルト38のねじ止めが可能となっている。そのため、このシリンダブロック202では、雌ねじボス35の突出量以外の構成部材の形状寸法を一切変更することなく、ウォータジャケット幅の変更が可能である。
(その他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、雌ねじボス35をブロック本体20に一体形成するようにしていたが、雌ねじボス35を後付で設置するようにしても良い。
例えば図10には、シリンダ部22のボア間部39に、雌ねじボス335を後付により設置する構成のシリンダブロック302が示されている。このシリンダブロック302では、シリンダ部22の雌ねじボス335の取付け位置であるボア間部39に、同雌ねじボス335の取付用のボス孔43を予め形成するようにしている。この構成例では、雌ねじボス335の基端部45及びボス孔43の内周44にねじが形成されており、ねじ止めにより雌ねじボス335を固定するようにしている。
一方、図11には、シリンダ部22の外周壁面にあって、そのボア間部39同士の中間位置に雌ねじボス435を後付する構成のシリンダブロック402が示されている。このシリンダブロック402でも、シリンダ部22の雌ねじボス335の取付け位置にボス孔43を予め形成するようにしている。ただしこの構成例では、雌ねじボス435は、ろう付けによりシリンダ部22に固定されている。
こうして雌ねじボスを後付により設置する構成とした場合、シリンダ部22の形状が簡素化されるため、その製造を容易とすることができる。なお、雌ねじボスの固定方法は、これら構成例の方法に限らず、任意の固定方法を採用することができる。
・シリンダ部における雌ねじボスの配置態様は、適宜変更しても良い。例えば補機類等との干渉の問題が無いのであれば、シリンダ部のシリンダ配列方向の両端に雌ねじボスを形成し、これを前方及び後方外壁部に締結固定させるようにしても良い。
・上記各実施形態では、シリンダ部22とスカート部23とを一体形成するようにしていたが、これらを別体に形成し、それらをボルト締結等により固定するようにしても良い。
第1実施形態のシリンダブロックの適用されるエンジン本体の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のシリンダブロックについてその斜視構造を示す斜視図。 図1のエンジン本体の分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のシリンダブロックについてその上部における平面構造を示す平面図。 同実施形態のシリンダブロックをベースとしたウォータジャケット幅の異なるシリンダブロックについてその上部における平面構造を示す平面図。 同実施形態のシリンダブロックをベースとしたウォータジャケット幅の異なる別のシリンダブロックについてその上部における平面構造を示す平面図。 第2実施形態のシリンダブロックについてその分解斜視構造を示す斜視図。 同シリンダブロックの上部の平面構造を示す平面図。 第3実施形態のシリンダブロックについてその分解斜視構造を示す斜視図。 第2実施形態のシリンダブロックの変形例についてその上部における平面構造を示す平面図。 第1実施形態のシリンダブロックの変形例についてその上部における平面構造を示す平面図。
符号の説明
2,2a,2b,102,202,302,402…シリンダブロック、21…シリンダ、22…シリンダ部、23…スカート部、24,224…前方外壁部、25,225…後方外壁部、26,226…左側方外壁部、27,227…右側方外壁部、28…ウォータジャケット、29…頂面、30…外壁部底面、31…挿通孔、32…ボルト穴、34…ヘッドボルト、35,335,435…雌ねじボス、36a…貫通孔、38…ボルト、39…ボア間部、40…頂面部、41…スペーサ。

Claims (11)

  1. 一列に並べられた複数のシリンダのうち隣り合うもの同士が互いに接続されたシリンダ部を含む第1分割構造体と、前記複数のシリンダの周囲を取り囲む外壁部として構成された第2分割構造体とを備え、これら第1分割構造体及び第2分割構造体が互いに固定されて前記シリンダ部と前記外壁部との間にウォータジャケットを形成する分割型のシリンダブロックにおいて、
    前記第2分割構造体は、各別に形成された4つの構成要素、すなわちシリンダ配列方向の端にある一方のシリンダと同配列方向において対向する前方外壁部と、シリンダ配列方向の端にある他方のシリンダと同配列方向において対向する後方外壁部と、シリンダ配列方向に対して左側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する左側方外壁部と、シリンダ配列方向に対して右側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する右側方外壁部との組み合わせにより構成されるものであり、
    前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、固定部材によりそれぞれ前記シリンダ部に固定されて同シリンダ部との間に前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものであり、
    前記前方外壁部は、前記左側方外壁部の一方の端部と前記右側方外壁部の一方の端部との間に配置されて、固定部材によりこれら左側方外壁部及び右側方外壁部のそれぞれに固定されて前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものであり、
    前記後方外壁部は、前記左側方外壁部の他方の端部と前記右側方外壁部の他方の端部との間に配置されて、固定部材によりこれら左側方外壁部及び右側方外壁部のそれぞれに固定されて前記ウォータジャケットの一部としての空間を形成するものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  2. 一列に並べられた複数のシリンダのうち隣り合うもの同士が互いに接続されたシリンダ部を含む第1分割構造体と、前記複数のシリンダの周囲を取り囲む外壁部として構成された第2分割構造体とを備え、これら第1分割構造体及び第2分割構造体が互いに固定されて前記複数のシリンダと前記外壁部との間にウォータジャケットを形成する分割型のシリンダブロックにおいて、
    前記第2分割構造体は、各別に形成された4つの構成要素、すなわちシリンダ配列方向の端にある一方のシリンダと同配列方向において対向する前方外壁部と、シリンダ配列方向の端にある他方のシリンダと同配列方向において対向する後方外壁部と、シリンダ配列方向に対して左側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する左側方外壁部と、シリンダ配列方向に対して右側に位置する前記シリンダ部の外周面と対向する右側方外壁部との組み合わせにより構成されるものであり、
    当該シリンダブロックは、前記シリンダ部の外周面と前記外壁部の内周面とが対向してこれらの間に前記ウォータジャケットが形成された状態のもと前記シリンダ部と前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部とが互いに固定されるものであって、前記ウォータジャケットがシリンダヘッドに向けて解放されたオープンデッキ型のものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  3. 請求項1または2に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記第2分割構造体は、前記4つの構成要素のうち前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のみが前記第1分割構造体に固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記前方外壁部及び前記後方外壁部は、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のみに固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、複数のシリンダのそれぞれの外周面に前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部のそれぞれの内周壁面に向けて突出する一対の雌ねじボスが設けられるものであり、
    前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、それぞれ前記雌ねじボスと対応するところに貫通孔が設けられるものであり、
    当該シリンダブロックは、前記左側方外壁部及び右側方外壁部の外周側から前記貫通孔を通じて前記固定部材としてのボルトが挿入され、このボルトが前記雌ねじボスにねじ込まれることにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部が前記シリンダ部に締結固定され、且つ前記前方外壁部及び後方外壁部のそれぞれが前記固定部材としてのボルトにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部に締結固定され、これにより前記第2分割構造体が締結により前記シリンダ部の周囲に固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  6. 請求項5に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、各シリンダの外周面に前記雄ねじボスが設けられるものであって、シリンダ配列方向と直交する方向においてシリンダ径が最大となるところに前記雄ねじボスが設けられるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  7. 請求項5に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、隣り合うシリンダ同士が互いに接続された部位であるボア間部に前記雄ねじボスが設けられるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
    前記第1分割構造体は、クランクシャフトを覆うスカート部をさらに含めて構成されるものであり、
    このスカート部は、前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部が載置される載置面、及びヘッドボルトがねじ込まれるボルト穴が設けられるものであり、
    前記左側方外壁部及び前記右側方外壁部は、それぞれ前記スカート部のねじ穴と対応するところに各々の頂面から底面までにわたるヘッドボルトのための挿通孔が設けられるものであり、
    当該シリンダブロックは、前記左側方外壁部及び右側方外壁部の頂面側から前記挿通孔を通じてヘッドボルトが挿入され、このヘッドボルトが前記スカート部のボルト穴にねじ込まれることにより前記左側方外壁部及び右側方外壁部が前記スカート部に固定されるものである
    ことを特徴とするシリンダブロック。
  9. シリンダの周囲にウォータジャケットが形成されるとともに、そのウォータジャケットの幅の異なる複数種のシリンダブロックを製造する方法であって、
    当該シリンダブロックの各部をそれぞれ構成する5つのパーツ、すなわち
    ・前記ウォータジャケットとなる部位を境にそのシリンダ側の壁面を構成するシリンダ部、
    ・前記シリンダの配列方向に対する前記シリンダ部の前方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う前方外壁部、
    ・同配列方向に対する前記シリンダ部の後方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う後方外壁部、
    ・同配列方向に対する前記シリンダ部の左側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う左側方外壁部、
    ・同配列方向に対する前記シリンダ部の右側方において、前記ウォータジャケットとなる部位を挟んで前記シリンダ部の周囲を覆う右側方外壁部、
    をそれぞれ別体に形成する工程と、
    前記シリンダ部の外周壁面に、その外周側に向けて複数の雌ねじボスを突出形成する工程と、
    各外壁部にあって前記雌ねじボスに対向される位置に、貫通孔をそれぞれ形成する工程と、
    該当種類のシリンダブロックにおけるウォータジャケットの幅に応じて、前記シリンダ部の外周壁面からの前記雌ねじボスの突出量を調整する工程と、
    前記突出量の調整された前記雌ねじボスの頂面と各外壁部の内周壁面とを当接させた状態で、前記貫通孔を通じて挿入されたボルトを該雌ねじボスにねじ止めして、該当外壁部を前記シリンダ部に締結固定する工程とを有する
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  10. 請求項9に記載のシリンダブロックの製造方法において、
    前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面部の除去加工を通じて行われる
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  11. 請求項10に記載のシリンダブロックの製造方法において、
    前記雌ねじボスの突出量の調整は、当該雌ねじボスの頂面と前記外壁部の内周壁面との間に介設されるスペーサの厚みを変更することを通じて行われる
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
JP2004022061A 2004-01-29 2004-01-29 シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法 Expired - Fee Related JP4304472B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004022061A JP4304472B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004022061A JP4304472B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005214077A JP2005214077A (ja) 2005-08-11
JP4304472B2 true JP4304472B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=34905511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004022061A Expired - Fee Related JP4304472B2 (ja) 2004-01-29 2004-01-29 シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4304472B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7268585B2 (ja) * 2019-11-21 2023-05-08 マツダ株式会社 シリンダブロック

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005214077A (ja) 2005-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367288B2 (ja) エンジンのシリンダブロック
US9932931B2 (en) Composite cylinder block of an I.C. engine
JP4304472B2 (ja) シリンダブロック及びそのシリンダブロックの製造方法
JP5626485B2 (ja) 内燃機関の鋳物部品,ベアリングキャップ及びその製造方法
JP2005201118A (ja) シリンダブロックの締結構造
JP4262756B2 (ja) 多気筒エンジン
US11199156B2 (en) Bearing cap, internal combustion engine, and manufacturing method of internal combustion engine
JP2006312905A (ja) シリンダブロック及び同シリンダブロックの組み立て方法
JP2007120506A5 (ja)
JP4577234B2 (ja) シリンダブロック製造方法、及びシリンダブロック
JP4591482B2 (ja) 内燃機関
JP3666131B2 (ja) V型ドライライナエンジンのシリンダブロック
JP6344150B2 (ja) エンジンのクランクシャフト軸受構造
US10598123B2 (en) Ladder frame for internal combustion engine
JP4196803B2 (ja) 内燃機関のシリンダブロック
JPS6117231Y2 (ja)
JP7303492B2 (ja) エンジン構造
JP2008232079A (ja) 内燃機関のシリンダブロック及びその製造方法
JP2017223174A (ja) 内燃機関用シリンダブロックおよびその製造方法
JP4352970B2 (ja) シリンダブロック
JP2007009741A (ja) エンジンのシリンダブロック
JP3837313B2 (ja) エンジン
JP2005133688A (ja) エンジン
JP2005264760A (ja) シリンダブロック
KR19980067590U (ko) 자동차 엔진의 실린더 라이너 취부구조

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081029

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090401

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090414

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees