JPH052955Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、バスドラムの支持脚構造に関し、
特にはその支持脚を回動ならびに伸縮自在に保持
した脚構造に関する。

例えば実公昭56−5119号、同58−9271号ないし
は同58−37101号等の後方に記載されたように、
バスドラムの支持脚をその運搬時に邪魔にならな
いように収納可能にする目的を持つて、あるいは
一定の傾斜を備えた支持脚をドラムの左右どちら
側に対しても装着できるようにするために、支持
脚をドラム胴部に対して回動自在に保持すること
が行なわれている。また、これらにおいては、同
時に支持脚の長さを調整できるように伸縮構造を
備えていることが多い。

この考案も同様にバスドラムの支持脚を回動な
らびに伸縮自在に保持せしめた脚構造に関するも
のであるが、特にその目的とするところは、脚の
回動と伸縮が極めて単純かつ簡単な構造で達成さ
れしかもその操作がワンタツチで行なうことがで
きる新規な構造を提供することにある。

より具体的に言えば、この考案構造は、脚の回
動と伸縮が単一の締付部材によつて行なうことが
できる構造を提案するものである。

この考案に係るバスドラムの支持脚構造は、棒
条部材よりなる脚と、ドラム本体への取付部を有
し、上面側に所定の位置決め条溝が形成された回
動面を備えたベースと、前記ベースの回動面の中
心より立設され先端が締付ねじ部として構成され
た回動軸と、相対向する脚把持部によつて前記脚
を挟持する一対の内側ブロツクおよび外側ブロツ
クよりなる脚保持部材からなり、前記脚保持部材
において、前記内側ブロツク下面側には前記ベー
スの回動面に合着しかつその条溝に嵌合する突条
を備えた回動合着面が形成され、前記外側ブロツ
クの上面側には前記回動軸の締付ねじ部に螺着す
る締付ナツトを備えた締付部が形成されていると
ともに、前記内側ブロツクおよび外側ブロツクの
間には一定の間隙が前記締付ねじの弛緩によつて
形成されるようにストツパピンの介在の下に両ブ
ロツクに貫通された前記回動軸に第１スプリング
が巻着されており、また前記内側ブロツクと前記
ベースとの間には前記第１スプリングより小さい
ばね圧をもつた第２スプリングが前記回動軸に巻
着されていて、前記締付ねじの弛緩によつて脚保
持部材の両ブロツクの間が開いた後に前記ベース
と脚保持部材との間が段階的に開くように構成さ
れていることを特徴とする。

以下添付の図面に従つて実施例とともに説明す
る。

添付の図面第１図はこの考案に係る脚支持構造
の全体正面図、第２図はその要部の断面図、第３
図はベースの回動面を示す正面図、第４図は脚保
持部材の内側ブロツク下面の回動合着面を示す底
面図、第５図は脚保持部材の拡大正面図、第６図
は脚保持部材とベース回動面との係合状態を表わ
す断面図である。

第１図に図示したように、この考案の支持脚構
造は、バスドラムＤの胴部下方に取付られた支持
脚１０が同図の実線位置Ａならびに鎖線位置Ｂで
示したようにドラムの左右いずれ側でも所定の傾
斜角度をもつて保持され、かつ運搬時等には同図
の破線位置Ｃで示したようにドラムの胴部に平行
に収納できるように回動自在に保持されていると
ともに、支持脚自体の長さが必要に応じて矢印Ｅ
方向に変化できるように伸縮自在に保持されてな
る構造に係るものである。

この考案の支持脚構造は、図示のように、脚１
０、ベース２０、回動軸３０ならびに脚保持部材
６０の各部からなり、前記脚保持部材６０はさら
に一対の内側ブロツク４０および外側ブロツク５
０によつて構成されている。

以下各部について順に説明すると、まず脚１０
は一定長の棒状部材より構成される。第１図にお
ける符号１１はゴム製の脚先部である。なお、こ
の考案にあつては、脚１０自体にはその伸縮のた
めの特別な構成を何ら必要としない。

ベース２０は、図のような皿状本体部２１を有
し、該本体部にボルト２２等によるドラム本体へ
の取付部を有する。またベース２０の上面側には
第３図の正面図に図示したような円形の回動面２
５が形成され、該回動面２５には所定の位置決め
状溝２６（２６Ａ，２６ｂ，２６Ｃ）が設けられ
ている。

この位置決め状溝は第１図に関して述べた脚１
０の３つの保持位置Ａ，Ｂ，Ｃに対応してそれぞ
れ２６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃとして形成されている
ことはいうまでもない。

なお第２図ならびに第３図における符号２３は
次述する回動軸３０を立設する孔、２４は脚保持
部材の内側ブロツク４０を回動自在に嵌挿保持す
るための摺動筒部、２７はその回動範囲を規制す
るためのストツパ凸部である。

回動軸３０は、第２図に図示したように前記ベ
ース２０の回動面２５中心に設けられた孔２３よ
り立設され、次述する脚保持部材６０を貫通し、
その先端は締付ねじ部３５として構成される。

次に脚保持部６０について説明すると、該脚保
持部材６０は、第２図の断面図に示したように、
前記脚１０を挟持するための相対向する脚把持部
４１および５１を有する開閉自在な一対の内側ブ
ロツク４０および外側ブロツク５０より構成され
ている。

この脚保持部材６０においては、まず、該部材
の底面部を構成する内側ブロツク４０の下面側に
は、第２図ならびに第４図の底面図からよりよく
理解されるように、突条４３を備えた回動合着面
４２が形成されている。この回動合着面４２は前
記ベース２０の回動面２５に合着するように構成
され、またそこに突設された突条４３は、回動合
着面４２の回動に伴なつてベース２０の回動面２
５に凹設された条溝２６に嵌合するように構成さ
れる。

なお、第４図において、符号４５は前記ベース
２０の摺動筒部２４に嵌挿保持されかつその内側
に後述する第２スプリング６５を装着するための
筒部、４６は前記ベース２０の摺動筒部２４内に
突設したストツパ凸部２７に対して脚保持部材６
０の回動可能範囲を定める切欠部、４７は従つて
そのストツパ部、４８は回動軸３０の挿通孔であ
る。

一方、脚保持部材６０の上面部を構成する外側
ブロツク５０の上面側には、該脚保持部材６０を
貫通する前記回動軸３０の締付ねじ部３５に螺着
する締付ナツト５６を備えた締付部５５が形成さ
れる。第２図の符号５７は座金を示す。

さらに、この脚保持部材６０を構成する一対の
内側ブロツク４０および外側ブロツク５０は次の
ように開閉自在に構成される。

すなわち、内側ブロツク４０および外側ブロツ
ク５０間の回動軸貫通部４９および５９には第１
スプリング６２が前記回動軸３０に巻着されて前
記締付ねじ５６の弛緩によつて両ブロツク４０お
よび５０間が開くように構成されるととも、両ブ
ロツク４０および５０間にストツパピン６１を介
在させて両ブロツクの分離ならびにその開き距離
の規制をなすように構成されている。なお、両ブ
ロツク４０および５０の開き距離はそれらの相対
向する脚把持部４１および５１による脚１０の挟
持が解除される程度で十分であるから概ね0.5〜
１mm程度で足りる。第２図に図示したストツパピ
ン６１はねじ部材よりなり開き距離の調整並びに
取り外しが自在である。

第２図の符号６８は蝶番部で６９はその軸ピン
であるが、前記ストツパピン６１の反対側をこの
ような蝶番機構とすることは開閉がスムーズに行
なえる点で望ましい構造である。

そして、この脚保持部材６０自体は、該脚保持
部の回動のために前記ベース２０に対して弾発的
に保持される。

すなわち、第２図から明らかなように、脚保持
部材６０の内側ブロツク４０とベース２０との間
の前記回動軸３０には第２スプリング６５が巻着
されていて、回動軸３０先端の締付ねじ５６の弛
緩によつて脚保持部材６０とベース２０間が開く
ように構成される。

ここで重要なのは、この第２スプリング６５の
ばね圧を上述した内側ブロツク４０および外側ブ
ロツク５０間に装着した第１スプリング６２のば
ね圧よりも小さくすることである。実施例では第
１スプリング６２の装着時のばね圧が３Kg、第２
スプリング６５の装着時のばね圧が1.5Kgとなる
ように各該当位置に装着した。

このように、ばね圧の大きい第１スプリング６
２およびばね圧の小さい第２スプリング６５を共
通の回動軸３０に対して弾発的に巻着して回動軸
３０先端の締付ねじ５６を弛緩すると、ばね圧の
大きい第１スプリング６２が他方に優先して延
び、内側ブロツク４０および外側ブロツク５０間
が開く。ところで、該内側ブロツク４０および外
側ブロツク５０間にはストツパピン６１が介在さ
れていて第１スプリング６２の一定以上の伸びが
制限されているものであるから、そこから先は第
２スプリング６５が働いて脚保持部材６０とベー
ス２０間が開く。

つまり、締付ナツト５６を緩めることによつ
て、まず脚保持部材６０を構成する内外両ブロツ
ク４０，５０の間が開いて、次いでベース２０と
脚保持部材６０との間が段階的に開くように構成
されるわけである。

次に第５図および第６図についてこの考案構造
の作用および効果を説明すると、この考案におい
ては脚１０の回動および伸縮が締付ナツト５６の
操作一つで行なわれる。

上に述べたように、脚保持部材６０上面の締付
ナツト５６を弛緩すると、まず初めにばね圧の大
きい第１スプリング６２が装着された内外両ブロ
ツク４０，５０の間が開いて、相対向する脚把持
部４１，４２によつて挟持されていた脚１０が開
放されて矢印Ｅ方向に移動可能となる。そして、
ストツパピン６１によつて両ブロツク間の開きが
規制された後に、第２スプリング６５の弾発力に
よつて脚保持部材６０の下側ブロツク４０とベー
ス２０間に開き、この状態で脚保持部材６０が所
定１に回動される。

脚保持部材６０の回動に際しては、ベース２０
の回動面２５に凹設された位置決め条溝２６（２
６Ａ，２６Ｂ，２６Ｃ）および内側ブロツク４０
の回動合着面４２に突設された突条４３の係合に
よつて極めて効率的に行なわれる。第６図および
既に述べた第１図のように、係合位置ＡおよびＢ
は脚１０がドラムを支持する右側および左側位置
で、第５図の係合位置Ｃは脚１０をドラムの胴部
に平行に保持する収納位置である。

脚１０の保持位置が定まると締付ねじ５６を締
付つつ脚の長さを定める。脚１０の長さが決定さ
れた後に緊締して固定する。

なお、実施例では第６図に図示のように、操作
上の便宜を考慮して、ベース２０に設けたストツ
パ凸部２７と内側ブロツク４０筒部のストツパ４
７，４７と係合させて、脚保持ブロツク６０の回
動位置ならびにその範囲を制御している。

以上図示し説明したように、この考案の支持脚
構造は、脚の所定の保持位置への回動ならびに床
面に対する脚の伸縮が、単一の締付部材によつて
極めて単純かつ簡単な構造で達成され、しかもそ
の操作がワンタツチで行なうことができるように
なつた。

従つて、従来のこの種構造に比して、部品点数
の減少、それに伴なうトラブルならびにコストの
減少、組付の容易性ならびに効率性、使用者にお
ける使用感の良好性等、この考案構造は大きな有
利性を備えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る脚支持構造の全体正面
図、第２図はその要部の断面図、第３図はベース
の回動面を示す正面図、第４図は脚保持部材の内
側ブロツク下面の回動合着面を示す底面図、第５
図は脚保持部材の拡大正面図、第６図は脚保持部
材とベース回動面との係合状態を表わす断面図で
ある。 １０……脚、２０……ベース、２５……回動
面、２６……位置決め条溝、３０……回動軸、３
５……締付ねじ部、４０……内側ブロツク、４１
……脚保持部、４２……回動合着面、４３……突
条、５０……外側ブロツク、５１……脚把持部、
５５……締付部、５６……締付ナツト、６０……
脚保持部材、６１……ストツパピン、６２……第
１スプリング、６５……第２スプリング、Ｄ……
バスドラム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状部材よりなる脚１０と、 ドラム本体への取付部を有し、上面側に所定の
   位置決め条溝２６が形成された回動面２５を備え
   たベース２０と、 前記ベースの回動面の中心より立設され先端が
   締付ねじ部３５として構成された回動軸３０と、 相対向する脚把持部４１，５１によつて前記脚
   を挟持する一対の内側ブロツク４０および外側ブ
   ロツク５０よりなる脚保持部材６０からなり、 前記脚保持部材において、前記内側ブロツク下
   面側には前記ベースの回動面に合着しかつその条
   溝に嵌合する突条４３を備えた回動合着面４２が
   形成され、前記外側ブロツクの上面側には前記回
   動軸の締付ねじ部に螺着する締付ナツト５６を備
   えた締付部５５が形成されているとともに、前記
   内側ブロツクおよび外側ブロツク間には一定の間
   隙が前記締付ねじの弛緩によつて形成されるよう
   にストツパピン６１の介在の下に両ブロツクに貫
   通された前記回動軸に第１スプリング６２が巻着
   されており、また前記内側ブロツクと前記ベース
   との間には前記第１スプリングより小さいばね圧
   をもつた第２スプリング６５が前記回動軸に巻着
   されていて、前記締付ねじの弛緩によつて脚保持
   部材の両ブロツクの間が開いた後に前記ベースと
   脚保持部材との間が段階的に開くように構成され
   ていることを特徴とするバスドラムの支持脚構
   造。