JPH0334555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカメラの底部に装着した状態でカメラ
と共に持ち運ぶことができる小型のカメラ用の三
脚に関する。

〔従来の技術及び解決すべき問題点〕

従来カメラ用の三脚は、小型かつ軽量のもので
あつても使用するとき以外はカメラからこれを分
離しておき、撮影時におけるカメラの機動性また
は操作性に影響を与えないようにしておくのが普
通である。

したがつて三脚を使用するときには、その都
度、カメラに三脚を取付けなければならないとい
う煩わしさがあつた。

本考案は、上記従来の問題点を解決し、使用し
ないときにはカメラ本体下部の延長上にあたかも
カメラの一部分であるかの如く箱形状に装着した
ままにしておくことができるようにしたカメラ用
の三脚を提供せんとするものである。

また、脚体の回動と雲台のチルト動を同時に固
定可能な三脚を提供せんとするものである。

〔問題点の解決手段〕

このため本考案に係るカメラ用の三脚は、雲台
と脚体とを備えてなるカメラ用の三脚において、
板状の雲台に対し脚体を相互の端部において回動
可能に二つ折り自在に連結すると共に、上記脚体
を左脚と右脚とそれらの間に位置する中脚とが同
一平面内で平行に隣接している状態を閉脚状態と
するように連結し、上記脚体の中脚は雲台チルト
軸と中子金具を介して雲台に対し回動かつチルト
動自在に取付け、左脚と右脚は脚取付板を介して
中脚に対し上記平面内において左または右方向に
所定角回動開脚自在に軸支させて取付け、上記中
子金具は、中脚が回動する垂直平面に対して直交
する方向に形成した雲台への取付用の透孔と、該
透孔と直交する方向に形成した雲台チルト軸取付
用の透孔と、中子金具の中央部分で雲台への取付
用の透孔を横切つて雲台チルト軸取付用の透孔に
到る雲台チルト軸固定用のすり割とを備え、雲台
端部の二又状の軸受及び中子金具の雲台への取付
用の透孔にロツクレバーと係合したローレツト付
ボルトを挿通させ、該ローレツト付ボルトの先端
に上記軸受にスライド可能に係合したローレツト
付ナツトを螺合させて上記中子金具を締付け、中
子金具及び雲台チルト軸を同時固定可能にしてな
る構成である。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本考案におけるカメラ用雲台は、雲台１６と脚
体１Ａとを備えてなるカメラ用の三脚において、
板状の雲台１６に対し脚体１Ａを相互の端部にお
いて回動可能に二つ折り自在に連結すると共に、
上記脚体１Ａを左脚２と右脚３とそれらの間に位
置する中脚４とが同一平面内で平行に隣接してい
る状態を閉脚状態とするように連結し、上記脚体
１Ａの中脚４は雲台チルト軸１７と中子金具１８
を介して雲台１６に対し回動かつチルト動自在に
取付け、左脚２と右脚３は脚取付板１を介して中
脚４に対し上記平面内において左または右方向に
所定角回動開脚自在に軸支させて取付け、上記中
子金具１８は、中脚４が回動する垂直平面に対し
て直交する方向に形成した雲台１６への取付用の
透孔１９と、該透孔と直交する方向に形成した雲
台チルト軸１７取付用の透孔１８′と、中子金具
１８の中央部分で雲台１６への取付用の透孔１９
を横切つて雲台チルト軸１７取付用の透孔に到る
雲台チルト軸１７固定用のすり割２０とを備え、
雲台１６端部の二又状の軸受２３，２４及び中子
金具１８の雲台１６への取付用の透孔１９にロツ
クレバー２５と係合したローレツト付ボルト２１
を挿通させ、該ローレツト付ボルト２１の先端に
上記軸受２３にスライド可能に係合したローレツ
ト付ナツト２２を螺合させて上記中子金具１８を
締付け、中子金具１８及び雲台チルト軸１７を同
時固定可能にしてなる。

上記した脚体１Ａは、脚取付板１に、合成樹脂
で作られた四角柱状の左脚２、右脚３及び中脚４
をそれぞれ回動自在に軸支してなり、中脚４の上
端に固着した中子金具１８をカメラ載置用の雲台
１６に対して回動自在に取付けてなる。

左脚２は脚取付板１の左側の透孔５に対し、右
脚３は対称位置にある右側の透孔６に対し、段付
ネジ７，８によつてそれぞれ回動自在に取付けて
ある。ただし、これら左脚２及び右脚３の回動範
囲は脚取付板１によつて規制されている。即ち、
両脚２，３はそれぞれ開脚方向への回動に対して
は脚取付板１のくびれ部９，１０に左脚２、右脚
３の上端角部が当接することによつて、また、閉
脚方向への回動に対しては脚取付板１の側面１
１，１２に左脚２、右脚３の側面が当接すること
によつて夫々規制されている。即ち、左脚２及び
右脚３は、上述の如く脚取付板１へ取付けられる
ことにより、一つの平面内で左右に開閉動でき
る。一方、中脚４は該脚取付板１の上部に設けた
ナベネジ１３に対して回動自在に軸支させて取付
けてある。即ち、回動中心となるこのナベネジ１
３は、前記透孔５，６から等距離の位置で脚取付
板１の二又部分に架設され、かつ一方の端をナツ
ト１３′で固定してある。

このため、この中脚４は開脚状態における左脚
２と右脚３の二等分線を含む垂直平面内において
左脚２及び右脚３とは別個に回動できる。もつと
も、その開脚方向への回動に対しては脚取付板１
の二又部の基部１４に中脚４の上端下面が当接す
ることによつて回動範囲が規制される。また、閉
脚方向への回動に対しては脚取付板１の下端上面
部１５に中脚の中間下面が当接することによつ
て、その回動範囲が規制される。

なお、詳細には図示せぬが、各脚部材は開脚位
置及び閉脚位置において夫々状態保持のためのデ
テント手段を備えている。

雲台１６は、カメラの底部にカメラ止めネジ２
６で固定するものであるが、この雲台１６に対し
て前述した構成の脚体１Ａが相対的に回動および
チルト動可能に軸支されて取付けられる。即ち、
中脚４の上端部は、脚体１Ａを開脚状態とし、水
平に設置したときに水平となる方向に雲台チルト
軸１７が固着され、雲台チルト軸１７に対し楔型
の中子金具１８が、透孔１８′により、第７図ａ，
ｂ，ｃに示す矢印方向に各略13度ずつ傾斜可能に
軸支されて取付けられる。

また、中子金具１８には、中脚４が回動する前
記垂直平面に対して直交する方向に延びる透孔１
９が設けてある。また同じく中子金具１８の中央
部分には、透孔１９を横切つて透孔１８′に至る
すり割２０が設けてある。

この中子金具１８は、雲台１６の左端側に二又
状に設けられた前後の軸受２３，２４に対して、
透孔１９を貫通するローレツト付ボルト２１とロ
ーレツト付ナツト２２によつて回動可能に軸支さ
せて取付けてある。即ち、ローレツト付ボルト２
１の軸部は、雲台１６の一方の軸受２４と中子金
具１８と雲台１６の他方の軸受２３とを挿通し突
端にローレツト付ナツト２２が螺着して固定して
ある。

このローレツト付ナツト２２の後側端面は中子
金具１８の前側端面に回動自在に当接しており、
その外周面のローレツトは、雲台１６の軸受２３
に設けられた対応するローレツトに対して係合さ
せてある。このためローレツト付ナツト２２は、
ボルト２１の軸線方向に摺動自在に、かつ、その
軸線回りには軸受２３と一体となつて回転するよ
うになつている。

また、ローレツト付ボルト２１の頭にはローレ
ツトに噛合させてロツクレバー２５が固定してあ
る。そして、このロツクレバー２５を介してロー
レツト付ボルト２１を時計方向に回転させると、
ローレツト付ナツト２２がボルト２１に引き寄せ
られるととも、中子金具１８が軸受２４に押し付
けられ、その結果、ローレツト付ボルト２１回り
における雲台１６の運動が固定される。このとき
同時に中子金具１８のすり割２０の間隔が縮小し
て透孔１８′の径が小さくなり、雲台１６の雲台
チルト軸１７回りの運動も固定される。また、逆
方向に回転することにより、それらの固定が解除
される。

次に、この三脚を使用する場合の操作を説明す
る。

まず三本の脚２，３，４を閉脚状態にして雲台
１６の下側へ二つ折り状に畳みこんだ状態（第３
図）から、三本の脚２，３，４を一体的に回動さ
せて引き下ろす（第４図）。雲台１６と三本の脚
２，３，４とが適当な角度をなすまで回動させた
ところで、中脚４を指で押えつつ左脚２及び右脚
３を更に回動させる（第５図）。そして左脚２と
右脚３を一杯に回動させたところで、両脚２，３
を同一平面内で左右方向に開脚させれば、三本の
脚２，３，４は予め定められた回動範囲によつて
規定される安定状態に開いて位置決めされる（第
６図）。

その後雲台１６を中脚４の回動する平面と同一
平面内で回動させ、例えば第６図中想像線で示す
ような垂直状態にすることもできる。また、第７
図ａ，ｂ，ｃのように雲台チルト軸１７のまわり
に回動させることもでき、雲台１６上のカメラ用
は、所望の状態にセツトできる。

〔考案の効果〕

本考案に係るカメラ用の三脚は、その構成を、
脚体を雲台に対し二つ折り自在に連結し、かつ上
記脚体を構成する左脚と右脚とそれらの間に位置
する中脚とが、同一平面内で平行に隣接している
状態を閉脚状態となるよう連結したため、使用し
ないときにはカメラ本体下部にあたかもカメラの
一部分であるかの如く二つ折り状でコンパクトに
装着したままにしておくことができるという効果
を奏する。

しかも本考案は、上記脚体を構成する三本の脚
の連結部位で、上記左右の脚を、夫々上記平面内
において左または右方向に所定角回動して開脚自
在に軸支させて取付け、かつ上記中脚を該平面に
対して前後方向に所定角回動して開脚自在に軸支
させて取付けるようにしてあるため、雲台に対し
脚体をコンパクトに二つ折り状にするに拘わら
ず、三つの脚を左右及び前後に開脚することによ
つて、安定した雲台としての使用をなしうる効果
がある。

更に本考案は、上記脚体を雲台に対し、雲台チ
ルト軸を介してチルト動可能に取付けてあるの
で、上記のように三本の脚体を回動開脚して安定
した雲台の使用に加えて、この雲台をチルト動さ
せることもできて、カメラを前後方向に傾斜させ
て所望の状態にセツトできるという効果もある。

そして更に、中子金具に雲台への取付用の透孔
と、雲台チルト軸取付用の透孔と、雲台への取付
用の透孔から雲台チルト軸取付用の透孔に到るす
り割を設け、雲台への取付用の透孔及び雲台端部
の軸受にロツクレバーと係合したローレツト付ボ
ルトを挿通し、その先端に軸受に対してスライド
可能なローレツト付ナツトを螺合させて中子金具
を締付けることにより、中子金具及び雲台チルト
軸を同時に固定でき、操作性が良好となるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の開脚状態を示す斜
視図、第２図は分解斜視図、第３図は閉脚収納状
態の斜視図、第４図は三本の脚を一体にして回動
させ雲台の下側から若干引き下した状態の斜視
図、第５図は第４図の状態から左右脚を更に回動
させた状態の斜視図、第６図は開脚状態及び雲台
の回動を示す斜視図、第７図ａ，ｂ，ｃは雲台の
チルト状態を示す側面図である。 １Ａ……脚体、１……脚取付板、２……左脚、
３……右脚、４……中脚、１６……雲台、１７…
…雲台チルト軸、１８……中子金具、１８′，１
９……透孔、２１……ローレツト付ボルト、２２
……ローレツト付ナツト、２３，２４……軸受、
２５……ロツクレバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 雲台と脚体とを備えてなる下記要件を備えたこ
   とを特徴とするカメラ用の三脚。 (イ) 板状の雲台に対し脚体を相互の端部において
   回動可能に二つ折り自在に連結すると共に、上
   記脚体を左脚と右脚とそれらの間に位置する中
   脚とが同一平面内で平行に隣接している状態を
   閉脚状態とするように連結してなる。 (ロ) 上記脚体の中脚は雲台チルト軸と中子金具を
   介して雲台に対し回動かつチルト動自在に取付
   け、左脚と右脚は脚取付板を介して中脚に対し
   上記平面内において左または右方向に所定角回
   動開脚自在に軸支させて取付けてなる。 (ハ) 上記中子金具は、中脚が回動する垂直平面に
   対して直交する方向に形成した雲台への取付用
   の透孔と、該透孔と直交する方向に形成した雲
   台チルト軸取付用の透孔と、中子金具の中央部
   分で雲台への取付用の透孔を横切つて雲台チル
   ト軸取付用の透孔に到る雲台チルト軸固定用の
   すり割とを備えてなる。 (ニ) 雲台端部の二又状の軸受及び中子金具の雲台
   への取付用の透孔にロツクレバーと係合したロ
   ーレツト付ボルトを挿通させ、該ローレツト付
   ボルトの先端に上記軸受にスライド可能に係合
   したローレツト付ナツトを螺合させて上記中子
   金具を締付け、中子金具及び雲台チルト軸を同
   時固定可能にしてなる。