JPH05294955A - 新規フォルスコリン誘導体 - Google Patents

新規フォルスコリン誘導体

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JPH05294955A
JPH05294955A JP14660791A JP14660791A JPH05294955A JP H05294955 A JPH05294955 A JP H05294955A JP 14660791 A JP14660791 A JP 14660791A JP 14660791 A JP14660791 A JP 14660791A JP H05294955 A JPH05294955 A JP H05294955A
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forskolin
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acid
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Tochirou Tatee
栃郎 舘江
Takashi Takahira
孝 高平
Masao Sakurai
正夫 桜井
Kazuhisa Narita
和久 成田
Akira Shiozawa
明 塩沢
Yukikazu Yamashita
幸和 山下
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は例えば式 【化1】 で示されるフオルスコリン誘導体に関する。 【効果】この化合物は強力な陽性変力作用、血圧降下作
用、アデニル酸シクラ−ゼ活性化作用を有し、かつ水溶
性の高いもので、心不全治療薬等の医薬品として期待さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陽性変力作用、血圧降下
作用、アデニル酸シクラ−ゼ活性化作用を有する新規な
フオルスコリン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】陽性変力作用及び血圧降下作用、アデニ
ル酸シクラーゼ活性化作用を有するフオルスコリンはす
でに知られている〔特開昭52−79015、ドラッグ
リサーチ(Drug Research), 31 1248(198
1)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらフオルス
コリンは水難溶性で水に室温で0.0026%しか溶解
せず、製剤的工夫が必要のため水溶性誘導体が望まれて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、種
々検討した結果、一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、 I.R1 が水素原子、R4 はビニル基、エチル基または
シクロプロピル基である場合、
【0007】(1)R2 、R3 のどちらか一方は部分構
造式CO(CH2 )mNR5 6 (ここでR5 , R6
水素原子、低級アルキル基または、R5 とR6 が結合
し、その結合鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいても
よい低級アルキレン基であり、mは1〜5の整数であ
る)を示し、他方は水素原子または部分構造式CO(C
2)nXで表わされる基(ここでXは水素原子または
式NR7 8 で示される基(ここでR7 ,R8 は水素原
子、低級アルキル基またはR7 とR8 が結合し、結合鎖
中に酸素原子または窒素原子を含んでいてもよい低級ア
ルキレン基であり、nは1〜5の整数である。)を示
す。但し、R3 がアセチル基であり、R4 がビニル基で
あるときR2 はジメチルアミノプロピオニル基以外の基
である。)を示すかまたは、
【0008】(2)R2 が水素原子または−COCH2
CH2 CO2 Hである場合、R3 は水素原子、式−CO
CH3,−COCH2 CH2 CH2 CO2 H、または−C
OCH(OH)CH2 OH(但し、R2 が水素原子のと
きR3 は水素原子およびCOCH3 以外の基である。)
を示し
【0009】II.R1 が部分構造式CO(CH2 )pC
2 H、またはCO(CH2 )qNR9 10 で表わさ
れる基(ここでR9,R10は水素原子または低級アルキル
基であり、pは0〜5、qは1〜5の整数である。)を
示す場合、R2 は水素原子、R3 はアセチル基、R4
ビニル基を示す〕で表わされるフオルスコリン誘導体お
よびその生理的に許容される塩が酸性、中性、または塩
基性でフオルスコリン以上の水溶性を有し、しかも陽性
変力作用、血圧降下作用、アデニル酸シクラーゼ活性化
作用を有することを見い出した。
【0010】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。
【0011】前記一般式(I)において低級アルキル基
としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基な
どの炭素数1〜4のアルキル基があげられる。又、結合
鎖中に酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい低級ア
ルキレン基としては、例えば−(CH2 3 −,−(−
CH2 −)4 −, −(−CH2 −)5 −,−(−CH2
−)2 −NH−(CH2 −)2 −,(CH2 2 −O−
(CH2 −)2 −などC3 〜C5 のものがあげられる。
【0012】上記一般式(I)のR2 又はR3 における
−CO−(−CH2 n −NR5 6 として例えばジメ
チルアミノアセチル基、ジエチルアミノアセチル基、ジ
エチルアミノプロピオニル基、ブチルアミノアセチル
基、アミノプロピオニル基、アミノブチリル基、メチル
アミノプロピオニル基、ジメチルアミノプロピオニル
基、ジメチルアミノブチリル基、ピロリジノブチリル
基、ピロリジノアセチル基、ピペラジノアセチル基、モ
ルホリノアセチル基などがあげられる。又、他方の−C
O−(−CH2 −)n −Xとしては例えばアセチル基、
プロピオニル基、ブチル基及び上記の各種アミノアシル
基と同じアミノアシル基などがあげられる。好ましい化
合物としてR3 が低級アルキルカルボニル基例えばアセ
チル基、R2 が−CO(CH2 n −NR5 6 でn=
1〜4、R5 及びR6 が低級アルキル基の化合物があげ
られる。
【0013】次に一般式(I)で示される化合物の製造
法につき説明する。 1.一般式(I)においてR1 とR2 がともに水素原
子、R3 が−CO(CH2m NR5 6 である化合物
は、下記のいずれかの方法により製造できる。
【0014】(1)7−デアセチルフオルスコリン(R
1 =R2 =R3 =H,R4 =−CH=CH2 ),または
7−デアセチル−14,15−ジヒドロフオルスコリン
(R1 =R2 =R3 =H,R4 =CH2 CH3 )また
は、13−シクロプロピル−7−デアセチル−14,1
5 ジノルフオスコリン(R1 =R2 =R3 =H,R4
=シクロプロピル基)に一般式(II) R5 6 N(CH2 m CO2 H (II) 〔式中、R5 ,R6 およびm は前記と同じ〕で表わされ
る化合物またはその反応性誘導体を縮合させることによ
り、R3 =−CO(CH2 m NR5 6 の化合物を得
ることができる。
【0015】(2)7−デアセチルフオルスコリン7−
デアセチル−14,15−ジヒドロフオルスコリンまた
は13−シクロプロピル−7−デアセチル−14,15
−ジノルフオルスコリンに一般式(III) Y−(−CH2 −)m −COOH (III) 〔式中、Yはハロゲン原子又はアルキルもしくはアリ−
ルスルホニルオキシ基を示し、m は前記と同じ〕で表わ
される化合物又はその反応誘導体を縮合させ、次いで一
般式(IV) R5 6 N−H (IV) 〔式中、R5 ,R6 は前記と同じ〕で表われれる化合物
を反応させることにより、(1)同様R3 =−CO(C
2m NR5 6 の化合物を得ることができる。
【0016】(3)7−デアセチルフオルスコリンまた
は7−デアセチル−14,15−ジヒドロフオルスコリ
ンまたは13−シクロプロピル−7−デアセチル−1
4,15−ジノルフオルスコリンに一般式(V) CH=CH2 −(−CH2 m'-2 −COOH
(V) 〔式中、m' は2〜4の整数を示す〕で表わされる化合
物又はその反応性誘導体を縮合させ、次いで上記一般式
(IV)で表わされる化合物を反応させる。
【0017】上記(1)〜(3)の縮合において一般式
(II),(III),(V)の化合物としてカルボン酸そのものを使
用する場合はベンゼン、クロロホルム、エ−テル、酢酸
エチル等の溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、
ジシクロヘキシルカルボジイミド+4−ジメチルアミノ
ピリジン、カルボニルジイミダゾ−ル又はジフエニルホ
スホリルアジド等を用いて、例えば−20℃〜200℃
の温度で通常は氷冷下から溶媒の沸点付近で0.5〜7
2時間好ましくは2〜48時間縮合反応を行うのが好ま
しい結果を与える。
【0018】ここで一般式(II)の化合物としては例えば
ジメチルアミノ酢酸、n−ブチルアミノ酢酸、ジエチル
アミノ酢酸、ピロリジノ酢酸、ピペラジノ酢酸、モノホ
リノ酢酸、ジメチルアミノプロピオン酸、ピロリジノ酪
酸などがあげられる。
【0019】一般式(III) の化合物としては例えばクロ
ル酢酸、ブロム酢酸などのハロゲノ酢酸、クロルプロピ
オン酸、クロル酪酸、クロル吉草酸、メタンスルホニル
オキシ酢酸、p−トルエンスルホニルオキシ酪酸、メタ
ンスルホニルオキシ吉草酸などがあげられる。
【0020】一般式(V) の化合物としては例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸などがあ
げられる。
【0021】上記(1)〜(3)の縮合において一般式
(II),(III),(V)の反応性誘導体を使用する場合は、ベン
ゼン、クロロホルム、エ−テル、酢酸エチル等の溶媒中
ピリジン又はトリエチルアミン等の塩基を用いて反応さ
せることにより得られる。反応は氷冷下から溶媒の沸点
付近で2〜48時間行うのが好ましい結果を与える。
【0022】反応性誘導体としては、例えば酸ハロゲン
化物、酸無水物、混合酸無水物、ロイヒの無水物などが
あげられる。
【0023】上記(2),(3)の製法において一般式
(IV)のアミンとの反応は、ジクロロメタンなどの溶媒
中、氷冷下0.5〜5時間程度攪拌することによりおこ
なわれる。
【0024】一般式(IV)のアミンとしては例えば、ジメ
チルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジ
ン、ピペラジン、モルホリンなどがあげられる。
【0025】(4)7−デアセチルフオルスコリンに無
水グルタル酸をベンゼン、クロロホルム、エ−テル、酢
酸エチル等の溶媒中、ピリジン又はトルエチルアミン等
の塩基を用いて反応させることによりNo. 26の化合物
が得られる。反応は氷冷下から溶媒の沸点付近で2〜4
8時間行うのが好ましい結果を与える。
【0026】(5)7−デアセチルフオルスコリンにグ
リセリン酸又はその反応性誘導体を縮合させることによ
りNo. 27の化合物が得られる。縮合のさいグリセリン
酸そのものを使用する場合はベンゼン、クロロホルム、
エ−テル、酢酸エチル等の溶媒中、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド+4−
ジメチルアミノピリジン、カルボニルジイミダゾール又
はジフエニルホスホリルアジド等を用いて、例えば氷冷
下から溶媒の沸点付近で2〜48時間縮合反応を行うの
が好ましい結果を与える。
【0027】縮合のさい反応性誘導体を使用する場合は
ベンゼン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル等の溶
媒中、ピリジン又はトリエチルアミン等の塩基を用いて
反応せることにより得られる。反応は氷冷下から溶媒の
沸点付近で2〜48時間行うのが好ましい結果を与え
る。反応性誘導体としては、例えば酸ハロゲン化物、酸
無水物、混合酸無水物、ロイヒの無水物などがあげられ
る。
【0028】2.一般式(I)においてR2 が水素原子
以外の基であり、R1 とR3 がともに水素原子である化
合物は前記1の方法により得られた7位置換フオルスコ
リンまたは7−置換−14,15−ジヒドロフオルスコ
リンまたは7−置換−13−シクロプロピル−14,1
5−ジノルフオルスコリンの7位の置換基を6位に転位
させることにより得ることができる。
【0029】転位反応は、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、メタノール、アセトン、ア
セトニトリルジオキサン、テトラヒドロフラン等の有機
溶媒中、あるいはそれぞれの溶媒と水との混合溶媒中、
好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドあるいはアセ
トニトリルと水と混合溶媒中、0.1〜10等量の、好
ましくは1〜3等量のアルカリ金属・水素化物、水酸化
物、炭酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、あ
るいは、トリエチルアミンなどのトリ低級アルキルアミ
ン、1,8−ジアゼビシクロ〔5,4,0〕−7−ウン
デセン等の有機塩基を7位置換フオルスコリンに作用さ
せることによりおこなわれる。反応は約−20℃〜約2
00℃の温度通常は氷冷下から溶媒の沸点付近で1分〜
48時間、好ましくは室温で30分〜1時間行う。
【0030】なお前記1の(2)又は(3)の縮合工程
で得られた中間体を上記2と同様に処理した後、前記式
(IV)のアミンと反応させることによっても得ることがで
きる。
【0031】3.一般式(I)においてR2 が−COC
2 CH2 COOHであり、R1 とR3 がともに水素原
子である化合物は、次のようにして得ることができる。
即ち、前記1(4)の方法において無水グルタル酸のか
わりに無水コハク酸を用いて7−置換フオルスコリンを
得、ついで7位の置換基を6位に転位させることにより
得ることができる。
【0032】転位反応はジメチルスルホキシド、N,N
−ジメチルホルムアミド、メタノール、アセトン、アセ
トニトリル等の極性溶媒中、あるいはそれぞれの溶媒と
水との混合溶媒中、好ましくはN,N−ジメチルホルム
アミドあるいはアセトニトリルと水との混合溶媒中、
0.1〜10等量の好ましくは1〜3等量の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリ
ウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、1,8
−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン等の
有機塩基を7位置換フオルスコリンに作用させることに
よりおこなわれる。反応は氷冷下から溶媒の沸点付近で
1分〜48時間、好ましくは室温で30分〜1時間行
う。
【0033】4.一般式(I)においてR1 が水素原子
であり、R2 ,R3 がともに水素原子以外の基である下
記化合物は次のいずれかの方法により得ることができ
る。 (1)前記2の方法により得られた6−置換−7−デア
セチルフオルスコリン、6−置換−7−デアセチル−1
4,15−ジヒドロフォルスコリンまたは6−置換−1
3−シクロプロピル−7−デアセチル14,15−ジノ
ルフオルスコリン又は前記と同様の方法により得られる
6−アルカノイル−7−デアセチル−フオルスコリンに
一般式 Y−(−CH2 −)m −COOH (VI) 〔式中、Y,m は前記と同じ〕で表わされる化合物又は
その反応性誘導体を前記1(1)と同様にして縮合させ
る。
【0034】一般式(VI)の化合物としては、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸、及び一般式(II)の化合物とし
て例示されたものなどがあげられる。
【0035】(2)7位の置換基が窒素を有する基であ
る化合物の場合は前記1(2)又は(3)で用いる7−
デアセチルフオルスコリンのかわりに前記2の方法によ
り得られた6位置換−7−デアセチルフオルスコリン6
−置換−7−デアセチル−14,15−ジヒドロフオル
スコリンまたは6−置換−13−シクロプロピル−1
4,15−ジノルフオルスコリン又は前記2と同様の方
法により得られる6アルカノイル−7−デアセチルフオ
ルスコリンを用い前記1(2)又は(3)と同様の反応
をおこなうことにより得られる。
【0036】(3)一般式(I)において、R1 が水素
原子でありR2 が−COCH2 CH2COOHであり、
かつR3 がCOCH3 、COCH2 CH2 CH2 COO
H、または−COCH(OH)CH2 OHである場合、
第1の工程として前記3の方法により、6−(2−カル
ボキシエチルカルボニル)−7−デアセチルフオルスコ
リンを合成し、次に酢酸またはその反応性誘導体を反応
させるか、あるいは前記1の(4)または(5)の方法
によりアシル化を行い目的物を得ることができる。
【0037】なお、上記1〜4の反応において原料であ
る7−デアセチルフオルスコリン等のかわりに、1位水
酸基をアセチル基等のアシル基、メチルエ−テル基等の
エ−テル基、t−ブチルジメチルシリルエ−テル基等の
シリルエ−テル基等で保護した化合物を用い、最終工程
でその保護基を除去することによっても一般式(I)の
本発明化合物を得ることができる。
【0038】5.一般式(I)においてR4 がエチル基
またはシクロプロピル基である6および/または7−ジ
(またはモノ)置換−13−シクロプロピルまたは1
4,15−ジヒドロ−フオルスコリンは、上記1〜3の
製造法により製造された6および/または7−ジ(また
はモノ)置換−フオルスコリンを水素添加するか酢酸パ
ラジウム等を触媒としてジアゾメタンを反応させること
により製造することができる。
【0039】6.一般式(I)において、R1 が−CO
(CH2 )pCOOHまたは−CO−(CH2 )qNR
9 10である化合物は一般式(I)おいてR1 が水素原
子である化合物に、一般式 HOOC(CH2 )pCOOH又はR9 10N(CH2 )qCOOH で表わされるカルボン酸又はその反応性誘導体を、溶媒
中で−20℃〜200℃で反応させることによって得ら
れる。
【0040】上記1〜6の反応でR1 ,R2 ,R3 上の
カルボキシル基、水酸基はメチルエステル基、エチルエ
ステル基等のエステル基、アセチル基等のアシル基、メ
チルエ−テル基、アセトニド基等のエ−テル基、t−ブ
チルジメチルシリルエーテル基等のシリルエーテル基等
で保護した化合物を用い、またR1 ,R2 ,R3 上のア
ミノ基はアセチル基等のアシル基、t−ブチルジメチル
シリルエ−テル基等のシリルエ−テル基等で保護した化
合物を用い最終行程でその保護基を除去することによっ
ても一般式(I)の本発明化合物を得ることができる。
【0041】上記反応は特別断わらないかぎり、いずれ
も有機溶媒もしくはそれらと水との混合溶媒中で行うの
が好ましい本発明化合物は、反応液から通常の方法で精
製単離され、反応条件、又処理する方法によって遊離塩
基、遊離酸又は塩として得られる。
【0042】遊離塩基、遊離酸は所望により常法により
塩にそれぞれすることができる。塩としては、塩酸塩、
臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩又はギ酸
塩、酢酸基、フマ−ル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸
塩、酒石酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸
塩にすることができる。遊離酸はナトリウム塩、カリウ
ム酸、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩又は4
級アンモニウム塩、ピリジニウム塩等の有機塩基酸にす
ることができる。
【0043】なお、本発明の化合物の中でR2 又はR3
中に不斉炭素を有しているものは理論上光学異性体が存
在するので、本発明はそれらの光学異性体を包含するも
のである。光学異性体は公知の方法、例えばクロマトグ
ラフィー、分別結晶等の方法で分離することができる。
【0044】次に上記方法により製造された本発明の化
合物を第1表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【作用】次に本発明化合物の作用について説明する。 1.陽性変力作用、血圧降下作用 ビ−グル又は雑種の成犬を雌雄を問わずペントバルビタ
ールナトリウム麻酔下、左心室内圧測定のため頸動脈よ
りポリエチレンチュ−ブを左心室内に至るまで挿入、又
血圧測定のため大腿動脈にポリエチレンチューブを挿入
する。これらポリエチレンチューブを圧トランスデュー
サーに接続し、圧ひずみ計を介してレコ−ダ−上に連続
的に記録する。また左心室内圧の立ち上がり速度(dp/
dt)を微分計によって求め、同様に連続的に記録し、こ
れを変力作用の指標とする。
【0050】薬物の効果はフオルスコリンの各指標に与
える最大反応に対する相対値で表現する。すなわち、フ
オルスコリン30μg/kgを静脈内投与したときのdp/
dt上昇、平均血圧(MBP)降下の最大変化を1とし、
試験化合物をそれぞれ300μg/kgまたは30μg/
kgを静脈内投与したときの最大変化を相対値で表わす。
【0051】2.アデニル酸シクラーゼ活性化作用 アデニル酸シクラーゼ標品として、モルモット心筋のホ
モジネートから得られた膜画分を用いた〔G.I.Drum
mond, D.L.Severson, L.Duncan, J. Biol.Chem.,2
46,4166(1971)〕。
【0052】測定はSalomon らの方法〔Y. Salomon, C.
Londos, M. Rodbell, Anal. Bioc-hem., 58.541
(1974)〕に従い、標識ATPを基質としてアデニ
ル酸シクラーゼにより生成される標識cAMPを測定す
る。反応液は、5mM MgCl2 、20mMクレアチ
ンリン酸、100U/mlクレアチンホスホキナーゼ、1
mM、cAMP,1mM〔14C(U)〕ATP(約7c
pm/pmol)およびフオルスコリンまたは試験化合
物(1μM)を含んだ25mM Tris.HCl(pH 7.
5)で最終容量が100μlとなるように酵素標品を加
えて反応を開始する。酵素量は膜タンパク質として15
0〜200μg/100μlとする。37℃で10分間
反応させた後、反応停止液(2%ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)、40mM ATP,1.4mM cAM
P,pH7.5)100μlを加えて反応を停止させた
のち、cAMPの回収率を知る目的で50μlの
3 H〕cAMP(約20000cpm)を加える。こ
の後Dowex 50樹脂カラムと中性アルミナカラムを用い
てcAMPを分離し、放射能を測定する。
【0053】試験化合物(1μM)のアデニルサイクラ
ーゼ活性化作用は、フオルスコリン(1μM)の活性化
作用に対する百分率で表わす。〔n=4(No. 10,1
7はn=6No. 38,39,41はn=2 )、平均値±
標準誤差〕。次に本発明の代表的化合物について上記
1,2の結果を第2表に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】3.溶解度 本発明化合物について水に対する溶解度を測定した結果
いずれの化合物も0.1%以上の溶解度を示した。フオル
スコリンの水に対する溶解度が0.0026%なので、
本発明化合物はフオルスコリンの38倍以上の溶解度を
有する。
【0058】
【効果】このように本発明化合物は優れた陽性変力作
用、血圧降下作用、アデニル酸シクラーゼ活性化作用及
びフオルスコリンより優れた水溶性を有している。従っ
て、本発明化合物は急性あるいは慢性心不全治療薬、降
圧薬、脳血管拡張薬として期待される。また緑内障、喘
息、免疫不全症、腫瘍、消化器系疾患等のcAMPの調
節異常による疾患に対する治療薬として期待される。こ
の場合の投与量は投与する患者の症状、年令、投与方法
によっても異なるが通常0.01〜30mg/kg/日
である。
【0059】本発明において、好ましい化合物として
は、6−ジメチルアミノアセチルフオルスコリン(化合
物No. 10)
【0060】6−(3−ジメチルアミノプロピオニル)
フオルスコリン(化合物No. 17) 6−(4−ジメチルアミノブチリル)フオルスコリン
(化合物No. 20)
【0061】7−デアセチル−7−(2,3−ジヒドロ
キシプロピオニル)フオルスコリン(化合物No. 27)
【0062】6−(4−アミノブチリル)フオルスコリ
ン(化合物No. 38)
【0063】6−(ピロリジノアセチル)フオルスコリ
ン(化合物No. 39)
【0064】6−(4−ジメチルアミノブチリル)−1
4,15−ジヒドロ・フオルスコリン(化合物No. 4
5)
【0065】などがあげられる。そのうちで特に薬効な
どの点でも優れているものは化合物No.17,20,3
8などである。
【0066】本発明化合物は、適当な製剤用担体と混合
して錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、注射
剤、坐剤、点眼剤、貼付剤、軟膏剤等の製剤とし、経口
的に又非経口的に投与される。特にフオルスコリンより
優れた水溶性を有しているため点滴あるいは静脈内投与
等に適した水溶液製剤とすることができるので非経口投
与の際に優れた治療効果が期待される。
【0067】以下に本発明化合物について実施例を挙げ
て更に具体的に説明する。 実施例1. 7−デアセチル−7−ジメチルアミノアセチルフオルス
コリン(化合物No. 1)
【0068】7−デアセチルフオルスコリン(500m
g)、ピリジン(250mg)、ジクロロメタン(10
ml)の混合液に氷冷下、塩化クロロアセチル(250
mg)のジクロロメタン溶液(1ml)を加え、室温で
1時間攪拌する。次いで氷冷下更にピリジン(75m
g)、塩化アセチル(75mg)のジクロロメタン溶液
(1ml)を加え更に3時間室温で攪拌する。反応終了
後、反応液を減圧下に濃縮しジクロロメタン、未反応の
試薬を留去する。油状物として7−デアセチル−7−ク
ロロアセチルフオルスコリンを得、精製することなく次
の反応を行う。即ち、この油状物をジクロロメタン(1
0ml)に溶解し、氷冷下ジメチルアミン(3ml)を
加え、1時間攪拌する。反応終了後、反応液を減圧下に
濃縮し、得られる残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、
乾燥剤をろ別する。ろ液を減圧下に濃縮し、残渣(78
0mg)をシリカゲルクロマトグラフィ−により精製す
る。酢酸エチルで溶出することにより7−デアセチル−
7−ジメチルアミノアセチルフオルスコリン(468m
g、7−デアセチルフオルスコリンより収率76%)を
得る。
【0069】mp 162〜166℃(ヘキサン−酢
酸エチル) IR(ヌジョ−ル)ν:3450,3200,173
5,1705cm-1 MS m/z(相対強度):453(M+ , 5),35
7(6) 102(71),59(52),58(100) この結晶をジオキサンに溶解し、等モルの塩化水素ジオ
キサン溶液を加えることにより塩酸塩が得られる。 mp 284〜287℃(EtOH) IR(ヌジョ−ル)ν:1740,1710cm-1
【0070】ジメチルアミンの代りに下記のアミンの代
りに下記のアミンを用い、7−デアセチル−7−クロロ
アセチルフオルスコリンとの反応で同様に化合物番号2
〜6が得られる。 収率:7−デアセチルフオルスコリンからの収率。 IRとMSのデータを第3表に示す。
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】実施例2. 7−デアセチル−7−(3−ジメチルアミノプロピオニ
ル)フオルスコリン(化合物No. 7) フオルスコリン(15g)、t−ブチルジメチルクロロ
シラン(11.25g)、イミダゾール(5.25
g)、N,N−ジメチルホルムアミド(45ml)の混
合液を70℃で21時間攪拌する。反応終了後、反応液
を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗後、
硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別する。ろ液を
減圧下に濃縮し粗製の1−(t−ブチルジメチルシリ
ル)−フオルスコリン(21.62g)を得る。
【0074】この油状物(21.62g)をメタノール
(250ml)に溶解し、氷冷下、1N NaOH(4
0ml)を滴下する。室温で一晩攪拌し、反応終了後、
反応液を減圧下に濃縮する。得られる残渣に水を加え酢
酸エチルで抽出する。有機層を水洗後、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、乾燥剤をろ別する。ろ液を減圧下に濃縮
し、残渣(20g)をシリカゲルクロマトグラフィーで
精製するヘキサン−酢酸エチル(5:1)で溶出し、油
状物として1−(t−ブチルジメチルシリル)−7−デ
アセチルフオルスコリン(17.42g、フオルスコリ
ンより99%)を得る。
【0075】IR(neat)ν:3500,3300,1
710cm-1 MS m/z(相対強度):482(M+ ,0.8),
466(100),407(8),311(20),1
91(36),75(100)
【0076】この油状物(1.5g)、ピリジン(32
0mg)、ジクロロメタン(10ml)の混合液に塩化
3−クロロプロピオニル(513mg)を滴下する。室
温で5時間攪拌後、更にピリジン(320mg)、塩化
β−クロロプロピオニル(513mg)を加える。室温
で一晩攪拌し、反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽
出する。有機層を水洗し、乾燥後、乾燥剤をろ別する。
ろ液を濃縮し、油状物として粗製の1−(t−ブチルジ
メチルシリル)−7−(3−クロロプロピオニル(−7
−デアセチルフオルスコリン(2.09g)を得る。
【0077】この油状物(1g)のジクロロメタン溶液
(10ml)に、氷冷下、過剰のジメチルアミンを加え
る。室温で2時間攪拌し、反応終了後、反応液を濃縮
し、油状物として粗製の1−(t−ブチルジメチルシリ
ル)−7−デアセチル−7−(3−ジメチルアミノプロ
ピオニル)フオルスコリン(877mg)を得る。
【0078】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.44
(1H,d,J=4.65Hz,4.62(1H,br
s),4.60(1H,br s),2.86(6H,
s),1.70(3H,s),1.45(3H,s),
1.33(3H,s),1.26(3H,s),1.0
5(3H,s),0.87(9H,s),0.14(3
H,s),0.02(3H,s).
【0079】この油状物(865mg)のメタノール溶
液(10ml)に氷冷下、トリフルオロ酢酸(4ml)
を加え室温で43時間攪拌する。反応終了後、反応液を
濃縮し、得られる残渣を希塩酸で希釈後、酢酸エチルで
洗浄する。水層を28%アンモニア水でアルカリ性に
し、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別する。ろ液を濃縮し、
得られる残渣をヘキサン−ジクロロメタンから再結晶し
て7−デアセチル−7−(3−ジメチルアミノ−プロピ
オニル)フオルスコリン(283mg)を得る。 〔1−(t−ブチルジメチルシリル)−7−デアセチル
フオルスコリンより41%〕
【0080】mp 150=153℃ MS m/z(相対強度):467(M+ ,2),2
02(2),159(8),118(29),92(6
1),91(81),58(100). ジメチルアミンのかわりにジエチルアミンを用いNo. 2
5の化合物が無色油状物として得られた。 収率 69.1% MSm/z:495(M+
【0081】実施例3. 7−デアセチル−7−(4−ピロリジノブチリル)フオ
ルスコリン(化合物No8) 7−デアセチルフオルスコリン(1.3g)、ピリジン
(700mg)、ジクロロメタン(40ml)の混合液
に、氷冷下、塩化4−クロロブチリル(800mg)の
ジクロロメタン溶液(10ml)を加え、室温で3時間
攪拌する。反応終了後、反応液を減圧下に濃縮し、得ら
れる残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
ヘキサン−酢酸エチルで溶出し、油状物として7−(4
−クロロブチリル)−7−デアセチルフオルスコリン
(1.27g)を得る。
【0082】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.53
(1H,d,J=5Hz),4.58(1H,br s),
4.48(1H,br s),3.64(2H,t,J=6H
z),2.62(2H,m),2.18(4H,m),
1.73(3H,s),1.45(3H,s),1.3
5(3H,s),1.27(3H,s),1.04(3
H,s),
【0083】この油状物(1.27g)、ピロリジン
(20ml)、ジクロロメタン(50ml)の混合液を
5日間室温で攪拌する。反応終了後、反応液を減圧下、
濃縮する。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出する。有
機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ
別する。ろ液を減圧下、濃縮し、残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィーで精製する。クロロホルム−メタノ−ル
で溶出し、7−デアセチル−7−(4−ピロリジノブチ
リル)フオルスコリン(109mg、7−デアセチルフ
オルスコリンより6%)を得る。
【0084】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.37
(1H,d,J=4Hz),4.56(1H,m),
4.50(1H,m),2.53(8H,m),1.9
3(2H,m),1.79(4H,m),1.73(3
H,s),1.44(3H,s),1.35(3H,
s),1.26(3H,s),1.03(3H,s). MS m/z(相対強度):507(M+ ,4),1
99(3),156(26),140(10),92
(40),91(52),84(100).
【0085】実施例4. 6−ジメチルアミノアセチル−7−デアセチルフオルス
コリン(化合物No. 9) 実施例1で得られた7−デアセチル−7−ジメチルアミ
ノアセチルフオルスコリン(200mg)をアセトニト
リル−水(45:55)の混合溶媒(20ml)に溶解
し、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.8ml)を加
え、室温て25分攪拌する。反応終了後、反応液を減圧
下に濃縮する。得られる残渣に水を加え、酢酸エチルで
抽出する。有機層を水洗後、硫酸マグネシウムで乾燥
し、乾燥剤をろ別する。ろ液を減圧下に濃縮し、得られ
る残渣(242mg)をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製する。アセトニトリルで溶出することにより6−
ジメチルアミノアセチル−7−デアセチルフオルスコリ
ン(176mg、88%)を得る。
【0086】mp 116−117℃(ヘキサン−酢
酸エチル) IR(ヌジョール)ν:3410,3200,175
0,1720cm-1 MS m/z(相対強度):453(M+ ,5),35
0(2),237(2),219(2),104(1
5),58(100).
【0087】この結晶をジオキサンに溶解し、等モルの
塩化水素−ジオキサン溶液を加えることにより塩酸塩が
得られる。 mp 263−265℃(EtOH) IR(ヌジョール)ν:3490,3230,268
0,1745,1710cm-1 対応する7置換フオルスコリンを用い、同様の転移反応
第4表に示した化合物が得られる。
【0088】
【表10】
【0089】
【表11】
【0090】
【表12】
【0091】実施例5. 6−ジメチルアミノアセチルフオルスコリン(化合物N
o. 10) 6−ジメチルアミノアセチル−7−デアセチルフオルス
コリン(化合物No. 9、587mg)とジクロロメタン
(20ml)の混合液にピリジン(1g)、塩化アセチ
ル(750mg)を4回に分けて加え、室温で7時間攪
拌する。反応終了後、水を加え、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で塩基性にして、ジクロロメタンで抽出する。
有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別す
る。ろ液を濃縮し、得られる残渣(811mg)をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製する。ヘキサン−エ−
テル(1:3)で溶出し、6−ジメチルアミノアセチル
フオルスコリン(444mg、69%)を得る。
【0092】mp 190−193℃(トルエン) IR(ヌジョール)ν:3100,1750,173
0,1720cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.86(1H,d,
J=4Hz),J=2.7Hz),5.56(1H,
d,J=4.9Hz),4.61(1H,br s),3.
18(2H,s),2.31(6H,s),2.04
(3H,s),1.64(3H,s),1.42(3
H,s),1.35(3H,s),1.04(3H,
s),0.96(3H,s). 実施例4と同様の方法で塩酸塩が得られる。 mp 255−260℃(EtOH) IR(ヌジョール)ν:3240,3130,240
0,1750,1725cm-1
【0093】本実施例において、塩化アセチルの代りに
塩化プロピオニル又は塩化ブチリルを使うことによりN
o. 11,12の化合物が得られる(第5表参照)。
又、本実施例において6−ジメチルアミノアセチル−7
−デアセチルフオルスコリンの代りに6−ジエチルアミ
ノアセチル−7−デアセチルフオルスコリン(No. 14
の化合物)、6−(3−ジメチルアミノプロピオニル)
−7−デアセチルフオルスコリン(No. 23の化合
物)、6−(3−ジエチルアミノプロピオニル)−7−
デアセチルフォルスコリン(No. 24の化合物)、6−
(4−ジメチルアミノブチリル)−7−デアセチルフオ
ルスコリン(No. 19の化合物)を使うことにより第5
表に示した。No.15,17,18,20の化合物を得
ることができる。
【0094】
【表13】
【0095】
【表14】
【0096】
【表15】
【0097】
【表16】
【0098】
【表17】
【0099】
【表18】
【0100】実施例6. 6−ジメチルアミノアセチル−7−デアセチル−7−ジ
メチルアミノアセチルフオルスコリン(化合物No. 1
3) 6−ジメチルアミノアセチル−7−デアセチルフオルス
コリン(化合物No. 9、700mg)、ピリジン(14
6mg)、ジクロロメタン(10ml)の混合液に、氷
冷下、塩化クロロアセチル(209mg)を滴下する。
氷冷下、3時間攪拌し、反応終了後、反応液を濃縮す
る。得られる残渣を水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で塩基性とし、酢酸エチルで抽出する。有機層
を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別す
る。ろ液を濃縮し、白色固体として7−クロロアセチル
−7−デアセチル−6−ジメチルアミノアセチルフオル
スコリン(749mg)を得る。
【0101】この白色固体(749g)のジクロロメタ
ン溶液(20ml)を、過剰のジメチルアミンのジクロ
ロメタン溶液(20ml)に、水冷下、滴下し、室温で
1時間攪拌する。反応終了後、反応液に水を加え、ジク
ロロメタンで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾
燥後、乾燥剤をろ別する。ろ液を濃縮し、得られる残渣
(728mg)をシリカゲルクロマトグラフィーで精製
する。ジクロロメタン−アセトン(2:1)で溶出し、
6−ジメチルアミノアセチル−7−デアセチル−7−ジ
メチルアミノアセチルフオルスコリン(186mg、化
合物No. 9より23%)を得る。 mp 180−183℃(ヘキサン−酢酸エチル) MS m/z(相対強度):538(M+ ,58),4
54(8),104(100),102(100).
【0102】同様の方法で6−アセチル−7−デアセチ
ルフオルスコリンを6−アセチル−7−クロロアセチル
−7−デアセチルフオルスコリンに変換し、次いでジメ
チルアミンと反応することにより6−アセチル−7−デ
アセチル−7−ジメチルアミノアセチルフオルスコリン
(化合物No. 21、6−アセチル−7−デアセチルフオ
ルスコリンより88%)を得る。1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.82(1H,q,
J=4.7Hz,J=3.0Hz),5.62(1H,
d,J=4.4Hz),4.61(1H,br s),3.
15(2H,center of AB qnart−et. J=17H
z),2.37(6H,s),2.09(3H,s),
1.66(3H,s),1.44(3H,s),1.3
3(3H,s),1.03(3H,s),0.98(3
H,s).
【0103】同様の方法で6−アセチル−7−デアセチ
ルフオルスコリンを塩化4−クロロブチリルを用いて6
−アセチル−7−(4−クロロブチリル)7−デアセチ
ルフオルスコリンに変換する。1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.83(1H,q,
J=4.3Hz,J=3.1Hz),5.55(1H,
d,J=4.6Hz),4.63(1H,br s),3.
52(2H,m),2.38−2.6(4H,m)2.
10(3H,s),2.04−2.2(3H,m),
1.673H,s),1.44(3H,s),1.36
(3H,s),1.04(3H,s),0.98(3
H,s).
【0104】この化合物をピロリジンを用いて反応させ
6−アセチル−7−デアセチル−7−(4−ピロリジノ
ブチリル)フオルスコリン(化合物No. 22、6−アセ
チル−7−デアセチルフオルスコリンより14%)を得
る。1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.81(1H,q,
J=4.3Hz,J=2.9Hz),5.54(1H,
d,J=4.6Hz),4.60(1H,br s),2.
62(6H,m),2.28−2.44(3Hm),
2.09(3H,s),1.75−1.95(6H,
m),1.65(3H),1.44(3H,s),1.
35(3H,s),1.03(3H,s),0.98
(3H,s).
【0105】実施例7. 7−デアセチル−7−ヘミグルタミンフオルスコリン
(化合物No. 26) 7−デアセチルフオルスコリン(369mg)、無水グ
ルタミン酸(342mg)、ピリジン(5ml)の混合
液を110℃で2時間加熱する。反応終了後、反応液を
減圧下に濃縮し、得られる残渣に水を加え、酢酸エチル
で抽出する。有機層を硫酸銅水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別する。ろ液を減圧下に
濃縮し、得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製する。ヘキサン−酢酸(2:1)、次いでクロロ
ホルム−メタノール(9:1)で溶出し、油状物として
7−デアセチル−7−ヘミグルタリルフオスコリン(化
合物No. 26、270mg、56%)を得る。
【0106】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.49
(1H,q,J=4.0Hz),4.58(1H,br,
s ),4.47(1H,t.J=3.7Hz),2.5
0(4H,m),2.20(2H,m),2.05(2
H,m),1.73(3H,s),1.45(3H,
s),1.35(3H,s),1.27(3H,s),
1.04(3H,s). MS m/z(相対強度):482(M+ ,7),46
4(62),436(10),227(41),115
(84),81(100)
【0107】実施例8. 7−デアセチル−7−(2,3−ジヒドロキシプロピオ
ニル)フオルスコリン(化合物No. 27) 7−デアセチルフオルスコリン(500mg)、ピリジ
ン(300mg)、ジクロロメタン(10ml)の混合
液に氷冷下、2.2−ジメチル−1.3−ジオジクロロ
メタン−酢酸エチル(2:1)で溶出することにより7
−デアセチル−7−(2,3−ジヒドロキシプロピオニ
ル)フオルスコリンのジアステレオマー混合物(A:B
=3:2)を得る。(250mg、91%) mp 160−172℃ IR(nujol)ν:3440,3320,1750,17
30,1700cm-+ MS m/z(相対強度):456(M+ ,5),43
8(77),123(94),99(80),81(1
00).
【0108】実施例9. 6−ヘミサクシニルフオルスコリン(化合物No. 29) (1)フオルスコリン(1g)、t−ブチルジメチルシ
リルクロリド(1.2g)、イミダゾール(1.25
g)とN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)の混合
液を60℃で2時間放置する。反応液を氷水中にあけエ
ーテルで抽出する。エーテル層を水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥する。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧濃縮
し、キンラン−4−カルボ酸クロリド(360mg)の
ジクロロメタン溶液(4ml)を加え、室温で4時間攪
拌する。反応終了後、反応液を減圧下に濃縮し、得られ
た残渣(950mg)をシリカゲルクロマトグラフィー
により精製する。ジクロロメタン−酢酸エチル(10:
1)で溶出することにより7−デアセチルフオルスコリ
ン−7−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−
4−カルボキシラ−ト)のジアステレオマ−混合物を得
る。(557mg、83%) mp 160−165℃ MS m/z(相対強度):496(M+ ,2),47
8(40),131(32),123(36),101
(100),59(30),
【0109】この7−デアセチルフオルスコリン−7−
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カル
ボキシラート(300mg)、70%酢酸(10ml)
の混合液を60℃で2時間攪拌する。反応終了後、反応
液を減圧下に濃縮し、得られた残渣(470mg)をシ
リカゲルクロマトグラフィーで精製する。1−(t−ブ
チルジメチルシリル)フオルスコリン(1.2g)を無
色油状物として得る。
【0110】(2)得られに油状物(1.2g)をメタ
ノール(10ml)に溶解し、1NNaOHを加え、室
温で3時間攪拌する。反応終了後、反応液を水で希釈し
酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥、乾燥剤をろ別する。ろ液を減圧下濃縮
し、残渣(1.0g)をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製する。ヘキサン−酢酸エチル(5:1)で溶出
し、1−(t−ブチルジメチルシリル)−7−デアセチ
ルフオルスコリン(0.85g)を無色油状物として得
る。
【0111】(3)1−(t−ブチルジメチルシリル)
−7−デアセチルフオルスコリン(0.44g)をピリ
ジン(2.0ml)に溶解後、無水コハク酸(4g)を
加え、2時間還流する。反応終了後、ピリジンを減圧下
濃縮し、残渣を酢酸エチルおよび0.1NHClでよく
洗い抽出する。有機層を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾
燥する。乾燥剤をろ別し、ろ液を減圧下濃縮し、1−
(t−ブチルジメチルシリル)−7−ヘミサクシニル−
7−デアセチルフオルスコリン(0.53g、定量的)
を油状物として得る。
【0112】(4)この油状物(250mg)をアセト
ニトリル−水(1:1)の混合溶媒(10ml)に溶解
し、1N水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、室
温で30分攪拌する。反応終了後、反応液を水で希釈、
0.5NHClでpH3としたのち酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
乾燥剤をろ別し、ろ液を濃縮して得られる残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製する。1−(t−
ブチルジメチルシリル)−6−ヘミサクシニル−7−デ
アセチルフオルスコリンを無色油状物(178mg、7
1.2%)として得る。
【0113】(5)この油状物(178mg)をピリジ
ン(0.4ml)に溶解し、氷冷下無水酢酸(0.4m
l)加え、4℃で一夜放置する。反応液を氷水中にあ
け、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。乾燥剤をろ別後、ろ液を減圧下
濃縮する。得られる粗成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し、1−(t−ブチルジメチルシリ
ル)−6−ヘミサクシニルフオルスコリン(183m
g、96.3%)を無色油状物として得る。
【0114】(6)この油状物(75mg)をメタノー
ル(1ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1.5m
l)を加え室温4時間攪拌する。反応液に飽和NaHC
3 水溶液を加え、中和したのち酢酸エチルで抽出す
る。有機層を水洗後、ろ液を減圧下濃縮し、6−ヘミサ
クシニル−フオルスコリン(化合物No. 29、32m
g、52.2%)を無色油状物として得る。 NMR(CDCl3 )δ:1.01,1.38,1.4
2,1.61,1.69,2.01(各,3H,s,M
e),2.01(3H,s,OAc),2.60〜2.
80(4H,m,−COC 2 2 CO−),4.6
1(1H,broad, s,1β−H),4.98(1H,
d,J=8Hz,15−),5.28(1H,d,J
=17.5Hz,15−),5.52(1H,d,J
=3Hz,72−),5.83(1H,t,3.5H
z,62−H),5.97(1H,dd,J=8.,1
7.5Hz,14−
【0115】実施例10. 6−ヘミサクシニル−7−デアセチルフオルスコリン
(化合物No. 28) 実施例9(4)で得られた1−(t−ブチルジメチルシ
リル)−6−ヘミサクシニル−7−デアセチルフオルス
コリン(260mg)を実施例9(6)と同様の方法で
脱保護し、6−ヘミサクシニル−7−デアセチルフオル
スコリン(化合物28、140mg、67%)を、無色
油状物として得る。 MS m/z(相対強度):468(M+ ).
【0116】実施例11. フオルスコリン−1−ヘミサクシネート(化合物No. 3
1) フオルスコリン(1g)、無水コハク酸(4.9g)、
4−モルフォリノ−N,N′−ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(1.1g)、ピリジン(8ml)の混合液を
100℃で1時間加熱する。反応終了後、反応液を減圧
下に濃縮し、得られる残渣に0.5N塩酸を加え、酢酸
エチルで抽出する。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤をろ別する。
ろ液を減圧下濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製する。クロロホルム−メタノ
ール(96:4)、次いでクロロホルム−メタノール−
酢酸(18:2:0.5)で溶出して、フオルスコリン
−1−ヘミサクシネート(化合物No. 31、0.7g)
を無色油状物として得る。
【0117】1 H−NMR(ナトリウム塩、CDC
3 )δ:5.50(1H,d,J=4Hz),5.5
0(1H,s),4.46(1H,br s),2.50
〜2.30(4H,m),2.16(3H,s),1.
67(3H,s),1.51(3H,s),1.31
(3H,s),1.25(3H,s),1.02(3
H,s). MS (EI.70eV.メチルエステル誘導体)m/
z(相対強度):506(〔M−18〕+ ,5),24
3(7),191(33),151(31),115
(100),107(45).
【0118】フオルスコリン−1−ヘミサクシネートの
ナトリウム塩は5%炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解し
アンバ−ライトXAD−IIに吸着、水洗後、メタノール
で溶出すると得られる。
【0119】同様の方法で、無水コハク酸のかわりに無
水グルタル酸を用いてフオルスコリン−1−ヘミグルタ
レ−ト(化合物No. 32)を製造することができる。1 H−NMR(ナトリウム塩、CDCl3 )δ:5.5
7(1H,br s),5.48(1H,d,J=4H
z),4.55(1H,t,J=3.7Hz),2.5
〜2.2(4H,m),2.0〜1.8(2H,m),
2.18(3H,s),1.71(3H,s),1.5
4(3H,s),1.34(3H,s),1.28(3
H,s),1.05(3H,s). MS (EI.70eV.メチルエステル誘導体) m/z(相対強度):520(〔M−18〕+ 30),
259(7),219(5),191(3),175
(6),129(100).
【0120】実施例12. フオルスコリン−1−ヘミアジペ−ト(化合物No. 3
3) フオルスコリン(0.12g)とアジピン酸ジクロリド
(0.5g)のジクロロメタン溶液(10ml)に氷冷
下、ピリジン(0.2ml)を加え、反応液を室温で4
時間攪拌する。反応液を氷冷した5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液にあけ、酸クロリドを加水分解したのち、0.
5N塩酸でpHを3に調節する。これに酢酸エチルを加
え、抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、ついで無
水硫酸ナトリウムで乾燥する。抽出液を減圧下濃縮し、
得られる残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで精
製する。クロロホルム−メタノ−ル酢酸(9:1:0.
1)で展開し、pH値0.3〜0.5の部分を分取する
ことにより、フオルスコリン−1−ヘミアジペ−ト(化
合物No. 33,0.065g)を無色油状物として得
る。
【0121】1 H−NMR(ナトリウム塩、CDC
3 )δ:5.56(1H,br s),5.51(1
H,d,J=4Hz),4.46(1H,t,J=3.
2Hz),2.5〜2.0(4H,m),1.8〜1.
5(4H,m),2.18(3H,s),1.70(3
H,s),1.53(3H,s),1.33(3H,
s),1.24(3H,s),1.05(3H,s). MS (EI.70eV.メチルエステル誘導体) m/z(相対強度):534(〔M−18〕+ 68),
282(7),259(14),219(13),19
1(61),143(100). 次いで化合物No. 31の場合と同様にしてナトリウム塩
とする。
【0122】同様な方法でフオルスコリン−1−ヘミオ
キザレ−ト(化合物No. 30)を製造することができ
る。 MS(FAB)m/z:483(M+H),591(M
H+108).
【0123】実施例13. フオルスコリン−1−(N,N−ジメチルアミノブチレ
ート(化合物No. 36) フオルスコリン(0.20g)、N,N−ジメチルアミ
ノ酪酸塩(0.25g)、ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(0.40g)、4−ジメチルアミノピリジン
(0.30g)、ジクロロメタン(5ml)の混合液を
室温で2時間反応させる。析出した結晶をろ別したの
ち、ろ液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液でアルカリ性
としたのち、酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥剤をろ別し、ろ液
を減圧下濃縮、得られる残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィーで精製する。酢酸エチルついで酢酸エチル−メタ
ノ−ル−トリエチルアミン(95:5:1)で溶出する
と、フオルスコリン−1−(N,N−ジメチルアミノブ
チレート)(化合物No. 36,0.19g)を無色油状
物として得る。
【0124】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.55
(1H,s),5.53(1H,d,J=4.8H
z),4.47(1H,br s),2.5〜2.1(4
H,m),2.18(6H,s),2.17(3H,
s),1.71(3H,s),1.85〜1.65(2
H,m),1.54(3H,s),1.35(3H,
s),1.28(3H,s),1.06(3H,s) MS(FAB)m/z(相対強度):524(M+H,
100),632(MH+108,78).
【0125】実施例14. フオルスコリン−1−グリシネート(化合物No. 34) (1)フオルスコリン(0.3g)、t−ブトキシカル
ボニルグリシン(0.3g)、ジシクロヘキシカルボジ
イミド(0.4g)、4−ジメチルアミノピリジン
(0.3g)、ジクロロメタン(5ml)の混合液を室
温で2時間攪拌する。析出する結晶をろ別したのち、ろ
液を酢酸エチルで抽出する。有機層を水洗後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。乾燥剤をろ別したのち、ろ液を
減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−にかける。酢酸エチル−ベンゼン(5:95)、次
いで酢酸エチル−ベンゼン(10:90)で溶出して、
フオルスコリン−1−BOC−グリシネート(0.31
g)を無色油状物として得る。
【0126】1 H−NMR(CDCl3 )δ:5.61
(1H,br s),5.42(1H,d,J=4H
z),4.45(1H, s),3.80(2H,d,J
=5.3Hz),2.17(3H,s).1.74(3
H,s),1.55(3H,s),1.45(9H,
s),1.34(3H,s),1.29(3H,s),
1.05(3H,s).
【0127】(2)次いでこのフオルスコリン−1−B
OC−グリシネ−ト(0.31g)を酢酸(0.5m
l)に溶解し、氷冷下、臭化水素酸−酢酸溶液(0.5
ml)を加え室温で10分放置する。5%炭酸水素ナト
リウムで過剰の臭化水素酸を中和したのち、アンバ−ラ
イトXAD−2樹脂に吸着させる。カラムを水洗したの
ち、MeOHで溶出し、フオルスコリン−1−グリシネ
−ト(化合物No. 34、0.12g)を無色油状物とし
て得る。 MS(FAB)m/z(相対強度):468(MH),
576(MH+108).
【0128】同様の方法によって、フオルスコリン−1
−(6−アミノカプロエ−ト)(化合物No. 37)、フ
オルスコリン−1−(4−アミノブチレ−ト)(化合物
No.35)を製造することができる。 フオルスコリン−1−(6−アミノカプロエ−ト)(化
合物No. 37) 油状物 MS(FAB)m/z:524(M+H),632(M
H+108). フオルスコリン−1−(4−アミノプチレ−ト)(化合
物No. 35) 油状物 MS(FAB)m/z:496(M+H),604(M
H+108).
【0129】実施例15. 6−(4−アミノブチリル)フオルスコリン(化合物N
o. 38) (1)7−デアセチルフオルスコリン(3.00g)、
ジクロロメタン(100ml)の混合液に、氷冷下で、
4−(t−ブトキシカルボニルアミノ)酪酸(8.20
g)、4−ジメチルアミノピリジン(6.40g)、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(12.60g)を4回
に分け加え、室温で終夜攪拌する。反応終了後、水
(0.5ml)を加え反応液を減圧下に濃縮する。濃縮
液にジクロロメタンを加え、下溶物をろ別する。ろ液を
濃縮し、得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−で精製する。ジクロロメタン−酢酸エチル(1
0:1)で溶出で油状物として7−〔4−(t−ブトキ
シカルボニルアミノ)ブチリル〕−7−デアセチルフオ
ルスコリン(化合物No. 38a:1.60g、36%)
を得る。 MS m/z(相対強度):535〔M−H2 O〕+
23),479(23),104(34),86(8
1),57(100).
【0130】(2)この油状物(No. 38a,1.50
g)、アセトニトリル(90ml)、水(60ml)の
混合液に1N水酸化ナトリウム水溶液(6ml)を加
え、室温で40分攪拌する。反応終了後、反応液を直ち
に濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出する。抽出液を
硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別後、ろ液を濃
縮する。得られる残渣(1.43g)をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−で精製する。ジクロロメタン−酢
酸エチル(4:1〜2:1)で溶出し、6−〔4−(t
−ブトキシカルボニルアミノ)ブチリル〕−7−デアセ
チル−フオルスコリン(化合物No. 38b、1.12
g、75%)を得る。mp 188〜190℃ (酢酸エチル) IR(ヌジョール)ν:3350、1735、1710
cm-1
【0131】(3)この化合物(No. 38b:1.12
g)をジクロロメタン(80ml)溶解し、この溶液に
ピリジン(1.52g)と塩化アセチル(675mg)
を3回に分け加える。室温で8時間攪拌し、水を加え反
応を終了する。ジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥する。乾燥剤をろ別し、ろ液を濃縮
して、得られる残渣(1.97g)をシリカゲルカラム
クロマトグラフィ−で精製する。ジクロロメタン−酢酸
エチル(10:1〜5:1)で溶出し、6−〔4 −(t
−ブトキシカルボニルアミノ)−ブチリル〕フオルスコ
リン(化合物No. 38c:414mg、34%)を得
る。 化合物No. 38c:mp162〜165℃(ヘキサン−
トルエン)
【0132】(4)この化合物(No. 38c、123m
g)を氷冷下85%ギ酸に溶解し、混合液を室温で2時
間攪拌する。反応終了後、反応液を濃縮し、水を加えて
酢酸エチルで洗浄する。水層を3N炭酸ナトリウム水溶
液で塩基性とし、酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ別する。ろ液を濃縮
し、得られる残渣を酢酸エチル−メタノールで再結晶す
ることにより、6−(4−アミノブチリル)フオルスコ
リン(化合物No. 38、31mg、30%)を得る。 mp 191−192℃ IR(ヌジョ−ル)ν:3360、1725cm-1 1 H−NMR(CD3 OD)δ:5.76(1H,q,
J=4.7Hz,J=3.3Hz),5.39(1H,
d,J=4.3Hz),4.42(1H,brs ),2.
59(2H,t,J=6.0Hz),2.2〜2.4
(2H,m),1.88(3H,s),1.8〜1.6
(3H,m),1.56(3H,s),1.37(3
H,s),1.23(3H,s),0.91(6H,
s). MS m/z(相対強度):495(M+ ,14),1
46(32),104(100),99(13),86
(74).
【0133】実施例16. 6−ピロリジノアセチルフオルスコリン(化合物No. 3
9) (1)実施例15(1)において4−(t−ブトキシカ
ルボニルアミノ)酪酸のかわりにピロリジノ酢酸を用い
他は実施例15(1)と同様にして得られる7−デアセ
チル−7−ピロリジノアセチルフオルスコリン(4.2
0g)をアセトニトリル−水(4:1)の混合溶媒(1
50ml)に溶解し、氷冷下1N水酸化ナトリウム水溶
液(9.63ml)を滴下する。室温で6時間攪拌し、
水を加えて反応を終了する。反応液を酢酸エチルで抽出
し有機層を濃縮する。濃縮液をエ−テルに溶解し1N塩
酸で抽出する。水層に、氷冷下、アンモニア水を滴下し
て塩基性とし、エーテル抽出する。有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、乾燥剤をろ別する。ろ液を濃縮し、得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精
製する。ジクロロメタン−メタノ−ル(20:1)で溶
出し、7−デアセチル−6−ピロリジノアセチルフオル
スコリン(化合物No. 39a、900mg、21%)を
得る。 IR(KBr )ν:3460,3210,1745,
1710cm-1 MS m/z(相対強度):479(M+ ,1),13
0(8),84(100).
【0134】(2)この化合物(No. 39a、100m
g)、ジクロロメタン(10ml)の混合液に、氷冷
下、ピリジン(72mg)、塩化アセチル(72mg)
を6時間の間に4回に分け、それぞれ加える。室温で終
夜攪拌し、ジクロロメタンで抽出する。有機層を飽和食
塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥する。乾燥剤を
ろ別し、ろ液を濃縮して得られる残渣(120mg)を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製する。クロ
ロホルム−メタノール(20:1)で溶出して6−ピロ
リジノアセチルフオルスコリン(化合物No. 39、53
mg、50%)を得る。 mp 166−168℃(塩化メチレン−ヘキサン) IR(KBr )ν:3450,3230,1750,1
715cm-1
【0135】実施例17. 7−デアセチル−7−(4−ジメチルアミノブチリル)
フオルスコリン(化合物No. 40) 7−デアセチルフオルスコリン(8.00g)、4−ジ
メチルアミノ酪酸・塩酸塩(14.56g)、4−ジメ
チルアミノピリジン(21.21g)、ジクロロメタン
(150ml)の混合液に、氷冷下、ジシクロヘキシル
カルボジイミド(35.82g)、ジクロロメタン(1
20ml)の混合液を滴下し、室温で4時間攪拌する。
反応終了後、反応液を希塩酸で抽出する。水層を濃アン
モニア水で塩基性とし、ジエチルエ−テルで抽出する。
有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。乾燥剤をろ別し、得られるろ液を減圧下に濃縮して
油状物として7−デアセチル−7−(4−ジメチルアミ
ノブチリル)フオルスコリン(5.41g、7−デアセ
チルフオルスコリンより52%)を得る。 MSm/z:484(M+ ).
【0136】実施例18. 6−(4−ジメチルアミノブチリル)−14、15−ジ
ヒドロフオルスコリン(化合物No. 41) 6−(4−ジメチルアミノブチリル)フオルスコリン
(30mg)、5%パラジウム−炭酸触媒(6mg)、
メタノール(8mg)の混合液を水素雰囲気下、室温で
5時間攪拌する。反応終了後、触媒をろ別し、得られる
ろ液を濃縮し、6−(4−ジメチルアミノブチリル)−
14,15−ジヒドロ−フオルスコリン(化合物No. 4
1、30mg、100%)を得る。 mp 210−212℃(メタノール) IR(ヌジョール)ν:3160,1730,1710
cm-1 (NMR,MSのデータを第7表に示した) 本実施例と同様にして第6表および第7表に示す如くN
o. 42〜45の化合物が得られる。
【0137】
【表19】 なお、No. 42の化合物の出発原料は実施例17におい
て、4−ジメチルアミノ酪酸・塩酸塩のかわりに、N,
N−ジメチルグリシン・塩酸塩を用い他は同様にして得
ることができる。又、No. 43,44,45の化合物の
出発原料は、実施例15(1)において、4−(t−ブ
トキシカルボニルアミノ)酪酸のかわりに、N,N−ジ
メチルグリシン・塩酸塩、ピロリジノ酢酸又は3−ジメ
チルアミノプロピオン酸を用い、他は実施例15と同様
にして得ることができる。
【0138】実施例19. 13−シクロプロピル−6−ジメチルアミノアセチル−
14,15−ジノルフオルスコリン(化合物No. 46) 6−ジメチルアミノアセチルフオルスコリン(100m
g)、酢酸パラジウム(14mg)、無水テトラヒドロ
フラン(5ml)の混合液にジアゾメタンのエーテル溶
液を氷冷下に加え、更に氷冷下で3時間攪拌する。反応
終了後、水を加え、3N炭酸ナトリウム水溶液でpH1
0とし、酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシ
ウム乾燥し、乾燥剤をろ別する。得られるろ液を濃縮
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製
する。ジクロロメタン−エ−テル(4:1〜2:1)で
溶出し、13−シクロプロピル−6−ジメチルアミノア
セチル−14,15−ジノルフオルスコリン(化合物N
o. 46、16mg、16%)を得る。 IR(ヌジョ−ル)ν:3570,3180,173
5,1715cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.30(2H,
m),0.41(1H,m),0.75(1H,m),
0.91(1H,m),0.95(3H,s),1.0
3(3H,s),1.32(3H,s),1.44(3
H,s),1.54(3H,s),2.01(3H,
s),2.43(6H,s),3.23(2H,s),
4.51(1H,br s),5.51(1H,d, J=5
Hz),5.83(1H,t,J=4Hz). MS m/z(相対強度):510(M+ ,23),1
09(49),104(100),81(49),59
(100),58(100),
【0139】同様の方法で7−デアセチル−7−ジメチ
ルアミノアセチルフオルスコリンより13−シクロプロ
ピル−7−デアセチル−7−ジメチルアミノアセチル−
14,15−ジノルフオルスコリン(化合物No. 47、
60%)を得る。 IR(ヌジョ−ル)ν:3250,1740,1705
cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.18(2H,
m),0.49(1H,m),0.89(1H,m),
0.96(1H,m),1.01(3H,s),1.2
8(3H,s),1.30(3H,s),1.50(3
H,s),1.66(3H,s),2.38(6H,
s),3.27(2H,s),4.43(1H,br
s),4.47(1H,br s),5.43(1H,d,
J=4.5Hz). MS m/z(相対強度):467(M+ ,4),10
9(26),104(58),102(60),85
(41),58(100).
【0140】実施例20. 7−デアセチル−7−(3−ジメチルアミノプロピオニ
ル)フオルスコリン(化合物No. 7) 7−デアセチルフオルスコリン(2.00g)のジクロ
ロメタン溶液(60ml)に4−ジメチルアミノピリジ
ン(3.00g)、3−ジメチルアミノプロピオン酸・
塩酸塩(3.80g)、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(7.00g)を47時間に3回に分け加え、室温で
攪拌する。反応終了後、溶剤を減圧下に濃縮し、得られ
る残渣に酢酸エチルを加えてろ別する。ろ液を濃縮し、
得られる残渣(6.05g)をシリカゲルクロマトグラ
フィーで精製する。ジクロロメタン−メタノール(2
0:1〜10:1)で溶出し、7−デアセチル−7−
(3−ジメチルアミノプロピオニル)フオルスコリン
(化合物No. 7、1.72g、68%)を得る。
【0141】
【表20】
【0142】
【表21】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/35 AED (72)発明者 塩沢 明 埼玉県大宮市堀崎22−7 (72)発明者 山下 幸和 埼玉県浦和市別所2−37−1−302

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、 I.R1 が水素原子、R4 はビニル基、エチル基または
    シクロプロピル基である場合、(1)R2 、R3 のどち
    らか一方は部分構造式CO(CH2)mNR5 6 (ここ
    でR5 , R6 は水素原子、低級アルキル基または、R5
    とR6 が結合し、その結合鎖中に酸素原子、窒素原子を
    含んでいてもよい低級アルキレン基であり、mは1〜5
    の整数である)を示し、他方は水素原子または部分構造
    式CO(CH2 )nXで表わされる基(ここでXは水素
    原子または式NR7 8 で示される基(ここでR7 ,R
    8 は水素原子、低級アルキル基またはR7 とR8 が結合
    し結合鎖中に酸素原子または窒素原子を含んでいてもよ
    い低級アルキレン基であり、nは1〜5の整数であ
    る。)を示す。但し、R3 がアセチル基であり、R4
    ビニル基であるときR2 はジメチルアミノプロピオニル
    基以外の基である。)を示すかまたは、(2)R2 が水
    素原子または−COCH2 CH2 CO2 Hである場合、
    3 は水素原子、式−COCH3,−COCH2 CH2
    2 CO2 H、または−COCH(OH)CH2 OH
    (但し、R2 が水素原子のときR3 は水素原子およびC
    OCH3 以外の基である。)を示し II.R1 が部分構造式CO(CH2 )pCO2 H、また
    はCO(CH2 )qNR9 10で表わされる基(ここで
    9,R10は水素原子または低級アルキル基であり、pは
    0〜5、qは1〜5の整数である。)を示す場合、R2
    は水素原子、R3 はアセチル基、R4 はビニル基を示
    す〕で表わされるフオルスコリン誘導体およびその生理
    的に許容される塩
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