JP3210412B2 - 新規イソキノリンカルボン酸誘導体 - Google Patents
新規イソキノリンカルボン酸誘導体Info
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- JP3210412B2 JP3210412B2 JP13607692A JP13607692A JP3210412B2 JP 3210412 B2 JP3210412 B2 JP 3210412B2 JP 13607692 A JP13607692 A JP 13607692A JP 13607692 A JP13607692 A JP 13607692A JP 3210412 B2 JP3210412 B2 JP 3210412B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な7−ヒドロキシ
−1−イソキノリンカルボン酸、そのエステルおよび酸
付加塩に関する。本発明の化合物は、医薬中間体として
有用である。
−1−イソキノリンカルボン酸、そのエステルおよび酸
付加塩に関する。本発明の化合物は、医薬中間体として
有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、イソキノリン誘導体、例えばその
グアニジノベンゾアートが蛋白分解酵素活性阻害作用を
有することが知られている。そして、それに伴ない種々
のイソキノリン誘導体がその中間体あるいはその他の化
合物の中間体として用いられている。本発明者らは、新
規な蛋白分解酵素阻害剤を研究する過程において、イソ
キノリンの1位がカルボキシル基、7位がグアニジノベ
ンゾアート基で置換された化合物が優れた蛋白分解酵素
活性をもつことを見出した。そして、この化合物の合成
法について検討したところ、7−ヒドロキシ−1−イソ
キノリンカルボン酸及びそのエステルが中間体とし工業
的有利に用いられることを見出した。7−ヒドロキシ−
1−イソキノリンカルボン酸およびそのエステルに関し
ての報告はなされていなかった。
グアニジノベンゾアートが蛋白分解酵素活性阻害作用を
有することが知られている。そして、それに伴ない種々
のイソキノリン誘導体がその中間体あるいはその他の化
合物の中間体として用いられている。本発明者らは、新
規な蛋白分解酵素阻害剤を研究する過程において、イソ
キノリンの1位がカルボキシル基、7位がグアニジノベ
ンゾアート基で置換された化合物が優れた蛋白分解酵素
活性をもつことを見出した。そして、この化合物の合成
法について検討したところ、7−ヒドロキシ−1−イソ
キノリンカルボン酸及びそのエステルが中間体とし工業
的有利に用いられることを見出した。7−ヒドロキシ−
1−イソキノリンカルボン酸およびそのエステルに関し
ての報告はなされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ような新規なイソキノリン誘導体を提供することであ
る。
ような新規なイソキノリン誘導体を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、新規な蛋白
分解酵素阻害剤の研究開発中、一般式(I)で表される
一連の7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸ま
たはそのエステルが1′−カルボキシ−7′−イソキノ
リル 4−グアニジノベンゾアートの優れた合成中間体
なることを見出し、本発明を完成するに至った。
分解酵素阻害剤の研究開発中、一般式(I)で表される
一連の7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸ま
たはそのエステルが1′−カルボキシ−7′−イソキノ
リル 4−グアニジノベンゾアートの優れた合成中間体
なることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化2】 で表されるイソキノリン誘導体またはその酸付加塩に関
する。〔式中、Rは水素、炭素数1から4の直鎖または
分枝鎖アルキル基、フェニル基及びベンジル基よりなる
群から選択される基を表す〕本発明の化合物(I)は、
新規化合物であって、そのうちR=Hである7−ヒドロ
キシ−イソキノリンカルボン酸(I′)は、
する。〔式中、Rは水素、炭素数1から4の直鎖または
分枝鎖アルキル基、フェニル基及びベンジル基よりなる
群から選択される基を表す〕本発明の化合物(I)は、
新規化合物であって、そのうちR=Hである7−ヒドロ
キシ−イソキノリンカルボン酸(I′)は、
【化3】 次式(II)
【化4】 で表される7−ベンゾイルオキシ−1−シアノイソキノ
リンを常法で加水分解して得ることができる。
リンを常法で加水分解して得ることができる。
【0006】また、本発明のRがアルキル基、フェニル
基またはベンジル基である化合物(I)を得るために
は、前記式(I′)で表される7−ヒドロキシ−1−イ
ソキノリンカルボン酸またはその反応性誘導体と次式
(III) R′OH (III) 〔式中、R′は炭素数1から4の直鎖または分枝鎖アル
キル基、フェニル基及びベンジル基からなる群から選択
される基を表す〕で示されるヒドロキシ化合物またはそ
の反応性誘導体とを反応せさることにより得ることがで
きる。7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸
(I′)とヒドロキシ化合物(III) との反応は、一般の
脱水反応を適用することができる。例えば、(a)触
媒、縮合剤等の存在下に遊離の7−ヒドロキシ−1−イ
ソキノリンカルボン酸(I′)またはその酸付加塩とヒ
ドロキシ化合物(III) またはその酸付加塩とを反応させ
る方法、(b)7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカル
ボン酸(I′)とヒドロキシ化合物(III) の反応性誘導
体とを反応させる方法などを適用できる。
基またはベンジル基である化合物(I)を得るために
は、前記式(I′)で表される7−ヒドロキシ−1−イ
ソキノリンカルボン酸またはその反応性誘導体と次式
(III) R′OH (III) 〔式中、R′は炭素数1から4の直鎖または分枝鎖アル
キル基、フェニル基及びベンジル基からなる群から選択
される基を表す〕で示されるヒドロキシ化合物またはそ
の反応性誘導体とを反応せさることにより得ることがで
きる。7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸
(I′)とヒドロキシ化合物(III) との反応は、一般の
脱水反応を適用することができる。例えば、(a)触
媒、縮合剤等の存在下に遊離の7−ヒドロキシ−1−イ
ソキノリンカルボン酸(I′)またはその酸付加塩とヒ
ドロキシ化合物(III) またはその酸付加塩とを反応させ
る方法、(b)7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカル
ボン酸(I′)とヒドロキシ化合物(III) の反応性誘導
体とを反応させる方法などを適用できる。
【0007】方法(a)における触媒としては、例えば
硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、オキシ塩化リ
ン、ポリリン酸、三フッ化ホウ素等の酸触媒が挙げられ
る。縮合剤としては、例えばジフェニルホスホリルアジ
ド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カル
ボジイミダゾール、N,N′−ジスクシンイミジカルバ
メート、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ
チルカルボジイミド、ジメチルホルムアミドジエチルア
セタール、N,N′−ジメチルホスホルアミジックジク
ロライド、ジクロリン酸フェニル等を利用できる。この
時、ジメチルアミノピリジン、ピロリジノピリジン等の
塩基触媒を併用することもできる。
硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、オキシ塩化リ
ン、ポリリン酸、三フッ化ホウ素等の酸触媒が挙げられ
る。縮合剤としては、例えばジフェニルホスホリルアジ
ド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カル
ボジイミダゾール、N,N′−ジスクシンイミジカルバ
メート、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ
チルカルボジイミド、ジメチルホルムアミドジエチルア
セタール、N,N′−ジメチルホスホルアミジックジク
ロライド、ジクロリン酸フェニル等を利用できる。この
時、ジメチルアミノピリジン、ピロリジノピリジン等の
塩基触媒を併用することもできる。
【0008】反応条件は、用いる触媒または縮合剤によ
って異なるが、例えば縮合剤であるジシクロヘキシルカ
ルボジイミドを用いる場合には、溶媒中で7−ヒドロキ
シ−1−イソキノリンカルボン酸(I′)とジシクロヘ
キシルカルボジイミドとを反応させ、これにヒドロキシ
化合物(III) の溶液を加えて塩基の存在下または不存在
下に−30〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌する
ことによって反応を行う。このとき用いられる溶媒とし
ては、一般の有機溶媒、例えばピリジン、ジメチルホル
ムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭
素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリ
ル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等を挙げる
ことができる。また、塩基としては、ピリジン、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジ−t−ブ
チルアミン、ジメチルアミノピリジン、ピロリジノピリ
ジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕−7−ウンデセン等を挙げることができ
る。
って異なるが、例えば縮合剤であるジシクロヘキシルカ
ルボジイミドを用いる場合には、溶媒中で7−ヒドロキ
シ−1−イソキノリンカルボン酸(I′)とジシクロヘ
キシルカルボジイミドとを反応させ、これにヒドロキシ
化合物(III) の溶液を加えて塩基の存在下または不存在
下に−30〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌する
ことによって反応を行う。このとき用いられる溶媒とし
ては、一般の有機溶媒、例えばピリジン、ジメチルホル
ムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭
素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリ
ル、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等を挙げる
ことができる。また、塩基としては、ピリジン、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジ−t−ブ
チルアミン、ジメチルアミノピリジン、ピロリジノピリ
ジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕−7−ウンデセン等を挙げることができ
る。
【0009】方法(b)における化合物(III) の反応性
誘導体としては、例えば式(IV) R′X (IV) 〔式中、R′は前記と同じ基を、Xはクロロ、ブロモま
たはヨードを表す〕で表されるアルキルハライド、トリ
フロロ酢酸エステル、あるいは式(V) 〔式中、R′は前記と同じ意味を表す〕で表される化合
物等が利用できる。
誘導体としては、例えば式(IV) R′X (IV) 〔式中、R′は前記と同じ基を、Xはクロロ、ブロモま
たはヨードを表す〕で表されるアルキルハライド、トリ
フロロ酢酸エステル、あるいは式(V) 〔式中、R′は前記と同じ意味を表す〕で表される化合
物等が利用できる。
【0010】反応条件は用いる反応性誘導体によって異
なるが、例えばアルキルハライドを用いる場合には、溶
媒中で7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸
(I′)のアルカリ金属塩とアルキルハライドを−30
〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌することによっ
て反応は終了する。また、反応液から本発明化合物
(I)を単離精製するには、抽出、濃縮、結晶化、濾
過、再結晶、各種クロマトグラフィー等、通常の単離精
製に用いられる化学操作を適用して行うことができる。
なるが、例えばアルキルハライドを用いる場合には、溶
媒中で7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸
(I′)のアルカリ金属塩とアルキルハライドを−30
〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌することによっ
て反応は終了する。また、反応液から本発明化合物
(I)を単離精製するには、抽出、濃縮、結晶化、濾
過、再結晶、各種クロマトグラフィー等、通常の単離精
製に用いられる化学操作を適用して行うことができる。
【0011】以上のごとくして得られる本発明化合物
(I)は、必要に応じ、常法により酸付加塩とすること
ができる。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭
化水素酸、炭酸等の無機酸、また、酢酸、乳酸、コハク
酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸が
利用できる。本発明の7−ヒドロキシ−1−イソキノリ
ンカルボン酸またはその誘導体(I)を中間体としてそ
れから7′−置換イソキノリン誘導体(VI)を製造するに
は、本発明の化合物(I)を次式(VII) で表される4−
グアニジノ安息香酸またはその反応性誘導体と縮合反応
させることによって製造することができる。
(I)は、必要に応じ、常法により酸付加塩とすること
ができる。酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭
化水素酸、炭酸等の無機酸、また、酢酸、乳酸、コハク
酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、
トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸が
利用できる。本発明の7−ヒドロキシ−1−イソキノリ
ンカルボン酸またはその誘導体(I)を中間体としてそ
れから7′−置換イソキノリン誘導体(VI)を製造するに
は、本発明の化合物(I)を次式(VII) で表される4−
グアニジノ安息香酸またはその反応性誘導体と縮合反応
させることによって製造することができる。
【化5】 この反応は参考例に示すように一般の脱水縮合反応を使
用することができる。
用することができる。
【0012】次に本発明を参考例、実施例を挙げて説明
するが、これは本発明を具体例を挙げて説明することに
より、理解し易くするためのもので、本発明化合物の製
造がこれにより制限されるものではない。
するが、これは本発明を具体例を挙げて説明することに
より、理解し易くするためのもので、本発明化合物の製
造がこれにより制限されるものではない。
【参考例1】7−ベンゾイルオキシ−1−シアノイソキノリンの製造 7−アセトキシイソキノリン47.48gを酢酸 180mlに溶か
し、30%過酸化水素水36gを加えて、70℃から80℃で5
時間加熱撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%水
酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解した後、塩酸で中和
し、析出した結晶を濾取して中間体35.55g (収率 87.0
%) を得た。中間体35.55gを水 710mlに懸濁し、シアン
化カリウム36gを加えて、氷冷下、塩化ベンゾイル 107
mlを滴下した。反応液をクロロホルム 300mlで抽出し、
抽出液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (CH2Cl2 で溶出) で精製した。溶出液を
減圧濃縮し、濃縮物をエタノールから再結晶して次の物
性を有する標題化合物13.08g (収率 21.6 %) を得た。
し、30%過酸化水素水36gを加えて、70℃から80℃で5
時間加熱撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に10%水
酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解した後、塩酸で中和
し、析出した結晶を濾取して中間体35.55g (収率 87.0
%) を得た。中間体35.55gを水 710mlに懸濁し、シアン
化カリウム36gを加えて、氷冷下、塩化ベンゾイル 107
mlを滴下した。反応液をクロロホルム 300mlで抽出し、
抽出液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー (CH2Cl2 で溶出) で精製した。溶出液を
減圧濃縮し、濃縮物をエタノールから再結晶して次の物
性を有する標題化合物13.08g (収率 21.6 %) を得た。
【0013】融点:155 ℃ EI-MS :274 M+ IR:νKBr cm-1:2230, 1725, 1600, 1580, 1560, 15
00, 1450, 1315, 1275, 1260, 1175,1060, 890, 700
00, 1450, 1315, 1275, 1260, 1175,1060, 890, 700
【0014】
【実施例1】7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸 7−ベンゾイルオキシ−1−シアノイソキノリン(参考
例1の方法に従って製造)13gを3N水酸化ナトリウム
水溶液72mlに懸濁し、2時間加熱還流した。反応液を室
温に戻し、氷冷下濃塩酸で中和して、4℃で静置した。
析出物を濾取し乾燥して、7−ヒドロキシ−1−イソキ
ノリンカルボン酸を定量的に得た。
例1の方法に従って製造)13gを3N水酸化ナトリウム
水溶液72mlに懸濁し、2時間加熱還流した。反応液を室
温に戻し、氷冷下濃塩酸で中和して、4℃で静置した。
析出物を濾取し乾燥して、7−ヒドロキシ−1−イソキ
ノリンカルボン酸を定量的に得た。
【0015】融点: 220〜221 ℃ EI-MS :189 M+ IR:νKBr cm-1:3075, 2600, 1620, 1585, 1510, 14
10, 1360, 1350, 1260
10, 1360, 1350, 1260
【0016】
【実施例2】プロピル 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキ
シラート 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸5gをメ
タノール25mlに懸濁し炭酸カリウム3.1gを加え、さらに
水15mlを加えて溶解させた。反応液を減圧濃縮し、濃縮
物にジメチルホルムアミド30mlを加えて懸濁液とし、1
−ヨードプロパン 2.6mlを加え、室温で一晩撹拌した。
反応液を水 150mlに注ぎ、酢酸エチル(100ml×3)で抽
出し、抽出液を飽和食塩水(150ml×2)で洗浄した後、
減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー (CHCl3 で溶出) で精製した。溶出液を減圧濃縮
し、濃縮物を含水エタノールから結晶化して次の物性を
有する標題化合物1.58g(収率25.8%) を得た。
シラート 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸5gをメ
タノール25mlに懸濁し炭酸カリウム3.1gを加え、さらに
水15mlを加えて溶解させた。反応液を減圧濃縮し、濃縮
物にジメチルホルムアミド30mlを加えて懸濁液とし、1
−ヨードプロパン 2.6mlを加え、室温で一晩撹拌した。
反応液を水 150mlに注ぎ、酢酸エチル(100ml×3)で抽
出し、抽出液を飽和食塩水(150ml×2)で洗浄した後、
減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー (CHCl3 で溶出) で精製した。溶出液を減圧濃縮
し、濃縮物を含水エタノールから結晶化して次の物性を
有する標題化合物1.58g(収率25.8%) を得た。
【0017】融点: 135〜136 ℃ FAB-MS:232 (M+H)+ IR:νKBr cm-1:2980, 1735, 1640, 1590, 1505, 14
50, 1300, 1220, 1165, 1155
50, 1300, 1220, 1165, 1155
【0018】
【実施例3】ベンジル 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキ
シラート 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸24.2gを
ジメチルホルムアミド2.1 l に懸濁し、炭酸カリウム5.
3 gおよびベンジルブロミド15.2mlを加えて、一夜撹拌
反応した。反応終了後、不溶物を濾別し、水2l を加え
酢酸エチル(2l ×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩
水(2l ×3)で洗浄し、減圧濃縮した。得られた粗物
質を含水エタノールから結晶化および再結晶して、標題
化合物9.35g (収率26.2%) を得た。
シラート 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸24.2gを
ジメチルホルムアミド2.1 l に懸濁し、炭酸カリウム5.
3 gおよびベンジルブロミド15.2mlを加えて、一夜撹拌
反応した。反応終了後、不溶物を濾別し、水2l を加え
酢酸エチル(2l ×3)で抽出した。抽出液を飽和食塩
水(2l ×3)で洗浄し、減圧濃縮した。得られた粗物
質を含水エタノールから結晶化および再結晶して、標題
化合物9.35g (収率26.2%) を得た。
【0019】融点: 218〜219 ℃ EI-MS :279 M+ IR:νKBr cm-1:3425, 3030〜2550, 1715, 1450, 12
90〜1260, 1145
90〜1260, 1145
【0020】
【参考例2】1′−ベンジルオキシカルボニル−7′−イソキノリル
4−グアニジノベンゾアート、メタンスルホン酸塩及び
1′−カルボキシ−7′−イソキノリル4−グアニジノ
ベンゾアート・1/2 水和物 4−グアニジノ安息香酸・メタンスルホン酸塩10.8gを
ピリジン 150mlに溶解し、DCC 8.1gを加え、氷冷下で
1時間撹拌した。一方、実施例3の方法で製造したベン
ジル7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシラー
ト11.0gをピリジン50mlに溶解し、この溶液を前記4−
グアニジノ安息香酸・メタンスルホン酸塩溶液に滴下
し、氷冷下1時間、さらに室温で3日間撹拌して反応を
行なった。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテル 2
00mlで洗浄し、粗結晶 7.7gを得た。粗結晶 7.0gをメ
タノール 1.2 l中で加熱して溶解し、不溶物を濾別し、
放冷後4℃で一夜放置した。析出した結晶を濾取して次
の物性を有する1′−ベンジルオキシカルボニル−7′
−イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート・メタン
スルホン酸塩 6.2g(収率29.4%)を得た。
4−グアニジノベンゾアート、メタンスルホン酸塩及び
1′−カルボキシ−7′−イソキノリル4−グアニジノ
ベンゾアート・1/2 水和物 4−グアニジノ安息香酸・メタンスルホン酸塩10.8gを
ピリジン 150mlに溶解し、DCC 8.1gを加え、氷冷下で
1時間撹拌した。一方、実施例3の方法で製造したベン
ジル7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシラー
ト11.0gをピリジン50mlに溶解し、この溶液を前記4−
グアニジノ安息香酸・メタンスルホン酸塩溶液に滴下
し、氷冷下1時間、さらに室温で3日間撹拌して反応を
行なった。析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテル 2
00mlで洗浄し、粗結晶 7.7gを得た。粗結晶 7.0gをメ
タノール 1.2 l中で加熱して溶解し、不溶物を濾別し、
放冷後4℃で一夜放置した。析出した結晶を濾取して次
の物性を有する1′−ベンジルオキシカルボニル−7′
−イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート・メタン
スルホン酸塩 6.2g(収率29.4%)を得た。
【0021】融点: 214〜215 ℃ FAB-MS 441(M+H)+ IR:νKBr cm-1:3370〜3150, 1740, 1690, 1575, 12
60, 1180, 1065, 1040
60, 1180, 1065, 1040
【0022】上記化合物1.00gをメタノール 200mlに溶
解し、10%パラジウム−カーボン200mg を加えて水素で
置換し、一夜激しく撹拌した。析出した結晶を濾取し、
0.25%メタンスルホン酸−メタノール溶液20mlに溶解し
て不溶物を濾別し、濾液にジエチルエーテル 200mlを加
えて4℃で2時間放置し、析出した沈澱を濾取して粗生
成物質 280mgを得た。粗生成物質 130mgを 0.1%メタン
スルホン酸−メタノール溶液50mlに溶解し、飽和重曹水
を加えてpH=7として析出した結晶を濾取し、メタノ
ール20ml、水10mlの順に洗浄し、1′−カルボキシ−
7′−イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート・1/
2 水和物70mg (収率18.8%) を得た。
解し、10%パラジウム−カーボン200mg を加えて水素で
置換し、一夜激しく撹拌した。析出した結晶を濾取し、
0.25%メタンスルホン酸−メタノール溶液20mlに溶解し
て不溶物を濾別し、濾液にジエチルエーテル 200mlを加
えて4℃で2時間放置し、析出した沈澱を濾取して粗生
成物質 280mgを得た。粗生成物質 130mgを 0.1%メタン
スルホン酸−メタノール溶液50mlに溶解し、飽和重曹水
を加えてpH=7として析出した結晶を濾取し、メタノ
ール20ml、水10mlの順に洗浄し、1′−カルボキシ−
7′−イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート・1/
2 水和物70mg (収率18.8%) を得た。
【0023】融点: 246〜248 ℃ FAB-MS:351(M+H)+ IR:νKBr cm-1:3420, 1735, 1670, 1630, 1560〜16
05, 1265, 1180〜1160, 1065
05, 1265, 1180〜1160, 1065
【0024】上記化合物のトリプシン阻害作用を測定し
たところ、次のとおりであった。なお、トリプシン阻害
作用は、村松らの方法〔ザ・ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリィ(The Journal of Biochemistry) 58, 214
(1965) 〕に従って、トリプシン1.5 μgがp−トシル
アルギニンメチルエステル(TAME)を加水分解する
作用を50%抑制する上記2化合物のモル濃度、及びトリ
プシン20μgがカゼインを加水分解する作用を50%抑制
する上記2化合物のモル濃度を測定することによって行
なった。 TAME カゼイン 1′−ベンジルオキシカルボニル−7′− イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート メタンスルホン酸塩 1.6×10-7 3.5×10-7 1′−カルボキシ−7′−イソキノリル 4− グアニジノベンゾアート・1/2 水和物 8.7×10-8 3.4×10
−7
たところ、次のとおりであった。なお、トリプシン阻害
作用は、村松らの方法〔ザ・ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリィ(The Journal of Biochemistry) 58, 214
(1965) 〕に従って、トリプシン1.5 μgがp−トシル
アルギニンメチルエステル(TAME)を加水分解する
作用を50%抑制する上記2化合物のモル濃度、及びトリ
プシン20μgがカゼインを加水分解する作用を50%抑制
する上記2化合物のモル濃度を測定することによって行
なった。 TAME カゼイン 1′−ベンジルオキシカルボニル−7′− イソキノリル 4−グアニジノベンゾアート メタンスルホン酸塩 1.6×10-7 3.5×10-7 1′−カルボキシ−7′−イソキノリル 4− グアニジノベンゾアート・1/2 水和物 8.7×10-8 3.4×10
−7
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 信一 栃木県宇都宮市兵庫塚1−10−2 県営 住宅211 (72)発明者 小山 忠義 栃木県宇都宮市西川田730−5 みのる ハイツB−201 (72)発明者 瀬谷 元秀 栃木県下都賀郡石橋町石橋773−3 S Kマンション3−A (72)発明者 野本 信 栃木県下都賀郡石橋町石橋1565−2 岡 田マンション1−B (72)発明者 中越 雅道 栃木県宇都宮市雀の宮7−3−11 (72)発明者 奥江 雅之 栃木県下都賀郡石橋町石橋58−2 松原 マンション2−B (72)発明者 阿部 典子 栃木県小山市三峯2−4−4 (56)参考文献 特開 平4−46157(JP,A) 特開 平7−304743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 217/26 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 で表される7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン
酸、そのエステルまたはその酸付加塩。〔式中、Rは水
素、炭素数1から4の直鎖または分枝鎖アルキル基、フ
ェニル基及びベンジル基よりなる群から選択される基を
表す〕 - 【請求項2】 7−ヒドロキシ−1−イソキノリンカル
ボン酸またはその酸付加塩である請求項1記載の化合
物。 - 【請求項3】 プロピル 7−ヒドロキシ−1−イソキ
ノリンカルボキシラートまたはその酸付加塩である請求
項1記載の化合物。 - 【請求項4】 ベンジル 7−ヒドロキシ−1−イソキ
ノリンカルボキシラートまたはその酸付加塩である請求
項1記載の化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13607692A JP3210412B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 新規イソキノリンカルボン酸誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13607692A JP3210412B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 新規イソキノリンカルボン酸誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310705A JPH05310705A (ja) | 1993-11-22 |
JP3210412B2 true JP3210412B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=15166678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13607692A Expired - Fee Related JP3210412B2 (ja) | 1992-04-28 | 1992-04-28 | 新規イソキノリンカルボン酸誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3210412B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-28 JP JP13607692A patent/JP3210412B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05310705A (ja) | 1993-11-22 |
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