JP2654848B2 - 新規イソキノリン誘導体またはその酸付加塩 - Google Patents

新規イソキノリン誘導体またはその酸付加塩

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JP2654848B2
JP2654848B2 JP2150484A JP15048490A JP2654848B2 JP 2654848 B2 JP2654848 B2 JP 2654848B2 JP 2150484 A JP2150484 A JP 2150484A JP 15048490 A JP15048490 A JP 15048490A JP 2654848 B2 JP2654848 B2 JP 2654848B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なイソキノリン誘導体およびその酸付加
塩に関する。本発明の化合物は、医薬品として有用であ
る。
従来技術および解決しようとする課題 従来、種々のグアニジノ安息香酸誘導体が蛋白質分解
酵素トリプシン、プラスミン、トロンビン等を阻害する
作用を有し医薬品として使用されている。(特公昭49−
2107号公報、特開昭52−89640号公報、特公昭61−1063
号公報等) しかし、従来公知のグアニジノ安息香酸誘導体の蛋白
分解酵素阻害効果は必ずしも充分とは言えず、更に優れ
た作用を有する新規化合物の開発が望まれていた。
課題を解決するための手段 本発明者は、新規な蛋白分解酵素阻害剤の研究開発
中、一般式(I)で表される一連のイソキノリン誘導体
が優れた当該効果を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(I) 〔式中、Rはヒドロキシル基、シアノ基、−COR1基(R1
は炭素数1〜4までの直鎖または分枝鎖アルキル基を表
す)、−COOR2基(R2は炭素数1〜4までの直鎖または
分枝鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す)、
−COOCH2CONR3R4基(R3、R4は水素または炭素数1〜4
までの直鎖または分枝鎖アルキル基で同一または異なっ
ていてもよい)よりなる群から選択される基を表す〕 で示されるイソキノリン誘導体またはその薬理学的に許
容できる酸付加塩に関する。
本発明化合物(I)は、次式(II) で表される4−グアニジノ安息香酸またはその反応性誘
導体と次式(III) 〔式中、Rはヒドロキシル基、シアノ基、−COR1基(R1
は炭素数1〜4までの直鎖または分枝鎖アルキル基を表
す)、−COOR2基(R2は炭素数1〜4までの直鎖または
分枝鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す)、
−COOCH2CONR3R4基(R3、R4は水素または炭素数1〜4
までの直鎖または分枝鎖アルキル基で同一または異なっ
ていてもよい)よりなる群から選択される基を表す〕 で示される5−ヒドロキシイソキノリン化合物またはそ
の反応性誘導体を反応させることにより得ることができ
る。
また、4−グアニジノ安息香酸(II)と化合物(II
I)との反応は、一般の脱水反応を適用することができ
る。例えば、(a)触媒、縮合剤等の存在下に遊離の4
−グアニジノ安息香酸(II)またはその酸付加塩と化合
物(III)またはその酸付加塩と反応させる方法、
(b)4−グアニジノ安息香酸(II)の反応性誘導体と
化合物(III)とを反応させる方法、(c)遊離の4−
グアニジノ安息香酸(II)と化合物(III)の反応性誘
導体とを反応させる方法などを適用できる。
方法(a)における触媒としては、例えば硫酸、塩
酸、p−トルエンスルホン酸、オキシ塩化リン、ポリリ
ン酸、三フッ化ホウ素等の酸触媒が挙げられる。縮合剤
としては、例えばジフェニルホスホリルアジド、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボジイミダゾ
ール、N,N′−ジスクシンイミジカルバメート、1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド、ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,
N′−ジメチルホスホルアミジックジクロライド、ジク
ロルリン酸フェニル等を利用できる。この時、ジメチル
アミノピリジン、ピロリジノピリジン等の塩基触媒を併
用することもできる。
反応条件は、用いる触媒または縮合剤によって異なる
が、例えば縮合剤であるジシクロヘキシルカルボジイミ
ドを用いる場合には、溶媒中で4−グアニジノ安息香酸
(II)とジシクロヘキシルカルボジイミドを反応させ、
これに化合物(III)の溶液を加えて塩基の存在下また
は不存在下に−30〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌
することによって反応は終了する。
このとき用いられる溶媒としては、一般の有機溶媒、
例えばピリジン、ジメチルホルムアミド、クロロホル
ム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチル
スルホキシドの他、水が挙げられる。また、塩基として
は、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジメチルアミノピリ
ジン、ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、1,
8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン等が挙げ
られる。
方法(b)におけるカルボン酸(II)の反応性誘導体
としては、酸ハライド、例えば酸クロライド、酸プロマ
イド等;酸無水物、例えばトリフロロ酢酸、メタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、イソブトキシギ酸等との
混合酸無水物;オニウム塩、例えば2−ブロモ−1−ピ
リジウムアイオダイド、2−クロロ−3,5−ジニトロピ
リジン、2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダ
イド;活性エステル、例えばp−ニトロフェニルエステ
ル、N−O−スクシンイミドエステル等が挙げられる。
反応条件は用いる反応性誘導体によって異なるが、例
えば酸クロライドを用いる場合には、溶媒中で酸クロラ
イドと化合物(III)を塩基の存在下または不存在下に
−30〜100℃で、数時間ないし数日間撹拌することによ
って反応は終了する。
この時用いられる溶媒としては、一般の有機溶媒例え
ばピリジン、クロロホルム、ジクロロンメタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、塩
基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、ジ−t−ブチルアミン、ピリジン、ジメチルア
ミノピリジン、ピロリジノピリジン、N−メチルモルホ
リン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン
等を利用できる。
また、方法(c)における化合物(III)の反応性誘
導体としては、例えばそのトリフロロ酢酸エステル、あ
るいは式(IV) (式中、III′は前記(III)で表される化合物のヒドロ
キシル残基を示す) で表される化合物等が利用できる。
また、反応液から本発明化合物(I)を単離精製する
には、抽出、濃縮、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマ
トグラフィー等、通常の単離精製に用いられる化学操作
を適用して行うことができる。
以上のごとくして得られる本発明化合物(I)は、必
要に応じ、常法により酸付加塩とすることができる。酸
としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、炭
酸等の無機酸、また、酢酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、
リンゴ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トルエンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸が利用できる。
一般式(I)のグアニジノ安息香酸誘導体のイン・ビ
トロ(in vitro)でのトリプシンの阻害作用は、村松ら
の方法〔ザ・ジャーナル・オブ・ビオケミストリィ(Th
e Journal of Biochemistry),58,214(1965)参照〕
に準じて行うと次の如くであった。
37℃、10分間の反応でトリプシン1.5μgがp−トシ
ルアルギニンメチルエステル(TAME)を水解する作用を
50%抑制する一般式(I)で示される化合物の濃度、お
よび37℃、10分間の反応でトリプシン20μgがカゼイン
を水解する作用を50%抑制する一般式(I)で示される
化合物の濃度は表1に示した如くである。
試験化合物番号および対照薬である市販FOYならびにF
OIPANの構造式は次の如くである。
1′−ヒドロキシ−5′−イソキノリル 4−グアニジ
ノベンゾアート・メタンスルホン酸塩 1′−シアノ−5′−イソキノリル 4−グアニジノベ
ンゾアート・メタンスルホン酸塩・1水和物 1′−アセチル−5′−イソキノリル 4−グアニジノ
ベンゾアート・塩酸塩 1′−エトキシカルボニル−5′−イソキノリル 4−
グアニジノベンゾアート・塩酸塩 1′−プロポキシカルボニル−5′−イソキノリル 4
−グアニジノベンゾアート・3/2メタンスルホン酸塩 1′−イソプロポキシカルボニル−5′−イソキノリル
4−グアニジノベンゾアート・塩酸塩 1′−ベンジルオキシカルボニル−5′−イソキノリル
4−グアニジノベンゾアート・塩酸塩・1水和物 1′−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチルオキシカ
ルボニル−5′−イソキノリル 4−グアニジノベンゾ
アート・塩酸塩 1′−ブトキシカルボニル−5′−イソキノリル 4−
グアニジノベンゾアート・塩酸塩・1水和物 エチル 4−(6−グアニジノヘキサノイルオキシ)ベ
ンゾアート・メタンスルホン酸塩 N,N−ジメチルカルバモイルメチル p−(p−グアニ
ジノベンゾイルオキシ)フェニルアセタート・メタンス
ルホン酸塩 このように本発明化合物(I)は、優れた抗トリプシ
ン作用を有しており、蛋白分解酵素の活性化により生じ
る疾患の治療剤例えば、膵臓疾患、出血性疾患、血栓な
どの治療剤として有用である。
本発明化合物(I)を医薬として使用する場合には、
適当な賦形剤、担体、希釈剤等を用いて錠剤、カプセル
剤、顆粒、粉末又は注射剤等の剤形として経口または非
経口的に投与することができる。
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、これは本発
明を具体例により、理解し易くするためのもので、本発
明化合物の製造がこれにより制限されるものではない。
参考例1 エチル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシ
ラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸4.18g
をエタノール75mlに懸濁し、塩化水素ガスを冷時飽和
後、17時間加熱還流した。
溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル100ml、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、分液した。有機層
を減圧留去し、残渣を含水エタノールから再結晶して次
の融点をもつ標題化合物2.60gを得た。
融点:152−153℃ 参考例2 プロピル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキ
シラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸3.00g
と塩化水素ガス飽和の1−プロパノール50mlを用いて参
考例1記載の方法に従って反応、精製して次の融点をも
つ標題化合物1.48gを得た。
融点:148−150℃ 参考例3 イソプロピル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカル
ボキシラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸2.51g
をエタノール20mlに懸濁、水酸化カリウム0.88gを溶か
したエタノール溶液20mlを加え、減圧留去した。残渣を
ジメチルホルムアミド(DMF)20mlに懸濁、2−ヨード
プロパン2.26gを加え、氷冷下1時間、室温下27時間撹
拌した。反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液200ml
にあけ、酢酸エチル100mlで3回抽出した。抽出液を減
圧濃縮し、残渣を含水2−プロパノールから再結晶し
て、次の融点をもつ標題化合物1.36gを得た。
融点:182−183℃ 参考例4 ベンジル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキ
シラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸3.00g
と水酸化カリウム1.05g、ヨウ化ベンジル4.16gを用い、
参考例3記載の方法に従って反応精製を行い、次の融点
をもつ標題化合物1.14gを得た。
融点:165−166℃ 参考例5 N,N−ジメチルカルバモイルメチル 5−ヒドロキシ−
1−イソキノリンカルボキシラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸3.00g
と水酸化カリウム1.05g、α−ブロモ−N,N−ジメチルア
セトアミド3.00gを用い、参考例3記載の方法に従って
反応、精製を行い次の融点をもつ標題化合物2.20gを得
た。
融点:205−208℃ 参考例6 1−エトキシカルボニルメチルカルボニル−5−ヒドロ
キシイソキノリン ナトリウムエチラート5.03gをトルエン50mlに懸濁、
エチル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシ
ラート(参考例1に従って製造)0.80g、酢酸エチル11m
lを加えて2時間加熱還流した。
放冷後6N塩酸で中和、メチルエチルケトン100mlで3
回抽出を行った。抽出液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1で
溶出)で精製を行い、次の融点をもつ標題化合物0.48g
を得た。
融点:102−103℃ 参考例7 1−アセチル−5−ヒドロキシイソキノリン 1−エトキシカルボニルメチルカルボニル−5−ヒド
ロキシイソキノリン(参考例6に従って製造)1.04gを1
N塩酸20mlに溶解し、2時間加熱還流した。反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和、酢酸エチル50mlで
3回抽出した。抽出液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲル
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶
出)で精製を行い、次の融点をもつ標題化合物0.63gを
得た。
融点:149−152℃ 参考例8 ブチル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシ
ラート 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボン酸3.00g
と水酸化カリウム1.00g、1−ヨードブタン11.63gを用
い、参考例3記載の方法に従って、反応、精製を行い、
次の融点をもつ標題化合物1.79gを得た。
融点:148−150℃ 実施例1 1′−ヒドロキシ−5′−イソキノリル 4−グアニジ
ノベンゾアート・メタンスルホン酸塩(化合物番号1) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩2.70gをピリジン60m
lに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.
60gを加え、氷冷下1時間撹拌した。ピリジン50mlに溶
解した1,5−イソキノリンジオール2.00gを滴下し、氷冷
下1時間、さらに室温で65時間撹拌した。
反応生成物を濾取し、メタノールに懸濁し、濾過し
た。濾液を減圧濃縮し、析出物をメタノールに懸濁し、
メタンスルホン酸を加えた。不溶物を濾別して除き、濾
液を減圧濃縮し、析出物をメタノールに溶解して冷所放
置した。析出した白色結晶を濾取し、メタノールから再
結晶を行い、次の物性を有する標題化合物0.10g(収率
2.0%)を得た。
融点:209−213℃ FAB−MS 323(M+H) IR νKBrcm-1: 3400,3200,1740,1700,1660,1640,1610,1570,1515,1480,
1400,1265,1230,1170,1040,740 元素分析値:C17H14N4O3・CH3SO3Hとして計算 C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 51.67 4.34 13.39 7.66 実測値 51.51 4.27 13.31 7.74 実施例2 1′−シアノ−5′−イソキノリル 4−グアニジノベ
ンゾアート・メタンスルホン酸塩・一水和物(化合物番
号2) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩0.65gをピリジン12m
lに溶解し、DCC0.78gを加え氷冷下1時間撹拌した。ピ
リジン−DMF混液に溶解した1−シアノ−5−ヒドロキ
シイソキノリン0.51gを滴下し、氷冷下1時間さらに室
温で16時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮
した。濃縮液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを加
え、生成する沈澱を濾取、水およびアセトンで洗浄し炭
酸塩1.17gを得た。
炭酸塩をDMF9mlに懸濁させ、メタンスルホン酸0.69g
を加えると発泡しながらとけて、黄色澄明溶液となっ
た。溶液にエーテル30mlを加え析出する結晶を濾取、メ
タノールから再結晶を行い、次の物性を有する標題化合
物0.30g(収率22.3%)を得た。
融点:220−225℃ FAB−MS 332(M+H) IR νKBrcm-1: 3370,3180,2240,1745,1685,1605,1580,1415,1400,1255,
1200,1175,1145,1060,760 元素分析値:C18H13N5O2・CH3SO3H・H2Oとして計算 C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 51.23 4.30 15.72 7.20 実測値 51.37 4.04 15.77 7.43 実施例3 1′−アセチル−5′−イソキノリル 4−グアニジノ
ベンゾアート・塩酸塩(化合物番号3) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩0.70g、DCC0.67g、
1−アセチル−5−ヒドロキシイソキノリン(参考例7
記載の方法に従って製造)0.61gを用い、実施例2記載
の方法に従って反応、処理を行い炭酸塩0.77gを得た。
炭酸塩をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:CH3O
H:CH3COOH=10:1:1で溶出)を行った。溶出液を減圧濃
縮、残渣を2−プロパノールに懸濁させ、酸性になるま
で塩酸を加えると澄明溶液となった。溶液を減圧濃縮
し、得られた油状物にエーテルを加え固化、濾取して粗
塩酸塩を得た。塩酸塩を2−プロパノールから再結晶し
て次の物性を有する標題化合物0.17g(収率13.3%)を
得た。
融点:210−211℃(分解) FAB−MS 350(M+H) IR νKBrcm-1: 3430,3100,1740,1690,1235 元素分析値:C19H16N4O3・HClとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 59.30 4.45 14.56 実測値 59.06 4.59 14.34 実施例4 1′−エトキシカルボニル−5′−イソキノリル 4−
グアニジノベンゾアート・塩酸塩(化合物番号4) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩5.00g、DCC4.70g、
エチル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシ
ラート(参考例1記載の方法に従って製造)5.00gを用
いて実施例2記載の方法に従って反応、処理を行い炭酸
塩6.40gを得た。
炭酸塩をメタノール100mlに懸濁、塩酸飽和メタノー
ル7mlを加えた。濾過して不溶物を除き、濾液を減圧濃
縮して粗塩酸塩を得た。エタノールから再結晶を行い次
の物性を有する標題化合物0.84g(収率8.7%)を得た。
融点:187−192℃ FAB−MS 470(M+Gly+H) IR νKBrcm-1: 3300,2980,1730,1680,1630,1600,1570,1510,1460,1270,
1230,1160,1060,1010,760 元素分析値:C20H18N4O4・HClとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 57.91 4.62 13.51 実測値 57.46 4.73 13.72 実施例5 1′−プロポキシ−5′−イソキノリル 4−グアニジ
ノベンゾアート・3/2メタンスルホン酸塩(化合物番号
5) 4−グアニジノ安息香酸1.08g、DCC1.03g、プロピル
5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシラート
(参考例2記載の方法に従って製造)1.16gを用いて実
施例2記載の方法に従って反応した。反応液を濾過した
後、濾液にエーテル50mlを加え生成する沈澱を濾取し
た。沈澱を水20mlに懸濁、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液30mlを加え混合した後濾過し、沈澱を水およびアセト
ンで洗浄し炭酸塩1.71gを得た。
炭酸塩をメタノール10mlに懸濁し、メタンスルホン酸
0.87gを加えると発泡しながら溶けて澄明溶液となっ
た。この溶液にエーテル50mlを加え、デカントして上清
を除去、油状物を得た。油状物をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(CHCl3:CH3OH:CH3COOH=10:1:1で溶出)で精
製した。溶出液を減圧濃縮し、濃縮液にエーテル100ml
を加えデカントして上清を除き、油状物を得た。油状物
を2−プロパノールから再結晶して次の物性を有する標
題化合物0.84g(収率31.3%)を得た。
融点:170−174℃ FAB−MS 393(M+H) IR νKBrcm-1: 3300,3250,3120,1740,1690,1610,1580,1270,1230,1170,
1040,820,775,555,535 元素分析値:C21H20N4O4・3/2CH3SO3Hとして計算 C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 50.37 4.88 10.44 8.96 実測値 50.32 4.99 10.36 8.84 実施例6 1′−イソプロポキシ−5′−イソキノリル 4−グア
ニジノベンゾアート・塩酸塩(化合物番号6) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩1.40g、DCC1.55g、
イソプロピル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカル
ボキシラート(参考例3記載の方法に従って製造)1.50
gを実施例2記載の方法に従って反応させた。反応液に
エーテル50mlを加え、デカントして上清を除き、沈澱を
得た。沈澱をエタノールエーテルから再結晶して下記の
物性を有する標題化合物1.51g(収率54.2%)を得た。
融点:177−180℃ FAB−MS 393(M+H) IR νKBrcm-1: 350,2980,1730,1680,1625,1600,1570,1270,1230,1170,1
065,760,745 元素分析値:C21H20N4O4・HClとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 58.81 4.94 13.06 実測値 58.63 4.99 12.96 実施例7 1′−ベンジルオキシカルボニル−5′−イソキノリル
4−グアニジノベンゾアート・塩酸塩・一水和物(化
合物番号7) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩0.77g、DCC0.86g、
ベンジル 5−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキ
シラート(参考例4記載の方法に従って製造)1.00gを
実施例6記載の方法に従って製造して次の物性を有する
標題化合物0.87g(収率49.1%)を得た。
融点:109−112℃ FAB−MS 441(M+H) IR νKBrcm-1: 3370,3150,1740,1680,1600,1575,1275,1230,1170,1060,
1020,760,750,700 元素分析値:C25H20N4O4・HCl・H2Oとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 60.67 4.68 11.32 実測値 60.68 4.80 11.55 実施例8 1′−(N,N−ジメチルカルバモイル)メチルオキシカ
ルボニル−5′−イソキノリル 4−グアニジノベンゾ
アート・塩酸塩(化合物番号8) 4−グアニジノ安息香酸・塩酸塩1.00g、DCC1.00g、
N,N−ジメチルカルバモイルメチル 5−ヒドロキシ−
1−イソキノリンカルボキシラート(参考例5記載の方
法に従って製造)1.40gを実施例2記載の方法に従って
反応させた。
反応液を濾過、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(CHCl3:CH3OH:CH3COOH=10:1:1
で溶出)で精製した。溶出液を減圧濃縮し、残渣をメタ
ノール50mlに懸濁し、塩酸飽和メタノールを加え酸性と
すると溶けて澄明となった。溶液を減圧濃縮し、残渣を
エタノールから再結晶して、次の物性を有する標題化合
物1.36g(収率62.1%)を得た。
融点:184−187℃ FAB−MS 436(M+H) IR νKBrcm-1: 3280,3150,1760,1740,1670,1600,1570,1510,1170,1150,
1120,1050,820 元素分析値:C22H21N5O5・HClとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 56.00 4.70 14.84 実測値 56.19 4.62 14.46 実施例9 1′−ブトキシカルボニル−5′−イソキノリル 4−
グアニジノベンゾアート・塩酸塩・1水和物(化合物番
号9) 4−グアニジノ塩酸塩0.88g、DCC0.84g、ブチル 5
−ヒドロキシ−1−イソキノリンカルボキシラート(参
考例8記載の方法に従って製造)1.00gを実施例2記載
の方法に従って反応させた。反応液を濾過、濾液にエー
テル60mlを加えると沈澱が生じた。デカントして上清を
除き、沈澱物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:
CH3OH:CH3COOH=10:1:1で溶出)で精製した。溶出液を
減圧濃縮し、残渣にアセトンを加えて、結晶化させ、次
の物性を有する標題化合物0.30g(収率16.2%)を得
た。
融点162−171℃ FAB−MS 407(M+H) IR νKBrcm-1: 3310,2960,1730,1680,1570,1270,1230,1165,1060,760 元素分析値:C22H22N4O4・HCl・H2Oとして計算 C(%) H(%) N(%) 理論値 57.33 5.47 12.16 実測値 57.19 5.24 11.97 発明の効果 本発明によると新規なイソキノリン誘導体またはその
薬理学的に許容できる酸付加塩を提供することができ
る。本発明のイソキノリン誘導体またはその酸付加塩
は、優れた蛋白分解酵素阻害作用、特に抗トリプシン作
用を有している。そして、その作用はFOYよりも強力でF
OIPANと同等あるいはそれよりも優れている。
従って、本発明の化合物は蛋白分解酵素の活性化によ
り生ずる疾患の治療剤として有用である。
フロントページの続き (72)発明者 島田 信一 栃木県宇都宮市兵庫塚1―10―2 県営 住宅211 (72)発明者 小山 忠義 栃木県下都賀郡石橋町石橋773―3 S Kマンション2―A (72)発明者 瀬谷 元秀 栃木県下都賀郡石橋町石橋773―3 S Kマンション3―A (72)発明者 阿部 典子 栃木県小山市三峯2―4―4

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、Rはヒドロキシル基、シアノ基、−COR1基(R1
    は炭素数1〜4までの直鎖または分枝鎖アルキル基を表
    す)、−COOR2基(R2は炭素数1〜4までの直鎖または
    分枝鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す)、
    −COOCH2CONR3R4基(R3、R4は水素または炭素数1〜4
    までの直鎖または分枝鎖アルキル基で同一または異なっ
    ていてもよい)よりなる群から選択される基を表す〕 で示されるイソキノリン誘導体またはその薬理学的に許
    容できる酸付加塩
  2. 【請求項2】1′−ヒドロキシ−5′−イソキノリル
    4−グアニジノベンゾアートまたはその薬理学的に許容
    できる酸付加塩である請求項(1)記載の化合物
  3. 【請求項3】1′−シアノ−5′−イソキノリル 4−
    グアニジノベンゾアートまたはその薬理学的に許容でき
    る酸付加塩である請求項(1)記載の化合物
  4. 【請求項4】1′−アセチル−5′−イソキノリル 4
    −グアニジノベンゾアートまたはその薬理学的に許容で
    きる酸付加塩である請求項(1)記載の化合物
  5. 【請求項5】1′−エトキシカルボニル−5′−イソキ
    ノリル 4−グアニジノベンゾアートまたはその薬理学
    的に許容できる酸付加塩である請求項(1)記載の化合
  6. 【請求項6】1′−プロポキシカルボニル−5′−イソ
    キノリル 4−グアニジノベンゾアートまたはその薬理
    学的に許容できる酸付加塩である請求項(1)記載の化
    合物
  7. 【請求項7】1′−イソプロポキシカルボニル−5′−
    イソキノリル 4−グアニジノベンゾアートまたはその
    薬理学的に許容できる酸付加塩である請求項(1)記載
    の化合物
  8. 【請求項8】1′−ベンジルオキシカルボニル−5′イ
    ソキノリル 4−グアニジノベンゾアートまたはその薬
    理学的に許容できる酸付加塩である請求項(1)記載の
    化合物
  9. 【請求項9】1′−(N,N−ジメチルカルバモイル)メ
    チルオキシカルボニル−5′−イソキノリル 4−グア
    ニジノベンゾアートまたはその薬理学的に許容できる酸
    付加塩である請求項(1)記載の化合物
  10. 【請求項10】1′−ブトキシカルボニル−5′−イソ
    キノリル 4−グアニジノベンゾアートまたはその薬理
    学的に許容できる酸付加塩である請求項(1)記載の化
    合物
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