JPH0529037Y2 - - Google Patents
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- JPH0529037Y2 JPH0529037Y2 JP1987066491U JP6649187U JPH0529037Y2 JP H0529037 Y2 JPH0529037 Y2 JP H0529037Y2 JP 1987066491 U JP1987066491 U JP 1987066491U JP 6649187 U JP6649187 U JP 6649187U JP H0529037 Y2 JPH0529037 Y2 JP H0529037Y2
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Description
〔産業上の利用分野〕
この考案は、容器詰めの粉末成分と成形用モー
ルドと可食成形体とを1組とし、上記成形用モー
ルドの成形用凹部で粉末成分を水と接触させて餅
様菓子化させたのち、これに上記可食成形体を押
しつけて取り出すようにした組合せ菓子に関する
ものである。 〔従来の技術〕 一般に、餅生地は、糯米、粳米等を蒸煮し充分
にこねることにより得られるもので、その製造に
は蒸し器やこねる道具等が要り、結構手間ひまの
かかるものである。 一方、近年、水を注ぐだけの即席食品や、加熱
するだけの即席食品等が歓迎される風潮にあり、
伝統的な餅様食品の分野においても、上記手間ひ
まをかけて一から餅生地をつくるよりも、例えば
水を注ぐだけで簡単に餅生地が得られるようなも
のが望まれていた。 このような要望を受けて、水を注ぐだけで餅生
地となるものとして、アミロペクチンを主体とす
る穀類(糯米、ワキシコーンスターチ等)を蒸
練、焙焼、粉砕した穀類粉末のα化物が開発され
実用化されている。 そこで、上記α化穀類粉末を利用して、瞬時に
餅様菓子が得られるような新しいタイプの菓子が
できるのではないかという期待が菓子業界内に生
まれた。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記α化穀類粉末は、水の浸透
性が良すぎるため、水を注ぐと粉末層の表面が急
激に吸水膨潤して膜状になり、粉末層の内部まで
水を浸透させない。そのため、粉末が玉状にな
る、いわゆる「ダマ」が発生しやすいという難点
を有している。ダマが発生すると、丁寧に粉末と
水とをこねなければ均一な餅生地とならず、瞬時
には餅生地とはならないため、期待されるような
新しい即席餅様菓子は得られなかつた。 この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、水の浸透性が適度に抑えられていて加水時
にダマを生じない特殊なα化穀類粉末を用い、喫
食者自身が粉末成分と水とを成形用モールド内で
接触させることにより瞬時に餅様菓子を作り、可
食成形体でこれを取り出してあたかもアイスクリ
ームのような感覚で喫食できるという視覚的面白
さと創造的楽しさを兼ね備えた新規な組合せ菓子
の提供をその目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この考案の組合せ
菓子は、下記の(A)成分を主体とする容器詰めの粉
末成分と、上記粉末成分を水と接触させ凹部に沿
わせて餅様菓子化させるための成形用凹部が設け
られた形成用モールドと、上記餅様菓子を成形用
凹部から取り出すための可食成形体とを備えたと
いう構成をとる。 (A) アミロペクチンを主体とする穀類粉末のα化
物であつて、水−アルコール混合溶液を加えて
乾燥されているα化穀類粉末。 すなわち、本考案者らは、瞬時に餅様菓子が得
られるような新しいタイプの菓子を得るために
は、まず餅生地用材料として水と会つてもダマを
発生しない、水の浸透性が抑制されたα化穀類粉
末を得る必要があるとして一連の研究を行つた。
その結果、従来のα化穀類粉末に、さらに水−ア
ルコール混合溶液を加えて乾燥すると、α化穀類
粉末の水浸透性が抑制されて急激な吸水膨潤が起
こらず、ダマも発生しなくなることを見いだし
た。そして、この特殊なα化穀類粉末と水とを接
触させると、水と接触した粉末部分が瞬時に餅生
地に変化することを見いだしこの考案に到達し
た。 つぎに、この考案を詳しく説明する。 この考案の容器詰め粉末成分は、(A)成分である
特殊なα化穀類粉末を主体とするものである。こ
こで主体とするとは、全体が(A)成分のみからなる
場合も含めるものである。 上記(A)成分のα化穀類粉末は、例えばつぎのよ
うにして製造することができる。すなわち、ま
ず、従来からあるα化穀類粉末、例えば寒梅粉を
準備し、これに水とアルコールとを所定量だけ混
合した混合溶液を加えて攪拌する。そして、この
混合物を乾燥して改質されたα化穀類粉末を得
る。 このようにして得られたα化穀類粉末は、水−
アルコール混合溶液による処理のため、水浸透性
が抑制されている。したがつて、加水しても、急
激な吸水膨潤が起こらず、従来から問題となつて
いたダマが発生しない。したがつて、このα化穀
類粉末を用いると、瞬時にダマのない餅生地をつ
くることができる。 なお、上記製法において、水−アルコール混合
溶液によつて処理するα化穀類粉末としては、寒
梅粉の他に、糯米粉、粳米粉、ワキシコーンスタ
ーチ等のα化物があげられる。これらのうち、糯
米粉およびワキシコーンスターチのα化物が効果
の点で特に好適である。 また、上記製法において、α化穀類粉末に添加
する水−アルコール混合溶液における水の配合量
が多いと、α化穀類粉末が餅化してダマができや
すいため取り扱い性の悪いものとなる傾向がみら
れる。逆に、水−アルコール混合溶液におけるア
ルコールの配合量が多いと、α化穀類粉末に対す
る水浸透性抑制効果があまり得られないという傾
向がみられる。したがつて、上記の2点を考慮す
れば、水−アルコール混合溶液における水の配合
量は、2〜40重量%(以下「%」ち略す)の範囲
内にすることが好適である。そして、α化穀類粉
末に対する水−アルコール混合溶液の添加量は、
5〜40%の範囲内にすることが好適である。な
お、上記水−アルコール混合溶液において、用い
るアルコールとしてはエタノールが好適である。 さらに、上記製法において、α化穀類粉末の粒
度は、上記水−アルコール混合溶液の添加量にも
よるが、24〜200メツシユ程度に設定することが
好適である。この範囲を外れると、良好な水浸透
抑制効果が得られないからである。 つぎに、この特殊なα化穀類粉末の水浸透性抑
制効果を調べるために、つぎのような試験を行つ
た。すなわち、第8図aに示すように、一定の深
さを有する容器11に単なる寒梅粉(従来のα化
穀類粉末、粒度100メツシユオン)12を入れ、
一方、第8図bに示すように、容器13に上記の
ようにして水−アルコール混合溶液で処理した寒
梅粉(改質α化穀類粉末、粒度100メツシユオン)
14を入れて、ともに、上方から水を滴下してそ
の水滴の状態を観察した。この場合、第9図aに
示すように、容器11においては、寒梅粉12上
で水滴が表面張力によつて球状に保持されたまま
であつた。これをよく見ると、水滴と寒梅粉12
の接点において、ごく一部分の寒梅粉12が餅状
となつて造膜しており、水が下方に浸透するのを
妨げている。これは、寒梅粉12の水浸透性が良
すぎて水と接した瞬間に粉が急激に吸水膨潤した
ためと考えられる。これに対し、容器13におい
ては、第9図bに示すように、滴下した水が完全
に寒梅粉14内部まで吸収されている。このこと
は、寒梅粉14の水浸透性が、水−アルコール混
合溶液の処理によつて抑制されたことを示してい
る。なお、第9図において、15は餅状部であ
る。 また、単なるα化穀類粉末と、水−アルコール
混合溶液で処理されたα化穀類粉末との期別は、
上記水浸透性の差異だけでなく、沃素溶液による
発色の差異によつても区別される。すなわち、例
えばα化穀類粉末の水浸透性抑制効果を調べる場
合(第8図および第9図参照)と同様にして、水
の代わりに0.00025Nの沃素溶液を滴下すると、
単なる寒梅粉は藍色に発色し、水−アルコール混
合溶液によつて処理された寒梅粉は紫色に発色す
る。上記発色の差異は、肉眼によつて充分に区別
することができる。 この考案に用いる粉末成分には、上記(A)成分で
ある特殊なα化穀類粉末以外に、粉糖、色素、酸
味料、香料等が適宜配合される。このとき、上記
粉糖の配合割合は粉末成分全体の60%以下に設定
することが好ましく、特に15%程度に設定するこ
とが瞬時の餅様化に好適である。 上記粉末成分は容器に詰めることが行われ、そ
の容器としては、通常、ポリエチレン製袋等の密
封容器が使用される。 上記粉末成分を水と接触させて餅様菓子化する
ための成形用モールドは、成形用凹部を備えてい
るものであればどのようなものでもよい。そし
て、その材質も特に制限するものではない。しか
し、通常は離型性に優れた塩化ビニル等が用いら
れる。 この考案には、さらに可食成形体が組み合わさ
れる。これは、成形用モールドの凹部内で得られ
た餅様菓子を付着させて取り出して喫食するのに
用いられるもので、コーンカツプやウエハース等
の成形体があげられる。その形状は、喫食者が手
指で把持できる形状になつていればどのようなも
のでもよい。 つぎに、この考案の組合せ菓子の製造の一例に
ついて説明する。すなわち、まず(A)成分であるα
化穀類粉末を準備し、これに必要であれば粉糖、
酸味料等の添加物を加えて混合したのちポリエチ
レン袋等の容器に充填して密封する。そして、こ
の容器詰めの粉末成分と、成形用凹部を備えた成
形用モールドと、所定形状のコーンカツプとを組
み合わせて目的とする組合せ菓子を製造すること
ができる。この組合せ菓子を第1図に示す。1は
成形用モールドであり、成形用凹部1aとコーン
カツプ3を収納するための収納用凹部1bとを備
えている。2は容器詰めの粉末成分である。 上記組合せ菓子の喫食は、例えばつぎのように
して行う。すなわち、まず、粉末成分2入り容器
を開封し、第2図(第1図のA−A′断面図)に
示すように、成形用モールド1の成形用凹部1a
に粉末成分2を振り入れる。そこへ、第3図に示
すように、水を所定量滴下して、上記粉末成分2
の粉末層に水を浸透させて粉末層を餅様菓子4化
させる。そして、第4図に示すように、この餅様
菓子4の表面にコーンカツプ3を押しつけ、コー
ンカツプ3先端に餅様菓子4を付着させて取り出
すと、あたかもアイスクリームのような外観を有
した餅様菓子4が得られる(第5図)。そこで、
喫食者は、この餅様菓子4を、コーンカツプ3ご
と喫食することができる。 なお、上記組合せ菓子において、粉末成分2に
PHによつて異なる色の発色をする色素を配合する
とともに、酸成分もしくはアルカリ成分を粉末状
で配合しておくと、喫食時に上記のようにして成
形用モールド1内で粉末成分2と水とを接触させ
た際に、粉末成分2の色がPHの変化により色変わ
りするため、視覚的により興趣に富んだものとな
る。 また、良好な餅様菓子4を得るためには、最適
な量の粉末成分2とこれに対応する量の水が接触
することが必要であり、喫食者がこれを計量する
手間を省くために、成形用モールド1の成形用凹
部1aに振り入れる粉末成分2の適量を示す段差
1a′を設けたり(第6図)、粉末成分2の計量用
カツプ5を成形用モールド1に一体的に成形し、
切り離しができるようにミシン目を入れる(第7
図)ようにしてもよい。また、水を所定量だけ吸
い上げることができるように成形されたスポイド
を組み合わせるようにしてもよい。 さらに、餅様菓子4を装飾するために、チヨコ
チツプやカラフルシユガー、きなこ等を別容器に
充填して組み合わせるようにしてもよい。これら
の装飾体による餅様菓子4の装飾は、第5図に示
すコーンカツプ3付餅様菓子4に振りかけるよう
にしてもよいし、コーンカツプ3を取り出して空
いている成形様モールド1の収納用凹部1b(第
1図参照)に装飾体を振り入れてコーンカツプ3
付餅様菓子4をころがすようにしてもよい。 また、餅様菓子4を作るには、純粋な水だけで
なく、甘味料を含有するシロツプやジユース等を
粉末成分2に接触させるようにしてもよい。上記
シロツプやジユース等も、密封容器に充填して組
み合わせることができる。 〔考案の効果〕 以上のように、この考案の組合せ菓子は、特殊
な粉末成分を用い、モールドの型に沿つた形状の
餅様菓子を瞬時に、ダマをつくることなく得るこ
とができるようになつており、しかも得られた餅
様菓子をコーンカツプに付着させてアイスクリー
ムのような感覚で喫食することができる。したが
つて、この組合せ菓子は、単に餅様菓子の風味を
楽しめるだけでなく、餅様菓子をつくる製造の楽
しみとその形状の視覚的面白さをも同時に味わう
ことができるのである。 つぎに、この考案を実施例にもとづいて説明す
る。 〔実施例 1〜5〕 まず、水15mlとエタノール100mlとを均一に混
合し、水−エタノール混合溶液を調整した。この
混合溶液を寒梅粉500gに添加し、攪拌したのち、
60℃で20分間乾燥を行い、改質寒梅粉(100メツ
シユオン)を得た。そして、上記改質寒梅粉と下
記の第1表に示す原料を下記の割合で混合したの
ち、ポリエチレン製の柔軟な袋に充填密封して5
種類の粉末成分を得た。
ルドと可食成形体とを1組とし、上記成形用モー
ルドの成形用凹部で粉末成分を水と接触させて餅
様菓子化させたのち、これに上記可食成形体を押
しつけて取り出すようにした組合せ菓子に関する
ものである。 〔従来の技術〕 一般に、餅生地は、糯米、粳米等を蒸煮し充分
にこねることにより得られるもので、その製造に
は蒸し器やこねる道具等が要り、結構手間ひまの
かかるものである。 一方、近年、水を注ぐだけの即席食品や、加熱
するだけの即席食品等が歓迎される風潮にあり、
伝統的な餅様食品の分野においても、上記手間ひ
まをかけて一から餅生地をつくるよりも、例えば
水を注ぐだけで簡単に餅生地が得られるようなも
のが望まれていた。 このような要望を受けて、水を注ぐだけで餅生
地となるものとして、アミロペクチンを主体とす
る穀類(糯米、ワキシコーンスターチ等)を蒸
練、焙焼、粉砕した穀類粉末のα化物が開発され
実用化されている。 そこで、上記α化穀類粉末を利用して、瞬時に
餅様菓子が得られるような新しいタイプの菓子が
できるのではないかという期待が菓子業界内に生
まれた。 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記α化穀類粉末は、水の浸透
性が良すぎるため、水を注ぐと粉末層の表面が急
激に吸水膨潤して膜状になり、粉末層の内部まで
水を浸透させない。そのため、粉末が玉状にな
る、いわゆる「ダマ」が発生しやすいという難点
を有している。ダマが発生すると、丁寧に粉末と
水とをこねなければ均一な餅生地とならず、瞬時
には餅生地とはならないため、期待されるような
新しい即席餅様菓子は得られなかつた。 この考案は、このような事情に鑑みなされたも
ので、水の浸透性が適度に抑えられていて加水時
にダマを生じない特殊なα化穀類粉末を用い、喫
食者自身が粉末成分と水とを成形用モールド内で
接触させることにより瞬時に餅様菓子を作り、可
食成形体でこれを取り出してあたかもアイスクリ
ームのような感覚で喫食できるという視覚的面白
さと創造的楽しさを兼ね備えた新規な組合せ菓子
の提供をその目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、この考案の組合せ
菓子は、下記の(A)成分を主体とする容器詰めの粉
末成分と、上記粉末成分を水と接触させ凹部に沿
わせて餅様菓子化させるための成形用凹部が設け
られた形成用モールドと、上記餅様菓子を成形用
凹部から取り出すための可食成形体とを備えたと
いう構成をとる。 (A) アミロペクチンを主体とする穀類粉末のα化
物であつて、水−アルコール混合溶液を加えて
乾燥されているα化穀類粉末。 すなわち、本考案者らは、瞬時に餅様菓子が得
られるような新しいタイプの菓子を得るために
は、まず餅生地用材料として水と会つてもダマを
発生しない、水の浸透性が抑制されたα化穀類粉
末を得る必要があるとして一連の研究を行つた。
その結果、従来のα化穀類粉末に、さらに水−ア
ルコール混合溶液を加えて乾燥すると、α化穀類
粉末の水浸透性が抑制されて急激な吸水膨潤が起
こらず、ダマも発生しなくなることを見いだし
た。そして、この特殊なα化穀類粉末と水とを接
触させると、水と接触した粉末部分が瞬時に餅生
地に変化することを見いだしこの考案に到達し
た。 つぎに、この考案を詳しく説明する。 この考案の容器詰め粉末成分は、(A)成分である
特殊なα化穀類粉末を主体とするものである。こ
こで主体とするとは、全体が(A)成分のみからなる
場合も含めるものである。 上記(A)成分のα化穀類粉末は、例えばつぎのよ
うにして製造することができる。すなわち、ま
ず、従来からあるα化穀類粉末、例えば寒梅粉を
準備し、これに水とアルコールとを所定量だけ混
合した混合溶液を加えて攪拌する。そして、この
混合物を乾燥して改質されたα化穀類粉末を得
る。 このようにして得られたα化穀類粉末は、水−
アルコール混合溶液による処理のため、水浸透性
が抑制されている。したがつて、加水しても、急
激な吸水膨潤が起こらず、従来から問題となつて
いたダマが発生しない。したがつて、このα化穀
類粉末を用いると、瞬時にダマのない餅生地をつ
くることができる。 なお、上記製法において、水−アルコール混合
溶液によつて処理するα化穀類粉末としては、寒
梅粉の他に、糯米粉、粳米粉、ワキシコーンスタ
ーチ等のα化物があげられる。これらのうち、糯
米粉およびワキシコーンスターチのα化物が効果
の点で特に好適である。 また、上記製法において、α化穀類粉末に添加
する水−アルコール混合溶液における水の配合量
が多いと、α化穀類粉末が餅化してダマができや
すいため取り扱い性の悪いものとなる傾向がみら
れる。逆に、水−アルコール混合溶液におけるア
ルコールの配合量が多いと、α化穀類粉末に対す
る水浸透性抑制効果があまり得られないという傾
向がみられる。したがつて、上記の2点を考慮す
れば、水−アルコール混合溶液における水の配合
量は、2〜40重量%(以下「%」ち略す)の範囲
内にすることが好適である。そして、α化穀類粉
末に対する水−アルコール混合溶液の添加量は、
5〜40%の範囲内にすることが好適である。な
お、上記水−アルコール混合溶液において、用い
るアルコールとしてはエタノールが好適である。 さらに、上記製法において、α化穀類粉末の粒
度は、上記水−アルコール混合溶液の添加量にも
よるが、24〜200メツシユ程度に設定することが
好適である。この範囲を外れると、良好な水浸透
抑制効果が得られないからである。 つぎに、この特殊なα化穀類粉末の水浸透性抑
制効果を調べるために、つぎのような試験を行つ
た。すなわち、第8図aに示すように、一定の深
さを有する容器11に単なる寒梅粉(従来のα化
穀類粉末、粒度100メツシユオン)12を入れ、
一方、第8図bに示すように、容器13に上記の
ようにして水−アルコール混合溶液で処理した寒
梅粉(改質α化穀類粉末、粒度100メツシユオン)
14を入れて、ともに、上方から水を滴下してそ
の水滴の状態を観察した。この場合、第9図aに
示すように、容器11においては、寒梅粉12上
で水滴が表面張力によつて球状に保持されたまま
であつた。これをよく見ると、水滴と寒梅粉12
の接点において、ごく一部分の寒梅粉12が餅状
となつて造膜しており、水が下方に浸透するのを
妨げている。これは、寒梅粉12の水浸透性が良
すぎて水と接した瞬間に粉が急激に吸水膨潤した
ためと考えられる。これに対し、容器13におい
ては、第9図bに示すように、滴下した水が完全
に寒梅粉14内部まで吸収されている。このこと
は、寒梅粉14の水浸透性が、水−アルコール混
合溶液の処理によつて抑制されたことを示してい
る。なお、第9図において、15は餅状部であ
る。 また、単なるα化穀類粉末と、水−アルコール
混合溶液で処理されたα化穀類粉末との期別は、
上記水浸透性の差異だけでなく、沃素溶液による
発色の差異によつても区別される。すなわち、例
えばα化穀類粉末の水浸透性抑制効果を調べる場
合(第8図および第9図参照)と同様にして、水
の代わりに0.00025Nの沃素溶液を滴下すると、
単なる寒梅粉は藍色に発色し、水−アルコール混
合溶液によつて処理された寒梅粉は紫色に発色す
る。上記発色の差異は、肉眼によつて充分に区別
することができる。 この考案に用いる粉末成分には、上記(A)成分で
ある特殊なα化穀類粉末以外に、粉糖、色素、酸
味料、香料等が適宜配合される。このとき、上記
粉糖の配合割合は粉末成分全体の60%以下に設定
することが好ましく、特に15%程度に設定するこ
とが瞬時の餅様化に好適である。 上記粉末成分は容器に詰めることが行われ、そ
の容器としては、通常、ポリエチレン製袋等の密
封容器が使用される。 上記粉末成分を水と接触させて餅様菓子化する
ための成形用モールドは、成形用凹部を備えてい
るものであればどのようなものでもよい。そし
て、その材質も特に制限するものではない。しか
し、通常は離型性に優れた塩化ビニル等が用いら
れる。 この考案には、さらに可食成形体が組み合わさ
れる。これは、成形用モールドの凹部内で得られ
た餅様菓子を付着させて取り出して喫食するのに
用いられるもので、コーンカツプやウエハース等
の成形体があげられる。その形状は、喫食者が手
指で把持できる形状になつていればどのようなも
のでもよい。 つぎに、この考案の組合せ菓子の製造の一例に
ついて説明する。すなわち、まず(A)成分であるα
化穀類粉末を準備し、これに必要であれば粉糖、
酸味料等の添加物を加えて混合したのちポリエチ
レン袋等の容器に充填して密封する。そして、こ
の容器詰めの粉末成分と、成形用凹部を備えた成
形用モールドと、所定形状のコーンカツプとを組
み合わせて目的とする組合せ菓子を製造すること
ができる。この組合せ菓子を第1図に示す。1は
成形用モールドであり、成形用凹部1aとコーン
カツプ3を収納するための収納用凹部1bとを備
えている。2は容器詰めの粉末成分である。 上記組合せ菓子の喫食は、例えばつぎのように
して行う。すなわち、まず、粉末成分2入り容器
を開封し、第2図(第1図のA−A′断面図)に
示すように、成形用モールド1の成形用凹部1a
に粉末成分2を振り入れる。そこへ、第3図に示
すように、水を所定量滴下して、上記粉末成分2
の粉末層に水を浸透させて粉末層を餅様菓子4化
させる。そして、第4図に示すように、この餅様
菓子4の表面にコーンカツプ3を押しつけ、コー
ンカツプ3先端に餅様菓子4を付着させて取り出
すと、あたかもアイスクリームのような外観を有
した餅様菓子4が得られる(第5図)。そこで、
喫食者は、この餅様菓子4を、コーンカツプ3ご
と喫食することができる。 なお、上記組合せ菓子において、粉末成分2に
PHによつて異なる色の発色をする色素を配合する
とともに、酸成分もしくはアルカリ成分を粉末状
で配合しておくと、喫食時に上記のようにして成
形用モールド1内で粉末成分2と水とを接触させ
た際に、粉末成分2の色がPHの変化により色変わ
りするため、視覚的により興趣に富んだものとな
る。 また、良好な餅様菓子4を得るためには、最適
な量の粉末成分2とこれに対応する量の水が接触
することが必要であり、喫食者がこれを計量する
手間を省くために、成形用モールド1の成形用凹
部1aに振り入れる粉末成分2の適量を示す段差
1a′を設けたり(第6図)、粉末成分2の計量用
カツプ5を成形用モールド1に一体的に成形し、
切り離しができるようにミシン目を入れる(第7
図)ようにしてもよい。また、水を所定量だけ吸
い上げることができるように成形されたスポイド
を組み合わせるようにしてもよい。 さらに、餅様菓子4を装飾するために、チヨコ
チツプやカラフルシユガー、きなこ等を別容器に
充填して組み合わせるようにしてもよい。これら
の装飾体による餅様菓子4の装飾は、第5図に示
すコーンカツプ3付餅様菓子4に振りかけるよう
にしてもよいし、コーンカツプ3を取り出して空
いている成形様モールド1の収納用凹部1b(第
1図参照)に装飾体を振り入れてコーンカツプ3
付餅様菓子4をころがすようにしてもよい。 また、餅様菓子4を作るには、純粋な水だけで
なく、甘味料を含有するシロツプやジユース等を
粉末成分2に接触させるようにしてもよい。上記
シロツプやジユース等も、密封容器に充填して組
み合わせることができる。 〔考案の効果〕 以上のように、この考案の組合せ菓子は、特殊
な粉末成分を用い、モールドの型に沿つた形状の
餅様菓子を瞬時に、ダマをつくることなく得るこ
とができるようになつており、しかも得られた餅
様菓子をコーンカツプに付着させてアイスクリー
ムのような感覚で喫食することができる。したが
つて、この組合せ菓子は、単に餅様菓子の風味を
楽しめるだけでなく、餅様菓子をつくる製造の楽
しみとその形状の視覚的面白さをも同時に味わう
ことができるのである。 つぎに、この考案を実施例にもとづいて説明す
る。 〔実施例 1〜5〕 まず、水15mlとエタノール100mlとを均一に混
合し、水−エタノール混合溶液を調整した。この
混合溶液を寒梅粉500gに添加し、攪拌したのち、
60℃で20分間乾燥を行い、改質寒梅粉(100メツ
シユオン)を得た。そして、上記改質寒梅粉と下
記の第1表に示す原料を下記の割合で混合したの
ち、ポリエチレン製の柔軟な袋に充填密封して5
種類の粉末成分を得た。
【表】
そして、第1図に示すような成形用モールド1
とコーンカツプ3を準備し、上記袋入り粉末成分
2と組み合わせることにより5種類の組合せ菓子
を得た。 これらの実施例品について、先に述べたような
操作を行い、第5図に示すようなコーンカツプ3
付餅様菓子4を作つて喫食した。このときの視覚
的な変化および成形性を評価して下記の第2表に
まとめた。なお、成形性の評価は、極めて良好…
◎、良好…○、やや劣る…△、劣る…×の4段階
評価である。
とコーンカツプ3を準備し、上記袋入り粉末成分
2と組み合わせることにより5種類の組合せ菓子
を得た。 これらの実施例品について、先に述べたような
操作を行い、第5図に示すようなコーンカツプ3
付餅様菓子4を作つて喫食した。このときの視覚
的な変化および成形性を評価して下記の第2表に
まとめた。なお、成形性の評価は、極めて良好…
◎、良好…○、やや劣る…△、劣る…×の4段階
評価である。
【表】
上記の結果から、実施例品はいずれも好ましい
成形性を有し、興趣に富むものであつた。そい
て、各実施例品は、餅様菓子4の生成と同様に明
確な色変化が見られ、視覚的にも楽しめるもので
あつた。
成形性を有し、興趣に富むものであつた。そい
て、各実施例品は、餅様菓子4の生成と同様に明
確な色変化が見られ、視覚的にも楽しめるもので
あつた。
第1図はこの考案の一実施例の構成を示す斜視
図、第2図、第3図、第4図および第5図はこの
考案の一実施例を用いて餅様菓子を生成させる手
順の説明図、第6図および第7図はそれぞれ他の
実施例の説明図、第8図および第9図はこの考案
に用いるα化穀類粉末の水浸透性抑制効果を調べ
るための試験方法の説明図である。 1……成形用モールド、2……粉末成分、3…
…コーンカツプ、4……餅様菓子。
図、第2図、第3図、第4図および第5図はこの
考案の一実施例を用いて餅様菓子を生成させる手
順の説明図、第6図および第7図はそれぞれ他の
実施例の説明図、第8図および第9図はこの考案
に用いるα化穀類粉末の水浸透性抑制効果を調べ
るための試験方法の説明図である。 1……成形用モールド、2……粉末成分、3…
…コーンカツプ、4……餅様菓子。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下記の(A)成分を主体とする容器詰めの粉末成
分と、上記粉末成分を水と接触させ凹部に沿わ
せて餅様菓子化させるための成形用凹部が設け
られた成形用モールドと、上記餅様菓子を成形
用凹部から取り出すための可食成形体とを備え
たことを特徴とする組合せ菓子。 (A) アミロペクチンを主体とする穀類粉末のα
化物であつて、水−アルコール混合溶液を加
えて乾燥されているα化穀類粉末。 (2) 容器詰めの粉末成分に、粉糖が粉末全体の60
重量%以下含有されている実用新案登録請求の
範囲第(1)項記載の組合せ菓子。 (3) α化穀類粉末が、糯米またはワキシコーンス
ターチのα化物である実用新案登録請求の範囲
第(1)項または第(2)項記載の組合せ菓子。 (4) α化穀類粉末の粒度が、24〜200メツシユの
範囲内に設定されている実用新案登録請求の範
囲第(1)項ないし第(3)項のいずれかに記載の組合
せ菓子。 (5) 成形用モールドが、粉末成分を定量しうる定
量機構を備えている実用新案登録請求の範囲第
(1)項ないし第(4)項のいずれかに記載の組合せ菓
子。 (6) 可食成形体が、コーンカツプまたはウエハー
スである実用新案登録請求の範囲第(1)項ないし
第(5)項のいずれかに記載の組合せ菓子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987066491U JPH0529037Y2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987066491U JPH0529037Y2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63173087U JPS63173087U (ja) | 1988-11-10 |
JPH0529037Y2 true JPH0529037Y2 (ja) | 1993-07-26 |
Family
ID=30904545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987066491U Expired - Lifetime JPH0529037Y2 (ja) | 1987-04-30 | 1987-04-30 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0529037Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007215401A (ja) * | 2004-03-10 | 2007-08-30 | Susumu Kato | うるち米を主原料とする加工食品を製造するためのプレミックス粉 |
-
1987
- 1987-04-30 JP JP1987066491U patent/JPH0529037Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63173087U (ja) | 1988-11-10 |
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