JP4112189B2 - 組合せ菓子及びそれを用いた曳糸性菓子の製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、組合せ菓子及びそれを用いた曳糸性菓子の製法に関し、更に詳しくは、喫食者が組成の異なる組成物を順次加水混合するだけで、短時間で納豆様の細かな糸をひく、曳糸性菓子を得ることができる組合せ菓子と、該組合せ菓子を用いて曳糸性菓子を効果的に得るための製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、α化穀類粉末を用いて水を注ぐだけで餅生地様食品となる即席食品が開発され(特許登録第1782666号)、また、この技術を応用した子供向けの組合せ菓子が種々開発されている。
例えば、粉末に液体を滴下することにより、瞬時に餅様菓子を得るものとしては、特公平5−1689号公報記載の粉末組成物がある。この粉末組成物は、粒度が特定範囲のアミロペクチンを主体としたα化穀類粉末と水溶性増粘剤粉末とを含有した粉末組成物に、液体を滴下すると、粉末組成物が餅様菓子化し、滴下の軌跡に沿って線状の文字や絵柄等の任意形状の餅様菓子を得ることができ、喫食者自身が作る過程での創造的面白さを楽しむことができる粉末組成物である。しかしながら、上記の餅様菓子は、喫食者に得ようとする文字や絵柄が予めわかってしまうという欠点があり、更なる創意工夫の余地があった。
【0003】
また、α化穀類粉末を用いた他の即席菓子としては、例えば実公平3−33274号公報に記載の組合せ菓子がある。
この組合せ菓子は、糖類と炭酸水素ナトリウムと水溶性増粘剤とを主成分とする組成物に、水を滴下して混練しペースト状物とし、これに酸味料を含有する発泡成分を添加して、より増粘させるとともに、発泡反応によって膨張、白濁した練り飴状菓子を得るものである。
【0004】
上記練り飴状菓子を得る組合せ菓子によれば、喫食者が、粉末に加水して練り合わせると、練り度合いの進行に応じて混合物の状態が変化していき、視覚的変化を長く楽しむことができる菓子を得ることができる。
しかしながら、この組合せ菓子は、発泡成分を用いているため、特有の炭酸風味が感じられ、風味のバリエーションに限界があった。また、得られる練り飴状菓子は、淡雪様の軽い発泡感のある食感とホイップクリーム様の切れのいい粘性であり、練り飴としての粘りの物性の点で改良の余地があった。
また、上記組合せ菓子は、混練過程で最終菓子の形状をある程度容易に予想できるため、消費者(特に年少者)の興味を引きつける、劇的な視覚的変化の点でも改良の余地があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、喫食者が組成の異なる組成物を順次加水混合するだけで、短時間で納豆様の細かな糸をひく、曳糸性菓子を得ることができ、また、風味のバリエーション化が可能な組合せ菓子と、該組合せ菓子を用いて曳糸性菓子を効果的に得るための製法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子であって、下記(A)と(B)とが別包装されて組合されてなる組合せ菓子によって達成される。
(A)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物。
(B)4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物。
【0007】
また、上記の目的は、加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子を用いて、下記工程を順次行うことを特徴とする曳糸性菓子の製法によって達成される。
(1)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物に加水混合する工程。
(2)上記加水混合物に、4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物を添加混合し、曳糸性菓子を得る工程。
【0008】
すなわち、本発明者らは、水溶性増粘剤の増粘性に着目し、この水溶性増粘剤に新しい食品原料を組み合わせると、従来とは異なる増粘性が得られるのではないかと考え、検討を行った。そこで、水溶性増粘剤の水溶物にパフ菓子のような吸水性の高い食品原料を添加混合すると、それまで均一なゾル状であったものが、特有の曳糸性を有する物性に変化することを見出した。
【0009】
そこで、更に検討を重ねた結果、水溶性増粘剤を含有する組成物と高吸水性食品原料とを別包装にして組み合わせた菓子とし、喫食時には、まず水溶性増粘剤を含有する組成物に加水し、均一に水分を浸透させてペースト状物を調製した後、高吸水性食品原料を添加混合すると、短時間で物性が劇的に変化し、特有の曳糸性のある物性となることを見出した。
更には、高吸水性食品原料として、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を用いると、短時間で納豆様の細かな糸をひく、曳糸性菓子を得ることができることを見出した。
そして、この組合せ菓子は、風味のバリエーションが可能で、喫食者が練り合わせる度合いに応じて、曳糸性が変化し、細かい糸状物が多量に得られ、視覚的変化及び食感の変化が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の組合せ菓子は、別包装された(A)水溶性増粘剤を含有する組成物と、(B)多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物とからなる。
【0011】
本発明の組合せ菓子に用いられる(A)組成物中の水溶性増粘剤は、水に可溶の天然ガム質であって、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、プルラン等が挙げられ、これらは単独でも数種組み合わせてもよい。この中でも、特に、曳糸性に優れる点でプルランは好適に用いられる。
【0012】
また、水溶性増粘剤の含有量は、曳糸性菓子全体重量中、好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは3〜10重量%に設定することが望ましい。すなわち、25重量%を超えて使用した場合には、ダマとなって水分が不足した状態になり、曳糸性に劣る傾向にある。逆に、1重量%未満の場合には、曳糸性に劣り、糸を曳かない状態になる傾向にある。
【0013】
また、水溶性増粘剤の形態は、特に限定されるものではないが、粉末状や顆粒状等が挙げられ、適宜選択して用いればよい。
【0014】
また、水溶性増粘剤の粒度は、60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲に設定することが望ましい。更に好ましくは、200メッシュパス〜300メッシュオンの粒子にすることが望ましい。これは、粒度分布により60メッシュパス〜300メッシュオンの粒子が60%以上含まれていることが望ましいという趣旨である。すなわち、粒度分布により60%以上の粒子が60メッシュオンの場合、曳糸性に劣る傾向にある。逆に、60%以上の粒子が300メッシュパスの場合、ダマとなって水分が不足した状態になり、曳糸性に劣る傾向にある。
【0015】
また、上記水溶性増粘剤に糖類を組み合わせると、風味が好適になると共に、曳糸性菓子を得る工程で、水性媒体に分散・易溶性となる点で望ましい。
糖類としては、ブドウ糖等の単糖類、砂糖,粉末水飴等の2糖類以上の多糖類もしくは少糖類、キシリトール,ソルビトール等の糖アルコール、トレハロース、パラチニット等が挙げられ、これらは単独でも数種組み合わせてもよい。この中でも、特に砂糖は曳糸性菓子を得る際に、水溶性増粘剤が分散・溶解し易く、また、風味に優れる点で好適である。
【0016】
なお、糖類として粉末水飴を用いる場合には、(A)とは別に独立して別包装(C)としておくと、短時間で好ましい曳糸性に優れる曳糸性菓子を得ることができると共に、曳糸性菓子にこしを持たせることができる点で、更に効果的である。粉末水飴を別包装(C)とする場合、(A)には他の糖類を含有させてもよい。
【0017】
糖類の含有比率は、重量比で好ましくは水溶性増粘剤1に対して1以上、更に好ましくは3〜30の範囲で含有することが、曳糸性及び風味の点で望ましい。また、糖類の粒度は、上記水溶性増粘剤の粒度と揃えた方が分級しない点で望ましい。なお、分級してしまうと、曳糸性菓子を調製する際に、ダマになり易く、曳糸性に劣る傾向にある。
【0018】
次に、本発明の組合せ菓子に用いられる(B)組成物は、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有してなる。
まず、多孔性食品粉砕物とは、麩、パフ、米菓、あられ、膨化スナック食品等の澱粉、穀類及び蛋白質を主体とする原料を粉砕したもの、もしくは上記原料に必要に応じ加水し、加熱、加圧、凍結乾燥等の処理を施し、多孔質化させ、粉砕したものである。
【0019】
次に、同じく(B)に用いられるα化澱粉とは、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、山いも澱粉、もち米粉等をα化処理した澱粉である。この中でも、特にα化馬鈴薯澱粉は、曳糸性及び風味の点で好適である。
また、α化澱粉の製造方法は、澱粉懸濁液をドラムドライヤーや、エクストルーダー、スプレードライヤー、凍結乾燥等によって乾燥し、α化させて製造される。これらの方法の中でも、ドラムドライヤーを用いて製造すると、曳糸性菓子にした時、風味及び食感に影響が少なくなる傾向にあり、風味のバリエーション化を図る点で好適である。
また、α化澱粉の形態は、薄片、破片状、フレーク状等が挙げられる。この中でも、特にフレーク状物を用いると、曳糸性を短時間で得ることができる点で好適である。
【0020】
また、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉の含有量は、曳糸性菓子全体重量中、好ましくは15〜50重量%、更に好ましくは30〜40重量%に設定することが望ましい。すなわち、50重量%を超えて含有した場合には、曳糸性菓子の水分が不足した状態になり、曳糸性に劣る傾向にある。逆に、15重量%未満の場合には、曳糸性菓子の水分が過剰になる傾向にある。
なお、本発明においては、多孔性食品粉砕物とα化澱粉は、それぞれ単独でも組合せて用いてもよい。すなわち、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉全体として上記重量を含有することが好ましく、組合せて用いる際の両者の比率は特に限定するものではない。
【0021】
また、多孔性食品粉砕物及びα化澱粉の粒度は、その粒度を4メッシュパス〜100メッシュオン、更に好ましくは4メッシュパス〜60メッシュオンの範囲に設定することが望ましい。これは粒度分布により4メッシュパス〜100メッシュオンの粒子が60%以上含まれていることが望ましいという趣旨である。すなわち、粒度分布により60%以上の粒子が4メッシュオンの場合、曳糸性に劣る傾向にある。逆に、60%以上の粒子が100メッシュパスの場合、水分を過剰に吸収し、曳糸性菓子が一つの塊りになる傾向にある。
【0022】
次に、上記(A)組成物中の水溶性増粘剤と(B)組成物中の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉との重量比は、好ましくは1:1〜1:8、更に好ましくは1:3〜1:6にすることが望ましい。すなわち、この割合より多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉が少ない場合は、曳糸性菓子の吸水性が不足し、曳糸性が悪くなる傾向にある。逆に、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉が多い場合は、過剰に吸水しすぎて、塊状の物性になり易い傾向にある。
【0023】
なお、上記(A)水溶性増粘剤を含有する組成物と、(B)多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物、必要に応じて(C)粉末水飴を含有する組成物とには、それぞれ副原料として、酸味料、色素、香料、卵白粉末等の蛋白原料、高感度甘味料、乳製品、カカオ製品、油脂、澱粉等を適宜添加してもよい。
【0024】
次に、上記(A)水溶性増粘剤を含有する組成物と(B)多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物とを用いて、本発明の組合せ菓子の製品化は、例えば次のようにして行われる。
すなわち、上述したような(A)水溶性増粘剤を含有する組成物を包装したものと、(B)多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物を包装したものとを組合せ、必要に応じ、更にこれらを一つの包装体に密封し、組合せ菓子製品とすればよい。
このとき、(A)組成物及び(B)組成物の包装は、例えば、ポリエチレン等の軟質なプラスチック袋等に包装すればよい。また、その包装形態は、袋体、筒状や箱状等が挙げられる。また、その材質は、プラスチックに限定するものではなく紙等でもよく、あるいは金属等各種材質等の中から適宜選択し、単独もしくは複数組合せて用いればよい。
【0025】
また、本発明の組合せ菓子の製品化にあたっては、図1に示すような専用の容器を添付して用いるようにしてもよい。
図1において、10は混練用容器、11は計量部、12は混練部である。
計量部11は、混練用容器10と一体化して成形されており、予め切り取り用の溝を形成した切取り部13を折ることによって、混練用容器10から切り離すことができるようになっている。
計量部11は、加水する量に応じて計量部11内側に計量線を設けるようにしてもよい。あるいは、計量部11に満量充填すると、所定量となるよう予め設計するようにしてもよい。
混練部12は、組成物(A)と(B)と水性媒体とを混練するための収容部分であり、混練する量に応じて、大きさは適宜設計すればよい。
また、混練用容器の形状は、特に限定するものではなく、適宜設計すればよい。
材質も、特に限定するものではないが、例えば、量産成形の点で、プラスチックのブロー成型品などが挙げられる。
【0026】
また、本発明の組合せ菓子の製品化の際に、図1に示す専用の混練用治具14を添付するようにしてもよい。
混練用治具の形状は、把持部14aを有し、混練可能な形状であればよい。
また、その材質は、例えば、木材、プラスチック、鉄等、特に限定するものではなく、適宜選択して用いればよい。
【0027】
次に、本発明の組合せ菓子を用いて、曳糸性菓子は例えば図1のようにして製造される。
まず、水性媒体1を準備する。水性媒体1は、例えば、水、牛乳、シロップ、果汁入り飲料、水性エキス等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に手軽に使用でき、かつ、水溶性増粘剤と早く反応し、曳糸性菓子が素早く得られる点で水が好適に用いられる。
なお、水性媒体は容器詰め等を行い、上記組合せ菓子とセットにして製品化するようにしてもよい。
【0028】
次に、混練用容器10の切取り部13から計量部11を切り離し、上記水性媒体1を計量する。
次いで、水溶性増粘剤を含有する組成物2と予め計量しておいた水性媒体1とを混練用容器10の混練部12に入れる。なお、このとき、水溶性増粘剤を含有する組成物2と水性媒体1のどちらを先に入れてもよいが、特に年少者が曳糸性菓子を調製する際に、水性媒体1を先に入れる方が、計量ミスがあった際にやり直しができる点で好ましい。
また、水溶性増粘剤を含有する組成物2と水性媒体1との比率は、好ましくは1:1〜1:5とすることが望ましい。すなわち、この比率よりも水性媒体1が少ないと、水溶性増粘剤を含有する組成物2中の水溶性増粘剤が溶けにくく、曳糸性に劣る傾向にある。逆に、この比率より水性媒体1が多いと、水分が過剰になり、曳糸性に劣る傾向にある。
そして、30秒程度混合して略均一なペースト状物4aとする(図1(A))。
【0029】
次に、粉末水飴を含有する組成物3を用いる場合には、後述する多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物5を添加する前に、上記ペースト状物4aに添加混合してペースト状物4bとしておくことが望ましい(図1(B))。すなわち、粉末水飴を含有する組成物3を、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物4を添加した後に加えると、粉末水飴を含有する組成物3の効果が曳糸性の点で十分発揮されない傾向にある。
【0030】
次に、上記ペースト状物4bに、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物5を添加し、更に混合する(図1(C))。すると、今までペースト状であったものが、徐々に納豆様の糸を引く物性に変化し、曳糸性菓子6が得られる(図1(D))。この曳糸性は、ペースト状物4bを上方に持ち上げるように混練すると、更に増強され、練り度合いと練り時間に応じて多量に糸状物が得られる。
【0031】
なお、上記の混練で用いる混練用容器10は、家庭にある茶碗やコップ、皿等の食器を用いてもよい。
また、混練用治具14は、家庭にある箸、フォーク、スプーン、マドラー、ストロー等棒状のものを適宜用いてもよい。
【0032】
また、図1(E)に示すように、トッピング7を振りかけて喫食するようにしてもよい。
トッピング7は曳糸性菓子6に、風味付け、色づけ、物性の変化等を付与するために用いるもので、例えば、粉末飲料,アラザン,チョコスプレー,ジャム,エキス,シロップ,糖顆粒,ココア,インスタントコーヒー,キャンディチップ,果汁等の粉末食品、液状食品、ペースト状食品、顆粒食品等の中から適宜選択して、単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の組合せ菓子は、組成の異なる粉末組成物を別包装で組み合わせているので、喫食者が順次加水混合するだけで、短時間で納豆様の細かな糸をひく、曳糸性菓子を得ることができる組合せ菓子である。
更には、本発明の曳糸性菓子の製法は、水溶性増粘剤を含有する組成物に、まず加水してから多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を添加混合しているので、曳糸性菓子の曳糸性を短時間で効果的に発現させることができる。
更には、この組合せ菓子は、酸味のあるものから、酸味のないタイプまで風味のバリエーション化が可能で、喫食者が練り合わせる度合いに応じて、曳糸性が変化し、細かい糸状物が多量に得られ、視覚的変化、食感の変化が得られる創造性に富んだ組合せ菓子である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
【0035】
<実施例1〜11>
《組合せ菓子の調製》実施例1〜11は、表1に示す組成の水溶性増粘剤組成物と、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉と、粉末水飴(実施例2及び11を除く)とを別々のプラスチック袋に充填密封し、混練用治具、混練用容器とを添付し、更にプラスチック袋に一纏めに密封することにより組合せ菓子とした。
《曳糸性菓子の調製》水を準備し、水、水溶性増粘剤組成物の順で、それぞれ混練用容器の混練部に入れ、30秒混合し、ペースト状物とした。次いで、実施例2及び11を除いて、別包装された粉末水飴を添加混合した後、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を添加し、更に30秒混合し、曳糸性菓子を調製した。
【0036】
<比較例1〜2及び参考例1> 表1に示す組成で、実施例1〜11と同様の工程を行った。
【0037】
実施例1〜11及び比較例1〜2、参考例1について、曳糸性、風味、視覚的変化及び時間的変化を専門パネラー20名にて評価した。その結果を表1に合せて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1の結果から明らかなように、実施例の組合せ菓子は、水溶性増粘剤と、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉とを併用して、曳糸性菓子を調製したため、短時間で納豆様の細かな糸をひく、曳糸性菓子が得られる組合せ菓子であった。また、実施例11は、糖類を用いていないので、風味が劣り、また、加水した時の粉末の分散・易溶性が劣るので、曳糸性、時間的変化が発現するのに少し時間がかかった。また、実施例9は、砂糖は用いていないが、粉末水飴を用いているので、風味が実施例11よりも良くなり、また、曳糸性、視覚的変化が優れていた。これに対し、比較例の組合せ菓子は、水溶性増粘剤と、多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉とを併用せず、それぞれ単独で使用したため、実施例に比べて、曳糸性がかなり劣り、視覚的変化にも乏しい菓子しか得られない組合せ菓子であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組合せ菓子を用いて曳糸性菓子を製造する一例を示す説明図。
【符号の説明】
1 水性媒体
2 水溶性増粘剤を含有する組成物
3 粉末水飴を含有する組成物
4a ペースト状物
4b ペースト状物
5 多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物
6 曳糸性菓子
7 トッピング
10 混練用容器
11 計量部
12 混練部
13 切取り部
14 混練用治具
14a 把持部
Claims (9)
- 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子であって、下記(A)と(B)とが別包装されて組合されてなる組合せ菓子。
(A)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物。
(B)4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物。 - 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子であって、下記(A)と(B)とが別包装されて組合されてなる組合せ菓子。
(A)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤と糖類とを含有する組成物。
(B)4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物。 - 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子であって、下記(A)と(B)と(C)とが別包装されて組合されてなる組合せ菓子。
(A)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物。
(B)4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物。
(C)粉末水飴を含有する組成物。 - 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子であって、下記(A)と(B)と(C)とが別包装されて組合されてなる組合せ菓子。
(A)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤と糖類とを含有する組成物。
(B)4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物。
(C)粉末水飴を含有する組成物。 - α化澱粉がフレーク状α化澱粉である請求項1から4記載の組合せ菓子。
- 下記(1)〜(2)の工程を経て曳糸性菓子を調製する請求項1、2、5の何れか1項に記載の組合せ菓子。
(1)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物に加水混合する工程。
(2)上記加水混合物に、4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物を添加混合し、曳糸性菓子を得る工程。 - 下記(1)〜(3)の工程を経て曳糸性菓子を調製する請求項3、4、5のいずれか1項の組合せ菓子。
(1)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤と糖類とを含有する組成物に加水混合する工程。
(2)上記加水混合物に、粉末水飴を含有する組成物を添加混合し、ペースト状物を得る工程。
(3)上記ペースト状物に、4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はフレーク状α化澱粉を含有する組成物を添加混合し、曳糸性菓子を得る工程。 - 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子を用いて、下記工程を順次行うことを特徴とする曳糸性菓子の製法。
(1)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤を含有する組成物に加水混合する工程。
(2)上記加水混合物に、4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はα化澱粉を含有する組成物を添加混合し、曳糸性菓子を得る工程。 - 加水混合して曳糸性菓子を得るための組合せ菓子を用いて、下記工程を順次行うことを特徴とする曳糸性菓子の製法。
(1)60メッシュパス〜300メッシュオンの範囲の水溶性増粘剤と糖類とを含有する組成物に加水混合する工程。
(2)上記加水混合物に、粉末水飴を含有する組成物を添加混合し、ペースト状物を得る工程。
(3)上記ペースト状物に、4 メッシュパス〜100メッシュオンの範囲の多孔性食品粉砕物及び/又はフレーク状α化澱粉を含有する組成物を添加混合し、曳糸性菓子を得る工程。
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