WO2014162616A1 - 氷菓子および氷菓子原料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、以上に述べたような実情に鑑みてなされてものであり、味覚を損ねることなく常温下であっても溶け難い氷菓子および氷菓子原料を提供することにある。
また、本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の氷菓子に米粉とともに小麦粉を加えたことを特徴とし、さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の氷菓子に牛乳とともに豆乳を加えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載の発明は、おから原料に穀類を加えて混合したことを特徴とし、さらに、請求項5記載の発明は、おから原料に豆類を加えて混合したことを特徴とする。ここで穀類とは、米、麦、雑穀(とうもろこし、そば、あわ、ひえなど)が挙げられ、豆類とは、大豆、あずき、いんげん、そらまめなどが挙げられる。
本発明の請求項6記載の発明は、氷菓子原料として、牛乳と、豆乳と、大豆から豆乳を絞りとった後のおからを摩砕してペースト状にしたおから原料と、米粉と、小麦粉と、を加えて微温湯攪拌して得ることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、穀類を摩砕し、おから原料と混合してペースト状にしたことを特徴とし、また、請求項8記載の発明は、豆類を摩砕し、おから原料と混合してペースト状にしたことを特徴とする。
本発明のうち請求項4記載の発明によれば、おから原料に穀類を加えることにより、タンパク質、ビタミン、リン、脂質が多く含まれるとともに細かく摩砕された穀類がペースト状のおから原料に溶け込み、一定の時間穀類中に含まれる上記栄養素が分解せずに保持されるとともに、氷菓子を食したときには、おから原料と共に身体に吸収されやすい状態となっているので、栄養付加の高い氷菓子を提供できる。
本発明のうち請求項5記載の発明によれば、おから原料に豆類を加えることにより、消化吸収率が向上することから、氷菓子を食したときにおから原料の栄養素の取り込みが効率的に行われる。また、穀類や豆類は、比較的無味無臭のものが多く、氷菓子のような甘美な味覚を呈する食品に混合しても食べ易さを損ねないことから、多彩な味付けの氷菓子を提供できるようになる。さらに、本発明のうち請求項6乃至8に発明のように、請求項1乃至5に記載する氷菓子は、氷菓子原料としても提供できる。
『おから原料』
おから3000重量部に水15000重量部を加えて5分間煮沸し、濾過布で含水率90パーセントまで絞り、さらに9000重量部の水により洗浄してもう一度含水率90%まで絞った初期原料を作成する。その初期原料に3000重量部の水を加えて攪拌し、電動式摩砕機にかけて摩砕することでペースト状の「おから」原料を生成した(特許第3683184号公報参照)。
『ソフトクリームベース分』
・主原料
牛乳1000cc、生クリーム250cc、グラニュー糖300g、卵黄8個、バニラエッセンス1gを主成分とする。
・ソフトクリームベース分の生成までの過程
(1) 上記した牛乳1000cc、生クリーム250cc、グラニュー糖200gを収容器(第1収容器)に入れて約50~60℃で加熱する。
(2) 別の収容器(第2収容器)に卵黄4個とグラニュー糖100gを入れて攪拌する。
(3) (1)の工程で生成された混合物を第2収容器に少しずつ投入して段階的に混合する。
(4) (3)の工程で生成された混合物を濾し器に投入して成分を整える。
(5) (4)の工程でペースト状になった段階で約18~20℃の環境で放冷し、バニラエッセンスを投入してソフトクリームベース分の生成が完了する。
次に、本実施によるソフトクリーム(氷菓子)の製造手順について説明する。本実施によるソフトクリームは、上述のソフトクリームベース分1000cc、米粉150g、おから原料50gを主原料とする。
第一の工程として、米粉150gを500ccの蒸留水で攪拌して溶解させる。第二の工程として、第一の工程で得られた米粉溶解物を60℃となるまで約3分間加熱して水分を飛ばし、粘性が出るまで攪拌する。第三の工程として、第二の工程における加熱時の余熱を利用して約30~40℃に放冷されるまで米粉溶解物を攪拌し、米粉溶解物をペースト状にする。第四の工程として、上記ソフトクリームベース分1000cc、おから原料50gを加え、さらに、第一~第三の工程で得られた米粉溶解物を加えて攪拌し、クリーム状の混合物を生成する。
以上、第一~第四の工程を経て得られた混合物をソフトクリーム製造機に投入してコーン等に盛り付けることで、ソフトクリームを製造が完了する。
以下に、本発明の他の実施形態として、ソフトクリームベース分に豆乳を加えたものについて説明する。
『ソフトクリームベース分』
・主原料
豆乳600cc、牛乳400cc、生クリーム250cc、グラニュー糖300g、卵黄10個、バニラエッセンス1gを主成分とする。
・ソフトクリームベース分の生成までの過程
(1) 上記した豆乳600cc、牛乳400cc、生クリーム250cc、グラニュー糖200gを収容器(第1収容器)に入れて約50~60℃で加熱する。
(2) 別の収容器(第2収容器)に卵黄5個とグラニュー糖100gを入れて攪拌する。
(3) (1)の工程で生成された混合物を第2収容器に少しずつ投入して段階的に混合する。
(4) (3)の工程で生成された混合物を濾し器に投入して成分を整える。
(5) (4)の工程でペースト状になった段階で約18~20℃の環境で放冷し、バニラエッセンスを投入してソフトクリームベース分の生成が完了する。
また、本発明による氷菓子の原料については、小麦粉を加えることも可能である。具体的には、ソフトクリームベース分、おから原料、小麦粉、米粉、水分を混合して得られた混合物である。
以下に、上記小麦粉を原料に含むソフトクリーム(氷菓子)の製造手順について説明する。
本実施によるソフトクリームは、上述のソフトクリームベース分1000cc、米粉150g、おから原料50g、小麦粉60gを主原料とする。
第一の工程として、米粉150gを500ccの蒸留水で攪拌して溶解させる。
第二の工程として、第一の工程で得られた米粉溶解物を60℃となるまで約3分間加熱して水分を飛ばし、粘性が出るまで攪拌する。
第三の工程として、第二の工程における加熱時の余熱を利用して約30~40℃に放冷
されるまで米粉溶解物を攪拌し、米粉溶解物をペースト状にする。
第四の工程として、上記ソフトクリームベース分1000cc、おから原料50g、小麦粉60gを加え、さらに、第一~第三の工程で得られた米粉溶解物を加えて攪拌し、クリーム状の混合物を生成する。
以上、第一~第四の工程を経て得られた混合物をソフトクリーム製造機に投入してコーン等に盛り付けることで、ソフトクリームを製造が完了する。
以上のように形成したソフトクリーム(氷菓子)を製造し、ソフトクリームベース分のみの一般的な従来の原料で製造されたソフトクリームとの時間毎の状態を比較した。具体的には、図1(a)(b)のように、それぞれの30分経過の状態(左図)と1時間経過の状態(右図)のようになり、従来の製法のものでは、30分経過後にすでに形が崩れており、1時間経過後にはほとんど原型を留めずに溶け出しているのに対し、本実施によるものは、ほぼ形状を保っている。これは、ソフトクリームベース分とペースト状をなすおから原料が混合練成されたのり状の米粉を介して絡み合って粘性が高まり、これを冷却して凝固すれば、常温下に置いてもおから原料が絡んでソフトクリームベース分が溶け出しにくくなり、氷菓子が長時間保形できると推測されるためである。また、本実施による氷菓子原料は、氷菓子の中でも特に溶けやすいことが問題視されるソフトクリームを挙げたが、ソフトクリームベース分に要する成分に替えて、牛乳もしくは牛乳と豆乳を混合したものに様々な成分を加えることで、上記のソフトクリームの他、アイスキャンディーなどアイスクリーム全般、また、シャーベットなど氷菓子全般に適用できる。
本発明の氷菓子および氷菓子原料は、上記したようなソフトクリームとして提供するときに、おから成分を混合するベースとして牛乳や豆乳を用いているが、これに加えて様々な成分を加えてもよい。具体的に挙げられる氷菓子原料としては、例えば、穀類や豆類、根菜類、果菜類、葉菜類、果実、魚介類、動物性食品類、食用海藻類、酵母やキノコなどの微生物類、でんぷん、デキストリンやキチンなど多糖類やオリゴ糖、食用繊維やシルクパウダーその他、粉末状食品や繊維類、植物類の葉、茎、根などである。これらの成分を上記の原料を混合することにより、味覚、香り、色彩などバラエティ豊富な溶けない氷菓子が提供できる。
そして、上述のおから原料に加える様々な成分のうち、特におから原料との混合に適した成分である穀類、豆類について具体的に説明する。穀類と豆類は、他の成分と比較して無味無臭のものが多く、食品加工上、他の食品と混合して提供しやすい利点がある。
まず、穀類としては、具体的に米、麦、とうもろこし、そば、あわ、ひえなどの雑穀を含む一般的な品目が挙げられる。そして、上記の穀類は、外皮と胚芽と胚乳とからなっており、外皮と胚芽には、タンパク質、ビタミン、リン、脂質が多く含まれている。ところが、外皮と胚芽は胚乳に比べて固く、独特の風味を有するため、食品として摂取する場合には、精白することで取り除かれていた。このような無駄をなくすため、穀類を摩砕して細粉化し、さらにペースト状のおから原料とのり状をなす米粉に混合することで、ソフトクリームとしては違和感のある歯ごたえが消えておから原料と同様のペースト状態となり、混合練成によりのり状をなす米粉を介しておから原料の粘性が保たれたままソフトクリームベース分と絡み合うことで、穀類を加えない前の状態と同様に溶けにくく、しかも、滑らかな触感を呈して食べやすくなる。
また、豆類としては、具体的に大豆、あずき、いんげん、そらまめなどの食用では一般的な品目が挙げられる。豆類は、全体の50~70%を炭水化物が占めており、次に6~14%の蛋白質が占めている。そして、豆類はビタミンB群やカルシウム、鉄が豊富に含まれており、しかも、栄養素の消化吸収率を高める効果が比較的高く、植物性の蛋白質を摂取する不可欠な食品である。これにより、ソフトクリームなどの氷菓子という提供媒体であることから、特にこれらの氷菓子を好む小児や幼児が食するのに適した食品となる。
Claims (8)
- 牛乳と、大豆から豆乳を絞りとった後のおからを摩砕してペースト状にしたおから原料と、米粉と、を加えて微温湯攪拌して溶解混合物を生成し、その溶解混合物に水酸化物を添加した後、これを冷却して凝固成形して得ることを特徴とする氷菓子。
- 前記米粉とともに小麦粉を加えたことを特徴とする請求項1記載の氷菓子。
- 前記牛乳とともに豆乳を加えたことを特徴とする請求項1又は2記載の氷菓子。
- おから原料に穀類を加えて混合したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の氷菓子。
- おから原料に豆類を加えて混合したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の氷菓子。
- 牛乳と、豆乳と、大豆から豆乳を絞りとった後のおからを摩砕してペースト状にしたおから原料と、米粉と、小麦粉と、を加えて微温湯攪拌して得ることを特徴とする氷菓子原料。
- 穀類を摩砕し、おから原料と混合してペースト状にしたことを特徴とする請求項6記載の氷菓子原料。
- 豆類を摩砕し、おから原料と混合してペースト状にしたことを特徴とする請求項6又は7記載の氷菓子原料。
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US20200178556A1 (en) * | 2018-12-11 | 2020-06-11 | Wells Enterprises, Inc. | Plant-based frozen confection |
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JP2010233561A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-10-21 | Ryozo Shiraishi | 氷菓子および氷菓子原料 |
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2013
- 2013-04-05 WO PCT/JP2013/061001 patent/WO2014162616A1/ja active Application Filing
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