JPH05286232A - フルオラン化合物及びこれを使用した発色性記録材料 - Google Patents

フルオラン化合物及びこれを使用した発色性記録材料

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JPH05286232A
JPH05286232A JP4135518A JP13551892A JPH05286232A JP H05286232 A JPH05286232 A JP H05286232A JP 4135518 A JP4135518 A JP 4135518A JP 13551892 A JP13551892 A JP 13551892A JP H05286232 A JPH05286232 A JP H05286232A
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fluorane
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methyl
compound
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JP4135518A
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Toshiro Narizuka
俊郎 成塚
Manabu Yamada
学 山田
Hajime Kawai
初 河合
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Yamada Chemical Co Ltd
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Yamada Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 化1の一般式で表されるフルオラン化合物及
びこの化合物を使用した発色性記録材料。 【化1】 [式中R、Rはそれぞれ独立してハロゲン原子、ア
ルコキシ基を置換基として有することも有る炭素数1〜
8のアルキル基;炭素数3〜8のアルケニル基;炭素数
5〜7のシクロアルキル基;フルフリル基;テトラヒド
ロフルフリル基;ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基を置換基として有することもあるベンジル基;ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を置換基として有
することもあるフェニル基を示す。また、RとR
連結して複素環を形成していてもよい。] 【効果】 本発明のフルオラン化合物は、その発色画像
の赤色への色相変化の問題がそれほどなく、また、カプ
セル面を赤変させることも少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒緑色系に発色する新
規なフルオラン化合物に関するものである。本発明は
又、上記フルオラン化合物を発色剤として含有する感圧
複写紙、感熱記録紙、通電感熱記録紙、発色型熱転写記
録紙等の発色性記録材料に関するものである。
【0002】本発明のフルオラン化合物は、それ自体殆
ど無色で、大気中において極めて安定で昇華性、自然発
色性(地肌かぶり)が無く、有機溶剤に極めて良く溶解
する。そして顕色剤によって速やかに黒緑色に発色し、
発色画像の耐光性、耐湿性に優れている。この為、黒発
色記録材料用発色剤の主成分として使用し得る極めて価
値のある新規化合物である。
【0003】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】緑色〜黒緑
色に発色するフルオラン化合物として、従来、下記化
2、化3、化4の化合物が知られている。
【0004】
【化2】
【0005】
【化3】
【0006】
【化4】
【0007】しかし、これらにはそれぞれ次の様な欠点
が有り、未だ満足のいく黒緑色の発色剤が得られていな
いのが実状である。すなわち化3及び化4の化合物は発
色画像の耐光性が不良である。さらに、化2、化3及び
化4の化合物は日光照射により、感圧複写紙のカプセル
面が強く赤変する欠点を有している。本発明はこれらの
欠点を改良したフルオラン化合物を提供することを技術
的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明の目的は、前述した
従来の化合物において、2’位にメチル基、6’位にエ
チル基を有するアニリノ基をフルオラン骨格の2位に導
入することにより達成された。即ち本発明は、請求項1
に記載の化1の一般式で表されるフルオラン化合物及び
このフルオラン化合物を発色剤として含有する発色性記
録材料に係るものである。
【0009】本発明のフルオラン化合物は以下の如くし
て合成することができる。まず化5の反応式に示すごと
く、m−アミノフェノール誘導体(1)と無水フタール
酸(2)を反応させて2−(4−アミノ−2−ヒドロキ
シ)ベンゾイル安息香酸誘導体(3)を合成する。
【0010】
【化5】
【0011】次にこの2−(4−アミノ−2−ヒドロキ
シ)ベンゾイル安息香酸誘導体(3)と次の化6の一般
式で表されるジフェニールアミン誘導体とを硫酸、クロ
ルスルフォン酸、メタンスルフォン酸、ポリリン酸、塩
化亜鉛、無水酢酸等の脱水縮合剤を用いて縮合させるこ
とによって本発明のフルオラン化合物がほぼ無色の固体
として得られる。
【0012】
【化6】
【0013】化6の一般式で表される化合物の具体例と
しては次のものが挙げられる。 4−ヒドロキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニ
ルアミン 4−メトキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニル
アミン 4−エトキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニル
アミン 4−プロポキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニ
ルアミン 4−イソプロポキシ−2’−メチル−6’−エチルジフ
ェニルアミン 4−ブトキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニル
アミン 4−イソブトキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェ
ニルアミン 4−ペンチルオキシ−2’−メチル−6’−エチルジフ
ェニルアミン 4−イソペンチルオキシ−2’−メチル−6’−エチル
ジフェニルアミン 4−ヘキシルオキシ−2’−メチル−6’−エチルジフ
ェニルアミン
【0014】なお、これらのジフェニルアミン誘導体の
Nアシル体を2−(4−アミノ−2−ヒドロキシ)ベン
ゾイル安息香酸誘導体(3)と反応させてフルオラン化
合物とした後、加水分解しても化1の一般式の化合物が
得られる。
【0015】本発明化合物の具体例としては、化1の一
般式で表されるフルオラン化合物において、6位に次の
様な置換基を有するものを掲げることができる。N,N
−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−
ジプロピルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、N,N−
ジイソブチルアミノ、N,N−ジペンチルアミノ、N,
N−ジイソペンチルアミノ、N,N−ジヘキシルアミ
ノ、N,N−ジオクチルアミノ、N−メチル−N−プロ
ピルアミノ、N−メチル−N−イソプロピルアミノ、N
−ブチル−N−メチルアミノ、N−イソブチル−N−メ
チルアミノ、N−メチル−N−ペンチルアミノ、N−メ
チル−N−イソペンチルアミノ、N−エチル−N−プロ
ピルアミノ、N−エチル−N−イソプロピルアミノ、N
−ブチル−N−エチルアミノ、N−イソブチル−N−エ
チルアミノ、N−エチル−N−ペンチルアミノ、N−エ
チル−N−イソペンチルアミノ、N−エチル−N−ヘキ
シルアミノ、N−プロピル−N−イソプロピルアミノ、
N−ブチル−N−プロピルアミノ、N−イソブチル−N
−プロピルアミノ、N−プロピル−N−ペンチルアミ
ノ、N−プロピル−N−イソペンチルアミノ、N−ブチ
ル−N−イソプロピルアミノ、N−イソブチル−N−イ
ソプロピルアミノ、N−ブチル−N−イソブチルアミ
ノ、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ、N−シク
ロペンチル−N−エチルアミノ、N−エチル−N−シク
ロヘキシルアミノ、N−シクロヘキシル−N−プロピル
アミノ、N−メチル−N−メトキシエチルアミノ、N−
エチル−N−メトキシエチルアミノ、N−エチル−N−
エトキシエチルアミノ、N−エチル−N−メトキシプロ
ピルアミノ、N−エチル−N−エトキシプロピルアミ
ノ、N,N−ジメトキシエチルアミノ、N,N−ジエト
キシエチルアミノ、N,N−ジエトキシプロピルアミ
ノ、N−クロロプロピル−N−エチルアミノ、N,N−
ジクロロプロピルアミノ、N−アリル−N−エチルアミ
ノ、N,N−ジアリルアミノ、N−エチル−N−フルフ
リルアミノ、N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル
アミノ、N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ、N,N−ジテトラヒドロフルフリルアミノ、N−ベ
ンジル−N−メチルアミノ、N−ベンジル−N−エチル
アミノ、N−エチル−N−(p−メチルベンジル)アミ
ノ、N,N−ジベンジルアミノ、N−メチル−N−フェ
ニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ、N−エチル
−N−(o−メチルフェニル)アミノ、N−エチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ、N−エチル−N−
(2’,6’−ジメチルフェニル)アミノ、N−(p−
クロロフェニル)−N−エチルアミノ、ピロリジニル、
ピペリジノ。6位にこの様な置換基を有する本発明のフ
ルオランは、何れも活性白土により速やかに黒緑色ある
いは緑黒色に発色する。
【0016】本発明に係るフルオラン化合物は発色剤と
して単独使用できるが、発色色相、発色濃度、画像の安
定性を改善する為、本発明に係るフルオラン化合物の性
能を損なわない範囲で公知の種々の色相に発色する発色
剤を併用することもできる。例えば、3,3−ビス(ア
ミノフェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス
(インドリル)フタリド、3−アミノフルオラン、アミ
ノベンゾフルオラン、2,6−ジアミノフルオラン、
2,6−ジアミノ−3−メチルフルオラン、スピロピラ
ン、フェノキサジン、フェノチアジン、ロイコオーラミ
ン、カルバゾリルメタン、3−インドリル−3−(アミ
ノフェニル)フタリド、3−インドリル−3−(アミノ
フェニル)アザフタリド等の基本骨格を有する化合物の
誘導体との併用である。
【0017】本発明に係るフルオラン化合物を発色剤と
して使用し、感圧複写紙を製造するには、公知の方法、
例えば米国特許第2800458号、第2800457
号等に記載のコアセルベーション法をカプセル化に採用
することができる。その他、カプセル化には、既知の界
面重合法やIn−situ法を採用することができる。
感圧複写紙を製造する場合に発色剤として用いる本発明
に係るフルオラン化合物を溶解する溶剤としては、感圧
複写紙用として一般的なアルキルベンゼン系、アルキル
ビフェニル系、アルキルナフタレン系、ジアリルエタン
系、水素化ターフェニル系、塩素化パラフィン系の各種
溶剤を掲げることができ、これらを単独又は混合して使
用することができる。また、顕色剤としては、公知のク
レー、ベントナイト、活性白土、酸性白土等の粘土類、
サリチル酸、サリチル酸エステル、サリチル酸誘導体、
フェノール誘導体等の亜鉛塩、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、p−
ヒドロキシ安息香酸エステル等のヒドロキシ化合物、p
−フェニルフェノールホルマリン樹脂、p−オクチルフ
ェノールホルマリン樹脂及びそれらの亜鉛塩等を使用す
ることができる。
【0018】感熱記録紙を製造するには、例えば特公昭
45−14039号公報に記載の公知の方法を採用すれ
ば良い。感熱記録紙を製造する場合のバインターとして
は、感熱記録紙用として一般的なポリビニルアルコー
ル、メチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、
カルボキシメチルセルローズ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、カゼイン、デン粉、ポリビニルピロリドン、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合物等を使用することができ
る。この場合の顕色剤としては、公知のp−ヒドロキシ
安息香酸メチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ベン
ジルエステル、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールA)、3,4’−イソプ
ロピリデンジフェノール、2,2−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4’−シクロヘ
キシリデンジフェノール、4,4’−チオジフエノー
ル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)サ
ルファイド、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブ
チル−6−メチルフェニル)サルファイド、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキ
シ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ
−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビ
ス[2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エチル]エー
テル、4,4’−メチレンビス(オキシエチレンチオ)
ジフェノール、1−ベンジル−2−ナフトール、1,
1’−メチレンジ−2−ナフトール、p−ヒドロキシフ
ェニルサリチルアミド、1,3−ジフェニルチオ尿素、
1,3−ジトリールチオ尿素、1,3−ジクロロフェニ
ルチオ尿素等を単独又は混合して使用することができ
る。
【0019】また、感度向上剤(増感剤)としては、パ
ラフィンろう、カルナウバろう、高級脂肪酸エステル、
高級脂肪酸アミド、蓚酸ジベンジル、蓚酸ジ−p−メチ
ルベンジル、蓚酸ジ−p−クロロベンジル、フタル酸エ
ステル、テレフタル酸エステル、4−ベンジルオキシ安
息香酸ベンジル、ナフトールベンジルエーテル、1,4
−ジアルコキシナフタレン、1,5−ジアルコキシナフ
タレン、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、
ジベンジルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
エステル、1−フェノキシ−2−ナフトキシ(1)エタ
ン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(3−メ
チルフェノキシ)エタン、1−(2−イソプロピルフェ
ノキシ)−2−ナフトキシ(2)エタン、ビス(p−メ
トキシフェノキシエチル)エーテル、2−ヒドロキシ−
3−ナフトエ酸エステル、4,4,−ジアルコキシジフ
ェニルスルホン、ベンツアミド、ジフェニルアミン、ベ
ンゼンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアニリド、
1,4−ジベンジルオキシベンゼン、1,4−ジ(ビニ
ルオキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(ビニルオキ
シエトキシ)ベンゼン、ジフェニルカーボネート等を掲
げることができ、これらを単独又は混合して使用するこ
とができる。
【0020】感度向上剤の他に、画像の耐光性、保存性
の向上の為に種々の酸化防止剤、劣化防止剤、紫外線吸
収剤等を添加したり、感熱記録紙を高分子物質等でオー
バーコートすることもできる。
【0021】
【作用、発明の効果】本発明のフルオラン化合物による
発色画像の耐光性が、前述した従来のフルオラン化合物
の場合に比較して著しく改善される理由は明らかではな
いが、アニリノ基の2個のアルキル基が何らかの相互作
用をしてアミノ基を保護することによるものと考えられ
る。また、本発明の化合物はアルキル基の無い化合物に
比べ、石油ストーブ等から発生する窒素酸化物の影響で
発色画像が赤変することが少ないという特徴も有してい
る。なお、画像耐光性はR,Rの種類によって大き
く変わることはない。これらの優れた諸性質を明らかに
する為に、前述した化2、化3、化4の既知化合物と下
記する化7、化8、化9、化10の本発明の化合物との
比較試験結果を示す。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】比較試験1 −画像耐光性の比較− 前述した化2、化3、化4の既知化合物と化7、化8、
化9、化10の本発明の化合物について、その各7部を
KMC−113(呉羽化学工業株式会社製感圧複写紙用
溶剤)93部に溶解し、後述の製造例1の如く操作して
感圧複写紙の上用紙を得た。これらをクレーを塗布した
市販の下用紙と重ね合わせてローラーで加圧して発色さ
せた。 発色画像を太陽光に1時間曝し、画像の色相を
色差計(日本電色株式会社製 SZ−Σ80型)で測定
し、露光前後での色差(Δa)を求めた。(測定光源:
D65/10)
【0027】 比較試験2 −カプセル面の耐光性の比較− 上記比較試験1で作製した上用紙のカプセル面を太陽光
に1時間曝し、赤変の度合を同様に色差計で測定した。
結果をまとめて次の表1に示す。Δaは赤、緑系の色相
変化を表し、数字が大きい程赤色への変色が大きいこと
を示す。
【0028】
【表1】
【0029】上記結果より、本発明の化合物による画像
部は既知化合物の場合に比べ、特に好ましくない赤色へ
の色相変化が極めて少なく、また、カプセル面の赤変も
少ないことが判る。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係るフルオラン化合物の合成
例を掲げる。 合成例1 2−(2’−メチル−6’−エチルアニリノ)−6−
(N,N−ジエチルアミノ)フルオランの合成;98%
硫酸200gに2−(4−N,N−ジエチルアミノ−2
−ヒドロキシ)ベンゾイル安息香酸31.9gと4−メ
トキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニルアミン
29.4gをそれぞれ10〜15℃で1時間かけて加
え、完全に溶解させた後、15℃で89時間攪拌した。
反応混合物を500gの氷水中に注加し、析出した固形
物を濾集し、水3000mlで洗浄した。得られたケー
キにテトラクロロエチレン185mlと48%水酸化ナ
トリウム水溶液58.3gを加え、80℃で2時間攪拌
した。次いでテトラクロロエチレン層を分取し、活性炭
2.0g、及び活性白土2.0gを加えて、90℃で濾
過後、目的とする色素を晶析させた。得られた結晶をさ
らにブタノール170mlから再結晶し、目的の色素3
5.4gを得た。収率70.2%、mp151〜154
℃。このものは活性白土により速やかに黒緑色に発色
し、メタノール・塩化第二スズ中のλmaxは432,
457,及び600nmにある。なお、ここで使用した
4−メトキシ−2’−メチル−6’−エチルジフェニル
アミンは次の様にして合成した。
【0031】4つ口フラスコに2−メチル−6−エチル
アニリン312.7gを加え、70〜80℃で無水酢酸
258.1gを2時間かけて滴化し、その後80℃で3
時間攪拌した。反応物を水460ml中に徐々に排出
し、析出物を濾集、水洗して2−メチル−6−エチルア
セトアニリドを353.7g得た。収率 86.1%、
mp 127〜128℃。このようにして得られた2−
メチル−6−エチルアセトアニリド353.7gと4−
ブロモアニソール341.1gを混合し、さらに炭酸カ
リウム168.5g、臭化カリウム3.7g,銅粉6.
2gを加えて、200℃で16時間反応した。反応物を
80℃に冷却後、トルエン1000mlと水620ml
の中に排出した。トルエン層を分取し、80℃の湯で洗
浄後トルエンを留去した。残留物に48%水酸化カリウ
ム336.7gを加え、140℃で8時間攪拌して加水
分解した。冷却後、トルエン400mlと水1600m
lの中に排出し、80℃で分液した。トルエン層を80
℃の湯で洗浄後トルエンを留去し、得られた液状物を真
空蒸留して409.6gの目的物を得た。 収率 8
7.6%、bp 195〜198℃(10mmHg)。
このものをメタノールより再結晶した。mp 41〜4
3℃。
【0032】合成例2〜12 合成例1と同様に操作して次の表2に示すフルオラン化
合物を合成した。何れもほぼ無色の化合物であり、活性
白土により速やかに黒緑色に発色する。
【0033】
【表2】
【0034】次に、本発明に係る発色性記録材料の製造
例を掲げる(以下において部とあるのは重量部を示
す。)。 製造例1 −感圧複写紙の製造例− 2−(2’−メチル−6’−エチルアニリノ)−6−(N,N−ジエチルアミ ノ)フルオラン(合成例1の化合物) 7部 KMC−113 (呉羽化学工業株式会社製アルキルナフタレン系感圧複写紙 用溶剤) 93部 上記混合物を加熱溶解し、この液にゼラチン24部とア
ラビアゴム24部を水100部に溶解しpHを7に調整
した液を加え、ホモジナイザーで乳化した。この乳化液
に温水100部を加え50℃で30分間攪拌した後10
%苛性ソーダ水溶液約1部を加え、さらに50℃で30
分間撹拌した。次いで希酢酸を徐々に加えてpHを4.
5に調整し50℃で約1時間攪拌した後0〜5℃に冷却
し、さらに30分間攪拌した。次に4%グルタールアル
デヒド水溶液35部を徐々に加えてカプセルを硬化させ
た後、希苛性ソーダ水溶液でpHを6に調整し室温で数
時間攪拌してカプセル化を完了した。この操作中着色現
象は全く起こらなかった。このカプセル液を紙にワイヤ
ーバーで乾燥後の塗布重量が6g/mとなる様均一に
塗布し乾燥してカプセル塗布紙(上用紙)を得た。この
紙を顕色剤としてクレーを塗布した紙(下用紙)に重ね
合わせボールペンで筆記すると下用紙上に濃い黒緑色の
文字が現われた。この像は耐光性、耐湿性に極めて優れ
ていた。また、上用紙のカプセル面も優れた耐光性を示
し、日光照射によって着色や発色能の低下はなかった。
更に又、フェノールホルマリン樹脂及びサリチル酸亜鉛
系顕色剤を塗布した下用紙で発色させても濃い黒緑色に
発色し、その発色画像は耐光性、耐湿性に優れていた。
【0035】 製造例2 −黒発色感圧複写紙の製造例− 発色剤として2−(2’−メチル−6’−エチルアニリ
ノ)−6−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン7部
の代わりに2−(2’−メチル−6’−エチルアニリ
ノ)−6−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)フルオ
ラン(合成例7の化合物)5.95部と2−メチル−6
−[N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ]
フルオラン(赤色発色剤)1.05部を使用した以外は
製造例1と同様に操作して上用紙を得た。この紙を顕色
剤としてクレーを塗布した下用紙に重ね合わせ、ボール
ペンで筆記すると下用紙上に濃い黒色の文字が速やかに
現われた。この像は耐光性、耐湿性に極めて優れてい
た。また、上用紙のカプセル面も優れた耐光性を示し、
日光照射によって着色や発色能の低下はなかった。更に
又、フェノールホルマリン樹脂あるいはサリチル酸亜鉛
系顕色剤を塗布した下用紙で発色させても同様に濃い黒
色に発色し、その発色画像は耐光性、耐湿性に優れてい
た。
【0036】製造例3 −感熱記録紙の製造例− 1)発色剤分散液(A)液の調整 2−(2’−メチル−6,−エチルアニリノ)−6−(N,N−ジブチルアミ ノ)フルオラン(合成例2の化合物) 5部 カオリン 15部 10%ポリビニルアルコール水溶液 100部 水 85部 上記混合物をペイントシェーカー((株)東洋精機製)
で発色剤の平均粒子径が2ミクロンになるまで粉砕し
た。 2)顕色剤分散液(B)液の調整 ビスフェノール A 15部 ステアリン酸亜鉛 10部 10%ポリビニルアルコール水溶液 150部 上記混合物をペイントシェーカーで平均粒子径が3ミク
ロンになるまで粉砕した。 3)感熱塗液の調整及び塗工 A液10部、B液6.5部を混合攪拌して感熱塗液を得
た。この塗液をワイヤーバーで紙に乾燥後の塗布量が8
g/mとなる様均一に塗布後乾燥して感熱記録紙を得
た。この感熱記録紙は地肌カブリがなく、ほぼ無色であ
り、サーマルヘッドでの印字により速やかに濃い黒緑色
に発色した。この発色像は耐光性、耐湿性に優れてい
た。また、塗布面も耐光性が優れており、日光照射によ
って着色や発色能の低下は起こらなかった。
【0037】 製造例4 −黒発色感熱記録紙の製造例− 発色剤として2−(2’−メチル−6’−エチルアニリ
ノ)−6−(N,N−ジブチルアミソ)フルオラン5部
の代わりに2−(2’−メチル−6’−エチルアニリ
ノ)−6−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)フ
ルオラン(合成例3の化合物)3.75部と9−(N,
N−ジエチルアミノ)ベンゾ[a]フルオラン(赤色発
色剤)1.25部を使用した以外は製造例3と同様に操
作して感熱記録紙を得た。この感熱記録紙は地肌カブリ
がなく、ほぼ無色であり、サーマルヘッドでの印字によ
り速やかに濃い黒色に発色した。この発色像は耐光性、
耐湿性に優れていた。また、塗布面も耐光性が優れてお
り、日光照射によって着色や発色能の低下は起こらなか
った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記する化1の一般式で表されるフルオ
    ラン化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフルオラン化合物を発色
    剤として含有することを特徴とする発色性記録材料。
JP4135518A 1992-04-10 1992-04-10 フルオラン化合物及びこれを使用した発色性記録材料 Pending JPH05286232A (ja)

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