JPH05286163A - 画像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １次粒子に解砕された適正濃度のトナークラ
ウドを、安定して効率よく開口部近傍に供給することに
より、トナー粒子のアパチャー電極板付着や、開口部目
詰まりを防止し、画像処理速度の高速化に対応出来ると
同時に、高画質を得る為の、トナー供給装置（クラウ
ダ）を備えた画像記録装置を提供すること。 【構成】 振動用電極３７に印加される交流電界によっ
て、トナーＴは激しく振動運動する。この結果、トナー
Ｔの凝集体が解砕されて一次粒子となり、均一な適正濃
度のトナークラウドがアパチャー電極板１に供給され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンター、
プロッター、ファクシミリ等に利用し得る画像記録装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、アパチャー電極板の電極に画像信
号を印加することにより、トナー粒子の開口部通過を制
御し、受像体上に画像を記録する画像記録装置は、米国
特許第３６８９９３５号明細書及び図面で提案されてい
る。この提案では絶縁体の層を挟んで片面に連続した基
準電極ともう一方の面に互いに絶縁された複数の制御電
極とから構成され、各絶縁された複数の制御電極毎に３
層を貫いて少なくとも１列の開口部を有しているアパチ
ャー電極板と、制御電極と基準電極との間に選択的に電
位を与える手段と、帯電した粒子を開口部近くに供給す
る手段と、受像体とアパチャー電極板とを相対的に移動
させて受像体を粒子流路中に位置させる手段とから構成
されている。

【０００３】また、この画像記録装置に使用される、帯
電した粒子を開口部近くに供給する手段であるトナー供
給装置に関して、帯電トナーをブラシローラに担持し、
ブラシをブレードで掻くことによって、トナーをクラウ
ド状にして搬送する方式が特願平２−１０９０６号の願
書に添付した明細書及び図面で提案されている。

【０００４】また、帯電トナーをベルトに担持し、ベル
トを振動させることによって、トナーをクラウド状にし
て搬送する方式が特願平２−２９４５８７号明細書及び
図面で提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トナー供給装置（クラウダ）は開口部近傍に適正濃度の
トナークラウドを安定して供給することが難しく、個々
の開口部によって開口部近傍のトナークラウド濃度を常
に一定にすることは難しい。また、開口部近傍のトナー
クラウド濃度にムラがあると、画像記録装置の画像処理
速度が速くなった場合、開口部近傍のトナークラウド濃
度が低濃度のところで、一時的にトナーが不足して画線
部のヌケが生じた。

【０００６】さらに、クラウド状になっているトナー粒
子が互いに凝集して、２次粒子を形成しても解砕出来
ず、実質的にトナー粒子が巨大化してアパチャー電極板
の開口部等に付着したり、目詰まりしたりした。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、１次粒子に解砕された適正濃度
のトナークラウドを、安定して効率よく開口部近傍に供
給することにより、トナー粒子のアパチャー電極板付着
や開口部目詰まりを防止し、画質を向上させると同時
に、画像処理速度の高速化に対応出来るトナー供給装置
（クラウダ）を備えた、画像記録装置を提供することを
目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の画像記録装置は、複数の開口部を備えて、ア
パチャー電極板の電極に画像信号を印加することによ
り、帯電されたトナーの開口部通過を制御し、アパチャ
ー電極板を挟んでトナー供給装置の反対側に設けた受像
体上に画像を記録する画像記録装置における、トナー供
給装置内のトナー担持体内側と外側の電極に交流電圧を
印加する。

【０００９】

【作用】上記の構成を有する本発明の画像記録装置によ
れば、トナー供給装置内のトナー担持体内側と外側の電
極に交流電圧を印加することにより、トナー粒子をトナ
ー供給装置内で往復運動（振動運動）させて、均一なク
ラウド状にする。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面を参
照して説明する。図１は、本実施例の画像記録装置の概
略構成図である。

【００１１】装置外装２５の側部には、挿入口２３と、
取り出し口２４とが設けられている。装置内部には、記
録手段２１と、定着手段２２とが設けられる。

【００１２】記録手段２１の内部には、絶縁体でつくら
れた回転可能なブラシローラ１１と、トナー流変調手段
であるアパチャー電極板１とが設けられている。このブ
ラシローラ１１の回転方向の上流には、振動用電極３
７、掻き部材１２、供給ローラ１３とが順次設けられ
る。ここで、ブラシローラ１１外側の振動用電極３７
は、必要に応じて絶縁体で覆うような表面処理を施して
もよい。ブラシローラ１１の回転方向の下流には、除電
ブラシ２６が設けられる。

【００１３】供給ローラ１３に接触して、層厚規制部材
１５が設けられる。供給ローラ１３は、トナーケース１
４に覆われ、このトナーケース１４の内部には、トナー
Ｔが貯蔵される。

【００１４】前記アパチャー電極板１は、ブラシローラ
１１の上方に配置される。図２に示すように、アパチャ
ー電極板１は、多数の開口部２と、絶縁層３と、基準電
極４と、多数の制御電極５とによって構成される。前記
開口部２は、アパチャー電極板１に開口され、そして、
一列に配置される。また、基準電極４は、絶縁層３のブ
ラシローラ１１側の全面に設けられる。更に、各制御電
極５は、絶縁層３の上面において、開口部２の周りに配
置される。基準電極４はアースに、それぞれの制御電極
５は画像信号電圧印加手段Ｓにそれぞれ接続されてい
る。また、ブラシローラ１１は、除電ブラシ２６によっ
て除電される。

【００１５】アパチャー電極板１の端部には、加振手段
としての圧電素子９が設けられる。この圧電素子９は、
発振器８から印加される振動電圧によって変形させら
れ、アパチャー電極板１が振動するように構成される。
ここでは、アパチャー電極板１を共振させるような振動
周波数が選ばれる。すなわち、アパチャー電極板１を共
振させると、その振幅は最大となって、共振させない場
合に比べて数千倍の振動振幅が得られる。一般的に、共
振周波数は、２０キロヘルツ以上の値になるようにアパ
チャー電極板１が設計される。周波数が２０キロヘルツ
の振動は、人間の可聴領域を超えているために、騒音と
ならない。

【００１６】アパチャー電極板１の上方には、対向電極
６が設けられる。対向電極６は電源Ｖに接続され、アパ
チャー電極板１を通過してきたトナーの帯電極性の逆の
極性の電圧が印加される（本実施例の場合マイナス
（−）である）。

【００１７】また、ブラシローラ１１の内外に位置する
振動用電極３７には、交流電圧印加装置３６により交流
電圧が印加され、同時にブラシローラ１１の外側の振動
用電極３７はアースされている。

【００１８】一方、受像体Ｐは、挿入口２３から挿入さ
れ、ガイド３３と一対のガイドローラ３４とに導かれ、
対向電極６に吸着保持されるように構成される。そし
て、この場所で、受像体Ｐ上にトナーＴが吸着される。
更に、受像体Ｐは、記録部を通過した後、対向電極６か
ら引き剥され、これに、定着手段２２に送られた後、取
り出し口２４から取り出されるように構成される。

【００１９】定着手段２２は、ヒートローラ３１と、プ
レスローラ３２とから構成される。これらのローラは、
対向して配置され、これらの間を受像体Ｐが通過できる
ように構成される。

【００２０】次に、本実施例の画像記録装置の動作につ
いて説明する。

【００２１】記録手段２１に於て、トナーＴが、供給ロ
ーラ１３上に担持され、層厚規制部材１５によって、均
一なトナー層が形成される。そして、均一量のトナーＴ
が、ブラシローラ１１に供給される。このときトナーＴ
は、供給ローラ１３、及び、ブラシローラ１１と接触し
つつ摩擦して、（例えば）プラス（＋）に帯電する。プ
ラス（＋）に帯電したトナーＴは、ブラシローラ１１に
担持される。

【００２２】そして、アパチャー電極板１の手前で、掻
き部材１２によって、ブラシローラ１１が掻かれる。そ
して、弾性によってブラシがもとに戻るとき、ブラシに
適量に担持されたトナーＴが、舞い上がる。舞い上がっ
たトナーＴは振動用電極３７の間に出来る交流電界によ
って、激しく振動運動をする。この事により、凝集して
いるトナーＴの凝集体は１次粒子に解砕されて、トナー
Ｔの１次粒子による均一で高濃度のトナークラウドが、
アパチャー電極板１に供給される。

【００２３】そして、供給されたトナーＴのクラウド
は、アパチャー電極板１によって変調される。すなわ
ち、画像信号電圧印加手段Ｓからマイナス（−）電圧
が、制御電極５に印加されると、開口部２の内部におい
て基準電極４から制御電極５へと向かう電界が発生す
る。そして、プラス（＋）帯電したトナーＴは開口部２
を通過する。

【００２４】開口部２を通過しないトナーＴの一部は、
アパチャー電極板１に鏡像力によって付着しようとする
が、圧電素子９による加振によってアパチャー電極板１
が振動しているために、トナーＴが付着してもふるい落
とされる。この時の圧電素子９の振動周波数は、例えば
３０キロヘルツである。

【００２５】一方、挿入口２３から挿入された受像体Ｐ
は、ガイド３３と一対のガイドローラ３４とを経由して
対向電極６に吸着される。そして、受像体Ｐは、記録手
段２１の上部にまで搬送される。この場所で、アパチャ
ー電極板１によって変調されたプラス（＋）帯電トナー
は、電源Ｖによってアパチャー電極板１と対向電極６と
の間に形成された電界によって受像体Ｐに飛翔吸着す
る。

【００２６】トナーＴの付着した受像体Ｐは、対向電極
６から離脱し、定着手段２２に搬送される。そして、受
像体Ｐ上のトナーＴは熱定着される。この熱定着方法
は、既に公知の技術であるので、詳細な説明を省略す
る。

【００２７】定着手段２２を通過した受像体Ｐは、ガイ
ド３３を経由して取り出し口２４へ搬送され、取り出さ
れる。

【００２８】以上説明したように、クラウド状のトナー
Ｔが振動運動することによって、トナーＴの凝集体が解
砕され、１次粒子の均一なトナークラウドがアパチャー
電極板１に供給されることにより、開口部２のトナーＴ
による目詰まりを防止できる。

【００２９】尚、本発明は、以上説明した実施例に限定
されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲に於
て、訂正を加えることが可能である。

【００３０】たとえば、掻き部材１２によって、トナー
Ｔを舞い上げなくても、振動用電極３７の形成する電界
だけでも十分なトナークラウドを得られる。よって、ト
ナー供給装置内のトナー担持体には、ブラシローラ以外
に平滑なローラやベルト、スリーブ等色々な部材が使用
できる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の画像記録装置によれば、トナーＴをクラウド状に
して、これを振動運動させることによって、トナーＴの
凝集体が解砕され、１次粒子の均一で高濃度なトナーク
ラウドがアパチャー電極板１に供給される。このことに
より、高画質な印字が可能となり、開口部２のトナーＴ
による目詰まりを防止できる。

【００３２】以上の結果、記録不能に陥らない高品質な
画像記録装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した第一の実施例として示す画
像記録装置の概略図である。

【図２】アパチャー電極板１の拡大図である。

【符号の説明】

Ｔ トナー Ｐ 受像体 Ｖ 電源 Ｓ 画像信号電圧印加手段 １ アパチャー電極板 ２ 開口部 ３ 絶縁層 ４ 基準電極 ５ 制御電極 ６ 対向電極 ８ 発振機 ９ 圧電素子 １１ ブラシローラ １２ 掻き部材 １３ 供給ローラ １４ トナーケース １５ 層圧規制部材 ２１ 記録手段 ２２ 定着手段 ２３ 挿入口 ２４ 取り出し口 ２５ 装置外装 ２６ 除電ブラシ ３１ ヒートローラ ３２ プレスローラ ３３ ガイド ３４ ガイドローラ ３６ 交流電圧印加装置 ３７ 振動用電極

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の開口部を備えて、アパチャー電極
   板の電極に画像信号を印加することにより、帯電された
   トナーの開口部通過を制御し、前記アパチャー電極板を
   挟んでトナー供給装置の反対側に設けた受像体上に画像
   を記録する画像記録装置において、 前記トナー供給装置内のトナー担持体内側と外側の電極
   に交流電圧を印加することを特徴とする画像記録装置。