JP3134353B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3134353B2
JP3134353B2 JP13435891A JP13435891A JP3134353B2 JP 3134353 B2 JP3134353 B2 JP 3134353B2 JP 13435891 A JP13435891 A JP 13435891A JP 13435891 A JP13435891 A JP 13435891A JP 3134353 B2 JP3134353 B2 JP 3134353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、フ
ァクシミリなどに利用し得る記録装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の記録装置としては、例え
ば特開昭62ー248662号公報に示すように、アパ
チャー電極に画像信号を印加することにより開口部を通
過するトナーを制御し、開口部の通過したトナーによっ
て普通紙等の支持体上に画像を形成して定着を行うもの
がある。この場合、トナーは、担持ローラの表面に均一
に付着担持され、その担持ローラが回転することによっ
てアパチャー電極に形成された開口部の近傍に搬送され
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
記録装置は、トナーをアパチャー電極の開口部の近傍に
搬送する手段が担持ローラであるので、トナーが担持ロ
ーラに付着する力(例えば、鏡像力やファンデルワール
ス力)が各々のトナーによって異なるため、ある程度強
い付着力を有するトナーでも担持ローラから引き離して
アパチャー電極の開口部を通過させるために画像信号を
強電界で発生させる必要があり、そのために記録装置が
複雑になるという問題があった。また、画像信号を強電
界で発生させても担持ローラから離れないトナーが存在
することがあり、開口部を通過するべき所望のトナー量
が得られず、所望の記録状態が得られなくなる等の問題
があった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、装置の構造を簡単にすると共
に、所望の記録状態を得ることができる記録装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の記録装置は、開口部を備え、この開口部を
通過するトナーの流れを変調制御するアパチャー電極
と、前記開口部の近傍に帯電したトナーを搬送するトナ
ー担持体と、前記アパチャー電極と対向し、かつトナー
担持体の反対側に設けられた対向電極とを備えるもので
あって、前記トナー担持体を被覆し、電界に応じて伸縮
する圧電部材と、前記アパチャー電極の近傍の前記圧電
部材に振動電界を発生させ、その振動電界に応じた前記
アパチャー電極の近傍の前記圧電部材の伸縮により、そ
の圧電部材に付着したトナーを離脱させる電界発生手段
とを備えている。
【0006】
【作用】上記の構成を有する本発明では、圧電部材は、
帯電したトナーを搬送するためのトナー担持体を被覆
し、電界に応じて伸縮する。電界発生手段は、前記アパ
チャー電極の近傍の前記圧電部材に振動電界を発生さ
せ、その振動電界に応じて伸縮する前記アパチャー電極
の近傍の前記圧電部材の振動エネルギにより、圧電部材
に付着したトナーを離脱させる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0008】最初に、図1及び図2を参照して本発明の
記録装置10の構成について説明する。
【0009】記録装置10の左側面部には、記録用紙1
2を挿入する挿入口14が形成されており、また右側面
部には、記録された記録用紙12を排出する排出口16
が設けられている。記録装置10内部における挿入口1
4と排出口16との間には、記録部18と、それに隣接
する熱定着部20と、記録用紙12を案内するガイド2
2,24とが設けられている。挿入口14から挿入され
た記録用紙12は、ガイド22及び一対の送りローラ2
6により送られ、記録部18にて画像が記録された後、
熱定着部20において前記画像が定着される。そして、
記録用紙12はガイド24に沿って案内され、排出口1
6から記録装置10の外へ排出される。
【0010】記録部18内の略中心部には、図1に示す
ように、アパチャー電極30が設けられている。このア
パチャー電極30は、図2に示すように、開口部32が
一列に多数形成された絶縁層34と、その絶縁層34の
下面全体に配設され、開口部32に連通する多数の開口
(図示せず)を有する基準電極層36と、絶縁層34の
上面に開口部32に対応した数だけ配置され、その各々
が、図1に示すように、開口部32に連通する開口38
aを有する制御電極層38との3層から構成されてい
る。基準電極層36には、図1に示すように、接地電圧
が印加され、それぞれの制御電極層38には、信号ソー
スSによる信号電圧が印加される。
【0011】また、アパチャー電極30の下面、即ち基
準電極層36の下面両端部には、スペーサ40を介して
一対の圧電素子42が設けられており、この圧電素子4
2には発振器44が電極46を介して接続されている。
この圧電素子42は、発振器44により発生する交流電
界によって伸縮し、スペーサ40を介してアパチャー電
極30を加振するようになっている。
【0012】更に、アパチャー電極30の下方には、ト
ナー担持ローラ50が回動可能に設けられている。この
トナー担持ローラ50は、導電性の金属ローラ芯52の
表面にPZT(ジルコンーチタン酸鉛)、PLZT(ラ
ンタンージルコンーチタン酸鉛)等のセラミックスより
形成された圧電部材54を被覆した構成となっている。
また、トナー担持ローラ50の金属ローラ芯52には、
振動電源56が接続されており、基準電極層36との間
に振動電圧を加えて振動電界を発生させる。その振動電
界により金属ローラ芯52と基準電極層36との間の圧
電部材54がその振動電界に応じた伸縮をするようにな
っている。
【0013】このトナー担持ローラ50の回動方向(図
1における反時計方向)の上流には、回動可能なトナー
供給ローラ58がトナー担持ローラ50と接触する位置
に設けられている。このトナー供給ローラ58は、トナ
ーケース60に覆われており、層厚規制部材62により
トナーケース60に貯蔵されたトナー64が表面に均一
に付着される。そして、トナー供給ローラ58の表面に
均一に付着したトナー64は、トナー担持ローラ50の
表面に均一に供給される。
【0014】そして、アパチャー電極30の上方、つま
りアパチャー電極30に対向したトナー担持ローラ50
の反対側には、所定の間隔をおいてローラ状の対向電極
66が配設されている。このアパチャー電極30と対向
電極66との間の所定の間隔を、挿入口14から挿入さ
れ、ガイド22と送りローラ26によって送られた記録
用紙12が通過できるようになっている。
【0015】また、対向電極66は、電源68により負
電圧が印加されており、アパチャー電極30の開口部3
2を制御電極層38側に通過してきたトナー64を記録
用紙12に移動吸着させる。
【0016】熱定着部20には、内部に熱源を備えたヒ
ートローラ70と、プレスローラ72とがそれぞれ回動
可能に接触して設けられており、記録部18を通過した
記録用紙12がこのヒートローラ70とプレスローラ7
2との間を通過し、記録用紙12に吸着したトナー64
を熱により定着させる構成になっている。
【0017】次に、上記構成を有する記録装置10の動
作について説明する。
【0018】まず、記録用紙12を挿入口14から挿入
すると、その記録用紙12は記録部18に送られ、ガイ
ド22及び送りローラ26により対向電極66まで搬送
される。
【0019】一方、トナーケース60に貯蔵されたトナ
ー64は、層厚規制部材62によってトナー供給ローラ
58の表面に均一に付着し、トナー供給ローラ58表面
からトナー担持ローラ50表面に均一に付着担持され
る。そして、トナー担持ローラ50が回動することによ
って、アパチャー電極30の開口部32近傍に搬送され
る。このとき、トナー64は、トナー供給ローラ58と
トナー担持ローラ50との間で摩擦しあって、トナー担
持ローラ50の表面に供給されているため、プラス
(+)に帯電している。このプラス(+)に帯電し、か
つアパチャー電極30の開口部32近傍に搬送されたト
ナー64は、トナー担持ローラ50の金属芯52とアパ
チャー電極30の基準電極層36との間に発生させた振
動電界に応じて伸縮する圧電部材54の振動エネルギを
受けることにより、鏡像力やファンデルワールス力など
によって付着している圧電部材54から離脱して、クラ
ウド状となって、アパチャー電極30に供給される。な
お、電界の強度は電圧が印加されている間の距離に反比
例するので、トナー担持ローラ50の圧電部材54は、
アパチャー電極30に近接した部分のみ伸縮し、その部
分でのみトナー64をクラウド状にする振動のエネルギ
を持つ。従って、トナー64は、トナー担持ローラ50
による開口部32近傍への搬送中にトナー担持ローラ5
0から離脱することなく、アパチャー電極30へ供給さ
れる。
【0020】そして、アパチャー電極30の制御電極層
38に信号ソースSから電圧(対向電極66と同極性で
少し低い電圧)が与えられると、開口部32内に、基準
電極層36側から制御電極層38側へ帯電したトナー6
4が移動させる電界が発生する。その結果、帯電したト
ナー64が基準電極層36側から制御電極層38側へ開
口部32を通過する。尚、制御電極層38に与える電圧
の大きさ及び電圧を印加する時間を変えることによっ
て、開口部32を通過するトナー64の量を変えること
ができる。
【0021】一方、制御電極層38を接地するか、正の
電圧を印加した場合、開口部32内を基準電極層36側
から制御電極層38側へトナー64を通過させる電界が
発生しないため、トナー64は開口部32を通過しな
い。このように、制御電極層38に与える電圧を制御す
ることによって、帯電したトナー流を容易に変調するこ
とができる。
【0022】このとき、トナー64はクラウド状に供給
されているため、アパチャー電極30により発生する制
御電界以外に拘束される力をほとんど受けない。従っ
て、弱い制御電界を発生させるだけでトナー流が制御で
きる。
【0023】そして、制御電界により開口部32を通過
したプラス(+)に帯電したトナー64は、負電圧が印
加されマイナス(−)に帯電した対向電極66に向かっ
て飛翔し、対向電極66の手前に搬送された記録用紙1
2に付着する。この付着したトナー64により記録用紙
12上にトナー像が形成される。
【0024】また、アパチャー電極30にスペーサ40
を介して設置された圧電素子42は、発振器44による
電界により伸縮し、スペーサ40を介してアパチャー電
極30を振動させる。このため、鏡像力やファンデルワ
ールス力などによりアパチャー電極30に付着、または
付着しようとするトナー64は、この振動から振動エネ
ルギを受け、アパチャー電極30に付着しない。従っ
て、この記録装置10は、アパチャー電極30の開口部
32がトナー64によって孔つまりを起こすことがな
く、安定した記録を行うことができる。
【0025】トナー64が付着した記録用紙12は熱定
着部20へ搬送され、ヒートローラ70とプレスローラ
72とによって加圧及び加熱され、記録用紙12上にト
ナー像が定着される。この定着方法は周知なものである
ため、詳細な説明は省略する。
【0026】そして、トナー像が定着された記録用紙1
2は、排出口16へ搬送されて、装置外へ排出される。
【0027】以上詳述したように本実施例の記録装置
は、トナー64がアパチャー電極30の近傍にクラウド
状に供給されるため、低い電圧で開口部32を通過する
トナー64を制御することができる。従って、簡単な構
成で、エネルギ効率のよい記録装置を提供することがで
きる。
【0028】本発明は、以上詳述した実施例に限定され
るものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において
種々の変更を加えることができる。
【0029】例えば、本実施例では、トナー担持体がロ
ーラ状のものについて記載したが、ベルト状のトナー担
持体を用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように本
発明によれば、アパチャー電極の近傍にクラウド状のト
ナーを供給することができるため、所望の記録状態を得
ることができる。また、トナー流を小さいエネルギで制
御できるため、装置の構成が簡単にできる等の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置の概略構成図である。
【図2】本発明の記録装置に搭載されるアパチャー電極
の斜視図である。
【符号の説明】
10 記録装置 30 アパチャー電極 32 開口部 50 トナー担持ローラ 54 圧電部材 56 振動電源 64 トナー 66 対向電極

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を備え、この開口部を通過するト
    ナーの流れを変調制御するアパチャー電極と、 前記開口部の近傍に帯電したトナーを搬送するトナー担
    持体と、 前記アパチャー電極と対向し、かつ前記トナー担持体の
    反対側に設けられた対向電極とから構成される記録装置
    において、 前記トナー担持体を被覆し、電界に応じて伸縮する圧電
    部材と、前記アパチャー電極の近傍の前記圧電部材に 振動電界を
    発生させ、その振動電界に応じた前記アパチャー電極の
    近傍の前記圧電部材の伸縮により、その圧電部材に付着
    したトナーを離脱させる電界発生手段とを備えることを
    特徴とする記録装置。
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