JPH0528182Y2

JPH0528182Y2 -

Info

Publication number: JPH0528182Y2
Application number: JP1988088211U
Authority: JP
Priority date: 1988-07-02
Filing date: 1988-07-02
Publication date: 1993-07-20
Anticipated expiration: 2003-07-02
Also published as: JPH0211012U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉この考案は、イチゴ等の表面の柔らかい果実等
の包装用トレイに関する。

〈従来の技術と考案が解決しようとする課題〉従来、果実や野菜等を輸送、包装、販売陳列等
する際に、果実等を収納するための凹部が形成さ
れたシート製の包装用トレイが用いられている。

しかし、これらの包装用トレイは、良好な形状
維持性を得るために、比較的剛性を有する素材で
形成されており、クツシヨン性、吸水性の点で不
十分であり、イチゴ等の表面が柔らかく、水密性
を有する果実の包装には不適当なものであつた。

そこで、出願人は、先に、果実を収納する凹部
に不織布シートの細片を付着させ、クツシヨン性
と吸水性を向上させた包装用トレイ（実開昭60−
68079号公報参照）、及び、発泡シートに果実等を
収納する凹部を形成し、その凹部に収納物を浮遊
状態で保持する不織布シートを、凹状の宙吊り状
態に内装し、クツシヨン性、吸水性を向上させた
包装用トレイ（実開昭61−74514号公報参照）を
考慮し、出願した。

しかし、前者のものにあつては、不織布シート
の細片を、凹部内に均等に付着させることが難し
く、果実等、特にイチゴ等の表面の柔らかな果実
は、不織布シートの付着されていない発泡シート
の部分と接触し、傷つく虞れがあつた。

また、後者の果実等を収納する凹部に、収納物
不織布シートを凹状の宙吊り状態に内装したもの
にあつては、不織布シートが破れるという問題が
あつた。

そこで、この考案においては、容易に成形で
き、且つ、イチゴ等の表面が柔らかく、傷みやす
い果実等であつても、保護するのに十分なクツシ
ヨン性、吸水性、及び、十分な強度、形状維持性
を有する果実等の包装用トレイを得ることを目的
とする。

〈課題を解決するための手段〉上記の課題を解決するために、この考案の包装
用トレイは、不織布シートの下面に軟質の発泡シ
ートを有し、さらに下面に、これら両シートに比
べて高い剛性を有する合成樹脂シートを有した三
層からなるトレイであつて、周縁の平坦部と、果
実等を収納する収納凹部が形成され、少なくとも
平坦部では、三層のシートが接合され、一体化し
ていることを特徴とする。

〈作用〉上記の構成の果実包装用トレイによれば、果実
等が当接するのは上部トレイの不織布シートであ
る。不織布シートは吸水性を有しているため、果
実等から出る水分を吸収できる。したがつて、果
実等から出た水分により収納物が、べたつく虞れ
はない。

また、不織布シートは破れ易く、特に水分を吸
収した場合に破れやすいが、不織布シートの下面
に、軟質の発泡シートが重ね合わされ、その下面
に両者に比べて高い剛性を有した合成樹脂シート
とが重ね合わされ、この三層のシートが、少なく
とも周縁の平坦部において接合され、一体化して
いる。よつて、不織布シートは、水分を吸収した
状態でも破れる虞れはない。

さらに、不織布シートも軟質発泡シートも良好
なクツシヨン性を有しているので、この包装用ト
レイは、収納した果実等を保護するのに十分なク
ツシヨン性を有している。

そして、合成樹脂シートは、高い剛性を有して
いるので、この包装用トレイは、収納した果実等
を保護するのに十分な剛性を有している。よつ
て、収納した果実の重みにより、この果実包装用
トレイが変形し、収納した果実等を保護できなく
なる虞れはない。

〈実施例〉次いで、この考案の実施例について図を参照し
ながら以下に説明する。

果実包装用トレイＡは矩形であつて、第１図、
第２図に示すものは、不織布シートａの下面に、
軟質発泡ポリエチレンシートｂを積層し、さら
に、軟質発泡ポリエチレンシートｂの下面に、高
い剛性を有するポリスチレンシートｃを積層した
積層シートを、真空成形等の方法により、トレイ
状に成形したものである。尚、上記の積層シート
は、ホツトメルト接着剤をもちいる方法等の既知
の方法により製造できる。

包装用トレイＡは周縁に、平坦部２が形成され
ている。また、平坦部２の内方に、イチゴを収納
する収納凹部１が、多数形成されている。

そして、収納凹部１は、収納されるイチゴの大
きさと略同じ大きさで、少なくともイチゴの下半
分が収納できる深さに形成されている。また、収
納凹部１の底部には、下方へ突出した支衝脚部３
が形成されている。

この実施例において、イチゴに当接する不織布
シートａは、収納したイチゴからでる水分を吸収
し、イチゴがべとついたり汚れたりすることを防
止できる。

また、不織布シートａの下面に軟質発泡ポリエ
チレンシートｂが積層し、さらにその下面に高い
剛性を有する発泡ポリスチレンシートｃが積層し
ているので、不織布シートａが水分を吸収した状
態においても破れる虞れはなく、確実にイチゴを
保護できる。

さらに、上記の不織布シートａと軟質発泡ポリ
エチレンシートｂは、良好なクツシヨン性を有
し、上記の発泡ポリスチレンシートｃは、高い剛
性を有しているため、この包装用トレイＡは、十
分なクツシヨン性、吸水性、強度、形状維持性を
有し、イチゴ等の表面が柔らかく、傷みやすい果
実であつても十分保護することができる。

また、収納凹部１の底部に形成された支衝脚部
３は、中空であるので、収納したイチゴがうける
輸送中の振動、圧迫を軽減することができ、収納
されたイチゴを、より確実に保護することができ
る。

尚、不織布シートとは、レーヨン、ポリプロピ
レン繊維、ポリエステル繊維等からなる、坪量25
〜30ｇ／m²のものが使用できる。また、この不織
布シートに積層させる軟質の発泡シートは、架橋
または無架橋の発泡ポリエチレンシートのほか、
発泡ポリビニルシート、発泡ポリブタジエンシー
ト等の既知の熱可塑性を有した軟質発泡シートで
もよく、合成樹脂シートｃも、発泡ポリスチレン
シートのほか、非発泡ポリエチレンシート、非発
泡ポリプロピレンシート等、発泡、非発泡を問わ
ず、剛性を有した樹脂シートから形成してもよ
い。

また、この考案は、上記実施例に限定されるわ
けではなく、不織布シートａの下面に、軟質発泡
シートｂを積層した積層シートｄと、高い剛性を
有する合成樹脂シートｃとが周縁の平坦部２にお
いてのみ接合したシートにより、この包装用トレ
イＡを成形することも可能である。この場合、第
４図に示すように、収納凹部１において、積層シ
ートｄと、合成樹脂シートｃとの間に若干の〓間
４を設け、緩衝性を高めることも可能である。

さらに、上記の不織布シートａ、軟質発泡シー
トｂ、剛性を有する合成樹脂シートｃが周縁の平
坦部２においてのみ接合し、他部分では単に重ね
合わせたシートにより、この考案の包装用トレイ
Ａを成形し、成形を容易にすることも可能であ
る。

また、上記包装用トレイＡに、イチゴ以外のビ
ワ、メロン、桃等の果実を収納するための収納凹
部１を形成することも可能である。

このほか、この包装用トレイＡの形状を矩形形
状以外に成形する等、この考案の要旨を変更しな
い範囲で、種々の設計変更が可能である。

〈考案の効果〉以上のように、この考案の果実包装用トレイに
おいては、不織布シートに、軟質の発泡シートと
これら両シートに比べて高い剛性を有する合成樹
脂シートが重なり合い、少なくとも容器周縁の平
坦部では接合し、一体化しているので不織布シー
トが破れる虞れはない。また、成形も容易であ
り、果実等を包装し保護するのに十分な吸水性
と、柔軟な当触感による優れたクツシヨン性を発
揮できる。また、この包装用トレイに果実等を収
納した場合でも、収納した果実等の重量によつて
変形することなく、収納した果実等を十分保護す
ることが可能である。

よつて、この考案の果実包装用トレイによれ
ば、成形が容易であり、且つ、イチゴ等の表面の
柔らかく、傷みやすい果実を収納した場合でも、
輸送中や保管中に、収納した果実が汚れたり、傷
ついたりして、その商品価値が低下することを防
ぐことができるという特有の効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の一実施例を示すものであり、
第１図は、上面よりみた平面図であり、第２図
は、前図実施例の側面図であり、第３図は、前図
実施例の−線断面図であり、第４図は、一部
拡大断面図であり、第５図は、別の実施例の断面
図である。Ａ……包装用トレイ、１……収納凹部、２……
平坦部、ａ……不織布シート、ｂ……発泡シー
ト、ｃ……合成樹脂シート。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

不織布シートの下面に軟質の発泡シートを有
し、さらに下面に、これら両シートに比べて高い
剛性を有する合成樹脂シートを有した三層からな
るトレイであつて、周縁の平坦部と、果実等を収
納する収納凹部が形成され、少なくとも平坦部で
は、三層のシートが接合され、一体化しているこ
とを特徴とする果実等の包装用トレイ。