JPH05281120A - ガス検知装置 - Google Patents

ガス検知装置

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JPH05281120A
JPH05281120A JP9151192A JP9151192A JPH05281120A JP H05281120 A JPH05281120 A JP H05281120A JP 9151192 A JP9151192 A JP 9151192A JP 9151192 A JP9151192 A JP 9151192A JP H05281120 A JPH05281120 A JP H05281120A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着量測定式ガス検知と光学式ガス検知とを
同時に実施して、被検知ガスの種類およびガス濃度を同
時に検知するためのガス検知装置を提供する。 【構成】 ガス検知装置は、圧電振動素子の上に設けら
れた光が照射されたときに、蛍光またはリン光を発生す
る感ガス薄膜を有するガス検知素子1と、圧電振動素子
を振動させるための発振手段3と、圧電振動素子の発振
周波数を検知するための周波数検知手段4と、感ガス薄
膜に光を照射するための発光素子6と、感ガス薄膜から
発生する蛍光またはリン光を受光し、蛍光またはリン光
の強度を検知する受光素子9とより構成されており、ガ
ス検知素子1は、ガス流路を設けた光透過性窓5を設け
た反応槽2に配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機色素分子を含む薄
膜を感ガス体として用い、被検知ガスの種類と濃度を同
時に検出するガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガス検知装置は、接触燃焼式また
は半導体式のものが主流を占めている。これらのもの
は、無機半導体やセラミックス、貴金属触媒を利用して
感ガス体を形成している。一方、近年有機分子薄膜を感
ガス体として利用するガス検知装置が提案されている。
ある種の有機色素分子は、酸化性または還元性ガスとの
間で、ある程度選択性をもって相互作用し、電気または
光学特性が変化することが知られており、例えばフタロ
シアニンの電気特性変化を利用してNOx 、SOxガス
検知装置に応用することが提案されている。更にまた、
水晶振動子や表面弾性波素子(SAWデバイス)等の圧
電振動素子上に、有機分子による感ガス薄膜を形成し、
酸化性または還元性ガス、あるいは各種有機溶剤系ガス
等、感ガス薄膜に対し高い吸着性をもつガスを、前記圧
電振動素子の発振周波数変化として検出する吸着量測定
式ガス検知装置も提案されている。
【0003】例えば、B.HolcroftとG.G.
Robertsは、98.6MHzの遅延線型SAWデ
バイス上にシリコンフタロシアニンLB膜を累積し、そ
れを100ppmのNO2 ガス雰囲気中に入れることに
より、約1kHzのSAWデバイスの発振周波数の減少
を確認し、さらに、周波数変化が反応させるガス濃度に
比例することを確認している。また、森泉らは、水晶振
動子上にそれぞれ異なる有機薄膜を形成し、各種有機系
ガスを接触させたときに複数の吸着量測定式ガス検知素
子から得られる発振周波数変化のパターンをバックプロ
パゲーションを用いた神経回路モデルにより学習させ、
ガス種の識別を試みている。一方、本発明者らは、特願
平1−63494号において、新規な光学式ガス検知装
置を提案した。この装置は、有機色素薄膜素子に励起光
を照射した場合、この有機色素薄膜にNO2 ガスを接触
させると、前記有機色素薄膜から発光する蛍光またはり
ん光強度が変化するという現象を利用したものである。
この装置によれば、有機色素薄膜から発生する蛍光また
はリン光が、薄膜中の色素分子と薄膜に吸着したガス分
子との間のわずかな電子的相互作用によって顕著に変化
し、蛍光強度またはリン光強度の変化を測定することに
より非常に稀薄な濃度のガスを検出することができる。
さらに、有機色素薄膜内で色素分子同士が近接し、ある
種の会合状態を形成して存在している場合には、その効
果が増幅される。特にJ−会合体のような非常に多くの
分子により形成される集合状態をとる有機色素薄膜を利
用すると、その増幅率は数十〜数百倍に達する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧電振動素
子によるガス検知法によれば、感ガス体としての有機薄
膜に吸着した被検ガスの吸着量を知ることができる。目
的ガスが限定され、また用いる圧電振動素子上の有機薄
膜がそのガスに対して特に高い分配率を有する場合に
は、ある程度定量的にガス濃度を測定することができる
が、ガス種が限定されなかったり共存ガスが存在する場
合には、非常に限定された情報しか得られない。一方こ
のような圧電振動素子上に有機薄膜を形成したものを複
数種用意し、それぞれの膜への吸着量の違いからガス種
の識別を行なうことが試みられているが、単に吸着量の
違いだけからガス濃度の違いとガス種の違いを分離する
ためには、多くのガス検知素子が必要であるばかりでな
く、信号パターンの意味も難解であるためパターン認識
を行なう学習素子に対する負担も大きくなる。一方、蛍
光あるいはリン光の変化を利用した光学式ガス検知法に
よれば、感ガス体の蛍光あるいはリン光に変化を与える
ガス種については非常に高感度に検出でき、またガスの
性質の違いを蛍光あるいはリン光の増加或いは減少とい
う形で識別することができ、その変化率から或る程度、
定量的にガス濃度を測定することもできる。しかしなが
ら、光学特性に全く変化を与えないガス種については、
何等の信号も得られない。本発明は、従来の技術におけ
る上記のような問題点に鑑みてなされたものである。
【0005】したがって、本発明の目的は、圧電振動素
子上に有機色素分子よりなる感ガス薄膜を形成し、吸着
量の測定に加え光学特性の変化も併せて同時に測定する
ことにより、単に吸着するだけのガスと、色素分子との
電子的な相互作用も伴うガス分子とを選択して検出でき
るガス検知装置を提供することにある。本発明の他の目
的は、ガス検知素子を複数化することによりガス種の識
別と濃度検出をより正確にし複雑な状況に対しても有効
に作動させるガス検知装置を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、製造、測定両面において簡易で
あり、かつ種々の条件に対し、安全性と安定性を兼ね備
え、ノイズの影響を受け難いガス検知装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、吸着量測
定式ガス検知法と蛍光あるいはリン光の強度変化を測定
する光学式ガス検知法を結び付けることにより、それぞ
れの欠点を補い、被検知ガスの性質と濃度を正確に検出
することが可能となることを見出だし、本発明を完成す
るに至った。本発明のガス検知装置は、振動部材と、該
振動部材上に設けられ、光が照射されたときに蛍光また
はリン光を発生する感ガス薄膜を有するガス検知素子
と、前記振動部材を振動させるための振動手段と、前記
振動部材の振動周波数を検知するための振動周波数検知
手段と、前記感ガス薄膜へ光を照射するための光照射手
段と、前記感ガス薄膜から発生する蛍光またはリン光の
強度を検知する光検知手段を具備してなる。
【0007】本発明のガス検知装置によれば、蛍光或い
はリン光の強度変化と発振周波数変化の関係を予め記憶
させておき、被検知ガスとの接触により発生する信号と
比較することにより簡単にガス種の識別と濃度測定が可
能になる。また予め記憶させていないガス種に関して
も、蛍光或いはリン光の強度変化の方向から単純にガス
の性質は判断することができる。さらに感ガス体となる
有機薄膜を複数種用意しても、蛍光或いはリン光の強度
変化という意味の理解しやすい出力が得られるため、こ
れらの出力パターンを学習させることにより、さらに複
雑な状況にも対応でき、ガス種の分離も向上する。この
ように複数種のガス検知素子からの信号処理は、各出力
を記憶させたデーターと一義的に比較し、決定論的に判
断することも可能であり、また信号数が多くなれば、統
計的な多変量解析手法を用いたパターン識別法も有効と
なってくる。また、最近注目されている神経回路モデル
(例えばバックプロパゲーション)の手法を用いれば、
複雑なアルゴリズムを考えることなしにパターンの識別
が可能である。さらに1つの感ガス薄膜に対して光学式
ガス検知法と吸着量測定式ガス検知法を同時に適用でき
るようにすると、過渡的にそれぞれの出力比率を測定す
ることが可能となり、ガス種の分別認識はさらに有利と
なるばかりでなく、感ガス薄膜の選定にも有用な指針が
得られるため、より少数種の感ガス体薄膜の複合化で多
くの情報を効果的に得ることができるようになる。ま
た、同時測定により蛍光あるいはリン光の強度変化と発
振周波数変化の各出力におけるガス以外の要因によるノ
イズを容易に除去することができる。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のガス検知装置において、ガス検知素子は、基板と
なる振動部材の上に、光が照射されたと時に蛍光または
リン光を発生する感ガス薄膜を設けたものであって、こ
の感ガス薄膜は、蛍光又はリン光を発生する有機色素を
含む薄膜が使用される。本発明において、この感ガス薄
膜は、有機色素の単分子積層膜であることが好ましい。
この感ガス薄膜は、被検知ガス、例えばNOx 、S
x 、Cl2 、O3 、O2 、CO2 、CO、有機酸、N
3 、H2 S、有機アミン等の酸化性および還元性ガ
ス、あるいは各種アルコール、アセトン、クロロホル
ム、トリクロロエチレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、等の有機溶剤ガスや、エステル等の香料、麻酔薬等
を吸着する性質を有するものであり、被検知ガス吸着に
伴い振動部材の振動周波数が可逆的に変化するものが望
ましく、さらに、被検知ガス、例えば酸化性、還元性ガ
ス等の存在により、吸着したガス分子が薄膜中の色素分
子と電子的な相互作用を引き起こし、蛍光またはリン光
強度が可逆的に変化するものが望ましい。その点では感
ガス薄膜はガス分子の吸着の可逆性を高めるために、で
きるだけ薄いものがよく、また、使用する蛍光またはリ
ン光発生する色素も、検知ガス分子を多く吸着するばか
りでなく、化学的に安定性の高いものが望まれる。
【0009】有機色素に酸化性あるいは還元性ガスが吸
着すると、吸着したガス分子と色素分子の間に強い電子
的相互作用が働き、例えば蛍光あるいはリン光に顕著な
変化が観察される。また吸着するガスの性質、種類の違
いによっては蛍光またはリン光に逆の変化が観察される
ことがある。またある種の色素分子では、特定のガスに
対して極めて強い相互作用を示すものもある。したがっ
て、圧電振動素子の発振周波数変化を測定すれば、被検
知ガスの薄膜への吸着量が検知でき、さらに、薄膜から
発生する蛍光またはリン光強度の変化を測定すれば、被
検知ガスの性質、種類の違いを検知することができる。
【0010】本発明に用いる蛍光またはリン光を発生す
る色素としては、スクエアリリウム系色素、シアニン系
色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ポ
ルフィリン系色素、アゾ系色素、キノン系色素、アクリ
ジン系色素、ピレン系色素、ペリレン系色素、インジゴ
系色素、スチルベン系色素等、公知の種々の色素が以上
の条件を充分に満たしているものであり、本発明のガス
検知装置に有利に使用できる。その際の条件としては先
に述べたように化学的に安定であること、充分に強い蛍
光あるいはリン光を発生すること、さらに薄膜化が可能
であることが必要である。
【0011】本発明のガス検知装置において、上記のよ
うな感ガス薄膜を形成する基板となる振動部材として
は、水晶振動子および遅延線型、反射器型表面弾性波素
子(SAWデバイス)等の圧電振動素子を使用すること
ができる。また、振動部材である圧電振動素子を振動さ
せるための振動手段として、発振回路が用いられるが、
発振回路としては、TTLやC−MOSを使用したもの
や、トランジスタ回路、さらにコイルを併用した回路を
使用することができる。発振回路からは、圧電振動素子
の発振信号を取り出せるようにする必要がある。取り出
された発信信号は、周波数検知手段において振動周波数
が検知される。すなわち、取り出された発信信号につい
て、周波数をカウントする回路または装置により周波数
が測定され、簡単な信号処理によって、ガス濃度に換算
される。圧電振動素子、発振回路および周波数カウンタ
ーの組合わせで得られる発振周波数の安定性は、高けれ
ば高いほどよく、例えば10MHzの水晶振動子を用い
た場合、±0.1〜1Hz程度の安定性のあることが望
ましい。さらに、同時に複数の振動部材を振動させるた
めには、電源は共通に使用することができるが、発振回
路は個々の発振が干渉しないように独立に発振回路を用
意することが望ましい。さらに振動部材にSAWデバイ
スを用いた場合、一つの基板上に複数の振動部材を組み
込み、それぞれの振動部材の上に異なる感ガス薄膜を形
成して省スペース化を計ることもできる。また振動部材
の電極材料には耐食性・吸着性の低い金等を用い、必要
に応じて圧電素材の水晶等にも吸着性を低めるように表
面研磨や表面処理の施されたものを用いることが望まし
い。
【0012】また、本発明のガス検知装置において、ガ
ス検知素子の感ガス薄膜に光を照射するための光照射手
段としては、発光素子が使用され、上記のように感ガス
薄膜から蛍光、またはリン光を発生させるための励起光
源として使用される。具体的には、発光素子としては、
半導体レーザー素子、気体レーザー、半導体レーザー素
子とSHG素子を組み合わせたもの、LEDおよびキセ
ノンやハロゲン等の白色ランプを分光したもの等を使用
することができる。上記のようにして発生する蛍光また
はリン光は、光検知手段によって受光され、その強度が
検知される。光検知手段には、受光素子が設けられる
が、その場合、蛍光、またはリン光と励起光を分離する
ためのフィルターが使用される。このフィルターは、ガ
ス検知素子と受光素子の間の光路中に配置される。フィ
ルターとしては、発光素子から出る光をカットし、ガス
検知素子から出る蛍光、またはリン光より長波長の光を
カットする特性を有するものを用いるのが好ましい。
【0013】本発明において、使用する発光素子から励
起に必要な波長の光以外の成分が出ている場合、さら
に、それをカットする為のフィルターを使用してもよ
い。即ち、発光素子から出る主発光波長付近の光を主に
透過し、発光素子から出る主発光波長付近の光以外の光
を主にカットする特性を有するフィルターを、発光素子
とガス検知素子の間の光路中に配置してもよい。その場
合、フィルターへの入射光がフィルター表面に垂直な方
向と角度をもって入射するように配置するのが好まし
い。これらの光学系により、非常に低いノイズレベル
で、蛍光またはリン光強度が受光素子の出力として取り
出される。また同時に複数のガス検知装置からの信号を
取り出す場合、それぞれ個々に発光素子および受光素子
を用意してもよいし、それぞれの光学波長が共通であれ
ば発光素子の場合にはハーフミラー等で分割して共有す
ることも可能であり、また受光素子については時間分割
により共有することもできる。また白色光源と分光器の
組み合わせにより適当な位置にガス検知素子を配置し
て、同時に複数のガス検知素子を励起したり、受光素子
を分光器とマルチチャンネルフォトダイオードの組合わ
せにして、同時に複数のガス検知素子からの信号を読み
取るようにしてもよい。
【0014】本発明においては、これら2つのガス検知
手段を同時に作動させ、それぞれから得られた信号を信
号処理手段に入力することにより、ガスの性質、種類お
よび濃度を出力する。この際、信号処理手段は、信号強
度の変化量、すなわち、検知された振動周波数の変化量
および/または検知された蛍光またはリン光の強度の変
化量を求めるための記憶装置と演算装置、および出力表
示装置等で構成することができる。また複数のガス検知
素子からそれぞれ2種の信号を取り出す場合、信号処理
手段は、個々に信号処理装置を設け、さらにそれから得
られる信号をされに処理する信号処理装置および出力表
示装置等で構成することもできるし、それぞれのガス検
知素子からの2種の信号を同時に取り込み、一挙にパタ
ーン解析を行なう信号処理装置、記憶装置、演算装置お
よび出力表示装置等で構成することもできる。この信号
処理手段によって、検知された振動周波数の変化量およ
び/または検知された蛍光またはリン光の強度の変化量
からガス濃度が求められる。
【0015】
【作用】本発明のガス検知装置によれば、吸着量測定式
ガス検知と光学的ガス検知の両者が行われる。吸着量測
定式ガス検知による場合には、ガス検知素子の有機色素
を含む感ガス薄膜と、この感ガス薄膜に対し吸着性の被
検知ガスとの接触により、被検知ガスの感ガス薄膜への
可逆的な吸着が起こり、有機色素を含む感ガス薄膜の質
量あるいは密度が変化する。これにより、引き起こされ
る振動部材の振動周波数変化を測定することにより被検
知ガスの吸着量を定量的に検出することが可能となる。
水晶振動子を振動部材として用いた場合のガス検知素子
における感ガス薄膜の質量変化△Mと発振周波数変化△
Fとの関係は、下式で表すことができる。 △F=(−F0 2 /N・ρ)・(△M/A) (1) F0 :水晶振動子の基本発振周波数 ρ:水晶の密度 N:厚み定数 A:面積 一方、SAWデバイスにおいても同様に下式で表すこと
ができる。 △F=−aF0 2 △ρ (2) a:SAWデバイスによって決まる定数 △ρ:感ガス薄膜の密度変化
【0016】以上の式からも明らかなように、振動部材
を用いることにより、ガス検知素子における感ガス薄膜
の質量変化を定量的に振動周波数変化として出力され
る。以上の関係から、あらかじめ求めていた被検知ガス
濃度と発振周波数変化量との関係を信号処理手段に入力
しておき、さらに被検知ガスと接触させた時の発振周波
数と、被検知ガスと接触させる前の発振周波数との差を
信号処理手段に演算させることにより、複雑な補正を必
要とせず非常に簡単に定量的に被検知ガスの濃度が出力
できる。
【0017】さらに、感ガス薄膜と振動部材とによって
形成されるガス検知素子において、感度を決定する要素
としては、発振周波数の読取り精度と安定性が重要とな
る。また、振動部材の基本周波数が高いほど、その自乗
に比例して大きな振動周波数変化が得られ、振動周波数
の読取り精度と安定性との兼ね合いにより、最適なガス
検知系を選ぶことができる。
【0018】また、本発明において、光学式ガス検知に
よる場合、ガス検知素子の有機色素に対し、電子的な相
互作用を及ぼす被検知ガス、例えば酸化性または還元性
の被検知ガスとの接触により、薄膜の可逆的な蛍光また
はリン光強度変化が引き起こされる。これを測定するこ
とにより、被検知ガスを光学的に検出することが可能に
なる。被検知ガスと接触させた感ガス薄膜からの蛍光ま
たはリン光強度と、被検知ガスと接触させない感ガス薄
膜からの蛍光またはリン光強度との比を実験的に求める
と、ほぼ次の関係が得られる。 F0 /F=1+a[G] (3) a:傾き [G]:ガス濃度 この関係は、溶液系で一般に知られている蛍光及びリン
光の消光に関する関係と類似である。すなわち、溶液系
では、その蛍光またはリン光強度と消光剤の濃度の間に
次式のシュテルンフォルマーの式が成り立つことが知ら
れている。 Φ0 /Φ=1+Kτ0 [Q] (4) Φ0 :消光剤のない時の蛍光またはリン光の量子収率 Φ:消光剤の存在下での蛍光またはリン光の量子収率 K:色素と消光剤の反応速度定数 τ0 :消光剤のない時の蛍光またはリン光の寿命 [Q]:消光剤の濃度
【0019】前記蛍光またはリン光の量子収率(Φ0 、
Φ)は、励起光強度が一定であれば、蛍光またはリン光
強度に比例する。式(3)と式(4)を比較すると、ガ
スおよび薄膜系でも溶液系と同様の現象が起こってお
り、ガスが消光剤の働きをしているものと考えられる。
以上の関係から、あらかじめ求めておいた被検知ガス濃
度と蛍光またはリン光の変化の関係を信号処理手段に記
憶させておき、さらに被検知ガスと接触させた時の感ガ
ス薄膜からの蛍光またはリン光強度と、被検知ガスと接
触させない時の感ガス薄膜からの蛍光またはリン光強度
との比を信号処理手段に演算させることにより、複雑な
補正を必要とせず、常に簡単に定量的に被検知ガスの濃
度が出力できる。
【0020】さらに、以上2つのガス検知方法、すなわ
ち吸着量測定式ガス検知法および光学式ガス検知法を同
時に作動させ、それぞれの信号を信号処理手段に入力す
ることにより、吸着量測定式ガス検知法からの感ガス薄
膜に吸着するすべての被検知ガスの吸着量と、光学式ガ
ス検知法からの感ガス薄膜中の色素分子に対し電子的な
相互作用を及ぼし、蛍光またはリン光強度を変化させる
被検知ガスの濃度を、それぞれ定量的に測定し、総合的
にガスの性質、種類および濃度を出力することができ
る。また、同時に上記2種の信号が入力されるので、ガ
ス導入による各変化が飽和する前の過渡的な状況でも、
それぞれの信号の比率および変化の傾斜からガスの性
質、種類および濃度を出力することができる。したがっ
て、有機溶剤系のガスの様に感ガス薄膜に吸着はする
が、蛍光またはリン光強度を変化させない被検ガス種
と、酸化性あるいは還元性ガスの様に感ガス薄膜に吸着
し、さらに蛍光またはリン光強度を変化させる非検知ガ
ス種を選択して定量的に検知することが可能になる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。図1は、本発明のガス検知装置の基本的構成図であ
る。図中、1は圧電振動素子上に有機色素を含む感ガス
薄膜が形成されたガス検知素子、2は反応槽、3は圧電
振動素子の発振手段、4は周波数検知手段である。5は
ガス流路に設けられた窓、6は発光素子、7はレンズ、
8はガス検知素子からの蛍光またはリン光をカットする
ためのフィルター、9は受光素子、10は励起光カット
用のフィルターを示す。また11は受光素子9の信号を
信号処理手段12に送るための信号変換装置である。
【0022】上記の構成を有するガス検知装置におい
て、反応槽2には、ガスを流すためのガス流路が形成さ
れており、そのガス流路にガス検知素子が配設されてい
る。ガス流路においてガスは矢印方向に流れて、ガス検
知素子の感ガス薄膜と接触するように構成されている。
ガス検知素子1は、発振手段3、例えば発振回路により
発振し、その発振周波数は周波数検知手段4、例えば周
波数カウンターによって読み出される様に構成されてい
る。被検知ガスを流すことにより、ガス検知素子に被検
知ガス分子が吸着し、このことによって引き起こされる
発振周波数変化により、信号処理手段12、例えばコン
ピューターにより、ガス濃度が定量的に求められる。
【0023】圧電振動素子としては、1〜10MHzの
水晶振動子、20〜100MzのSAWデバイスが好ま
しく用いられる。水晶振動子を用いた時のガス検知素子
1の基本構成図を図2に示す。図2中、13は水晶振動
子であって、水晶板14の両面に電極16、16′が設
けられ、更にその上に、水晶板の全面にわったってガス
検知薄膜15が形成されている。水晶振動子の電極1
6,16′としては、一般的には銀よりなるものが使用
されているが、アルミニウムや金、チタン等を用いても
よい。特に、金を用いた場合は、耐食性に優れており、
酸化性ガスを測定するために適している。この水晶振動
子は、電極16と16′間に発振回路からの交流電圧を
印加することによって水晶板が発振するように構成され
ている。次に、SAWデバイスを用いた時のガス検知素
子1の基本構成図を以下に示す。図3は遅延線型SAW
デバイスを用いたガス検知素子の例である。遅延線型S
AWデバイスを用いたガス検知素子は、水晶板14の表
面にガス検知薄膜15を設け、その両側にくし形電極1
7,17が設けられている。くし形電極のそれぞれに
は、発振回路18から交流電圧が印加されるようになっ
ている。また、図4は反射器型のSAWデバイスを用い
たガス検知素子の例である。遅延線型SAWデバイスを
用いたガス検知素子は、水晶板14の表面にくし形電極
17を設け、その両側に反射器20、20′を設け、そ
れらがガス検知薄膜15で被覆された構造を有してい
る。このガス検知素子においても、くし形電極に発振回
路から交流電圧を印加して、水晶板が発振するように構
成されている。
【0024】本発明において、上記の圧電振動素子の発
振回路としては、通常の用途に用いられるものと同様の
トランジスタ回路、TTL回路、C−MOS回路などが
用いられる。また、水晶等の圧電振動素子素材の表面は
一般的にガスに対し不活性であるが、さらにこの表面を
シランカップリング剤等で表面処理するのが好ましく、
また、金、アルミニウム、銀、チタン等の電極用金属の
表面もシランカップリング剤や各種メルカプタン、スル
フィド、チオール等で処理し、さらにガス吸収を抑える
工夫をしたものが正確なガス検知に適している。電源に
接続した発振回路とこれらの水晶振動子あるいはSAW
デバイスを接続すると、それぞれの圧電振動素子の持つ
特性により決定される発振周波数で、圧電振動素子を含
めた回路全体が発振する。さらにガス検知薄膜15に被
検知ガスが吸着されると、それに伴うガス検知薄膜15
の質量増加により発振条件が変化し、可逆的に発振周波
数が減少する。このことにより、吸着したガス分子の量
を定量的に測定することができる。この発振周波数を測
定するためには、発振手段3の電気信号を周波数検知手
段4に同軸ケーブルにて送ればよい。周波数検知手段と
しては、一般のユニーバーサルカウンターを使用するこ
とができ、その性能としては、7桁以上の読取り精度の
あるもの、できれば10MHzのオーダーの発振周波数
に対しては0.1Hz、また100MHzの発振周波数
に対しては1Hzの桁まで読み取れることが望ましい。
また、発振周波数の安定性としては、10MHzのオー
ダーの発振周波数に対しては±0.5Hz、100MH
zの発振周波数に対しては5Hz程度であることが望ま
しく、そのために発振手段に用いる電子回路は、安定性
の高いものが必要である。従って、発振回路に用いる電
子部品、コンデンサー、抵抗、コイル、トランジスタ
ー、およびTTL、C−MOS等のICは、圧電振動素
子の発振周波数のレベルまで、周波依存性の小さなもの
を使用することが望まれる。
【0025】また、圧電振動素子と発振手段、また発振
手段と周波数検知手段を結ぶケーブルは、ノイズや波形
のなまりを防ぐために、インダクタンス、キャパシタン
ス、および抵抗を考慮する必要があり、なるべく太いケ
ーブルによる編み線や周波数に合わせた同軸ケーブルを
用いることが望まれる。
【0026】反応槽2内のガスを流すための空間は、被
検ガスの充填ができるだけ速やかに起こり、応答速度を
速めるために、できるだけ小さいことが望まれる。また
反応槽を構成する材質としては、テフロン、ポリプロピ
レン、石英、ステンレス等、吸着性が低く耐食性に優れ
た素材が好ましい。図5は、水晶振動子を用いたガス検
知素子の反応槽の分解斜視図である。図において、2
2、23、24は、それぞれ第1のガス反応槽部材、第
2のガス反応槽部材、第3のガス反応槽部材であり、そ
れらが積層して反応槽を形成している。第1のガス反応
槽部材には、ガス導入口19およびガス出口19′が設
けられており、また、ガス検知素子1の電極に導通する
ための電極端子が21が取り付けられている。第2のガ
ス反応槽部材にはガス流路25が形成されており、ま
た、第3のガス反応槽部材には、ガス検知素子1に対し
て、光透過性領域が形成されるように、窓5が設けられ
ている。窓5は、例えば、石英板によって覆われてい
る。なお、26はガスの流れを示す。図5のように、反
応槽を積層化して構成することにより、比較的簡単にデ
ッドボリュームの小さな反応槽を構成することが可能で
ある。また、水晶振動子等の圧電振動素子は、外界の圧
力・温度変化に敏感に応答してその発振周波数がシフト
あるいはドリフトする。したがって、正確に発振周波数
変化を測定するためには、被検知ガスの流速を一定にし
たり、温度をドリフト補正のための参照用の圧電振動素
子を用いることが望ましい。前者に関しては図6に示す
ような4方バルブを2カ所に設けたガス配管系を用い、
純空気と被検知ガスを交互に流すと流量を一定にする意
味でもガス切り替え時のデッドボリュームを小さくする
意味でも有効である。
【0027】なお、図6は、本発明のガス検知装置のガ
ス経路を含む基本構成を示す構成図である。図中、2は
ガス反応槽、3は発振手段、4は周波数検知手段であ
り、29および29′はガスの流路を切り替えるための
4方バルブである。なお、30は励起光源、31は光フ
ァイバー、32は螢光またはリン光を受光するためのマ
ルチチャンネルフォトダイオードである。この構成図の
場合、被検知ガス28は、4方バルブ29に導入され、
ガスの流れ26の矢印にしたがって、反応槽のガス導入
口19から反応槽に導入される。反応槽からの被検知ガ
スは、ガス出口19′から4方バルブ29′に至り、矢
印方向に流れる。一方、純ガス27は、4方バルブ29
に入り、反応槽を経由せずに4方バルブ29′に至り、
矢印方向に流出する。4方バルブ29及び29′を切り
替えると、上記純ガス27及び被検知ガス28の流れ
が、切り替えられ、純ガスが反応槽を経由することにな
る。また、後者、すなわち温度をドリフト補正のための
参照用の圧電振動素子を用いる場合について、圧電振動
素子として水晶振動子を用いた場合には、参照用の同質
の振動子を反応槽近傍に置いて発振させたり、反応槽内
に感ガス薄膜を形成していない振動子を置いて発振させ
ることにより、感ガス薄膜を形成した振動子の発振周波
数の差分をとることによって解消できる。また、感ガス
薄膜のないものを参照に用いた場合には、水晶振動子の
基板および電極に吸着することによって発生するノイズ
成分も除去できる利点がある。一方、圧電振動素子とし
てSAWデバイスを用いた場合にも、同様に別の素子を
用意してもよいし、同一基板上に参照用の電極配線を設
けて同時に発振させるようにしてもよい。
【0028】一方、図1において、発光素子6から出た
励起光は、レンズ7により集光され、フィルター8を通
ってガス検知素子1に照射される。それによってガス検
知素子1の感ガス薄膜から蛍光またはリン光が発生す
る。発生した蛍光またはリン光は、フィルター10を通
って受光素子9に達し、信号変換装置11により電気信
号に変換される。この場合、ガス検知素子1に被検知ガ
スが接触すると、ガス検知素子1から出る蛍光またはリ
ン光強度が変化し、ガス濃度が電気信号として検知でき
る。
【0029】レンズ7は、発光素子6から出る光が発散
するのを防ぎ、ガス検知素子1の上に有効に集めるため
に使用するものであり、ガス検知素子1から出る蛍光ま
たはリン光強度を強めるのに有効である。レンズ7は発
光素子6と一体に構成されていてもよい。発光素子6か
ら出る光には、励起光として作用する波長範囲の光の他
に、それよりも長い波長の光が含まれている場合があ
る。例えば、GaAs系の材料を用いた発光素子では、
主発光波長の光と共に、主発光波長よりも長い波長に小
さなピークを持つフォトルミネッセンスが僅かに出てい
る。この光のピーク強度は、主発光波長のピーク強度に
比して通常百分の一以下であるが、蛍光またはリン光の
測定の際にノイズとなる可能性がある。この様なノイズ
となる光を除くために、蛍光またはリン光成分よりも長
波長側の光をカットするフィルター8を挿入する。その
場合、図1に示すように、フィルター8の表面で反射し
た光が半導体レーザー素子の発光部に戻らないように若
干角度を付けて挿入する。また、He−Neレーザーや
アルゴンレーザー等の気体レーザーを用いる場合にも、
同様に基本波長以外に、他のモードが僅かながらも発生
しているので、必要に応じてフィルター8を設けること
が望ましい。一方、白色光を分光して用いる場合には、
分光器の回折において高次の回折光がスリット方向に混
ざることがあるので、この場合にはフィルター8がバン
ドパスフィルターとなっている必要がある。
【0030】フィルター10は、発光素子6から出た励
起光が、ガス検知素子1で反射または散乱して受光素子
9に入るのを防ぐ作用をする。したがって、受光素子9
が励起光に対して感度を有する場合であっても、これら
の励起光や散乱光をフィルター10で防ぐことによっ
て、受光素子9に入る光のうち、蛍光またはリン光の割
合が大きくなり、ノイズの少ない信号が得られるように
なる。蛍光またはリン光を有効に集めるために、受光素
子9或いはフィルター10の前にレンズを置いてもよい
し、レンズと受光素子が一体に構成されたものを使用し
てもよい。一方、受光器に分光器とフォトダイオードア
レイを用いる場合には、受光素子の手前にレンズおよび
分光器が配置される。また、回折格子が凹面鏡状の形態
をしたものでは、レンズを省いてもよい。励起光の圧電
振動素子への照射は、水晶振動子の場合にもSAWデバ
イスの場合にも、発振周波数に影響を与える。したがっ
て、ガス検知時には、励起光は連続的或いは1Hz以上
の周期で継続的に照射する必要がある。また、金属電極
上に存在する色素分子をレーザー光などで励起すると、
絶縁体上に存在する色素分子の場合とは異なり、基板の
影響を受けて、蛍光スペクトルがシフトしたり、波長幅
がブロードになったりする。したがって、例えば水晶振
動子上の感ガス薄膜を励起する場合は、図2の16の電
極上は避け、その周辺部に励起光を照射するのが望まし
い。
【0031】本発明に用いる信号処理手段12は、簡単
な演算および記憶機能を有するものであれば充分であ
る。図7及び図8に、本発明に用いる信号処理手段にお
ける信号処理フローチャートを示す。図7はスクエアリ
リウム等のドナー性色素を感ガス薄膜として用いた場合
を示し、図8はアクセプター性色素を感ガス薄膜として
用いた場合を示す。これらの図に示すようなフローチャ
ートにしたがって、2つのガス検知手段からの信号をガ
スの性質、種類並びに濃度として出力する。またデータ
の蓄積があれば、混合ガスの濃度を分離して測定するこ
とも可能である。図7に示したスクエアリリウム等のド
ナー性色素をガス検知素子において用いた場合には、感
ガス薄膜からの蛍光が酸化性ガスに対しては減少し、還
元性ガスに対しては増加する性質を示す。したがって、
図7に示すように、酸化性ガスについては吸収量から求
めたガス濃度と、光学的に求めたガス濃度との両者が判
断される。また、図8のように、蛍光或いはリン光の強
度変化に対しては、逆の判断をするフローチャートが適
用できる。また特定のガスに対して極端に蛍光或いはリ
ン光の強度変化を引き起こすような色素など、種類によ
って、多少判断が異なる場合があったが、基本的には、
図7および図8と同様のフローチャートを使用すること
ができる。図7について具体的には、周波数検知手段4
から信号処理手段12に送られてくる発振周波数の値を
一定時間(例えば10秒)ごとにモニターし、その値が
任意時間(例えば1分)の範囲で、その前の任意時間の
値よりも減少していた場合(任意時間ごとの積算した値
を、前の任意時間の値から引き、その値が負である時)
に、被検知ガスの存在を認識する。そこで同時にモニタ
ーしていた光学式ガス検知装置の信号変換手段11から
の同じ2つの任意時間の蛍光強度の値を比較し、例えば
被検知ガスが酸化性ガスであって、負に変化している時
には、被検知ガスが酸化性ガスであると判断する。その
場合には、変化が始まったときからのそれぞれの任意時
間ごとの変化量が零になるまで積算する。この積分値を
表示すると共に、信号処理手段12に記憶されている酸
化性ガスの濃度と吸着量および濃度と蛍光強度変化率か
ら被検知ガスの濃度を表示すると共に、ガス検知が終了
したことを知らせる。
【0032】一方、ガス検知素子を複数個設けた場合
も、その構成は基本的には上記と同様である。図9は、
複数の水晶振動子を用いたガス検知素子の反応槽の基本
構成を示す分解図である。図中、22、23、24は、
それぞれガス反応槽部材1、ガス反応槽部材2、ガス反
応槽部材3であり、それらが積層して反応槽を形成して
いる。第1のガス反応槽部材には、ガス導入口およびガ
ス出口が設けられており、また、複数のガス検知素子
1,1′,1″の電極に導通するための電極端子が2
1,21′,21″が取り付けられている。第2のガス
反応槽部材にはガス流路が形成されており、また、第3
のガス反応槽部材には、ガス検知素子1,1′,1″に
対して、光透過性領域が形成されるように、石英板によ
って覆われた窓5が設けられている。この図に示す場合
の反応槽においては、単一のガス経路内に複数の水晶振
動子が並べられており、個々の振動数および蛍光或いは
リン光の変化を読み取れるようになっている。図10
は、複数のガス検知感ガス薄膜を有する遅延線型SAW
デバイスを用いたガス検知素子の基本構成図である。こ
の場合、一枚の水晶板14の表面に複数のガス検知薄膜
15,15′,15″を設け、それぞれのガス検知薄膜
の両側に、くし形電極17,17′,17″が設けられ
ている。このガス検知素子は、通常の反応槽内に配置す
る。また、各ガス検知素子に対して励起光源、受光装
置、発振回路、周波数読取り装置を異にする場合は、図
1に示す構成のものを並列にして使用すればよい。一
方、光学式ガス検知装置に関しては、レーザー等の単色
光源を共用できる場合もあるし、図11のように光ファ
イバーを用い、光源を白色光と分光器の組み合わせにし
て、同時に励起し、受光器を分光器とフォトダイオード
アレイの組合せにしたものにして、スペクトルとしてそ
れぞれの素子からの蛍光を取り込むもの、またそのいず
れか一方を使用したものによって構成する場合もある。
【0033】なお、図11は、本発明のガス検知装置に
おける白色光源とマルチチャンネルフォトダイオード及
び複数の水晶振動子を用いた場合の基本構成を示す構成
図である。図中、2は反応槽であり、複数のガス検知素
子1,1′1″が配設されている。白色光源33からの
光は、レンズ7を経て回折格子34により分光され、レ
ンズ7、スリット37を経て、それぞれの励起光用光フ
ァイバー35,35′,35″により送られ、ガス検知
素子を照射する。ガス検知素子からの蛍光またはリン光
は、受光用ファイバー36を経て回折格子34′により
分光され、レンズ7を経てマルチチャンネルフォトダイ
オード32により受光される。信号処理については、基
本的には各ガス検知素子の信号をそれぞれ図7および図
8に示したフローチャートに沿って処理し得られた結果
から、さらに記憶装置内のデーターと比較して最も近い
結果を出力する。その際、統計的な多数量解析による最
もエネルギーの低い結果を出力する。この様な信号処理
は、通常の記憶装置付きの演算装置により実現する。ま
た、得られる各ガス検知素子からの信号を直接多次元座
標系に投影し、一気に統計的多数量解析を行って最適解
を導き出すように神経回路モデルのバックプロパゲーシ
ョン法等により学習させる方法も適用できる。
【0034】次にさらに具体的な実施例を示す。 実施例1 下記式で示されるスクエアリリウム色素とアラキン酸
(C1939COOH)とをモル比1:1の割合でクロロ
ホルム中に溶解し、約8×10-4Mの濃度の溶液を調製
した。
【化1】 この溶液を用い、LB膜作製法によって10MHzの電
極に銀を用いた水晶振動子上に11層の単分子膜を累積
した。すなわち、スクエアリリウム色素約200μlを
水面上に展開し、水晶振動子の水晶板を、気水界面を上
下させることにより、水晶板上に感ガス薄膜を形成して
ガス検知素子を得た。水晶振動子の発振周波数は感ガス
LB膜累積前に比べて、約2420Hz減少した。この
値は、感ガス薄膜の質量を表している。
【0035】この様にして形成したガス検知素子を、図
1に示すような吸着量測定式ガス検知装置と光学式ガス
検知装置を取り付けた反応槽内に固定した。このガス検
知素子を反応槽の外部の、発振手段に接続した。発振手
段としてはTTLを用いた一般的な正帰還型の発振回路
を使用した。発振周波数は発振手段中から、発振信号を
取り出し、周波数検知手段により測定した。周波数検知
手段は、0.1Hzの桁まで読み取れる周波数カウンタ
ーであり、水晶振動子の発振周波数は、反応槽内に2l
/minの純空気ガスを流した状態で±0.1Hzの安
定性で読み取ることができた。
【0036】光学式ガス検知装置の構成は、発振素子と
して670nm付近にピーク波長を有する市販の半導体
レーザー素子を使用し、励起光源とした。この光を集め
るためのプラスチックレンズを半導体レーザー素子の前
に設けた。さらに、励起光が赤外カットフィルターに対
して約20°の入射角を持つように、800nm付近よ
り長波長側の光をカットする赤外カットフィルターをレ
ンズの前に傾けて設けた。また、受光素子としては市販
のシリコンフォトダイオードを用い、720nm付近よ
り短波長側の励起光をカットする励起光カットフィルタ
ーをその前に取り付けた。これらの各部品を図1に示す
ように配置した。すなわち、励起光カットフィルターお
よびシリコンフォトダイオードを、ガス検知素子に対し
てほぼ垂直方向で、ガス検知素子の薄膜表面から5〜1
0mm離して配置した。半導体レーザー装置を点灯する
と、励起光がガス検知素子に照射され、そこから出た蛍
光またはリン光をフォトダイオードで受け、フォトダイ
オードに流れる10-9Aオーダーの電流を信号変換装置
の電気回路により1Vの電圧信号として取り出すことが
できた。
【0037】反応槽内に2l/minの純空気ガス(被
検知ガスをが含有しない空気を意味する)を流した状態
で、同じ流量の0〜10000ppbのNO2 ガスを含
む空気ガスに切り換えたところ、発振周波数の顕著な減
少が認められ、さらに純空気ガスに切り換えることによ
り、水晶振動子の発振周波数は、銀へのNO2 ガスの不
可逆的な吸着による発振周波数変化の成分を除けば、元
に位置に回復した。LB膜へのNO2 ガス吸着による発
振周波数の減少は、800ppbのNO2 ガスによって
は、約35Hz、150ppbのNO2 ガスによって
は、約6.5Hzであり、NO2 ガスの濃度に比例して
周波数の減少量が変化した。この関係から、吸着量測定
式ガス検知装置により、定量的にNO2 ガス濃度が求め
られることを確認した。また、水晶振動子の発振周波数
の減少と同時に、光学式ガス検知装置では蛍光の減少に
伴うフォトダイオードからの電圧信号の減少として、両
手段によりそれぞれ定量的にNO2 ガスの濃度が確認さ
れた。さらに信号処理装置では、吸着量測定式及び光学
式ガス検知装置それぞれからの信号の入力により、被検
知ガスが酸化性ガスであると判断し、そのガスの候補と
してのNO2 の濃度について2つの方法による結果を表
示した。2つの結果は10%以内の範囲で一致した。
【0038】実施例2 実施例1と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学式ガ
ス検知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で純
空気ガスを流したのち、0.1〜100ppmのクロロ
ホルムを含む空気ガスを流した。その結果、光学式ガス
検知装置においては、出力変化がまったくなく、信号処
理装置は被検知ガスであると判断した。吸着量測定式ガ
ス検知装置からは、感ガス薄膜へのクロロホルム分子の
吸着に伴う10-1〜101 Hzのオーダーの発振周波数
の減少が信号として信号処理装置に入力され、あらかじ
め記憶させておいたクロロホルムガスの濃度と吸着量の
関係から、クロロホルムガスの濃度を定量的に測定する
ことができた。
【0039】実施例3 実施例1と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学式ガ
ス検知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で純
空気ガスを流したのち、0.01〜10ppmのNO2
ガスと0.1〜100ppmのトリクロロエチレンを含
む空気ガスを流した。その結果、光学式ガス検知装置に
おいては、蛍光強度の減少が出力され、信号処理装置は
被検知ガスに酸化性ガスが存在すると判断した。吸着量
測定式ガス検知装置からは、感ガス薄膜へのNO2 とト
リクロロエチレン分子の吸着に伴う10-1〜102 Hz
のオーダーの発振周波数の減少が信号として信号処理装
置に入力され、ここで、被検知ガスがNO2 ガスとトリ
クロロエチレンの混合ガスであることを入力すると、あ
らかじめ記憶させておいたそれぞれのガスの濃度と吸着
量の関係と、NO2 濃度と蛍光強度変化量の関係から、
NO2 とトリクロロエチレンのそれぞれの濃度を分離し
て定量的に測定することができた。
【0040】実施例1と同様に吸着量測定式ガス検知装
置と光学式ガス検知装置を同時に作動させ、2l/mi
nの流速で純空気ガスを流したのち、10〜10000
ppmのアンモニアを含む空気ガスを流した。その結
果、光学式ガス検知装置においては、僅かな出力の増加
(〜10%)があり、信号処理装置は被検知ガスでが還
元性あると判断した。吸着量測定式ガス検知装置から
は、感ガス薄膜へのアンモニア分子の吸着に伴う10-1
〜102 Hzのオーダーの発振周波数の減少が信号とし
て信号処理装置に入力され、あらかじめ記憶させておい
たアンモニアガスの濃度と吸着量の関係からアンモニア
の濃度を定量的に測定することができた。
【0041】実施例5 実施例1と同様に、前記式で示されるスクエアリリウム
色素とアラキン酸(C1939COOH)とをモル比1:
1の割合でクロロホルム中に溶解し、約8×10-4Mの
濃度の溶液を調製した。この溶液を用い、水平付着法に
よって61MHzの反射器型SAWデバイス上に6層の
単分子膜を累積した。すなわち、上記スクエアリリウム
色素の約200μlを水面上に展開し、SAWデバイス
を、気水界面に付着させることにより、SAWデバイス
上にスクエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガス薄
膜を形成してガス検知素子を得た。SAWデバイスの発
振周波数は感ガスLB膜累積前に比べて、約19.5K
Hz減少した。この値は、感ガス薄膜の単位長さ当りの
密度を表している。
【0042】このようにして形成したガス検知素子を用
い、実施例1と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学
式ガス検知装置を同時に作動した。このガス検知素子を
反応槽の外部の発振手段に接続した。発振手段として
は、トランジスタ、抵抗、コンデンサおよびコイルから
なる発振回路を使用した。発振手段中から、発振信号を
取り出し、周波数検知手段により発振周波数を測定し
た。周波数検知手段は、0.1Hzの桁まで、読み取れ
る周波数カウンターであり、水晶振動子の発振周波数
は、反応槽内に2l/minの純空気ガスを流した状態
で±0.5Hzの安定性で読み取ることができた。
【0043】この状態で、同じ流量の0〜10000p
pbのNO2 ガスを含む空気ガスに切り換えたところ、
発振周波数の顕著な減少が認められ、さらに純空気ガス
に切り換えることにより、水晶振動子の発振周波数は、
元の値に回復した。800ppbのNO2 ガスによって
は約275Hzの、150ppbのNO2 ガスによって
は約50Hzの減少がみられ、NO2 ガスの濃度に比例
して周波数の減少量が変化し、この関係から、ガス検知
装置により、定量的にNO2 ガス濃度が求められること
を確認した。また、蛍光の減少については、実施例1と
同様の結果が得られ、両手段による結果を信号処理手段
に入力することにより、それぞれのNO2 ガス濃度の表
示値は10%以内の誤差範囲におさまった。
【0044】実施例6 実施例1と同様に、スクエアリリウム色素とアラキン酸
(C1939COOH)とのモル比1:1の混合膜を、L
B膜作製法によって10MHzの電極に金を用いた水晶
振動子上に11層の単分子膜を累積した。それにより、
スクエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガス薄膜を
有するガス検知素子が得られた。水晶振動子の発振周波
数は電極に銀を用いた場合と同様に感ガスLB膜累積前
に比べて、約2420Hz減少した。このようにして形
成したガス検知素子を反応槽内に固定し、2l/min
の純空気ガスを流した状態で、同じ流量の0〜1000
0ppbのNO2 ガスを含む空気ガスに切り換えたとこ
ろ、発振周波数の顕著な減少が認められ、さらに純空気
ガスに切り換えることにより、水晶振動子の発振周波数
は、回復した。電極への不可逆的なガス吸着による発振
周波数変化は、電極に金を用いた場合、銀のものに比べ
て約5分の1になった。LB膜へのガス吸着による発振
周波数変化は、実施例1と同様に800ppbのNO2
ガスによっては約35Hz、150ppbのNO2 ガス
によっては約6.5Hzの減少がみられ、値としては同
じであったが測定精度をかなり向上させることができ
た。このことから、吸着量測定式ガス検知装置により、
さらに定量的にNO2 ガス濃度が求められることを確認
した。また水晶振動子の発振周波数の減少と同時に、光
学式ガス検知装置では蛍光の減少に伴うフォトダイオー
ドからの電圧信号の減少として、両手段によりそれぞれ
定量的にNO2 ガスの濃度が確認された。さらに信号処
理装置では吸着量測定式および光学的ガス検知装置それ
ぞれからの信号に入力により被検知ガスが酸化性ガスで
あると判断し、そのガスの候補としてのNO2 の濃度に
ついて、2つの方法による結果を表示した。2つの結果
は5%以内の範囲で一致した。
【0045】実施例7 実施例1と同様に、スクエアリリウム色素とアラキン酸
(C1939COOH)とのモル比1:1の混合膜を、L
B膜作製法によって10MHzの電極に金を用いた水晶
振動子上に3層の単分子膜を累積した。それにより、ス
クエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガス薄膜を有
するガス検知素子が得られた。水晶振動子の発振周波数
は電極に銀を用いた場合と同様に感ガスLB膜累積前に
比べて、約660Hz減少した。このようにして形成し
たガス検知素子を反応槽内に固定し、2l/minの純
空気ガスを流した状態で、同じ流量の0〜10000p
pbのNO2 ガスを含む空気ガスに切り換えたところ、
発振周波数の顕著な減少が認められ、さらに純空気ガス
に切り換えることにより、水晶振動子の発振周波数は回
復した。電極に銀を用いた場合には、LB膜の層数が少
ないと電極への不可逆的なガス吸着による発振周波数変
化が大きいために、LB膜へのガス吸着による発振周波
数変化を正確に求められなかったが、電極に金を用いる
ことにより、LB膜へのガス吸着による発振周波数変化
は、100ppbのNO2 ガスによっては約3Hz、2
5ppbのNO2 ガスによっては約0.75Hzの減少
であることを求めることができた。このことから、吸着
量測定式ガス検知装置により、さらに定量的にNO2
ス濃度が求められることを確認した。また水晶振動子の
発振周波数の減少と同時に、光学式ガス検知装置では蛍
光の減少に伴うフォトダイオードからの電圧信号の減少
として、両手段によりそれぞれ定量的にNO2 ガスの濃
度が確認された。さらにLB膜の層数を少なくしたこと
により両手段による信号の応答速度を約3倍にすること
ができた。信号処理装置では吸着量測定式および光学的
ガス検知装置それぞれからの信号に入力により被検知ガ
スが酸化性ガスであると判断し、そのガスの候補として
のNO2 の濃度について、2つの方法による結果を表示
した。2つの結果は5%以内の範囲で一致した。
【0046】実施例8 LB膜を累積する前に、電極に金を用いた10MHzの
水晶振動子を1×10-4Mのオクタデシルトリクロロエ
チレンを含むビシクロヘキシル・四塩化炭素・クロロホ
ルム混合溶液で15分間処理し、さらに2×10-2Mの
オクタデシルメルカプタンを含むビシクロヘキシル・ク
ロロホルム混合溶液で20分間処理し、実施例7と同様
に2層の単分子膜を累積した。それにより、スクエアリ
リウム色素のJ会合体からなる感ガス薄膜を有するガス
検知素子が得られた。このようにして形成したガス検知
素子を反応槽内に固定し、2l/minの純空気ガスを
流した状態で、同じ流量の0〜10000ppbのNO
2 ガスを含む空気ガスに切り換えたところ、発振周波数
の顕著な減少が認められ、さらに純空気ガスに切り換え
ることにより、水晶振動子の発振周波数は回復した。表
面処理していない水晶振動子を用いていた実施例7に比
べて不可逆的な基板へのガス吸着による発振周波数変化
の成分は、さらに2分の1になり、より高い精度でLB
膜へのガス吸着による発振周波数変化を読み取ることが
できた。LB膜へのガス吸着による発振周波数変化は、
100ppbのNO2 ガスによっては約2Hz、25p
pbのNO2 ガスによっては約0.5Hzの減少であ
り、このことから、吸着量測定式ガス検知装置により、
さらに定量的にNO2 ガス濃度が求められることを確認
した。また水晶振動子の発振周波数の減少と同時に、光
学式ガス検知装置では蛍光の減少に伴うフォトダイオー
ドからの電圧信号の減少として、両手段によりそれぞれ
定量的にNO2 ガスの濃度が確認された。信号処理装置
では吸着量測定式および光学的ガス検知装置それぞれか
らの信号に入力により被検知ガスが酸化性ガスであると
判断し、そのガスの候補としてのNO2 の濃度につい
て、2つの方法による結果を表示した。2つの結果は4
%以内の範囲で一致した。
【0047】実施例9 LB膜を累積する前に、電極に金を用いた10MHzの
水晶振動子をヘキサメチルジシラザンの蒸気で15分間
処理し、さらに2×10-2Mのオクチルスルフィドを含
むクロロホルム溶液で20分間処理し、実施例7と同様
に2層の単分子膜を累積した。それにより、スクエアリ
リウム色素のJ会合体からなる感ガス薄膜を有するガス
検知素子が得られた。このようにして形成したガス検知
素子を反応槽内に固定し、2l/minの純空気ガスを
流した状態で、同じ流量の0〜10000ppbのNO
2 ガスを含む空気ガスに切り換えたところ、実施例8と
同様に不可逆的な基板へのガス吸着による発振周波数変
化の成分を抑えることができ、高い精度でLB膜へのガ
ス吸着による発振周波数変化を読み取ることができた。
信号処理装置では吸着量測定式および光学的ガス検知装
置それぞれからの信号に入力により被検知ガスが酸化性
ガスであると判断し、そのガスの候補としてのNO2
濃度について、2つの方法による結果を表示した。2つ
の結果は実施例8と同様に4%以内の範囲で一致した。
【0048】実施例10 励起光源にHe−Neレーザーを用い、受光素子として
図11に示す光ファイバーおよび回折格子とフォトダイ
オードアレイ(マルチチャンネルフォトダイオード)を
用い、770nmの蛍光強度を信号として出力する構成
にし、実施例7と同様に電極に金を用いた水晶振動子上
にスクエアリリウム色素とアラキン酸のモル比1:1の
混合膜を3層累積した感ガス薄膜を有するガス検知素子
を使用した。吸着量測定式ガス検知装置と光学式ガス検
知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で純空気
ガスを流したのち1〜1000ppbのNO2 ガスを含
む空気ガスを流した。その結果、光学式ガス検知装置に
おいて、顕著な蛍光強度の減少が770nmの信号強度
変化として観察され、さらに同時に測定した吸着量測定
式ガス検知装置から顕著な発振周波数の減少がみられ
た。また、さらに純空気ガスに切り換えることにより、
両信号は元の値に回復した。ちなみに、100、50、
および25ppbのNO2 を含む純空気ガスを流した時
の両ガス検知装置からの信号変化を図12に示す。ま
た、これらの信号を信号処理装置に入力したところ、被
検知ガスが酸化性ガスであると判断し、そのガスの候補
としてのNO2 の濃度について、2つの方法による結果
を表示した。2つの結果は4%以内の範囲で一致した。
【0049】実施例11 実施例10と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学式
ガス検知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で
純空気ガスを流したのち、0.1〜1000ppbのト
リクロロエチレンを含む空気ガスを流した。その結果、
光学式ガス検知装置においては出力変化が全くなく、信
号処理装置は被検知ガスが中性ガスであると判断した。
吸着量測定式ガス検知装置からは、感ガス薄膜へのトリ
クロロエチレン分子の吸着に伴う10-1〜101 Hzの
オーダーの発振周波数の減少が信号として信号処理装置
に入力され、あらかじめ記憶させておいたトリクロロエ
チレンガスの濃度と吸着量の関係から、トリクロロエチ
レンの濃度を定量的に測定することができた。ちなみに
100ppbのトリクロロエチレンを含む純空気ガスを
流した時の両ガス検知装置からの信号変化を図13に示
す。
【0050】実施例12 実施例10と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学式
ガス検知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で
純空気ガスを流したのち0.1〜10000ppbのア
ンモニアを含む空気ガスを流した。その結果、光学式ガ
ス検知装置においてはわずかな出力の増加(〜5%)が
あり、信号処理装置は被検知ガスが還元性ガスであると
判断した。吸着量測定式ガス検知装置からは、感ガス薄
膜へのアンモニア分子の吸着に伴う10-1〜102 Hz
のオーダーの発振周波数の減少が信号として信号処理装
置に入力され、あらかじめ記憶させておいたアンモニア
ガスの濃度と吸着量の関係から、アンモニアの濃度を定
量的に測定することができた。ちなみに10.8ppm
のアンモニアを含む純空気ガスを流した時の両ガス検知
装置からの信号変化を図14に示す。
【0051】実施例13 下記式で示されるペリレン色素とアラキン酸(C1939
COOH)とをモル比1:5の割合でクロロホルム中に
溶解し、約4×10-4Mの濃度の溶液を調製した。
【化2】 この溶液を用い、LB膜作製法によって10MHzの電
極に銀を用いた水晶振動子上に3層の単分子膜を累積し
た。そすなわち、上記ペリレン色素約200μlを水面
上に展開し、水晶振動子の水晶板を、気水界面を上下さ
せることにより、水晶板上に感ガス体薄膜を形成してガ
ス検知素子を得た。水晶振動子の発振周波数は感ガスL
B膜累積前に比べて、約390Hz減少した。この値
は、感ガス薄膜の質量を表している。このようにして形
成したガス検知素子を反応槽内に固定し、励起光源にア
ルゴンレーザーを用い、実施例10と同様に吸着量測定
式ガス検知装置と光学式ガス検知装置を同時に作動さ
せ、2l/minの流速で純空気ガスを流したのち、1
〜10000ppbのアンモニアガスを含む空気ガスを
流した。光学式ガス検知装置においては、690nmに
ペリレン色素からの蛍光のピークがみられ、この690
nmの信号強度変化を出力とした。その結果、光学式ガ
ス検知装置において、顕著な蛍光強度の減少が観察さ
れ、さらに同様に測定した吸着量測定式ガス検知装置か
ら顕著な発振周波数の減少がみられた。また、さらに純
空気ガスに切り換えることにより、両信号は元の値に回
復した。ちなみに22ppmのアンモニアを含む空気ガ
スを流したときの両ガス検知装置からの信号変化を図1
5に示す。また、これらの信号を信号処理装置に入力し
たところ、図8の信号フローチャートのアルゴリズムか
ら検知ガスが還元性ガスであると判断し、そのガスの候
補としてのアンモニアの濃度について2つの方法による
結果を表示した。2つの結果は4%以内の範囲で一致し
た。
【0052】実施例14 実施例13と同様に吸着量測定式ガス検知装置と光学式
ガス検知装置を同時に作動させ、2l/minの流速で
純空気ガスを流したのち、0.01〜1000ppbの
NO2 を含む空気ガスを流した。その結果、光学式ガス
検知装置においてはわずかな出力の増加(〜5%)があ
り、信号処理装置は被検知ガスが酸化性ガスであると判
断した。吸着量測定式ガス検知装置からは、感ガス薄膜
へのNO2 分子の吸着に伴う10-1〜102 Hzのオー
ダーの発振周波数の減少が信号として信号処理装置に入
力され、あらかじめ記憶させておいたNO2 ガスの濃度
と吸着量の関係から、NO2 の濃度を定量的に測定する
ことができた。ちなみに0.47ppmのNO2 を含む
純空気ガスを流した時の両ガス検知装置からの信号変化
を図16に示す。
【0053】実施例15 実施例7と同様にして形成したスクエアリリウム色素の
J会合体からなる感ガス薄膜を有するガス検知素子と、
実施例13と同様にして形成したペリレン色素からなる
感ガス薄膜を有するガス検知素子と感ガス薄膜を形成し
ていない金を電極とする10MHzの水晶振動子とを、
図9に示す反応槽内に固定した。スクエアリリウム色素
のJ会合体からなるガス検知素子の励起光源としてはH
e−Neレーザーを、ペリレン色素からなるガス検知素
子についてはアルゴンレーザーを用い、感ガス薄膜を形
成していない水晶振動子には励起光を照射せず、また、
受光素子には、実施例10と同様な図11に示す光ファ
イバーおよび回折格子とフォトダイオードアレイを用い
た。この光学式ガス検知装置と実施例1と同様な発振回
路と周波数カウンターをそれぞれの振動子に対して3つ
配置した吸着量測定式ガス検知装置により構成されるガ
ス検知装置に、0.01〜10000ppbのNO2
含む純空気ガスを流した。その結果、光学式ガス検知装
置ではスクエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガス
薄膜を有するガス検知素子における顕著な出力減少と、
ペリレン色素からなる感ガス薄膜を有するガス検知素子
におけるわずかな出力増加が、それぞれ770および6
90nmを信号強度としたときに観察された。一方、吸
着量測定式ガス検知装置でもそれぞれの振動子から発振
周波数の減少を示す出力が得られた。感ガス薄膜を形成
していない振動子の信号を他の2つのガス検知素子の信
号から引いたものを各出力とし、光学式ガス検知装置の
信号とを合わせて信号処理装置に入力したところ、被検
知ガスが酸化性ガスであると判断し、その最も確かな候
補としてNO2 ガスをあげ、同時に濃度を出力した。
【0054】実施例16 実施例15と同様のガス検知素子、光学式ガス検知装置
および吸着量測定式ガス検知装置により構成されるガス
検知装置に0.1〜10000ppbのアンモニアを含
む空気ガスを流した。その結果、光学式ガス検知装置で
はスクエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガス薄膜
を有するガス検知素子におけるわずかな出力増加と、ペ
リレン色素からなる感ガス薄膜を有するガス検知素子に
おける顕著な出力減少が、それぞれ770および690
nmを信号強度としたときに観察された。一方、吸着量
測定式ガス検知装置でもそれぞれの振動子から発振周波
数の減少を示す出力が得られた。実施例15と同様に感
ガス薄膜を形成していない振動子の信号を他の2つのガ
ス検知素子の信号から引いたものを各出力とし、光学式
ガス検知装置の信号とを合わせて信号処理装置に入力し
たところ、被検知ガスが還元性ガスであると判断し、そ
の最も確かな候補としてアンモニアガスをあげ、同時に
濃度を出力した。
【0055】実施例17 図10に示した49MHzの遅延線型SAWデバイスを
1つの基板上に3つ構成したガス検知素子の内の2つの
素子に、スクエアリリウム色素のJ会合体からなる感ガ
ス検知薄膜とペリレン色素からなる感ガス薄膜を形成
し、反応槽内に固定した。スクエアリリウム色素のJ会
合体からなる感ガス薄膜の励起光源としてはHe−Ne
レーザーを、ペリレン色素からなる感ガス薄膜について
はアルゴンレーザーを用い、受光素子には、実施例10
と同様な図11に示す光ファイバーおよび回折格子とフ
ォトダイオードアレイを用いた。この光学式ガス検知装
置と実施例5と同様な発振回路と周波数カウンターをそ
れぞれの振動子に対して3つ配置した吸着量測定式ガス
検知装置により構成されるガス検知装置に、0.01〜
10000ppbのNO2 を含む空気ガスを流した。そ
の結果、光学式ガス検知装置ではスクエアリリウム色素
のJ会合体からなる感ガス薄膜を有するガス検知素子に
おける顕著な出力減少と、ペリレン色素からなる感ガス
薄膜を有するガス検知素子におけるわずかな出力増加
が、それぞれ770および690nmを信号強度とした
ときに観察された。一方、吸着量測定式ガス検知装置で
もそれぞれの振動子から発振周波数の減少を示す出力が
得られた。感ガス薄膜を形成していない振動子の信号を
他の2つのガス検知素子の信号から引いたものを各出力
とし、光学式ガス検知装置の信号とを合わせて信号処理
装置に入力したところ、被検知ガスが酸化性ガスである
と判断し、その最も確かな候補としてNO2 ガスをあ
げ、同時に濃度を出力した。
【0056】
【発明の効果】上記のように、本発明のガス検知装置
は、有機色素を含む感ガス薄膜への被検知ガスの可逆的
な吸着を薄膜の質量変化と蛍光強度変化の両方を測定す
るので、物理的な吸着過程と、感ガス薄膜内の色素分子
と被検知ガス分子との間の電子的な相互作用を同時にみ
ることが可能であり、被検知ガスの性質、種類および濃
度を検出することができ、また、簡単な混合ガスの中か
ら成分を分離してガスを検知することができる。さら
に、全くデーターの蓄積のないガスに対しても、そのガ
ス中にどの様な性質のものが含まれているのか検出でき
る。したがって、環境中の有害ガスなどの危険予知シス
テムにも応用できる。また、以上のような2つの検知手
段を同時に作動させるガス検知素子を複数個用意するこ
とにより、さらに複雑な混合ガスの検知や、さらに正確
な成分分離が可能となる。本発明のガス検知装置は、質
量測定式ガス検知手段においては、簡単な圧電振動子と
省電力でかつ簡単な周波数測定系で構成され、また光学
式ガス検知手段においても簡単な発光および受光素子に
よって構成されるため、感度、安定性、応答速度に優
れ、広い濃度範囲で使用可能である。また、製作も容易
で、コスト面、対環境面でも有利であるので、非常に広
範囲な応用が可能である。さらに、ガス検知が、質量変
化と蛍光またはリン光強度変化の両方を利用するもので
あるから、電気的、磁気的および化学的妨害に対して抵
抗性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のガス検知装置の基本構成を示
す構成図である。
【図2】 図2は本発明のガス検知装置における水晶振
動子を用いたガス検知素子の基本構成を示す構成図であ
る。
【図3】 図3は本発明のガス検知装置における遅延線
型SAWデバイスを用いたガス検知素子の基本構成を示
す構成図である。
【図4】 図4は本発明のガス検知装置における反射器
型SAWデバイスを用いたガス検知素子の基本構成を示
す構成図である。
【図5】 図5は本発明のガス検知装置における水晶振
動子を用いたガス検知素子の反応槽の基本構成を示す構
成図である。
【図6】 図6は本発明のガス検知装置のガス経路を含
む基本構成を示す構成図である。
【図7】 図7は本発明のガス検知装置においてドナー
性色素を感ガス薄膜として用いたときの信号処理システ
ム内での信号処理フローチャートである。
【図8】 図8は本発明のガス検知装置においてアクセ
プター性色素を感ガス薄膜として用いたときの信号処理
システム内での信号処理フローチャートある。
【図9】 図9は本発明のガス検知装置における複数の
水晶振動子を用いたガス検知素子の反応槽の基本構成を
示す構成図である。
【図10】 図10は本発明のガス検知装置における複
数のガス検知薄膜を有する遅延線型SAWデバイスを用
いたガス検知素子の基本構成を示す構成図である。
【図11】 図11は本発明のガス検知装置における白
色光源とマルチチャンネルフォトダイオードおよび複数
の水晶振動子を用いた時の基本構成を示す構成図であ
る。
【図12】 図12は実施例10のガス検知装置におい
て、スクエアリリウム色素を感ガス薄膜として用いたと
きのNO2 ガスにより出力される蛍光強度および発振周
波数変化のグラフである。
【図13】 図13は実施例11のガス検知装置におい
て、スクエアリリウム色素を感ガス薄膜として用いたと
きのトリクロロエチレンガスにより出力される蛍光強度
および発振周波数変化のグラフである。
【図14】 図14は実施例12のガス検知装置におい
て、スクエアリリウム色素を感ガス薄膜として用いたと
きのアンモニアガスにより出力される蛍光強度および発
振周波数変化のグラフである。
【図15】 図15は実施例13のガス検知装置におい
て、ペリレン色素を感ガス薄膜として用いたときのアン
モニアガスにより出力される蛍光強度および発振周波数
変化のグラフである。
【図16】 図16は実施例14のガス検知装置におい
て、ペリレン色素を感ガス薄膜として用いたときのNO
2 ガスにより出力される蛍光強度および発振周波数変化
のグラフである。
【符号の説明】
1,1′,1″…ガス検知素子、2…反応槽、3…発振
手段、4…周波数検知手段、5…窓、6…発光素子、7
…レンズ、8…フィルター、9…受光素子、10…フィ
ルター、11…信号変換装置、12…信号処理手段、1
3…水晶振動子、14…水晶板、15,15′,15″
…ガス検知薄膜、16,16′…電極、17,17′,
17″…くし形電極、18…発振回路、19…ガス導入
口、19′…ガス出口、20,20′…反射器、21,
21′,21″…電極端子、22…第1のガス反応槽部
材、23…第2のガス反応槽部材、24…第3のガス反
応槽部材、25…ガス流路、26…ガスの流れ、27…
純ガスの流れ、28…被検知ガスの流れ、29,29′
…4方バルブ、30…励起光源、31…光ファイバー、
32…マルチチャンネルフォトダイオード、33…白色
光源、34…回折格子、35,35′,35″…励起光
用光ファイバー、36…受光用光ファイバー、37…ス
リット。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動部材および該振動部材上に設けら
    れ、光が照射されたときに蛍光またはリン光を発生する
    感ガス薄膜を有するガス検知素子と、前記振動部材を振
    動させるための振動手段と、前記振動部材の振動周波数
    を検知するための周波数検知手段と、前記感ガス薄膜に
    光を照射するための光照射手段と、前記感ガス薄膜から
    発生する蛍光またはリン光を受光し、蛍光またはリン光
    の強度を検知する光検知手段を具備してなるガス検知装
    置。
  2. 【請求項2】 検知された振動周波数の変化量および/
    または検知された蛍光またはリン光の強度の変化量を求
    める信号処理手段を有することを特徴とする請求項1記
    載のガス検知装置。
  3. 【請求項3】 信号処理手段が、検知された振動周波数
    の変化量および/または検知された蛍光またはリン光の
    強度の変化量からガス濃度を求めるものである請求項2
    記載のガス検知装置。
  4. 【請求項4】 前記ガス検知素子が、ガス流路を有する
    反応槽に設けられたことを特徴とする請求項1記載のガ
    ス検知装置。
  5. 【請求項5】反応槽が、前記感ガス薄膜に対面して設け
    られた光透過性領域を有する請求項4記載のガス検知装
    置。
  6. 【請求項6】前記感ガス薄膜が、有機色素の単分子積層
    膜からなる請求項1記載のガス検知装置。
  7. 【請求項7】水晶板と、該水晶板上に設けられた電極部
    材と、該電極部材と前記水晶板との境界領域の全体を少
    なくとも被覆してなり、光が照射されたときに蛍光また
    はリン光を発生する感ガス薄膜とを具備するガス検知素
    子。
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