JP2009079938A - 水晶振動子、並びに、それを用いた質量・体積測定装置及び質量・体積測定方法 - Google Patents

水晶振動子、並びに、それを用いた質量・体積測定装置及び質量・体積測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜干渉光を発生する測定対象物の質量と、体積とを同時に測定可能な質量・体積測定装置の提供。
【解決手段】本発明の質量・体積測定装置は、水晶振動子を有し、この水晶振動子の電極上に付着する測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定手段と、前記水晶振動子の電極上の測定対象物に光を照射する光照射器を有し、前記測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜状の測定対象物の質量及び体積を測定するための質量・体積測定装置及び質量・体積測定方法、並びに、それらに用いる水晶振動子に関する。
ポリマーと低分子化合物との間の親和性の情報は、ポリマーの可塑剤の選定、耐水・薬品性付与、分離膜設計等の新素材設計・開発において、非常に有益な情報である。従来、前記情報を得るために、薄膜状のポリマー(以下、ポリマー薄膜)からなる収着媒に、ガス状の低分子化合物からなる収着質を収着させ、収着挙動を解析することが行われている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、ポリスチレンからなるポリマー薄膜(収着媒)に、n−プロパノール(収着質)を収着させると、ポリマー薄膜は膨潤して体積が増加し、かつ、収着した収着質の分だけ質量が増加する。
前記収着挙動を解析する方法として、従来、収着媒に収着される収着質の収着量(収着質の質量)を測定する方法と、収着媒の体積変化を測定して、その測定結果から収着量を見積もる方法との2つの方法が知られている。前者の収着質の収着量を測定する方法としては、例えば、重量法、水晶発振マイクロバランス(Quarts Crystal Microbalance:QCM)法、容量法が知られている。また、後者の収着媒の体積変化を測定する方法としては、例えば、薄膜干渉を利用した薄膜干渉測定法、X線反射率法(XRR)、偏光解析(ellipsmetry)法等の光学的解析法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
ところで、通常、収着媒であるポリマー薄膜と、収着質である低分子化合物との間には、体積の加成性が成り立たない。つまり、収着媒が収着した収着質の質量が分かっても、その質量に収着質の比容をかけたものを、収着媒の増加した体積分とすることができない。また、収着媒の体積変化量から、収着された収着質の質量を正確に把握することもできない。例えば、収着媒と収着質との組合せによっては、収着媒に収着質が収着されても、ほとんど収着媒の体積が変化しない場合もある。なぜならば、同じポリマーからなるポリマー薄膜であっても、ポリマー薄膜中に存在するアモルファス部分の割合が異なれば、収着挙動が異なってくるからである。
そこで、ポリマー薄膜と低分子化合物との間の収着挙動を正しく把握するために、収着質の収着量変化のデータと、収着媒の体積変化のデータの双方を用いて解析を行うことが必要となる。
しかしながら、ポリマー薄膜と、低分子化合物との間の収着挙動は、同一のポリマー薄膜を用いても、温度、相対蒸気圧(ガス状の低分子化合物の濃度)等の条件が僅かに異なっただけで、大きく異なってしまうという問題がある。つまり、収着質の収着量変化のデータの測定と、収着媒の体積変化のデータの測定とは、別々の測定装置を用いて行うため、必然的に測定条件を完全に同一とすることができず、従来の前記収着挙動を解析する方法では、ポリマー薄膜と低分子化合物との間の収着挙動を正確に把握することができないという問題があった。
近藤精一等著、「吸着の科学」、第2版、丸善株式会社出版事業部、2001年2月 Ye. Ye.Braudon and V. B. Tolstoguzov, Volumetric method for the study of swelling andsyneresis and its application to protein gels, Polymer Science U.S.S.R., Vol12,Issue 2, 1970. P541-544
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、測定対象物の質量及び体積を、同一の測定条件の下、同時に測定できる質量・体積測定装置及び質量・体積測定方法、並びに、それらに用いる水晶振動子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1>水晶振動子を有し、該水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定手段と、前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光を照射し、該測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定手段と、を備えたことを特徴とする質量・体積測定装置である。
該<1>に記載の質量・体積測定装置においては、水晶振動子を有する質量測定手段によって、該水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量が振動数変化に基づいて測定され、体積測定手段によって、前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光が照射され、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて該測定対象物の体積が測定される。
<2>前記電極が導電性反射層を有し、この導電性反射層の導電率が9.0×10S/m以上であり、かつ、反射率が30%〜70%である前記<1>に記載の質量・体積測定装置である。
<3>前記導電性反射層の厚みが、40nm〜500nmである前記<2>に記載の質量・体積測定装置である。
<4>前記導電性反射層が、モリブデンで形成された前記<2>から<3>のいずれかに記載の質量・体積測定装置である。
<5>水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定工程と、前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光を照射し、該測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定工程とを含み、前記測定対象物の質量及び体積を、同時に測定することを特徴とする質量・体積測定方法である。
<6>前記<1>から<4>のいずれかに記載の質量・体積測定装置及び前記<5>に記載の質量・体積測定方法のいずれかに用いられる水晶振動子であって、測定対象物を付着させる電極を有し、該電極が導電性反射層を含むことを特徴とする水晶振動子である。
<7>該導電性反射層の導電率が9.0×10S/m以上であり、かつ、反射率が30%〜70%である前記<6>に記載の水晶振動子である。
<8>前記導電性反射層の厚みが、40nm〜500nmである前記<6>から<7>のいずれかに記載の水晶振動子である。
<9>前記導電性反射層が、モリブデンで形成された前記<6>から<8>のいずれかに記載の水晶振動子である。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、測定対象物の質量及び体積を、同一の測定条件の下、同時に測定できる質量・体積測定装置及び質量体積測定方法、並びに、そらに用いられる水晶振動子を提供することができる。
〔質量・体積測定装置及び質量体積測定方法〕
図1は、本発明の一実施形態に係る質量・体積測定装置1の構成を示す説明図である。この質量・体積測定装置1は、ポリマー薄膜(収着媒)に、収着質が収着した状態、または収着された収着質がポリマー薄膜から離脱した状態のポリマー薄膜の質量及び体積を同時に測定することができる。
以下、収着質の収着、離脱により、質量及び体積が変化するポリマー薄膜を測定対象物10とする場合を例に挙げて、本実施形態の質量・体積測定装置1の構成、動作等を説明する。図1に示されるように、質量・体積測定装置1は、測定対象物10の質量を測定する質量測定手段20と、測定対象物10の体積を測定する体積測定手段30とを備え、更に、適宜、選択可能なその他の手段(図示せず)を備える。
<質量測定手段>
質量測定手段20は、いわゆる、水晶発振マイクロバランス(QCM)の測定原理を利用して測定対象物10の質量を測定するものであり、水晶振動子2を有する。図2は、水晶振動子2の要部断面を示す説明図である。この図2に示されるように、水晶振動子2は、水晶板4と、この水晶板4を挟むように対向して配置する一対の電極部3を有する。なお、説明の便宜上、図2には一方の電極部3のみが示されている。電極部3は、図1に示されるように、交流電圧を印加する発振回路11と接続している。発振回路11は、振動数を計測する振動数測定器12と接続し、更に振動数測定器12は、マイクロプロセッサ(図示せず)を備える制御部14と接続している。
本発明の水晶振動子2を構成する水晶板4、電極部3、並びに、水晶振動子2に接続する発振回路11、振動数測定器12及び制御部14は、公知のものの中から適宜選択することが可能である。
本実施形態の電極部3は2層からなり、水晶板4に直に接触する電極基板層5と、この電極基板層5上に形成される導電性反射層6を有する。本実施形態において、電極部3の導電性反射層2上には、測定対象物10であるポリマーによる薄膜(収着媒)が形成される。
前記ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の薄膜状に形成可能なものが挙げられる。これらのポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
質量・体積測定装置1により質量及び体積を測定する上で、好ましいポリマー薄膜の厚みは、200nm〜400nmである。
測定対象物10のポリマー薄膜は、水晶振動子2の導電性反射層2上に、スピンコーティング法等の公知の方法によって形成される。
電極部3は、導電性を有する部材からなる。電極基板層5及び図示されない他方の電極部は、例えば、金、銀等の金属の薄膜からなる。
導電性反射層6は、水晶振動子2の電極として機能するためには、質量測定手段20における(QCM測定における)ノイズ削減等の観点より、導電率が、9.0×10S/m以上であることが好ましい。なお、本願発明においては、Handbook of Chemistry and Physics. CRC Press, 1999記載の電気抵抗率ρの逆数を、導電率として用いた。
導電率が、9.0×10S/m未満であると、周波数の安定性を欠き、ノイズが大きくなり、質量測定手段20よる質量測定(QCM測定)ができないことがある。該導電率の上限値は、特に制限はない。
一般的な、QCM測定で用いられる電極の導電率の下限値は、9.0×10S/mである。例えば、モリブデンの導電率は18.7×10S/m、チタンの導電率は2.4×10S/m、クロムの導電率は7.8×10S/mである(Handbook of Chemistry and physics, CRC Press, 1999参照)。導電率の観点より、導電性反射層6に用いる材料としては、モリブデンが好ましいと言える。
図1に示されるように、水晶振動子2は、測定室15内に設置される。測定対象物10のポリマー薄膜に収着させるための収着質を供給する供給配管16と接続している。本実施形態において、収着質としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール、フェノール、水等のガス状で供給可能な公知のものが用いられる。
供給配管16は収着質を収容し、収着質を供給するための供給装置17と接続している。本実施形態においては、収着質は、供給装置17内に液状で収容されている。他の実施形態においては、ガス状で供給装置17内に収容されてもよい。
本実施形態において、ガス状の収着質は、供給装置17から、途中で供給される窒素等の不活性ガスと共に、供給配管16を介して、測定室15に供給される。測定室15は、更に、測定室15内から不活性ガス等を排出するガス排出配管18と、未収着の収着質を回収するための回収配管19と接続する。この回収配管19は、その途中に凝縮器21を介して、供給装置17に接続する。凝縮器21は、ガス状の収着質を液状にして回収し、回収された収着質は供給装置17へ送られる。
測定室15内の収着質の濃度(相対蒸気圧)は、公知のガスフロー装置(いわゆる、マスフローコントローラ、図示せず)により、制御されている。また、測定室15内の温度も、図示されない公知の装置を用いて制御されている。
ここで、水晶振動子2上の測定対象物10に収着される収着質の質量と、水晶振動子2の振動数の変化量との関係を説明する。ここで、水晶振動子2に対する収着質の収着量をΔmとし、測定周波数の変化量をΔFとすると、これらの間には、以下に示す式(1)の関係が成り立つ。
上記式(1)において、Aは、電極面積(cm)を表し、本実施形態の水晶振動子2の導電性反射層6の表面積に相当する。μは、水晶(水晶板4)のせん断弾性係数(2.95×1011dyn/cm)を表し、ρは、水晶の密度(2.65g/cm)を表し、Fは、基本周波数(Hz)を表す。
上記式(1)からわかる通り、収着量Δmは、測定周波数の変化量ΔFに比例しており、収着量(収着質の質量)Δmは、測定周波数の変化量ΔFから求められる。したがって、質量・体積測定手段20によって、測定周波数の変化量ΔFが分かれば、収着量Δmを求めることができる。なお、上記式(1)を用いた計算は、制御部14のマイクロプロセッサ(図示せず)において行われる。
<体積測定手段>
体積測定手段30は、薄膜状の測定対象物10に光を照射して得られる反射光(反射スペクトル)に基づいて、測定対象物10の体積を測定する手段である(図1参照)。この体積測定手段30は、いわゆる、薄膜干渉の原理 を利用して薄膜の体積を測定するものである。体積測定手段30は、薄膜状の測定対象物10を支え、至適な反射スペクトルを与える基板となる、水晶振動子2の導電性反射層6を有する。導電性反射層6は、このように体積測定手段30の一部であると共に、上記のように質量測定手段20の水晶振動子2の一部でもある。体積測定手段30は、更に、測定対象物10に光を照射するための光照射器7と、測定対象物7に照射した光が反射して得られる反射スペクトルを測定する反射スペクトル測定器8とを備える。反射スペクトル測定器8は、制御部14と接続している。
光照射器7は、測定対象物10の表面に対し、所定の入射角度で、光を照射するための装置である。光照射器7は、1つのみ体積測定手段30に備えられてもよいし、複数個、体積測定手段30に備えられてもよい。光照射器7を1つのみ用いる場合、入射角度を任意に設定可能な物を用いることが好ましい。また、複数個の光照射器7を用い、それぞれの光照射器7から異なる入射角度の光を照射してもよい。光照射器7として、例えば、重水素ハロゲン光源等の公知の光源を用いることができる。
反射スペクトル測定器8は、測定対象物10からの反射スペクトルを測定できる箇所に設置される。反射スペクトル測定器8として、例えば、(a)干渉光の波長変化前におけるスペクトルと、干渉光の波長変化後におけるスペクトルとを測定し、その差スペクトルとを測定する装置、(b)特定波長の光のみを透過可能であり、この特定波長の光が透過したことを検知可能である装置を用いることができる。
前記(a)の装置としては、干渉フィルタと、この干渉フィルタを透過した透過光を検知可能な光検知センサーとを組み合せたもの、を用いることができる。干渉フィルタ、光検知センサーは、公知のものを用いることができる。また、前記(b)の装置としては、例えば、ラインCCDアレイ等の受光素子がある。
図3は、光照射器7より照射された光が、薄膜状の測定対象物10で反射される様子を示す説明図である。ここで、図3を用いて、測定対象物10の体積測定に用いられる反射スペクトルについて説明する。なお、説明の便宜上、図3には、反射スペクトルを単純化して示した。図3に示されるように、照射された光は、気層40中を進行して、測定対象物10に対し、所定の角度αで入射する。ここで、入射角度αは、測定対象物10であるポリマー薄膜の表面の法線からの角度を示す。入射した光70(入射光70)の内、一部の光70は気層40と測定対象物10との界面50で反射し、反射光71が生じる。他の一部の入射光70は、界面50で屈折して測定対象物10中を直進し、測定対象物10と、導電性反射層6との界面60において反射し、反射光72を生じる。反射光72は、測定対象物10中を進み、測定対象物10と気層40との界面50で屈折し、測定対象物10を透過して気層40中を直進する。つまり、薄膜状の測定対象物10に所定の角度で光を照射すると、測定対象物10の上側の界面50と、下側の界面60とにおいて、それぞれ反射光71、72が生じている。
体積測定手段30は、これらの反射光71、72(反射スペクトル)を利用して、測定対象物10の体積を求めている。
これらの反射光71、72は干渉して、条件により、互いに強め合い、あるいは弱め合う。特定の波長を有する光の干渉条件は、光の入射角度、光が通過する媒質(気層40、測定対象物10)の屈折率、測定対象物10(薄膜)の厚みによって決まる。ここで、最も強められる条件の波長(極大波長)λmaxと、最も弱められる条件の波長(極小波長)λminとを、それぞれ式で表すと以下のようになる。
上記式(2)及び式(3)において、nは、測定対象物10の屈折率を表し、nは、外場(気層40)の屈折率を表し、αは光の入射角度を示し、hは、測定対象物10の厚み(膜厚)を表す。mは、正の整数を表す。前記入射角度αとしては、例えば、15°、30°及び45°等の角度に設定される。
ここで、気層40中の収着質を収着して膨潤するポリマー薄膜からなる測定対象物10を例に挙げて、図4〜図6を用いて、測定対象物10の膨潤量(体積増加量)を測定する方法を説明する。
図4は、収着質9を収着する前のポリマー薄膜(測定対象物10)を示す説明図である。測定対象物10であるポリマー薄膜は、導電性反射層6上に形成されており、膜厚がh、屈折率がnであるものとする。これに対し、図5は、気層40中の収着質を収着し、膨潤した後のポリマー薄膜を示す。なお、図5において、膨潤後のポリマー薄膜を測定対象物10’として示した。図4に示されるように、ポリマー薄膜は、気層40中の収着質を収着すると厚み方向に膨潤し、当初の膜厚hよりも厚みを増す。ここで、この増加した厚みをΔhとする。
また、ポリマー薄膜が収着質を収着して膨潤すると、ポリマー薄膜の屈折率が変化する。ここで、収着質を収着した後のポリマー薄膜(測定対象物10’)の屈折率をnとする。なお、測定対象物10’の屈折率nは、以下の式(4)より求めることができる。
ここで、nは膨潤前の測定対象物10の屈折率(ポリマーの屈折率)を表し、nは収着質の屈折率を表し、Φはポリマーの体積分率を表す。Φ(=1−Φ)は収着質の体積分率を表す。なお、ポリマーの体積分率Φを予め求めることはできなが、例えば、上記式(3)のλminのシフト量(後述)から膜厚増加率(Δh/h+Δh)を求め、その膜厚増加率からポリマーの体積分率Φを算出できる。
図6は、膨潤前のポリマー薄膜の反射スペクトルと、膨潤後のポリマー薄膜の反射スペクトルを示すグラフである。縦軸は吸収率(%)を示し、横軸は波長(nm)示す。膨潤前の反射スペクトルは実線で表され、膨潤後の反射スペクトルは破線で表される。この図6からわかるように、ポリマー薄膜が膨潤して厚みを増すと、反射スペクトルのグラフは、長波長シフトする。図8において、右側へシフトする。
つまり、例えば、ポリマー薄膜の膨潤前後における極小波長λminのシフト量Δλminが分かれば、このΔλminの値と、上記式(3)及び式(4)を利用して、ポリマー薄膜が膨潤して、増加した厚みΔhを求めることができる。なお、極大波長λmaxのシフト量と、上記(2)式及び(4)式を利用して、Δhを求めてもよい。本実施形態において、上記式(2)〜(4)を用いたΔhの計算は、制御部14において行われる。
なお、測定対象物の体積測定に利用可能な反射スペクトルを得るためには、導電性反射層6の可視光領域での反射率の値が、30%〜70%の範囲にあることが好ましい。
一般的なポリマー薄膜の反射率は20%以下である。そのため導電性反射層6の反射率が70%を超え、特に、該ポリマー薄膜の反射率と、導電性反射層6との反射率の差が60%以上となると、光干渉スペクトルを観測できなくなる。これに対し、導電性反射層6の反射率が30%未満であると、導電性反射層6表面での反射光と、ポリマー薄膜(測定対象物10)の表面での反射光との光干渉のみならず、導電性反射層6上表面での反射光と、導電性反射層6下表面での反射光による光干渉が起こり得るため、不適切である。
更に、可視光領域での反射率の極大値と、極小値との差が、30%以下であること(特定波長領域に吸収を持たないこと)が好ましい。
特定波長領域に吸収を持つ場合、その吸収が、光干渉による反射スペクトルに寄与するため、不適切である。
図32は、モリブデン基板上に形成したPMMAスピンコート膜(厚み:260nm)のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。図33は、金基板上に形成したPMMAのスピンコート膜(厚み:260nm)のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。図34は、銀基板上に形成したPMMAのスピンコート膜(厚み:260nm)のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
図32(モリブデン)を参照すると、モリブデン基板上のPMMAにおいては、光干渉由来の反射スペクトルが得られていることがわかる。図33(金)を参照すると、短波長側条件を満たさないため、明確な光干渉スペクトルが得られないことがわかる。図34(銀)を参照すると、基板反射率が70%を超えているため、基板の反射がPMMA表面の反射に比べて非常に大きく、光干渉を示さないことがわかる。なお、基板反射率が30%未満の場合、光干渉が起こらないため、測定不可能である。反射率の観点のみからは、モリブデン、チタン及びクロムの間には、優劣はないと言える。
なお、本願明細書において、モリブデン(Mo)、金(Au)及び銀(Ag)の反射率Rについては、Handbook if Optical Constants of Solids, Academic Press, 1985に記載の光学定数(n:屈折率、k:消光係数)から算出した。
チタン(Ti)及びクロム(Cr)の反射率Rについては、PHYSICAL REVIEW B, VOL9, NO12, 1974,Optical constants of transition metals: Ti, V, Cr, Mn,
Fe, Co, Ni, and Pdに記載の光学定数(n:屈折率、k:消光係数)から算出した。具体的には、下記式(5)より反射率を算出した。
つまり、本実施形態の導電性反射層6は、上述のように、導電率が9.0×10S/m以上であると共に、反射率の値が30%〜70%の範囲にあることが好ましい。
上記導電率の値及び反射率の値を満たす材料としては、例えば、モリブデンがある。導電性反射層6は、モリブデンのみから製造してもよいし、あるいは、モリブデンと他の金属材料等とを混合して、上記導電率の値及び反射率の値を満たすようにしてもよい。
ここで、モリブデン、チタン、クロム、金及び銀の反射率を比較する。
図7は、モリブデン基板鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。図7より、モリブデンの可視光波長に対する反射率(%)は、約50%〜約60%の範囲内にあり、変動幅も小さいことがわかる。
図8は、チタン基板鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。図8より、チタンの可視光波長に対する反射率(%)は、約52%〜約64%の範囲内にあり、変動幅も小さいことがわかる。
図9は、クロム基板鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。図9より、クロムの可視光波長に対する反射率(%)は、約54%〜57%の範囲内にあり、変動幅も小さいことがわかる。
図10は、金基板鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。図10より、金の可視光波長に対する反射率(%)は、約96%〜約99%の範囲内にあり、反射率が高すぎることがわかる。
図11は、銀基板鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフだる。図11より、銀の反射率(%)の変動幅が大きいことがわかる。
導電性反射層6を、水晶振動子2の電極基板層5上に形成する方法としては、例えば、スパッタリング法等の公知の方法が用いられる。なお、本実施形態において、導電性反射層6の厚みは、40nm〜500nmの範囲にあることが好ましい。厚みが40nm未満であると、導電性反射層6の下地材料(電極基板層5)の反射スペクトルが観測され、導電性反射層6上表面での反射光と導電性反射層6下表面での反射光による光干渉が起こることがある。また、前記厚みが500nmを超えると、金属膜が水晶に比べ非常に重く、また水晶振動子の表面に振動の加速度が最も大きく働くため、非常に大きな慣性抵抗が発生し、振動を妨げる。つまり、厚い金属膜が振動系に加わることにより、振動損失が起こり、共振周波数の測定精度が落ちることがある。
反射スペクトルを測定する観点からは、導電性反射層6の厚みは、該導電性反射層6の材料の消光係数の逆数程度であれば十分である。例えば、モリブデンの常温下の消光係数kは、波長620nmにおいて、3.52×10cm−1であり、その逆数は28.4nmである。また、QCM測定おいて、一般的な共振周波数9MHzの水晶振動子に用いられる電極の厚みは、300nm〜500nmであるが、300nm以下であっても水晶振動子の発振に問題ない。
本実施形態では、水晶振動子2の電極基板層5上に、導電性反射層6を積層する構成を採用したが、他の実施形態においては、導電率及び反射率の値の範囲が上記範囲内にある限り、電極基板層5と導電反射層6とを同一材料で一体化してもよい。
本発明の質量・体積測定装置は、質量測定手段20と、体積測定手段30とを用いて、質量と体積とを測定することができる限り、種々の物質を測定対象物としてよい。ポリマー薄膜と低分子化合物との収着挙動の解析のみに限られない。例えば、環境ホルモン等の化合物のセンシングに、本発明の質量・体積測定装置を用いてもよい。
なお、ポリマー薄膜(収着媒)に供給され、収着される収着質は、ガス状である必要はなく、例えば、液状で供給して、液状のまま収着させてもよい。
なお、本発明の質量・体積測定方法は、水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定工程と、前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光を照射し、該測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定工程とを含み、前記測定対象物の質量及び体積を、同時に測定することを特徴とし、例えば、上記実施形態に係る質量・体積測定装置1を用いて実施することができる。
以下、本願発明の内容を、実施例に基づいてより詳細に説明する。
〔水晶振動子〕
(実施例1)
市販の水晶振動子(SEICO EG&G株式会社製、9MHz、ATカット、角型、)のチタン電極に、導電性反射層を形成したものを、本実施例1の水晶振動子とした。
導電性反射層は、スパッタリング法によって形成し、その表面を鏡面仕上げした。導電性反射層の厚みは、300nmであり、導電率は18.7×10S/mであり、反射率は約50%〜約60%(図7参照)であった。
〔質量・体積測定装置及び質量・体積測定方法〕
(実施例2)
<ポリマー薄膜1〜3とn−プロパノールとの収着挙動>
図1に示される質量・体積測定装置1を用いて、以下に示すポリマー薄膜1〜3(測定対象物10)の質量及び体積を測定した。水晶振動子2は、モリブデンからなる導電性反射層6を備える実施例1のものを使用した。
<ポリマー薄膜1の質量・体積測定>
測定対象物10であるポリマー薄膜1は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA、Aldrich製、Mw=15000)からなる薄膜であり、以下に示す手順で、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜1を形成した。
先ず、ポリマー薄膜1を形成する前に、水晶振動子2の導電性反射層6の表面に、ピランハ溶液(濃硫酸:30%過酸化水素水=3:1)を数滴垂らして、導電性反射層6の表面を洗浄した。
洗浄後、導電性反射層6の表面に、前記ポリメタクリル酸メチルのクロロホルム溶液35mg/mlを滴下し、その後、スピンコーター(ミカサ株式会社製、1H−D7)を用いてクロロホルム溶液を均一に拡げて、その後、70℃でアニーリングして、導電性反射層6上にポリマー薄膜1を形成した。このポリマー薄膜1(PMMA)の厚みは、260.7nmであった。
ポリマー薄膜1を形成した水晶振動子2を、測定室15内に設置した。その後、ポリマー薄膜1に収着させるn−プロパノール(収着質)を、所定の相対蒸気圧(p/p)に設定して、測定室15内に供給した。pは、収着質の分圧を表し、pは、収着質の飽和蒸気圧を表す。
ポリマー薄膜1に供給する、n−プロパノールの相対蒸気圧は、それぞれ0.0(乾燥)、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7及び0.8に設定した。なお、ポリマー薄膜1の乾燥は行わず、相対蒸気圧の条件を他の条件へ移行した。
各相対蒸気圧は、n−プロパノールの飽和蒸気と、窒素ガスとの混合比を調節することによって、設定した。なお、相対蒸気圧の制御は、マスフローコントローラによって行った。
ポリマー薄膜1に光を照射する光照射器7として、ハロゲンランプを用いた。光照射器7を入射角度が15°になるように配置した。反射スペクトル測定器8として、ラインCCDアレイ(2048pixeis、12bit)を用いた。なお、本実施例の質量・体積測定装置1の測定波長範囲は、400nm〜1100nmである。
各相対蒸気圧の条件下、水晶振動子2の振動数と、ポリマー薄膜1より得られる反射スペクトルとを経時観察し、ポリマー薄膜1とn−プロパノールとの収着挙動が平衡状態になった時の水晶振動子2の振動数と、反射スペクトルを測定した。なお、水晶振動子の振動数が変化しなくなり、かつ、反射スペクトルのピーク(極大値及び極小値)がシフトしなくなった状態を、収着挙動が平衡状態にあると判断した。
上記収着平衡時の振動数及び反射スペクトルと、乾燥時の未収着(膨潤前)のポリマー薄膜1における振動数(基準値)及び反射スペクトル(基準値)とから、振動数の変化量ΔF及び反射スペクトルの変化量Δλminを求めた。
上記振動数の変化量ΔFを、上記式(1)に代入して、ポリマー薄膜1の質量変化量Δmを求めた。なお、水晶振動子2の基本周波数(F)は、9.0MHzである。
また、上記反射スペクトルの変化量Δλminと、式(3)及び式(4)から、ポリマー薄膜1の増加した厚みΔhを求めた。
なお、式(4)中のn(PMMAの膨潤前の屈折率)としては、1.489であり、n(n−プロパノールの屈折率)は、1.377である。
膨潤後(収着平衡)のポリマー薄膜1(PMMA)の屈折率nは、1.489であり、気層の屈折率nは、1.377である。
また、式(4)中のΦ(n−プロパノールの体積分率)は、表1にまとめて示した。ポリマー薄膜1の質量・体積測定結果を、表1に示した。
<ポリマー薄膜2の質量・体積測定>
ポリマー薄膜2の質量・体積測定を、上記ポリマー薄膜1の質量・体積測定と同様に、行った。ポリマー薄膜2は、ポリスチレン(PS、ナカライテスク製、Mw=25000)からなる薄膜であり、このポリスチレンのクロロホルム溶液35mg/mlを調製して、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜2を形成した。このポリマー薄膜2の質量及び体積を、上記ポリマー薄膜1の場合と同様にして測定した。ポリマー薄膜2の質量及び体積測定の結果は、表2に示した。
<ポリマー薄膜3の質量・体積測定>
ポリマー薄膜3の質量・体積測定を、上記ポリマー薄膜1の質量・体積測定と同様に、行った。ポリマー薄膜3は、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)(PBLG、NCA重合により調製。Mw=9200)からなる薄膜であり、このPBLGのクロロホルム溶液30mg/mlを調製して、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜3を形成した。このポリマー薄膜3の質量及び体積を、上記ポリマー薄膜1の場合と同様にして測定した。ポリマー薄膜3の質量・体積測定の結果は、表3に示した。
<評価1:収着等温線>
表1〜3に示される質量及び体積のデータに基づいて、ポリマー薄膜1〜3の収着等温線を作成した。
図12に、測定対象物がポリマー薄膜1(PMMA)である場合の収着等温線を示し、図13に、測定対象物がポリマー薄膜2(PS)である場合の収着等温線を示し、図14に、測定対象物がポリマー薄膜3(PBLG)である場合の収着等温線を示した。
図12〜図14から分かるように、収着挙動はどのポリマーにおいても同様の傾向を示した。
<評価2:質量変化及び体積変化の関係>
また、表1〜3に示される質量及び体積のデータに基づいて、図15に、ポリマー薄膜1(PMMA)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示し、図16に、ポリマー薄膜2(PS)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示し、図17に、ポリマー薄膜3(PBLG)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示した。
図15〜図17を参照すると、各グラフは単純な直線ではなく、緩やかな曲線を描いた。つまり、ポリマー薄膜の質量変化(増加)と体積変化(増加)との間には、比例関係が成り立たず、体積変化又は重量変化のいずれか一方のみの結果から、厳密な収着挙動を把握することができないことが確かめられた。
また、これらのグラフから分かるように、収着媒であるポリマー薄膜1(PMMA)、ポリマー薄膜2(PS)及びポリマー薄膜3(PBLG)と、収着質であるn−プロパノールとの間には、体積の加成性が成り立たず、負の偏差を示すことが確認された。
<評価3:膨潤能力>
更に、表1〜3に示される質量及び体積のデータに基づいて、図18に、n−プロパノールの各相対蒸気圧と、各ポリマー薄膜1〜3のΔV/ΔW(cm/g)との関係を示した。
図18に示されるように、n−プロパノールによって膨潤される量(ΔV/ΔW)は、PMMA及びPSからなるポリマー薄膜1及び2に比べて、PBLGからなるポリマー薄膜3の方が少ないことが分かった。
ポリマー薄膜3の中のPBLGは、棒状のα−ヘリックス構造を形成しており、膜中に微小な隙間が存在していると考えられる。その隙間に収着質(n−プロパノール)が収納されるため。ポリマー薄膜3が膨潤される量は少ないものと考えられる。
n−プロパノールの濃度が低い場合(例えば、0.2の場合)、ポリマー薄膜2(PS)の方が、ポリマー薄膜1(PMMA)よりも、ΔV/ΔW(cm/g)の値が大きくなっている。しかしながら、n−プロパノールの濃度が高くなると(例えば、0.7の場合)、反対に、ポリマー薄膜1(PMMA)の方が、ポリマー薄膜2(PS)よりも、ΔV/ΔW(cm/g)の値が大きくなることが確かめられた。これは、PMMAからなるポリマー薄膜1中のn−プロパノールの濃度が、ある値を超えたことによって、ポリマー薄膜1が可塑化され、n−プロパノールの収着能が向上したものと考えられる。このポリマー薄膜1は、いわゆる、ガラス状態からゴム状態に転移したものと考えられる。
ここで、Flory−Hugginsの理論式を利用して、各ポリマー薄膜1〜3と、n−プロパノールとの間の親和性の関係を調べた。Flory−Hugginsの理論式は、以下の式(6)で示される。
ここで、aは、溶媒の活動度を表し、p/pは相対蒸気圧を表し、vは溶媒の体積分率を表す。また、χは、親和性の指標となる相互作用パラメータを表す。
この式(6)から、相互作用パラメータχを算出した。
このFlory−Hugginsの理論に基づく結果は、図19に示した。図19において、縦軸は相互作用パラメータχであり、横軸はn−プロパノールの活動度(相対蒸気圧)である。Flory−Hugginsの理論の結果(理論値)は、上記実施例2の質量・体積測定装置1を用いて測定した値(実測値)とは異なり、PMMA、PBLG及びPSの順に親和性が高くなった。
このように、本実施例2の質量・体積測定装置1の測定結果は、Flory−Hugginsの理論の結果から、推測できないものであることが確かめられた。
(実施例3)
<ポリマー薄膜と水との収着挙動>
図1に示される質量・体積測定装置1を用いて、以下に示す測定対象物10(ポリマー薄膜4〜6)の質量及び体積を測定した。水晶振動子2は、上記実施例2と同様、モリブデンからなる導電性反射層6を備えた実施例1のものを用いた。
<ポリマー薄膜4の質量・体積測定>
測定対象物10であるポリマー薄膜4は、ポリアクリル酸(PAA、和光純薬工業株式会社製、Mw=25000)からなる薄膜であり、このポリアクリル酸のメタノール溶液35mg/mlを調製し、上記実施例2と同様の方法で、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜4を形成した。
ポリマー薄膜4を形成した水晶振動子2を、測定室15内に設置した。設置後、測定室15内に窒素ガスのみを供給して、ポリマー薄膜4の乾燥を行った。
その後、ポリマー薄膜4に収着されるHO(水蒸気、収着質)を、所定の相対蒸気圧(p/p)に設定して、測定室15内に供給した。pは、収着質の分圧を表し、pは、収着質の飽和蒸気圧を表す。ポリマー薄膜4に供給する、HOの相対蒸気圧は、0.0(乾燥)、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7及び0.8に設定した。飽和蒸気圧は、HOの飽和蒸気と、窒素ガスとの混合比を調節することによって制御した。この相対蒸気圧の制御は、マスフローコントローラによって行った。
その他、上記実施例2と同様の方法によって、ポリマー薄膜4の質量変化及び体積変化を測定した。ポリマー薄膜4の質量変化Δm、体積変化(厚み変化)Δhの測定結果を、表4に示した。
<ポリマー薄膜5の質量・体積測定>
ポリマー薄膜5の質量・体積測定を、上記ポリマー薄膜4の質量・体積測定と同様に、行った。ポリマー薄膜5は、ポリエチレングリコール(PEG、東京化成株式会社製、Mw=6000)からなる薄膜であり、このポリエチレングリコールのクロロホルム溶液40mg/mlを調製して、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜5を形成した。このポリマー薄膜5の質量及び体積を、上記ポリマー薄膜4の場合と同様にして測定した。ポリマー薄膜5の質量・体積測定の結果は、表5に示した。
<ポリマー薄膜6の質量・体積測定>
ポリマー薄膜6の質量・体積測定を、上記ポリマー薄膜4の質量・体積測定と同様に、行った。ポリマー薄膜6は、ポリビニルピロリドン(PVP、Aldrich製、Mw=9200)からなる薄膜であり、このポリビニルピロリドンのクロロホルム溶液30mg/mlを調製して、水晶振動子2の導電性反射層6上にポリマー薄膜6を形成した。このポリマー薄膜6の質量及び体積を、上記ポリマー薄膜4の場合と同様にして測定した。ポリマー薄膜6の質量・体積測定の結果は、表6に示した。
<評価4:収着等温線>
表4〜6に示される質量及び体積のデータに基づいて、ポリマー薄膜4〜6の収着等温線を作成した。
図20に、測定対象物がポリマー薄膜4(PAA)である場合の収着等温線を示し、図21に、測定対象物がポリマー薄膜5(PEG)である場合の収着等温線を示し、図22に、測定対象物がポリマー薄膜6(PVP)である場合の収着等温線を示した。
図20〜図22から分かるように、収着挙動はどのポリマーにおいても同様の傾向を示した。
<評価5:質量変化及び体積変化の関係>
また、表4〜6に示される質量及び体積のデータに基づいて、図23に、ポリマー薄膜4(PAA)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示し、図24に、ポリマー薄膜5(PEG)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示し、図25に、ポリマー薄膜6(PVP)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示した。
図23〜図25を参照すると、各グラフは単純な直線ではなく、緩やかな曲線を描いた。つまり、ポリマー薄膜の質量増加と体積増加との間には、比例関係が成り立たず、体積変化又は重量変化のいずれか一方のみの結果から、厳密な収着挙動を把握することができないことが確かめられた。また、これらのグラフから分かるように、収着媒であるポリマー薄膜4(PAA)、ポリマー薄膜5(PEG)及びポリマー薄膜6(PVP)と、収着質であるH0との間には、体積の加成性が成り立たず、負の偏差を示すことが確認された。
<評価6:ガラス転移点>
ポリマー薄膜4(PAA)と、ポリマー薄膜6(PVP)のガラス転移点(Tgm)を、下記の式(6)を用いて求めた。この式(6)は、Flory−Fox式と呼ばれているものであり、二成分系のガラス転移点を求めるのに用いられている。
式(7)において、Tgpは、ポリマーのガラス転移点を表し、Tgwは水のガラス転移点を表し、Φはポリマーの体積分率を表し、Φは水の体積分率を表す。また、水のガラス転移点を134K、PAAのガラス転移点を379K及びPVPのガラス転移点を448Kとして計算した。図26に、PAAのガラス転移点と、収着質(H0)の収着量との関係を示し、図27に、PVPのガラス転移点と、収着質(H0)の収着量との関係を示した。
図26及び図27に示されるように、収着量が増加するにしたがって、ガラス転移点が低下することが確かめられた。
<評価7:ガラス転移現象>
表4〜6に示される質量及び体積のデータに基づいて、各ポリマー薄膜4〜6に対する収着質の膨潤能力を評価した。
図28〜図30は、ポリマー薄膜5(PEG)、ポリマー薄膜4(PAA)及びポリマー薄膜6(PVP)の、各水の活動度(相対蒸気圧)における単位質量あたりの体積増加率ΔV/ΔW(cm/g)を示すグラフである。
図28に示されるように、ポリマー薄膜5(PEG)のΔV/ΔW(cm/g)は、各相対蒸気圧において略一定であると言えることが確かめられた。
これに対し、図29及び図30に示されるように、ポリマー薄膜4(PAA)及びポリマー薄膜6(PVP)のΔV/ΔW(cm/g)は、相対蒸気圧がある一定の値を超えたとき、高くなることが確かめられた。これは、ポリマー薄膜4(PAA)及びポリマー薄膜6(PVP)が、ガラス状態からゴム状態へ転移したことによるものと考えられる。
これは、ポリマー中に水等の低分子化合物が滲入し、その低分子化合物の濃度がある一定の値を超えたことによって、ポリマーがガラス状態からゴム状態に転移したものと考えられる。この転移は、溶媒(収着質)がポリマーに滲入することによって誘起される転移である。
なお、図28に示されるように、ポリマー薄膜5(PEG)は、各相対蒸気圧においてゴム状態にあり、ガラス状態に転移していないものと考えられる。
つまり、本発明の質量・体積測定装置1を用いて、ポリマー薄膜からなる測定対象物の質量及び体積を測れば、ポリマーのガラス状態からゴム状態への転移点を調べることができる。
また、図29及び図30に示されるグラフにおいて、横軸をゼロ外挿して求められる値は、水(収着質、溶媒)の単位質量当たりのポリマーの膨潤能力とすることができる。この値(図29におけるA1、図30におけるA2)は、ポリマーの可塑化を定量的に評価することができる新たな指標とすることができる。この値を用いれば、ポリマーと、溶媒との間の親和性を定量的に評価することができ、例えば、溶媒1分子あたりのポリマーの膨潤能力を評価することが可能となる。
また、図29及び図30における転移点の値は、式(7)のFlory−Fox式より導かれた値(体積分率の値)と、ほぼ一致することが確認された。
(比較例)
上記実施例2のポリマー薄膜2と同様の、ポリスチレンからなるポリマー薄膜(以下、ポリマー薄膜2’)を調製し、該ポリマー薄膜とn−プロパノールとの収着挙動を解析した。具体的には、該ポリマー薄膜2’の質量変化を、質量・体積測定装置1の質量測定手段20を用いて測定し、更に、同じポリマー薄膜の体積変化を、別途、質量・体積測定装置1の体積測定手段30を用いて測定した。これらの結果を、表7にまとめて示した。
比較例のポリマー薄膜2’の結果と、上記実施例2のポリマー薄膜2の結果(表2参照)とを比較すると、収着質のn−プロパノールを全く供給していない状態である乾燥時(p/p=0)において、これらの膜厚(h)には、殆ど差がないことがわかる。ところが、p/pの条件が順次、移行するに従い、比較例と実施例2との間のΔm(ng)、Δh(nm)の差が大きくなっていることがわかる。最終的(p/p=0.8)には、実施例2のΔmが316.8(ng)となり、比較例のΔmが230.6(ng)となり、かつ、実施例2のΔhが9.0(nm)となり、比較例のΔhが4.7(nm)となり、同様のポリマー薄膜を測定対象物としているにもかかわらず、大きな差が生じている。図32は、比較例及び実施例2の結果を比較したグラフである。
この大きな差が生じる一番の要因は、比較例において質量測定時及び体積測定時の相対蒸気圧(p/p)を完全に一致させることができないからである。比較例では、測定対象物の質量及び体積を、別々に測定している。同じ測定対象物であっても、別々に測定を行う以上、温度、収着質の濃度等の条件を、完全に同一できない。この比較例の結果と、実施例2の結果を比較することによって、同一の条件下で測定した場合と、別々に測定した場合とでは、結果が大きく異なってくることが確かめられた。
本発明の質量・体積測定装置は、例えば、ポリマー薄膜と、低分子化合物との間の収着挙動における質量変化、体積変化を同一条件で測定する際に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る質量・体積測定装置1の構成を示す説明図である。 図2は、水晶振動子2の要部断面を示す説明図である。 図3は、光照射器より照射された光が、薄膜状の測定対象物10で反射される様子を示す説明図である。 図4は、低分子化合物を収着する前のポリマー薄膜(測定対象物10)を示す説明図である。 図5は、気層40中の低分子化合物を収着し、膨潤した後のポリマー薄膜(測定対象物10’)を示す。 図6は、膨潤前のポリマー薄膜の反射スペクトルと、膨潤後のポリマー薄膜の反射スペクトルを示すグラフである。 図7は、モリブデン鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。 図8は、チタン鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。 図9は、クロム鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。 図10は、金鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。 図11は、銀鏡面の可視光波長に対する反射率を示したグラフである。 図12は、測定対象物がポリマー薄膜1(PMMA)である場合の収着等温線を示すグラフである。 図13は、測定対象物がポリマー薄膜2(PS)である場合の収着等温線を示すグラフである。 図14は、測定対象物がポリマー薄膜3(PBLG)である場合の収着等温線を示すグラフである。 図15は、ポリマー薄膜1(PMMA)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図16は、ポリマー薄膜2(PS)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図17は、ポリマー薄膜3(PBLG)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図18は、n−プロパノールの各相対蒸気圧と、各ポリマー薄膜1〜3のΔV/ΔW(cm/g)との関係を示すグラフである。 図19は、Flory−Hugginsの理論式に基づく溶解度パラメータの結果を示すグラフである。 図20は、測定対象物がポリマー薄膜4(PAA)である場合の収着等温線を示すグラフである。 図21は、測定対象物がポリマー薄膜5(PEG)である場合の収着等温線を示すグラフである。、 図22は、測定対象物がポリマー薄膜6(PVP)である場合の収着等温線を示すグラフである。 図23は、ポリマー薄膜4(PAA)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図24は、ポリマー薄膜5(PEG)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図25は、ポリマー薄膜6(PVP)の質量変化ΔWと、体積変化ΔVの関係を示すグラフである。 図26は、PAAのガラス転移点と、収着質(H0)の収着量との関係を示すグラフである。 図27は、PVPのガラス転移点と、収着質(H0)の収着量との関係を示すグラフである。 図28は、ポリマー薄膜5(PEG)の各水の活動度(相対蒸気圧)における単位質量あたりの体積増加率ΔV/ΔW(cm/g)を示すグラフである。 図29は、ポリマー薄膜4(PAA)の各水の活動度(相対蒸気圧)における単位質量あたりの体積増加率ΔV/ΔW(cm/g)を示すグラフである。 図30は、ポリマー薄膜6(PVP)の各水の活動度(相対蒸気圧)における単位質量あたりの体積増加率ΔV/ΔW(cm/g)を示すグラフである。 図31は、実施例2のポリマー薄膜2及び比較例のポリマー薄膜2’の結果を比較したグラフである。 図32は、モリブデン基板上に形成したPMMAスピンコート膜のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。 図33は、金基板上に形成したPMMAのスピンコート膜のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。 図34は、銀基板上に形成したPMMAのスピンコート膜のUV−VIS反射スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 質量・体積測定装置
2 水晶振動子
3 電極部
4 水晶板
5 電極基板層
6 導電性反射層
7 光照射器
8 反射スペクトル測定器
9 収着質
10 測定対象物(ポリマー薄膜)
11 発振回路
12 振動数測定器
14 制御部
15 測定室
16 供給配管
17 供給装置
18 排出配管
19 回収配管
20 質量測定手段
21 凝縮器
30 体積測定手段
40 気層
50 気層と測定対象物との界面
60 測定対象物と、導電性反射層との界面
70 入射光
71 反射光
72 反射光

Claims (9)

  1. 水晶振動子を有し、該水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定手段と、
    前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光を照射し、該測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定手段と、を備えたことを特徴とする質量・体積測定装置。
  2. 前記電極が導電性反射層を有し、この導電性反射層の導電率が9.0×10S/mであり、かつ、反射率が30%〜70%である請求項1に記載の質量・体積測定装置。
  3. 前記導電性反射層の厚みが、40nm〜500nmである請求項2に記載の質量・体積測定装置。
  4. 前記導電性反射層が、モリブデンで形成された請求項2から3のいずれかに記載の質量・体積測定装置。
  5. 水晶振動子の電極上に付着した測定対象物の質量を、振動数変化に基づいて測定する質量測定工程と、
    前記水晶振動子の電極上に付着した測定対象物に光を照射し、該測定対象物の体積を、照射された光の反射光によって生じる干渉光に基づいて測定する体積測定工程とを含み、
    前記測定対象物の質量及び体積を、同時に測定することを特徴とする質量・体積測定方法。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の質量・体積測定装置及び請求項5に記載の質量・体積測定方法のいずれかに用いられる水晶振動子であって、
    測定対象物を付着させる電極を有し、
    該電極が導電性反射層を含むことを特徴とする水晶振動子。
  7. 該導電性反射層の導電率が9.0×10S/mであり、かつ、反射率が30%〜70%である請求項6に記載の水晶振動子。
  8. 前記導電性反射層の厚みが、40nm〜500nmである請求項6から7のいずれかに記載の水晶振動子。
  9. 前記導電性反射層が、モリブデンで形成された請求項6から8のいずれかに記載の水晶振動子。
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