JPH05279344A - N−5保護した2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよびその製造方法 - Google Patents
N−5保護した2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよびその製造方法Info
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Abstract
4,6−ジクロロピリミジンの改良された製造方法を提
供する。 【構成】 式IIのN保護したアミノマロン酸エステル
を、グアニジンによりアルカリアルコラートの存在下に
環化して式IIIのN−5保護した4,6−ジヒドロキシ
−2,5−ジアミノピリミジンとし、得られた化合物を
オキシ塩化リンで塩素化して式Iの目的物とする方法、
並びに式Iの化合物。 [式中Rはアルコキシ基またはCF3を、R1はC
1〜4の低級アルキル基を意味する] 【効果】 式Iの化合物は、抗ウイルス性を備えた医薬
品を製造するための中間体である。
Description
オロメチル基を意味する。]のN−5保護した2,5−
ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよびその製造
方法に関する。 これらの化合物は、抗ウイルス性ヌク
レオチド誘導体を製造するための重要な中間体を形成す
る(PCT出願WO91/01310参照)。
ミジンは、種々の製造方法が知られている。 レグラベ
レンドらは、Synthesis,1990,587頁
で、アミノマロン酸エチルエステルがグアニジンによ
り、ナトリウムアルコラートの存在下で閉環し、64%
の収率で4,6−ジヒドロキシ−2,5−ジアミノピリ
ミジンが得られることを報告している。 次いで、この
ジヒドロキシピリミジンは、オキシ塩化リン/五塩化リ
ンにより、第四級アンモニウム塩の存在下、苛酷な反応
条件下に収率32%で所望のジクロロピリミジンに変換
される。
塩素化が効果的に進行しないことを述べている。 五塩
化リンのような試薬の追加、第四級アンモニウム塩、あ
るいは苛酷な反応条件が必要でああること、およびそれ
によって到達し得る上記の収率は、明らかにこの方法の
欠点である。 この合成の飛躍的な改良がPCT出願W
O91/01310に開示されている。 そこでは、
4,6−ジヒドロキシ−2,5−ジアミノピリジンを所
望の4,6−ジクロロ誘導体に塩素化する工程を、塩素
化剤としてオキシ塩化リンを単独で用い、第四級アンモ
ニウム塩化物または第三級アミンの塩酸塩の存在下に行
なっている。 収率は50〜60%に向上している。
しかし、かなりの量のアンモニウム塩またはアミン塩を
使用しているので、塩の廃棄物が生じ、処理が必要にな
るのがやはり欠点である。
法を開発することである。
2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン誘導体
ならびに請求項2の本発明の方法により達成される。
−4,6−ジクロロピリミジンはこれまで報告されてい
ない化合物である。 一般式Iのこれらの化合物の好ま
しい代表例は、N−5−(C1〜C4)アルコキシカルボ
ニル−2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン
(R=C1〜C4アルキル)である。
あり、Rは上記の意味を有する。]のN保護したアミノ
マロン酸エステルを、アルカリアルコラートの存在下に
グアニジンにより閉環し、一般式
する、N−5保護した4,6ジヒドロキシ−2,5−ジ
アミノピリミジンを形成する。
がなく、従ってやはり本発明を構成する。
たアミノマロン酸エステルは、簡単な方法でアミノマロ
ン酸エステルから、Rがアルコキシ基を表す場合は相当
するハロゲンギ酸アルキルエステルで変換することによ
り、Rがトリフルオロメチル基を表す場合はハロゲン化
トリフルオロアセチルで変換することにより、製造でき
る。
れのアルカリ金属およびそれぞれのアルコールから製造
するのが有利である。 通常、アルコールは過剰に使用
するが、その際、その過剰のアルコールが溶剤として作
用する。
中で形成されたナトリウムメチラート、またはエタノー
ル中のナトリウムエチラートの存在下に行なう。
しくは還流条件下に行なうのが有利である。
ヒドロキシ−2,5−ジアミノピリミジンの分離は、当
業者には一般的な方法によって行なえばよい。
キシ−2,5−ジアミノピリミジンを、本発明に従って
オキシ塩化リンで塩素化して、一般式Iの所望の最終生
成物にする。
ことに追加物質なしに、80℃〜オキシ塩化リンの還流
温度まで、好ましくは80℃〜90℃の温度で行なうこ
とができる。 その際、オキシ塩化リンは過剰量で使用
し、溶剤としても作用する。追加の不活性溶剤を使用す
ることもできるが、利点はない。 塩素化は、一般に6
時間で終了する。
護した4,6−ジクロロ−2,5−ジアミノピリミジン
が良好な収率および純度で分離される。
エチルエステル(R=OBu) アミノマロン酸エチルエステル−ヒドロクロリド15g
(70.87mmol)を塩化メチレン180mlに加
えた氷冷分散液に、数分以内に、クロロギ酸ブチルエス
テル10.8g(75mmol)および続いてトリエチ
ルアミン14.7g(145mmol)を加えた。 こ
の間、温度は常に20℃未満に維持した。 加え終わっ
た後、反応混合物をさらに75分間室温で撹拌した。
この反応溶液をCH2Cl280mlで希釈し、水で2回
洗浄し、Na2SO4で乾燥した。回転蒸発装置で濃縮し
た後、純粋な標題化合物18.8g(96%)を得た。
δ(ppm):0.92(t,3H);1.31(t,
6H);1.3〜1.45(m,2H);1.55〜
1.65(m,2H);4.1(t,2H);4.2〜
4.4(m,4H);5.0(d,1H);5.1
(d,1H);5.7(d,1H);5.95(d,1
H)。
ル)−2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン
(R=OBu) ナトリウム4.2g(180mmol)をエタノール1
30mlに溶解させた溶液に、グアニジンヒドロクロリ
ド11g(115mmol)を加えた。 10分後、こ
の分散液に工程a)で得た生成物18g(65mmo
l)を加え、還流するまで加熱した。 1時間後、反応
溶液を40℃に冷却し、濃HClでpH2に調節し、回
転蒸発装置でエタノールの大部分を蒸留分離した。 蒸
発残留物をH2O100mlに分散させ、氷浴中で冷却
し、続いて生成物を濾別した。 冷水で3回洗浄し、真
空乾燥炉中で100℃において乾燥させた後、標題の生
成物13.45g(85%)を得た。
δ(ppm):0.9(t,3H);1.1〜1.6
(m,4H);3.85〜3.95(m,2H);6.
22(2s,2H);7.0(2s,2H);7.08
(2s,1H);7.3(2s,1H);10.0〜1
1.0(br,2H)。
ル)−2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(R=
OBu) 工程b)で得た生成物3g(12.39mmol)をオ
キシ塩化リン25mlに加えた分散液を、2時間、90
℃に加熱した。 その間に固体が徐々に溶解した。 過
剰のPOCl3を回転蒸発装置で除去し、残留物を氷上
に注いだ。 このとき、温度は50℃に上昇した。 そ
の温度でpH3に調節し、さらに1時間撹拌した。 分
散液を5℃に冷却し、生成物を濾過した。 真空乾燥炉
中、40℃において乾燥させた後、純度96%(GC/
Fl%による)の標題生成物2g(57%)が得られ
た。
m):0.8〜1.1(m,3H);1.2〜1.9
(m,4H);4.1〜4.3(m,2H);5.4
(s,2H);5.9〜6.2(m,1H)。
析 計算値: C=37.99 H=4.3 N=20.0 実測値: C=37.7 H=4.4 N=19.6
4,6−ジヒドロキシピリミジン(R=OMe) N−メトキシカルボニル−アミノマロン酸ジエチルエス
テル30g(0.128mol)およびグアニジンヒド
ロクロリド22g(0.23mol)をメタノール30
0mlに加えた分散液に、30%ナトリウムメタノラー
トのメタノール溶液60gを5分間以内に滴下して加え
た。 続いて、この分散液を160分間還流加熱した。
メタノールを回転蒸発装置で除去し、残留物をH2O
150mlに入れ、pHを3〜4に調節して5℃に冷却
した後、生成物を濾別し、各30mlのH2Oで3回洗
浄し、高真空中、100℃で乾燥させた。 標題の生成
物17.3g(67%)を得た。
δ(ppm):3.55(s,3H);6.7(s,2
H);7.2(s,1H);7.45(s,1H);1
0.0〜11.0(br,2H)。
2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(R=OM
e) 工程a)で得た生成物3g(15mmol)をPOCl
335mlに加えた分散液を88℃に加熱した。 その
間に固体が徐々に溶解した。 5.5時間後、過剰のオ
キシ塩化リンを回転蒸発装置で除去し、非常に粘性の高
い残留液を氷上に注いだ。 この時、温度は50℃に上
昇した。 さらに1.5時間撹拌した。5℃に冷却した
後、固体を濾過した。 純度97%(GC)の標題生成
物1.66g(47%)が得られた。 濾液を酢酸エチ
ルで3回抽出し、一つに合わせた有機相をNa2SO4で
乾燥し、回転蒸発装置で濃縮した。 さらに純度87%
(GCにより)の標題生成物0.65g(18%)が得
られた。
δ(ppm):3.7(s,3H);7.62(s,2
H);8.8(s,1H);9.1(s,1H)。
−4,6−ジヒドロキシピリミジン(R=CF3) ナトリウム5.3g(0.23mol)をエタノール6
00mlに溶解させた50℃の温溶液にグアニジンヒド
ロクロリド11.4g(0.12mol)を加え、10
分間撹拌した。 この白色分散液にN−トリフルオロア
セチルアミノマロン酸ジエチルエステル29.75g
(0.11mol)を30分間以内に加えた。 粘性の
高い分散液を80℃に加熱し、4時間反応させた。 続
いてさらにグアニジンヒドロクロリド4g(40mmo
l)を加え、さらに1時間還流加熱した。 この反応混
合物を室温に冷却し、濾過し、フィルターケーキを少量
のエタノールで洗浄した。 固体を水350mlに入
れ、濃HClでpHを約5に調節した。 分散物を氷浴
中で冷却し、濾過し、生成物を真空中、40℃で乾燥さ
せた。 紫色の固体16.4g(62%)を得た。
6.9(br,s,2H);9.7(s,1H);1
0.2〜11.2(br,2H)。
−2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(R=CF
3) 工程a)で得た生成物15g(63mmol)をPOC
l3100mlに加えた分散液を2時間還流加熱した。
その間に固体が徐々に溶解した。 続いて反応混合物
を室温に冷却し、過剰のオキシ塩化リンを蒸留分離し、
粘性の高い残留液を氷上に注いだ。 この時、温度は4
0℃に上昇した。 pHを約4に調節し、この温度で1
時間後、生成物を酢酸エチルで4回抽出した。 有機相
を一つに合わせ、Na2SO4で乾燥し、回転蒸発装置で
濃縮した。 標題生成物5.97g(35%)が得られ
た。
7.85(s,2H);11.4(s,1H)。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、Rはアルコキシ基またはトリフルオロメチル基
を意味する。]のN−5保護した2,5−ジアミノ−
4,6−ジクロロピリミジン。 - 【請求項2】 請求項1の一般式のN−5保護した2,
5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンの製造方法
において、一般式 【化2】 [式中、R1はC1〜C4低級アルキル基を意味し、Rは
上記の意味を有する。]のN保護したアミノマロン酸エ
ステルを、アルカリアルコラートの存在下にグアニジン
により閉環し、一般式 【化3】 [式中、Rは上記の意味を有する。]のN−5保護した
4,6ジヒドロキシ−2,5−ジアミノピリミジンを形
成し、続いてこの式IIIのピリミジンをオキシ塩化リ
ンにより最終生成物に変換することを特徴とする方法。 - 【請求項3】 N保護したアミノマロン酸エステルの環
化を、メタノール中のナトリウムメタノラートまたはエ
タノール中のナトリウムエタノラートの存在下に、室温
からそれぞれのアルコールの沸点までの温度において行
なうことを特徴とする請求項2の方法。 - 【請求項4】 塩素化を80℃からオキシ塩化リンの沸
点までの温度において行なうことを特徴とする請求項2
または3の方法。 - 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかの方法における
中間体としての、一般式 【化4】 [式中、Rはアルコキシ基またはトリフルオロメチル基
を意味する。]のN−5保護した2,5−ジアミノ−
4,6ジヒドロキシピリミジン。
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