JPH0527480A - 静電荷像現像剤組成物 - Google Patents

静電荷像現像剤組成物

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JPH0527480A
JPH0527480A JP3203871A JP20387191A JPH0527480A JP H0527480 A JPH0527480 A JP H0527480A JP 3203871 A JP3203871 A JP 3203871A JP 20387191 A JP20387191 A JP 20387191A JP H0527480 A JPH0527480 A JP H0527480A
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JP
Japan
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toner
developer composition
image developer
polyester resin
acid
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JP3203871A
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Atsushi Shimizu
淳 清水
Masayoshi Nawa
政良 名和
Yoshihiro Fukushima
善弘 福嶋
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構
成単位として有する、酸価5KOHmg/g以下、水酸
基価60KOHmg/g以下のポリエステル樹脂を結着
樹脂の主成分として用いた静電荷像現像剤組成物におい
て、少なくともトナー表面にガラス転移温度90℃以上
の重合体微粒子を0.01〜1.0重量%付着させたも
のからなることを特徴とする静電荷像現像剤組成物。 【効果】本発明におけるポリエステル樹脂を結着樹脂の
主成分としたトナーに、重合体微粒子を添加した場合、
従来用いられていたアクリル系重合体微粒子又は脂肪酸
金属塩などの場合とは異なり、重合体微粒子のフィルミ
ング及びブレードの反転や欠損の問題の解消が可能とな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷などにおける静電荷像を現像する為の現像剤組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第2
221776号、第2297691号、第235780
9号等の明細書に記載されている如く、光導電性絶縁層
を一様に帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せ
しめ(露光工程)、露光された部分の電荷を消散させる
ことによって静電気的な潜像を形成し、更に該静電潜像
にトナーと称される着色された荷電した微粉末を付着せ
しめることによって可視化させ(現像工程)、得られた
可視像を転写紙等の転写材に転写せしめた(転写工程)
後、加熱、圧力あるいはその他の適当な手段によって永
久定着せしめること(定着工程)からなる。そして、上
記トナー像を転写した後、感光体表面を清掃するために
(クリーニング工程)感光体上の残留トナーを掻き取っ
ている。
【0003】この現像に供する現像機のトナーは画像形
成とともに消費され、多くはホッパーと呼ばれるトナー
補給装置から新たに現像機内に補給されるようになって
いる。したがって安定した現像を行う為には、トナーに
ホッパー内からの補給性を満足させる程度の流動性をも
たせ、トナーが現像機で攪拌された時、すみやかに適正
帯電量まで帯電させる目的で、トナー表面にシリカ等の
金属酸化物を添加することが知られている。
【0004】一方、残留トナーのクリーニングは、多く
はクリーニングブレードにより行われているが、複写工
程を続けるうちにクリーニングブレードに負荷がかか
り、クリーニングブレードの反転、欠損が生じたり、残
留トナーがクリーニングブレードによる圧力や、感光体
表面とクリーニングブレードとの摩擦熱によって感光体
上にトナーが融着するといった不都合が生じる。又、ク
リーニングブレードでは除去しきれないトナーが蓄積
し、クリーニング不良となることもある。このため、従
来よりクリーニング性向上の目的で、脂肪酸金属塩、ア
クリル系重合体微粉末等のクリーニング助剤を添加した
りすることが知られている。
【0005】しかしながら、クリーニング助剤として脂
肪酸金属塩をトナーに外添すると、ブレードの反転、感
光体へのトナーのフィルミングは防止出来るものの、逆
に脂肪酸金属塩のフィルミングが発生したり、特に二成
分系現像剤を用いた場合、複写工程を続けるうちに現像
剤中に脂肪酸金属塩が蓄積し、現像剤の流動性が変化す
るという不都合が認められている。
【0006】そこで特開昭60−186851号公報等
において、トナーに対してアクリル系重合体微粒子、例
えばメチルアクリレート−ブチルアクリレート共重合体
の微粒子を添加することにより、クリーニング性、帯電
安定性を良好にする提案がなされている。しかし、上記
のようなアクリル系重合体微粒子を単に添加しただけで
は、アクリル系重合体微粒子の凝集及び感光体への付着
力の増大によって、トナーの流動性が低下したり、アク
リル系重合体微粒子が感光体にフィルミグするという問
題点が指摘されている。又、特開平1−291258号
公報では、0.05μm以下であるアクリル系重合体、
例えばポリメチルメタクリレートの微粉末を添加すると
いう提案がなされているが、0.05μm以下ではクリ
ーニング不良は防止できるものの、ブレードにかかる摩
擦抵抗を低減することができないため、クリーニングブ
レードの反転、欠損には効果がないことが指摘されてい
る。
【0007】一方、上記トナーに用いられている結着樹
脂としては、一般にポリスチレン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−アクリル共重合体等のスチレン
系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のエチレン系共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂等が知られている。これらの樹脂を用いたトナー
を使用する場合、原因は不明だが、クリーニング工程で
ブレードの反転、欠損の生じることが指摘されている。
そこで、このようなブレードの反転、欠損の防止に有効
な現像剤組成物の開発が、当業界では期待されている
が、未だ見い出されていないのが実情である。
【0008】これらの結着樹脂のうち、ポリエステル樹
脂を主成分として用いる場合おいて、ポリエステル樹脂
の荷電性と酸価の関係は、種々のタイプにおいてほぼ比
例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負の荷電性も
大きくなることが知られている。そして、そのような酸
価の高いポリエステル樹脂では、荷電制御剤を使用しな
くても充分な負の荷電性を有している。
【0009】しかし、このようなポリエステル樹脂を正
の荷電性をもったトナー用結着樹脂に用いようとすれ
ば、樹脂そのものの負の荷電性の強さのために、多量の
正の荷電制御剤を配合しなけばならない等の対策が必要
となる。一般に正の荷電制御剤としてはニグロシン染料
が知られているが、多量に用いた場合トナーの主成分を
構成する結着樹脂との相溶性が悪く、トナー粒子が現像
器内で長時間混合されると粒子の破壊が起こり、単にニ
グロシン等が分散されている場合にはニグロシン等を含
まない逆(負)極性の粒子が生成し、画像信号の無い所
にもトナーが付着するいわゆる地カブリ現象が発生す
る。また、多量のニグロシン染料等を用いると、親水基
を有するため環境の湿度により帯電量が変化し、画質が
低下する。さらに、ニグロシン系の染料は一般に着色が
強く、カラートナーに不適合である等の欠点がある。
【0010】このような観点から、酸価を5KOHmg
/g以下に抑えた中性に近い荷電性を有するポリエステ
ル樹脂を結着樹脂とする現像剤組成物が開発されてお
り、この場合、少量の荷電制御剤やキャリヤの選択によ
り容易に正、負どちらの荷電性にでも使用することがで
きることが知られている(特開昭63−148271号
公報、特開昭63−163469号公報参照)。しかし
ながら、このような正、負どちらの荷電性にも設計でき
るポリエステル樹脂であっても、前記のような従来のア
クリル系重合体微粒子を添加した場合、トナーの流動性
が低下したり、トナーの帯電性に悪影響をおよぼすとい
う問題また、クリーニング工程でブレードの反転、欠損
やフィルミングの発生という問題が指摘されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る課題を解決するものであり、特に所定の酸価と水酸基
価を有するポリエステル樹脂を、トナーの結着樹脂とし
て用いる現像剤において、トナーの流動性の低下を認め
ないで、かつ長時間に亘って多数の可視画像を形成する
場合にもクリーニングブレードの反転、欠損もなく、フ
ィルミングの発生も認めない静電荷像現像剤組成物を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決することを目的として種々の研究を重ねてきたと
ころ、トナー表面にガラス転移温度90℃以上の重合体
微粒子を付着させることにより、長時間に亘って多数の
可視画像を形成する場合にもクリーニングブレードの反
転、欠損もない等優れた可視画像を形成することができ
ることを見い出し、さらに研究を重ねて本発明を完成し
た。
【0013】即ち、本発明の要旨は、(1)3価以上の
多官能化合物の少なくとも1種を構成単位として有す
る、酸価5KOHmg/g以下、水酸基価60KOHm
g/g以下のポリエステル樹脂を結着樹脂の主成分とし
て用いた静電荷像現像剤組成物において、少なくともト
ナー表面にガラス転移温度90℃以上の重合体微粒子を
0.01〜1.0重量%付着させたものからなることを
特徴とする静電荷像現像剤組成物、(2)前記(1)の
ポリエステル樹脂が、ビスフェノールAアルキレンオキ
サイド付加物であるジオール成分と、式(1)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、nは3または4であり、Rは炭素
数1〜18のアルキル基、アルケニル基またはアリール
基である。)で示される化合物とを必須の構成単位とす
るものである静電荷像現像剤組成物、(3)式(1)で
表される化合物の配合割合が、酸成分中の構成単位中2
〜50モル%である静電荷像現像剤組成物、(4)前記
(1)のポリエステル樹脂の高化式フローテスターによ
る軟化温度が、90〜150℃、流出開始温度と軟化温
度との温度差が、15〜50℃である静電荷像現像剤組
成物、(5)重合体微粒子がアクリル−ビニル系モノマ
ー共重合体である静電荷像現像剤組成物、並びに(6)
重合体微粒子の平均粒径が0.05〜1.0μmである
静電荷像現像剤組成物に関するものである。
【0016】本発明の静電荷像現像剤組成物における結
着樹脂は、3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を
構成単位として有する、酸価5KOHmg/g以下、水
酸基価60KOHmg/g以下のポリエステル樹脂であ
る。
【0017】本発明におけるポリエステル樹脂を構成し
ているモノマーのうちアルコールモノマーとしては、3
価以上の多官能モノマーも含めて、例えばエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール
類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポ
リオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノ
ールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のア
ルコール、またはソルビトール、1,2,3,6−ヘキ
サンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリ
トール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−
ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパ
ントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオ
ール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、その他の3
価以上のアルコールを挙げることができる。
【0018】これらのモノマーのうち特に、ビスフェノ
ールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーと
して用いたものが好適に用いられる。ビスフェノールA
アルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用い
た場合、ビスフェノールA骨格の性質上比較的高めのガ
ラス転移温度のポリエステル樹脂が得られ、耐ブロッキ
ング性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格の両
側のアルキル基の存在がポリマー中でソフトセグメント
として働き、低温定着性が良好となる。
【0019】また本発明におけるポリエステル樹脂を構
成しているモノマーのうち、酸モノマーとしては、3価
以上の多官能モノマーも含めて、例えばマレイン酸、フ
マール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸、マロン酸または、n−ドデセニルコハク
酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類、
もしくはアルキルコハク酸類、これら酸の無水物、アル
キルエステル、その他の二価のカルボン酸、1,2,4
−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−
ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2
−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ
(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オ
クタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、その他
の3価以上のカルボン酸、及びこれらの無水物を挙げる
ことができる。以上のモノマーのうち、3価以上のもの
を用いて、かつ酸価を5KOHmg/g以下に保持しよ
うとすれば、重合度を高くして残存カルボキシル基を少
なくする必要があり、樹脂製造時にゲル化等の危険性が
生じ、注意を要する。そこで、特に式(1)
【0020】
【化3】
【0021】(式中、nは3または4であり、Rは炭素
数1〜18のアルキル基、アルケニル基またはアリール
基である。)で表されるモノマーを併用したものが好適
に用いられる。このモノマーはエステル交換反応により
反応が進行するので、樹脂の酸価とは無関係に(即ち、
低酸価のままでも)高分子量化及び架橋構造の導入がで
きるためである。
【0022】ここで述べているアルキルエステル、アル
ケニルエステル、またはアリールエステルの具体例とし
ては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸を例に取れ
ば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチル、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘ
キシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリオク
テニル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリ
ル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジ
ル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−
イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
【0023】このモノマーの配合割合は、酸成分の構成
単位中通常2〜50モル%、好ましくは4〜25モル%
である。2モル%未満では充分な架橋構造が得られず、
耐オフセット性が改善されなくなり、50モル%より多
くなると、樹脂製造時にゲル化等の危険性が生じる。
【0024】本発明におけるポリエステル樹脂は、容易
に適正な帯電量を得ようとするため、酸価を5KOHm
g/g以下にする必要があり、5KOHmg/gを超え
る場合は、前記のように樹脂そのものの負の荷電性が強
くなり、単独では正の荷電性をもったトナーへの使用が
困難になる。また、水酸基価が60KOHmg/gを超
える場合は必然的に低分子量となり、耐オフセット性、
耐ブロッキング性等に支障をきたすようになる。
【0025】さらに、トナーの重要な要求特性である熱
特性を満たすめには、それに用いられる樹脂は、少なく
とも1種の3価以上の多官能モノマーを用いて架橋構造
とする必要があり、高化式フローテスターによる軟化温
度が90℃〜150℃、流出開始温度と軟化温度との温
度差が15℃〜50℃であることが好ましい(ここで用
いた高化式フローテスターとは、樹脂等の溶融挙動が簡
単に再現性良く測定でき、トナー用結着樹脂の評価には
非常に有効な装置であり、例えば(株)島津製作所製の
装置CFT500が用いられる。)。ここで、3価以上
の多官能モノマー、すなわち架橋剤を用いなければ、耐
オフセット性に支障をきたす。また、軟化温度が90℃
未満では、耐オフセット性、耐ブロッキング性に、また
150℃を超えると低温定着性に支障をきたす。また、
同様に流出開始温度と軟化温度との温度差が15℃未満
では耐オフセット性、耐ブロッキング性に、また50℃
を超えると低温定着性に支障をきたす。
【0026】本発明におけるポリエステル樹脂は、通常
の方法で合成することができる。具体的には反応温度
(170℃〜250℃)、反応圧力(5mmHg〜常
圧)にて反応を行い(最適圧力はモノマーの反応性等で
決める)、所定の物性になった時点で反応を終了すれば
よい。
【0027】前記のポリエステル樹脂を結着樹脂として
トナーを調製する方法としては、例えば、結着樹脂、着
色材料、荷電制御剤、及びワックスをミキサー等で混合
した後、二軸押出機等で混練し、冷却、粉砕化し、ジェ
ットミル等で粉砕し、分級する方法がある。
【0028】これらトナーの調製方法においては、例え
ばトナー化での粉砕性を向上させるべく、数平均分子量
が11,000以下のスチレンもしくはスチレン−アクリル系
樹脂等、他の樹脂を結着樹脂中の30重量%まで用いても
よい。トナー調製時にはオフセット防止剤としてワック
ス等の特性改良剤が添加されるが、本発明に係るポリエ
ステル樹脂を結着樹脂として用いた場合、該特性改良剤
を加えなくても良く、また添加する場合でも添加量は少
なくて済む。
【0029】また用いる着色材料としては、従来公知の
カーボンブラック、鉄黒等の無機顔料や、有彩色の染料
及び有機顔料が使用できる。本発明におけるトナーは、
必要に応じて荷電制御剤が添加される。負帯電性トナー
用としては、従来電子写真用に用いられることが知られ
ている全ての負帯電性の荷電制御剤から1種又は2種類
以上が用いられる。例示すれば、含金属アゾ染料、例え
ば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-3
1」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボ
ントロンS-36」(以上、オリエント化学社製) 、「アイ
ゼンスピロンブラックT-77」( 保土ヶ谷化学社製) 等、
銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の
金属錯体、例えば「ボントロンE-82」、「ボントロンE-
84」、「ボントロンE-85」 (以上、オリエント化学社
製)等、その他を挙げることができる。
【0030】また正帯電性の荷電制御剤との併用も可能
であり、正帯電性の荷電制御剤の使用量を負帯電性の荷
電制御剤の使用量の1/2以下とすれば5万枚以上連続
してコピーを行なっても、濃度の低下もなく、良好な可
視画像を得ることができる。正帯電性トナー用として
は、従来電子写真用に用いられる事が知られている全て
の正帯電性の荷電制御剤から、1種又は2種類以上が用
いられる。具体例としては、ニグロシン系染料、例えば
「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オ
イルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロン
N-11」 (以上、オリエント化学社製) 等、三級アミンを
側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、四級ア
ンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」 (オリ
エント化学社製) 、セチルトリメチルアンモニウムブロ
ミド等、ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」 (オリ
エント化学社製) 等、その他を挙げることができる。以
上の荷電制御剤は結着樹脂に対して、通常0.1 〜8.0 重
量%、好ましくは 0.2〜5.0 重量%用いられる。
【0031】また本発明におけるトナーを磁性トナーと
して用いるために、磁性粉を含有せしめても良い。この
ような磁性粉としては、磁場の中に置かれて磁化される
物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性
金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェラ
イトなどの合金や化合物がある。この磁性粉の含有量は
トナー重量に対して15〜70重量%である。さらに本発明
のトナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル
粉、フェライト粉などのキャリヤー粒子と混合されて、
電気的潜像の現像剤として用いられる。
【0032】一方、本発明における重合体微粒子を構成
する樹脂としては、例えばアクリル−ビニル系モノマー
共重合体等が挙げられる。ここで共重合体モノマーとし
て、アクリル系については、アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリルアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニ
ル等が挙げられる。また、ビニル系については、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチ
レン等のスチレン系モノマー、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の不飽和二重結合を有するカルボン酸
もしくはそのアルキルエステル、またはエチレン、プロ
ピレン、ブタジエン等のオレフィン系モノマー等が挙げ
られる。
【0033】本発明における重合体微粒子としては前述
の種々のアクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共
重合体が用いられるが、モノマーの組合せに特に限定は
なく例えばメタクリル酸メチル−スチレン、アクリル酸
メチル−スチレン、メタクリル酸メチル−α−メチルス
チレン等の共重合体が例示される。本発明における重合
体微粒子を構成する樹脂の合成方法は、特に限定される
ものではないが、一般的な重合方法である懸濁重合、乳
化重合、ソープフリー重合、分散重合等を用いることが
できる。
【0034】本発明における重合体微粒子の平均粒径
は、通常0.05〜1.0μmであり、好ましくは0.
1〜0.5μmである。重合体微粒子の平均粒径が0.
05μm未満ではトナー表面に付着させてもクリーニン
グブレードの反転、欠損に対する有効性が期待できず、
1.0μmよりも大きい場合、トナーの流動性が低下
し、ホッパーと呼ばれるトナー補給装置から現像機内へ
の補給性能が著しく低下するので好ましくない。ここ
で、重合体微粒子の平均粒径とは数平均により算出され
た粒径の平均値であり、例えばコールターカウンターN
−4(日科機株式会社製)を用い、動的光散乱法による
粒径測定等で評価できる。この場合において、重合体微
粒子の粒径分布は、特に限定されることはなく、単分
散、もしくはそれに近いものであっても、又広く分布し
ているものであってもよい。
【0035】本発明における重合体微粒子のガラス転移
温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上であ
る。ガラス転移温度が90℃以下であると、クリーニン
グブレードによる圧力や、感光体表面とクリーニングブ
レードとの摩擦熱によって感光体上にトナーが融着する
といった不都合が生じる。本発明の静電荷像現像剤組成
物における、重合体微粒子のトナー表面への付着量は、
通常0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜
0.3重量%である。0.01重量%未満ではトナー表
面に付着する量が少ないため、クリーニングブレードの
反転、欠損に対する有効性が期待出来ない。また、1.
0重量%以上では遊離微粒子がトナーの帯電安定性を低
下させるといった不都合が生じる。
【0036】本発明の静電荷像現像剤組成物の調製は、
特に限定されることはなく、トナーに対して前記の所定
の付着量となるように本発明における重合体微粒子を加
え、ミキサー等で混合付着させる方法、または重合体微
粒子のエマルジョン中に、トナーを添加し、攪拌する等
の湿式混合法を用いてもよい。この時、疎水性シリカ等
の流動性改良剤、金属酸化物等を添加してもよい。
【0037】本発明の現像剤組成物は種々の現像方法に
適用されうる。例えば、磁気ブラシ現像方法、カスケー
ド現像方法、導電性磁性トナーを用いる方法、高抵抗磁
性トナーを用いる方法、ファーブラシ現像方法、パウダ
ークラウド法、インプレッション現像法がある。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。尚、実施例に示す組成割合は、すべ
て重量部で表わすものである。アクリル−ビニル系重合体微粒子の合成例 攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び滴下ロー
トを装着した1リットルセパラブルフラスコにイオン交
換水300部、ドデシル硫酸ナトリウム0.5部、およ
び開始剤としてV−50 (2,2'-Azobis(2-amidinopropa
ne)dihydrochloride、和光純薬工業(株)製)を0.5
部入れ、滴下ロートによりメチルメタクリレート70
部、スチレン30部を滴下した。滴下終了後、3時間8
0℃に保ち重合を完成させた。この反応液をスプレード
ライヤーで乾燥し、平均粒径0.1μm、ガラス転移温
度105℃の重合体微粒子を得た。これを微粒子−Aと
する。また、開始剤濃度、攪拌速度、メチルメタクリレ
ート/スチレンのモノマー比を変えて、同様の合成を行
い、平均粒径0.3μm、ガラス転移温度106 ℃の微
粒子−B、及び平均粒径0.1μm、ガラス転移温度6
1℃の微粒子−Cを得た。
【0039】樹脂製造例1 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2 −ビス(4 ─ヒドロ
キシフェニル)プロパン740g,ポリオキシエチレン(2.
2) −2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3
00g,テレフタル酸ジメチル466g,イソドデセニル無水
コハク酸80g ,1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸トリn
−ブチル114gを通常のエステル化触媒と共にガラス製2
リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス
製攪拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り
つけ、電熱マントルヒーター中で窒素気流下、前半210
℃常圧、後半210 ℃減圧(100mmHg)にて攪拌し
つつ反応を進めた。得られた樹脂は、酸価2.3KOH
mg/g、水酸基価28.0KOHmg/g、高化式フ
ローテスター軟化温度135.7℃、流出開始温度10
2℃であった。当該樹脂を樹脂(1)とする。
【0040】樹脂製造例2 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2 −ビス(4 ─ヒドロ
キシフェニル)プロパン1225g ,ポリオキシエチレン
(2.2) −2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン165g,テレフタル酸500g,イソドデセニル無水コハク
酸130g,1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸トリイソプロ
ピル170gを通常のエステル化触媒と共に樹脂製造例1と
同様の装置、同様の処方にて反応を進めた。得られた樹
脂は、酸価0.5KOHmg/g、水酸基価28.4K
OHmg/g、高化式フローテスター軟化温度127.
4℃、流出開始温度81.4℃であった。当該樹脂を樹
脂(2)とする。
【0041】樹脂製造例3 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2 −ビス(4 ─ヒドロ
キシフェニル)プロパン714g、ポリオキシエチレン(2.
2) −2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6
63g,イソフタル酸518g,イソオクテニルコハク酸70g
,1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80g を通常のエステ
ル化触媒と共に樹脂製造例1と同様の装置、同様の処方
にて反応を進めた。得られた樹脂は、酸価18.0KO
Hmg/g、水酸基価35.0KOHmg/g、高化式
フローテスター軟化温度130℃、流出開始温度102
℃であった。当該樹脂を樹脂(3)とする。
【0042】トナーの調製 下記組成の材料をヘンシェルミキサーでよく混合した
後、2軸押し出し機で混練し、冷却、粗砕化した後、ジ
ェットミルによって粉砕し、さらに風力分級機を用いて
分級し、平均粒径 10 μmの微粉末を得た。
【0043】 トナーA: 結着樹脂(1) 88部 カーボンブラック「リーガル400 R」 (キャボット社製) 8部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 ( 保土ヶ谷化学社製) 2部 ワックス「ビスコール550 P 」 (三洋化成社製) 2部
【0044】 トナーB: 結着樹脂(2) 88部 カーボンブラック「リーガル400 R」 (キャボット社製) 8部 負帯電性荷電制御剤「アイゼンスピロンブラックT−77」 ( 保土ヶ谷化学社製) 2部 ワックス「ビスコール550 P 」 (三洋化成社製) 2部
【0045】 トナーC: 結着樹脂(1) 90部 カーボンブラック「カーボンブラック#44 」 (三菱化成社製) 6部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−01」 ( オリエント化学社製) 2部 ワックス「ビスコール550 P 」 (三洋化成社製) 2部
【0046】 トナーD: 結着樹脂(2) 90部 カーボンブラック「カーボンブラック#44 」 (三菱化成社製) 6部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−01」 ( オリエント化学社製) 2部 ワックス「ビスコール550 P 」 (三洋化成社製) 2部
【0047】 トナーE: 結着樹脂(3) 90部 カーボンブラック「カーボンブラック#44 」 (三菱化成社製) 6部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−01」 ( オリエント化学社製) 2部 ワックス「ビスコール550 P 」 (三洋化成社製) 2部
【0048】実施例1 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」(日本アエロジル株式会社製)を3g、上記微粒
子−Aを1g加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合付
着させ、トナー1を得た。
【0049】実施例2 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー2を得た。
【0050】実施例3 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを7g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー3を得た。
【0051】実施例4 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Bを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー4を得た。
【0052】実施例5 上記トナーB1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー5を得た。
【0053】実施例6 上記トナーC1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー6を得た。
【0054】実施例7 上記トナーD1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、トナー7を得た。
【0055】比較例1 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R-
972 」を3g加えヘンシェルミキサーを用いて混合付着
させ、比較トナー1を得た。
【0056】比較例2 上記トナーC1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R-
972 」を3g加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合付
着させ、比較トナー2を得た。
【0057】比較例3 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを12g加え、ヘンシェ
ルミキサーを用いて混合付着させ、比較トナー3を得
た。
【0058】比較例4 上記トナーA1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Cを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、比較トナー4を得た。
【0059】比較例5 上記トナーE1,000gに対し、疎水性シリカ「AEROSIL R
-972」を3g、上記微粒子−Aを4g加え、ヘンシェル
ミキサーを用いて混合付着させ、比較トナー5を得た。
以上のトナーを用いてトナーの流動性、コピー機での実
機評価によるブレードの反転、欠損、フィルミングにつ
いての評価を行った。トナーの流動性については、次に
述べるトナー落下量試験機によって測定を行なった。即
ち、円錐形のホッパー内に毎分10回転の速度で回転す
るスクリューとバッファー部を備えた流動性評価装置で
ある。測定方法は測定しようとするトナー300gを1リッ
トルのポリ容器に入れて、手で強く上下に10回振った
後、ホッパーに移し入れ、5分間モーターを動かし、受
け皿に落ちたトナーの重量から、1分間当たりに落下し
た量を求め、トナーの落下量〔g/分〕とする。
【0060】また帯電量については、次に述べるブロー
オフ式帯電量測定装置によって測定を行なった。即ち、
ファラデーケージとコンデンサー、エレクトロメーター
を備えた比電荷測定装置である。測定方法は、測定しよ
うとするトナー試料と100〜200メッシュの粒度を
有する球形フェライトキャリアまたは表面が樹脂でコー
トされた不定形キャリアとを重量比で5:95の割合で
充分混合、攪拌して現像剤を調製する。次に400メッ
シュ(キャリアー粒子の通過しない大きさに適宜変更可
能)のステンレスメッシュを備えた真鍮製の測定セル
に、調製した現像剤をW(g)(0.15〜0.20g)入
れる。次に吸引口から5秒間吸引した後、気圧レギュレ
ーターが0.6kg/m2 を示す気圧で5秒間ブローを行
ない、トナーのみをセル中から除去する。この時のブロ
ー開始から2秒後の電位計の電圧をV(volt)とする。こ
こでコンデンサーの電気容量をC (μF)とするとこの
トナーの比電荷Q/mは下式の如く求められる。 Q/m(μc/g)=(C×V)/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナー濃度は
T/D×100(%)と表わされ、mは下式の如く求め
られる。 m(g)=W× (T/D)/100
【0061】負帯電性トナー用の現像剤としては、10
0〜200メッシュの粒度を有する球形フェライトキャ
リアをトナー重量5に対し、95の割合で混合したもの
を、セレン感光体を装着した複写装置に使用し、5万枚
の連続コピーを通常環境 (24℃, 50%RH) にて行い、耐
刷試験中におけるブレードの反転、欠損とフィルミング
について目視により比較を行なった。正帯電性トナー用
の現像剤としては、100〜200メッシュの粒度を有
し、表面が樹脂コートされた不定形鉄粉キャリアーをト
ナー重量5に対し、95の割合で混合したものを、有機
感光体を装着した複写装置に使用し、5万枚の連続コピ
ーを通常環境下 (24℃, 50%RH) にて行い、耐刷試験中
におけるブレードの反転、欠損とフィルミングについて
目視により比較を行なった。
【0062】その結果を表1に示すが、この結果より本
発明において、所定の酸価と水酸基価を有するポリエス
テル樹脂を結着樹脂の主成分としたトナーに、重合体微
粒子を添加することにより、容易に適正な正負の帯電量
を得ながら、クリーニングブレードの反転、欠損、フィ
ルミングが防止されることがわかる。一方、重合体微粒
子の添加されていない比較トナー1及び2では、クリー
ニングブレードの反転が生じ、重合体微粒子のガラス転
移温度が低いと比較トナー4に示されるように感光体へ
のフィルミングが生じ、また添加量が1重量%を超えた
場合、比較トナー3に示されるように流動性が著しく低
下したり、フィルミングの発生という不都合が生じるこ
とが認められる。また、酸価が5KOHmg/g以上の
結着樹脂を主成分として用いた場合、比較トナー5に示
されるようにトナーの帯電量が不充分となり、トナーと
キャリアの分離による機内汚染、地汚れという不都合が
生じることが認められる。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明におけるポリエステル樹脂を結着
樹脂の主成分としたトナーに、重合体微粒子を添加した
場合、従来用いられていたアクリル系重合体微粒子又は
脂肪酸金属塩などの場合とは異なり、重合体微粒子のフ
ィルミング及びブレードの反転や欠損の問題の解消が可
能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3価以上の多官能化合物の少なくとも1
    種を構成単位として有する、酸価5KOHmg/g以
    下、水酸基価60KOHmg/g以下のポリエステル樹
    脂を結着樹脂の主成分として用いた静電荷像現像剤組成
    物において、少なくともトナー表面にガラス転移温度9
    0℃以上の重合体微粒子を0.01〜1.0重量%付着
    させたものからなることを特徴とする静電荷像現像剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂が、ビ
    スフェノールAアルキレンオキサイド付加物であるジオ
    ール成分と、式(1) 【化1】 (式中、nは3または4であり、Rは炭素数1〜18の
    アルキル基、アルケニル基またはアリール基である。)
    で示される化合物とを必須の構成単位とするものである
    請求項1記載の静電荷像現像剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の式(1)で表される化合
    物の配合割合が、酸成分中の構成単位中2〜50モル%
    である請求項2記載の静電荷像現像剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のポリエステル樹脂の高化
    式フローテスターによる軟化温度が、90〜150℃、
    流出開始温度と軟化温度との温度差が、15〜50℃で
    ある請求項1記載の静電荷像現像剤組成物。
  5. 【請求項5】 重合体微粒子がアクリル−ビニル系モノ
    マー共重合体である請求項1〜4いずれか記載の静電荷
    像現像剤組成物。
  6. 【請求項6】 重合体微粒子の平均粒径が0.05〜
    1.0μmである請求項1〜5いずれか記載の静電荷像
    現像剤組成物。
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