JPH05271546A - マイクロカプセル化された触媒を含む貯蔵安定性の硬化性オルガノシロキサン組成物 - Google Patents

マイクロカプセル化された触媒を含む貯蔵安定性の硬化性オルガノシロキサン組成物

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JPH05271546A
JPH05271546A JP5000053A JP5393A JPH05271546A JP H05271546 A JPH05271546 A JP H05271546A JP 5000053 A JP5000053 A JP 5000053A JP 5393 A JP5393 A JP 5393A JP H05271546 A JPH05271546 A JP H05271546A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規なマイクロカプセル化されたヒドロシリ
ル化触媒を含有する、貯蔵安定性の一液型硬化性オルガ
ノシロキサン組成物を提供する。 【構成】 本発明の硬化性組成物は、1分子当りに平均
して少なくとも二つのエチレン列不飽和炭化水素基を持
つポリオルガノシロキサンと、1分子当りにケイ素に結
合した水素原子を平均して少なくとも二つ有するオルガ
ノ水素シロキサンと、マイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒を含んでなり、このマイクロカプセル化ヒ
ドロシリル化触媒は、オルガノ水素ポリシロキサン又は
オルガノ水素ジシロキサンを、エステルのカルボニル基
とそのエステルの酸部分の末端の芳香族基との間に一連
の少なくとも二つの共役エチレン系二重結合があるカル
ボン酸のプロパルギルエステルのプロパルギル基と反応
させて得られるオルガノシロキサン化合物の光架橋生成
物の層又はマトリックス中にヒドロシリル化触媒をマイ
クロカプセル化したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性オルガノシロキ
サン組成物に関する。もっと詳しく言えば、本発明は、
ヒドロシリル化反応でもって硬化する組成物であって、
新規なマイクロカプセル化された硬化触媒を含有する一
液型オルガノシロキサン組成物に関する。これらの組成
物は、周囲条件下で長期の貯蔵安定性を示すが、高温で
は急速に硬化する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】198
4年11月6日発行のSchlakらの米国特許第44
81341号明細書及び1974年12月25日公開の
特開昭49−134786号公報は、1分子当りに少な
くとも二つのエチレン列不飽和炭化水素基があるポリオ
ルガノシロキサンと、1分子当りにケイ素に結合した水
素原子が少なくとも二つあるポリオルガノ水素シロキサ
ンと、そして細かく分割された例えばシリコーン樹脂あ
るいは有機樹脂といったような固体マトリックスに分散
された白金含有触媒とを含んでなる熱硬化性オルガノシ
ロキサン組成物を記載している。触媒の濃度は、金属白
金が0.001〜5重量%である。
【0003】上記の触媒が分散される細かく分割された
物質は、前述のポリオルガノシロキサンあるいはポリオ
ルガノ水素シロキサンには事実上不溶解性であって、7
0〜250℃の温度で融解又は軟化する。Schlak
らの米国特許明細書に開示された組成物の主張されてい
る利点は、触媒が分散されている物質を融解させるのに
十分なだけ組成物が加熱されるまで触媒は硬化性組成物
の他の成分から隔離されたままである、ということであ
る。組成物中に存在している有機ケイ素化合物は触媒の
不存在下では硬化しないので、組成物は述べられている
ところによると、硬化することなくあるいは粘度が上昇
することもなく長期間貯蔵することができる。
【0004】Schlakらにより記載され、また上述
の公開特許公報に記載された硬化性オルガノシロキサン
組成物の不都合は、触媒/樹脂組成物を調製するために
教示された方法である。全体にわたって分散した白金組
成物を含有してなる樹脂の固体のブロック又はシートを
粉砕して細かい粉末にする。粉砕操作のランダム性か
ら、合理的に考えて粒子のうちの一部はそれらの表面に
白金触媒を含む公算がある。微量の白金でさえも、この
特許文献に例示されたタイプのオルガノシロキサン組成
物が早過ぎるうちに硬化する原因となることが示されて
いる。
【0005】Schlakらの米国特許明細書に記載さ
れた触媒組成物の固有の不都合を回避する一つの方法
は、触媒組成物の細かく分割された粒子又は小滴をその
触媒を透過させない材料内に完全にマイクロカプセル化
して、それを硬化性オルガノシロキサン組成物の反応性
成分から効果的に隔離することである。カプセル材は組
成物の所望の硬化温度で融解あるいは軟化する。物質を
マイクロカプセル化するいろいろな方法が当業技術分野
において知られている。
【0006】1989年10月7日発行のLeeらの米
国特許第4874667号明細書は、白金に触媒される
ヒドロシリル化反応により硬化する一液型オルガノシロ
キサン組成物を開示している。この白金触媒は熱可塑性
有機ポリマーの1又は2の層でマイクロカプセル化され
る。マイクロカプセル化された触媒粒子の直径は100
μm未満である。
【0007】このLeeらの米国特許明細書と、198
8年8月23日発行の関連米国特許第4766176号
及び1988年11月15日発行の同第4784879
号各明細書に記載された調製方法の不都合は、これらの
方法がマイクロカプセルを含有している硬化性組成物が
光学的に透明になる十分に小さなマイクロカプセルを製
造することができないことである。これらのマイクロカ
プセルを含有している硬化性組成物は半透明又は不透明
である。
【0008】本発明の一つの目的は、触媒を含有する硬
化性オルガノシロキサン組成物の光学的透明性あるいは
高温での硬化速度を損なわない、新しいタイプのマイク
ロカプセル化された白金族金属含有硬化触媒を提供する
ことである。
【0009】本発明の別の目的は、オルガノシロキサン
組成物のための効果的な硬化触媒であるマイクロカプセ
ル化されたヒドロシリル化反応触媒を調製するための新
規な方法を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの目的は、本発明のマイ
クロカプセル化された硬化触媒を含有してなる光学的に
透明な一液型の貯蔵安定性オルガノシロキサン組成物を
提供することである。これらの組成物は、それらを加熱
するか、あるいはそれらを200〜260nmの範囲内の
紫外線にさらして硬化させることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明は、
ヒドロシリル化反応により硬化する一液型オルガノシロ
キサン組成物のためのマイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒を提供する。好ましい白金族金属触媒を含
有する組成物は、長期の貯蔵安定性を示すほかに、不透
明用添加剤の不存在下では光学的に透明である。これら
のマイクロカプセルのうちの少なくとも一部分は直径が
1μmより小さく、そして実質上全部が約3μm未満の
直径である。
【0012】本発明の硬化性組成物のマイクロカプセル
化された硬化触媒成分は、オルガノ水素シロキサンと、
カルボン酸部分がカルボプロピノキシ基と末端のアリー
ル又はアルカリール基との間に少なくとも二つの共役エ
チレン系二重結合の連続を有するプロパルギルエステル
とのヒドロシリル化反応によって調製される有機ケイ素
誘導体の光架橋により調製される。
【0013】本発明は、少なくとも1種のオルガノシロ
キサン化合物の少なくとも一つの層の中にカプセル化さ
れた液体の又は可溶化されたヒドロシリル化触媒を含む
マイクロカプセル化触媒組成物を提供し、ここで上記の
オルガノシロキサン化合物は、次式 QR1 a SiO(3-a)/2 の反復単位を有するオルガノシロキサン化合物を300
〜400nmの波長の紫外線にさらして得られる架橋生成
物であって、上式のQは次の基を表し、 R2(CH=CH) n −CH=CH−CH=CR3C(O)OCH2CH =CH− (1) 各R1 は未置換の及び置換された一価の炭化水素基から
なる群から個々に選択され、R2 はアリール基、アルコ
キシアリール基又はアルカリール基を表し、R3は−C
≡N又は−C(O)OR4 であって、R4 は未置換の一
価の炭化水素基を表し、aは0,1又は2であり、そし
てnは、R2 がナフチル基である場合だけは0であるこ
とを条件に、0又は正の整数である。
【0014】R1 とR4 で表すことができる未置換の炭
化水素基には、炭素原子数が1〜10である例えばメチ
ル、エチル及びプロピルといったようなアルキル基、シ
クロヘキシル基のようなシクロアルキル基、フェニル基
のようなアリール基、トリル基やキシリル基といったよ
うなアルカリール基、及びベンジル基のようなアラルキ
ル基が含められるが、未置換炭化水素基はこれらには限
定されない。R1 に存在することができる置換基には、
塩素、臭素及びフッ素の如きハロゲンが含められるが、
置換基はこれらには限定されない。最も好ましくは、R
1 及びR4 はメチル基又はフェニル基であり、またR1
は3,3,3−トリフルオロプロピル基である。R1
してこれらが好ましいのは、当のオルガノシロキサン化
合物を調製するのに用いられるオルガノ水素シロキサン
を調製するために使用される対応するクロロシランの入
手可能性に基づく。
【0015】好ましいヒドロシリル化触媒は、周期表の
白金族の金属の化合物である。
【0016】本発明はまた、次に掲げる成分A〜Cを含
んでなる一液型の、貯蔵安定性の、熱硬化性オルガノシ
ロキサン組成物をも提供する。
【0017】A.1分子当りに平均して少なくとも二つ
のエチレン列不飽和炭化水素基を持つ液体又はガム型の
ポリオルガノシロキサン。
【0018】B.当該組成物のための硬化剤として、1
分子当りにケイ素に結合した水素原子を平均して少なく
とも二つ有するオルガノ水素シロキサン。
【0019】C.当該組成物の硬化を100℃より高い
温度で、又は波長の範囲が200〜260nmの紫外線の
存在下で促進するのに十分な量のマイクロカプセル化さ
れたヒドロシリル化触媒。
【0020】ここで、上記の硬化剤の濃度は当該組成物
を硬化させるのに十分なものであり、ポリオルガノシロ
キサン(A)の1分子当りのエチレン列不飽和炭化水素
基の平均の数と上記硬化剤(B)の各分子中のケイ素と
結合した水素原子の平均の数との合計は4より大きく、
上記の触媒は少なくとも1種の架橋したオルガノシロキ
サン化合物のマトリックス又は層の中にマイクロカプセ
ル化されていて、架橋していない当該オルガノシロキサ
ン化合物は次式 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2CH =CH−SiR1 a O (3-a/2) (1) の単位を少なくとも二つ含み、ここで各R1 は未置換の
一価炭化水素基及び置換された一価炭化水素基からなる
群から個々に選択され、R2 はアリール基、アルコキシ
アリール基又はアルカリール基を表し、R3 は−C≡N
又は−C(O)OR4 であって、R4 は水素又は未置換
の一価の炭化水素基を表し、aは0,1又は2であり、
そしてnは、R2 がナフチル基を表す場合だけは0であ
ることができることを条件に、0又は正の整数であっ
て、このオルガノシロキサン化合物は波長範囲300〜
400nmの紫外線への暴露によって架橋されている。
【0021】本発明のマイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒(ここではマイクロカプセルとも称され
る)を含有してなる硬化性オルガノシロキサン組成物の
特徴は、光学的な透明性である。この透明性は、マイク
ロカプセルの少なくとも大半、典型的には少なくとも5
0%がサブミクロンの直径であり、且つ、高温で急速な
硬化速度を得るのに必要とされるマイクロカプセルの濃
度が低いためと信じられる。これらのマイクロカプセル
で直径が約3μmよりも大きいものは実質的にない。
【0022】本発明はまた、マイクロカプセル化された
ヒドロシリル化触媒を調製するための方法も提供する。
この方法は、次に掲げる1)及び2)の一連の工程を含
む。
【0023】1)少なくとも1種の光架橋性オルガノシ
ロキサン化合物、可溶化された白金含有ヒドロシリル化
触媒及び揮発性溶媒から本質的になる溶液を十分な時間
300〜400nmの波長範囲内の紫外線にさらして、上
記の化合物を架橋させそして上記の溶媒の実質上全てを
蒸発させる工程。 2)マイクロカプセル化された触媒を単離する工程。
【0024】ここで、上記オルガノシロキサン化合物の
反復単位は次式を有し、 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2CH =CH−SiR1 a O (3-a/2) この式の各R1 は未置換の一価の炭化水素基及び置換さ
れた一価の炭化水素基からなる群から個々に選択され、
2 はアリール基、アルコキシアリール基又はアルカリ
ール基を表し、R3 は−C≡N又は−C(O)OR4
あって、R4 は水素又は未置換の一価の炭化水素基を表
し、aは0,1又は2であり、そしてnは、R2 がナフ
チル基である場合だけは0であることができることを条
件に、0又は正の整数である。
【0025】上記のヒドロシリル化触媒は、硬化性オル
ガノシロキサン組成物がヒドロシリル化触媒をカプセル
に包んでいる架橋したオルガノシロキサン化合物の融点
又は軟化点に加熱されるまで、あるいはその硬化性組成
物を遠紫外線範囲と称される200〜260nmの範囲の
紫外線にさらして架橋したオルガノシロキサン化合物を
不架橋物質に変えるまでは、硬化性オルガノシロキサン
組成物の他の成分から効果的に隔離される。
【0026】α−シアノ−β−スチリルアクリル酸のエ
ステルから誘導されたオルガノシロキサン化合物が可逆
的な光架橋反応を行うことができることは、R.Mer
cierらによってEuropean Polymer
Journal,24,7(1988)p.639−
645に報告されている。
【0027】本発明の触媒組成物の新規性は、ヒドロシ
リル化触媒をカプセルに包む架橋したオルガノシロキサ
ン化合物にある。これらの化合物は、オルガノ水素ポリ
シロキサン又はオルガノ水素ジシロキサンを、エステル
のカルボキシル基とそのエステルの酸部分の末端のアリ
ール、アルコキシアリール又はアルカリール基との間に
一連の少なくとも二つの共役エチレン系二重結合がある
カルボン酸のプロパルギルエステルのプロパルギル基と
反応させて調製されるオルガノシロキサン化合物を必要
とする光架橋の生成物である。式(1)のR2 がナフチ
ル基を表す場合、上記の一連の共役二重結合は単一のエ
チレン系二重結合と取替えることができる。
【0028】式(1)で表される単位を含むオルガノシ
ロキサン化合物は新規であると考えられ、この出願の優
先権主張の基礎とされた米国特許出願と同時に出願され
た同時係属米国特許出願明細書の特許請求の範囲に記載
されている。
【0029】オルガノ水素シロキサンを、ビニルクロロ
シランと桂皮酸、β−(2−フリル)アクリル酸又はα
−シアノ−β−スチリルアクリル酸(2−シアノ−5−
フェニル−2,4−ペンタジエンカルボン酸とも呼ばれ
る)のアルカリ金属塩との反応生成物と反応させて得ら
れるポリオルガノシロキサンの光架橋は、R.Merc
ier,X.CoqueretらによってEurope
an PolymerJournal,24,7(19
88)p.639−645に記載されている。これらの
ポリオルガノシロキサンは、下式の原子団を特徴とし、
【0030】
【化1】
【0031】この式の原子団
【0032】
【化2】
【0033】は初めのオルガノ水素シロキサン反応物か
ら誘導される。
【0034】本発明のマイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒用のカプセル材料を調製するのに用いられ
るオルガノシロキサン化合物は、次の原子団
【0035】
【化3】
【0036】が存在する点でMercierとその共同
研究者らにより記載されたポリオルガノシロキサンと異
なり、上式中の
【0037】
【化4】
【0038】は式(2)で表されるプロパルギルエステ
ルと反応させられるオルガノ水素シロキサンの残りであ
る。
【0039】 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2C≡CH (2)
【0040】Mercierらの酸のアルカリ金属塩の
代わりにこのプロパルギルエステルを使用することの利
点は、エステルの酸部分の共役した一連の炭素−炭素二
重結合よりもプロパルギル基の方を選択するオルガノ水
素シロキサン反応物の思いも寄らなかった選択性であ
る。
【0041】本発明のオルガノシロキサン化合物は、M
ercierとその共同研究者らによって前述の論文に
記載された同じタイプの可逆的な光架橋反応を行う。本
発明の発明者らは、この反応を利用して液体のヒドロシ
リル化触媒や可溶化されたヒドロシリル化触媒をマイク
ロカプセル化することができることを発見した。これら
の触媒は典型的に、白金、パラジウム及びロジウムを含
めて、周期表の白金族の金属を含有する。この触媒は、
マイクロカプセル化されている触媒を200〜260nm
の波長範囲の紫外線にさらすか、又はマイクロカプセル
化されている触媒を約120℃より高い温度に加熱する
ことで解放することができる。
【0042】本発明のオルガノシロキサン化合物の光架
橋反応は、オルガノシロキサンの隣接分子上のエチレン
系不飽和炭素原子の対によってシクロブタン環ができる
ことを伴うものと信じられる。この反応は次のように表
すことができる。
【0043】
【化5】
【0044】この反応の間に形成される分子間結合の大
部分(少なくともほぼ80%)は、反応生成物を200
〜260nmの範囲内の紫外線にさらして、分子間結合し
た化合物を少なくとも部分的に、式(1)で表されるも
とのオルガノシロキサン単位に変えることによって破壊
することができる。
【0045】本発明のマイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒は、液体の形態又は可溶化された形態の触
媒と式(1)で表される単位を含有するオルガノシロキ
サン化合物との混合物に波長範囲300〜400nmの紫
外線を照射して調製することができる。この波長範囲は
「近紫外範囲」とも呼ばれる。この波長領域の放射を行
う紫外線源とフィルターの入手のしやすさのために、約
360nmの波長が好ましい。
【0046】使用する溶媒の量は、ヒドロシリル化触媒
とオルガノシロキサン化合物を溶解するのに必要とされ
る最小限の量であるべきである。過剰の溶媒は、オルガ
ノシロキサン化合物が紫外線下で架橋する速度を低下さ
せることが示されている。
【0047】オルガノシロキサン化合物を架橋させてヒ
ドロシリル化触媒をカプセルに閉じ込めるのに必要とさ
れる暴露時間は、多数の変数の関数であって、それらの
変数にはオルガノシロキサン化合物に到達する紫外線の
強度や架橋反応のエネルギーしきい値が含まれるが、変
数はこれらには限定されない。
【0048】本発明の光重合性オルガノシロキサン化合
物は、オルガノ水素シロキサンを、一連の共役炭素−炭
素二重結合を含有するカルボン酸のプロパルギルエステ
ルと反応させて調製される。このプロパルギルエステル
は次の式を有する。 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2C≡CH (2)
【0049】この式で、R2 はアリール基、アルコキシ
アリール基又はアルカリール基を表し、R3 は−C≡N
又は−C(O)OR4 であって、R4 は水素又は未置換
の一価炭化水素基であり、nは、R2 がナフチル基を表
す場合だけは0であることができることを条件に、0又
は正の整数である。
【0050】式(2)で表されるプロパルギルエステル
の好ましいクラスは、クネベナゲル反応、すなわちアル
デヒドと、カルボニル基に関してα位置に不安定な(l
abile)水素がある酸のエステルとの、塩基に触媒
される縮合反応、を使って調製することができる。この
反応は、塩基によって典型的に触媒され、次の一般式で
説明することができる。
【0051】
【化6】
【0052】上式中のR’,R''及びR''' は一価の炭
化水素基を表す。
【0053】式(2)のプロパルギルエステルを調製す
るのに使われる反応は、次の式で表すことができる。
【0054】
【化7】
【0055】このプロパルギルエステルを調製するのに
用いられる反応物は、カルボニル基に関してα位置の炭
素に不安定な水素原子があるカルボン酸のプロパルギル
エステル(式(4))(以下、プロパルギルエステル反
応物と称する)、及びR2 で表される末端の芳香族炭化
水素基を有するアルデヒド(式(3))である。このア
ルデヒドのエチレン系二重結合の数はnで表され、その
値は好ましくは0又は1であって、但しnが0である場
合にはR2 はナフチル基でなければならない。
【0056】クネベナゲル反応で使用されるエチレン列
不飽和アルデヒドは、式(3)で表すことができる。 R2 (CH=CH)n C(O)H (3) この式のR2 はフェニル基もしくはナフチル基のような
アリール基、アルコキシアリール基又はアルカリール基
を表し、nの値は、R2 がナフチル基を表す場合だけは
0であることができることを条件として、0又は正の整
数である。
【0057】式(3)で表される適当なアルデヒドは末
端に芳香族炭化水素基を有し、そしてこれらのアルデヒ
ドには、シンナムアルデヒドや、シンナムアルデヒド、
o−又はp−メトキシシンナムアルデヒド、ベンズアル
デヒド、ナフトアルデヒド又は末端位置に芳香族炭化水
素基を有する他のアルデヒドと、クロトンアルデヒド又
はアクロレインのようなエチレン列不飽和脂肪族アルデ
ヒドとの、アルドール縮合反応の生成物が含められる
が、アルデヒドはこれらには限定されない。
【0058】アルデヒドのうちの一方のカルボニル基が
芳香族炭化水素環構造に結合しているかあるいはシンナ
ムアルデヒドにおけるように−CH=CH−基により上
記の環構造から引き離されている場合には、典型的に一
つの縮合生成物だけが生成される。
【0059】不飽和脂肪族アルデヒド(6)のエチレン
系不飽和炭素原子はアルデヒド基(−C(O)H)と隣
合っている。アルドール縮合反応で使用される両方のア
ルデヒド(5と6)がこの位置にエチレン系不飽和炭素
原子を持つ場合には、反応生成物に存在する共役二重結
合の数は最大になる。
【0060】シンナムアルデヒド(5a)とクロトンア
ルデヒド(6a)のアルドール縮合反応は、次の式で表
すことができ、この式のPhはフェニル基を表す。
【0061】
【化8】
【0062】所望ならば、この縮合反応を繰り返して、
式(2)で表される本発明のプロパルギルエステルを調
製するために式(5)で表されるエステル反応物と後に
反応させるエチレン列不飽和アルデヒドの連続した共役
二重結合の数を増加させることが可能なはずである。
【0063】クネベナゲル反応で使用されるプロパルギ
ルエステル反応物は、カルボニル基と隣合う炭素原子に
結合した不安定な水素原子を含み、次の式(4)で表す
ことができる。
【0064】 R3 2 CC(O)OCH2 C≡CH (4)
【0065】この式のR3 は先に定義された通りであ
る。R3 は好ましくはシアノ基を表し、この選択はα−
シアノ酢酸の入手しやすさに基づいている。
【0066】式(2)で表されるプロパルギルエステル
を生成するためのプロパルギルエステル反応物(4)と
芳香族アルデヒド(3)とのクネベナゲル縮合反応は、
典型的には、触媒量のアミンの存在下で周囲温度以下で
行われる。適当なアミン触媒には、脂肪族アミンや、ア
ニリン及びp−ニトロアニリンのような芳香族アミンが
含められるが、アミン触媒はこれらには限定されない。
ピペリジンのような複素環アミンが好ましい。
【0067】上記の縮合反応は典型的には、特に反応生
成物が固体である場合には、共通溶媒に溶解した反応物
で行われる。有効な溶媒には、テトラヒドロフランやジ
オキサンのような環式エーテルが含められるが、溶媒は
これらには限定されない。本発明の発明者らは、ナフト
アルデヒドを約30〜約50重量%含むシンナムアルデ
ヒドとナフトアルデヒドとの混合物が式(1)で表され
る単位を含有するオルガノシロキサンを調製するのに使
用するのに好ましいことを発見したが、これはアルデヒ
ドのこの組み合わせを使って調製したシロキサンの架橋
した混合物のカプセルに包み込まれたヒドロシリル化触
媒を含有しているオルガノシロキサン組成物が示す貯蔵
寿命が長いことと硬化が速いことによるものである。
【0068】本発明のマイクロカプセル化触媒を調製す
るためヒドロシリル化触媒の存在下で光重合させられる
オルガノシロキサン化合物は、オルガノ水素シロキサン
と、この明細書で先に説明したように調製されて次の式
(2)で表されるエステルのプロパルギル基との反応に
より調製することができる。 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2C≡CH (2)
【0069】ケイ素に結合した水素原子と炭素−炭素二
重結合又は三重結合との反応はヒドロシリル化反応と呼
称され、典型的には、周期表の白金族の金属又はそのよ
うな金属の化合物により触媒される。白金族の金属は、
白金のほかに、ロジウムやパラジウムを包含する。プロ
パルギルエステルのアセチレン系炭素原子での反応の選
択性を所望のものにするために、白金又はこの金属の化
合物を使用する方が好ましい。
【0070】塩化白金酸や、もっと詳しく言えば、塩化
白金酸と液体のエチレン列不飽和有機ケイ素化合物、例
えばsym−テトラメチルジビニルジシロキサンの如き
もの、との錯体が、プロパルギルエステルとケイ素に結
合した水素原子を有する有機ケイ素化合物との反応のた
めの好ましい触媒である。この選択は、これらの触媒が
ヒドロシリル化反応の部位を式(2)で表されるエステ
ルのプロパルギル基に限る選択性と、所望の有機ケイ素
化合物の収率が高いことによるものである。
【0071】式(2)で表されるプロパルギルエステル
とオルガノ水素シロキサンは好ましくは、ケイ素に結合
した水素原子と、プロパルギルエステルの酸部分に存在
する共役炭素−炭素二重結合との望ましくない副反応を
避けるため実質上等モル量で使用される。
【0072】プロパルギルエステルに関係するヒドロシ
リル化反応は一般に、この反応に関係しない溶媒の存在
下で行われる。好ましい溶媒には、液体の芳香族炭化水
素及び飽和脂肪族炭化水素が含められるが、溶媒はこれ
らには限定されない。
【0073】ヒドロシリル化反応は室温で進行するとは
言え、反応混合物は好ましくは、反応速度を上昇させる
ため70〜110℃に加熱される。好ましい温度は、使
用するオルガノ水素シラン又はオルガノ水素シロキサン
の種類を含めて多数の変数に依存する。反応の経過は、
反応が進行するにつれてプロパルギル基(−H2 C−C
≡CH)及びSiH基の濃度が減少するのを観測するた
め赤外分光分析を使って都合よく監視することができ
る。
【0074】好ましいオルガノ水素シロキサンには、s
ym−テトラアルキル二水素ジシロキサン、フェニルシ
ルセスキオキサン単位(PhSiO3/2 )とジメチル水
素シロキシ単位とを含む樹脂状オルガノシロキサンコポ
リマー、そして、反復単位のうちの少なくとも一部が式
1 HSiOで表され(R1 は先に定義された未置換の
又は置換された一価の炭化水素基を表す)、残りの非末
端単位がR1 2SiOであって、末端単位が有機基がR1
と同じ群から選ばれる炭化水素基であるトリオルガノシ
ロキシ単位又はジオルガノ水素シロキシ単位である実質
的に線状のオルガノポリシロキサンが含められるが、好
ましいオルガノ水素シロキサンはこれらには限定されな
い。あるいはまた、ケイ素に結合した水素原子はオルガ
ノポリシロキサン分子の末端位置のみに存在してもよ
い。
【0075】ヒドロシリル化反応の生成物として得られ
たオルガノシロキサンは、室温では典型的に固体であっ
て、通常の再結晶技術を使って精製することができる。
【0076】本発明のマイクロカプセル化された触媒を
調製するのに適当な白金含有ヒドロシリル化触媒には、
塩化白金酸と例えばsym−ジビニルテトラメチルジシ
ロキサンといったようなエチレン列不飽和有機ケイ素化
合物との反応生成物が含められる。これらの反応生成物
は、Willingによって米国特許第3419593
号明細書に記載されている。本発明のマイクロカプセル
化された触媒を調製するのに有効と考えられる他の白金
含有ヒドロシリル化触媒には、米国特許第315960
1号、第3159602号、第3220972号、第3
296291号、第3516946号、第381473
0号及び第3928629号各明細書に記載されたもの
が含められる。
【0077】白金含有ヒドロシリル化触媒は、エチレン
列又はアセチレン列の不飽和のケイ素化合物又は有機化
合物と配位錯体を形成する。これらの化合物には、好ま
しい白金含有ヒドロシリル化触媒に配位剤として存在す
る、例えばテトラメチルジビニルシロキサンのような有
機ケイ素化合物や、触媒の活性を約50℃未満の温度で
妨げるのに用いられる抑制剤のうちの多くが含められ
る。
【0078】カルボニル基あるいはヒドロキシル基とい
ったような1又は2以上の極性基を持つエチレン列又は
アセチレン列の不飽和有機化合物は、白金含有ヒドロシ
リル化触媒のための特に好ましい配位剤である。
【0079】式(1)で表される単位を含有するオルガ
ノシロキサン化合物によってマイクロカプセル化される
ヒドロシリル化触媒の特に好ましいクラスには、白金の
配位錯体が含められる。配位白金化合物は、最も好まし
くは、塩化白金酸といったような白金族金属のハロゲン
化化合物から得られる。塩化白金酸は、最初には、商業
的に入手可能な六水和物としてあるいはSpeierに
より米国特許第2823218号明細書に開示された無
水の形態で存在することができる。
【0080】本発明のマイクロカプセル化されたヒドロ
シリル化触媒は、(a)式(1)で表される反復単位を
有する少なくとも1種のオルガノシロキサン化合物と、
(b)ヒドロシリル化触媒と、そして(c)(a)及び
(b)のための適当な揮発性溶媒とから本質的になる均
質溶液を、ヒドロシリル化触媒を含有してなる架橋した
マイクロカプセルを形成するのに十分な時間300〜4
00nmの波長の紫外(UV)線にさらすことにより作ら
れる。適当な溶媒は、光架橋反応の間にそれらを取除く
のを容易にするため周囲条件下で実質的な蒸気圧を示
し、そしてこれらの溶媒には、合計の炭素原子数が3〜
5である例えばアセトンといったようなケトン類や、塩
化メチレンのような液体の塩素化炭化水素類が含められ
るが、溶媒はそれらには限定されない。
【0081】マイクロカプセル化されたヒドロシリル化
触媒を調製するための好ましい方法によれば、式(1)
の単位を含むオルガノシロキサン化合物のうちの少なく
とも1種とヒドロシリル化触媒とを含有してなる溶液を
トレー又は他の適当な容器に入れて、深さ約2〜約5mm
の層を形成する。次いでこの液体の層を、最高の放射が
300〜400nmの範囲、好ましくは約360nmにある
適当なランプ又は他の紫外線源からの輻射線に暴露す
る。架橋したオルガノシロキサン化合物を生成するのに
必要とされる暴露時間は、液体層表面での輻射の強度や
層の厚さを含めて多数の変数に依存する。約5〜約15
mW/cm2 の範囲の強度と約4mmの層の厚さについて言え
ば、暴露時間は典型的に1時間から約3時間までであ
る。オルガノシロキサン化合物とヒドロシリル化触媒を
溶解するために使用された溶媒の実質上全部は、この暴
露の期間中に蒸発する。従って、暴露領域から揮発した
溶媒を除去するための手段を使用することが望ましい。
【0082】一部の用途については、2種以上のオルガ
ノシロキサン化合物の混合物を使ってマイクロカプセル
化されたヒドロシリル化触媒を調製することが望ましい
ことがある。特に好ましい組み合わせは、式(1)の反
復単位を有し、R2 がフェニル基そしてnが1である第
一のオルガノシロキサン化合物をその組み合わせの重量
を基準として50〜95%含む。第二のオルガノシロキ
サン化合物では、R2はナフチル基、そしてnは0であ
る。両方の化合物において、R3 はシアノ基であり、R
1 はメチル基であり、aは2であって、オルガノシロキ
サン化合物はジシロキサンである。
【0083】紫外線重合の生成物は典型的に、架橋した
オルガノシロキサン化合物の層又はマトリックス内にヒ
ドロシリル化触媒が完全に包まれるマイクロカプセルか
ら本質的になる固体である。
【0084】本発明の方法を使用して調製したマイクロ
カプセルの平均直径は3μm未満である。好ましくは、
マイクロカプセルのうちの少なくとも一部の直径は1μ
m未満である。
【0085】貯蔵中にマイクロカプセルが時期尚早に破
裂するのを避けるため、硬化触媒は25〜約60℃の温
度で有意の蒸気圧を有するべきではない。
【0086】マイクロカプセルとも呼ばれる本発明のマ
イクロカプセル化されたヒドロシリル化触媒が硬化性オ
ルガノシロキサン組成物で有効に機能を果すためには、
触媒をカプセル内に包み込む架橋したオルガノシロキサ
ン化合物は、オルガノシロキサン組成物の所望の硬化温
度あるいはそれよりわずかに低い温度で十分に融解又は
軟化して触媒を放出しなくてはならない。
【0087】本発明のマイクロカプセルは、直径が最大
で約3μmまでの、本質的に球状の外形のものである。
3μm未満の直径は、これらのマイクロカプセルを含有
する硬化性組成物が光学的に透明になることを保証する
ために好ましいものである。
【0088】本発明の発明者らは、ヒドロシリル化触媒
がこの触媒とマイクロカプセルの外殻部分として存在し
ている架橋したオルガノシロキサン化合物とを一緒にし
た重量の約5%を超える場合には、架橋オルガノシロキ
サン物質の層を一つ含むマイクロカプセル内にヒドロシ
リル化触媒の全部を包み込むことは困難なことを見いだ
した。触媒は好ましくは、マイクロカプセルの約2〜約
2.5重量%を構成する。
【0089】本発明の硬化性オルガノシロキサン組成物
は典型的に、先に説明したマイクロカプセル化された硬
化触媒のほかに、以下において成分Aと称される、1分
子当りに平均して少なくとも二つのエチレン列不飽和炭
化水素基を有するポリオルガノシロキサンを含む。
【0090】成分Aは、白金に触媒されるヒドロシリル
化反応により硬化可能ないずれのポリオルガノシロキサ
ンでもよい。成分Aの粘度は、液体から圧力の作用下で
のみ流動する高粘性ガムまでの範囲に及ぶことができ
る。成分Aに存在するエチレン列不飽和炭化水素基のう
ちの二つは、分子の末端位置にジメチルビニルシロキシ
基、メチルフェニルビニルシロキシ基又はジメチル−1
−ヘキセニル基の形で位置する。
【0091】硬化性組成物が液体又はペースト状物質で
ある場合には、成分Aの粘度は好ましくは1〜500Pa
・s である。この種のポリマーはよく知られており、商
業的に入手可能である。成分Aは、ジオルガノシロキサ
ン単位及び末端のトリオルガノシロキシ基のほかに、1
分子当りに1又は2以上のモノオルガノシロキサン単位
を有することができ、その結果としてポリマー分子は枝
分れすることができる。この種のポリマーは、1966
年11月8日発行のNelsonの米国特許第3284
406号明細書に記載されている。
【0092】あるいはまた、成分Aは、25℃での粘度
が最高で1000Pa・s まで又はそれよりも高い、当該
技術分野でガムとして知られる半固体のポリジオルガノ
シロキサンでもよい。この種のポリジオルガノシロキサ
ンを含有している硬化性組成物は典型的に、ゴム用の2
もしくは3本ロール機又はドウ型ミキサーを使って成分
を高剪断作用下でブレンドして調製される。
【0093】驚くべきことに、本発明のマイクロカプセ
ル化されたヒドロシリル化触媒はこれらの高コンシステ
ンシーのオルガノシロキサン組成物を加工処理するのに
用いられる条件下では破裂又は崩壊しないことが見いだ
された。従ってこれらの触媒は、通常の配合方法を使用
してこの種の硬化性組成物に混入することができる。
【0094】成分Aは、この成分のエチレン列不飽和炭
化水素基とオルガノ水素シロキサン(成分B)のケイ素
と結合した水素原子とのヒドロシリル化反応によって硬
化する。本発明の典型的な硬化性組成物では、1分子当
り平均して少なくとも二つのエチレン列不飽和炭化水素
基を含有する1又は2種以上のポリジオルガノシロキサ
ンが、1分子当りに平均して少なくとも三つのケイ素結
合水素原子のある比較的低分子量の液体オルガノ水素シ
ロキサンと反応する。
【0095】成分A及びBのケイ素原子に結合した有機
基を構成する、ケイ素に結合した炭化水素基又は置換炭
化水素基は、炭素原子を1個から20個まであるいはそ
れ以上有する一価の未置換の又は置換された炭化水素基
である。ハロゲン原子が好ましい置換基である。好まし
くは、これらの炭化水素基は低級アルキル基、フェニル
基、あるいは例えば3,3,3−トリフルオロプロピル
基のようなペルフルオロアルキルエチル基であって、こ
れらが好ましいのは成分A及びBを調製するために用い
られる中間体の入手のしやすさに基づくものである。最
も好ましくは、成分A及びBの反復単位のうちの少なく
とも一部分はケイ素に結合したメチル基を有する。
【0096】成分Bは、ケイ素原子を1分子当りに4個
程度から平均して20個又はそれ以上まで含み、そして
好ましくは25℃で最高10Pa・s までの粘度を示す。
成分Bは式HSiO1.5 、RHSiO及び/又はR2
SiO0.5 の反復単位を含む。この成分の分子はまた、
ケイ素に結合した水素原子を持たない1又は2以上のモ
ノオルガノシロキサン単位、ジオルガノシロキサン単
位、トリオルガノシロキシ単位及びSiO4/2 単位を含
むこともできる。これらの式中のRは、先に定義された
ように一価の炭化水素基である。
【0097】あるいはまた、成分Bは、式RHSiOの
オルガノ水素シロキサン単位を少なくとも四つ有する環
式化合物又は式HR2 SiO(HRSiO)a SiR2
Hの化合物(この式のaは少なくとも1である)でよ
い。
【0098】最も好ましくは、Rはメチル基であって、
成分Bは、末端にトリメチルシロキシ基のある線状のポ
リメチル水素シロキサン、又は1分子当りに平均して5
〜約50の反復単位があってそのうちの30〜100%
がメチル水素シロキサン単位であるジメチルシロキサン
/メチル水素シロキサンコポリマーである。
【0099】成分Aと成分Bの分子量は、これらの成分
におけるケイ素と結合した水素原子及びエチレン列不飽
和炭化水素基の数及び分布と共に、硬化生成物における
架橋結合の位置を決定し、そして硬化生成物はガラス様
の樹脂からエラストマーないしゲルまでの範囲に及ぶこ
とができる。
【0100】単位体積当りの架橋結合の濃度は、しばし
ば架橋密度と呼ばれ、そして硬化エラストマーの一定の
物理的性質、詳しく言うと硬さ、引張強さ及び伸びを決
定する。物理的性質の所望の組み合わせをもたらす、1
又は2種以上のポリジオルガノシロキサンと1又は2種
以上の硬化剤との特定の組み合わせは、本発明の知識を
用いて日常的な実験によりたやすく決めることができ
る。
【0101】成分Aに存在しているビニル基あるいは他
のエチレン列不飽和炭化水素基に対するオルガノ水素シ
ロキサンのケイ素に結合した水素原子のモル比は、当該
組成物から得られるエラストマー又は他の硬化物質の性
質を決定するのに主要な因子である。反応混合物中に存
在している全部のケイ素結合水素原子と全部のビニル基
又は他のエチレン列不飽和炭化水素基とを完全に反応さ
せるのは往々にして困難であるため、硬化性組成物中の
これらの種の一方を化学量論的に過剰とするのが望まし
い。ビニル基又は他のエチレン列不飽和炭化水素基当り
1.0〜1.6のケイ素結合水素原子という比率が、物
理的性質の最適の組み合わせをもたらすことが分かって
いる。所定の組成物について好ましい比は、少なくとも
一部分は、成分Aの平均分子量と硬化剤の種類とによっ
て決定されよう。
【0102】本発明の組成物のコンシステンシーは、流
動性の液体から半固体のペーストまで、ないし高剪断作
用下でのみ流動する高コンシステンシーのガムまでの範
囲のいろいろなものでよい。これらの組成物は、前述の
成分のほかに、補強用又は非補強用の充填剤、これらの
充填剤のための処理剤、顔料、加工助剤、安定剤及び難
燃剤を含めて、他の添加剤を含有することができる。と
は言うものの、添加剤は上記のものには限定されない。
これらの添加剤のうちのあるものは好ましい白金含有ヒ
ドロシリル化触媒を含有してなる硬化性オルガノシロキ
サン組成物及び硬化したオルガノシロキサン組成物の光
学的透明性を低下させる、ということを理解すべきであ
る。
【0103】本発明の硬化性組成物に存在しているマイ
クロカプセル化された硬化触媒の量は、成分Aと成分B
との反応を促進するのに十分な量がある限りは典型的に
制限されない。本発明のマイクロカプセル化された触媒
の粒度が小さいために、硬化性組成物100万部当り、
白金族金属を基準にして1重量部以下程度の少量に相当
する触媒濃度を使用してなお均一に硬化した生成物を得
ることが可能である。
【0104】一部の用途については、知られている白金
触媒抑制剤の一つを本発明の硬化性オルガノシロキサン
組成物に加えて組成物の硬化プロフィルを変えることが
望ましいことがある。アルキノール型の白金触媒抑制剤
が硬化性組成物の重量を基準にして約100〜約500
ppm 存在していると、トルク流動計を使って測定される
硬化反応の開始前の誘導期が長くなり、同時に組成物の
完全な硬化のために必要とされる時間が減少する、とい
うことが分かっている。
【0105】
【実施例】以下に掲げる例は、本発明のマイクロカプセ
ル化された硬化触媒、これらの触媒を調製するための方
法、及びマイクロカプセル化硬化触媒を含有してなる一
液型の貯蔵安定性の硬化性オルガノシロキサン組成物
の、好ましい態様を説明する。これらの例は、特許請求
の範囲に明示された本発明の範囲を限定するものと解釈
すべきものではない。別段の記載がない限りは、部数と
百分率は全て重量によるものであり、粘度は全て25℃
で測定された。また以下に掲げる式において、Meはメ
チル基を表し、Phはフェニル基を表す。
【0106】例1 プロパルギルシアノアセテートを調製するため、1.6
部のプロパルギルアルコールと1部のシアノ酢酸を4.
7部のクロロホルムに溶解させた。硫酸の98重量%水
溶液を触媒として0.2部加えて、その結果得られた混
合物を61℃の温度で5.5時間加熱した。粗エステル
を水で洗浄した。揮発性物質を減圧を利用して除去し
た。式N≡CCH2 C(O)OCH2 C≡CHで表され
るエステルを71%の収率で単離した。
【0107】例2 クネベナゲル縮合を次に述べるようにして行った。1
5.5g(0.126モル)のプロパルギルシアノアセ
テートを開放フラスコ中の40ccのジオキサンにかき混
ぜながら溶解させた。次いでこの反応混合物に等モル量
(16.6g)のシンナムアルデヒドを加え、そしてフ
ラスコを氷水混合物でもって冷却した。次に、反応触媒
として0.4ccのピペリジンを約10分間にわたり静か
に加えた。約5分で黄色の固形物が沈殿した。混合物を
簡単にかき混ぜ、次いで周囲条件下に3.5時間とどま
らせ、それから固形分をろ過により分離して水で洗浄し
た。133℃で融解する粗生成物が91%の収率で得ら
れた。この物質をトルエンから再結晶させて138℃で
融解する生成物を得た。
【0108】この再結晶化合物の赤外スペクトル及びプ
ロトン核磁気共鳴スペクトルは、C≡CH,C≡N,C
≡C,C=O,−COO,CH2 C≡C及びC=C−C
=Cの極大特性を示し、次の式(2a)に相当する予期
された生成物PCPPDと一致した。 PhCH=CHCH=C(CN)C(O)OCH2 C≡CH (2a)
【0109】シンナムアルデヒドを等モル量のナフトア
ルデヒドと取替えて、ナフトアルデヒドを使用する対応
する縮合生成物を調製した。この生成物は116℃で融
解した。またこの生成物を2bと称することにする。こ
の生成物についての式は、Ph基が1−ナフチル基で置
換されていることを除いて2aと同じである。
【0110】例3 加熱トルエン中にPCPPDを16.7%溶解した溶液
を、トルエンの重量を基準にして0.004重量%の白
金に相当する量の白金ヒドロシリル化触媒と一緒にし
た。この触媒は、ヘキサクロロ白金酸とsym−テトラ
メチルジビニルジシロキサンとの反応生成物であって、
これを白金含有量を4.2重量%にするのに十分な量
の、末端にジメチルビニルシロキシ基のある液体ポリジ
メチルシロキサンで希釈したものを用いた。得られた溶
液を70〜75℃の温度に加熱し、この時にPCPPD
のC≡C基に対するケイ素結合水素原子のモル比が1:
1となるのに相当する量の1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン(TMDS)を反応混合物に一滴ずつ加
えた。
【0111】結果として得られた反応混合物の加熱を、
TMDSの添加を完了してから更に4時間続け、その時
に反応混合物からトルエンを減圧下に除去して、所望の
PCPPD/TMDS反応生成物を78℃の融点を示す
黄色固体として得た。この生成物の赤外吸収スペクトル
はC≡N,C=O,≡Si−O−Si≡及び−CH=C
H−CH=CH−原子団の極大特性を示し、式(1a)
に相当する化合物に一致した。
【0112】 (PhCH=CHCH=C(CN)C(O)OCH2CH =CHSiMe2)2O (1a) この式のPhはフェニル基を表し、Meはメチル基を表
す。
【0113】オルガノシロキサン化合物1aを調製する
のに用いた同じ手順を使用するが、但しプロパルギルエ
ステル2aを等モル量のプロパルギルエステル2bと取
替えて、PhCH=CHが1−ナフチル基で置換された
式(1a)に対応するオルガノシロキサン化合物のナフ
トアルデヒド誘導体を調製した。
【0114】(1)この例の前の部分で説明した通りに
調製した1aのオルガノシロキサン化合物1部、1bの
オルガノシロキサン化合物1部、又は1aの化合物0.
6部と1bの化合物0.4部とを含む混合物、そして
(2)白金金属を4重量%含有している、ヘキサクロロ
白金酸とsym−テトラメチルジビニルジシロキサンと
の配位錯体0.6部を、(3)1部のアセトンに溶解さ
せて、溶液を調製した。
【0115】その結果得られた溶液のおのおのをトレー
に注ぎ入れて、厚さ4mmの液体の層を形成した。この液
体の表面を360nmの紫外線源の下方5インチ(5cm)
の所に配置した。この紫外線源が発する輻射のエネルギ
ー量は15mW/cm2 であった。暴露時間は2時間であっ
て、108J/cm2 の照射量に相当した。
【0116】結果として得られた褐色がかった黒色のワ
ックス状固体を顕微鏡で調べると、この固体は平均直径
0.2μmのマイクロカプセルから構成されることが示
された。
【0117】例4 例3で説明したように調製した三つのカプセル化された
白金触媒のうちの一つの1部を、(1)25℃での粘度
が約2.1Pa・s である末端にジメチルビニルシロキシ
基を持つポリジメチルシロキサン100部と、2.9部
の水と、9部のヘキサメチルジシラザンと、そして公称
表面積250m2 /gのヒュームシリカ40部とを均質
になるまでブレンドして調製した混合物の9部と三本ロ
ール機によりブレンドして、二つの触媒マスターバッチ
を調製した。
【0118】(1)1分子当りに平均して五つのメチル
水素シロキサン単位と三つのジメチルシロキサン単位が
あって、ケイ素と結合した水素原子の含有量が約0.7
〜0.8重量%の範囲内である、末端にトリメチルシロ
キシ基を含有するポリジオルガノシロキサン1.71部
と、(2)次に掲げる成分を均質になるまでブレンドし
て調製された高コンシステンシーのオルガノシロキサン
組成物200部とを、均質になるまでブレンドして高コ
ンシステンシーのオルガノシロキサン組成物(I)を調
製した。
【0119】上記の高コンシステンシーオルガノシロキ
サン組成物(2)を調製するのに用いた成分というの
は、次の通りであった。
【0120】・ 0.142モル%のメチルビニルシロ
キサン単位を含み、1.4〜1.7mmのウィリアムス可
塑度を示す、末端にジメチルビニルシロキシ基のある高
コンシステンシーのポリジメチルシロキサン68部。 ・ 公称表面積250m2 /gのヒュームシリカ26
部。
【0121】・ 約10重量%のビニル基と約16重量
%のヒドロキシル基を含み、ヒドロキシル基を末端基と
するジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポ
リマー1部、及び25℃での粘度が約0.5Pa・s であ
ってヒドロキシル基の含有量が約4.5重量%である、
ヒドロキシル基を末端基とするポリメチルフェニルシロ
キサン5部。
【0122】この例の前の部分で説明した二つの触媒マ
スターバッチのそれぞれの0.48部又は0.24部
を、本発明の硬化性組成物を生成するための高コンシス
テンシー組成物(I)の別々のバッチにブレンドして、
本発明の硬化性組成物を調製した。これらの組成物のう
ちの一部のものには、300ppm の1−エチニル−1−
シクロヘキサノール(ETCH)、すなわち公知の白金
触媒抑制剤も配合して、この添加剤が組成物の貯蔵安定
性と硬化プロフィルに及ぼす効果を測定した。
【0123】これらの組成物の硬化プロフィルは、17
0℃又は190℃の温度でトルク流動計を使って測定し
た。トルクが初期の値から増加するのに要する経過時間
と、トルクが最終の値(Tmax )の50%及び90%ま
で増加するのに要する経過時間は、表1にそれぞれt
2,t50及びt90として記録されている。
【0124】各硬化性組成物の別の分を40℃で保管し
て、各組成物の可塑度をそれを調製してから2週間後又
は4週間後に測定した。
【0125】各組成物の第三の分を170℃の温度に維
持された油圧プレス機で10分間硬化させた。これらの
試料は、圧縮永久歪を測定する前に16時間冷えるに任
せた。
【0126】貯蔵安定性及び圧縮永久歪の測定の結果は
表1に記録されている。
【0127】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/22 C08L 83/05 (72)発明者 ミン−シュン イェー アメリカ合衆国,ミシガン,ミッドラン ド,シルバン レーン 709

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次に掲げる成分A〜Cを含んでなる組成
    物、すなわち、 A.1分子当りに平均して少なくとも二つのエチレン列
    不飽和炭化水素基を持つ液体又はガム型のポリオルガノ
    シロキサン、 B.当該組成物のための硬化剤として、1分子当りにケ
    イ素に結合した水素原子を平均して少なくとも二つ有す
    るオルガノ水素シロキサン、 C.当該組成物の硬化を100℃より高い温度で、又は
    波長の範囲が200〜260nmの紫外線の存在下で促進
    するのに十分な量のマイクロカプセル化されたヒドロシ
    リル化触媒、を含んでなる組成物であって、上記硬化剤
    の濃度は当該組成物を硬化させるのに十分なものであ
    り、上記ポリオルガノシロキサン(A)の1分子当りの
    エチレン列不飽和炭化水素基の平均の数と上記硬化剤
    (B)の各分子中のケイ素と結合した水素原子の平均の
    数との合計は4より大きく、上記触媒は少なくとも1種
    の架橋したオルガノシロキサン化合物のマトリックス又
    は層の中にマイクロカプセル化されていて、架橋してい
    ない当該オルガノシロキサン化合物は次式 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2CH =CH−SiR1 a O (3-a/2) の単位を少なくとも二つ含み、この式の各R1 は未置換
    の一価炭化水素基及び置換された一価炭化水素基からな
    る群から個々に選択され、R2 はアリール基、アルコキ
    シアリール基又はアルカリール基を表し、R3 は−C≡
    N又は−C(O)OR4 であって、R4 は水素又は未置
    換の一価の炭化水素基であり、aは0,1又は2であ
    り、そしてnは、R2 がナフチル基を表す場合だけは0
    であることができることを条件に、0又は正の整数であ
    って、このオルガノシロキサン化合物は波長範囲300
    〜400nmの紫外線への暴露によって架橋されている、
    一液型の、貯蔵安定性の、熱硬化性オルガノシロキサン
    組成物。
  2. 【請求項2】 当該組成物の硬化プロフィルを変えるの
    に十分な量の白金触媒抑制剤を含有してなる、請求項1
    記載の組成物。
  3. 【請求項3】 下記の式の単位 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2CH =CH−SiR1 a O (3-a/2) (この式中、各R1 は未置換の一価の炭化水素基及び置
    換された一価の炭化水素基からなる群から個々に選択さ
    れ、R2 はアリール基、アルコキシアリール基又はアル
    カリール基を表し、R3 は−C≡N又は−C(O)OR
    4 であって、R4は水素又は未置換の一価の炭化水素基
    であり、aは0,1又は2であり、そしてnは、R2
    ナフチル基を表す場合だけは0であることができること
    を条件に、0又は正の整数である)を少なくとも二つ含
    む少なくとも1種の架橋したオルガノシロキサン化合物
    の層又はマトリックスの中にあるヒドロシリル化触媒か
    ら本質的になり、上記オルガノシロキサン化合物が波長
    範囲300〜400nmの紫外線への暴露によって架橋さ
    れている、マイクロカプセル化されたヒドロシリル化触
    媒組成物。
  4. 【請求項4】 次の一連の工程1)及び2)、すなわ
    ち、 1)少なくとも1種の光架橋性オルガノシロキサン化合
    物、可溶化されたヒドロシリル化触媒及び揮発性溶媒か
    ら本質的になる溶液を十分な時間300〜400nmの波
    長範囲内の紫外線にさらして、上記の化合物を架橋させ
    そして上記の溶媒の実質上全てを蒸発させる工程、 2)マイクロカプセル化された触媒を単離する工程、を
    含み、上記オルガノシロキサン化合物が次式の単位 R2(CH=CH) n −CH=CR3C(O)OCH2CH =CH−SiR1 a O (3-a/2) (この式の各R1 は未置換の一価の炭化水素基及び置換
    された一価の炭化水素基からなる群から個々に選択さ
    れ、R2 はアリール基、アルコキシアリール基又はアル
    カリール基を表し、R3 は−C≡N又は−C(O)OR
    4 であって、R4 は水素又は未置換の一価の炭化水素基
    であり、aは0,1又は2であり、そしてnは、R2
    ナフチル基を表す場合だけは0であることができること
    を条件に、0又は正の整数である)を少なくとも二つ含
    んでなる、マイクロカプセル化されたヒドロシリル化触
    媒の調製方法。
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