JP2021055007A - 1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
半導体パッケージの熱対策として、付加硬化型の放熱グリースが提案されている(特許文献13)。付加硬化型としては、1液型組成物、2液型組成物が存在するが、混合の煩雑さ等の作業性の面から1液型組成物が好まれる。しかし1液型組成物の場合、冷凍もしくは冷蔵保存が必須となり、製品管理が困難である。また硬化させる際には、塗布後に電子装置を一定時間加熱する必要があるため工程の煩雑化・長期化による生産効率の低下を招いてしまう。更に加熱工程による環境負荷の増加という課題も存在する。さらに加熱が不要であったとしても塗布厚みが2mmを超えるような場合にはその硬化が不十分となる。
(A)1分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンシロキサンであって、非末端ケイ素原子結合水素原子を1分子中に平均で1以上100個未満有するオルガノハイドロジェンシロキサン:(B)成分中のケイ素原子結合水素原子基の個数/(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数が、0.1〜10.0になる量、
(C)平均粒径が0.01〜200μmである無機充填材:400〜8,000質量部、及び、
(D)白金系触媒を白金金属原子として0.01質量%以上含有し、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を含む3次元架橋した有機ポリマーであって、該有機ポリマーの粒子の平均粒径が0.1〜200μmであり、該有機ポリマーのガラス転移温度が40〜150℃である微粒子触媒:0.01〜20質量部
を含む1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物。
<2>
(D)成分の3次元架橋した有機ポリマーが、アミノ基、シアノ基、イミド基、マレイミド基、チオール基、ジスルフィド基、チオエーテル基、エピスルフィド基、ホスフィニル基又はホスホニル基を有するものである<1>に記載の1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物。
<3>
(A)、(B)及び(C)成分を混合し、加熱処理した後に(D)成分を添加し、混合する工程を有する<1>又は<2>に記載の1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
なお、本明細書において、下記各成分の粘度はB型回転粘度計で測定した25℃における値であり、下記組成物の粘度はスパイラル粘度計で測定した25℃における値である。
(A)成分は1分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサンであり、該オルガノポリシロキサンは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これは、1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物(以下、単にシリコーン組成物と記載する場合がある。)の主剤であり、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均して、少なくとも1個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個有するものである。
R1 mR2 nSiO(4-m-n)/2 (1)
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、R2は独立にアルケニル基を表し、mは、通常0.7〜2.2、好ましくは1.8〜2.1、より好ましくは1.95〜2.0の正数であり、nは、通常0.0001〜0.2、好ましくは0.0005〜0.1、より好ましくは0.01〜0.05の正数であり、但し、m+nは、通常0.8〜2.3、好ましくは1.9〜2.2、より好ましくは1.98〜2.05の正数である。)
(B)成分は、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンシロキサンであって、非末端ケイ素原子結合水素原子を1分子中に平均で1以上100個未満有するオルガノハイドロジェンシロキサンであり、(B)成分中のケイ素原子結合水素原子基の個数/(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数が、0.1〜10.0になる量の1分子中に平均2個以上、好ましくは3個以上のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有するものである。(B)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、環状、又は三次元網状構造のいずれのものであってもよいが、下記平均組成式(2)で示されるものを用いることができる。
R3 pHqSiO(4-p-q)/2 (2)
(式中、R3は脂肪族不飽和炭化水素基を除く、非置換又は置換の一価炭化水素基である。またpは0〜3.0、好ましくは0.7〜2.1、qは0.0001〜3.0、好ましくは0.001〜1.0で、かつp+qは0.5〜3.0、好ましくは0.8〜3.0を満足する正数である。)
また、(B)成分のオルガノハイドロジェンシロキサンは、1分子中のケイ素原子数(又は重合度)が平均で1以上100個未満、3〜75個であることが好ましい。
(C)成分の無機充填材は、シリコーン組成物の熱伝導率を向上させるための成分である。(C)成分の無機充填材は平均粒径0.1〜200μmの熱伝導性無機充填材である。
なお、酸化アルミニウムは絶縁材料であり、工業的に広範囲な粒径の品種が選択可能であり、資源的に入手が容易であり、比較的安価で入手可能であることから、熱伝導性無機充填材として好適である。
(D)成分の微粒子触媒は、ヒドロシリル化反応を促進し、本発明の組成物を硬化させるための触媒である。前記微粒子触媒は、白金系触媒を白金金属原子として0.01質量%以上含有し、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を含む3次元架橋した有機ポリマーである。この微粒子触媒の平均粒径は0.1〜200μmであり、好ましくは0.2〜75μmであり、特に好ましくは0.5〜50μmである。平均粒径が0.1μm未満である微粒子触媒を製造することは困難である。また、200μmを超える微粒子触媒は、組成物中に均一に混練しようとすると、微粒子触媒のマイクロカプセルが破壊され、得られる組成物の硬化性が不均一となる場合がある。
この白金系触媒としては、例えば、白金微粉末、白金黒、白金坦持シリカ微粉末、白金坦持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液及び白金錯体等が挙げられる。
粘度が0.1mPa・s未満であると、得られるシリコーン組成物の保存安定性が低下し、長期の保存性に欠けるおそれがある。また、粘度が20,000mPa・sを超えると、得られるシリコーン組成物は、著しく塗布性能が低下し、作業性が劣ったものとなるおそれがある。
(E)成分は取扱作業性を向上するために下記に示す硬化制御剤(即ち、ヒドロシリル化反応制御剤)を添加してもよい。このような(E)成分としては、例えば、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニルシクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン,3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロトトラシロキサン、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、ホスフィン類、メルカプタン類、ヒドラジン類等が挙げられる。これらの硬化抑制剤の含有量は、本発明の組成物の硬化条件に依る。例えば、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0〜5質量部であり、好ましくは0.01〜3質量部であり、特に好ましくは0.1〜2質量部である。これは(E)成分が前記範囲の上限値を超えると、硬化までに不必要な時間がかかるおそれがある。
本発明のシリコーン組成物には、熱硬化前の粘度を低下させるため、さらに(F)成分として加水分解性オルガノポリシロキサンを含有することができる。(F)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。(F)成分は、本発明の1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物を得るために、(C)成分をシリコーン組成物に高充填しても、シリコーン組成物の流動性を保ち、この組成物に良好な取り扱い性を付与する役割も兼ね備えている。(F)成分としては、下記式(4)で表される3官能の加水分解性オルガノポリシロキサンが好ましい。
a、bは上記の通りであるが、好ましくはa+bが10〜50であり、cは5〜100の数であり、好ましくは10〜50である。gは1〜3の数であり、好ましくは3である。なお、1分子中にOR7基は1〜6個、特に3又は6個有することが好ましい。
本発明のシリコーン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(F)成分以外の任意の成分として、充填材、接着付与剤等を配合することができる。
該充填材は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。充填材としては、例えば、ウォラストナイト;タルク;硫酸カルシウム;炭酸マグネシウム;カオリン等のクレー;バライト;マラカイト等の炭酸銅;ザラカイト等の炭酸ニッケル;ウィザライト等の炭酸バリウム;ストロンチアナイト等の炭酸ストロンチウム;フォーステライト、シリマナイト、ムライト、パイロフィライト、カオリナイト、バーミキュライト等のケイ酸塩;ケイ藻土等の非補強性の充填材;これらの充填材の表面を有機ケイ素化合物で処理したもの等が挙げられる。
(シリコーン組成物)
本発明のシリコーン組成物を製造する場合は、(A)、(B)及び(C)成分と、場合によりその他成分とを加えて、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリミキサー(何れも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機を用いて混合して混合物を得た後、最後に(D)成分を添加する。該混合物は、必要であれば60〜170℃に加熱してもよいが、(D)成分を添加前に、該混合物を40℃未満に冷却してから(D)成分を添加することが好ましい。40℃より高温で添加した場合に、保存安定性向上に有効な3次元架橋した有機ポリマーからの白金触媒の染み出しが発生し、有効な高温保存安定性が得られないおそれがある。
塩化白金酸H2PtCl6・6H2O(白金37.6質量%含有)8.0gを還流コンデンサー、温度計及び撹拌装置を取り付けた100mLの反応フラスコに入れ、次いでエタノールを40.0g及びジビニルテトラメチルジシロキサンを16.0g加えた。70℃で50時間加熱反応させた後、反応混合物を室温にて撹拌しながら炭酸水素ナトリウム16gを徐々に加えて2時間中和した。反応混合物を吸引濾過し、濾液を減圧留去し、エタノール及び過剰のジビニルテトラメチルジシロキサンを実質的に取り除いた後、トルエンで希釈し、全量を600gとした(白金0.5質量%含有)得られた白金−ビニルシロキサン錯体トルエン溶液に290gの粘度100mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを加えて撹拌し、トルエンを60℃/20torrで減圧留去し、実質的にトルエンを取り除いたものを白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとした(白金1.0質量%含有)。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gにヘキサメチレンジイソシアネート20gを分散し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(1)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(1)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(1)を調製した。この分散液(1)にヘキサメチレンジアミン14gを添加して2時間撹拌して、白金錯体−ビニルシロキサン組成物と水相との界面でヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジアミンの重合反応を進め、白金錯体−ポリウレア壁マイクロカプセル触媒を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は100μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gに3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート((株)ダイセル社製)15gを溶解し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(2)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(2)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(2)を調製した。この分散液(2)にJEFFAMINE D230(ハンツマン社製)14gを添加して2時間撹拌して、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(2)と水相との界面でエポキシとアミンの重合反応を進め、白金錯体−アミン硬化エポキシ壁マイクロカプセル触媒を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は90μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gに2−シアノブチルアクリレート(東京化成工業(株)社製)30g、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.30gを分散し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(3)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(3)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(3)を調製し、(O/O)/W型エマルションを得た。該(O/O)/W型エマルションに、波長365nmのUV−LEDから1時間紫外線を照射した。これを24時間遮光下で静置した後に上澄みをデカンテーションし、沈殿物をイオン交換水、イオン交換水/エタノール=50/50(質量比)、エタノール、エタノール/トルエン=50/50(質量比)、トルエンの順で洗浄・遠心分離し、凍結乾燥を3時間行なうことで、白色粉末状の白金錯体−シアノブチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒90g(収率=50%)を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は110μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gに2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(共栄社化学(株)社製)30g、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.30gを分散し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(4)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(4)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(4)を調製し、(O/O)/W型エマルションを得た。該(O/O)/W型エマルションに、波長365nmのUV−LEDから1時間紫外線を照射した。これを24時間遮光下で静置した後に上澄みをデカンテーションし、沈殿物をイオン交換水、イオン交換水/エタノール=50/50(質量比)、エタノール、エタノール/トルエン=50/50(質量比)、トルエンの順で洗浄・遠心分離し、凍結乾燥を3時間行なうことで、白色粉末状の白金錯体−ホスフェート基含有アクリレート壁マイクロカプセル触媒90g(収率=50%)を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は130μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gにメチルメタクリレート(共栄社化学(株)社製)26.2g、ブチルメタクリレート(共栄社化学(株)社製)3.8g、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.30gを分散し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(5)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(5)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(5)を調製し、(O/O)/W型エマルションを得た。該(O/O)/W型エマルションに、波長365nmのUV−LEDから1時間紫外線を照射した。これを24時間遮光下で静置した後に上澄みをデカンテーションし、沈殿物をイオン交換水、イオン交換水/エタノール=50/50(質量比)、エタノール、エタノール/トルエン=50/50(質量比)、トルエンの順で洗浄・遠心分離し、凍結乾燥を3時間行なうことで、白色粉末状の白金錯体−メチル・ブチルメタクリレート壁マイクロカプセル触媒90g(収率=50%)を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は100μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gに2−シアノメチルアクリレート(東京化成工業(株)社製)30g、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.30gを分散し、白金錯体−ビニルシロキサン組成物(6)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(6)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(6)を調製し、(O/O)/W型エマルションを得た。該(O/O)/W型エマルションに、波長365nmのUV−LEDから1時間紫外線を照射した。これを24時間遮光下で静置した後に上澄みをデカンテーションし、沈殿物をイオン交換水、イオン交換水/エタノール=50/50(質量比)、エタノール、エタノール/トルエン=50/50(質量比)、トルエンの順で洗浄・遠心分離し、凍結乾燥を3時間行なうことで、白色粉末状の白金錯体−シアノメチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒90g(収率=50%)を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は110μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ガラス転移温度が高い為にスリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認されなかった。
合成例1で得られた白金触媒−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(白金1.0質量%含有)150gに2−シアノエチルアクリレート(東京化成工業(株)社製)30g、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド0.30gを分散し、この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(7)を得た。この白金錯体−ビニルシロキサン組成物(7)をポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度88%)7.5gを含有する水溶液750g中に撹拌下で分散させ、粒径が平均100μmになるように分散液(7)を調製し、(O/O)/W型エマルションを得た。該(O/O)/W型エマルションに、波長365nmのUV−LEDから1時間紫外線を照射した。これを24時間遮光下で静置した後に上澄みをデカンテーションし、沈殿物をイオン交換水、イオン交換水/エタノール=50/50(質量比)、エタノール、エタノール/トルエン=50/50(質量比)、トルエンの順で洗浄・遠心分離し、凍結乾燥を3時間行なうことで、白色粉末状の白金錯体−シアノエチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒90g(収率=50%)を得た。
なお、このマイクロカプセル触媒の平均粒径は110μmで、肉眼でその存在を確認することができた。このマイクロカプセル触媒をスリガラス上に塗布し、150℃で2時間の熱処理後に光学顕微鏡で観察したところ、ビニルシロキサンの熱膨張によりマイクロカプセルが破壊され、スリガラス上にビニルシロキサンの染み出しが確認された。
A−1:粘度600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン
C−1:酸化亜鉛粉末(平均粒径1μm)酸化亜鉛2種 三井金属鉱業(株)
C−2:アルミナ粉末(平均粒径10μm)(株)電気化学工業 DAW−10
(無機充填材の平均粒径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXにより測定した、体積基準の累積平均径である。)
D−1:合成例1
白金錯体−分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(25℃で液体)
D−2:合成例2
白金錯体−ポリウレア壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:100μm、ガラス転移温度:80℃)
D−3:合成例3
白金錯体−アミン硬化エポキシ壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:90μm、ガラス転移温度:100℃)
D−4:合成例4
白金錯体−シアノブチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:110μm、ガラス転移温度:110℃)
D−5:合成例5
白金錯体−ホスフェート基含有アクリレート壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:130μm、ガラス転移温度:65℃)
D−6:合成例6
白金錯体−メチル・ブチルメタクリレート壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:100μm、ガラス転移温度:75℃)
D−7:合成例7
白金錯体−シアノメチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:110μm、ガラス転移温度:160℃)
D−8:合成例8
白金錯体−シアノエチルアクリレート壁マイクロカプセル触媒(平均粒径:110μm、ガラス転移温度:5℃)
E−1:2−メチル−3−ブチン−2−オール
室温で(A)、(B)、(F)、(E)及び/又は(C)成分を配合後、混合機を用いて30分混合して混合物を得た後に、該混合物を170℃で180分加熱し、(D)成分を添加前に、該混合物を40℃未満に冷却してから(D)成分を添加し、30分混合して、1液硬化型熱伝導組成物を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜5の各組成物を150℃で2時間硬化し、得られた硬化物について、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて、25℃における熱伝導率を測定した。
内蓋つき高密度ポリエチレン製の容器にシリコーン組成物を600℃で1ヵ月間保管して、長期保管加速試験用のサンプルとした。これの粘度を測定し、熱処理前の初期値と比較して、50%未満の粘度増加であれば保存性“〇”、50%以上の粘度増加であれば保存性“×”とした。
上記方法で調製した1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物をガラス板上に0.15ml塗布して、1mmのスペーサーを挿入しガラス板で挟んで直径15mm/厚さ1mmの円盤状のサンプルを作製した。このサンプルを150℃で2時間硬化して1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物を硬化させた。
このガラス板に挟んだ円盤状のサンプルを垂直状態になるように配置して、−40℃/30分と、150℃/30分とのサイクルを250回繰り返し、冷熱試験を行った。
円盤状のサンプルがもとのガラス板の位置からズレている場合は“ズレ有り”として、直径0.5mm以上の気泡やひび割れが発生している場合は、“割れ有り”とした。
Claims (3)
- (A)1分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を有し、25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する直鎖状オルガノハイドロジェンシロキサンであって、非末端ケイ素原子結合水素原子を1分子中に平均で1以上100個未満有するオルガノハイドロジェンシロキサン:(B)成分中のケイ素原子結合水素原子基の個数/(A)成分中の脂肪族不飽和炭化水素基の個数が、0.1〜10.0になる量、
(C)平均粒径が0.01〜200μmである無機充填材:400〜8,000質量部、及び、
(D)白金系触媒を白金金属原子として0.01質量%以上含有し、窒素原子、硫黄原子又はリン原子を含む3次元架橋した有機ポリマーであって、該有機ポリマーの粒子の平均粒径が0.1〜200μmであり、該有機ポリマーのガラス転移温度が40〜150℃である微粒子触媒:0.01〜20質量部
を含む1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物。 - (D)成分の3次元架橋した有機ポリマーが、アミノ基、シアノ基、イミド基、マレイミド基、チオール基、ジスルフィド基、チオエーテル基、エピスルフィド基、ホスフィニル基又はホスホニル基を有するものである請求項1に記載の1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物。
- (A)、(B)及び(C)成分を混合し、加熱処理した後に(D)成分を添加し、混合する工程を有する請求項1又は2に記載の1液硬化型熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
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2019
- 2019-10-01 JP JP2019181408A patent/JP2021055007A/ja active Pending
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