JPH052714A - 複合磁気ヘツド - Google Patents

複合磁気ヘツド

Info

Publication number
JPH052714A
JPH052714A JP19744091A JP19744091A JPH052714A JP H052714 A JPH052714 A JP H052714A JP 19744091 A JP19744091 A JP 19744091A JP 19744091 A JP19744091 A JP 19744091A JP H052714 A JPH052714 A JP H052714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
gap
magnetic head
thin film
soft magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19744091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2798315B2 (ja
Inventor
Tatsuya Isomura
竜矢 磯村
Osamu Shimizu
治 清水
Satoshi Yoshida
敏 吉田
Kanji Nakanishi
寛次 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3197440A priority Critical patent/JP2798315B2/ja
Publication of JPH052714A publication Critical patent/JPH052714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2798315B2 publication Critical patent/JP2798315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】酸化物磁性材料から成るコアブロック上に反応
防止層を介して軟磁性薄膜を形成した一対の磁気コア半
体を軟磁性薄膜相互の先端部の間に磁気ギャップが形成
されるように突き合わせて成る複合磁気ヘッドにおい
て、磁気ギャップの、磁気記録媒体の進行方向長さであ
るギャップ長をa、磁気記録媒体面と直角方向のギャッ
プ深さをc、磁気記録媒体のトラック幅方向のギャップ
幅をdとし、且つ反応防止層の厚みをbとして、式 bcd/a≦0.2×10-10m2 で規定される各寸法を有することを特徴とする複合磁気
ヘッド。 【効果】この複合磁気ヘッドは、反応防止層の厚みを磁
気ギャップの各ディメンションに対応させ自由度をもた
せて定めることができ、磁気ギャップのディメンション
が異なる種々の用途の複合磁気ヘッドにおいて再生信号
に含まれるうねり信号の大きさを実用上差支えない値で
ある1dB以下に容易に押さえることができるので、再生
品質が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合磁気ヘッドに関
し、更に詳しくは酸化物磁性材料から成るコア上に軟磁
性薄膜を形成させた磁気コア半体を突き合わせて成る複
合磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術】近年ビデオテ―プレコ―ダ(VTR) 、ハ―ド
ディスク装置(HDD) 或いはフロッピ―ディスク装置(FD
D) 等の磁気記録の分野においては、記録信号の高密度
化が進み、このため磁気記録媒体の磁性材料として高い
抗磁力と残留磁束密度とを有する硬磁性材料が使用され
ている。従ってこの磁気記録媒体上に磁気記録信号を書
き込むべき磁気ヘッドに使用する軟磁性材料も従来にも
増して高い飽和磁束密度及び高透磁率を有する軟磁性材
料が必要となってきた。
【0003】このため従来使用されていた飽和磁束密度
の低いフェライト磁気ヘッドに代えて、フェライト等の
酸化物磁性材料から成るコアブロック上に高飽和磁束密
度の金属磁性材料から成る薄膜を付着させた形式の磁気
コアを有する高飽和磁束密度及び高透磁率の双方を満足
する複合磁気ヘッドが使用されるようになってきた。
【0004】ところがこのメタル−イン−ギャップ(MI
G)ヘッドとも呼ばれる複合磁気ヘッドの場合、フェライ
トコアと金属軟磁性材料から成る薄膜との境界面におい
て、磁気ヘッドの製造工程において不可欠な軟磁性膜の
結晶化熱処理やガラス融着工程等の高温加熱時に反応層
(ないし拡散層)が形成され、この反応層においては軟
磁性材料としての磁気特性が著しく低下してしまうの
で、正規の磁気ギャップとは別にこの反応層が擬似磁気
ギャップを形成する。
【0005】上記擬似磁気ギャップが正規の磁気ギャッ
プとほぼ平行に形成された場合、この複合磁気ヘッドが
再生用の磁気ヘッドとして使用される場合には、その擬
似ギャップが再生信号の品質を低下させる。即ち、この
再生信号は、擬似磁気ギャップから生ずる擬似信号との
干渉に基づき図5に示す如き山と谷が交互に表われる周
波数特性を有する信号となる。このうねり(うなり)の
大きさは、同図の周波数特性において山と谷とにおける
出力信号の大きさの比(dB)として表わされるものであ
り、このうねりの大きさが1dBを越えると、もはやこの
ような再生信号出力を有する複合磁気ヘッドは磁気記録
の再生用として実用に耐えないものとなるため、上記擬
似ギャップの存在が大きな問題となる。
【0006】特開平1−100714号公報は、上記問題解決
のために双方の磁性材料の境界面にSi、Ti、Cr、Al等の
酸化物を含む反応防止層の厚みを20オングストローム〜
200オングストロームとした複合磁気ヘッドを開示して
いる。
【0007】しかし、擬似ギャップにおけるうねりの大
きさは、擬似ギャップの厚みと正規の磁気ギャップのギ
ャップ長の比の関数である旨が理論的に知られており(I
EEE論文、0018 - 9464 /84/0900-872S01.00 C 198
4)、従って擬似ギャップとして作用することとなる前記
公報の反応防止層の厚みも、この正規の磁気ギャップの
ギャップ長との関係から定める必要があるが、前記公報
の複合磁気ヘッドの場合、反応防止層の厚みを定めるに
あたって、この点についての言及はない。
【0008】本発明は、前記擬似ギャップのうねりの問
題に鑑み、複合磁気ヘッドの反応防止層の厚みについて
前記IEEE論文とは別の観点から考察し、もってうねり信
号を一定レベル以下に押さえることができる反応防止層
を備えることで良好な再生信号を得ることができる複合
磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、酸
化物磁性材料から成るコアブロック上に反応防止層を介
して軟磁性薄膜を形成した一対の磁気コア半体を軟磁性
薄膜相互の先端部の間に磁気ギャップが形成されるよう
に突き合わせて成る複合磁気ヘッドにおいて、磁気ギャ
ップの、磁気記録媒体の進行方向長さであるギャップ長
をa、磁気記録媒体面と直角方向のギャップ深さをc、
磁気記録媒体のトラック幅方向のギャップ幅をdとし、
且つ反応防止層の厚みをbとして、式 bcd/a≦0.2×10-10m2 で規定される各寸法を有することを特徴とする複合磁気
ヘッドによって達成される。
【0010】b、c及びdの夫々の好ましい範囲は、次
の通りである。 b≧2×10-9m(20オングストローム) c≦5×10-6m d≦10×10-6m 反応防止層は、擬似ギャップの作用も有するので、その
厚さbは小さいほど好ましいが、25〜30オングスト
ロームでは反応防止効果が小さくなり、20オングスト
ローム未満では反応防止効果がなくなることが多い。
【0011】軟磁性薄膜としては、Fep Zrq
r(但し、p、q、rは各々原子%を示す。)なる組成
式で示され、その組成は 0<q≦20 0<r≦22 の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除く)のもの、
及びこれと同等の磁気特性を有するものを用いることが
できる。前記軟磁性薄膜と同等の磁気特性を有するもの
としては、前記軟磁性薄膜中のFeを、Co、Ni及び
Ru等のうちの1種以上によって、例えばFeの内の3
0原子%程度まで、置き換えたものでも良い。また、Z
r又はその一部を他の元素で置き換えたものでも良い。
【0012】即ち、好ましい軟磁性薄膜は、Fep-mm
qr(但し、p、q、r、mは各々原子%を示し、M
はCo、Ru、Cr、V、Ni、Mn、Pd、Ir、P
tの少なくとも1種以上を表わし、BはZr、Hf、T
i、Nb、Ta、Mo、Wの少なくとも1種以上を表わ
す。)なる組成式で示され、その組成範囲は 0≦m/p<0.3 0<q≦20 0<r≦22 の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除く)である軟
磁性薄膜である。
【0013】本発明の知見は下記に基づく。反応防止層
を有する複合磁気ヘッドにおいてrmを正規のギャップ
の磁気抵抗、rpを反応防止層(擬似ギャップ)の磁気
抵抗、rcをその他のコア部の磁気抵抗とすると、この
複合磁気ヘッドでは、正規のギャップ及び擬似ギャップ
における夫々の信号再生効率ηm、ηpは、
【0014】
【数1】
【数2】 と表わされる。うねりBは
【0015】
【数3】 と表わされるのでこの式(3)に式(1)及び式(2)
を代入すると
【0016】
【数4】 が得られる。
【0017】擬似ギャップでは、ギャップ長が正規のギ
ャップのギャップ長に比してきわめて小さいため、その
磁気抵抗は正規のギャップの磁気抵抗に比してきわめて
小さく、rp<<rmが成立するので上記式(4)は
【0018】
【数5】 となり、この式(5)を見るとうねりBは正規のギャッ
プの磁気抵抗rmと擬似ギャップの磁気抵抗rpとの比で
定まることとなる。
【0019】正規のギャップの磁気抵抗rmは、ギャッ
プ長a、ギャップ深さc、ギャップ幅(トラック幅)
d、及びこの磁気ギャップ部のμoによって rm=μoa/cd と表わされ、一方擬似ギャップの磁気抵抗rpは、rp<<
mを考慮すると反応防止層の厚みbによって近似的に rp=kb(k=一定) と表わされるものと考えられる。これらの関係から結局
うねりBの大きさはbcd/aに比例することが得られ
ることとなる。
【0020】本発明では、上記の如き反応防止層を有す
る複合磁気ヘッドの再生信号中に発生するうねりの大き
さを定める要因が、この複合磁気ヘッドにおける前記各
部寸法a〜dによってbcd/aで表わされることに着
目し、擬似ギャップとして作用する反応防止層を備える
複合磁気ヘッドにおいて再生信号中のうねりを一定以下
(1dB以下)とするためのbcd/aの値を実験によっ
て確定し、もって反応防止層の厚みbを定めることとし
たものである。
【0021】本実験において使用した磁気ヘッドは出願
人の先願となる特願平1−204586号に開示された組成と
製造方法とにより製作された複合磁気ヘッドであり、そ
の構成としてフェライト基板としてMnZn単結晶フェライ
ト、反応防止層としてSiO2、軟磁性膜としてFe80.9Zr
6.512.6(at%)であり、温度処理は550℃である。
【0022】
【実験1】図2は実験1における測定結果を示すグラフ
であり、再生信号におけるうねり成分をbcd/aの関
数として示したものである。なお、横軸にbcd/a、
縦軸にうねりをdBで示している。この実験においてはギ
ャップ長aはa=0.2μm、反応防止層の厚みbはb=
0.01μm(100オングストローム)、トラック幅dはd=
25μmと固定してあり、cを30μm〜0まで変化させ
た。
【0023】図2において、再生信号の品質として実用
上十分な値である1dB以下のうねりを与える複合磁気ヘ
ッドのbcd/aの値として 0.2×10-102が得られ
た。
【0024】即ち、これより大きな値となるbcd/a
の範囲においては、たとえ反応防止層の厚みbが、従来
充分小さな値であると考えられていた値の100オングス
トロームであっても、1dB以上の大きなうねりを含む再
生信号を出力することとなり、実用上使用に耐えない複
合磁気ヘッドとなる。このようにbcd/aの値が0.2
×10-102以下の値の範囲である複合磁気ヘッドのみ
によって実用上十分な値である1dB以下のうねり信号を
含む再生信号を得ることができる。
【0025】例えばギャップ長aをa=0.2μm、ギャ
ップ深さcをc=20μmとしたままトラック幅dのみd
=10μmとした場合には、反応防止層の厚みbはb≦20
0オングストロームとなり、従って反応防止層の厚みb
をこの値まで大きくしてもうねりの大きさは1dB以下に
押さえられ実用上十分な再生信号が得られる。
【0026】またギャップ長aをa= 0.2μm、トラッ
ク幅dをd=25μmとしたままギャップ深さcのみc=
5μmとした場合には、反応防止層の厚みbはb≦320
オングストロームとなり、反応防止層の厚みbをこの値
まで大きくとることができる。ギャップ深さcの値はフ
ロッピーディスク駆動装置(FDD)等のように媒体上を摺
動する磁気ヘッドでは下限として10μm程度必要ではあ
るが、ハードディスク装置(HDD)の如き非摺動の磁気ヘ
ッドでは5μm以下にまで小さくすることが可能であ
り、この場合反応防止層の厚みは上記値まで大きくして
も十分に再生信号の信頼性が確保される。
【0027】上記実験1の結果の確認のため、更に同じ
組成と製造方法とで製作された複合磁気ヘッドについて
そのギャップ幅dを変えて次の実験2を行った。
【0028】
【実験2】複合磁気ヘッドの試料として、サンプル1の
グループをa=0.2μm、b=100オングストローム、c
=25μm、d=15μmの寸法で、更にサンプル2のグル
ープをa=0.2μm、b=100オングストローム、c=25
μm、d=25μmの寸法で、20個づつ製作し、これらの
複合磁気ヘッドの再生信号中に含まれるうねりを測定
し、得られたうねりの平均値及び分散を図3の如くプロ
ットとした。
【0029】図3に見る如く、bcd/aが0.19のグル
ープ1の複合磁気ヘッドにおいてほぼ1dB以下のうねり
となる良好な再生信号が得られたが、bcd/aが0.31
となるグループ2の複合磁気ヘッドによっては1dBを越
える大きなうねりを含む再生信号しか得られなかった。
【0030】上記の如くdの値を変更した場合でも bcd/a≦0.2 の複合磁気ヘッドによって再生信号中のうねりが少ない
良好な複合磁気ヘッドを得られることが確認でき、前記
実験1の結果を補強することができた。
【0031】
【好適な実施の態様】本願の先願である前記特願平1−
204586号明細書に開示された組成の各材料及び製造法が
使用できる。
【0032】例えば酸化物磁性材料としてはフェライト
を選定する。フェライトは、一般にMO・Fe2O3なる組成
を有する。ここで、Mは2価の金属イオンであり、例え
ばMn2 +、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等であるが、M
を2種以上の2価の金属イオンとすることもできる。こ
のようなフェライトとして、例えばMnZn単結晶フェライ
トがある。反応防止層としてはSiO2が使用され、スパッ
タリング等の気相析着法により上記フェライトから成る
コアブロック上に形成される。
【0033】軟磁性薄膜としては、Fep-mmq
r(但し、p、q、r、mは各々原子%を示し、MはC
o、Ru、Cr、V、Ni、Mn、Pd、Ir、Ptの
少なくとも1種以上を表わし、BはZr、Hf、Ti、
Nb、Ta、Mo、Wの少なくとも1種以上を表わ
す。)なる組成式で示され、その組成範囲は 0≦m/p<0.3 0<q≦20 0<r≦22 の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除く)である軟
磁性薄膜を用いることができる。
【0034】前記軟磁性薄膜は、Feの一部を前記特定
量の元素Mで置き換えた場合には、次のような効果を奏
する。
【0035】磁歪を元素Mの含有量に対応して正の方向
へ変化させ又は0に近い値(絶対値)に正確に調整でき
る。飽和磁束密度Bsをより一層増加させることができ
る(特にMがCoの場合)。磁歪が小さい場合にも異方
性磁界を数Oe(少なくとも2Oe程度まで)つけるこ
とができ高周波で使用する場合にも高い透磁率が得られ
る(特にMがCoの場合)。耐食性をより一層向上させ
ることができる(特にMがCr、Co、Ni、Pd、I
r、Pt及びRuの少なくとも一種以上の場合)。電気
比抵抗を高めることができるので、渦電流損失を低減で
き、高周波で使用する場合にも高い透磁率が得られる
(特にMが、V、Cr、Mnの少なくとも一種以上の場
合)。
【0036】前記組成式においてm=0で、B=Zrの
場合の軟磁性薄膜は好適なものとして用いることができ
るので、以下この場合について説明するが、Feの一部
を上記Mで置き換えたりZrの全体又はZrの一部をZ
r以外の上記Bで置き換えた場合でも、ほぼ同様の特性
を示すものと考えられる。
【0037】軟磁性薄膜は、FepZrqr(但し、p、
q、rは各々原子%を示す。)なる組成式で示される合
金が使用され、その組成は 0<q≦20 0<r≦22 の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除く)である。
【0038】好ましくは、前記組成範囲は 69≦p≦93 2≦q≦15 5.5≦r≦22 の範囲とする。
【0039】上記組成範囲を点Q、K、L、U、Mによ
り図6に示す。より好ましくは、前記組成範囲は、前記
三者の三成分組成座標系(Fe、Zr、N)において P(91、 2、 7) Q(92.5、2、 5.5) R(87、 7.5、5.5) S(73、 12、 15) T(69、 12、 19) U(69、 9、 22) V(76、 5、 19) の7点を結ぶ線分で囲まれた範囲である。この組成範囲
を点P、Q、R、S、T、U、Vにより図6に示す。
【0040】さらに好ましくは、結晶粒径が300オング
ストローム以下であり、軟磁性膜が一軸異方性を有す
る。
【0041】前記軟磁性膜の組成範囲が、0<q≦20か
つ、0<r≦22の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除
く)である場合、好ましくは、q≧0.5かつr≧0.5とす
る。q<0.5又はr<0.5の場合にはその存在による効果
が明瞭でないことがあるからである。
【0042】軟磁性層のZrが20原子%を越えるか、又
は、Nが22原子%を越える場合には、良好な軟磁性が得
られない。
【0043】前記軟磁性層の組成範囲が、69≦p≦93か
つ2≦q≦15かつ5.5≦r≦22の場合は、より良好な軟
磁性を示す。
【0044】より好ましくは、前記組成は、前記三者の
三成分組成座標系(Fe、Zr、N)において、前記特定の
点P、Q、R、S、T、U、Vの7点を結ぶ線分で囲ま
れた範囲である。この組成範囲では保磁力が特に小さい
ので、磁気ヘッドのコア材料として好適である。最も好
ましい範囲は、保磁力が1.5Oe以下(さらには1Oe以
下)を示す組成範囲である。
【0045】軟磁性層のさらに好ましい組成範囲は、 Fes(Zrt1-t100-s 77≦s≦88 0.3≦t≦0.38 で示される範囲である。この組成範囲を点W、X、Y、
Zにより図5に示す。これらの点W、X、Y、Zの座標
は、ほぼ次のとおりである。
【0046】W(88、3.6、 8.4) X(88、4.56、 7.44) Y(77、8.74、14.26 ) Z(77、6.9、 16.1) 即ち、この範囲では、Feを77〜88原子%含み、かつ、軟
磁性層中のZrの含有率q(原子%)とNの含有率r(原
子%)の比r/qがおよそ1.63〜2.33となっている。こ
の組成範囲の軟磁性層は、良好な軟磁性(例えば、保磁
力Hc<5Oe)を有する。
【0047】軟磁性層においては、Hf、Ti、Nb、Ta、
V、Mo、Wのうち少なくとも1種でZrの一部(例えば軟
磁性層を構成するZrのうちの30原子%)を置き換えるこ
とができる。 また、この軟磁性膜中のFeは、Co、Ni又
はRuの一種以上によって例えばFeのうちの30原子%程度
まで置き換えることができる。
【0048】軟磁性薄膜製造例及び特性 Fe100-yZry(y= 5.0、10.0、15.0)の組成の合金ター
ゲットを作製し、それぞれ 2.5〜12.5モル%の窒素を含
む、窒素含有アルゴンガス雰囲気中で、ガス圧力 0.6P
a、投入電力 200Wの条件で高周波スパッタリングを行
ない種々の組成の非晶質合金薄膜を得た。これらの各薄
膜を磁界中で熱処理し、軟磁性薄膜を得て、それらの飽
和磁束密度Bs、保磁力Hcを測定した。BsおよびHcの測定
は交流BHトレーサー(印加磁界50Hz、25 Oe、ただしHc
>25の場合は、90 Oe)による。基板には結晶化ガラス
基板(PEG3130C HOYA製)及び単結晶サファイア基板を
用いた。また膜厚はいずれも 0.6μm程度とした。
【0049】これらの結果を表1に示す。なお、Hcは容
易軸方向の値で示す。また、一部の軟磁性薄膜について
は、5 MHzにおける透磁率μm及び磁歪について測定し
た。磁歪は、膜に応力を加えた時のBH特性の変化から磁
歪の正負判定を行なった。この結果も表1に示す。
【0050】また、前記軟磁性薄膜の製造例により製造
した軟磁性薄膜の組成と保磁力Hcの関係及び磁歪の正負
判定(結晶化ガラス基板を用い 550℃で熱処理した場
合)を図7に示す。さらに、Fe−Zr合金ターゲット中の
Fe含有量及びスパッタガス中のN2含有量の軟磁性薄膜製
造条件と、保磁力Hcと、飽和磁歪λsとの関係(結晶化
ガラス基板を用い550℃で熱処理した場合)を図8に示
す。
【0051】前記軟磁性薄膜の製造例中Fe80.9Zr6.5
12.6の組成について未熱処理(as depo)の薄膜と、250、
350、450又は550℃で熱処理した薄膜についてのX線回
折の結果を図9に示し電気抵抗率の測定結果を表2に示
す。図9によれば、550℃熱処理の薄膜の結晶粒径は半
値幅から約130オングストロームであることがわかっ
た。なお、as depoの薄膜及び250℃熱処理の薄膜はアモ
ルファスであり、350℃及び450℃熱処理の薄膜は微結晶
から成り、550℃熱処理の薄膜はさらに成長した微結晶
から成ることがわかった。これらの微結晶は薄膜の軟磁
性に寄与すると考えられ、このような微結晶の生成はN
及びZrの存在によるものと考えられる。表2によれば熱
処理温度を高めることによって、この薄膜の抵抗率は低
下していくが、550℃まで温度を上げて熱処理した場合
でも、その値は、純鉄、パーマロイなどよりはるかに高
く、Fe−Si合金、センダストとほぼ同等の値となってい
る。従って、磁気ヘッドのコアとして用いた場合には、
渦電流損失が小さく有利である。
【0052】さらにFe80.9Zr6.512.6の組成の薄膜に
ついて、ビッカース硬度を測定した結果Hv=1000(kg/
mm2、加重10g)の値が得られた。この値は従来から磁
気ヘッド材料として用いられているセンダストやCo系ア
モルファス合金(Hv=500〜650)に比べてはるかに高く、
耐摩耗性も従来より充分高めることができる。
【0053】前記軟磁性薄膜の製造例と同様に製造され
たいくつかの薄膜の交流BHトレーサーによるBH曲線を図
10に示した。
【0054】図10に示したサンプルは、製膜後1kOe
の磁界中、10TorrN2雰囲気中において550℃、60分間熱
処理してある。この図から明らかな様に、磁界中熱処理
によって薄膜には明確な面内一軸異方性が誘導されてい
る。従って、この薄膜の困難軸方向を磁化方向とするこ
とによって、1MHzより高い周波数での透磁率を充分高
くすることができ、この点からも磁気ヘッド材料として
有利である。また、この異方性磁界Hkは、組成によって
3〜18 Oeと変化するため、目標とする透磁率の大き
さ、使用する周波数範囲によって材料を選ぶことができ
る。例えば10 MHz以下において高い透磁率を得たい場合
には、Hk=3〜5Oeとなる組成を用い、それ以上高い周
波数でも透磁率を劣化させないためには、Hkがもっと高
い組成を用いることもできる。
【0055】図11には、前記軟磁性薄膜の製造例中Fe
80.9Zr6.512.6の組成の薄膜についてVSM を用いて測
定したMH曲線(IH曲線)の結果について示した。図中
(a)は製膜直後(as depo)の薄膜について、(b)は 550℃
の熱処理後の薄膜についてのMH曲線(IH曲線)を示し
ている。(反磁界補正は行なっていない。ただし、サン
プル形状は、φ5mm×t0.63μmであった。)VSM を用
いて測定した保磁力は、交流BHトレーサーで求めた値よ
り一桁以上小さく、(b)より約50 mOeと求まった。この
値はセンダストやCo系アモルファス合金とほぼ同等であ
り、軟磁気特性が優れていることが解る。また、(b)よ
り4πMs=14.5KGと求まり、この値はセンダストやCo系
アモルファス合金より充分高く、高保磁力媒体に記録す
るための磁気ヘッド材料として有利である。
【0056】熱処理前の薄膜の4πMsは13.0 KGであり
熱処理後よりやや低い。また、垂直異方性(Hkは、およ
そ400Oe)をもっており、Hcも高く、軟磁気特性は悪
い。
【0057】前記軟磁性薄膜の製造例中Fe80.9Zr6.5
12.6の組成の薄膜について耐食性の評価を、水道水に約
一週間浸漬した後の表面状態の変化から行なった。その
結果、本サンプルの表面状態は鏡面のまま全く変化しな
かった。比較のために、Co88.4Nb8.0Zr3.6アモルファス
合金膜及びFe−Si合金(電磁鋼板)についても同様の実
験を行なった。その結果Co−Nb−Zr合金も全く変化しな
かったが、Fe−Si合金は全面に錆が発生した。以上よ
り、この好適な態様において複合磁気ヘッドの軟磁性層
として用いられる軟磁性薄膜は、耐食性にも優れている
ことが解った。
【0058】Feの一部を前記Mで置き換えた軟磁性薄膜
の一例の分析組成と飽和磁歪、Bs,Hk,Hc,ρの各値を表
3に示す。これらの軟磁性薄膜は、Fe-M-Zr10(M=Cr又
はCo)ターゲット、又はV、Mn若しくはNiの小片をのせた
Fe90Zr10のターゲットを用いて、10%N2-Ar雰囲気中
で高周波スパッタリングを行ないFe-M-Zr-N非晶質薄膜
(M=V, Cr, Mn, Co又はNi)を形成し、これらを550
℃4時間、磁界中で熱処理して得られた。
【0059】次に、上記好適な態様の複合磁気ヘッドの
軟磁性層の組成範囲外の組成の軟磁性薄膜について述べ
る。
【0060】Fe91.2Zr3.94.9の非晶質合金膜を形成
し、1kOeの磁界中350℃及び550℃で1時間熱処理を行
なった。前記非晶質合金膜(as depo)、これを350℃で熱
処理した膜、及び550℃で熱処理した膜の交流BHトレー
サーによるBH曲線を、夫々図11の(a)〜(c)に示す。未
熱処理の非晶質合金膜(as depo)は、軟磁性を有してい
ない(a)。これを350℃で熱処理した膜は、一軸異方性を
示す(b)。しかし、550℃で熱処理した膜は、その特性が
悪くなっている(c)。
【0061】磁気ヘッド製造時に、溶融ガラスによる溶
着(ガラスボンディング)が行なわれることがあり、通
常 550℃程度に加熱して行なわれる。上記組成範囲の膜
を用いた場合、このガラスボンディング時の加熱によ
り、最終的に得られた磁気ヘッドにおいて良好な軟磁性
を示さない。即ち、前記組成範囲の場合には、熱的に不
安定な軟磁性薄膜しか得ることができない。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】反応防止層を介して酸化物磁性材料から成
るコアブロック上に形成された前記組成の軟磁性薄膜で
ある非晶質層を得て、この非晶質層を例えば350〜650℃
で熱処理し前記非晶質層の一部ないし全部を結晶化させ
る。このような熱処理後でも反応防止層の介在によりフ
ェライトコアと軟磁性膜との間に反応層は形成されな
い。好ましくは、磁界中で熱処理して一軸磁気異方性を
誘導し前記非晶質層の一部ないし全部を結晶化させて形
成する。この場合、反応防止層の厚みは次のようにして
定める。
【0066】例えば製作する複合磁気ヘッドの磁気ギャ
ップのギャップ長aが0.2μm、ギャップ深さcが10μ
m、トラック幅が25μmと夫々選定されているならば、
反応防止層bの厚みは式、 bcd/a≦0.2×10-102 からb≦ 160オングストロームが得られる。SiO2から成
る反応防止層によって酸化物磁性材料コアブロックと金
属軟磁性膜との反応を十分に防止するには、その厚みb
は好ましくはできるだけ厚く形成することが好ましいこ
と及び経済的な寸法管理を勘案して、この値は例えばb
= 100オングストロームとして選定される。或いは膜形
成を短時間の間に行いたい場合には例えばb=50オング
ストロームが選定される。
【0067】
【作用】bcd/aの値が 0.2×10-102以下の範囲
にある磁気ギャップの各ディメンションa、c、d及び
反応防止層の厚みbを有する複合磁気ヘッドにおいて
は、磁気記録媒体上の信号記録の再生時において再生信
号中のうねり信号が1dB以下に押さえられ、再生時にお
ける電磁変換要素の性能として十分な値となる。
【0068】更に、例えばトラック幅dがきわめて小さ
な高記録密度の磁気記録媒体の記録を再生するための複
合磁気ヘッドの場合、或いは非摺動の磁気ヘッドでギャ
ップ深さcがきわめて小さなHDD用等の複合磁気ヘッド
の場合には、反応防止層の厚みbは前記式に従って定め
ることできわめて大きくとることができ、酸化物磁性材
料と軟磁性膜との反応を防止するために十分な厚みの反
応防止層を形成し且つ実用上十分な品質の再生信号を得
る複合磁気ヘッドとすることが可能である。
【0069】
【実施例】本発明に係る複合磁気ヘッドの構成につい
て、その実施例に係る記録・再生用複合磁気ヘッドの磁
気コアの先端拡大図として示した図1を参照して説明す
る。
【0070】図1においてこの実施例の磁気コアは別々
に製作された磁気コア半体10、10′をガラス材料からな
る充填部5、5′によって融着接合して形成した構造を
有する。
【0071】磁気コア半体10、10′の大部分を構成する
磁性材料であるフェライトコア1、1′は、先端に磁気
ギャップGが形成される双方の磁気コア半体10、10′の
突き合わせ面側に対向面11、11′を有し、更に該対向面
11、11′から延長して形成されると共に突き合わせ面と
逆方向に後退して配される後退面12、12′を有してい
る。
【0072】対向面11、11′及び後退面12、12′の磁気
コア半体の突き合わせ面側の表面全体に亘って、SiO2
ら成り厚さb(b=50オングストローム)の反応防止層
2、2′が形成され、更に反応防止層2、2′の表面に
はFe80.9Zr6.512.6の組成を有する金属軟磁性膜3、
3′が薄膜法で形成されている。金属軟磁性膜3、3′
は夫々の酸化物磁性材料から成るコアブロック1、1′
と共にこの複合磁気ヘッドの磁気コア半体10、10′の磁
心の一部を構成する。磁気コアの組立にあたって、双方
の磁気コア半体10、10′は表面の金属軟磁性膜3、3′
が対向するように突き合わせて配され、その後、フェラ
イトコアブロックの後退面12、12′側に在る磁気コア半
体10、10′の凹部32、32′の範囲において充填されたガ
ラス材料5、5′によって融着結合される。双方の磁気
コア半体10、10′接合範囲の一部には巻線溝Mが、製作
された磁気コア内部を貫通する溝として形成されてい
る。
【0073】フェライトコア1、1′の対向面11、11′
上に配された双方の金属軟磁性膜3、3′が相互に対向
する範囲の一部において磁気記録媒体と対向すべき先端
部にはガラス材料から成る磁気ギャップGが形成され、
この複合磁気ヘッドと対向して配される磁気記録媒体の
進行方向の磁気ギャップGの寸法であるギャップ長aは
0.2μm、これと直角方向の磁気ギャップGの幅である
トラック幅dは25μm、記録媒体面と直角方向の磁気ギ
ャップの深さであるギャップ深さcは20μmと夫々選定
されている。
【0074】この実施例の複合磁気ヘッドにより出力さ
れる再生信号の周波数特性を図4に示す。同図に示され
るようにこの再生信号中のうねり成分は実用上無視でき
るほど小さく良好な品質の再生信号が得られている。
【0075】上記実施例の記録・再生用複合磁気ヘッド
の磁気コアを製作するにあたっては、磁気ギャップGの
ギャップ長a、磁気ギャップのギャップ深さc及びトラ
ック幅dは、この複合磁気コアと対向して配される磁気
記録媒体における記録波長、トラック幅及び摩耗による
耐用年数を考慮して決定されており、反応防止層の厚み
bは式 bcd/a≦0.2×10-102 を満足する大きさで選定されている。前記の如く反応防
止層の厚みbは、ギャップ深さc及びトラック幅dのき
わめて小さな形式の複合磁気ヘッドでは、これらのc及
びdの値に従って大きく選定できるので、これによって
選定された厚みbを有する反応防止層は、酸化物磁性材
料から成るコアブロックと金属軟磁性材料から成る薄膜
との間の反応を十分に防止可能であり、反応防止効果が
十分な反応防止層とすることができる。
【0076】
【発明の効果】本発明に係る反応防止層を備えた記録再
生用の複合磁気ヘッドの構成において、複合磁気ヘッド
が、磁気ギャップのギャップ長をa、ギャップ深さを
c、ギャップ幅をdとし且つ反応防止層の厚みをbとし
て bcd/a≦0.2×10-102 と規定される各寸法を有するとしたことにより、反応防
止層の厚みを磁気ギャップの各ディメンションに対応さ
せ自由度をもたせて定めることができ、磁気ギャップの
ディメンションが異なる種々の用途の複合磁気ヘッドに
おいて再生信号に含まれるうねり信号の大きさを実用上
差支えない値である1dB以下に容易に押さえることがで
きるので、再生品質の高い複合磁気ヘッドを提供するこ
とができた。
【0077】特に高密度に記録されたトラック幅の小さ
な記録媒体上の信号を再生する複合磁気ヘッドの場合、
或いはハードディスク装置等のように非摺動アクセス方
式を採用するためギャップ深さを小さく設定できる複合
磁気ヘッドの場合においては、再生信号中のうねり信号
を大きくすることなく反応防止層の厚みbの値を大きく
とることができるので、酸化物磁性材料と軟磁性膜との
反応を十分に防止できる厚みの反応防止層を形成できる
と共に、この反応防止層の大きな厚みによる擬似ギャッ
プの存在にもかかわらず、再生信号に含まれるうねり信
号が小さく実用上十分な再生信号の品質が維持できる複
合磁気ヘッドを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る複合磁気ヘッドの構造
を示すための磁気コアの姿図である。
【図2】本発明における実験1によって確認された磁気
ギャップの各部寸法及び反応防止層の厚みによって定ま
る値bcd/aとうねり信号との関係についての測定値
を示すグラフである。
【図3】実験2の測定データを示す図2と同様なグラフ
である。
【図4】本発明の実施例に係る複合磁気ヘッドの再生信
号の周波数特性である。
【図5】従来の複合磁気ヘッドの再生信号の一般的な周
波数特性を示すグラフである。
【図6】本発明の好適な態様の複合磁気ヘッドの軟磁性
層の組成範囲を示す図である。
【図7】軟磁性薄膜の製造例で製造した軟磁性薄膜の組
成と保磁力Hcの関係、及び磁歪の正負判定を示す図であ
る。
【図8】軟磁性薄膜製造条件とそれにより製造された軟
磁性薄膜の保磁力Hcと飽和磁歪λsとの関係を示す図で
ある。
【図9】熱処理条件の異なる薄膜のX線回折測定結果を
示す図である。
【図10】組成の異なる薄膜の交流BH曲線を示す図であ
る。
【図11】VSMより求めた熱処理前後の薄膜のIH曲線を
示す図である。
【図12】本発明の好適な態様の複合磁気ヘッドの軟磁
性層の組成範囲外の組成の軟磁性薄膜の交流BH曲線を示
す図である。
【符号の説明】
1、1′…フェライトコア半体 2、2′…反応防止層 3、3′…金属軟磁性膜 5、5′…ガラス充填部 10、10′…磁気コア半体 G…磁気ギャップ M…巻線溝
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】追加
【補正内容】
【0007】
発明が解決しようとする課題】しかし、擬似ギャップ
におけるうねりの大きさは、擬似ギャップの厚みと正規
の磁気ギャップのギャップ長の比の関数である旨が理論
的に知られており(IEEE論文、0018−9464
/84/0900−872S01.00 C 198
4)、従って擬似ギャップとして作用することとなる前
記公報の反応防止層の厚みも、この正規の磁気ギャップ
のギャップ長との関係から定める必要があるが、前記公
報の複合磁気ヘッドの場合、反応防止層の厚みを定める
にあたって、この点についての言及はない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明は下記の知見に基づく。反応防止層
を有する複合磁気ヘッドにおいてrを正規のギャップ
の磁気抵抗、rを反応防止層(擬似ギャップ)の磁気
抵抗、rをその他のコア部の磁気抵抗とすると、この
複合磁気ヘッドでは、正規のギャップ及び擬似ギャップ
における夫々の信号再生効率η、ηは、
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】対向面11、11′及び後退面12、1
2′の磁気コア半体の突き合わせ面側の表面全体に亘っ
て、SiOから成り厚さb(b=50オングストロー
ム)の反応防止層2、2′が形成され、更に反応防止層
2、2′の表面にはFe80.9Zr6.512.6
の組成を有する金属軟磁性膜3、3′が薄膜法で形成さ
れている。金属軟磁性膜3、3′は夫々の酸化物磁性材
料から成るコアブロック1、1′と共にこの複合磁気ヘ
ッドの磁気コア半体10、10′の磁心の一部を構成す
る。磁気コアの組立にあたって、双方の磁気コア半体1
0、10′は表面の金属軟磁性膜3、3′が対向するよ
うに突き合わせて配され、その後、フェライトコアブロ
ックの後退面12、12′上に形成され磁性膜3、3′
により形成される凹部32、32′に充填されたガラ
ス材料5、5′によって融着結合される。双方の磁気コ
ア半体10、10′接合範囲の一部には巻線溝Mが、製
作された磁気コア内部を貫通する溝として形成されてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 寛次 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物磁性材料から成るコアブロック上に
    反応防止層を介して軟磁性薄膜を形成した一対の磁気コ
    ア半体を軟磁性薄膜相互の先端部の間に磁気ギャップが
    形成されるように突き合わせて成る複合磁気ヘッドにお
    いて、磁気ギャップの、磁気記録媒体の進行方向長さで
    あるギャップ長をa、磁気記録媒体面と直角方向のギャ
    ップ深さをc、磁気記録媒体のトラック幅方向のギャッ
    プ幅をdとし、且つ反応防止層の厚みをbとして、式 bcd/a≦0.2×10-10m2 で規定される各寸法を有することを特徴とする複合磁気
    ヘッド。
  2. 【請求項2】d≦10×10-6mであることを特徴とする請
    求項1記載の複合磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】c≦5×10-6mであることを特徴とする請
    求項1又は2記載の複合磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】b≧2×10-9mであることを特徴とする
    請求項1〜3の一に記載の複合磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記軟磁性薄膜は、Fep-mmqr(但
    し、p、q、r、mは各々原子%を示し、MはCo、R
    u、Cr、V、Ni、Mn、Pd、Ir、Ptの少なく
    とも1種以上を表わし、BはZr、Hf、Ti、Nb、
    Ta、Mo、Wの少なくとも1種以上を表わす。)なる
    組成式で示され、その組成範囲は 0≦m/p<0.3 0<q≦20 0<r≦22 の範囲(但し、q≦7.5かつr≦5を除く)であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4の一に記載の複合磁気ヘッ
    ド。
JP3197440A 1990-07-13 1991-07-12 複合磁気ヘッド Expired - Fee Related JP2798315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3197440A JP2798315B2 (ja) 1990-07-13 1991-07-12 複合磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18416190 1990-07-13
JP2-184161 1990-07-13
JP3197440A JP2798315B2 (ja) 1990-07-13 1991-07-12 複合磁気ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH052714A true JPH052714A (ja) 1993-01-08
JP2798315B2 JP2798315B2 (ja) 1998-09-17

Family

ID=26502338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3197440A Expired - Fee Related JP2798315B2 (ja) 1990-07-13 1991-07-12 複合磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2798315B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339106A (ja) * 1986-08-02 1988-02-19 Sony Corp 磁気ヘツド
JPS63298806A (ja) * 1987-05-29 1988-12-06 Sony Corp 複合磁気ヘッド
JPH02208811A (ja) * 1989-02-08 1990-08-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気ヘッド

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6339106A (ja) * 1986-08-02 1988-02-19 Sony Corp 磁気ヘツド
JPS63298806A (ja) * 1987-05-29 1988-12-06 Sony Corp 複合磁気ヘッド
JPH02208811A (ja) * 1989-02-08 1990-08-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2798315B2 (ja) 1998-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0466159B1 (en) Composite magnetic head
US4769729A (en) Magnetic head having ferromagnetic amorphous alloy multi-layered film
US5585984A (en) Magnetic head
EP0234879B2 (en) Ferromagnetic thin film and magnetic head using it
US5663857A (en) Magnetic head
JP2635422B2 (ja) 磁気ヘッド
JP2508489B2 (ja) 軟磁性薄膜
JPH06215325A (ja) 積層型磁気ヘッドコア
JP2798315B2 (ja) 複合磁気ヘッド
JP2775770B2 (ja) 軟磁性薄膜の製造方法
JP3127075B2 (ja) 軟磁性合金膜と磁気ヘッドおよび軟磁性合金膜の熱膨張係数の調整方法
JP3232592B2 (ja) 磁気ヘッド
JPS58118015A (ja) 磁気ヘツド
JPH01100714A (ja) 複合磁気ヘッド
JP2521922B2 (ja) 磁気ヘッド
JP2565173B2 (ja) 複合磁気ヘツド
JP2808547B2 (ja) 複合磁気ヘッド
JPH06309620A (ja) 磁気ヘッド
JP3243256B2 (ja) 軟磁性薄膜および磁気ヘッド
JPH0555036A (ja) 軟磁性薄膜およびその製造方法、軟磁性多層膜およびその製造方法ならびに磁気ヘツド
JPS63302406A (ja) 磁気ヘッド
JPH05226151A (ja) 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。
JPH03188603A (ja) 軟磁性薄膜および磁気ヘッド
JPH0765316A (ja) 磁気ヘッド
JPH07296322A (ja) 磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980623

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370