JP2565173B2 - 複合磁気ヘツド - Google Patents

複合磁気ヘツド

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JP2565173B2
JP2565173B2 JP62027679A JP2767987A JP2565173B2 JP 2565173 B2 JP2565173 B2 JP 2565173B2 JP 62027679 A JP62027679 A JP 62027679A JP 2767987 A JP2767987 A JP 2767987A JP 2565173 B2 JP2565173 B2 JP 2565173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ(VTR)等の磁気記
録再生装置に搭載される複合磁気ヘッドに関し、特にメ
タルテープ等の高抗磁力磁気記録媒体の記録再生に好適
な複合磁気ヘッドに関する。
〔発明の概要〕
本発明は、酸化物磁性材料と磁性合金薄膜との複合磁
性材料により磁気コア半体が構成されてなる複合磁気ヘ
ッドにおいて、 磁気ギャップ近傍部における上記磁性合金薄膜と上記
酸化物磁性材料との境界面を略平行となすとともに、上
記磁性合金薄膜の飽和磁束密度Bs(kG)及び膜厚d(μ
m)を膜厚dが1≦d<5のとき飽和磁束密度Bs≧−d
+13、膜厚dが5≦d<10のとき飽和磁束密度Bs≧8な
る関係を満足する磁性合金薄膜を用いることにより、 高抗磁力磁気記録媒体に対する記録特性の向上を図る
とともに、生産性,量産性,製造歩留まりの向上を図ろ
うとするものである。
〔従来の技術〕
例えばVTR等の磁気記録の分野においては、記録の高
密度化や高品質化を図る目的で、高い抗磁力を有する磁
気記録媒体,例えば磁性粉にFe,Co,Ni等の強磁性金属粉
末を用いた、合金塗布型の所謂メタルテープ等が開発さ
れ、所謂8ミリVTR(8ミリビデオテープレコーダ)等
の民生用の磁気記録の分野で実用化が進んでいる。
したがって、このような磁気記録媒体を充分に磁化す
るためには、磁気ヘッドのコア材料に対して、この媒体
の抗磁力に見合った充分高い飽和磁束密度を有すること
が要求されている。特に、記録・再生を同一の磁気ヘッ
ドで行う場合においては、上述の飽和磁束密度のみなら
ず、適用する周波数帯域で充分に高い透磁率を有する材
料であることが必要である。
ところが、上記コア材料にフェライト等の酸化物磁性
材料を用いたフェライトヘッドでは、飽和磁束密度が低
いため上記高抗磁力磁気記録媒体に対処しきれず、ま
た、磁性合金材料,例えばFe−Al−Si系合金材料を用い
たヘッドは、フェライトの略2倍程度の飽和磁束密度を
有することより高抗磁力媒体を十分な高磁界で記録でき
るものの、一般に使用されるヘッド形状でのコア厚では
使用周波数帯域での実効透磁率が低く再生特性が劣化し
てしまう。
かかる状況より、上記酸化物磁性材料と磁性合金薄膜
との複合磁性材料を用いて磁気コア半体を構成し、これ
ら磁性合金薄膜同士の突き合わせ面を磁気ギャップとし
た所謂複合磁気ヘッドが開発され実用化されている。こ
の複合磁気ヘッドは、磁気ギャップが高飽和磁束密度材
料で形成され、かつヘッドの平均透磁率が高いことか
ら、上述の高抗磁力媒体に対して優れた記録再生特性を
示す。
なかでも、上記酸化物磁性材料の突き合わせ面近傍部
にのみ上記磁性合金薄膜を配設し、磁気ギャップ近傍の
上記酸化物磁性材料と磁性合金薄膜との境界面が磁気ギ
ャップ面と略平行な構造の複合磁気ヘッドは、上記磁性
合金薄膜の膜厚とは無関係にトラック幅を設定できるこ
と、従来のフェライトヘッドと同様に簡単な構造である
こと等の利点を有し、量産性,生産性や製造歩留まりの
点で優れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、上記複合磁気ヘッドにおいては、生産性や
量産性を考慮した場合、上記磁性合金薄膜の膜厚はより
小さいことが好ましいが、記録特性を考慮した場合には
ある程度の膜厚及び飽和磁束密度を確保する必要があ
る。
すなわち、上記磁性合金薄膜の膜厚が小さ過ぎると、
磁性合金薄膜を配設した本来の意味が薄れ、高抗磁力磁
気記録媒体への記録能力,特に長波長帯域の記録能力が
劣化し、逆に、上記膜厚が大き過ぎると、この成膜に多
大な時間を要し、生産性や量産性等のメリットが薄れて
しまう。
したがって、上記構成の複合磁気ヘッドにおいては、
高抗磁力磁気記録媒体に対する記録特性を確保しつつ、
生産性や量産性を向上させるためにより一層の改善が望
まれている。
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、高抗磁力磁気記録媒体に対する記録能
力に優れ、しかも生産性や量産性に優れた複合磁気ヘッ
ドを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意検討
を重ねた結果、信号の記録方式によって磁性合金薄膜の
膜厚及び飽和磁束密度に最適範囲が存在することがわか
った。特に、予め消去用のヘッドで前の信号を消去した
後に記録用の複合磁気ヘッドで新たな信号を記録する方
式の磁気記録再生装置において、上記複合磁気ヘッドを
構成する磁性合金薄膜は、その最適な膜厚範囲が該薄膜
の有する飽和磁束密度によって自ずと設定され、上記膜
厚と飽和磁束密度の関係がある領域内の磁性合金薄膜を
用いることにより、複合磁気ヘッドの記録能力及び生産
性,量産性を同時に改善できるとの知見を得るに至っ
た。
本発明は、上述の知見に基づいて完成されたものであ
り、酸化物磁性材料と磁性合金薄膜により構成される一
対の磁気コア半体を突き合わせ、前記磁性合金薄膜同士
により磁気ギャップが形成されてなり、磁気ギャップ近
傍部に於いて前記酸化物磁性材料と磁性合金薄膜との境
界面が磁気ギャップ面と略平行な複合磁気ヘッドであっ
て、前記磁性合金薄膜の飽和磁束密度Bs(kG)及び膜厚
d(μm)を膜厚dが1≦d<5のとき飽和磁束密度Bs
≧−d+13、膜厚dが5≦d<10のとき飽和磁束密度Bs
≧8としたことを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明の複合磁気ヘッドは、磁気ギャップ近傍部にお
ける磁性合金薄膜と酸化物磁性材料との境界面が磁気ギ
ャップ面と略平行な構造であることより、従来のフェラ
イトヘッド並みの工数で製造でき、しかも、上記磁性合
金薄膜の膜厚d(μm)を1≦d<10の範囲内に設定し
ているので、生産性や量産性がより一層向上する。
また本発明では、高抗磁力磁気記録媒体への記録能力
を考慮し、上記磁性合金薄膜の膜厚dを該薄膜の飽和磁
束密度Bsとの関係から設定しているので、上記高抗磁力
媒体を充分に磁化(記録)することができる。ここで、
媒体には強く磁化された信号が記録されるが、本発明が
適用される記録方式においては、予め前の信号を消去し
た後に新たな信号を記録しているので、書き換え時の所
謂消し残しによるノイズの発生等がなく、優れた記録再
生特性が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照し
ながら説明する。
本発明が適用される複合磁気ヘッドは、記録の高密度
化や高品質化に対応して、磁気ギャップが狭小化し、ま
た記録波長が短波長化しても、媒体に記録さている前の
信号の消去を確実に行うために消去専用のヘッドが搭載
され、この消去用のヘッドで完全に前の信号を消去した
後に記録再生用(あるいは記録専用)のヘッドで記録す
る方式の磁気記録再生装置に搭載される複合磁気ヘッド
(記録再生用あるいは記録専用)である。
本実施例の複合磁気ヘッドにおいては、第1図(A)
及び第1図(B)に示すように、磁気コア半体の大部分
を占める磁気コア部(1),(11)が酸化物磁性材料で
形成され、その当接面近傍にはトラック幅を規制するた
めのトラック幅規制溝(2),(12)によって両側が略
円弧状に切り欠かれている。また、上記各磁気コア部
(1),(11)の当接面には、上記トラック幅規制溝
(2),(12)の内壁も含んで、フロントギャップ形成
面からバックギャップ形成面に至るまで、高飽和磁束密
度合金よりなる磁性合金薄膜(3),(13)が被着形成
され、一対の磁気コア半体(I),(II)を構成してい
る。
そして、上記両磁気コア半体(I),(II)を所定膜
厚lのギャップ膜(23)を介して上記磁性合金薄膜
(3),(13)の当接面に形成される平行部分(3a),
(13a)同士を突き合わせることにより、トラック幅が
第1図(B)中Twで示される磁気ギャップgが形成され
ている。本実施例の複合磁気ヘッドにおいては、上記磁
気ギャップgが磁気記録媒体の走行方向Xと直交する方
向に対して所定角度傾いており、所謂アジマス記録方式
に好適な構成となっている。
ここで、上記ギャップ膜(23)の膜厚lは複合磁気ヘ
ッドのギャップ長に相当するものである。そして、高抗
磁力磁気記録媒体に対する記録再生特性,特に記録特性
を考慮すると、このヘッドの実効ギャップ長は0.15〜0.
6μm程度に設定することが好ましい。
なお、上記トラック幅規制溝(2),(12)内にはト
ラック幅を規制し、上記磁性合金薄膜(3)(13)の摩
耗を防止するための非磁性材(22),(22)が溶融充填
されている。また、一方の磁気コア半体(I)には、磁
気ギャップgのデプスを規制するとともに、コイルを巻
装するための巻線孔(21)が穿設されている。
このような構成の複合磁気ヘッドは、上記トラック幅
Twを磁性合金薄膜(3),(13)の膜厚dに依存するこ
となく自由に設定できる。したがって、上記磁性合金薄
膜(3),(13)の成膜工程に要する時間を自由に設定
できるので、生産性や量産性の点で極めて有利である。
また、上記複合磁気ヘッドは、磁気コア部(1),
(11)の当接面に磁性合金薄膜(3),(13)を配設し
た外は従来のフェライトヘッドと略同一構成であり、従
って、この加工工数もフェライトヘッド並みに抑えら
れ、加工性や製造歩留まりの点で優れたものとなる。
ここで、記録の高密度化や高品質化等に対応した高抗
磁力磁気記録媒体に見合った大きな記録磁界を発生し、
同時に生産性や量産性の観点からも優れたヘッドとする
ために、本発明では、上記磁性合金薄膜(3),(13)
として、磁性合金薄膜の飽和磁束密度Bs(kG)及び膜厚
d(μm)を膜厚dが1≦d<5のとき飽和磁束密度Bs
≧−d+13、膜厚dが5≦d<10のとき飽和磁束密度Bs
≧8なる関係を満足するものを用いた。
ここで、上記磁性合金薄膜(3),(13)としては、
Fe−Ga−si系軟磁性薄膜,Fe−Al−Ge系軟磁性薄膜,Fe−
Ga−Ge系軟磁性薄膜,Fe−Si−Ge系軟磁性薄膜,Fe−Co−
Si系軟磁性薄膜,Fe−Al−Si系軟磁性薄膜,等の高飽和
磁束密度(8kG以上)を有し、かつ軟磁気特性に優れた
磁性合金薄膜が挙げられる。
上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜としては、この組成を、 FeaGabsic (但し、a,b,cはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲が、 68≦a+b≦84 1≦b≦23 9≦c≦31 a+b+c=100 なる関係を満足するものとする。
また、上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜において、Feの一
部をCoで置換してもよい。この場合、Coの増加とともに
飽和磁束密度のみならず耐蝕性,耐摩耗性が向上する
が、Co置換量が多過ぎると飽和磁束密度の劣化が顕著に
なるばかりか、軟磁気特性も悪化するので、Feに対する
Co置換量は0〜15原子%に抑えるのが好ましい。
すなわち、上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜の組成を、 FedCoeGafSig (但し、d,e,f,gはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲は、 68≦d+e≦84 0<e≦15 1≦f≦35 1≦g≦35 d+e+f+g=100 なる関係を満足するものとする。
また、上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜の耐蝕性や耐摩耗
性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co(Feの一部をCo
で置換したものを含む),Siを基本組成とする合金にTi,
Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,Ni,Pd,Pt,Hf,Vの
少なくとも1種を添加しても良い。
すなわち、上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜の組成を、 FehCoiGajSikMm (但し、h,i,j,k,mはそれぞれ組成比を原子%として表
し、MはTi,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,Re,Ni,P
d,Pt,Hf,Vの少なくとも1種を表す。) とした場合に、その組成範囲が、 68≦h+i≦84 0≦i≦15 1≦j≦23 6≦k≦31 0.05≦m≦15 h+i+j+k+m=100 なる関係を満足するFe−Ga−Si系軟磁性薄膜が挙げられ
る。ここで、上記添加元素Mの添加量mが0.05原子%未
満では耐摩耗性や耐蝕性に充分な効果が得られず、一
方、上記添加量mが15原子%を越えると軟磁気特性の劣
化や飽和磁束密度の減少をもたらし好ましくない。但
し、添加元素M毎に、添加量mと飽和磁束密度の減少の
割合が異なるため、上記添加量mは添加元素毎に上記範
囲内で適宜設定する。
上記Fe−Al−Ge系軟磁性薄膜としては、その組成を、 FeuAlvGew (但し、u,v,wはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲は、 68≦u≦84 1≦v≦31 1≦w≦31 u+v+w=100 なる関係を満足するものとする。
上記Fe−Ga−Ge系軟磁性薄膜としては、この組成を、 FeoGapGeq (但し、o,p,qはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲は、 64≦o≦84 1≦p≦35 9≦q≦35 o+p+q=100 なる関係を満足するものとする。
上記Fe−Si−Ge系軟磁性薄膜としては、この組成を、 FerSisGet (但し、r,s,tはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲は、 80≦r≦90 1≦s≦19 9≦t≦19 r+s+t=100 なる関係を満足するものとする。
上記Fe−Co−Si系軟磁性薄膜としては、この組成を、 FexCoySiz (但し、x,y,zはそれぞれ組成比を原子%として表
す。) とした場合に、その組成範囲は、 9≦y≦15 19≦z≦23 x+y+z=100 なる関係を満足するものとする。
なお、これらFe−Al−Ge系軟磁性薄膜、Fe−Ga−Ge系
軟磁性薄膜、Fe−Si−Ge系軟磁性薄膜、Fe−Co−Si系軟
磁性薄膜において、飽和磁束密度並びに耐蝕性,耐摩耗
性を改善するためにそれぞれFeの一部をCoで置換した軟
磁性薄膜であっても良く、さらには、これら各軟磁性薄
膜の耐蝕性や耐摩耗性の一層の向上を図るために、それ
ぞれ基本成分にTi,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,R
e,Ni,Pd,Pt,Hf,Vの少なくとも1種を添加してなる軟磁
性薄膜でも良い。この場合、上記Coの置換量及び上記添
加元素の添加量は、先のFe−Ga−Si系軟磁性薄膜におけ
る置換量及び添加量と略同等に設定される。
上記Fe−Al−Si系軟磁性薄膜としては、従来この種の
複合磁気ヘッドのコア材料として使用される組成のもの
が使用され、特に、上記Fe−Al−Si系軟磁性薄膜にCoを
添加してなる軟磁性薄膜は、飽和磁束密度並びに耐蝕
性,耐摩耗性が改善され、上記コア材料として好適であ
る。この場合、この軟磁性薄膜の組成は、Co5〜15原子
%,Al8〜13原子%,Si10〜17原子%,残部Feなる範囲内
に設定する。
また、上記Fe−Al−Si系軟磁性薄膜の耐蝕性や耐摩耗
性の一層の向上を図るために、Fe,Al,Co(Feの一部をCo
が置換したものを含む),Siを基本組成とする合金に先
の添加元素Mを同程度添加しても良い。
ここで、これら磁性合金薄膜(3),(13)の形成方
法としては、従来公知の種々の方法が考えられるが、な
かでも真空薄膜形成技術の手法が好適である。
この真空薄膜形成技術の手法としては、スパッタリン
グ法やイオンプレーティング法,真空蒸着法,クラスタ
ー・イオンビーム法等が挙げられる。特に、酸素ガスあ
るいは窒素ガスを含む不活性ガス(Arガス等)雰囲気中
でスパッタリングを行い、得られる軟磁性薄膜の耐蝕性
等をより一層改善するようにしても良い。
また、上記各成分元素の組成を調節する方法として
は、 i)各成分元素を所定の割合となるように秤量し、これ
らをあらかじめ例えば高周波溶解炉等で溶解して合金イ
ンゴットを形成しておき、この合金インゴットを蒸発源
として使用する方法、 ii)各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸発源
の数で組成を制御する方法、 iii)各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸発
源に加える出力(印加電圧)を制御して蒸発スピードを
コントロールし組成を制御する方法、 iv)合金を蒸発源として蒸発しながら他の元素を打ち込
む方法、 等が挙げられる。
なお、上述の真空薄膜形成技術等により膜付けされた
軟磁性薄膜は、そのままの状態では保持力が若干高い値
を示し良好な軟磁気特性が得られないので、熱処理を施
して膜の歪を除去し、軟磁気特性を改善することが好ま
しい。
ここで本発明では、上記磁性合金薄膜(3),(13)
の膜厚dを1〜10μmと極めて薄く設定しているので、
高抗磁力磁気記録媒体への記録特性を考慮した場合、上
記磁気コア部(酸化物磁性材料)(1),(11)の飽和
磁束密度も大きく影響することより、この酸化物磁性材
料の飽和磁束密度は3000G以上であることが好ましい。
上記酸化物磁性材料としては、例えばMn−Znフェライト
やNi−Znフェライト等が用いられる。また、この酸化物
磁性材料は、単結晶酸化物磁性体または多結晶酸化物磁
性体の何れであっても良く、さらにはこれら単結晶酸化
物磁性体と多結晶酸化物磁性体を所謂熱間加圧処理法等
にて一体化した接合体であってもよい。
本発明者等は、上記磁性合金薄膜(3),(13)とし
て、飽和磁束密度Bsが10kGのFe−Al−Si系軟磁性薄膜
(Fe83.5原子%,Al5.5原子%,Si11原子%)及び、飽和
磁束密度Bsが12kG,13kG,15kGのRu添加Fe−Ga−Si系軟磁
性薄膜を用意し、これら軟磁性薄膜の膜厚dを変えて、
第1図(A)および第1図(B)に示す複合磁気ヘッド
を作成した。そして、これら各複合磁気ヘッドについ
て、ヘッドの諸特性を調べた。この結果、膜厚dと飽和
磁束密度Bsとの関係が第2図中斜線で示す領域内(境界
線上も含む)の磁性合金薄膜,すなわち第2図におい
て、膜厚dが1≦d<5のとき飽和磁束密度Bs≧−d+
13、膜厚dが5≦d<10のとき飽和磁束密度Bs≧8の関
係を満足する磁性合金薄膜を用いた複合磁気ヘッドは、
良好なヘッド特性を示すことが確認された。
本発明の複合磁気ヘッドにおいては、磁性合金薄膜の
膜厚dと飽和磁束密度Bsとが上述の関係を満足する必要
があり、この関係が満たされない場合には、記録再生特
性あるいは生産性,量産性の何れかが劣化する。
例えば、上記磁性合金薄膜(3),(13)の膜厚dが
1μm未満では、上記磁性合金薄膜(3),(13)の単
位接触面積当たりの摩耗量が磁気コア部(1),(11)
のそれに較べて大きいことに起因して、磁気ギャップg
近傍に段差が発生する。この段差は、記録時のヘッドと
媒体の密着状態を悪化させ、磁気ギャップgと媒体にス
ペーシングをもたらすとともに、この段差部が所謂擬似
ギャップとして作用し、再生出力周波数特性にリップル
をもたらす。したがって、再生特性が劣化する。
また、上記膜厚dを極端に小さくすると磁性合金薄膜
(3),(13)を配設するメリットが薄れ、大きな記録
磁界が得られず、高抗磁力磁気記録媒体に対する記録特
性が劣化する。
逆に、上記膜厚dが10μmを越えると、当該磁性合金
薄膜(3),(13)の成膜に長時間を要し、生産性や量
産性,製造コストの点でのメリットが薄れる。しかも、
上記膜厚dが10μmを越えても、記録特性を始めとした
諸特性の向上はあまり期待できない。
また、上記磁性合金薄膜(3),(13)として、その
飽和磁束密度Bsが8kG未満のものを用いた場合には、メ
タルテープ等の有する高い抗磁力に見合った充分大きい
記録磁界が得られず、この種の媒体の記録再生用のヘッ
ドとして使用できない。
但し、上記磁性合金薄膜(3),(13)の膜厚dを1
≦d<5に設定する場合には、この飽和磁束密度BsがBs
≧−d+13なる関係を満たすことが要求される。
すなわち本発明者等は、磁性合金薄膜(3),(13)
に上記Fe−Ga−Si系軟磁性薄膜(Bs=10kG)を用い、こ
の膜厚dを変えて複合磁気ヘッドを作成し、各記録波長
(4.7MHz,1.5MHz,130kHz)における上記膜厚dと記録出
力の関係を調べた。ここで、上記記録出力の評価は、磁
性合金薄膜を磁気ギャップ面に対して略45゜傾けて配設
してなり、該薄膜の材料,トラック幅,ギャップ長,デ
プス等が本実施例のヘッドと同一の複合磁気ヘッド(比
較例)との記録出力比として表したものである。
この第3図からも明らかなように、磁性合金薄膜の膜
厚dの減少とともに記録出力比も劣化し、特に長波長側
(低周波数帯域)では磁気飽和が顕著となる。例えば、
膜厚dが3μm以下となると、比較例のヘッドに対する
記録出力比が−5dB以下(130kHz)となり、記録特性の
劣化が顕著となる。したがって、膜厚dが1≦d<5の
場合には、薄膜の飽和磁束密度BsがBs≧−d+13なる材
料を用いることにより、広い周波数帯域で優れた記録特
性が発揮されることが確認された。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の複合磁気
ヘッドにおいては、高抗磁力磁気記録媒体に対して充分
な記録磁界が発生できるような膜厚と飽和磁束密度の関
係を満足する磁性合金薄膜を主コア材として用いている
ので、高密度化,高品質化に対応したメタルテープ等に
対して優れた記録特性を発揮する。また、信号を書き換
える場合、前の信号が大きな記録磁界で記録されていて
も、予め消去専用のヘッドでこの信号を消去しているの
で、所謂消し残しの信号によるノイズはなく、優れた再
生特性が得られる。
同時に、上記磁性合金薄膜の膜厚は1〜10μmと極め
て薄く設定されているので、生産性や量産性も確保され
る。
さらに、本発明の複合磁気ヘッドは従来のフェライト
ヘッド並の簡単な構造を有しているので、生産性や製造
歩留まりの点でも有利である。
したがって本発明によれば、特にVTR等の分野で普及
しているメタルテープ等の高抗磁力磁気記録媒体に対し
ても、広い周波数帯域で優れた記録特性を発揮し、記録
の高密度化や高品質化に好適な複合磁気ヘッドを安価に
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明を適用した複合磁気ヘッドの一実
施例を示す概略斜視図、第1図(B)は第1図(A)に
示す複合磁気ヘッドの磁気記録媒体摺接面を示す要部拡
大平面図である。 第2図は磁性合金薄膜の膜厚及び飽和磁束密度の設定領
域を示す特性図である。 第3図は記録周波数を変えたときの記録出力比の膜厚依
存性を示す特性図である。 I,II……磁気コア半体 1,11……磁気コア部(酸化物磁性材料) 3,13……磁性合金薄膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物磁性材料と磁性合金薄膜により構成
    される一対の磁気コア半体を突き合わせ、前記磁性合金
    薄膜同士により磁気ギャップが形成されてなり、磁気ギ
    ャップ近傍部に於いて前記酸化物磁性材料と磁性合金薄
    膜との境界面が磁気ギャップ面と略平行な複合磁気ヘッ
    ドであって、 前記磁性合金薄膜の飽和磁束密度Bs(KG)及び膜厚d
    (μm)を膜厚dが1≦d<5のとき飽和磁束密度Bs≧
    −d+13、膜厚dが5≦d<10のとき飽和磁束密度Bs≧
    8としたことを特徴とする複合磁気ヘッド。
JP62027679A 1987-02-09 1987-02-09 複合磁気ヘツド Expired - Fee Related JP2565173B2 (ja)

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