JP2995784B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP2995784B2 JP2042665A JP4266590A JP2995784B2 JP 2995784 B2 JP2995784 B2 JP 2995784B2 JP 2042665 A JP2042665 A JP 2042665A JP 4266590 A JP4266590 A JP 4266590A JP 2995784 B2 JP2995784 B2 JP 2995784B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、いわゆるメタルテープ等の高抗磁力磁気記
録媒体に対して記録・再生を行うのに好適な磁気ヘッド
に関し、詳細には金属磁性薄膜を積層化した磁気ヘッド
に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、一対の磁気コア半体よりなる磁気ヘッドの
ギャップ部を金属磁性薄膜で構成したいわゆるメタル・
イン・ギャップ型の磁気ヘッドにおいて、上記金属磁性
薄膜を結晶質金属磁性材料層とPt層の多層膜構造とし、
さらにこの金属磁性薄膜の下地膜にPt膜を用いることに
より、磁性膜の軟磁気特性を改善し、再生出力の大幅の
向上を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録の分野においては、記録信号の高密度
化が進行しており、高い抗磁力と高い残留磁束密度を有
する磁気記録媒体,例えば強磁性金属材料を非磁性支持
体上に直接被着せしめてなるメタルテープ等が使用され
るようになっている。これに伴って磁気ヘッドに対して
は、コア材料が高飽和磁束密度,高透磁率を有すること
が要求されている。
かかる要求を満たすため、従来から補助コア材にフェ
ライトを用い、そのフェライト上に高飽和磁束密度を有
する金属磁性薄膜を主コア材として形成し、ギャップ部
が上記金属磁性薄膜より形成されてなるいわゆるメタル
・イン・ギャップ型の磁気ヘッドが提案されており、メ
タルテープ等の記録・再生に好適なものとなっている。
ところで、この種の磁気ヘッドにおいては、上記メタ
ルテープ等のように高抗磁力媒体に対して良好に記録・
再生する必要があることから、記録磁界を十分にとるた
めに金属磁性薄膜をある程度厚膜化する必要がある。
しかしながら、単に膜厚を厚くしたのでは、金属磁性
薄膜中で結晶粒が成長することや、渦電流損の発生等に
より透磁率が低下し、また保磁力が大きくなり、薄く成
膜したときよりも軟磁気特性が劣化する。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであり、磁性膜の軟磁気特性を改善し、再生出力
の大幅な向上の図れる磁気ヘッドを提供することを目的
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上述の目的を達成するために、一対の磁気
コア半体が磁気ギャップ形成面を突き合わせて接合一体
化され、これら一対の磁気コア半体のうち少なくとも一
方の磁気コア半体の磁気ギャップ形成面に金属磁性薄膜
が成膜されてなる磁気ヘッドにおいて、前記金属磁性薄
膜の下地膜としてPt膜が形成されるとともに、金属磁性
薄膜が結晶質金属磁性材料層とPt層からなる多層膜とさ
れてなることを特徴とするものである。
〔作用〕
本発明においては、金属磁性薄膜が結晶質金属磁性材
料層とPt層の多層膜構造とされるとともにPt膜が該金属
磁性薄膜の下地膜として形成されているので、これらPt
の下地効果により結晶粒成長が抑制され、当該Pt層並び
にPt膜上に成膜される各々の結晶質金属磁性材料層の透
磁率が向上するとともに保磁力も低下する。したがっ
て、膜全体として軟磁気特性が改善される。
また、本発明においては、金属磁性薄膜の下地膜とし
て介在されるPt膜が当該金属磁性薄膜との界面において
起こる拡散反応を有効に防止する。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した具体的な実施例について図面
を参照しながら説明する。
本実施例の磁気ヘッドは、第1図及び第2図に示すよ
うに、記録媒体対接面の略中央に位置する磁気ギャップ
gを境として左右別々に作製された一対の磁気コア半体
(1),(2)が突合わせ面である磁気ギャップ形成面
を突き合わせて接合一体化されてなっている。
上記磁気コア半体(1),(2)は、補助コア部であ
る基体(3),(4)と、主コア部である金属磁性薄膜
(5),(6)とから構成されている。
上記基体(3),(4)は、例えばMn−Zn系フェライ
トやNi−Zn系フェライト等の酸化物磁性材料からなり、
上記金属磁性薄膜(5),(6)と共に閉磁路を構成す
る補助コア部となっている。上記基体(3),(4)の
前記磁気ギャップ形成面と対向する面には、上記磁気ギ
ャップgのトラック幅Twを規制するためのトラック幅規
制溝(7),(8),(9),(10)が磁気ギャップg
の両端縁近傍部よりそれぞれデプス方向に亘って円弧状
に形成されている。なお、上記トラック幅規制溝
(7),(8),(9),(10)内には、それぞれ磁気
記録媒体との当たり特性を確保すると共に摺接による偏
摩耗を防止する目的で、ガラス等の非磁性材(11)が充
填されている。
また、上記基体(3),(4)のうち一方の基体
(4)の前記磁気ギャップ形成面と対向する面には、前
記磁気ギャップgのデプスを規制すると共にコイル(図
示は省略する。)を巻装するための巻線溝(12)が側面
形状を矩形状として形成されている。なお、上記巻線溝
(12)は、上記一方の基体(4)のみならず、他方の基
体(3)にも同様に形成されていてもよい。
一方、金属磁性薄膜(5),(6)は、上記基体
(3),(4)と共に閉磁路を構成する主コア部となる
もので、当該基体(3),(4)の対向面にそれぞれフ
ロントギャップ部よりバックギャップ部に亘って成膜さ
れている。したがって、これら金属磁性薄膜(5),
(6)の対向面がすなわち前記磁気コア半体(1),
(2)の磁気ギャップ形成面となっている。なお、上記
金属磁性薄訳(5),(6)は、上記基体(3),
(4)の対向面のみならず前記トラック幅規制溝
(7),(8),(9),(10)内及び巻線溝(12)内
も含めて成膜されている。
また、上記金属磁性薄膜(5),(6)は、上記基体
(3),(4)上に下地膜としてPt膜(13),(14)を
介して形成されている。さらに、上記金属磁性薄膜
(5),(6)は、結晶質金属磁性材料層とPt層からな
る多層膜構造とされている。すなわち、金属磁性薄膜
(5),(6)を一方の基体(3)に成膜される金属磁
性薄膜(5)を例にとって説明すると、該金属磁性薄膜
(5)は、第3図に示すように前記Pt膜(13)上に結晶
質金属磁性材料層(15)、Pt層(16)の順で順次交互に
積層されて多層膜とされている。なお、他方の基体
(4)に成膜される金属磁性薄膜(6)も上記金属磁性
薄膜(5)と同様、結晶質金属磁性材料層とPt層からな
る多層膜とされている。
上記結晶質金属磁性材料層(15)の膜厚は、厚膜化す
ることにより生ずる結晶粒成長の抑制やα−Fe(110)
配向のゆらぎ等の抑制のため、0.1〜1μm程度とする
ことが望ましい。膜厚が0.1μm未満であると、スパッ
タリング等の成膜工数が増大し生産性が劣化する。逆に
1μmを越えると結晶粒成長等が起こって透磁率が低下
し軟磁気特性が劣化する。一方、Pt層(16)の膜厚は、
上記結晶質金属磁性材料層(15)中の結晶粒成長の抑制
と反応層の形成防止等の観点より10〜100Åとすること
が望ましい。膜厚が10Å未満であると、上記結晶質金属
磁性材料層(15)中での結晶粒成長を抑制することがで
きなくなる。逆に100Åを越えると、結晶粒成長は抑制
されるものの厚 膜化による形状効果によって該膜が疑似ギャップとして
動作し再生出力特性でのうねりの発生を招く。また、Pt
−Fe化合物の硬質磁性化層の増加による磁性膜の保磁力
の増加が起こる。したがって、本実施例では、これらの
ことから結晶質金属磁性材料層(15)を0.5μm、Pt層
(16)を30Åとして、これらをそれぞれ8層、7層とし
て積層した。
金属磁性薄膜(5)は、記録磁界を確保するためにあ
る程度厚膜化する必要があるが単に厚膜化すると結晶粒
成長や渦電流損等の影響で透磁率が低下するが、本例の
ように薄膜の結晶質金属磁性材料層(15)を極薄のPt層
(16)を介して積層するとともに、Pt膜(13),(14)
を下地膜としているため、これらPtの下地効果によりそ
の上に成膜される各々の結晶質金属磁性材料層(15)中
に起こる結晶粒成長が抑えられる。したがって、上記各
結晶質金属磁性材料層(15)の透磁率が増加するととも
に保磁力が低下し、膜全体として軟磁気特性が改善され
る。
また、結晶質金属磁性材料層(15)がPt層(16)並び
にPt膜(13),(14)上に成膜されることで、当該結晶
質金属磁性材料層(15)に強いα−Fe(110)配向が起
こる。このような配向は、膜厚が厚くなると分散する傾
向にあるが、本例では結晶質金属磁性材料層(15)の膜
厚が0.5μmと薄い膜であるため、これらPtの下地効果
が多層膜全体に亘って維持される。したがって、膜内で
の磁性の均一性が高まる。また、磁歪等結晶方向に依存
する物性値は、通常の配向の悪いものとは異なった傾向
を示す。すなわち、磁歪は負の側にずれ、ヘッド形成時
の膜応力の点から有利な膜となる。
また、上記結晶質金属磁性材料層(15)をPt層(16)
を介して多層膜とすることにより、Ptが磁性材料中のFe
と結合して磁気的にハードな部分を形成する。この部分
は、磁区の移動を防止する働きをするため、回転磁化が
促進され各方向の透磁率が高まる。さらには、Pt層(1
6)は結晶質金属磁性材料層(15)の膜厚に対して0.6%
と極めて薄いため、磁性膜の見かけ上の飽和磁束密度
(Bs)の低下を招かないとともに、磁気ギャップgと平
行に配列されても疑似ギャップとして動作することがな
い。なお、中間層としてSiO2を用いると、結晶質金属磁
性材料層(15)に歪みが発生し易いがPtでは歪みが少な
い等の利点がある。
このように、上述の種々の利点を有する下地効果のあ
るPtを中間層並びに下地膜として介在させているため、
これらPtの下地効果によりその上に成膜される各々の結
晶質金属磁性材料層(15)の軟磁気特性が改善せしめら
れ、膜全体として軟磁気特性が向上する。したがって、
本実施例の磁気ヘッドにおいては、再生出力の大幅な向
上が期待できる。
また、上記Pt膜(13),(14)は、前記金属磁性薄膜
(5),(6)の軟磁気特性を改善させる働きをするば
かりでなく、上記基体(3),(4)との界面で起こる
拡散反応を抑制し本来の磁気ギャップgで発生する磁束
と干渉を起こす反応層の形成を防止する働きをする。し
たがって、上記金属磁性薄膜(5),(6)と基体
(3),(4)間の界面においては、上記Pt膜(13),
(14)の作用によって拡散反応が抑制され、疑似ギャッ
プとして動作する反応層の形成が防止される。
上述のようなことから、上記結晶質金属磁性材料層
(15)には、前記Pt層(16)の下地効果の現れるものが
特に好適である。かかるものとしては、例えば、Fe−Ga
−Si−Ru合金やFe−Si−Al系合金等が好ましい。この
他、上記結晶質金属磁性材料層(15)には、高飽和磁束
密度を有し且つ軟磁気特性に優れた結晶質金属磁性材料
がいずれも適用可能である。例示するならば、Fe−Al系
合金、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Al−Ge系
合金、Fe−Ga−Ge系合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co−
Si−Al系合金、あるいはFe−Ga−Si系合金等が挙げられ
る。さらには、上記Fe−Ga−Si系合金の耐蝕性や耐摩耗
性の一層の向上を図るために、Fe,Ga,Co(Feの一部をCo
で置換したものを含む。),Siを基本組成とする合金
に、Ti,Cr,Mn,Zr,Nb,Mo,Ta,W,Os,Rh,Ir,Re,Ni,Pd,Pt,H
f,Vの少なくとも1種を添加したものであってもよい。
上記結晶質金属磁性材料層(15)とPt層(16)の成膜
方法としては、真空蒸着法,スパッタリング法,イオン
プレーティング法,クラスター・イオンビーム法等に代
表される真空薄膜形成技術がいずれも適用できる。この
場合、スパッタリング工数の増加は、装置を多ターゲッ
ト化することで解決できる。
また、上記界面での拡散反応を確実なものとするため
に、上記Pt膜(13),(14)と基体(3),(4)間に
以下に示すような反応防止膜を介在してもよい。かかる
反応防止膜としては、例えばTi,Mo,V,Cr,W,Co,Ni等より
なる膜が使用できる。これらを用いるのは、前記反応層
が金属磁性薄膜(5),(6)を構成する元素のうち、
例えばGaやAl等の融点の低い元素により形成されるとの
事実に鑑み、なるべく融点の高い金属,例えばFeの融点
である1500℃程度以上の融点をもつ金属が反応防止膜と
して有利であるとの観点に基づくものである。融点の高
い金属は、その元素同士の結合が強固であることからも
拡散を抑える上で有利である。さらには、反応防止膜が
非磁性の場合には、疑似ギャップとして動作しないよう
に薄い膜とする必要があることから、原子体積を小さい
ものの方が数Åの膜厚時に膜厚方向での原子総数が増え
ること、および原子間の隙間が小さくなることから緻密
な膜となり、拡散の抑制に有利であること等に基づくも
のである。これら要件を満足しない金属、例えばZr等の
ように融点が高くても原子体積が大きいものは反応防止
効果が少なく、またZnのように原子体積が小さくても融
点の低いものは反応防止効果がない。なお、上記金属よ
りなる膜は、10〜100Å程度成膜することが好ましい。
膜厚が10Åより薄いと、反応防止効果が少なくなり、逆
に100Åよりも厚すぎると疑似ギャップとして動作する
虞れがある。また、これら金属をスパッタリング等によ
って成膜する際に、Ar雰囲気中で酸素ガスや窒素ガスを
加えて反応防止膜の活性を下げるようにしてもよい。こ
のようにすれば、OやNが格子中に入ることで格子が歪
み、さらに拡散が抑制されて一層反応防止効果が高ま
る。さらには、上記金属の単体膜とするのではなく、例
えばSiO2やSi3N等の化合物と積層構造としてもよい。
またこの他、電気陰性度が1.9以上の金属又は合金よ
りなる薄膜,あるいは電気陰性度1.9以上の金属と磁性
金属の合金よりなる薄膜,さらには前記金属又は合金に
酸素を含有せしめた薄膜等の単層膜あるいはこれらを組
合わせた多層膜や磁性金属膜と組合わせた積層膜等が使
用できる。
上記電気陰性度1.9以上の金属は、酸化物磁性材料,
例えばフェライトを構成する金属原子(Fe,Mn,Zn等)に
比べて化学的に安定で、酸素と結合し難いものであるこ
とから、酸素原子の拡散を阻止し、前記金属磁性薄膜
(5),(6)と酸化物磁性材料よりなる基体(3),
(4)との界面における反応を防止する役割を果たす。
なおここに、電気陰性度とは、原子が化学結合をつくる
ときに電子を引きつける能力を表すもので、本明細書に
おいては。ポーリング(L.Pauling)が求めた値を採用
した。
具体的には、電気陰性度が1.9以上の金属としては、
例えば、Re,Cu,Ag,Au,Ru,Rh,Pd,Os,Ir等が挙げられ、な
かでも電気陰性度が2以上の白金族元素(Ru,Rh,Pd,Os,
Ir)が好適である。反応防止膜として機能されるには、
これら電気陰性度が1.9以上の金属を単独で用いてもよ
いし、あるいはこれら金属同士を組み合わせた合金膜と
してもよい。さらには、上記金属(電気陰性度が1.9以
上の金属)とFe,Co,Ni等の磁性金属とを組み合わせた合
金膜としてもよい。この場合には、反応防止膜にも磁性
が付与され、界面に介在させたことによる磁気劣化を最
小限に抑えることができる。なお、前記金属との合金と
する場合、合金中に含まれる電気陰性度1.9以上の金属
の割合は2原子%以上であることが好ましく、これを下
回ると拡散防止効果が不足することになる。さらに、前
述の電気陰性度1.9以上の金属,合金あるいは磁性金属
との合金よりなる反応防止膜には、酸素を導入してもよ
い。これによれば、基体(3),(4)と下地膜(1
3),(14)間及び下地膜(13),(14)と金属磁性薄
膜(5),(6)間での酸素濃度勾配変化が小さくな
り、酸素原子の移動が抑制され反応層の形成が防止され
る。反応防止膜に酸素を導入する手法としては、前記金
属をスパッタリングする際に、雰囲気中に酸素ガスを導
入する手法が挙げられる。なお、酸素導入量としては、
スパッタリング効率を低下させることのない程度、例え
ば通常のArガス雰囲気中に酸素ガスを10%程度混入させ
ることが望ましい。
ここで、上記磁気ヘッドを作製する方法について第4
図(a)ないし第4図(g)を参照しながらその工程順
にしたがって簡単に説明する。
先ず、第4図(a)に示すように、Mn−Zn系フェライ
トよりなるヘッドコアブロック(17)を用意し、そのヘ
ッドコアブロック(17)の突合わせ面となる一主面(17
a)上にトラック幅を規制するための断面略円弧状のト
ラック幅規制溝(18),(19)を形成する。
次に、第4図(b)に示すように、上記ヘッドコアブ
ロック(17)の一主面(17a)上に先のトラック幅規制
溝(18),(19)内も含めてPtをスパッタリングし、後
述の金属磁性薄膜の下地膜となるPt膜(20)を形成す
る。本実施例では、上記Pt膜(20)は、Ptの下地効果と
界面での反応防止効果等の観点よりその膜厚を60Åとし
た。
続いて、第4図(c)に示すように、上記Pt膜(20)
上にFe−Ga−Si−Ru系合金等の結晶質金属磁性材料をス
パッタリングし、結晶質金属磁性材料層(21)を形成す
る。
この結果、上記結晶質金属磁性材料層(21)は、上記
Pt膜(20)の下地効果により、透磁率が向上せしめられ
るとともに保磁力が低下させられ、軟磁気特性が改善さ
れる。
なお、本実施例では、上記結晶質金属磁性材料層(2
1)は、上記結晶粒成長の起こらない程度の膜厚,例え
ば0.5μm厚とした。
さらに続いて、第4図(d)に示すように、上記結晶
質金属磁性材料層(21)上にPtをスパッタリングし、こ
の上に成膜される結晶質金属磁性材料層の結晶粒成長及
び配向のゆらぎ等を抑制するためのPt層(22)を形成す
る。本実施例では、これらを抑制する上からPt層(22)
の膜厚を30Åとした。
次いで、第4図(e)に示すように、上記Pt層(22)
の上にさらにFe−Ga−Si−Ru系合金をスパッタリング
し、前記第4図(c)で形成したのと同じ結晶質金属磁
性材料層(21)を形成する。
この結果、上記Pt層(22)上に成膜された上記結晶質
金属磁性材料層(21)も先のものと同様、当該Pt層(2
2)の下地効果により軟磁気特性が改善される。
そして、上記第4図(c)ないし第4図(e)の工程
を順次繰り返し、結晶質金属磁性材料層(21)を8層、
Pt層(20)を7層として第4図(f)に示す多層膜構造
の金属磁性薄膜(23)を形成する。
上記金属磁性薄膜(23)は、それぞれの結晶質金属磁
性材料層(21)がその下に設けられるPt層(20)の下地
効果によって軟磁気特性が改善されるため、膜全体とし
て軟磁気特性が向上する。
次に、第4図(g)に示すように、先の工程と同様に
して作製された巻線溝(24)を形成してなるヘッドコア
ブロック(25)を前記一方のヘッドコアブロック(17)
の突合わせ面にトラック位置合わせしながら突合わせる
とともに、これらの間にギャップスペーサ(図示は省略
する。)を介在させる。そして、前記巻線溝(24)内に
ガラス棒を差し込んでガラス融着し、これらヘッドコア
ブロック(17),(25)同士を接合一体化する。
なお、巻線溝(24)が形成されたヘッドコアブロック
(25)にも、先のものと同様トラック幅規制溝(26),
(27)、Pt膜(28)、多層膜化された金属磁性薄膜(2
9)が形成されている。
ガラス融着においては、ヘッドコアブロック(17),
(25)と金属磁性薄膜(23),(29)間に拡散反応を防
止する反応防止膜として機能するPt膜(20),(28)が
形成されているので、当該界面における拡散反応が防止
される。したがって、本来の磁気ギャップgにおいて発
生する磁束と干渉を起こす反応層の形成を防止すること
ができる。
そして最後に、第4図(g)に示すa−a線およびb
−b線で示す位置でスライシングし、さらに記録媒体対
接面を円筒研磨してヘッドチップを完成する。
以上、本発明を適用した磁気ヘッドの一実施例につい
て説明したが、本発明はこれら実施例に限定されること
なく本発明の思想を逸脱することのない範囲内で種々の
変更が可能である。
上記の例では、本発明を金属磁性薄膜が磁気ギャップ
と平行に配した磁気ヘッドに対して適用したが、例えば
斜めに削り落とした磁気ギャップ形成面の斜面にそれぞ
れ成膜した金属磁性薄膜同士の突合わせ面に磁気ギャッ
プが構成される磁気ヘッドや、金属磁性薄膜をいわゆる
ラミネート状態に挟み込んでなる磁気ヘッド等、磁気ギ
ャップに対してアジマスを持っている磁気ヘッドに対し
ても本発明が適用できる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気ヘッ
ドにおいては、金属磁性薄膜が結晶質金属磁性材料層と
Pt層との多層膜構造とされるとともにPt膜が金属磁性薄
膜の下地膜として設けられているため、当該Ptの下地効
果により、その上に成膜されるそれぞれの結晶質金属磁
性材料層の透磁率が増加するとともに保磁力が低下し、
膜全体として軟磁気特性が向上する。
また、本発明の磁気ヘッドにおいては、金属磁性薄膜
の下地膜としてPt膜を設けているので、界面における拡
散反応を防止することができ、本来の磁気ギャップで発
生する磁束と干渉を起こす疑似ギャップの発生を防止す
ることができる。
したがって、本発明の磁気ヘッドによれば、軟磁気特
性を改善することができ、大幅な再生出力の向上を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気ヘッドの一例を斜視図、
第2図は記録媒体対接面を拡大して示す要部拡大平面
図、第3図は金属磁性薄膜部を拡大して示す要部拡大平
面図である。 第4図(a)ないし第4図(g)は本実施例の磁気ヘッ
ドの製造方法の一例を工程順に示すもので、第4図
(a)はトラック幅規制溝形成工程を示す斜視図、第4
図(b)はPt膜形成工程を示す斜視図、第4図(c)は
結晶質金属磁性材料層形成工程を示す要部拡大斜視図、
第4図(d)はPt層形成工程を示す要部拡大斜視図、第
4図(e)はさらに結晶質金属磁性材料層形成工程を示
す要部拡大斜視図、第4図(f)は金属磁性薄膜形成工
程を示す斜視図、第4図(g)はガラス融着工程を示す
斜視図である。 5,6,23,29……金属磁性薄膜 13,14,20,28……Pt膜 15,21……結晶質金属磁性材料層 16,22……Pt層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 庄一 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソ ニー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−194314(JP,A) 特開 昭63−19804(JP,A) 特開 平1−283907(JP,A) 特開 平1−99203(JP,A) 特開 昭63−254709(JP,A) 特開 平1−241007(JP,A) 特開 平1−312712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/127 - 5/255 G11B 5/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の磁気コア半体が磁気ギャップ形成面
    を突き合わせて接合一体化され、これら一対の磁気コア
    半体のうち少なくとも一方の磁気コア半体の磁気ギャッ
    プ形成面に金属磁性薄膜が成膜されてなる磁気ヘッドに
    おいて、 前記金属磁性薄膜の下地膜としてPt膜が形成されるとと
    もに、金属磁性薄膜が結晶質金属磁性材料層とPt層から
    なる多層膜とされてなる磁気ヘッド。
JP2042665A 1990-02-26 1990-02-26 磁気ヘッド Expired - Fee Related JP2995784B2 (ja)

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