JP3147434B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッドに関し、特に
磁気コア半体を非磁性ギャップ材を介して突き合わせ、
接合してなる磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録装置の小型化,大容量化
にともない記録密度の高密度化が進められている。高密
度化のためには、媒体としては高保磁力で高飽和磁束密
度を有することが必要であり、酸化物の微粒子を塗布し
た媒体から、Co−Ni系合金などをスパッタリング法
にて作成した媒体へ移行しつつある。この様な高保磁力
媒体を充分に記録する能力を持つ磁気ヘッドは、磁気的
に飽和することなく大きな記録磁界を出す必要がある。
このためには、磁気ヘッドのコア材として高い飽和記録
密度をもつ磁性材料を用いなければならないが、従来磁
気ヘッド用材料として多用されている強磁性酸化物(フ
ェライト)では飽和磁束密度が5KG程度であるため、
保磁力900(Oe)程度の記録媒体に記録するのが限
界であった。そこで、強磁性酸化物を主体とした磁気ヘ
ッドにおいて、磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍をフェラ
イトより飽和磁束密度の高い金属磁性膜にて構成された
複合型磁気ヘッド(MIGヘッド)や、磁路のすべてを
金属磁性膜にて構成された積層型磁気ヘッドによって、
高保磁力媒体に対しても十分記録することができる磁気
ヘッドが種々提案されている。
【0003】ところで、複合型磁気ヘッドにおいてはフ
ェライトと金属磁性膜との界面が疑似ギャップとして働
き、孤立再生波形が歪み、再生出力の周波数特性にうね
りを生じさせるという問題がある。この原因はガラス接
合時の熱によるフェライトと金属磁性膜との拡散や、フ
ェライトに金属磁性膜を形成する際に初期膜の不均一な
結晶構造による磁気的な劣化層が形成され、疑似ギャッ
プとして働くと考えられている。この疑似ギャップは、
フェライトと金属磁性膜との界面にFe膜、Ni−Fe
膜等の拡散防止膜を形成することで、改善することが可
能である。しかしながら、例えば700℃以上の高温で
接合した場合には拡散防止膜が金属磁性膜と反応し、そ
の部分が磁気的劣化層となるため疑似ギャップを低減さ
せることは困難となる。したがって、疑似ギャップを低
減させるには700℃程度以下の温度にてガラス接合さ
せることが必要であり、この場合、PbO系の低融点ガ
ラスが用いられている。
【0004】一般にPbOを多く含む低融点ガラスは、
ガラス自体の強度が弱いばかりでなく、PbOは還元が
起き易いためPbの金属微小粒の析出が生じ、これがき
っかけとなってクラックが発生しギャップ強度を弱くさ
せる。特に、複合型磁気ヘッドに低融点ガラスを用いた
場合には、金属磁性膜と接合ガラスとの拡散・反応が起
き、PbOの還元を促進させるため、さらにギャップ強
度を低下させてしまう。そこで、公開特許平2−141
910号公報に開示されているCr,Ti,CrO,T
iO2をギャップ材として用いることによって、この拡
散・反応を抑える試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気ヘッドにおいては接合ガラスだけでコアを接合して
いるものであり、ギャップ部の接合面は接合されていな
い。そのため、ギャップ部は十分な強度を持っていると
は言えず歩留りを著しく低下させる。また、拡散・反応
を抑えるため金属磁性膜上にCr等の非磁性金属膜を形
成した場合においても同様にギャップ部の接合強度が十
分でない。
【0006】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、ギャップ部における接合強度を大きくすることがで
きる磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、酸化物磁性材料で構成された一対のコアの少なくと
も一方のギャップ対向面に金属磁性膜を設け、コアの少
なくとも一方の突き合わせ面にSiO 2 単体もしくはS
iO 2 を主成分とする材料で構成した高融点ガラス膜,
Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,W,Cu,Au単体またはこれらの酸化物または窒
化物で構成された拡散防止膜,PbO単体もしくはPb
Oを主成分とする材料で構成した低融点ガラス膜の順に
膜を堆積させて、これをギャップとしたものである。
【0008】
【作用】この構成により、ギャップ部においても2つの
コアの接合力を発生させることができる。
【0009】
【実施例】図1(a)は本発明の一実施例における磁気
ヘッドを示す斜視図である。図1において、1はフェラ
イト等の酸化物磁性材料からなるI型のコアで、コア1
のギャップ対向面にはFe−Al−Si系合金等の金属
磁性材料で構成された金属磁性膜2が形成されている。
また金属磁性膜2はスパッタリング法等の薄膜形成技術
によって形成される。3はフェライト等の酸化物磁性材
料よりなるC型のコアで、コア3には巻線溝3aが設け
られている。コア1とコア2は金属磁性膜3とコア3が
対向するようにギャップ部4を介して突き合わされ接合
ガラス5によって接合されている。ギャップ部4は図1
(b)の様に構成されている。図1(b)は図1(a)
の円Aで囲まれた部分の拡大図である。図1(b)にお
いて4aは金属磁性膜2の上に設けられ、SiO2等で
構成された高融点ガラス膜、4bは高融点ガラス膜4a
の上に設けられ、Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,
Ta,Cr,Mo,W,Cu,Au自体及びそれらの酸
化物またはそれらの窒化物等で構成された拡散防止膜、
4cは拡散防止膜4bの上に設けられ、PbO等で構成
された低融点ガラス膜である。これらギャップ部4を構
成するそれぞれの薄膜はスパッタリング法や蒸着等の薄
膜形成技術によって構成されている。また低融点ガラス
膜4cはコア1,3を互いに接合する目的も有する。ま
た拡散防止膜4bはギャップ部4における低融点ガラス
膜4cと金属磁性膜2との拡散・反応を防ぐことがで
き、さらに、接合ガラス5と金属磁性膜2との拡散・反
応を防ぐことができる。また、低融点ガラス膜4cと接
合ガラス5は互いに溶け合うが、共にPbOを含んでい
るためPbOの還元は起きず、ギャップ強度及びギャッ
プ品質の低下を起こさせることなく磁気ヘッドとして好
ましい特性を呈することになる。
【0010】図2(a)、(b)は第2の実施例を示す
斜視図及び拡大図である。図2(a)、(b)において
1はコア、2は金属磁性膜、3はコア、5は接合ガラス
でこれらは図1(a)(b)に示すものとおなじであ
る。6はギャップ部で、ギャップ部6は図2(b)に示
すような構成となっている。図2(b)は図2(a)の
円Bの拡大図である。図2(b)において6aは金属磁
性膜2の上に設けられ、SiO2等で構成された高融点
ガラス膜、6bは高融点ガラス膜6aの上に設けら
れ、Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,W,Cu,Au自体及びそれらの酸化物またはそ
れらの窒化物等で構成された拡散防止膜、6cは拡散防
止膜6bの上に設けられ、PbO等で構成された低融点
ガラス膜、6dは低融点ガラス膜6cの上に設けられた
拡散防止膜で、この拡散防止膜6dは拡散防止膜6bと
同様に形成される。6eは拡散防止膜6dの上に設けら
れた高融点ガラス膜で、この高融点ガラス膜6eは高融
点ガラス膜6aと同様に形成される。これらギャップ部
6を構成するそれぞれの薄膜はスパッタリング法や蒸着
等の薄膜形成技術によって構成されている。またギャッ
プ部6の形成は以下のように行われる。まず金属磁性膜
2の上に高融点ガラス膜6a、拡散防止膜6b、低融点
ガラス膜6cを順に形成し、またコア3の上に高融点ガ
ラス膜6e、拡散防止膜6d、低融点ガラス膜6cを順
に形成して、コア1とコア3を接合することによってギ
ャップ部6を形成する。また他のギャップ部の形成方法
は、金属磁性膜2の上に高融点ガラス膜6a、拡散防止
膜6b、低融点ガラス膜6c、拡散防止膜6d、高融点
ガラス膜6eを順に形成して、コア1とコア3を接合す
ることによって形成してもよい。この様に構成された磁
気ヘッドもギャップ強度及びギャップ品質の低下を起こ
させることなく好ましい特性を呈することになる。
【0011】図3(a)、(b)は第3の実施例を示す
斜視図及び部分拡大図である。図3(a)において、7
はフェライト等の酸化物磁性材料等によって構成された
I型のコアで、コア7のギャップ対向面にはFe−Al
−Si系合金等の金属磁性材料で構成された金属磁性膜
8が形成されている。また金属磁性膜8はスパッタリン
グ法等の薄膜形成技術によって形成される。9はフェラ
イト等の酸化物磁性材料よりなるC型のコアで、コア9
には巻線溝9aが設けられている。またコア9のギャッ
プ対向面には金属磁性膜10が形成されている。この金
属磁性膜10は金属磁性膜8と同様に形成される。コア
7とコア9は金属磁性膜8,10がそれぞれ対向するよ
うにギャップ部12を介して突き合わされ接合ガラス1
1によって接合されている。ギャップ部12は図3
(b)の様に構成されている。図3(b)は図3(a)
の円Cで囲まれた部分の拡大図である。図3(b)にお
いて12aは金属磁性膜8の上に設けられ、SiO2
で構成された高融点ガラス膜、12bは高融点ガラス膜
12aの上に設けられ、Al,Ti,Zr,Hf,V,
Nb,Ta,Cr,Mo,W,Cu,Au自体及びそれ
らの酸化物またはそれらの窒化物等で構成された拡散防
止膜、12cは拡散防止膜12bの上に設けられ、Pb
O等で構成された低融点ガラス膜、12dは低融点ガラ
ス膜12cの上に設けられた拡散防止膜で、この拡散防
止膜12dは拡散防止膜12bと同様に形成される。1
2eは拡散防止膜12dの上に設けられた高融点ガラス
膜で、この高融点ガラス膜12eは高融点ガラス膜12
aと同様に形成される。これらギャップ部12を構成す
るそれぞれの薄膜はスパッタリング法や蒸着等の薄膜形
成技術によって構成されている。またギャップ部12の
形成は以下のように行われる。まず金属磁性膜8の上に
高融点ガラス膜12a、拡散防止膜12b、低融点ガラ
ス膜12cを順に形成し、また金属磁性膜10の上に高
融点ガラス膜12e、拡散防止膜12d、低融点ガラス
膜12cを順に形成して、コア7とコア9を接合するこ
とによってギャップ部12を形成する。また他のギャッ
プ部12の形成方法は、金属磁性膜8の上に高融点ガラ
ス膜12a、拡散防止膜12b、低融点ガラス膜12
c、拡散防止膜12d、高融点ガラス膜12eを順に形
成して、コア7とコア9を接合することによって形成し
てもよい。この様に構成された磁気ヘッドもギャップ強
度及びギャップ品質の低下を起こさせることなく好まし
い特性を呈することになる。
【0012】次にギャップ強度を測定するために、ギャ
ップ材の異なる磁気ヘッドを作製した。本実施例は図2
(a)、(b)で示される構造とし、高融点ガラス膜と
してSiO2を500Å、拡散防止膜を500Å、低融
点ガラス膜を500Åを形成した構成となっている。な
お、拡散防止膜を用いない比較例1においては高融点ガ
ラス膜としてSiO2を1000Å、低融点ガラス膜を
500Åとしている。また、比較例2においては金属磁
性膜の上に拡散防止膜を形成しその上に、高融点ガラス
膜としてSiO2、低融点ガラス膜の順にギャップ部を
形成した構成としている。結果を(表1)に示す。
【0013】
【表1】
【0014】(表1)より明らかなように、拡散防止膜
に、Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,W,Cu,Auを用いた場合、拡散防止膜を配し
ていない比較例1と比べギャップ強度は著しく向上して
いる。さらに、これら拡散防止膜をスパッタリングにて
成膜する場合、アルゴンガス以外に酸素又は窒素を加え
て反応性スパッタリングにより酸化物,窒化物として形
成しても同様の効果があることがわかる。
【0015】また本実施例は比較例2で示した拡散防止
膜を金属磁性膜上に形成した場合よりさらにギャップ強
度は向上していることがわかる。本実施例及び比較例2
は共に拡散防止膜を形成しているにも関わらずギャップ
強度に差を生じている。この原因について様々な観点か
ら調べた。その結果、ガラス接合時の熱処理温度では溶
けるはずもない高融点ガラスであるSiO2膜が低融点
ガラスと溶けることによりSiO2膜も溶けた状態とな
るため、接合ガラスと金属磁性膜の界面だけでなくギャ
ップ部でも金属磁性膜はPbOを含んだガラスにさらさ
れることとなり、界面では拡散・反応が起きる。したが
って、前にも述べた様にPbOが還元し、Pbが析出す
ることによるガラス強度の劣化や金属磁性膜界面での反
応層の生成によって、ここがきっかけとなってクラック
が生じギャップ強度を低下させていることが明かとなっ
た。つまり、磁気ヘッドにおいてギャップ強度を低下さ
せる原因は、従来考えられていた金属磁性膜と接合ガラ
スの拡散・反応だけでなく、ギャップ部の低融点ガラス
とSiO2膜との拡散・反応も関係していることが明か
となった。また、SiO2膜と低融点ガラスが溶けるこ
とによるギャップ品質の 低下が加工によるスペーシン
グロスの増加及び実効ギャップの広がりをも発生させ、
複合型磁気ヘッドの記録再生特性を劣化させてしまう。
したがって、拡散防止膜は高融点ガラスであるSiO2
膜と低融点ガラスの間に配することが重要で あり、こ
れによってギャップ強度が強く、優れた記録再生特性を
有する磁気ヘッドを得ることができる。
【0016】図4は拡散防止膜であるCrの膜厚とギャ
ップ強度の関係を示す特性図である。なお、Cr膜とS
iO2膜の膜厚の合計及び低融点ガラスの膜厚は一定と
している。この図より、反応防止層であるCrを50Å
以上形成すれば反応防止層がない場合と比べてギャップ
強度が向上することがわかる。このように、反応防止層
であるCrの膜厚が50Å以上であれば膜厚に関係な
く、高融点ガラス膜と低融点ガラス膜の間に拡散防止膜
を形成することでギャップ強度を著しく向上させること
ができる。
【0017】図4にはCr膜厚に対するギャップ強度に
ついて示したが、CrだけではなくAl,Ti,Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Cu,Mo,W,Cu,Auに
ついても、同様の結果が得られており、これら拡散防止
膜の膜厚を特に限定するものではない。さらに、種々の
接合ガラスを用い450℃〜750℃の温度にてフェラ
イトコア半体の接合を行い本実施例の効果について調べ
たが、ガラス接合温度に関係なくギャップ材を本実施例
の構成にすれば、ギャップ強度は向上することを確認し
ている。
【0018】次に、ギャップ材が高融点ガラス膜と低融
点ガラス膜によって構成された従来の磁気ヘッド及び本
実施例の磁気ヘッドの電磁変換特性を調べるために保磁
力1400(Oe)の固定ディスクを用い、浮上量0.1μ
mにて測定を行った。図5に再生出力の周波数特性を示
す。この結果より、本発明のギャップ材を用いた場合、
従来の磁気ヘッドに比べて優れた記録再生特性を有する
ことが確認できた。この記録再生特性の差は、ギャップ
品質の低下によるスペーシングロス及び実効的なギャッ
プ長の増加によって再生効率が低下するために起こるも
のである。
【0019】図6(a)、(b)はそれぞれ第4の実施
例を示す斜視図及び拡大図である。図6(a)において
13はコアで、コア13はセラミック等の非磁性材料で
構成された基板13a,13bで積層コア13cを挟ん
だ構成となっている。積層コア13cはFe−Al−S
i等の金属磁性材料で構成された金属磁性膜とSiO2
等の絶縁材料で構成された絶縁膜を交互に積層して構成
されている。14はコアで、コア14はコア13同様に
セラミック等の非磁性材料で構成された基板14a,1
4bで積層コア14cを挟んだ構成となっている。また
積層コア14cはFe−Al−Si等の金属磁性材料で
構成された金属磁性膜とSiO2等の絶縁材料で構成さ
れた絶縁膜を交互に積層して構成されている。さらにコ
ア14には巻線溝14dが設けられている。コア13と
コア14はギャップ部15を介して突き合わされ、接合
ガラス16で接合されている。ギャップ部15は図6
(b)に示される構成となっている。図6(b)は図6
(a)の円Dの拡大図である。図6(b)において、1
5aはコア13の上に設けられ、SiO2等で構成され
た高融点ガラス膜、15bは高融点ガラス膜15aの上
に設けられ、Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
a,Cr,Mo,W,Cu,Au自体及びそれらの酸化
物またはそれらの窒化物等で構成された拡散防止膜、1
5cは拡散防止膜15bの上に設けられ、PbO等で構
成された低融点ガラス膜、15dは低融点ガラス膜15
cの上に設けられた拡散防止膜で、この拡散防止膜15
dは拡散防止膜15bと同様に形成される。15eは拡
散防止膜15dの上に設けられた高融点ガラス膜で、こ
の高融点ガラス膜15eは高融点ガラス膜15aと同様
に形成される。これらギャップ部15を構成するそれぞ
れの薄膜はスパッタリング法や蒸着等の薄膜形成技術に
よって構成されている。またギャップ部15の形成は以
下のように行われる。まずコア13の上に高融点ガラス
膜15a、拡散防止膜15b、低融点ガラス膜15cを
順に形成し、またコア14の上に高融点ガラス膜15
e、拡散防止膜15d、低融点ガラス膜15cを順に形
成して、コア13とコア14を接合することによってギ
ャップ部15を形成する。また他のギャップ部15の形
成方法は、コア13の上に高融点ガラス膜15a、拡散
防止膜15b、低融点ガラス膜15c、拡散防止膜15
d、高融点ガラス膜15eを順に形成して、コア13と
コア14を接合することによって形成してもよい。この
様に構成された磁気ヘッドもギャップ強度及びギャップ
品質の低下を起こさせることなく好ましい特性を呈する
ことになる。
【0020】
【発明の効果】本発明は酸化物磁性材料で構成された一
対のコアの少なくとも一方のギャップ対向面に金属磁性
膜を設け、コアの少なくとも一方の突き合わせ面にSi
2 単体もしくはSiO 2 を主成分とする材料で構成した
高融点ガラス膜,Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,
Ta,Cr,Mo,W,Cu,Au単体またはこれらの
酸化物または窒化物で構成された拡散防止膜,PbO単
体もしくはPbOを主成分とする材料で構成した低融点
ガラス膜の順に膜を堆積させて、これをギャップとした
ことにより、ギャップ部においても2つのコアの接合力
を発生させることができるので、高いギャップ強度を保
つことができ、さらにギャップ品質の低下を抑えること
ができる。したがって、スペーシングロス及び実効ギャ
ップ長の増加による再生出力の低下もない優れた記録再
生特性を有する磁気ヘッドを高歩留りで提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例における磁気ヘッ
ドを示す斜視図 (b)同部分拡大図
【図2】(a)本発明の第2の実施例における磁気ヘッ
ドを示す斜視図 (b)同部分拡大図
【図3】(a)本発明の第3の実施例における磁気ヘッ
ドを示す斜視図 (b)同部分拡大図
【図4】Cr膜厚とギャップ強度の関係を示すグラフ
【図5】本実施例及び比較例それぞれの磁気ヘッドの記
録再生特性を示すグラフ
【図6】(a)本発明の第4の実施例における磁気ヘッ
ドを示す斜視図 (b)同部分拡大図
【符号の説明】
1 コア 2 金属磁性膜 3 コア 3a 巻線溝 4 ギャップ部 4a 高融点ガラス膜 4b 拡散防止膜 4c 低融点ガラス膜 5 接合ガラス 6 ギャップ部 6a 高融点ガラス膜 6b 拡散防止膜 6c 低融点ガラス膜 6d 拡散防止膜 6e 高融点ガラス膜 7 コア 8 金属磁性膜 9 コア 9a 巻線溝 10 金属磁性膜 11 接合ガラス 12 ギャップ部 12a 高融点ガラス膜 12b 拡散防止膜 12c 低融点ガラス膜 12d 拡散防止膜 12e 高融点ガラス膜 13 コア 13a 基板 13b 基板 13c 積層コア 14 コア 14a 基板 14b 基板 14c 積層コア 15 ギャップ部 15a 高融点ガラス膜 15b 拡散防止膜 15c 低融点ガラス膜 15d 拡散防止膜 15e 高融点ガラス膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−58714(JP,A) 特開 昭61−214110(JP,A) 特開 昭62−295204(JP,A) 特開 昭60−20306(JP,A) 特開 平2−40113(JP,A) 特開 昭63−25806(JP,A) 特開 平5−89424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方に巻線溝を形成し酸化物磁
    性材料で構成された一対のコアと、前記一対のコアの少
    なくとも一方のコアのギャップ対向面に設けられた金属
    磁性膜と、前記一対のコアの間に設けられたギャップ部
    を備え、前記ギャップ部が前記金属磁性膜側からSiO
    2 単体もしくはSiO 2 を主成分とする材料で構成した
    融点ガラス膜,Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,T
    a,Cr,Mo,W,Cu,Au単体またはこれらの酸
    化物または窒化物で構成された拡散防止膜,PbO単体
    もしくはPbOを主成分とする材料で構成した低融点ガ
    ラス膜を順次積層した積層構造となっている事を特徴と
    する磁気ヘッド。
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