JPH05226151A - 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。 - Google Patents
磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。Info
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- JPH05226151A JPH05226151A JP2796292A JP2796292A JPH05226151A JP H05226151 A JPH05226151 A JP H05226151A JP 2796292 A JP2796292 A JP 2796292A JP 2796292 A JP2796292 A JP 2796292A JP H05226151 A JPH05226151 A JP H05226151A
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- H01F10/08—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
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- H01F10/14—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel
- H01F10/147—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys containing iron or nickel with lattice under strain, e.g. expanded by interstitial nitrogen
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気ヘッド用の高飽和磁束密度を有し高耐熱
性を持つ軟磁性合金膜、並びに軟磁性合金膜を備えた磁
気ヘッドを提供する。 【構成】 原子比組成、即ち、Fe-Zr-N膜のZrの一部をT
iに置換することにより、また、[Ti/(Zr+Ti)]×100(%)
を5〜60%未満好ましくは20%以上55%以下に選ぶことによ
り高飽和磁束密度・高耐熱性の軟磁性合金膜を成膜す
る。
性を持つ軟磁性合金膜、並びに軟磁性合金膜を備えた磁
気ヘッドを提供する。 【構成】 原子比組成、即ち、Fe-Zr-N膜のZrの一部をT
iに置換することにより、また、[Ti/(Zr+Ti)]×100(%)
を5〜60%未満好ましくは20%以上55%以下に選ぶことによ
り高飽和磁束密度・高耐熱性の軟磁性合金膜を成膜す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュ−タ−記憶装
置やVTR等の高密度磁気記録に用いられる磁気ヘッド
用の軟磁性合金膜、並びに軟磁性合金膜を備えた磁気ヘ
ッドに関するものである。
置やVTR等の高密度磁気記録に用いられる磁気ヘッド
用の軟磁性合金膜、並びに軟磁性合金膜を備えた磁気ヘ
ッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュ−タ−記憶装置やVTR
等の高密度磁気記録再生装置に用いられる磁気ヘッドと
しては、記録密度の向上を図るために磁気コアの少なく
ともギャップ近傍に強磁性金属膜を配したMIG型磁気
ヘッドが提案されている。
等の高密度磁気記録再生装置に用いられる磁気ヘッドと
しては、記録密度の向上を図るために磁気コアの少なく
ともギャップ近傍に強磁性金属膜を配したMIG型磁気
ヘッドが提案されている。
【0003】図1(a)(b)(c)は、各々このMI
G型磁気ヘッドの媒体摺動面の異なる例を示す図であ
り、図中1a、1bはフェライト等の強磁性酸化物材料
よりなる一対のコア半体、2は強磁性金属膜、3は磁気
ギャップ、4は接合ガラスである。
G型磁気ヘッドの媒体摺動面の異なる例を示す図であ
り、図中1a、1bはフェライト等の強磁性酸化物材料
よりなる一対のコア半体、2は強磁性金属膜、3は磁気
ギャップ、4は接合ガラスである。
【0004】また、図2(a)(b)は、各々磁性膜を
絶縁膜を介して積層構造とした積層型磁気ヘッドの異な
る例を示す斜視図であり、図中5a、5bは非磁性基
板、6は強磁性金属膜、7は絶縁膜、8は磁気ギャッ
プ、9は接合ガラスである。
絶縁膜を介して積層構造とした積層型磁気ヘッドの異な
る例を示す斜視図であり、図中5a、5bは非磁性基
板、6は強磁性金属膜、7は絶縁膜、8は磁気ギャッ
プ、9は接合ガラスである。
【0005】図3(a)(b)は、HDD用のヘッドス
ライダの異なる例を示す斜視図であり、同図(a)はモ
ノリシック型であって、10aはフェライト等の酸化物
磁性材からなるスライダ、10bはフェライト等の酸化
物磁性材からなるヨーク部、11は強磁性金属膜、12
は接合ガラスである。同図(b)はコンポジット型であ
って、13は非磁性スライダ、14は磁気ヘッド、15
は強磁性金属膜、16は磁気ヘッド14をスライダ13
に接合するための接合ガラスである。
ライダの異なる例を示す斜視図であり、同図(a)はモ
ノリシック型であって、10aはフェライト等の酸化物
磁性材からなるスライダ、10bはフェライト等の酸化
物磁性材からなるヨーク部、11は強磁性金属膜、12
は接合ガラスである。同図(b)はコンポジット型であ
って、13は非磁性スライダ、14は磁気ヘッド、15
は強磁性金属膜、16は磁気ヘッド14をスライダ13
に接合するための接合ガラスである。
【0006】図3(a)には図1(a)(b)(c)で
示したMIG型磁気ヘッド等が使われ、図3(b)に
は、図1(a)(b)(c)或いは図2(a)(b)等
の磁気ヘッドが使用される。
示したMIG型磁気ヘッド等が使われ、図3(b)に
は、図1(a)(b)(c)或いは図2(a)(b)等
の磁気ヘッドが使用される。
【0007】本発明は、上述のような磁気ヘッドに使用
される強磁性金属膜についての新規な提案である。
される強磁性金属膜についての新規な提案である。
【0008】従来、強磁性金属膜としては、パ−マロイ
(Fe-Ni合金)、センダスト(Fe-Al-Si合金)、Co系アモル
ファス合金、Fe-Ga-Si合金等が実用化されてきたが、高
密度磁気記録の為に記録媒体の高保磁力化が進んでお
り、磁気ヘッドとしては記録能力の向上、オ−バ−ライ
ト特性の向上が必要とされている。記録能力の向上、オ
−バ−ライト特性の向上のためには強磁性金属膜の飽和
磁束密度を大きくすることが必要である。
(Fe-Ni合金)、センダスト(Fe-Al-Si合金)、Co系アモル
ファス合金、Fe-Ga-Si合金等が実用化されてきたが、高
密度磁気記録の為に記録媒体の高保磁力化が進んでお
り、磁気ヘッドとしては記録能力の向上、オ−バ−ライ
ト特性の向上が必要とされている。記録能力の向上、オ
−バ−ライト特性の向上のためには強磁性金属膜の飽和
磁束密度を大きくすることが必要である。
【0009】このようなことから、高飽和磁束密度を有
する軟磁性膜の研究が盛んに行なわれており一つの手法
として、単体で高飽和磁束密度を有するFe膜を窒化した
Fe-N膜は、Fe膜に比べ優れた軟磁気特性を示すことが、
「第11回日本応用磁気学会学術講演会概要集」P230 3
pB-8 に「窒素添加軟磁性Feスパッタ膜の構造と磁気特
性」として報告されているが、磁気ヘッド製造工程中の
ガラスボンディング時の温度(500〜650℃)ほどの耐熱性
がないため実用化には問題があった。
する軟磁性膜の研究が盛んに行なわれており一つの手法
として、単体で高飽和磁束密度を有するFe膜を窒化した
Fe-N膜は、Fe膜に比べ優れた軟磁気特性を示すことが、
「第11回日本応用磁気学会学術講演会概要集」P230 3
pB-8 に「窒素添加軟磁性Feスパッタ膜の構造と磁気特
性」として報告されているが、磁気ヘッド製造工程中の
ガラスボンディング時の温度(500〜650℃)ほどの耐熱性
がないため実用化には問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決するためのものであり、磁気ヘッド用の高飽
和磁束密度を有し高耐熱性を持つ軟磁性膜を提供するも
のである。
題点を解決するためのものであり、磁気ヘッド用の高飽
和磁束密度を有し高耐熱性を持つ軟磁性膜を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】Fe-N膜の耐熱性向上のた
めに、添加元素をいれることが多く報告されており、代
表的なものを列挙すると、
めに、添加元素をいれることが多く報告されており、代
表的なものを列挙すると、
【0012】
【表1】
【0013】等があるが、このうちFe-Zr-N膜について
は、Zrの組成が8〜10(at%)において、耐熱性を有する軟
磁性膜となることが報告されているが、Zrの組成が4〜7
(at%)においては耐熱性を備えた軟磁性膜は得られない
とされている。
は、Zrの組成が8〜10(at%)において、耐熱性を有する軟
磁性膜となることが報告されているが、Zrの組成が4〜7
(at%)においては耐熱性を備えた軟磁性膜は得られない
とされている。
【0014】上記した軟磁性膜は「日本応用磁気学会誌
Vol.15 No.2 1991年論文特集号」P.365〜370 「Fe-
(Ta,Nb,Zr)-N系膜の組成と磁気特性」で紹介されてい
る。
Vol.15 No.2 1991年論文特集号」P.365〜370 「Fe-
(Ta,Nb,Zr)-N系膜の組成と磁気特性」で紹介されてい
る。
【0015】本発明においては、主にZrの組成が4〜7(a
t%)においても耐熱性を有する軟磁性膜の提供を目的と
し、Zrの一部をTiで置換した組成とすることを特徴と
し、具体的には本発明の磁気ヘッド用高飽和磁束密度・
高耐熱性軟磁性合金膜は、以下の原子比組成とする。
t%)においても耐熱性を有する軟磁性膜の提供を目的と
し、Zrの一部をTiで置換した組成とすることを特徴と
し、具体的には本発明の磁気ヘッド用高飽和磁束密度・
高耐熱性軟磁性合金膜は、以下の原子比組成とする。
【0016】
【数13】
【0017】において、
【0018】
【数14】
【0019】好ましくは、
【0020】
【数15】
【0021】において、
【0022】
【数16】
【0023】
【作用】上記組成を満たす強磁性金属膜は、例えばY+Z=
4.0とした時は、Feの含有率が多く飽和磁束密度Bs>1.8
(T)を有しかつTiが添加されていることにより耐熱温度
も最低温度で550℃を示す。(耐熱温度については、[Z/
(Y+Z)]×100(%)を5.0%〜60%の範囲で大きい方に組成を
選ぶことにより更に向上する。)また、Y+Z=12.0とした
ときには、Feの含有率が少なくなり飽和磁束密度Bsは低
下するが、それでもなおセンダスト膜の飽和磁束密度Bs
=1.1(T)と比較すれば、格段に大きな値Bs=1.5(T)を示
し、かつTi添加により耐熱温度は、600〜650℃に至る。
4.0とした時は、Feの含有率が多く飽和磁束密度Bs>1.8
(T)を有しかつTiが添加されていることにより耐熱温度
も最低温度で550℃を示す。(耐熱温度については、[Z/
(Y+Z)]×100(%)を5.0%〜60%の範囲で大きい方に組成を
選ぶことにより更に向上する。)また、Y+Z=12.0とした
ときには、Feの含有率が少なくなり飽和磁束密度Bsは低
下するが、それでもなおセンダスト膜の飽和磁束密度Bs
=1.1(T)と比較すれば、格段に大きな値Bs=1.5(T)を示
し、かつTi添加により耐熱温度は、600〜650℃に至る。
【0024】このように本発明の軟磁性膜は、Fe-Zr-N
膜のZrの一部をTiで置換したFe-Zr-Ti-N膜とし、更にTi
を適度な割合で置換することにより、高飽和磁束密度を
有するだけではなく高耐熱性をも備えた材料となり、磁
気ヘッド用磁性膜として有効である。
膜のZrの一部をTiで置換したFe-Zr-Ti-N膜とし、更にTi
を適度な割合で置換することにより、高飽和磁束密度を
有するだけではなく高耐熱性をも備えた材料となり、磁
気ヘッド用磁性膜として有効である。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0026】磁性合金膜の作成にはスパッタ法を用い、
非磁性基板上に膜厚2μmに形成した。
非磁性基板上に膜厚2μmに形成した。
【0027】タ−ゲットには、4インチΦ×3mmtの99.99
%のFeに5mm角×1mmtのZrやTiのチップを配置した複合タ
−ゲットを用い、また、Ar+N2雰囲気で成膜する反応性
スパッ タ装置により、基板温度150℃設定の基で結晶化
ガラス基板上に約2μmの窒化膜を成膜した。成膜は、全
ガス圧力(Ar+N2)を5mTorr(Ar:40sccm、N2:3.2sccm)一定
と して、投入RF電力400Wとして様々な組成の磁性膜を
作成した。
%のFeに5mm角×1mmtのZrやTiのチップを配置した複合タ
−ゲットを用い、また、Ar+N2雰囲気で成膜する反応性
スパッ タ装置により、基板温度150℃設定の基で結晶化
ガラス基板上に約2μmの窒化膜を成膜した。成膜は、全
ガス圧力(Ar+N2)を5mTorr(Ar:40sccm、N2:3.2sccm)一定
と して、投入RF電力400Wとして様々な組成の磁性膜を
作成した。
【0028】また、熱処理は、真空中(1×10-5Torr以
下)において静磁界中(1.5Kエルステット゛)で、400〜600℃の範
囲で1時間行った。
下)において静磁界中(1.5Kエルステット゛)で、400〜600℃の範
囲で1時間行った。
【0029】膜組成はEPMAで、構造はCuKαによる
X線回折で、保磁力 (以下、Hcと称す)、飽和磁束密度
(以下、Bsと称す)はVSMで測定し、透磁率(以下、
μと称す)はフェライトヨ−クを用いたインダクタンス
法により測定した。
X線回折で、保磁力 (以下、Hcと称す)、飽和磁束密度
(以下、Bsと称す)はVSMで測定し、透磁率(以下、
μと称す)はフェライトヨ−クを用いたインダクタンス
法により測定した。
【0030】図4(a)(b)(c)に、膜原子比組成
がFe78Zr5N17(at%)膜のBs,Hc,μの熱処理温度依存性を
示す。これによれば、熱処理温度が400〜500℃において
は良い特性を示すものの550℃から急激に特性が劣化し
ているのがわかる。磁気ヘッド製造工程においては、少
なくとも550℃以上の耐熱性が必要とされるため、いく
らBsが大きくても実用できないことがわかる。
がFe78Zr5N17(at%)膜のBs,Hc,μの熱処理温度依存性を
示す。これによれば、熱処理温度が400〜500℃において
は良い特性を示すものの550℃から急激に特性が劣化し
ているのがわかる。磁気ヘッド製造工程においては、少
なくとも550℃以上の耐熱性が必要とされるため、いく
らBsが大きくても実用できないことがわかる。
【0031】次に、図5(a)(b)(c)に、Zrの一
部をTiで置換した組成であるFe77.5Zr4Ti1.5N17(at%)膜
のBs,Hc,μの熱処理温度依存性を示す。
部をTiで置換した組成であるFe77.5Zr4Ti1.5N17(at%)膜
のBs,Hc,μの熱処理温度依存性を示す。
【0032】Zrのみの場合と異なり、熱処理温度550〜6
00℃においても良好な軟磁気特性を有し、Bsも1.8(T)と
大きな値であることがわかる。
00℃においても良好な軟磁気特性を有し、Bsも1.8(T)と
大きな値であることがわかる。
【0033】更に、図6にZr+Ti=4〜6(at%)組成におい
てZr,Tiの比を変化させた場合の550℃の熱処理後のHc,
μの変化を示し、図7に600℃の熱処理後のHc,μの変化
をそれぞれ示す。
てZr,Tiの比を変化させた場合の550℃の熱処理後のHc,
μの変化を示し、図7に600℃の熱処理後のHc,μの変化
をそれぞれ示す。
【0034】この結果より、550℃,600℃の両方の熱処
理温度で[Ti/(Ti+Zr)]×100(%)の値が5〜60%未満におい
て、好ましくは20%以上55%以下においてZrのみの組成の
膜よりも良い特性を示すことがわかる。
理温度で[Ti/(Ti+Zr)]×100(%)の値が5〜60%未満におい
て、好ましくは20%以上55%以下においてZrのみの組成の
膜よりも良い特性を示すことがわかる。
【0035】ここで、Zr+Tiが4(at%)未満でかつZrが3(a
t%)未満であると、窒化しても磁気ヘッドに使えるだけ
の充分な軟磁気特性は得られなかったため、Zr+Tiは4(a
t%)以上で且つZrは3(at%)以上が必要である。
t%)未満であると、窒化しても磁気ヘッドに使えるだけ
の充分な軟磁気特性は得られなかったため、Zr+Tiは4(a
t%)以上で且つZrは3(at%)以上が必要である。
【0036】次に、Zrの組成が9(at%)近傍の膜の特性に
ついて述べる。
ついて述べる。
【0037】この組成は、先のZr=5(at%)近傍組成に比
べFeの含有量が少ない為、Bsは小さくなるがそれでも約
1.5(T)以上を有している。
べFeの含有量が少ない為、Bsは小さくなるがそれでも約
1.5(T)以上を有している。
【0038】図8に、Fe74Zr9N17原子比組成膜のHc,μ
の熱処理温度依存性を示す。尚、この膜のBsは、1.6(T)
であった。
の熱処理温度依存性を示す。尚、この膜のBsは、1.6(T)
であった。
【0039】図4と比べれば明らかに耐熱性は向上して
おり550〜600℃の熱処理後もなお良い磁気特性を示して
いる。この差は、Zrの組成が異なることによるもので、
Zrの組成が多くなると耐熱性が向上することを示してい
る。
おり550〜600℃の熱処理後もなお良い磁気特性を示して
いる。この差は、Zrの組成が異なることによるもので、
Zrの組成が多くなると耐熱性が向上することを示してい
る。
【0040】しかし、Bsを約13%減少させてBs=1.8(T)の
Fe77.5Zr4Ti1.5N17組成の膜とおよそ同等の耐熱性と軟
磁気特性である。
Fe77.5Zr4Ti1.5N17組成の膜とおよそ同等の耐熱性と軟
磁気特性である。
【0041】次に、図9にZrの一部をTiで置換した組成
であるFe73.5Zr7.5Ti2N17膜のHc,μの熱処理温度依存性
を示す。これは、明らかに図8のZrのみに比べて耐熱性
向上の効果が見られる。この膜のBsは、1.6(T)であっ
た。
であるFe73.5Zr7.5Ti2N17膜のHc,μの熱処理温度依存性
を示す。これは、明らかに図8のZrのみに比べて耐熱性
向上の効果が見られる。この膜のBsは、1.6(T)であっ
た。
【0042】ここで、Zr+Tiを12(at%)にした場合、Bsは
1.5(T)であった。Zr+Tiを12(at%)よりも多くした場合、
Bsは1.5(T)より小さくなり、あまり高飽和磁束密度を有
する膜と言えないが、Bsの低下が問題にならない磁気ヘ
ッドであれば良い。
1.5(T)であった。Zr+Tiを12(at%)よりも多くした場合、
Bsは1.5(T)より小さくなり、あまり高飽和磁束密度を有
する膜と言えないが、Bsの低下が問題にならない磁気ヘ
ッドであれば良い。
【0043】尚、図4乃至図9におけるHc及びμは、磁
気困難軸方向の値で示している。
気困難軸方向の値で示している。
【0044】以上の様に、Fe-Zr-N膜のZrの一部をTiに
置換することにより、また、[Ti/(Zr+Ti)]×100(%)を5
〜60%未満好ましくは20%以上55%以下に選ぶことによ
り、高耐熱性軟磁性膜が作成できる。特に、高Bs(Bs=1.
8(T)程度)の組成になる程この効果は顕著に現れるが、
Bs=1.5(T)程度の組成においてもさらなる耐熱性向上の
ため には有効な手段である。
置換することにより、また、[Ti/(Zr+Ti)]×100(%)を5
〜60%未満好ましくは20%以上55%以下に選ぶことによ
り、高耐熱性軟磁性膜が作成できる。特に、高Bs(Bs=1.
8(T)程度)の組成になる程この効果は顕著に現れるが、
Bs=1.5(T)程度の組成においてもさらなる耐熱性向上の
ため には有効な手段である。
【0045】次に、膜中の窒素組成についての実験結果
を述べる。
を述べる。
【0046】膜中の窒素含有量を変化させる為には、成
膜時の窒素流量をコントロ−ルすることにより行なう
が、今回の実験においてはAr流量を40sccm一定とし窒素
流量を0〜10sccmの範囲で変化させることにより行なっ
た。
膜時の窒素流量をコントロ−ルすることにより行なう
が、今回の実験においてはAr流量を40sccm一定とし窒素
流量を0〜10sccmの範囲で変化させることにより行なっ
た。
【0047】図10に、[N2流量/(N2流量+Ar流量(40sc
cm))]×100(%)を横軸に取った場合の膜中の窒素組成を
示す。
cm))]×100(%)を横軸に取った場合の膜中の窒素組成を
示す。
【0048】これより窒素流量の増加に伴い膜中窒素組
成が増加していく様子がわかる。窒化による軟磁気特性
の向上のためには、窒素組成が少なすぎても多すぎても
良くなく、少ない場合は軟磁性の向上が僅かしか見られ
ず、多い場合は耐熱性が劣化することがわかった。
成が増加していく様子がわかる。窒化による軟磁気特性
の向上のためには、窒素組成が少なすぎても多すぎても
良くなく、少ない場合は軟磁性の向上が僅かしか見られ
ず、多い場合は耐熱性が劣化することがわかった。
【0049】これらのことから膜中窒素の組成は、5.0
〜25.0(at%)の範囲が良いことを見出した。
〜25.0(at%)の範囲が良いことを見出した。
【0050】尚、本発明によって成膜された軟磁性合金
膜の耐腐食性等の向上のために、Cr等を微量に添加して
もよい。
膜の耐腐食性等の向上のために、Cr等を微量に添加して
もよい。
【0051】
【発明の効果】本発明による原子比組成、即ち、Fe-Zr-
N膜のZrの一部をTiに置換することにより、また、[Ti/
(Zr+Ti)]×100(%)を5〜60%未満好ましくは20%以上55%以
下に選ぶことにより、高飽和磁束密度・高耐熱性の軟磁
性膜を成膜することができるので、高密度磁気記録用磁
気ヘッドの磁気コアに用いて最適な磁性材料を提供する
ことができる。特に、高Hcを有する記録媒体に対して有
効な材料となるので、高密度磁気記録用に適したMIG
型磁気ヘッド又は積層型磁気ヘッドを提供することがで
き極めて有益なものである。
N膜のZrの一部をTiに置換することにより、また、[Ti/
(Zr+Ti)]×100(%)を5〜60%未満好ましくは20%以上55%以
下に選ぶことにより、高飽和磁束密度・高耐熱性の軟磁
性膜を成膜することができるので、高密度磁気記録用磁
気ヘッドの磁気コアに用いて最適な磁性材料を提供する
ことができる。特に、高Hcを有する記録媒体に対して有
効な材料となるので、高密度磁気記録用に適したMIG
型磁気ヘッド又は積層型磁気ヘッドを提供することがで
き極めて有益なものである。
【図1】種々のMIG型磁気ヘッドの媒体摺動面を示す
図である。
図である。
【図2】種々の積層コア型ヘッドの斜視図を示す図であ
る。
る。
【図3】HDD用MIGモノリシック型ヘッドスライ
ダ、及びHDD用コンポジット型ヘッドスライダを示す
斜視図である。
ダ、及びHDD用コンポジット型ヘッドスライダを示す
斜視図である。
【図4】各々Fe78Zr5N17(at%)組成膜のBs,Hc,μの熱処
理温度依存性を示す図である。
理温度依存性を示す図である。
【図5】各々本発明のFe77.5Zr4Ti1.5N17(at%)組成膜(Z
rの一部をTiで置換した組成)のBs,Hc,μの熱処理温度依
存性を示す図である。
rの一部をTiで置換した組成)のBs,Hc,μの熱処理温度依
存性を示す図である。
【図6】本発明の磁性膜の膜中のZr,Tiの比を変化させ
た場合の550℃熱処理後におけるHc,μを示す図である。
た場合の550℃熱処理後におけるHc,μを示す図である。
【図7】本発明の磁性膜の膜中のZr,Tiの比を変化させ
た場合の600℃熱処理後におけるHc,μを示す図である。
た場合の600℃熱処理後におけるHc,μを示す図である。
【図8】Fe74Zr9N17(at%)組成膜のHc,μの熱処理温度依
存性を示す図である。
存性を示す図である。
【図9】本発明のFe73.5Zr7.5Ti2N17(at%)組成膜(Zrの
一部をTiで置換した組成)のHc,μの熱処理温度依存性
を示す図である。
一部をTiで置換した組成)のHc,μの熱処理温度依存性
を示す図である。
【図10】本発明の磁性膜の膜中窒素量と成膜中の窒素
流量との関係を示す図である。
流量との関係を示す図である。
1a,1b 一対の磁気コア半体 2 強磁性金属膜 3 磁気ギャップ 4 接合ガラス 6 強磁性金属膜 7 絶縁膜 8 磁気ギャップ 9 接合ガラス 11 強磁性金属膜 15 強磁性金属膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢崎 武人 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の原子比組成を有することを特徴と
する磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟
磁性合金膜。 【数1】 上式において、 【数2】 - 【請求項2】 下記の原子比組成を有することを特徴と
する磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟
磁性合金膜。 【数3】 上式において、 【数4】 - 【請求項3】 下記の原子比組成を有する高飽和磁束密
度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜をギャップ近傍に備
えたことを特徴とするMIG型磁気ヘッド。 【数5】 上式において、 【数6】 好ましくは、 【数7】 上式において、 【数8】 - 【請求項4】 下記の原子比組成を有する高飽和磁束密
度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜を絶縁膜を介して積
層したことを特徴とする積層型磁気ヘッド。 【数9】 上式において、 【数10】 好ましくは、 【数11】 上式において、 【数12】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2796292A JPH05226151A (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2796292A JPH05226151A (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05226151A true JPH05226151A (ja) | 1993-09-03 |
Family
ID=12235520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2796292A Pending JPH05226151A (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05226151A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1850334A1 (en) * | 2006-04-27 | 2007-10-31 | Heraeus, Inc. | Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target |
-
1992
- 1992-02-14 JP JP2796292A patent/JPH05226151A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1850334A1 (en) * | 2006-04-27 | 2007-10-31 | Heraeus, Inc. | Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target |
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