JPH0527017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、電力量計、最大需要電力計、力率測
定用の電力量計、sinメータなどの組み合わせ電
力計器に接続される試験用開閉器の改良に関する
ものである。

（考案の背景） 従来、大口電力需要家には、電力量計、最大需
要電力計、力率測定用の電力量計、sinメータな
どが、一つの大型キユーブクル内に、組み合わせ
計器として取り付けられていた。さらにこの組み
合わせ電力計器には、定期的検査のための試験用
開閉器がその前段に接続されている。この、組み
合わせ電力計器と試験用開閉器の関係を第５図
に、又試験用開閉器の平面図を第６図に、そのＢ
−Ｂ断面図を第７図に、それぞれ示す。

試験用開閉器１は、計器側端子金具２（第６図
参照）にねじ止めされた電線３を介して同一の取
付板１０１上に取り付けられた組み合わせ電力計
器１０２の電源負荷用端子金具群１０３に接続さ
れ、電源負荷側端子金具４にねじ止めされた電線
５（第５図参照）を介して電源及び負荷に接続さ
れている。計器側端子金具２及び電源負荷側端子
金具４の間には、プラグ挿入穴６が設けられてい
る。この部分の内部構造は、第７図に示すよう
に、プラグ（不図示）が挿入されていない時は、
それぞれスプリング７，８の働きにより接点９，
１０がお互いに押しつけられ、電気的に接続され
ている。試験装置に接続する際には、プラグ挿入
穴６からプラグを挿入し、プラグを接点９，１０
の間に押し込むことによつて、プラグに接続され
た試験装置が、計器側端子金具２と、電源負荷側
端子金具４との間に接続される訳である。なお、
電源側に接続されている変流器の二次側は、一瞬
でも開放してはならないため、プラグを挿入した
時に、接点９，１０が押し広げられてからプラグ
に接触するまでに開放状態となることがない様、
第７図に示す位置に、接点１１，１２が、それぞ
れ接点９，１０と並列に設けられており、プラグ
が挿入されると、先ず接点１１，１２とが接触す
ることによつて、接点９，１０が押し広げられて
も、変流器の二次側が開放することがないような
構造となつている。

ところで、限られたスペース内で数種の計器を
取り付ける場合、試験用開閉器１と組み合わせ電
力計器１０２を電線３で接続する方式は、柔軟に
富んだ有効な方式であると言える。しかし、近年
の電子式電力計器の開発に伴い、このような組み
合わせ電力計器による複数の機能を、第５図に示
す様に容易に一体の計器で実現することが可能と
なつている今日においては、柔軟性を確保するこ
とによりも、如何にコンパクトに収めるかが重要
な課題となつてくる。更に、コンパクト化が達成
された場合における試験用開閉器１の組み合わせ
電力計器１０２に対する、取り付け及び取り外し
作業の簡略化も要求される。

（考案の目的） 本考案の目的は、電力計器に対する取り付け及
び取り外し作業の簡略化を達成すると共に、組み
合わせ電力計器に対してコンパクトに接続するこ
とのできる試験用開閉器を提供することである。

（考案の特徴） 上記目的を達成するために、本考案は、電力計
器端子金具の電線挿入穴に挿入される複数の棒状
端子と、一端部に長円形の穴を有する、棒状端子
と同数の棒状端子保持部材とを設け、該棒状端子
保持部材の長円形の穴に棒状端子を挿通すると共
に、棒状端子保持部材の他端部に棒状端子の基端
部を可撓電線により接続することによつて、棒状
端子を、電線挿入穴の並び方向に対して垂直方向
に変位可能に棒状端子保持部材に保持させ、以
て、複数の棒状端子を一括して電力計器の端子金
具の電線挿入穴に直接挿入させると共に、取り付
け、取り外し際して棒状端子にかかるストレスを
その可動性により逃がすようにしたことを特徴と
する。

（考案の実施例） 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図は試験用開閉器の平面を、第２図はそ
のＡ−Ａ断面を、第３図は棒状端子の取り付け部
分の拡大した図を、それぞれ示すものである。前
記第６図及び第７図と同じ部分は同一符号にて表
す。

試験用開閉器１３の構造は、第６図及び第７図
に示した試験用開閉器の構造と基本的には同一
で、ただ第６図及び第７図の計器側端子金具２の
部分が、棒状端子に代わつたものである。第３図
に示した通り、棒状端子１４は、棒状端子保持部
材１５に、可撓電線１６を介して保持されてい
る。さらに棒状端子１４は、棒状端子保持部材１
５にあけられた、該棒状端子１４の外寸よりも大
きな長円形の穴１７を通して抜け止め様のワツシ
ヤ１８によつて保持されることになり、第１図の
矢印方向には小さく、第２図矢印方向には大き
く、可動するような構造となつている。

前述の様な棒状端子１４を備えた試験用開閉器
１３を組み合わせ電力計器１０２に接続する前の
状態、及び接続した状態を第４図ａ，ｂに示す。
組み合わせ電力計器１０２の電源負荷用端子金具
群１０３及び信号線用端子金具群１０４を有する
端子ブロツクには前記棒状端子１４が挿入される
電線挿入穴１０５が備わつている訳だが、これに
対する作業、つまり組み合わせ電力計器１０２に
対する試験用開閉器１３の取り付け作業或はそれ
からの取り外し作業を行う場合、前述したように
棒状端子１４が第２図矢印方向に大きく可動する
構造となつているため、組み合わせ電力計器１０
２及び該試験用開閉器１３にストレスを与えるこ
とがない。また、この時の作業は、単に電線挿入
穴１０５への棒状端子１４の直接の挿入作業であ
り、従来のごとく電線３を接続する方式のものに
比べてはるかに作業能率の良いものとなる。更
に、計器側の接続端子を棒状端子１４としている
ため、試験用開閉器１３と組み合わせ電力計器１
０３とを密接した状態で配置（第４図ｂ参照）で
き、コンパクト化を達成することができる。

第４図ｂに示すように接続された後は、組み合
わせ電力計器１０２の電源負荷用端子金具群１０
３及び信号線用端子金具群１０４を有する端子ブ
ロツクから試験用開閉器１３の上部を覆うことの
できる形状をした端子カバー１０５がねじ１０
６，１０７によつてねじ止めされ、これらは封印
される。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、電力計
器端子金具の電線挿入穴に挿入される複数の棒状
端子と、一端部に長円形の穴を有する、棒状端子
と同数の棒状端子保持部材とを設け、該棒状端子
保持部材の長円形の穴に棒状端子を挿通すると共
に、棒状端子保持部材の他端部に棒状端子の基端
部を可撓電線により接続することによつて、棒状
端子を、電線挿入穴の並び方向に対して垂直方向
に変位可能に棒状端子保持部材に保持させ、以
て、複数の棒状端子を一括して電力計器の端子金
具の電線挿入穴に直接挿入させると共に、取り付
け、取り外しに際して棒状端子にかかるストレス
をその可動性により逃がすようにしたから、電力
計器に対する取り付け及び取り外し作業の簡略化
を達成すると共に、組み合わせ電力計器に対して
コンパクトに接続することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２
図はそのＡ−Ａ断面図、第３図は部分的拡大図、
第４図は組み合わせ電力計器との接続状態を示す
斜視図、第５図は従来の試験用開閉器と組み合わ
せ電力計器との接続状態を示す斜視図、第６図は
第５図図示試験用開閉器の平面図、第７図はその
Ｂ−Ｂ断面図である。 １３……試験用開閉器、１４……棒状端子、１
５……棒状端子保持部材、１６……可撓電線、１
７……穴、１０２……組み合わせ電力計器、１０
３……電源負荷用端子金具群、１０５……電線挿
入穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電力計器の誤差検査時に用いられる試験用開閉
   器において、電力計器端子金具の電線挿入穴に挿
   入される複数の棒状端子と、一端部に長円形の穴
   を有する、前記棒状端子と同数の棒状端子保持部
   材とを設け、該棒状端子保持部材の長円形の穴に
   前記棒状端子を挿通すると共に、前記棒状端子保
   持部材の他端部に前記棒状端子の基端部を可撓電
   線により接続することによつて、前記棒状端子
   を、前記電線挿入穴の並び方向に対して垂直方向
   に変位可能に前記棒状端子保持部材に保持させた
   ことを特徴とする試験用開閉器。