JPH058540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の利用分野） 本考案は、変成器付電力量計或いは変成器付電
力需給用複合計器などの変成器付電力需給用計器
と試験用開閉器との間に取り付けられる試験用開
閉器アダプタに関するものである。

（考案の背景） 現在、変成器付電力需給用計器には、試験用開
閉器が接続されている。試験用開閉器は、実負荷
試験及び虚負荷試験などを行う時に使用されるも
ので、実負荷試験時の配線を第８図に、虚負荷試
験時の配線を第９図に、それぞれ示す。

実負荷試験時には、試験用開閉器１に実負荷試
験用コネクタ（不図示）が挿入されることによつ
て、試験用開閉器１の接続が第８図図示のように
切り換わり、計器用変圧器２の２次電圧を被試験
計器２と標準器４の両方に加えると共に、変流器
５の２次電流を被試験計器３と標準器４に直列に
流して、負荷の実際の使用電力量が被試験計器３
と標準器４で同時に計量されるようにする。

虚負荷試験時には、試験用開閉器１に虚負荷試
験用コネクタ（不図示）が挿入されることによつ
て、試験用開閉器１の接続が第９図図示のように
切り換わり、計器用変圧器２及び変流器５の２次
側を代替計器６に接続し、被試験計器３を虚負荷
発生器７に接続する。これによつて、虚負荷発生
器７により発生された電力量が被試験計器３と標
準器４で同時に計量される。

試験用開閉器１は、コネクタが接続されない状
態では、対応する計器側端子金具と電源負荷側端
子金具の間（例えば1S−1S間）が接続される。

また、需要家に設置された状態で、計器を交換
する場合には、試験用開閉器１に短絡用コネクタ
（不図示）が挿入されることによつて、対応する
計器側端子金具と電源負荷側端子金具の間がしや
断されると共に、計器用変圧器２の２次側に接続
される電源負荷側端子金具P₁，P₂，P₃は開放さ
れ、変流器５の２次側に接続される電源負荷側端
子1S−1Lの間及び3S−3Lの間は短絡される。こ
れにより、変流器５の２次側を開放することな
く、安全に計器を交換することができる。

ところで、一般に、電力需給用計器の端子ピツ
チと試験用開閉器の端子ピツチとは、構造や端子
数が異なるため、同一ではない。特に、電子式電
力量計や電子式電力需給用複合計器の場合には、
電源負荷端子の外にパルスサービス端子やチエツ
ク端子を備えているため、その端子ピツチは試験
用開閉器の端子ピツチと大きく異なる。そのた
め、従来では、電力需給用計器の端子と試験用開
閉器の端子との接続は、フレキシブルなビニル電
線により行われており、配線接続を１本ずつ処理
しなければならず、配線作業が容易ではない。

また、変成器付電力需給用計器は、試験用開閉
器と共に、計器箱に収められるので、作業スペー
スが狭く、そのため、計器交換作業を狭いスペー
スでも容易に行えることが要求される。

（考案の目的） 本考案の目的は、上述した問題点を解決し、端
子ピツチの異なる電力需給用計器と試験用開閉器
との間の配線作業を容易にすることができ、計器
交換作業を狭いスペースでも容易に行うことがで
きる試験用開閉器アダプタを提供することであ
る。

（考案の特徴） 上記目的を達成するために、本考案は、変成器
付電力需給用計器の端子ピツチと同一なピツチで
複数の計器側棒状端子を可動アダプタケースに配
列し、該計器側棒状端子にそれぞれ接続された同
数の開閉器側棒状端子を、試験用開閉器の端子ピ
ツチと同一なピツチで固定アダプタケースに配列
し、前記可動アダプタケースを前記固定アダプタ
ケースに対して移動可能に連結して成り、以て、
計器側棒状端子を一括して変成器付電力需給用計
器の端子金具の電線挿入穴に挿入し、開閉器側棒
状端子を一括して試験用開閉器の計器側端子金具
の電線挿入穴に挿入すると共に、計器交換の際に
は可動アダプタケースを計器交換作業の邪魔にな
らない端子引込み位置まで移動させるようにした
ことを特徴とする。

（考案の実施例） 第２図は電子式電力需給用複合計器と試験用開
閉器との間に取り付けられた状態の本考案の一実
施例を示し、第１図はその断面を示す。

第２図において、試験用開閉器１は、一方に複
数の計器側端子金具８及び端子ねじ９を備え、他
方に複数の電源負荷側端子金具１０及び端子ねじ
１１を備え、中央部に前述した各種コネクタのプ
ラグが挿入されるプラグ挿入穴１２を備える。

電子式電力需給用複合計器１３は、普通電力量
計、精密電力量計、無効電力量計、最大需要電力
計などの多機能を具備したもので、外側がベース
１４と計器カバー１５により覆われる。計器カバ
ー１５はねじ１６によりベース１４に取り付けら
れる。計器カバー１５には表示窓部１７及び開閉
可能な操作部カバー１８が設けられ、表示窓部１
７を通して各種のデータが表示されると共に、操
作部カバー１８を開けることにより操作部（不図
示）の操作が可能になる。ベース１４の下方に
は、端子盤１９が設けられ、複数の端子金具２０
及び端子ねじ２１（第１図）が備えられる。端子
金具２０の端子ピツチは、端子数が多いため、試
験用開閉器１の端子ピツチより小さい。端子盤１
９には端子カバー２２が封印ねじ２３により取り
付けられる。

試験用開閉器アダプタ２４の構造を第５図に示
す。試験用開閉器アダプタ２４は、計器取付板
（不図示）に固定される絶縁物製の固定アダプタ
ケース２５と、固定アダプタケース２５内に移動
可能に連結された絶縁物製の可動アダプタケース
２６と、両アダプタケース２５，２６を覆うケー
スカバー２７とを備える。固定アダプタケース２
５の端子挿通穴２８には複数の開閉器側棒状端子
２９が挿通され、Ｅ形止め輪３０により固定され
る。開閉器側棒状端子２９相互間は隔壁３１によ
り絶縁される。開閉器側棒状端子２９のピツチは
試験用開閉器１の端子ピツチと同一に定められ
る。

可動アダプタケース２６の端子挿通穴には、開
閉器側棒状端子２９と接続電線３２により接続さ
れた同数の計器側棒状端子３３が挿通され、Ｅ形
止め輪３４により固定される。計器側棒状端子３
３相互間は隔壁３５により絶縁され、開閉器側棒
状端子２９との間は遮蔽板３６により絶縁され
る。遮蔽板３６はねじ３７により可動アダプタケ
ース２６に固定される。計器側棒状端子３３のピ
ツチは電子式電力需給用複合計器１３の端子ピツ
チと同一に定められ、その位置は電源負荷用の端
子金具２０に対応する。

可動アダプタケース２６の上面両側にはスライ
ドレバー３８が形成され、両側側面にはガイド突
起３９及び位置決め凹部４０が形成される。ガイ
ド突起３９は、固定アダプタケース２５のガイド
溝４１に摺動可能に嵌合される。位置決め部４０
は、固定アダプタケース２５のスプリング挿入溝
４２に挿入された位置決めスプリング４３の凸部
４３ａに対して、係合し、或いは係合を離脱する
位置関係にある。

ケースカバー２７は固定ねじ４４により固定ア
ダプタケース２５に取り付けられる。その際、ス
ライドレバー挿入穴４５にスライドレバー３８が
移動可能に挿入される。

電子式電力需給用複合計器１３と試験用開閉器
１とを試験用開閉器アダプタ２４により接続する
場合には、まず、開閉器側棒状端子２９を一括し
て試験用開閉器１の計器側端子金具８の電線挿入
穴４６（第１図）に挿入し、端子ねじ９を締め付
ける。次に、計器側棒状端子３３を一括して電子
式電力需給用複合計器１３の端子金具２０の電線
挿入穴４７（第１図）に挿入し、端子ねじ２１を
締め付けた後、試験用開閉器１及び試験用開閉器
アダプタ２４を計器取付板にねじにより固定す
る。接続完了状態が第１図及び第２図に示され
る。このように、棒状端子２９，３３をそれぞれ
一括して電線挿入穴４６，４７に挿入するので、
従来のようにフレキシブルな電線を１本ずつ電線
挿入穴４６，４７に挿入する場合と比べて、各段
に配線作業を容易にすることができる。

需要家に設置された状態で、電子式電力需給用
複合計器１３を交換する場合には、スライドレバ
ー３８を第２図に示される位置から第４図に示さ
れる位置まで移動させる。これにより、可動アダ
プタケース２６が第６図に示される端子引出し位
置から第７図に示される端子引込み位置に移動
し、端子引込み位置では位置決め凹部４０が位置
決めスプリング４３の凸部４３ａに係合すること
によりその位置が保持される。この端子引込み位
置では、第３図に示されるように、計器側棒状端
子３３は電子式電力需給用複合計器１３の端子金
具２０の電線挿入穴４７から抜け出しているの
で、電子式電力需給用複合計器１３のねじ止めを
計器取付板から外した時に、試験用開閉器アダプ
タ２４が邪魔になることなく、電子式電力需給用
複合計器１３を前方に引き出すことができ、計器
交換作業を、計器箱のような狭いスペースでも容
易に行うことができる。

本考案による試験用開閉器アダプタは、従来の
誘導形計器を電子式計器に置き換える場合に、従
来の試験用開閉器はそのまま使用することができ
るので、特に有用である。

図示実施例は変成器付電子式電力需給用複合計
器に使用された例であるが、本考案はこれに限ら
ず、単機能の変成器付電子式電力量計や変成器付
誘導形電力量計などにも適用することができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、変成器
付電力需給用計器の端子ピツチと同一なピツチで
複数の計器側棒状端子を可動アダプタケースに配
列し、該計器側棒状端子にそれぞれ接続された同
数の開閉器側棒状端子を、試験用開閉器の端子ピ
ツチと同一なピツチで固定アダプタケースに配列
し、前記可動アダプタケースを前記固定アダプタ
ケースに対して移動可能に連結して成り、以て、
計器側棒状端子を一括して変成器付電力需給用計
器の端子金具の電線挿入穴に挿入し、開閉器側棒
状端子を一括して試験用開閉器の計器側端子金具
の電線挿入穴に挿入すると共に、計器交換の際に
は可動アダプタケースを計器交換作業の邪魔にな
らない端子引込み位置まで移動させるようにした
から、端子ピツチの異なる電力需給用計器と試験
用開閉器との間の配線作業を容易にすることがで
き、計器交換作業を狭いスペースでも容易に行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子式電力需給用複合計器と試験用開
閉器との間に取り付けられた状態の本考案の一実
施例の断面図、第２図は同じく斜視図、第３図は
可動アダプタケースが端子引込み位置に移動した
状態の本考案の一実施例の断面図、第４図は同じ
く斜視図、第５図は本考案の一実施例の分解図、
第６図は可動アダプタケースが端子引出し位置に
ある状態の本考案の一実施例の一部断面平面図、
第７図は可動アダプタケースが端子引込み位置に
移動した状態の本考案の一実施例の一部断面平面
図、第８図は実負荷試験時の試験用開閉器の接続
を示す回路図、第９図は虚負荷試験時の試験用開
閉器の接続を示す回路図である。 １……試験用開閉器、８……計器側端子金具、
１０……電源負荷側端子金具、１３……電子式電
力需給用複合計器、１９……端子盤、２０……端
子金具、２４……試験用開閉器アダプタ、２５…
…固定アダプタケース、２６……可動アダプタケ
ース、２７……ケースカバー、２９……開閉器側
棒状端子、３２……接続電線、３３……計器側棒
状端子、３８……スライドレバー、３９……ガイ
ド突起、４０……位置決め凹部、４１……ガイド
溝、４３……位置決めスプリング、４３ａ……凸
部、４６……電線挿入穴、４７……電線挿入穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変成器付電力需給用計器の端子ピツチと同一な
   ピツチで複数の計器側棒状端子を可動アダプタケ
   ースに配列し、該計器側棒状端子にそれぞれ接続
   された同数の開閉器側棒状端子を、試験用開閉器
   の端子ピツチと同一なピツチで固定アダプタケー
   スに配列し、前記可動アダプタケースを前記固定
   アダプタケースに対して移動可能に連結して成る
   試験用開閉器アダプタ。