JPH05269328A - 消臭型家庭用薄葉紙及びその製造方法 - Google Patents

消臭型家庭用薄葉紙及びその製造方法

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JPH05269328A
JPH05269328A JP4098777A JP9877792A JPH05269328A JP H05269328 A JPH05269328 A JP H05269328A JP 4098777 A JP4098777 A JP 4098777A JP 9877792 A JP9877792 A JP 9877792A JP H05269328 A JPH05269328 A JP H05269328A
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deodorant
household thin
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Mamoru Ito
護 伊藤
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OOMIYA YAKUGYO KK
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OOMIYA YAKUGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、家庭用薄葉紙には全体に悪臭物質
を分解ないし吸着する金属錯体を分散、保持させること
により、何等特殊な技術や装置を用いる事なく、低コス
トで、しかも長期間に亙って優れた消臭効果を発現し、
且つ品質の安定した、消臭型家庭用薄葉紙を提供するこ
とを目的とするものである。 【構成】 本発明は、家庭用薄葉紙にはその全体に悪臭
物質を分解ないし吸着する金属錯体を分散、保持させて
なるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭用薄葉紙、特にト
イレットペーパー、タオル用紙、ティッシュペーパー、
ちり紙又は京花紙などの使用後、直ちに捨てられるもの
に、優れた消臭性を付与した消臭型家庭用薄葉紙及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭用薄葉紙として、トイレット
ペーパー、タオル用紙、ティッシュペーパー、キッチン
ペーパー、ちり紙又は京花紙などが挙げられる。
【0003】これらのうち、トイレットペーパーは、ク
ラフトパルプを原料とし、紙質は強度があると同時にき
わめて柔軟で、水に良く溶けることが要求されるのであ
り、この柔軟性を付与すためにエンボス加工が施されて
いる。
【0004】又、タオル用紙は、業務用の手ふき紙、家
庭の台所用タオル又はトイレ用紙タオルとに大別される
のであり、柔軟で、吸収性が極めて高いことが要求され
る。
【0005】更に、ティッシュペーパーは、クラフトパ
ルプで作られた、柔軟性、吸収性に優れた薄い紙であ
り、円網式のヤンキーマシンで高速で抄造され、細かい
クレープ加工を行い、2枚重ねにして、化粧箱や合成樹
脂製の袋に入れられている。
【0006】ちり紙は、上級古紙を原料として抄かれ、
用途は汎用で主としてトイレ用であり、又、京花紙は、
懐中紙として用いられる。
【0007】ところで、消臭性湿式不織布として、構成
繊維の少なくとも一部が酸化還元能を有する金属錯体を
1重量%以上担持させた短繊維と金属イオンを担持させ
た短繊維とを湿式、つまりこれらの短繊維を液中に分散
させ、これを、いわゆる抄紙法で得たものが提案されて
いる(特開昭62ー7000号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この消
臭性湿式不織布は酸化還元能を有する金属錯体を1重量
%以上担持させた短繊維と金属イオンを担持させた短繊
維とを湿式、つまりこれらの短繊維を液中に分散させ、
これを、いわゆる抄紙法で得られたものであるが、この
消臭機能は主として金属錯体に依存している。
【0009】即ち、金属イオンを担持させた短繊維は、
水分の存在や水素イオン濃度等の諸条件が整わなわなけ
れば殆ど消臭機能を発現しないだけでなく、これらの諸
条件が仮に整っても、この消臭機能は主として金属錯体
を担持させた短繊維に依存し、金属錯体が不織布に不均
一に存在している状態であるので充分な消臭機能を発現
しないのである。
【0010】ところで、本発明者の実験結果によると、
金属錯体による悪臭物質の分解ないし吸着は金属錯体の
表面で起きるものであり、従って、悪臭物質を効率良く
除去するには、金属錯体が不織布の全体に均一ないしほ
ぼ均一に存在していることが要求され、金属錯体が不織
布に不均一に存在すると消臭効果が著しく低下する。
【0011】このため、この種、消臭性湿式不織布では
所要の消臭効果が得られないだけでなく、消臭効果が短
期間で失われるなどの致命的な課題があった。
【0012】又、この消臭性湿式不織布は、上述のとお
り、金属錯体を担持させた短繊維と金属イオンを担持さ
せた短繊維とを湿式、つまりこれらの短繊維を液中に分
散させ、これを、いわゆる抄紙法で得られたものである
が、この方法では金属錯体を担持させた短繊維の偏りが
生じ易く、この点からも、所要の消臭機能を発現し、且
つ品質の安定した不織布を得ることが極めて困難にな
る。
【0013】特に、この偏りは、特に短繊維の強度や長
さ更に太さ、密度等が異なると一層顕著になるので、こ
の短繊維を厳格にコントロールする必要があり、品質管
理、生産管理が極めて厄介になり、おのずと、短繊維の
組み合わせの範囲や選択範囲が狭小になる。
【0014】更に、この消臭性湿式不織布は、金属錯体
を担持させた短繊維と金属イオンを担持させた短繊維と
をそれぞれ個別に製造し、これをいわゆる抄紙法で得る
ものであるから、製造工数が多くなって生産性が低下す
る結果、生産コストが高くなるなどの課題がある。
【0015】本発明は、上記技術的課題に鑑み完成され
たものであり、家庭用薄葉紙には全体に悪臭物質を分解
ないし吸着する金属錯体を分散、保持させることによ
り、何等特殊な技術や装置を用いる事なく、低コスト
で、しかも長期間に亙って優れた消臭効果を発現し、且
つ品質の安定した、消臭型家庭用薄葉紙を提供すること
を目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、家庭用薄葉紙にはその全体に悪臭物質を
分解ないし吸着する金属錯体を分散、保持させてなる、
との技術的手段を講じたものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0017】本発明において、家庭用薄葉紙としてはト
イレットペーパー、タオル用紙、ティッシュペーパー、
ちり紙又は京花紙が挙げられる。
【0018】そして、本発明においては、家庭用薄葉紙
には全体に悪臭物質を分解ないし吸着する金属錯体を分
散、保持させている点に最も大きな特徴がある。
【0019】このように、家庭用薄葉紙の全体に悪臭物
質を分解ないし吸着する金属錯体を分散、保持させるこ
とにより、長期間に亙って優れた消臭効果を発現し、且
つ品質の安定したものが得られるのである。
【0020】本発明に用いられる金属錯体としては、ア
ンモニア、アミン類、メルカプタン、インドール、スカ
トール又は硫化水素などの悪臭物質を分解ないし吸着す
ることによって消臭するものであれば特に限定されるも
のではない。
【0021】この悪臭物質の分解は金属錯体が直接悪臭
物質を分解する場合だけでなく、金属錯体が触媒とな
り、悪臭物質に空気中の酸素や水分が作用して悪臭を発
しない物質に変化させる場合等が挙げられる。
【0022】又、悪臭物質を吸着する場合としては、悪
臭物質が金属錯体に物理的吸着、例えば溶解等によって
吸着される場合だけでなく、悪臭物質が金属錯体と塩を
形成する場合等が挙げられる。
【0023】従って、本発明において、悪臭物質を分解
ないし吸着する金属錯体とは金属錯が悪臭物質に化学的
及び/又は物理的に作用して消臭する場合を総称する。
【0024】この金属錯体としては、特に、悪臭物質を
分解ないし吸着する機能が大であるなどの理由により、
金属ポルフィリン、金属ポリフィラジン及びこれらの誘
導体が挙げられるのであり、このうち、金属ポルフィリ
ン誘導体が、金属フタロシアニン誘導体であるものが最
も望ましい。
【0025】この金属ポルフィリン及びその誘導体は一
般式1で示されるものであり、また金属ポルフィラジン
は一般式2で示されるものである。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】一般式1・2において、Mはアルカリ土金
属又は遷移金属である。具体的には、例えばマグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、銅、鉄、ニッケル、コバル
ト、マンガン、チタン、バナジウム、モリブデン、タン
グステン、銀又は亜鉛等の金属のイオンが挙げられる。
【0029】又、一般式1・2において、XとYは水素
又は置換基を示す。この置換基としては、例えば水酸
基、アルキル基、クロロメチル基、ハロゲン基、カルボ
キシル基、カルボニルクロリド基、カルボキシルアミド
基、スルフォン基、スルフォニルクロリド基、スルフォ
ンアミド基、ニトロ基、アミノ基、アゾ基、チオシアネ
ート基、ニトリル基、アルコキシル基、フェノキシル
基、チオール基、アルキルケイ素基、ビニル基等のほ
か、カルボキシル基やスルフォン酸基のアルカリ金属塩
などが挙げられる。
【0030】これらは、単独又は2種以上のものが用い
られるが、特に、カルボキシル基、水酸基、アミド基、
スルフォン基、ハロゲン基又はアミノ基より選ばれた少
なくとも一種を有するものが効果的である。
【0031】又、本発明において、金属ポルフィリン誘
導体が、アニオン基を有し、このアニオン基に同一又は
別異の金属が結合して塩を形成してなるものも有益であ
る。
【0032】このアニオン基としてはカルボキシル基、
スルフォン基又はリン酸基等が挙げられる。
【0033】このアニオン基と結合する金属イオンとし
ては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属イオン又
はマグネシウム、カルシウム及びバリウム等のアルカリ
土金属イオンが挙げられる。
【0034】この金属錯体の具体例としては鉄フタロシ
アニンオクタカルボン酸、コバルトフタロシアニンオク
タカルボン酸又はコバルトフタロシアニンテトラカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0035】本発明においては、悪臭物質を分解ないし
吸着する金属錯体は単独で用いてもよく、或いは、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】又、金属錯体(A)を家庭用薄葉紙(B)
に分散、保持させる割合は、消臭機能を発現する濃度以
上であれば特に限定されるものではない。具体的には、
一般に金属錯体の種類や用途によって異なるが、(A)
と(B)の全体の0.1〜20重量%、特に0.2〜15
重量%の範囲とするのが望ましい。
【0037】金属錯体の分散量が多すぎると顕著な消臭
効果が長期間に亙って得られる反面、家庭用薄葉紙の特
性、つまり柔軟性や吸収性が低下したり、使用感が悪化
し、一方、少なすぎると所要の消臭効果が得られないの
であり、従って、家庭用薄葉紙に要求される諸特性を喪
失する事なく、所要の消臭効果を比較的長期間に亙って
保持させるために、金属錯体の分散、保持させる割合
は、全体の0.5〜10重量%の範囲とするのが最も望
ましい。
【0038】本発明においては、家庭用薄葉紙に、上述
の金属錯体が分散、保持されるが、この金属錯体は単
独、或いは2種以上組み合わせて用いられる。
【0039】又、家庭用薄葉紙に、上述の金属錯体を分
散、保持させるに当たり、家庭用薄葉紙に金属錯体を物
理的に保持させても良く、或いはパルプ等の水酸基など
の官能基と化学的に結合させていても良いのである。
【0040】本発明においては、家庭用薄葉紙の全体に
悪臭物質を分解ないし吸着する金属錯体が分散、保持さ
れているが、このような消臭型家庭用薄葉紙を得るに
は、以下の方法が挙げられる。
【0041】即ち、本発明の消臭型家庭用薄葉紙は、上
記目的を達成するために、家庭用薄葉紙に、悪臭物質を
分解ないし吸着する金属錯体の溶液又は分散液を含浸さ
せた後、上記金属錯体の分解温度以下で乾燥することを
特徴とするものである。
【0042】本発明で用いられる家庭用薄葉紙や金属錯
体としては上述のものと同様のものが挙げられるので、
重複した説明を避けるために省略する。
【0043】又、本発明において、家庭用薄葉紙に金属
錯体の溶液又は分散液を含浸させる方法としては特に限
定されるものではないが、具体的には、例えば家庭用薄
葉紙を金属錯体の溶液又は分散液に浸漬したり、或いは
家庭用薄葉紙に金属錯体の溶液又は分散液を吹き付けた
り、又は家庭用薄葉紙に金属錯体の溶液又は分散液を塗
工する等の手段を採用できるのであり、このようにし
て、家庭用薄葉紙に金属錯体の溶液又は分散液を含浸さ
せ、そのまま、或いは所望により、この金属錯体を含浸
させた家庭用薄葉紙を圧搾後、上記金属錯体の分解温度
以下で乾燥すればよいのである。
【0044】この場合、金属錯体の溶液又は分散液の濃
度としては、用いられる家庭用薄葉紙の種類や金属錯体
によって異なり、特に限定されるものではないが、一般
に、0.1〜30重量%、特に、0.5〜15重量%の
範囲とするのが望ましく、この濃度が、0.1重量%未
満では1回の付与量が少なく、3回以上付与する必要が
あるので生産性が乏しくなり、一方、30重量%を超え
ると均一な分散液が得難く、金属錯体の吸着量がバラツ
キが生じる恐れがあるので望ましくない。
【0045】又、この溶媒や分散媒としては無機系の或
いは有機系の液体であって乾燥によって除去できるもの
であれば特に限定されるものではないが、具体的には、
例えば水、炭素数が1から3の低級アルコール、アセト
ン等のケトン類、nーヘキサン等の脂肪族炭化水素など
が安全で、除去し易い等の理由より望ましい。
【0046】更に、金属錯体の水への溶解性を向上させ
るために、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩に
したり、又は金属錯体の分散性を向上させるために、陰
イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面
活性剤又は両性界面活性剤などの界面活性剤やその他の
分散剤を用いても良いのである。
【0047】上記陰イオン界面活性剤としては、例えば
アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、硫酸アルキ
ルナトリウム、硫酸第2−アルキルナトリウム、アルキ
ルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、α−オレフィン
スルフォン酸ナトリウム、N−アシルアミノ酸ナトリウ
ム、N−(2−スルフォ)エチル−N−メチルアルカン
アミドナトリウム、2−スルフォコハク酸ジアルキルナ
トリウム等が挙げられる。
【0048】上記陽イオン界面活性剤としては、例えば
アルキルピリジニウムスルファート、N−エチルアルカ
ンアミドアンモニウムハライド、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、アルキルトリメチルアンモニ
ウムハライド等が挙げられる。
【0049】上記非イオン界面活性剤としては、例えば
脂肪酸多価アルコールエステル、アルキルポリオキシエ
チレンエーテル、アルキルカルボニルポリオキシエチレ
ン、p−アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテ
ル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエチレン、脂肪酸
ショ糖エステル等が挙げられる。
【0050】上記両性界面活性剤としては、例えばアル
キルベタイン又はアルキルジエチレントリアミノ酢酸等
が挙げられる。
【0051】これらの界面活性剤は単独、或いは所望に
より、2種以上を組み合わせて用いることができるので
あり、その配合割合は溶媒或いは分散媒に対して0.1
〜10重量%の範囲で良い。
【0052】本発明において、消臭型家庭用薄葉紙を製
造するに当たり、家庭用薄葉紙に要求される柔軟性、吸
収性或いは使用感等の諸特性が失われないようにした
り、乾燥の容易性等、種々の観点から溶媒や分散媒を選
択して使用する必要が有り、このため2種類以上のもの
を混合して使用しても良いのである。
【0053】又、本発明において、家庭用薄葉紙に金属
錯体の溶液又は分散液を含浸させた後、乾燥するに当た
り、大気圧下で乾燥したり、或いは減圧乾燥しても良い
のである。
【0054】この場合、この乾燥温度は金属錯体が分解
し、消臭機能が失われる温度以下であることを要する。
【0055】更に、本発明の消臭型家庭用薄葉紙の製造
方法においては、家庭用薄葉紙の製造途次に、悪臭物質
を分解ないし吸着する金属錯体を含有させた後、上記金
属錯体の分解温度以下で乾燥することを特徴とするもの
である。
【0056】本発明で用いられる家庭用薄葉紙や金属錯
体としては上述のものと同様のものが挙げられるので、
重複した説明を避けるために省略する。
【0057】即ち、本発明では、家庭用薄葉紙を製造す
る途次、例えばクラフトパルプ等の原料の製造段階や、
その後の工程で金属錯体を含有、固定しても良いのであ
る。
【0058】この製造段階において、金属錯体の水への
溶解性を向上させるために、ナトリウムやカリウム等の
アルカリ金属塩にしたり、又は金属錯体の分散性を向上
させるために、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤などの界面
活性剤やその他の分散剤を用いても良いのである。
【0059】この陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤などの界
面活性剤としては、上述のものが挙げられる。
【0060】
【作用】本発明の消臭型家庭用薄葉紙は、上記構成を有
し、家庭用薄葉紙にはその全体に悪臭物質を分解ないし
吸着する金属錯体を分散、保持させてなり、この金属錯
体は、以下に述べる理由により、著しく優れた消臭作用
を発現するのである。
【0061】即ち、この消臭型家庭用薄葉紙はトイレや
台所に置かれたり、化粧箱等に収納して室内に置かれた
り、更にポケットやバッグに入れて携帯される。
【0062】そして、この使用前においては、トイレに
常備しているトイレットペーパーや台所で使用している
タオル用紙等の消臭型家庭用薄葉紙における金属錯体
が、空気中の酸素との関連下、トイレや台所の悪臭物質
に作用して、これを酸化分解ないし吸着することによっ
て悪臭を除去したり、化粧箱等に収納されて室内に置か
れているティッシュペーパー中の金属錯体が、空気中の
酸素との関連下、室内の悪臭物質に作用してこれを酸化
分解したり、悪臭物質を吸着することによって悪臭を除
去したり、更にポケットやバッグに入れて携帯されるテ
ィッシュペーパー中の金属錯体が、空気中の酸素との関
連下、ポケットやバッグ内の悪臭物質に作用してこれを
酸化分解したり、悪臭物質を吸着することによって消臭
するのである。
【0063】トイレットペーパー等の家庭用薄葉紙は清
拭等の使用後、必ず、汚物と共に廃棄されるものであ
り、従って、この消臭型家庭用薄葉紙は、使用後、トイ
レに廃棄されてバクテリアの繁殖を抑えたり、悪臭物質
を酸化分解ないし吸着することによって、トイレ中の悪
臭物質の発生を発生源から断つ作用をも有するのであ
る。
【0064】又、ティッシュペーパー等の庭用薄葉紙は
清拭等の使用後、必ず、屑入れや屑かご等に廃棄される
が、この使用後の消臭型家庭用薄葉紙は、屑入れや屑か
ご等の中から発生する悪臭物質に作用してこれを分解な
いし吸着することによって、消臭する作用をも有するの
である。
【0065】又、この消臭型家庭用薄葉紙は、低コスト
で、手元において、取扱が至極容易であるので、種々の
悪臭の発生箇所や滞留場所に容易に装備できるのであ
る。
【0066】そして、本発明においては、特に、家庭用
薄葉紙にはその全体に悪臭物質を分解ないし吸着する金
属錯体を分散、保持させているので、悪臭物質との接触
性が良好になる結果、長期間に亙って優れた消臭効果を
発現する作用を有するのである。
【0067】本発明の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法に
おいては、家庭用薄葉紙に、悪臭物質を分解ないし吸着
する金属錯体の溶液又は分散液を含浸させた後、上記金
属錯体の分解温度以下で乾燥するものであり、特殊な技
術や装置を用いる事なく、低コストで、しかも品質の優
れたものを量産できる作用を有するのである。
【0068】更に、本発明の消臭型家庭用薄葉紙の製造
方法においては、家庭用薄葉紙の製造途次に、悪臭物質
を分解ないし吸着する金属錯体を含有させた後、上記金
属錯体の分解温度以下で乾燥するものであり、特殊な技
術や装置を用いる事なく、低コストで、しかも品質の優
れたものを量産できる作用を有するのである。
【0069】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】実施例1 市販されているちり紙に、鉄フタロシアニン・ポリカル
ボン酸の分散液(濃度1重量%、水とエチルアルコール
の混合液(容量比1:1)、高級アルコール系界面活性
剤0.5重量%配合)を吹き付け、圧搾後、乾燥して、消
臭型ちり紙を得た。
【0071】この消臭型ちり紙中の鉄フタロシアニン・
ポリカルボン酸の含有量は3.1重量%であった。
【0072】実施例2 実施例1において、市販されているちり紙に代えて、市
販されているティッシュペーパーを用いた以外は、実施
例1と同様にして、消臭型ティッシュペーパーを得た。
【0073】この消臭型ちり紙中の鉄フタロシアニン・
ポリカルボン酸の含有量は2.8重量%であった。
【0074】実施例3 実施例1において、市販されているちり紙に代えて、市
販されているペーパータオル(タオル用紙)を用いた以
外は、実施例1と同様にして、消臭型タオル用紙を得
た。
【0075】この消臭型タオル用紙中の鉄フタロシアニ
ン・ポリカルボン酸の含有量は3.1重量%であった。
【0076】比較例 市販されているレーヨンステープルを10mm長さに切
断してレーヨンステープル短繊維を得た。
【0077】次に、このレーヨンステープル短繊維を、
実施例1で用いたものと同様の鉄フタロシアニン・ポリ
カルボン酸の分散液中に浸漬し、1時間放置後、乾燥し
て、消臭型レーヨンステープル短繊維を得た。
【0078】この消臭型レーヨンステープル短繊維中の
鉄フタロシアニン・ポリカルボン酸の含有量は3.7重
量%であった。
【0079】この消臭型レーヨンステープル短繊維10
0重量部と未処理の上記レーヨンステープル短繊維10
0重量部とポリビニールアルコール系バインダを5重量
部を分散させた、抄紙液から手抄によって抄紙し、坪量
25g/m2の消臭型不織布を得た。
【0080】これを、実施例1で用いたちり紙と同じ大
きさに切断したものを用いた。
【0081】実験例1 実施例1で得た消臭型ちり紙10枚と比較例で得た消臭
型不織布10枚をそれぞれトイレに重ねて放置し、消臭
実験を行った。
【0082】その結果、実施例1のものは放置後5時間
程度でトイレ特有の悪臭が失われ、しかも5日経過して
も悪臭は認められなかった。
【0083】これに対し、比較例のものは10時間経過
してもトイレ特有の悪臭が認められ、トイレ特有の悪臭
を消すことができなかった。
【0084】ところで、実施例1で得た消臭型ちり紙を
水中に投入し、軽く掻き混ぜると簡単にバラバラになり
トイレットペーパーとして使用できることが認められた
が、比較例のものは水中で掻き混ぜても容易にバラバラ
にならないので、トイレットペーパーとして使用できな
いことが認められた。
【0085】実験例2 実施例2で得た消臭型ティッシュペーパーを、漬物と生
魚を入れてこれらの臭いが残っているバッグの中に入れ
て封をし、2時間放置後、このバッグを開いて臭いを嗅
いだところ悪臭は認められなかった。
【0086】又、比較例のものについて、同様の消臭実
験を行ったが、比較例のものではバッグの臭いを消すこ
とができないことが認められた。
【0087】実験例3 実施例3で得た消臭型タオル用紙で手を拭いた後、この
10枚を、室外に設置し、且つタマネギ臭のする屑入れ
(容量100lの蓋付きポリバケツ)に入れ5時間後、
蓋を開けて臭いを嗅いだところ、殆どタマネギ臭は認め
られなかった。
【0088】又、比較例のものについて、同様の消臭実
験を行ったところ、比較例のはタマネギ臭を消すことが
できないことが認められた。
【0089】
【発明の効果】本発明の消臭型家庭用薄葉紙は、上記構
成を有し、家庭用薄葉紙にはその全体に悪臭物質を分解
ないし吸着する金属錯体を分散、保持させてなり、この
金属錯体は、悪臭物質を効果的に酸化分解ないし吸着
し、しかも悪臭物質の除去が薄葉紙の全体で均一に行わ
れるので、この使用の前後に関係無く、著しく優れた消
臭効果を発現する上、この消臭効果が長期間に亙って持
続するのである。
【0090】又、この消臭型家庭用薄葉紙は、吸水性が
大きく、汚物(水分)を容易にトラッし、しかも通気性
が良好であるので、悪臭(空気)との接触が良く、従っ
て、糞尿等の頑固な臭いも確実に消去する効果を有する
ので、至極有益である。
【0091】又、本発明の消臭型家庭用薄葉紙の製造方
法においては、家庭用薄葉紙に、悪臭物質を分解ないし
吸着する金属錯体の溶液又は分散液を含浸させた後、上
記金属錯体の分解温度以下で乾燥するものであり、特殊
な技術や装置を用いる事なく、消臭効果が至極大で、品
質の優れた消臭型の家庭用薄葉紙を低コストで量産でき
る効果を有するのである。
【0092】更に、本発明の消臭型家庭用薄葉紙の製造
方法においては、家庭用薄葉紙の製造途次に、悪臭物質
を分解ないし吸着する金属錯体を含有させた後、上記金
属錯体の分解温度以下で乾燥するものであり、特殊な技
術や装置を用いる事なく、低コストで、しかも品質の優
れた消臭型の家庭用薄葉紙を量産できる効果を有するの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 116 B 53/36 H 9042−4D D21H 17/63 27/00

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家庭用薄葉紙にはその全体に悪臭物質を
    分解ないし吸着する金属錯体を分散、保持させてなる消
    臭型家庭用薄葉紙。
  2. 【請求項2】 家庭用薄葉紙がトイレットペーパー、タ
    オル用紙、ティッシュペーパー、ちり紙又は京花紙であ
    る請求項1に記載の消臭型家庭用薄葉紙。
  3. 【請求項3】 金属錯体が、金属ポルフィリン誘導体よ
    りなる請求項1又は2に記載の消臭型家庭用薄葉紙。
  4. 【請求項4】 金属ポルフィリン誘導体が、金属フタロ
    シアニン誘導体である請求項3に記載の消臭型家庭用薄
    葉紙。
  5. 【請求項5】 金属ポルフィリン誘導体がカルボキシル
    基、水酸基、アミド基、スルフォン基、ハロゲン基又は
    アミノ基より選ばれた少なくとも一種を有する請求項3
    又は4に記載の消臭型家庭用薄葉紙。
  6. 【請求項6】 金属ポルフィリン誘導体が、アニオン基
    を有し、このアニオン基に同一又は別異の金属が結合し
    て塩を形成してなる請求項3ないし5のいずれかに記載
    の消臭型家庭用薄葉紙。
  7. 【請求項7】 アニオン基がカルボキシル基、スルフォ
    ン基又はリン酸基である請求項6に記載の消臭型家庭用
    薄葉紙。
  8. 【請求項8】 金属が、アルカリ金属、カルシウム、バ
    リウム、マグネシウム、銅、鉄、ニッケル、コバルト、
    マンガン、チタン、バナジウム、モリブデン、タングス
    テン、銀又は亜鉛より選ばれた少なくとも一種である請
    求項1ないし7のいずれかに記載の消臭型家庭用薄葉
    紙。
  9. 【請求項9】 家庭用薄葉紙に、悪臭物質を分解ないし
    吸着する金属錯体の溶液又は分散液を含浸させた後、上
    記金属錯体の分解温度以下で乾燥することを特徴とする
    消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  10. 【請求項10】 家庭用薄葉紙がトイレットペーパー、
    タオル用紙、ティッシュペーパー、ちり紙又は京花紙で
    ある請求項9に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  11. 【請求項11】 金属錯体が、金属ポルフィリン誘導体
    よりなる請求項9又は10に記載の消臭型家庭用薄葉紙
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 金属ポルフィリン誘導体が、金属フタ
    ロシアニン誘導体である請求項11に記載の消臭型家庭
    用薄葉紙の製造方法。
  13. 【請求項13】 金属ポルフィリン誘導体がカルボキシ
    ル基、水酸基、アミド基、スルフォン基、ハロゲン基又
    はアミノ基より選ばれた少なくとも一種を有する請求項
    11又は12に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  14. 【請求項14】 金属ポルフィリン誘導体が、アニオン
    基を有し、このアニオン基に同一又は別異の金属が結合
    して塩を形成してなる請求項11ないし13のいずれか
    に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  15. 【請求項15】 アニオン基がカルボキシル基、スルフ
    ォン基又はリン酸基である請求項14に記載の消臭型家
    庭用薄葉紙の製造方法。
  16. 【請求項16】 金属が、アルカリ金属、カルシウム、
    バリウム、マグネシウム、銅、鉄、ニッケル、コバル
    ト、マンガン、チタン、バナジウム、モリブデン、タン
    グステン、銀又は亜鉛より選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項9ないし15のいずれかに記載の消臭型家庭用
    薄葉紙の製造方法。
  17. 【請求項17】 家庭用薄葉紙の製造途次に、悪臭物質
    を分解ないし吸着する金属錯体を含有させた後、上記金
    属錯体の分解温度以下で乾燥することを特徴とする消臭
    型家庭用薄葉紙の製造方法。
  18. 【請求項18】 家庭用薄葉紙がトイレットペーパー、
    タオル用紙、ティッシュペーパー、ちり紙又は京花紙で
    ある請求項17に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 金属錯体が、金属ポルフィリン誘導体
    よりなる請求項17又は18に記載の消臭型家庭用薄葉
    紙の製造方法。
  20. 【請求項20】 金属ポルフィリン誘導体が、金属フタ
    ロシアニン誘導体である請求項19に記載の消臭型家庭
    用薄葉紙の製造方法。
  21. 【請求項21】 金属ポルフィリン誘導体がカルボキシ
    ル基、水酸基、アミド基、スルフォン基、ハロゲン基又
    はアミノ基より選ばれた少なくとも一種を有する請求項
    19又は20に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  22. 【請求項22】 金属ポルフィリン誘導体が、アニオン
    基を有し、このアニオン基に同一又は別異の金属が結合
    して塩を形成してなる請求項19ないし21のいずれか
    に記載の消臭型家庭用薄葉紙の製造方法。
  23. 【請求項23】 アニオン基がカルボキシル基、スルフ
    ォン基又はリン酸基である請求項22に記載の消臭型家
    庭用薄葉紙の製造方法。
  24. 【請求項24】 金属が、アルカリ金属、カルシウム、
    バリウム、マグネシウム、銅、鉄、ニッケル、コバル
    ト、マンガン、チタン、バナジウム、モリブデン、タン
    グステン、銀又は亜鉛より選ばれた少なくとも一種であ
    る請求項17ないし23のいずれかに記載の消臭型家庭
    用薄葉紙の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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