JP3720336B2 - 消臭材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば消臭シート、エアコン等の消臭フィルター等として用いられる消臭材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の生活環境の向上に伴い、生活空間の一層の快適性を確保すべく、生活空間における例えばアンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の生活臭を除去することに強い関心が持たれている。
【0003】
このような臭いの問題を解決するものとして様々な種類の消臭材が上市されている。例えば活性炭を不織布表面に担持したものが知られているが、このような吸着タイプの消臭材は速効性は十分に得られるものの、消臭効果の持続性に乏しく寿命が非常に短いという欠点があった。
【0004】
そこで、近年では、消臭材として、金属フタロシアニン錯体を布帛に担持せしめてなる消臭シート(特許文献1参照)や金属フタロシアニン錯体を薄葉紙に担持せしめてなる紙(特許文献2参照)が提案されているが、これらの消臭シートでは消臭性能が十分に得られなかった。また、金属フタロシアニン錯体をバインダー樹脂により付着せしめたもの(特許文献3参照)も知られているが、金属フタロシアニン錯体の表面の一部がバインダー樹脂で覆われてしまうために十分な消臭性能が得られなかった。このような状況の中、予めカチオン化処理されたセルロース系繊維に金属フタロシアニン錯体を担持させたもので構成した繊維製品(特許文献4参照)が提案されている。
【0005】
一方、酸化チタン等の光触媒を布帛に担持せしめたもの(特許文献5参照)も提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−84057号公報(請求項1、4)
【0007】
【特許文献2】
特開平5−269328号公報(請求項1〜4)
【0008】
【特許文献3】
特開2000−152982号公報(請求項1、2)
【0009】
【特許文献4】
特開2001−254269号公報(請求項1、段落0010)
【0010】
【特許文献5】
特開2000−328438号公報(請求項1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では次のような問題があった。即ち、特許文献4に記載の繊維製品では、予めセルロース系繊維をカチオン化処理することで金属フタロシアニン錯体の付着量をある程度増やすことができて消臭効果の向上は認められるものの、その消臭性能は未だ十分に満足でき得るものではなく、更なる消臭性能の向上が求められていた。なお、浸漬処理時の金属フタロシアニン錯体の濃度を高くしても付着量はこれ以上増大せず、消臭性能をさらに向上させることは困難であった。
【0012】
また、光触媒を担持せしめたものでは、様々な臭気成分を常温で分解できるという特長を備えているものの、分解作用を発揮させるためには光触媒に特定波長の紫外線が照射されなければならず、消臭材としての使用環境が限定されるという問題があるし、消臭性能も十分なものではなかった。
【0013】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気に対して優れた消臭性能を発揮することができると共に、この優れた消臭性能を長く維持できる消臭材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の発明によって達成される。
【0015】
即ち、この発明に係る消臭材は、カチオン化処理された担持体が、金属フタロシアニン錯体と均染剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又は均染剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなり、前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする。
【0016】
また、この発明の消臭材は、カチオン化処理された担持体に金属フタロシアニン錯体及び均染剤が担持されてなり、前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする。
【0017】
上記いずれの消臭材においても、担持体が予めカチオン化処理されているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が増えるのであるが、均染剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が格段に増大する。これにより、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気が十分に除去される。また、消臭性能の持続性も十分に得られる。
【0018】
均染剤としては、ポリアルキルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルコハク酸及びアルキルスルホン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物が用いられるのが好ましい。これにより、金属フタロシアニン錯体の担持量が一層増大され得て、消臭性能が一層向上する。
【0019】
また、この発明に係る別の消臭材は、カチオン化処理された担持体が、金属フタロシアニン錯体とマイグレーション防止剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又はマイグレーション防止剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなり、前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする。
【0020】
また、この発明の別の消臭材は、カチオン化処理された担持体に金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤が担持されてなり、前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする。
【0021】
上記いずれの消臭材においても、担持体が予めカチオン化処理されているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が増えるのであるが、マイグレーション防止剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が格段に増大する。これにより、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気が十分に除去される。また、消臭性能の持続性も十分に得られる。
【0022】
上記マイグレーション防止剤としては、アクリルアミド系重合体及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物が用いられるのが好ましい。これにより、金属フタロシアニン錯体の担持量が一層増大され得て、消臭性能が一層向上する。
【0023】
上記いずれの発明においても、担持体の構成素材として、セルロース、レーヨン、綿及び羊毛からなる群より選ばれる1種または2種以上の素材が用いられるのが好ましい。これらの素材では、カチオン化される反応点である水酸基(OH基)が多く存在するので、カチオン化の量が増大され得て、金属フタロシアニン錯体の担持量がさらに増大する。
【0024】
担持体は、不織布、織物、編物及び紙のうちのいずれかの形態からなるシートを用いて構成されている(担持体はシート状であっても、これらシートが組み合わされて立体状に構成されていても良い)のが好ましい。担持体がこのような構成であれば、空気と接触する表面積が顕著に増大するので、消臭効率が向上して、臭気がより短時間で除去されるものとなる。
【0025】
また、担持体は、4級アンモニウム塩によりカチオン化処理されたものであるのが好ましい。これにより金属フタロシアニン錯体の担持量がより一層増大され得て、消臭性能がさらに一層向上する。
【0026】
この発明に係る消臭材の製造方法は、担持体をカチオン化処理する工程と、前記カチオン化処理された担持体を、均染剤を含有した処理液に浸漬する工程と、前記浸漬処理後の担持体を、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させることによって、前記担持体に対して金属フタロシアニン錯体が3000ppm以上担持されてなる消臭材を得る工程とを包含することを特徴とする。
【0027】
この製法によれば、カチオン化処理された担持体を、先に均染剤を含有した処理液に浸漬した後に、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬するので、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる。従って、得られた消臭材は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去できる。また、この消臭材では、消臭性能の持続性も十分に得られる。更に、担持体を処理液に浸漬しているので、金属フタロシアニン錯体を担持体に対して均一に担持することができる。
【0028】
この発明の別の消臭材の製造方法は、担持体をカチオン化処理する工程と、前記カチオン化処理された担持体を、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させることによって、前記担持体に対して金属フタロシアニン錯体が3000ppm以上担持されてなる消臭材を得る工程とを包含することを特徴とする。
【0029】
この製法によれば、カチオン化処理された担持体を、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤の両方を含有した処理液に浸漬するので、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる。従って、得られた消臭材は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去できる。また、この消臭材では、消臭性能の持続性も十分に得られる。更に、担持体を処理液に浸漬しているので、金属フタロシアニン錯体を担持体に対して均一に担持することができる。
【0030】
前記後者の製造方法において、処理液における金属フタロシアニン錯体/マイグレーション防止剤の質量比は1/10〜10/1の範囲であるのが好ましい。このような範囲に設定すれば、金属フタロシアニン錯体の担持量をさらに増大させることができて、消臭材の消臭性能を一層向上させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
第1発明に係る消臭材(1)は、カチオン化処理された担持体(2)が、金属フタロシアニン錯体と均染剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又は均染剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体(2)に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなることを特徴とするものである。この消臭材では、担持体(2)が予めカチオン化処理されているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が増えるのであるが、更に均染剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が格段に増大する。これにより、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に消臭することができる。前記処理の手法としては、例えば浸漬法、コーティング法等が挙げられるが、特にこれら例示の手法に限定されない。また、第1発明の消臭材(1)において、処理に用いられた均染剤は、該消臭材に担持されていても良いし、或いは洗浄等により消臭材から除去されていても良い。
【0032】
また、第2発明に係る消臭材(1)は、カチオン化処理された担持体(2)が、金属フタロシアニン錯体とマイグレーション防止剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又はマイグレーション防止剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体(2)に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなることを特徴とするものである。この消臭材では、担持体(2)が予めカチオン化処理されているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が増えるのであるが、更にマイグレーション防止剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体の担持量が格段に増大する。これにより、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に消臭することができる。前記処理の手法としては、例えば浸漬法、コーティング法等が挙げられるが、特にこれら例示の手法に限定されない。この第2発明の消臭材(1)において、処理に用いられたマイグレーション防止剤は、該消臭材に担持されていても良いが、洗浄等により消臭材から除去されるのがより好ましい。
【0033】
前記担持体(2)としては、金属フタロシアニン錯体を担持できるものであればどのようなものでも使用することができ、例えば不織布シート、織物シート、編物シート、紙シート、多孔質三次元構造体等を例示できる。前記不織布シートとしては、例えばスパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ケミカルボンド不織布、メルトブロー法により製造された不織布等が挙げられる。また、前記多孔質三次元構造体としては、例えばハニカム構造体、或いは図1、2に示すような平面シート(3)と波形シート(4)が交互に積層されて一体化された多孔質三次元構造体等を例示できる。
【0034】
前記担持体(2)の構成素材は、特に限定されるものではないが、カチオン化される反応点である水酸基(OH基)が多く存在する素材を用いるのが好ましい。このような素材としては、セルロース(パルプ等)、レーヨン、綿、羊毛等が挙げられ、これらを混用するようにしても良い。
【0035】
前記金属フタロシアニン錯体としては、特に限定されるものではないが、例えば鉄フタロシアニン錯体、コバルトフタロシアニン錯体等が挙げられる。これらの中でも、コバルトフタロシアニン錯体を用いるのが好ましく、この場合には、特にメチルメルカプタン、酢酸に対する消臭性能をさらに向上させることができる利点がある。前記コバルトフタロシアニン錯体としては、特に限定されるものではないが、例えばコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム、コバルトフタロシアニンオクタカルボン酸、コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等が挙げられる。
【0036】
前記カチオン化処理は、担持体(2)の化学構造中にカチオン基を導入付与し得るものであればどのような処理であっても良いが、中でも4級アンモニウム塩によりカチオン化処理が行われるのが好ましい。この場合には、金属フタロシアニン錯体の担持量をより増大させることができる利点がある。前記4級アンモニウム塩としては、例えば3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの縮合ポリマー(下記化学式(I)参照)等が挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】
このカチオン化処理についてセルロース繊維を例に説明すると、例えば3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドは、アルカリの存在下で、セルロース繊維の水酸基(主として6位の第1級水酸基)と次のように反応すると推定されている。
【0039】
【化2】
【0040】
前記均染剤は、染料を被染物に均一に(染色ムラなく)染着させる作用を有する化合物であり、このような作用を有する化合物であればどのようなものでも使用できるが、これらの中でもポリアルキルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルコハク酸及びアルキルスルホン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いるのが好ましい。この場合には、金属フタロシアニン錯体の担持量を一層増大させることができる。中でも、アルキルコハク酸及びアルキルスルホン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いるのが特に好ましい。なお、前記「ポリアルキルエーテルスルホン酸」、「アルキルコハク酸」、「アルキルスルホン酸」の語は、いずれもこれらの塩(ポリアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩)を含む意味で用いている。
【0041】
前記マイグレーション防止剤は、繊維上のある濃く染まった部分から、ある淡く染まった部分へ染料が移行するのを防止する作用を有する化合物であり、このような作用を有する化合物であればどのようなものでも使用できるが、これらの中でもアクリルアミド系重合体及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いるのが好ましい。この場合には、金属フタロシアニン錯体の担持量を一層増大させることができる。特に好ましいのはアクリルアミド系重合体である。前記アクリルアミド系重合体としては、例えばポリアクリルアミド、アクリルアミドに1ないし複数の他のモノマー成分を共重合させたアクリルアミド系共重合体等を例示できる。
【0042】
この発明の消臭剤において、前記担持体(2)にさらに他の消臭剤や臭気捕捉剤、添加剤等を担持せしめた構成を採用しても良い。他の消臭剤としては、例えばヒドラジン誘導体等を例示できる。また臭気捕捉剤としては、活性炭、ゼオライト等の多孔質無機物質を例示できる。
【0043】
前記ヒドラジン誘導体としては、例えば、ヒドラジン系化合物と長鎖の脂肪族系化合物とを反応させたもの、或いはヒドラジン系化合物と芳香族系化合物とを反応させたもの等が挙げられる。中でも、ヒドラジンおよびセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族モノカルボン酸および芳香族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物や、ヒドラジンおよびセミカルバジドからなる群より選ばれる1種または2種の化合物と、炭素数8〜16のモノグリシジル誘導体およびジグリシジル誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物との反応生成物が好適である。このようなヒドラジン誘導体を用いれば、一層優れた消臭性能を得ることができる。前記反応生成物としては、具体的には、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられるが、特にこれら例示の化合物に限定されるものではない。
【0044】
この発明の消臭材(1)では、均染剤やマイグレーション防止剤の作用によって、金属フタロシアニン錯体の担持量を格段に増大させることができる。金属フタロシアニン錯体の担持量は、担持体(2)に対して3000ppm以上に設定する。このような範囲に設定されていれば、格段に優れた消臭効果を確実に享受できるものとなる。特に好ましい範囲は5000ppm以上である。
【0045】
第1発明に係る消臭材(1)は、例えば次のようにして製造される。まず、担持体をカチオン化処理する。このようなカチオン化処理は、例えば担持体を、カチオン化剤を含有した処理液に浸漬することによって行われる。この時、カチオン化剤の濃度は0.5〜10質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0046】
次に、前記カチオン化処理された担持体を、均染剤を含有した処理液に浸漬する。この時均染剤の濃度は0.2〜5質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0047】
次いで、取り出した担持体を、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させる。この時、金属フタロシアニン錯体の濃度は0.1〜2質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0048】
この製造方法では、カチオン化処理された担持体を、先に均染剤を含有した処理液に浸漬した後に、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬するので、均染剤と金属フタロシアニン錯体の両方を含有した処理液に浸漬する(1段階)方法と比較して、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる利点がある。
【0049】
第2発明に係る消臭材(1)は、例えば次のようにして製造される。まず、担持体をカチオン化処理する。このようなカチオン化処理は、例えば担持体を、カチオン化剤を含有した処理液に浸漬することによって行われる。この時、カチオン化剤の濃度は0.5〜10質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0050】
次に、前記カチオン化処理された担持体を、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させる。この時、金属フタロシアニン錯体の濃度を0.1〜2質量%、マイグレーション防止剤の濃度を0.05〜5質量%の範囲に設定するのが好ましい。
【0051】
この製造方法では、カチオン化処理された担持体を、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤の両方を含有した処理液に浸漬するので、先にマイグレーション防止剤を含有した処理液に浸漬した後に金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬する(2段階)方法と比較して、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる利点がある。
【0052】
前記処理液における金属フタロシアニン錯体/マイグレーション防止剤の質量比は1/10〜10/1の範囲に設定するのが好ましい。このような範囲に設定すれば、金属フタロシアニン錯体の担持量をさらに増大させることができる。中でも、前記処理液における金属フタロシアニン錯体/マイグレーション防止剤の質量比は1/2〜5/1の範囲に設定するのがより好ましい。
【0053】
なお、この発明の消臭材(1)は、上記例示した製造方法で製造されるものに特に限定されるものではない。
【0054】
この発明の消臭材(1)の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば建材用等の消臭シート、エアコン等の空調設備の消臭フィルター、各種脱臭装置の消臭フィルター等が挙げられる。
【0055】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0056】
<実施例1>
綿の不織布(目付100g/m2 )を、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)の水溶液(濃度7.5質量%)に5分間浸漬することによって、綿の不織布のカチオン化処理を行った。次いで、この不織布を、スルホこはく酸ジエチルヘキシルナトリウム(アルキルコハク酸)の水溶液(濃度0.5質量%)に5分間浸漬した。取り出した不織布を、更にコバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム(コバルトフタロシアニン錯体)の水溶液(濃度0.5質量%)に5分間浸漬した後、取り出してマングルで絞って乾燥させて、消臭シートを得た。スルホこはく酸ジエチルヘキシルナトリウムの化学式は下記化学式(II)に示すとおりである。
【0057】
【化3】
【0058】
<実施例2>
スルホこはく酸ジエチルヘキシルナトリウム水溶液に代えて、ラウリルスルホン酸ナトリウム(アルキルスルホン酸)水溶液(濃度0.5質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。
【0059】
<実施例3>
綿の不織布(目付100g/m2 )を、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)の水溶液(濃度7.5質量%)に5分間浸漬することによって、綿の不織布のカチオン化処理を行った。次いで、この不織布を、コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム(コバルトフタロシアニン錯体)及びポリアクリルアミド(マイグレーション防止剤)を含有した水溶液(いずれも濃度0.5質量%)に5分間浸漬した後、取り出してマングルで絞って乾燥させて、消臭シートを得た。
【0060】
<実施例4>
綿の不織布に代えて、セルロース(パルプ)からなる紙シート(目付100g/m2 )を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。
【0061】
<実施例5>
綿の不織布に代えて、レーヨン織布(目付100g/m2 )を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。
【0062】
<実施例6>
綿の不織布に代えて、羊毛の編物(目付100g/m2 )を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。
【0063】
<実施例7>
担持体として、綿の不織布に代えて、図1、2に示すような晒しクラフト紙からなる平面シート(3)と波形シート(4)とが交互に積層一体化された多孔質三次元構造体(縦43mm×横55mm×厚さ12mm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、消臭材を得た。
【0064】
<実施例8>
担持体として、綿の不織布に代えて、図1、2に示すような晒しクラフト紙からなる平面シート(3)と波形シート(4)とが交互に積層一体化された多孔質三次元構造体(縦43mm×横55mm×厚さ12mm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、消臭材を得た。
【0065】
<実施例9>
担持体として、綿の不織布に代えて、図1、2に示すような晒しクラフト紙からなる平面シート(3)と波形シート(4)とが交互に積層一体化された多孔質三次元構造体(縦43mm×横55mm×厚さ12mm)を用いた以外は、実施例3と同様にして、消臭材を得た。
【0066】
<比較例1>
綿の不織布(目付100g/m2 )を、コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム(コバルトフタロシアニン錯体)の水溶液(濃度0.5質量%)に5分間浸漬した後、取り出してマングルで絞って乾燥させて、消臭シートを得た。
【0067】
<比較例2>
綿の不織布(目付100g/m2 )を、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(4級アンモニウム塩)の水溶液(濃度7.5質量%)に5分間浸漬することによって、綿の不織布のカチオン化処理を行った。次いで、この不織布を、コバルトフタロシアニンポリスルホン酸ナトリウム(コバルトフタロシアニン錯体)の水溶液(濃度0.5質量%)に5分間浸漬した後、取り出してマングルで絞って乾燥させて、消臭シートを得た。
【0068】
<実施例10>
スルホこはく酸ジエチルヘキシルナトリウム水溶液に代えて、ポリオキシエチレン(3)ラウリルスルホン酸ナトリウム(ポリアルキルエーテルスルホン酸)水溶液(濃度0.5質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。なお、ポリオキシエチレン(3)ラウリルスルホン酸ナトリウムの化学式は、「C1225O(CH2CH2O)3SO3Na」である。
【0069】
<実施例11>
スルホこはく酸ジエチルヘキシルナトリウム水溶液に代えて、ポリオキシエチレン(12)セチルエーテル(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)水溶液(濃度0.5質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして消臭シートを得た。なお、ポリオキシエチレン(12)セチルエーテルの化学式は、「C1633O(CH2CH2O)12H」である。
【0070】
<実施例12>
ポリアクリルアミドに代えてアルギン酸ソーダを用いた以外は、実施例3と同様にして消臭シートを得た。
【0071】
上記のようにして製作された各消臭材における金属フタロシアニン錯体の担持量をICP発光分析(コバルト原子の定量)により測定した。この結果を表1に示す。この表1から明らかなように、この発明の実施例1〜12の消臭材は、比較例1、2の消臭材と比較して、金属フタロシアニン錯体の担持量が格段に増大していた。
【0072】
【表1】
【0073】
また、上記各消臭材に対し下記試験法に従い、消臭性能の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0074】
<消臭性能試験法>
(アンモニア消臭性能)
各消臭材から切り出した試験片(10×10cm角)を、内容量2Lの袋内に入れた後、袋内において濃度が100ppmとなるようにアンモニアガスを注入した。注入してから60分経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値より各試験片がアンモニアガスを吸着除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を計算した。
【0075】
(硫化水素消臭性能)
アンモニアガスに代えて硫化水素ガスを用いて袋内において濃度が10ppmとなるように注入した以外は、上記試験と同様にして硫化水素の除去率(%)を算出した。
【0076】
(メチルメルカプタン消臭性能)
アンモニアガスに代えてメチルメルカプタンガスを用いて袋内において濃度が10ppmとなるように注入した以外は、上記試験と同様にしてメチルメルカプタンの除去率(%)を算出した。
【0077】
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が10ppmとなるように注入した以外は、上記試験と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
【0078】
(アセトアルデヒド消臭性能)
アンモニアガスに代えてアセトアルデヒドガスを用いて袋内において濃度が10ppmとなるように注入した以外は、上記試験と同様にしてアセトアルデヒドの除去率(%)を算出した。
【0079】
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が90%以上95%未満であるものを「○」、除去率が85%以上90%未満であるものを「△」、除去率が85%未満であるものを「×」と評価した。
【0080】
【表2】
【0081】
表2から明らかなように、この発明に係る実施例1〜12の消臭材は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒドのいずれに対しても優れた消臭性能を発揮できた。
【0082】
これに対して、単に金属フタロシアニン錯体を担持せしめた比較例1の消臭材や、カチオン化処理後に金属フタロシアニン錯体を担持せしめた比較例2の消臭材では、いずれも十分な消臭性能が得られなかった。
【0083】
【発明の効果】
請求項1、2の発明によれば、均染剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体が多量に担持されるものとなり、これによりアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去することができる。また、消臭性能の持続性も十分に確保できる。
【0084】
請求項3の発明によれば、消臭性能を一層向上させることができる。
【0085】
請求項4、5の発明によれば、マイグレーション防止剤による処理も行われているので、金属フタロシアニン錯体が多量に担持されるものとなり、これによりアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去することができる。また、消臭性能の持続性も十分に確保できる。
【0086】
請求項6の発明によれば、消臭性能を一層向上させることができる。
【0087】
請求項7の発明によれば、カチオン化される反応点である水酸基が多く存在する素材を用いているので、カチオン化の量を増大し得て、これにより金属フタロシアニン錯体の担持量をさらに増大させることができる。
【0088】
請求項8の発明によれば、空気と接触する表面積が顕著に増大するので、消臭効果において速効性を十分に確保できる。
【0089】
請求項9の発明によれば、消臭性能をさらに一層向上させることができる
【0090】
請求項10の発明によれば、担持体を先に均染剤を含有した処理液に浸漬した後に、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬するので、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる。従って、得られた消臭材は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去できると共に、消臭性能の持続性も十分に得られる。
【0091】
請求項11の発明によれば、消臭性能を一層向上させた消臭材を製造することができる。
【0092】
請求項12の発明によれば、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤の両方を含有した処理液に浸漬するので、金属フタロシアニン錯体をより多量に担持することができる。従って、得られた消臭材は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、アセトアルデヒド等の臭気を十分に除去できると共に、消臭性能の持続性も十分に得られる。
【0093】
請求項13の発明によれば、消臭性能を一層向上させた消臭材を製造することができる。
【0094】
請求項14の発明によれば、消臭性能をより一層向上させた消臭材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る消臭材を示す斜視図である。
【図2】 図1におけるA−A線の断面図である。
【符号の説明】
1…消臭材
2…担持体
3…平面シート
4…波形シート

Claims (14)

  1. カチオン化処理された担持体が、金属フタロシアニン錯体と均染剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又は均染剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなり、
    前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする消臭材。
  2. カチオン化処理された担持体に金属フタロシアニン錯体及び均染剤が担持されてなり、
    前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする消臭材。
  3. 前記均染剤として、ポリアルキルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルコハク酸及びアルキルスルホン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物が用いられた請求項1または2に記載の消臭材。
  4. カチオン化処理された担持体が、金属フタロシアニン錯体とマイグレーション防止剤の両方を含有した処理剤で処理されることによって、又はマイグレーション防止剤を含有した処理剤で処理された後に更に金属フタロシアニン錯体を含有した処理剤で処理されることによって、前記担持体に少なくとも金属フタロシアニン錯体が担持されてなり、
    前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする消臭材。
  5. カチオン化処理された担持体に金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤が担持されてなり、
    前記金属フタロシアニン錯体の担持量が、前記担持体に対して3000ppm以上であることを特徴とする消臭材。
  6. 前記マイグレーション防止剤として、アクリルアミド系重合体及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物が用いられた請求項4または5に記載の消臭材。
  7. 前記担持体の構成素材として、セルロース、レーヨン、綿及び羊毛からなる群より選ばれる1種または2種以上の素材が用いられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の消臭材。
  8. 前記担持体は、不織布、織物、編物及び紙のうちのいずれかの形態からなるシートを用いて構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の消臭材。
  9. 前記担持体は、4級アンモニウム塩によりカチオン化処理されたものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の消臭材。
  10. 担持体をカチオン化処理する工程と、
    前記カチオン化処理された担持体を、均染剤を含有した処理液に浸漬する工程と、
    前記浸漬処理後の担持体を、金属フタロシアニン錯体を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させることによって、前記担持体に対して金属フタロシアニン錯体が3000ppm以上担持されてなる消臭材を得る工程とを包含することを特徴とする消臭材の製造方法。
  11. 前記均染剤として、ポリアルキルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルコハク酸及びアルキルスルホン酸からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いる請求項10に記載の消臭材の製造方法。
  12. 担持体をカチオン化処理する工程と、
    前記カチオン化処理された担持体を、金属フタロシアニン錯体及びマイグレーション防止剤を含有した処理液に浸漬した後、乾燥させることによって、前記担持体に対して金属フタロシアニン錯体が3000ppm以上担持されてなる消臭材を得る工程とを包含することを特徴とする消臭材の製造方法。
  13. 前記マイグレーション防止剤としてアクリルアミド系重合体及びアルギン酸ソーダからなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いる請求項12に記載の消臭材の製造方法。
  14. 前記処理液における金属フタロシアニン錯体/マイグレーション防止剤の質量比が1/10〜10/1の範囲である請求項12または13に記載の消臭材の製造方法。
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