JPH0526028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、収納状態が平面状となつて運送が嵩
張らない紙製組立箱に関する。ここで、紙とはパ
ルプ等を原料とする天然紙の他、合成樹脂素材等
を原料する合成紙を含む。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来の紙製箱は完成された状態で搬送、保管さ
れていたので、嵩張り大量の箱の保管あるいは運
送が困難であるという問題点があつた。

そこで、本考案者は先に実願昭63−162135号に
おいて、箱の周囲に組立時に接着可能な外箱巻板
を設けてなる紙製組立箱を提案したが、個々の側
板の外側に外箱巻板を接着する必要があり、組立
に手間を要するという欠点があつた。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、運搬時に平面状となつて、組立時に一部を接
着するのみで容易に組立が可能な紙製組立箱を提
供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的に沿う請求の範囲第１項記載の紙製組
立箱は、断面四角形の箱本体と、該箱本体に被さ
る蓋体とを有する紙製組立箱であつて、上記箱本
体の底板には、一方の対角を結ぶ切れ目と、他の
対角の夫々略中心を通る直線状の折れ目とが形成
され、該切れ目と折れ目とで囲まれる底板の一部
に裏板が固着され、しかも、該裏板または底板の
他部には、裏板を上記切れ目で分離された底板の
他部に貼着する接着部が設けられて構成されてい
る。

また、請求の範囲第２項記載の紙製組立箱は、
請求の範囲第１項記載の紙製組立箱において、蓋
体の天井板には、一方の対角を結ぶ切れ目と、他
方の対角の夫々略中心を通る直線状の折れ目とが
形成され、該切れ目と折れ目とで囲まれる天井板
の一部に表板が固着され、しかも、該表板または
天井板の他部には、該表板と上記切れ目で分離さ
れた天井板の他部とを貼着する接着部が設けられ
て構成されている。

〔作用〕

請求の範囲第１項記載の紙製組立箱は、箱本体
と、蓋体とからなる紙製組立箱において、箱本体
の底板には一方の対角を結ぶ切れ目と、他方の対
角の夫々略中心を通る直線状の折れ目とが形成さ
れているので、箱を横方向から押した場合、切れ
目の部分が開き折れ目の部分で曲がつて平面状と
なる。

次に、該紙製組立箱を組み立てる場合には、平
面状となつた箱の側板を起こして、底板の切れ目
を合わせて平面状となして当接させ、底板の一部
に固着されている裏板を、他の部分の切れ目と折
れ目で囲まれる底板に接着して、組立られた箱本
体となる。

請求の範囲第２項記載の紙製組立箱において
は、天井板の一方の対角を結ぶ切れ目と、他方の
対角の略中心を通る直線状の折れ目とを形成し、
上記天井板の一部に表板を固着しているので、上
記箱本体と同様、押して平面状となすことがで
き、更に、組み立てる場合には、天井板の切れ目
を合わせることによつて蓋体となり、天井板の他
部と表板を接合することによつて、縁板を有する
蓋体が形成できる。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を
具体化した実施例につき説明し、本考案の理解に
供する。

ここに、第１図は本考案の一実施例に係る紙製
組立箱の組立状態を示す斜視図、第２図は同部分
断面図、第３図は該紙製組立箱の蓋体を平面状に
なした場合の平面図、第４図は該紙製組立箱の箱
本体を平面状になした場合の平面図、第５図は上
記蓋体の組立状態の斜視図、第６図は上記箱本体
の組立状態の斜視図である。

第１図、第２図に示すように、本考案の一実施
例に係る紙製組立箱１０は、断面四角形の箱本体
１１と、該箱本体１１とは別体からなつて上部か
ら箱本体１１に被さる蓋体１２とからなつてい
る。

上記箱本体１１は、四角形の底板１３を有する
内箱１４と、該内箱１４に一体として連接する各
内側板１５〜１８に貼着された外巻板１９と、上
記底板１３の裏面側に貼着される裏板２０とから
なり、上記蓋体１２は、上記底板１３よりやや大
きい天井板２１を有する内蓋２２と、該内蓋２２
に一体として連接する側板２３〜２６と、該側板
２３〜２６を取り巻く外巻板２７と、上記天井板
２１の表側に貼着される表板２８とを有して構成
されている。以下、これらについて詳しく説明す
る。

上記内箱１４は第１図，第６図に示すように、
底板１３の一方の対角２９，３０を連結する対角
線の部分に切れ目３１が形成され、他方の対角３
２，３３の略中心（従つて、その頂角45°）を通
る折れ目３４（一点鎖線で示す）が形成されてい
る。上記内箱１４の内側板１５〜１８には箱状に
成した状態で、該内側板１５〜１８よりやや高さ
の高い第２図に示すように外巻板１９が外側から
貼着されて、箱本体の内側板１５〜１８を連結し
ている。

そして、上記底板１３の裏面には、第６図に示
すような比較的厚い型紙からなる裏板２０が、切
目３１と折れ目３４で囲まれる部分３５で貼着さ
れ、分離しないようになつている。この貼着部分
３５を斜線で示す。

また、上記裏板２０の他の部分には、装着部の
一例である感圧接着部３６が設けられ、通常は表
面に弱接着性のシール３７が貼着され、使用にあ
つては該シール３７を剥離することによつて、底
板１３との接着が行われるようになつている。

ここで、上記裏板２０は第２図に示すように、
組立てた状態の外巻板１９の内側に嵌入するよう
にその大きさが決定されている（なお、裏板が外
巻板の内側に嵌入しないようにすることも可能で
ある）。

上記蓋体１２も構造的には上記箱本体１１と同
様な構造となつているので、他の同一の構成要素
については同一の番号を付してその説明を省略す
るが、天井板には２つの感圧接着部分３８，３９
が設けられ、その上に保護用のシール４０，４１
が配置されている。

従つて、この紙製組立箱１０を運搬あるいは保
管する場合には、まず第３図、第４図に示す蓋体
１２及び箱本体１１において、周囲の外巻板２
７，１９が貼着された内蓋２２、内側１４を、天
井板２１、底板１３の折れ目３４の部分で折り曲
げて切れ目３１の部分を開かせ、全体を押し潰し
て天井板２１及び底板１３を図に示すようにＷ字
状とし、該天井板２１及び底板１３の一部に夫々
貼着されている表板２８、裏板２０を広げて平面
状となし、運搬、保管に便利なようにする。

次に、この紙製組立箱１０を組み立てる場合に
は、まず夫々の外巻板２７，１９を広げて断面長
方形（正方形も含む）とする。これによつて天井
板２１及び底板１３の切れ目３１の部分が接合し
て角部が直角の四角形となる。

そこで、シール４０，４１、シール３７を夫々
剥がして感圧接着部３８，３９及び感圧接着部３
６を露出させ、天井板２１及び底板１３の切れ目
３１と折れ目３４が囲まれる他の部分を表板２
８、底板１３に夫々貼着させる。

これによつて、第１図に示すような箱本体１１
と蓋体１２からなる紙製組立箱１０となる。

なお、内側１４、内蓋２２の内側に装飾用の紙
を配置すること、あるいは他の部分に適当に装飾
用の紙を貼着することは自由である。

また、上記実施例においては、対角３２，３３
を結ぶ対角線の部分で切れ目を形成したが、必ず
しも対角線にする必要はなく、他の部分を通る直
線あるいは曲線であつても良い。

また、上記実施例においては底板、天井板が正
方形となつているので、折れ目は対角線と一致す
るが、上記底板、天井板が長方形の場合には各頂
角から略45°の角度でその基端を発する線になれ
ば良く、この場合には折れ目は繋がらない。

更には、上記感圧接着部の代わりに両面接着テ
ープを取付けておくことも可能であり、また感圧
接着部は底板側、天井板側に設けても良い。

また、上記箱本体１１のみを単独の箱として、
使用することもでき、裏板２０を箱本体の最下部
に配置するようにして該裏板に更に屈曲自在に連
接する一枚の側板、蓋板を取付けて使用すること
もできる。

〔考案の効果〕

請求の範囲第１項記載の紙製組立箱は以上の説
明からも明らかなように、箱本体を平面状に潰し
て搬送でき、使用時の組立に際しては、貼着する
部分が一面のみで済むので、箱の搬送、組立が簡
単になつた。

請求の範囲第２項記載の紙製組立箱において
は、蓋板も同様に平面状にして搬送でき、組立も
簡単となつたので、蓋体を有する紙製組立箱の搬
送、保管、組立が容易となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る紙製組立箱の
組立状態を示す斜視図、第２図は同部分断面図、
第３図は該紙製組立箱の蓋体を平面状になした場
合の平面図、第４図は該紙製組立箱の箱本体を平
面状になした場合の平面図、第５図は上記蓋体の
組立状態の斜視図、第６図は上記箱本体の組立状
態の斜視図である。 符号の説明、１０……紙製組立箱、１１……箱
本体、１２……蓋体、１３……底板、１４……内
箱、１５〜１８……内側板、１９……外巻板、２
０……裏板、２１……天井板、２２……内蓋、２
３〜２６……側板、２７……外巻板、２８……表
板、２９，３０……対角、３１……切れ目、３
２，３３……対角、３４……折れ目、３５，３
８，３９……感圧接着部、３７，４０，４１……
シール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 断面四角形の箱本体と、該箱本体に被さる蓋
   体とを有する紙製組立箱であつて、上記箱本体
   の底板には、一方の対角を結ぶ切れ目と、他の
   対角の夫々略中心を通る直線状の折れ目とが形
   成され、該切れ目と折れ目とで囲まれる底板の
   一部に裏板が固着され、しかも、該裏板または
   底板の他部には、裏板を上記切れ目で分離され
   た底板の他部に貼着する接着部が設けられてい
   ることを特徴とする紙製組立箱。 (2) 蓋体の天井板には、一方の対角を結ぶ切れ目
   と、他方の対角の夫々略中心を通る直線状の折
   れ目とが形成され、該切れ目と折れ目とで囲ま
   れる天井板の一部に表板が固着され、しかも、
   該表板または天井板の他部には、該表板と上記
   切れ目で分離された天井板の他部とを貼着する
   接着部が設けられている請求の範囲第１項記載
   の紙製組立箱。