JPH0525952B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0525952B2 JPH0525952B2 JP2053739A JP5373990A JPH0525952B2 JP H0525952 B2 JPH0525952 B2 JP H0525952B2 JP 2053739 A JP2053739 A JP 2053739A JP 5373990 A JP5373990 A JP 5373990A JP H0525952 B2 JPH0525952 B2 JP H0525952B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum
- crystal grain
- crystal
- crystal grains
- grain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 85
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 53
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 claims description 53
- 238000005530 etching Methods 0.000 claims description 22
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 15
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 13
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 7
- 150000004767 nitrides Chemical class 0.000 claims description 3
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 claims description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 13
- 239000003086 colorant Substances 0.000 description 9
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 8
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 7
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 6
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 5
- PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N Nickel Chemical compound [Ni] PXHVJJICTQNCMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N Hydrochloric acid Chemical compound Cl VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000004566 building material Substances 0.000 description 2
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 description 2
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 description 2
- 238000005034 decoration Methods 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 229910052759 nickel Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000010422 painting Methods 0.000 description 2
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 2
- 238000004544 sputter deposition Methods 0.000 description 2
- 238000005482 strain hardening Methods 0.000 description 2
- 238000005406 washing Methods 0.000 description 2
- GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N Nitric acid Chemical compound O[N+]([O-])=O GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 235000005811 Viola adunca Nutrition 0.000 description 1
- 240000009038 Viola odorata Species 0.000 description 1
- 235000013487 Viola odorata Nutrition 0.000 description 1
- 235000002254 Viola papilionacea Nutrition 0.000 description 1
- 244000172533 Viola sororia Species 0.000 description 1
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 1
- 238000003486 chemical etching Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 1
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 1
- 238000007733 ion plating Methods 0.000 description 1
- 239000002932 luster Substances 0.000 description 1
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 1
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 229910017604 nitric acid Inorganic materials 0.000 description 1
- RVTZCBVAJQQJTK-UHFFFAOYSA-N oxygen(2-);zirconium(4+) Chemical compound [O-2].[O-2].[Zr+4] RVTZCBVAJQQJTK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000007747 plating Methods 0.000 description 1
- 238000007639 printing Methods 0.000 description 1
- 230000001337 psychedelic effect Effects 0.000 description 1
- 238000001953 recrystallisation Methods 0.000 description 1
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 1
- 238000001771 vacuum deposition Methods 0.000 description 1
- 229910001928 zirconium oxide Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
この発明は、時計、アクセサリー、文房具、イ
ンテリア、建材等の装飾部材等に用いられる、ア
ルミニウムの結晶粒部材の製造方法に関する。
ンテリア、建材等の装飾部材等に用いられる、ア
ルミニウムの結晶粒部材の製造方法に関する。
[従来の技術]
アルミニウム部材は、軽量であり、加工性、耐
蝕性が良いといつた利点を有するため、時計の外
装や建材等に広く用いられ、結晶粒模様を得るに
は、例えば特公昭54−41949号公報には、アルミ
ニウム板を冷間加工により歪を与え、これを高温
焼鈍して結晶粒を成長させ、最後にエツチング処
理して結晶粒を素材表面に現出させるものが開示
してある。
蝕性が良いといつた利点を有するため、時計の外
装や建材等に広く用いられ、結晶粒模様を得るに
は、例えば特公昭54−41949号公報には、アルミ
ニウム板を冷間加工により歪を与え、これを高温
焼鈍して結晶粒を成長させ、最後にエツチング処
理して結晶粒を素材表面に現出させるものが開示
してある。
[解決しようとする課題]
しかし、前記従来技術では、焼鈍前に冷間加工
工程が必要であるため、アルミニウム板の製造か
らの制御が必要であり、アルミニウムの表面に結
晶粒模様を得ても、そのままでは装飾性に乏し
く、化学エツチング処理の後に塗装、アルマイト
処理、印刷等により表面の色調を変えても、時計
やアクセサリーの装飾部材としては、華やかさ、
豪華さに物足りないものであつた。
工程が必要であるため、アルミニウム板の製造か
らの制御が必要であり、アルミニウムの表面に結
晶粒模様を得ても、そのままでは装飾性に乏し
く、化学エツチング処理の後に塗装、アルマイト
処理、印刷等により表面の色調を変えても、時計
やアクセサリーの装飾部材としては、華やかさ、
豪華さに物足りないものであつた。
そこで本発明の目的は、華やかで、サイケデリ
ツク(幻想的)な色調を現出し、今までにない高
度な装飾性を有するアルミニウムの結晶粒部材の
製造方法を提供することにある。
ツク(幻想的)な色調を現出し、今までにない高
度な装飾性を有するアルミニウムの結晶粒部材の
製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
本発明のアルミ結晶粒部材の製造方法の特徴
は、アルミニウム部材に熱処理を施して結晶粒を
粗大化させる工程と、結晶粒が粗大化した上記ア
ルミニウム部材にエツチング処理を施す工程と、
上記エツチング処理を施したアルミニウム部材
に、周期律表のb、a、b、a、a族
の中の少なくとも一つの元素の窒化物または酸化
物または炭化物を有する透明被膜を形成する工程
とからなるものである。
は、アルミニウム部材に熱処理を施して結晶粒を
粗大化させる工程と、結晶粒が粗大化した上記ア
ルミニウム部材にエツチング処理を施す工程と、
上記エツチング処理を施したアルミニウム部材
に、周期律表のb、a、b、a、a族
の中の少なくとも一つの元素の窒化物または酸化
物または炭化物を有する透明被膜を形成する工程
とからなるものである。
さらに、上記製造方法において、熱処理の前
に、上記アルミニウム部材に部分的に塑性歪みを
与える工程を含むこともある。
に、上記アルミニウム部材に部分的に塑性歪みを
与える工程を含むこともある。
[作用]
本発明では、アルミニウム部材を装飾用として
用いるために、熱処理により結晶粒を肉眼で見え
るほどの大きさに粗大化させるが、このとき、ア
ルミニウム部材を熱処理したままの状態では結晶
粒模様は不明瞭であるが、エツチング処理により
結晶粒模様を明瞭に浮かび上がらせる。このと
き、結晶粒板は各結晶粒ごとに結晶方向が異なる
ため、エツチングを行うと表面粗さが均一でなく
なる。そこで本発明では、これに干渉被膜を形成
することにより、各結晶粒ごとに異なつた豪華な
干渉色を現出している。これは、結晶粒毎の結晶
方位の違いによりエツチングの粗れ方に差が出て
表面に凹凸が生じることを利用しているので、視
点を動かさなくても結晶粒毎に色が違つて見え、
また、視点を動かした場合には、干渉膜は色を全
く変えるため、各結晶粒全部の色が角度に応じて
順次変化するためである。
用いるために、熱処理により結晶粒を肉眼で見え
るほどの大きさに粗大化させるが、このとき、ア
ルミニウム部材を熱処理したままの状態では結晶
粒模様は不明瞭であるが、エツチング処理により
結晶粒模様を明瞭に浮かび上がらせる。このと
き、結晶粒板は各結晶粒ごとに結晶方向が異なる
ため、エツチングを行うと表面粗さが均一でなく
なる。そこで本発明では、これに干渉被膜を形成
することにより、各結晶粒ごとに異なつた豪華な
干渉色を現出している。これは、結晶粒毎の結晶
方位の違いによりエツチングの粗れ方に差が出て
表面に凹凸が生じることを利用しているので、視
点を動かさなくても結晶粒毎に色が違つて見え、
また、視点を動かした場合には、干渉膜は色を全
く変えるため、各結晶粒全部の色が角度に応じて
順次変化するためである。
[実施例]
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
説明する。
まず、第1実施例について説明する。
本実施例においては、アルミニウム部材とし
て、市販されている工業用純アルミニウム圧延板
のA1080(純度99.8%以上)またはA1050(純度
99.5%以上)またはA1100(純度99.0%以上)を用
いる。工業用純アルミニウム板は、圧延加工によ
り作られており、製品は圧延方向に塑性歪みを生
じている。
て、市販されている工業用純アルミニウム圧延板
のA1080(純度99.8%以上)またはA1050(純度
99.5%以上)またはA1100(純度99.0%以上)を用
いる。工業用純アルミニウム板は、圧延加工によ
り作られており、製品は圧延方向に塑性歪みを生
じている。
このアルミニウム板に熱処理を施す。すなわ
ち、大気、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気中
で、500℃以上かつアルミニウムの融点(約660
℃)以下の温度で30分間以上保持する。するとア
ルミニウムが再結晶し、さらにその結晶が肉眼で
見ることができる程に粗大化する。しかし、この
ままの状態ではアルミニウム板の表面の汚れ等に
より、結晶組織は明瞭に見ることはできない。
ち、大気、還元性ガスまたは不活性ガス雰囲気中
で、500℃以上かつアルミニウムの融点(約660
℃)以下の温度で30分間以上保持する。するとア
ルミニウムが再結晶し、さらにその結晶が肉眼で
見ることができる程に粗大化する。しかし、この
ままの状態ではアルミニウム板の表面の汚れ等に
より、結晶組織は明瞭に見ることはできない。
そこで次にエツチング処理を施す。水、30%塩
酸、60%硝酸を、体積比が20:60:20〜30:30:
40程度の割合で混合したエツチング液を用意し、
アルミニウム板を、常温状態で5〜10分間、この
エツチング液に浸漬する。これにより、アルミニ
ウム板の表面の汚れ等が取り除かれ、粗大化した
結晶粒がきれいに表面に浮かび上がり、平均
20μmの表面段差をもつ模様となる。
酸、60%硝酸を、体積比が20:60:20〜30:30:
40程度の割合で混合したエツチング液を用意し、
アルミニウム板を、常温状態で5〜10分間、この
エツチング液に浸漬する。これにより、アルミニ
ウム板の表面の汚れ等が取り除かれ、粗大化した
結晶粒がきれいに表面に浮かび上がり、平均
20μmの表面段差をもつ模様となる。
そこで、アルミニウム板を水洗いしてエツチン
グ液を取り除き、必要によりトツプコーテイング
あるいは一般的な有色塗装等を行うと、結晶粒模
様を有するアルミニウム板が得られる。
グ液を取り除き、必要によりトツプコーテイング
あるいは一般的な有色塗装等を行うと、結晶粒模
様を有するアルミニウム板が得られる。
第1図〜第3図は、この状態のアルミ結晶粒板
を示す写真である。第1図は、方向性のない中程
度の結晶粒度の組織である等軸晶、第2図は、等
軸晶の粒界に、結晶粒度の微細な組織であるチル
晶が混じり合つた混合晶、第3図は、板の圧延方
向に結晶方位のそろつた柱状の大きな組織である
柱状晶の結晶粒形である。これらの結晶粒形にお
いて、エツチング処理を行つているために、アル
ミニウムに本来存在しない銀白色の光沢が得られ
る。また結晶粒ごとに方向性があるために見る角
度により光が反射してくる結晶粒が異なる。
を示す写真である。第1図は、方向性のない中程
度の結晶粒度の組織である等軸晶、第2図は、等
軸晶の粒界に、結晶粒度の微細な組織であるチル
晶が混じり合つた混合晶、第3図は、板の圧延方
向に結晶方位のそろつた柱状の大きな組織である
柱状晶の結晶粒形である。これらの結晶粒形にお
いて、エツチング処理を行つているために、アル
ミニウムに本来存在しない銀白色の光沢が得られ
る。また結晶粒ごとに方向性があるために見る角
度により光が反射してくる結晶粒が異なる。
再結晶により、これらの結晶粒形のうちいずれ
が得られるかは、アルミニウム板の純度、質別
(加工率)、板厚、及び熱処理温度等の熱処理条件
によつて変わるため、これらの諸条件を選ぶこと
により、目的とする粒形を有するアルミニウム板
を得ることが可能である。
が得られるかは、アルミニウム板の純度、質別
(加工率)、板厚、及び熱処理温度等の熱処理条件
によつて変わるため、これらの諸条件を選ぶこと
により、目的とする粒形を有するアルミニウム板
を得ることが可能である。
以上の工程で得られたアルミニウム板は、従来
より装飾部材として用いられていたが、本発明に
おいてはさらに高い装飾性、特に色彩の点で今ま
でにない優れた装飾性を得るために、上記のよう
にエツチング処理を行つて結晶粒模様を浮かび上
がらせたアルミ結晶粒部材に、干渉被膜を形成す
る。
より装飾部材として用いられていたが、本発明に
おいてはさらに高い装飾性、特に色彩の点で今ま
でにない優れた装飾性を得るために、上記のよう
にエツチング処理を行つて結晶粒模様を浮かび上
がらせたアルミ結晶粒部材に、干渉被膜を形成す
る。
干渉被膜として、周期律表のb、a、
b、a、a族の中の少なくとも一つの元素の
窒化物、酸化物または炭化物を単独または複合し
て有する透明被膜を用いる。干渉被膜の形成方法
として、スパツタリング、イオンプレーテイン
グ、真空蒸着等を用いることができる。膜厚は、
干渉現象を起こすことが可能なものとし、この膜
厚を制御することによつて、赤、橙、黄、緑、
青、青紫、紫等の干渉により出る色を調整でき、
また干渉色を強めるために被膜を多層としてもよ
い。
b、a、a族の中の少なくとも一つの元素の
窒化物、酸化物または炭化物を単独または複合し
て有する透明被膜を用いる。干渉被膜の形成方法
として、スパツタリング、イオンプレーテイン
グ、真空蒸着等を用いることができる。膜厚は、
干渉現象を起こすことが可能なものとし、この膜
厚を制御することによつて、赤、橙、黄、緑、
青、青紫、紫等の干渉により出る色を調整でき、
また干渉色を強めるために被膜を多層としてもよ
い。
結晶粒板は、各結晶粒ごとに結晶方向が異なる
ため、エツチングを行うと表面粗さが均一でなく
なり、微細な凹凸が生じる。従つて、これに干渉
被膜を形成すると、各結晶粒ごとに異なつた干渉
色を呈する。すなわち、第9図aのA結晶粒内で
は、表面の粗さが緩やかであり、第9図bのB結
晶粒内では、表面の粗さが起伏に富んでおり、表
面の粗さが異なつている。従つて、この上に透明
被膜を形成して、A結晶粒とB結晶粒とを、同一
方向より眺めると、結晶粒面上で反射して目の方
に進む光の方向が異なり、そのため、透明被膜内
での光の通過距離が異なり、異なつた干渉色を見
ることができる。従つて、このアルミニウム部材
を眺めると、各結晶粒で種々の異なつた干渉色が
表れる。
ため、エツチングを行うと表面粗さが均一でなく
なり、微細な凹凸が生じる。従つて、これに干渉
被膜を形成すると、各結晶粒ごとに異なつた干渉
色を呈する。すなわち、第9図aのA結晶粒内で
は、表面の粗さが緩やかであり、第9図bのB結
晶粒内では、表面の粗さが起伏に富んでおり、表
面の粗さが異なつている。従つて、この上に透明
被膜を形成して、A結晶粒とB結晶粒とを、同一
方向より眺めると、結晶粒面上で反射して目の方
に進む光の方向が異なり、そのため、透明被膜内
での光の通過距離が異なり、異なつた干渉色を見
ることができる。従つて、このアルミニウム部材
を眺めると、各結晶粒で種々の異なつた干渉色が
表れる。
また、目の位置を変えてこのアルミニウム部材
を眺めると光の通過距離は大きく変動し、干渉色
が色々の全く異なつた色彩に変化するため、幻想
的な色彩模様を現出し、極めて装飾性の高い干渉
色を得ることができる。
を眺めると光の通過距離は大きく変動し、干渉色
が色々の全く異なつた色彩に変化するため、幻想
的な色彩模様を現出し、極めて装飾性の高い干渉
色を得ることができる。
このように、結晶粒毎の結晶方位の違いにより
エツチングの粗れ方に差がでてくることを利用し
ているので、視点を動かさなくても結晶粒毎に色
が違つて見え、また、視点を動かした場合には、
干渉膜は全く色を変えるため、各結晶粒全部の色
が変化して華やかになる。
エツチングの粗れ方に差がでてくることを利用し
ているので、視点を動かさなくても結晶粒毎に色
が違つて見え、また、視点を動かした場合には、
干渉膜は全く色を変えるため、各結晶粒全部の色
が変化して華やかになる。
具体的実施例として、例えば熱処理及びエツチ
ング処理を施し、水洗してエツチング液を取り去
つた後、0.5μmの厚さのニツケルメツキで鏡面処
理を施し、酸化ジルコニウムを、スパツタリング
等により0.1μmの厚さに被膜する。これにより、
光がニツケルメツキの面で全反射して反射率が向
上し、より濃い干渉色を得ることができる。
ング処理を施し、水洗してエツチング液を取り去
つた後、0.5μmの厚さのニツケルメツキで鏡面処
理を施し、酸化ジルコニウムを、スパツタリング
等により0.1μmの厚さに被膜する。これにより、
光がニツケルメツキの面で全反射して反射率が向
上し、より濃い干渉色を得ることができる。
次に、第2実施例について説明する。
本実施例は、材料の加工度によつて結晶粒の大
きさを変化させることが可能である点を利用し
て、熱処理の前に部分的に曲げ、絞り、プレス、
圧延等の塑性加工を加え、結晶粒模様を部分的に
変化させるものである。
きさを変化させることが可能である点を利用し
て、熱処理の前に部分的に曲げ、絞り、プレス、
圧延等の塑性加工を加え、結晶粒模様を部分的に
変化させるものである。
アルミニウム部材は第1実施例と同様、工業用
純アルミニウム圧延板のA1080、A1050または
A1100を用いている。
純アルミニウム圧延板のA1080、A1050または
A1100を用いている。
まず、第4図示のように、圧延板の圧延方向に
曲げ加工を行い、次に第1実施例と同様の条件の
熱処理及びエツチング処理を行つた。この場合、
アルミニウム結晶粒部材1は、曲げ加工部の外側
1aで結晶粒が変化し、微細結晶粒が形成され
る。なお、曲げ加工部の内側(図示省略)では、
結晶粒の変化は小さい。なお、圧延方向と直角な
方向で曲げ加工を行つた場合は、曲げ角度を90°
以上としても、微細結晶粒は発生しにくい。
曲げ加工を行い、次に第1実施例と同様の条件の
熱処理及びエツチング処理を行つた。この場合、
アルミニウム結晶粒部材1は、曲げ加工部の外側
1aで結晶粒が変化し、微細結晶粒が形成され
る。なお、曲げ加工部の内側(図示省略)では、
結晶粒の変化は小さい。なお、圧延方向と直角な
方向で曲げ加工を行つた場合は、曲げ角度を90°
以上としても、微細結晶粒は発生しにくい。
次に工業用純アルミニウム圧延板に、釣鐘状の
絞り加工を行つて熱処理及びエツチング処理を行
つた。この場合、第5図示のように、アルミ結晶
粒部材からなるクロツク釣鐘型飾り振り子2は、
絞り加工による塑性変形量の大きい部分、すなわ
ち絞り先端の部分2a及び絞り後端の部分2bで
微細結晶粒が多く形成される。
絞り加工を行つて熱処理及びエツチング処理を行
つた。この場合、第5図示のように、アルミ結晶
粒部材からなるクロツク釣鐘型飾り振り子2は、
絞り加工による塑性変形量の大きい部分、すなわ
ち絞り先端の部分2a及び絞り後端の部分2bで
微細結晶粒が多く形成される。
次に、第6図示のように、工業用純アルミニウ
ム圧延板にA及びBの文字形3a,3bをプレス
加工により形成してその部分に塑性歪みを与え、
その後、熱処理及びエツチングを行つた。この結
晶粒部材3は、A及びBの文字形3a,3bの部
分に微細結晶粒が発生し、地板との結晶粒大きさ
の違いによりA及びBの文字を読取ることが可能
となる。例えば、プレスする部分を時計文字板の
数字部分として時計文字板を製作すれば、数字部
分が微細結晶粒となつて表示され、高い装飾性を
有する結晶粒部材からなる文字板が得られる。
ム圧延板にA及びBの文字形3a,3bをプレス
加工により形成してその部分に塑性歪みを与え、
その後、熱処理及びエツチングを行つた。この結
晶粒部材3は、A及びBの文字形3a,3bの部
分に微細結晶粒が発生し、地板との結晶粒大きさ
の違いによりA及びBの文字を読取ることが可能
となる。例えば、プレスする部分を時計文字板の
数字部分として時計文字板を製作すれば、数字部
分が微細結晶粒となつて表示され、高い装飾性を
有する結晶粒部材からなる文字板が得られる。
次に、部分的に塑性歪みを与える工程を、圧延
率を連続的に変化させるロール圧延として、同様
な加工を行つた。このアルミ結晶粒部材4は、第
7図示のように、圧延率が高くなるにつれて粒形
が小さくなり、微細結晶粒の割合も増えていき、
最終的には、微細結晶粒のみとなる。従つて連続
的に変化する結晶粒模様が得られる。
率を連続的に変化させるロール圧延として、同様
な加工を行つた。このアルミ結晶粒部材4は、第
7図示のように、圧延率が高くなるにつれて粒形
が小さくなり、微細結晶粒の割合も増えていき、
最終的には、微細結晶粒のみとなる。従つて連続
的に変化する結晶粒模様が得られる。
次に第8図aのように、工業用純アルミニウム
圧延板に、圧延板の圧延方向に沿つて3個所に曲
げ加工を行つて熱処理を行い、その後第8図bの
ように、曲げ戻し加工を行い、エツチング処理を
行つた。この結晶粒板5は、曲げ加工部の外側で
は結晶粒の変化が大きく、曲げ加工部の内側では
加工度が少ないために結晶粒の変化が少なく、従
つて第8図c,dのように、一つの平面上に微細
結晶粒による帯状のしま模様を任意に形成するこ
とが可能である。なお、曲げを元に戻す工程は、
材料が熱処理により焼鈍されているために容易に
行うことが可能である。
圧延板に、圧延板の圧延方向に沿つて3個所に曲
げ加工を行つて熱処理を行い、その後第8図bの
ように、曲げ戻し加工を行い、エツチング処理を
行つた。この結晶粒板5は、曲げ加工部の外側で
は結晶粒の変化が大きく、曲げ加工部の内側では
加工度が少ないために結晶粒の変化が少なく、従
つて第8図c,dのように、一つの平面上に微細
結晶粒による帯状のしま模様を任意に形成するこ
とが可能である。なお、曲げを元に戻す工程は、
材料が熱処理により焼鈍されているために容易に
行うことが可能である。
上記第4〜8図に示すように、部分的に塑性歪
みを与えた後に結晶粒模様を現出させたアルミニ
ウム部材にも、透明な干渉被膜を形成することに
よつて、第9図と同様に各結晶粒ごとに透明被膜
内での光の通過距離が異なり、それぞれ異なつた
干渉色が現れる。
みを与えた後に結晶粒模様を現出させたアルミニ
ウム部材にも、透明な干渉被膜を形成することに
よつて、第9図と同様に各結晶粒ごとに透明被膜
内での光の通過距離が異なり、それぞれ異なつた
干渉色が現れる。
[効果]
本発明は、アルミニウム部材に熱処理を行つて
結晶粒を粗大化させ、エツチング処理により結晶
粒模様を浮かび上がらせた後、干渉被膜を形成す
るため、各結晶粒ごとに異なつた干渉色が得られ
る。すなわち、視点を動かさなくても結晶粒毎に
色が違つて見え、また、視点を動かした場合に
は、干渉膜は大きく色を変えるため、各結晶粒全
部の色が変化して華やかになる。さらに、この干
渉色は、幻想的色彩模様を現出し、豪華な雰囲気
を出すため、装飾部材としての価値が一層高ま
る。また、アルミニウム結晶粒部材の表面に透明
被膜を形成するため、アルミニウム結晶粒部材の
耐摩耗性、耐蝕性が向上する。
結晶粒を粗大化させ、エツチング処理により結晶
粒模様を浮かび上がらせた後、干渉被膜を形成す
るため、各結晶粒ごとに異なつた干渉色が得られ
る。すなわち、視点を動かさなくても結晶粒毎に
色が違つて見え、また、視点を動かした場合に
は、干渉膜は大きく色を変えるため、各結晶粒全
部の色が変化して華やかになる。さらに、この干
渉色は、幻想的色彩模様を現出し、豪華な雰囲気
を出すため、装飾部材としての価値が一層高ま
る。また、アルミニウム結晶粒部材の表面に透明
被膜を形成するため、アルミニウム結晶粒部材の
耐摩耗性、耐蝕性が向上する。
また、熱処理の前に、部分的に塑性歪みを与え
ることにより、部分的に結晶粒模様の異なつた、
変化に富んだ結晶粒模様を得ることが可能であ
る。
ることにより、部分的に結晶粒模様の異なつた、
変化に富んだ結晶粒模様を得ることが可能であ
る。
第1図〜第3図は本発明のエツチング工程後の
アルミニウム部材の結晶粒子構造を表す写真、第
4図〜第8図は熱処理の前にアルミニウム板に部
分的に塑性歪みを与えた場合を示す説明図、第4
図は圧延方向に曲げ加工を行つた場合を示す斜視
図、第5図は釣鐘型に絞り加工を行つた場合を示
す斜視図、第6図aは文字の形をプレスした場合
を示す正面図、第6図bは第6図aの底面図、第
7図aは圧延率を変えた場合を示す正面図、第7
図bは第7図aの底面図、第8図aは圧延方向の
曲げ加工を示す斜視図、第8図bは熱処理の後で
曲げ加工部を元に戻した状態を示す斜視図、第8
図cは第8図aの表面側の結晶粒の状態を示す斜
視図、第8図dは同じく裏面側の結晶粒の状態を
示す斜視図、第9図a,bは異なつた結晶粒での
干渉膜の干渉作用の説明図である。 1,2,3,4,5……アルミ結晶粒部材。
アルミニウム部材の結晶粒子構造を表す写真、第
4図〜第8図は熱処理の前にアルミニウム板に部
分的に塑性歪みを与えた場合を示す説明図、第4
図は圧延方向に曲げ加工を行つた場合を示す斜視
図、第5図は釣鐘型に絞り加工を行つた場合を示
す斜視図、第6図aは文字の形をプレスした場合
を示す正面図、第6図bは第6図aの底面図、第
7図aは圧延率を変えた場合を示す正面図、第7
図bは第7図aの底面図、第8図aは圧延方向の
曲げ加工を示す斜視図、第8図bは熱処理の後で
曲げ加工部を元に戻した状態を示す斜視図、第8
図cは第8図aの表面側の結晶粒の状態を示す斜
視図、第8図dは同じく裏面側の結晶粒の状態を
示す斜視図、第9図a,bは異なつた結晶粒での
干渉膜の干渉作用の説明図である。 1,2,3,4,5……アルミ結晶粒部材。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルミニウム部材に熱処理を施して結晶粒を
粗大化させる工程と、 結晶粒が粗大化した上記アルミニウム部材にエ
ツチング処理を施す工程と、 上記エツチング処理を施した上記アルミニウム
部材に、周期律表のb、a、b、a、
a族の中の少なくとも一つの元素の窒化物または
酸化物または炭化物を有する透明被膜を形成する
工程と を含むことを特徴とするアルミ結晶粒部材の製造
方法。 2 請求項1において、上記熱処理の前に、上記
アルミニウム部材に部分的に塑性歪みを与える工
程をさらに含むことを特徴とするアルミ結晶粒部
材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5373990A JPH03257177A (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | アルミ結晶粒部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5373990A JPH03257177A (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | アルミ結晶粒部材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03257177A JPH03257177A (ja) | 1991-11-15 |
JPH0525952B2 true JPH0525952B2 (ja) | 1993-04-14 |
Family
ID=12951195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5373990A Granted JPH03257177A (ja) | 1990-03-07 | 1990-03-07 | アルミ結晶粒部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03257177A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0787683A (ja) * | 1993-09-16 | 1995-03-31 | Nec Corp | バッテリ過放電防止回路 |
JPH0723953U (ja) * | 1993-09-22 | 1995-05-02 | オフィス・エム・エス・アール株式会社 | 自動運転動力装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3828387B2 (ja) * | 2001-07-09 | 2006-10-04 | 日本軽金属株式会社 | アルミニウム材の表面処理方法及び表面処理アルミニウム材 |
JP4858668B2 (ja) * | 2003-08-27 | 2012-01-18 | 電化皮膜工業株式会社 | アルミニウム及びアルミニウム合金の製造方法 |
JP4521659B2 (ja) * | 2003-11-19 | 2010-08-11 | 電化皮膜工業株式会社 | マグネシウムまたはマグネシウム合金材料の製造方法 |
JP5182805B2 (ja) * | 2008-05-26 | 2013-04-17 | 住友軽金属工業株式会社 | 粗大結晶粒を有するアルミニウム板およびその製造方法 |
JP5971890B2 (ja) * | 2010-12-16 | 2016-08-17 | セイコーインスツル株式会社 | 時計部品の製造方法および時計部品 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5441949A (en) * | 1977-09-08 | 1979-04-03 | Hanroku Honten Kk | Rubber stamp material |
-
1990
- 1990-03-07 JP JP5373990A patent/JPH03257177A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5441949A (en) * | 1977-09-08 | 1979-04-03 | Hanroku Honten Kk | Rubber stamp material |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0787683A (ja) * | 1993-09-16 | 1995-03-31 | Nec Corp | バッテリ過放電防止回路 |
JPH0723953U (ja) * | 1993-09-22 | 1995-05-02 | オフィス・エム・エス・アール株式会社 | 自動運転動力装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03257177A (ja) | 1991-11-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3338730A (en) | Method of treating reflective surfaces to make them multihued and resulting product | |
US2941930A (en) | Decorative aluminum surface | |
JP2018528911A (ja) | 基体表面を装飾する方法およびそれによる物品 | |
US2941282A (en) | Decorative aluminum product | |
JPH0525952B2 (ja) | ||
CH654791A5 (de) | Dekorierter artikel und verfahren zur herstellung eines solchen. | |
DE602004012585T2 (de) | Uhrzifferblatt und Herstellungsverfahren dieses Zifferblattes | |
US1494630A (en) | Method of ornamenting glassware | |
EP0399072B1 (de) | Schmuckstück | |
Buckton | Enamelling on gold: A historical perspective | |
JP2007254851A (ja) | 金属酸化物被膜及び金属酸化物被膜被覆部材 | |
JPS604899B2 (ja) | 曲面反射巨大結晶粒模様付金属板の製造方法 | |
JP2003089885A (ja) | アルミニウム材の表面処理方法及び表面処理アルミニウム材 | |
DD209176A1 (de) | Verfahren zur herstellung goldfarben hinterlegter dekore auf glas | |
JPH05156425A (ja) | 装飾部材およびその製造方法 | |
JPH0339102A (ja) | 板状金属装飾品または同様なバツジ、メダルまたは文字盤 | |
JPH0781022A (ja) | 意匠性に優れた表面処理材 | |
JPH0645915B2 (ja) | 部材表面の装飾方法 | |
US20220297235A1 (en) | Method for manufacturing a ceramic-based external horological or jewellery part with patterned decoration | |
JPS6027680Y2 (ja) | 薄板平板状装飾品 | |
US20050184409A1 (en) | Decorative mirror and a process of manufacturing it | |
JPH03257196A (ja) | アルミ装飾板の製造方法 | |
CN2325389Y (zh) | 一种金属彩料饰面玻璃板 | |
JPH06968Y2 (ja) | 貴金属製装身具 | |
JPS62130245A (ja) | 装飾品用銀材料 |