JPH05258275A - 垂直磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体とその製造方法

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JPH05258275A
JPH05258275A JP5467092A JP5467092A JPH05258275A JP H05258275 A JPH05258275 A JP H05258275A JP 5467092 A JP5467092 A JP 5467092A JP 5467092 A JP5467092 A JP 5467092A JP H05258275 A JPH05258275 A JP H05258275A
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JP5467092A
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Hiroaki Wakamatsu
弘晃 若松
Masaki Shinohara
正喜 篠原
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は垂直磁気記録方式の磁気ディスク装
置等に用いる二層膜構造(軟磁性膜上に垂直記録膜を積
層)の垂直磁気記録媒体とその製造方法に関し、非磁性
基板上に透磁率の高い軟磁性膜と結晶性が良く磁気特性
の良好な垂直記録膜を設けて記録再生特性を向上させた
垂直磁気記録媒体を得ることを目的とする。 【構成】 非磁性基板21上に高透磁率な軟磁性膜23を介
して Co-Crからなる垂直記録膜24を積層した二層膜構造
を有し、垂直磁気ヘッドと組み合わせて用いられる垂直
磁気記録媒体において、前記非磁性基板21と高透磁率な
軟磁性膜23との間に、該非磁性基板21の半径方向、また
は円周方向に磁場を印加して一軸方向の残留磁化を付与
した軟磁性下地膜22を介在させた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は垂直磁気記録方式の磁気
ディスク装置に用いて好適な垂直磁気記録媒体に係り、
特に記録再生効率が高く、優れた記録再生特性を有する
二層膜構造の垂直磁気記録媒体とその製造方法に関する
ものである。
【0002】磁気ディスク装置における情報記録として
は、記録媒体のトラックに対して水平方向に磁化する水
平磁気記録方式が広く用いられているが、この方式では
記録層に対して水平方向に磁化された微小な磁石が隣接
する磁石と反発し合って、互いに磁化を弱め合う傾向に
ある。このような現象は情報を高密度に記録するほど顕
著になり、情報の高密度記録に対して限界が生じてく
る。
【0003】そこでそのような限界を突破するものとし
て垂直磁気記録方式が提案され、これを実現する記録媒
体として、例えば高透磁率な軟磁性層上に膜面に対して
垂直方向に磁化して情報記録を行う垂直記録層を積層し
た二層膜構造の垂直磁気記録媒体が実用化されている。
【0004】このような垂直磁気記録媒体での高透磁率
な軟磁性層は、垂直記録層を垂直に磁化した垂直磁気ヘ
ッドからの記録磁界を水平方向に通して該垂直磁気ヘッ
ド側へ還流させる前記垂直磁気ヘッドの機能の一部を担
っており、記録磁界の強度を高めて記録・再生効率を向
上させる役目を果たしていることから、より高透磁率な
ものが必要とされる。
【0005】
【従来の技術】従来の二層膜構造の垂直磁気記録媒体
は、図6の要部断面図に示すようにNiP表面処理を施し
たアルミニウム等からなる非磁性基板11上にスパッタ
法、或いはめっき法等により、例えば1μmの膜厚の N
i-Fe合金膜からなる高透磁率な軟磁性膜12と、0.13μm
の膜厚の Co-Cr等からなる垂直記録膜13を積層形成し、
必要に応じてその垂直記録膜13上に潤滑保護膜を設けた
構成からなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記非磁性
基板11上に Ni-Fe合金膜からなる軟磁性膜12と Co-Cr等
からなる垂直記録膜13とをスパッタ法により形成する場
合、同一スパッタ装置を用いて連続スパッタリングが可
能となる利点はあるが、従来のスパッタ法により形成さ
れた Ni-Fe合金膜からなる軟磁性膜12の透磁率は、薄膜
磁気ヘッドの磁極に用いられる Ni-Fe合金膜の透磁率の
数十分の一と、高々 100程度であり、そのような Ni-Fe
合金膜からなる軟磁性膜をめっき法によりめっき液中で
陰極板と対向させた非磁性基板を回転させて該非磁性基
板面に成膜することにより、その被着された軟磁性膜の
透磁率は数百程度に改善される。
【0007】しかし、そのめっき法によって形成された
Ni-Fe合金膜からなる軟磁性膜の磁気異方性は等方的で
あるため、その透磁率を高めるための改善がなお不十分
であった。
【0008】そこで、前記非磁性基板11の表面に予め磁
化容易軸と同方向に、即ち、該非磁性基板11の中心から
半径方向へ放射状に微細なすじ溝を形成し、その基板表
面にめっき法により Ni-Fe合金膜からなる軟磁性膜を形
成することにより、該軟磁性膜の面内に一軸磁気異方性
が付与されて透磁率が2000程度に改善される。
【0009】しかしながら、基板表面に放射状に微細な
すじ溝を形成する方法では、その微細なすじ溝が再生時
にノイズの発生源になったり、磁気ヘッドの低浮上化に
おいてヘッドタッチの頻度を増加させてヘッドクラッシ
ュの発生確率を高めるといった問題があった。
【0010】また、前記めっき法により形成した Ni-Fe
めっき膜からなる軟磁性膜は優れた磁気特性を示すが、
その結晶性はスパッタ法により形成した Ni-Feスパッタ
膜からなる軟磁性膜よりも劣り、X線回折法による回折
強度で比較すると、 Ni-Feめっき膜からなる軟磁性膜の
回折強度は Ni-Feスパッタ膜からなる軟磁性膜の約1/10
00程度と低い。
【0011】従って、そのような結晶性の劣る Ni-Feめ
っき膜からなる軟磁性膜上にスパッタ法によりCo-Cr 等
からなる垂直記録膜を形成すると、該垂直記録膜の成膜
初期層の結晶性も低下して、良好な磁気特性が得られ難
いという問題があった。
【0012】本発明は上記した従来の問題点に鑑み、非
磁性基板上に透磁率の高い軟磁性膜を設けると共に、そ
の高透磁率な軟磁性膜上に結晶性が良く磁気特性の良好
な垂直記録膜を設けた新規な垂直磁気記録媒体とその製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、非磁性基板上に高透磁率な軟磁性膜を介
して Co-Crからなる垂直記録膜を積層した二層膜構造を
有し、垂直磁気ヘッドと組み合わせて使用される垂直磁
気記録媒体において、前記非磁性基板と高透磁率な軟磁
性膜との間に一軸方向の残留磁化を付与した軟磁性下地
膜を介在してなる構成とする。
【0014】また、前記軟磁性下地膜の残留磁化の付与
方向が非磁性基板の半径方向、若しくは円周方向に設け
た構成とする。更に、非磁性基板上に軟磁性下地膜を、
該非磁性基板の半径方向、若しくは円周方向に磁場を印
加した状態で形成した後、該軟磁性下地膜上に高透磁率
な軟磁性膜と Co-Crからなる垂直記録膜を順に形成する
ように構成する。
【0015】更に、非磁性基板上に軟磁性下地膜を形成
した後、該軟磁性下地膜に該非磁性基板の半径方向、若
しくは円周方向に磁場を印加して残留磁化を付与し、そ
の軟磁性下地膜上に高透磁率な軟磁性膜と Co-Crからな
る垂直記録膜を順に形成するように構成する。
【0016】更に、前記軟磁性下地膜上にめっき法によ
り第1軟磁性膜とスパッタ法により第2軟磁性膜を順次
形成した後、該第2軟磁性膜上に垂直記録膜を形成する
ように構成する。
【0017】
【作用】本発明では、非磁性基板上に軟磁性下地膜を、
該非磁性基板の半径方向、若しくは円周方向に磁場を印
加した状態で形成する、若しくは該非磁性基板上に同様
な磁場を印加した軟磁性下地膜を形成した後、その膜面
内に半径方向、若しくは円周方向に残留磁化を付与した
軟磁性下地膜上に、例えば Ni-Feめっき膜からなる軟磁
性膜と Co-Crスパッタ膜からなる垂直記録膜を順に形成
した媒体構成とすることにより、前記軟磁性膜の磁気異
方性が軟磁性下地膜の残留磁化の方向と同方向に誘導付
与されて透磁率が著しく高められ、記録・再生特性が向
上する。
【0018】また、非磁性基板上にその非磁性基板の半
径方向、若しくは円周方向に残留磁化を付与した軟磁性
下地膜を介して Ni-Feめっき膜からなる第1軟磁性膜と
Ni-Feスパッタ膜からなる第2軟磁性膜を順に積層形成
し、その第2軟磁性膜上にCo-Cr からなる垂直記録膜を
形成した媒体構成とすることによっても、前記第1,第
2軟磁性膜の磁気異方性が軟磁性下地膜の残留磁化の方
向と同方向に誘導付与されて透磁率が著しく高められ
る。
【0019】また、 Ni-Feめっき膜からなる第1軟磁性
膜上に結晶性に優れた Ni-Feスパッタ膜からなる第2軟
磁性膜を積層形成することにより、その第2軟磁性膜上
に設けた Co-Crからなる垂直記録膜の結晶性が成膜初期
層から向上し、良好な磁気特性を有し、記録再生特性を
向上させることができる。
【0020】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について詳
細に説明する。図1は本発明に係る垂直磁気記録媒体と
その製造方法の第1実施例を説明するための要部断面図
である。
【0021】本実施例では、例えば中心に支持孔を設け
たガラス円板上に0.02μmの膜厚のTi膜からなる密着膜
を被着してなる非磁性基板21を、図示しないスパッタ装
置内に図2の模式図で示すようなヨーク33によって磁気
的に結合された円環状マグネット31及び中心の円柱状マ
グネット32と組合わせた Ni-Feターゲット34と対向配置
し、該非磁性基板21の半径方向に 300 Gauss程度の磁場
を印加した状態で、その Ni-Feターゲットと非磁性基板
21間に供給する電力パワー密度を 5.5W/cm 2 、スパ
ッタガス圧を5Torr,基板温度を 230℃のスパッタ条件
によるスパッタ法により前記非磁性基板21上に0.15μm
の膜厚の Ni-Feからなる軟磁性下地膜22を形成する。
【0022】次に、前記非磁性基板21の半径方向に残留
磁化を付与した前記軟磁性下地膜22上に、硫酸ニッケル
(NiSO4・6H2O) と硫酸第1鉄(FeSO4・7H2O) を主成分と
するめっき液中で電流密度が6A/dm2 の条件による
めっき法により1μmの膜厚の Ni-Feめっき膜からなる
軟磁性膜23を形成した後、その軟磁性膜23上に、 Co-Cr
ターゲットと非磁性基板21間に供給する電力パワー密度
を 5.5W/cm2 ,スパッタガス圧を5Torr,基板温度
を 180℃とするスパッタ条件によるスパッタ法により0.
13μmの膜厚の Co-Cr等からなる垂直記録膜24を形成
し、必要に応じてその垂直記録膜24上に潤滑保護膜を設
ける。
【0023】または、本発明に係る垂直磁気記録媒体と
その製造方法の第2実施例として、前記非磁性基板21上
に上記したスパッタ法により0.15μmの膜厚の Ni-Feか
らなる軟磁性下地膜22を形成し、その軟磁性下地膜22が
形成された非磁性基板21を前記図2で示すようなヨーク
33によって磁気的に結合された円環状マグネット31及び
中心の円柱状マグネット32と組合わせる Ni-Feターゲッ
トに相当する位置に対向配置して該非磁性基板21の半径
方向に約1kGauss程度の磁場を印加する。
【0024】次に、前記非磁性基板21の半径方向に残留
磁化を付与した前記軟磁性下地膜22上に上記しためっき
法により1μmの膜厚の Ni-Feめっき膜からなる軟磁性
膜23を形成した後、その軟磁性膜23上に更にスパッタ法
により0.13μmの膜厚の Co-Cr等からなる垂直記録膜24
を形成し、必要に応じてその垂直記録膜24上に潤滑保護
膜を設けるようにする。
【0025】このような第1実施例及び第2実施例の媒
体構造とすることにより、前記軟磁性膜23の磁気異方性
が軟磁性下地膜22の残留磁化の方向と同方向に誘導付与
されて透磁率が2000程度、或いはそれ以上に高められ、
記録. 再生特性が向上する。
【0026】なお、図3の(a) に従来の非磁性基板11上
に直接設けた軟磁性膜12と、(b) に第1実施例の非磁性
基板21上に該非磁性基板21の半径方向に磁場を印加した
状態で成膜した軟磁性下地膜22を介して設けた軟磁性膜
23及び(c) に第2実施例の非磁性基板21上に成膜した後
の軟磁性下地膜22に該非磁性基板21の半径方向に磁場を
印加し、その軟磁性下地膜22上に設けた軟磁性膜23の各
B−H特性(上側が半径方向のB−H曲線、下側が円周
方向のB−H曲線)を測定した結果を示している。(印
加磁場周波数:1kHz) これらの図において、従来の軟磁性膜12には図3(a) の
B−H曲線で示されるように磁気異方性が等方的で付与
されていないのに対して、第1実施例及び第2実施例の
軟磁性膜23には図3(b),(c) のB−H曲線で示されるよ
うに前記非磁性基板21の半径方向に磁気異方性が付与さ
れていることが明らかである。
【0027】更に、図4は本発明に係る垂直磁気記録媒
体とその製造方法の第3実施例を説明するための要部断
面図であり、図1と同等部分には同一符号を付してい
る。この図で示す実施例が図1の第1実施例と異なる点
は、図示しない中心に支持孔を設けたガラス円板上に0.
02μmの膜厚のTi膜からなる密着膜を被着してなる非磁
性基板21上に、前記第1実施例と同様な図2で示すよう
なマグネットを用いて該非磁性基板21の半径方向に300
Gauss 程度の磁場を印加した状態でスパッタ法により0.
15μmの膜厚の Ni-Feからなる軟磁性下地膜22を形成
し、該軟磁性下地膜22上にめっき法により0.85μmの膜
厚の Ni-Feめっき膜からなる第1軟磁性膜41と、その第
1軟磁性膜41上に更に前記軟磁性下地膜22の成膜条件と
同条件のスパッタ法により0.15μmの膜厚の第2軟磁性
膜42を形成する。
【0028】その後、前記第2軟磁性膜42上にスパッタ
法により0.13μmの膜厚の Co-Cr等からなる垂直記録膜
24を形成した媒体構造としたことである。なお、必要に
応じてその垂直記録膜24上に潤滑保護膜を設ける。
【0029】このような第3実施例の媒体構造によって
も前記図1による第1実施例、或いは第2実施例と同様
に前記第1軟磁性膜41及び第2軟磁性膜42の磁気異方性
が軟磁性下地膜22の残留磁化の方向と同方向に誘導付与
されて透磁率が2000程度、或いはそれ以上に高められ、
高出力が得られる。
【0030】また、前記 Ni-Feめっき膜からなる第1軟
磁性膜41上に結晶性に優れた Ni-Feスパッタ膜からなる
第2軟磁性膜42を積層形成しているので、該第2軟磁性
膜上に設けた Co-Crからなる垂直記録膜の結晶性も成膜
初期層から向上し、書込み易い磁気記録特性が得られ
る。
【0031】なお、表1は本実施例の記録媒体と、
非磁性基板11上に直接1μmの膜厚の Ni-Feスパッタ膜
からなる軟磁性膜と0.13μmの膜厚の Co-Crからなる垂
直記録膜を積層形成した記録媒体 (比較例1)と、非
磁性基板11上に直接0.85μmの膜厚の Ni-Feめっき膜か
らなる軟磁性膜と0.13μmの膜厚の Co-Cr等からなる垂
直記録膜を積層形成した記録媒体 (比較例2)の電磁変
換特性の測定結果を示す。
【0032】
【表1】
【0033】前記各記録媒体の電磁変換特性の測定に
は、単磁極型の薄膜垂直磁気ヘッドを用い、周速13m/se
c で回転する各記録媒体上にその磁気ヘッドを0.1 μm
の浮上量で浮上させて測定した。
【0034】この表1において、比較例1では Ni-Feス
パッタ膜からなる軟磁性膜の透磁率が低いために出力値
(規格化出力) は小さいが、成膜初期層からの結晶性が
良いことから書込み効率は良好である。 (IN-30dB が小
さい) また、比較例2では Ni-Feめっき膜からなる軟磁性膜の
透磁率が比較例1に比べて高く高出力が得られるもの
の、 Ni-Feめっき膜からなる軟磁性膜の結晶性が劣るの
で、その膜上に設けた Co-Crからなる垂直記録膜の結晶
性が成膜初期層より悪いことによる磁気特性の不均一化
により、書込み効率が低下する。 (IN -30 dBが大きい) そのような比較例1及び2に対して本実施例では Ni-Fe
めっき膜からなる第1軟磁性膜41上に結晶性に優れた N
i-Feスパッタ膜からなる第2軟磁性膜42を介して Co-Cr
からなる垂直記録膜を形成しているので、該垂直記録膜
の結晶性も成膜初期層から向上し、高出力と優れた書込
み効率(IN-30dB が大きい) が得られている。
【0035】なお、前記 Ni-Feからなる軟磁性下地膜22
への残留磁化の付与方法としては、磁場中で軟磁性下地
膜を成膜する方法の他に、成膜後の軟磁性下地膜に磁場
を印加する方法を用いることもできる。
【0036】また、前記 Ni-Feからなる軟磁性下地膜22
の残留磁化の付与方向も、非磁性基板の半径方向に限定
されるものではなく、必要に応じて図5に示すように該
非磁性基板21の半径に略等しい長さで、かつヨーク53に
より磁気的に結合された2つのマグネット51, 52 に前
記非磁性基板21を対向させて回転した状態でスパッタ法
により前記軟磁性下地膜22を成膜する、或いは前記軟磁
性下地膜22が成膜された非磁性基板21を前記2つのマグ
ネット51, 52 に対向させて回転することにより、その
軟磁性下地膜22全面の円周方向に残留磁化を付与するこ
とができる。
【0037】前記2つのマグネット51, 52には永久磁石
を用いているが、電磁石を用いることもできる。軟磁性
下地膜としても、 Ni-Feからなる軟磁性膜に限定される
ものではなく、例えば Co-Zr系合金やFeN等のように軟
磁性膜で該膜面内に一軸磁気異方性が付与され、かつ導
電性が高いものであればよい。
【0038】更に、以上の実施例における軟磁性下地膜
と Ni-Feスパッタ膜からなる軟磁性膜及び Ni-Feめっき
膜からなる軟磁性膜の膜厚は上記した実施例の膜厚に限
定されるものではなく、例えば、軟磁性下地膜の膜厚は
その膜上にめっき膜を成膜する際に電流の供給が可能と
なる厚さであればよく、Ni-Fe スパッタ膜からなる軟磁
性膜の膜厚はスパッタ成膜による粒成長により磁気特性
が劣化しない厚さに設定し、 Ni-Feめっき膜からなる軟
磁性膜の膜厚は記録媒体の所望記録再生特性に合わせて
設定するようにすればよい。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る垂直磁気記録媒体とその製造方法によれば、非磁
性基板上に該非磁性基板の半径方向、若しくは円周方向
に残留磁化を付与した軟磁性下地膜を介して Ni-Feめっ
き膜からなる軟磁性膜と垂直記録膜とを順に形成した媒
体構成とすることにより、該軟磁性膜の透磁率が著しく
高められて高出力が得られる。
【0040】また、前記Ni-Fe めっき膜からなる第1軟
磁性膜と垂直記録膜間にスパッタ膜からなる第2軟磁性
膜を介在させた媒体構成とすることにより、書き込み効
率が向上し、優れた記録・再生特性及び記録・再生効率
を有する垂直磁気記録媒体を得ることが可能となり、実
用上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の垂直磁気記録媒体とその製造方法の
第1実施例を説明するための要部断面図である。
【図2】 本発明の製造方法における軟磁性下地膜への
残留磁化の付与方法を説明するための概略斜視図であ
る。
【図3】 本発明の第1実施例及び第2実施例と従来の
垂直磁気記録媒体における軟磁性膜のB−H特性を示す
図である。
【図4】 本発明の垂直磁気記録媒体とその製造方法の
第3実施例を説明するための要部断面図である。
【図5】 本発明の製造方法における軟磁性下地膜への
残留磁化の他の付与方法を説明するための概略斜視図で
ある。
【図6】 従来の垂直磁気記録媒体とその製造方法を説
明するための要部断面図である。
【符号の説明】
21 非磁性基板 22 軟磁性下地膜 23 軟磁性膜 24 垂直記録膜 31 円環状マグネット 32 円柱状マグネット 33,53 ヨーク 41 第1軟磁性膜 42 第2軟磁性膜 51,52 マグネット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板(21)上に高透磁率な軟磁性膜
    (23)を介して Co-Crからなる垂直記録膜(24)を積層した
    二層膜構造を有し、垂直磁気ヘッドと組み合わせて使用
    される垂直磁気記録媒体において、 前記非磁性基板(21)と高透磁率な軟磁性膜(23)との間に
    一軸方向の残留磁化を付与した軟磁性下地膜(22)を介在
    してなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性下地膜(22)の残留磁化の付与
    方向が非磁性基板(21)の半径方向、若しくは円周方向で
    あることを特徴とする請求項1の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基板(21)上に軟磁性下地膜(22)
    を、該非磁性基板(21)の半径方向、若しくは円周方向に
    磁場を印加した状態で形成した後、該軟磁性下地膜(22)
    上に高透磁率な軟磁性膜(23)と Co-Crからなる垂直記録
    膜(24)を順に形成することを特徴とする垂直磁気記録媒
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性基板(21)上に軟磁性下地膜(22)を
    形成した後、該軟磁性下地膜(22)に該非磁性基板(21)の
    半径方向、若しくは円周方向に磁場を印加して残留磁化
    を付与し、その軟磁性下地膜(22)上に高透磁率な軟磁性
    膜(23)と Co-Crからなる垂直記録膜(24)を順に形成する
    ことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性下地膜(22)上にめっき法によ
    り第1軟磁性膜(41)とスパッタ法により第2軟磁性膜(4
    2)を順次形成した後、該第2軟磁性膜(42)上に垂直記録
    膜(24)を形成することを特徴とする請求項3、または請
    求項4の垂直磁気記録媒体の製造方法。
JP5467092A 1992-03-13 1992-03-13 垂直磁気記録媒体とその製造方法 Withdrawn JPH05258275A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004061829A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Fujitsu Limited 垂直磁気記録媒体
JP2008097822A (ja) * 2003-09-12 2008-04-24 Univ Waseda 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004061829A1 (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Fujitsu Limited 垂直磁気記録媒体
JP2008097822A (ja) * 2003-09-12 2008-04-24 Univ Waseda 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体

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