JPH05266455A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents
垂直磁気記録媒体Info
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- JPH05266455A JPH05266455A JP6195392A JP6195392A JPH05266455A JP H05266455 A JPH05266455 A JP H05266455A JP 6195392 A JP6195392 A JP 6195392A JP 6195392 A JP6195392 A JP 6195392A JP H05266455 A JPH05266455 A JP H05266455A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は垂直磁気記録方式の磁気ディスク装
置に用いる軟磁性裏打ち層上に垂直記録膜を積層した二
層膜構造の垂直磁気記録媒体に関し、外部からの漏洩磁
界による軟磁性裏打ち層の磁壁の移動を抑制して、垂直
記録膜の情報磁化の減磁、或いは消磁の発生を防止する
ことを目的とする。 【構成】 非磁性基板21上に、軟磁性裏打ち層と垂直記
録膜23とを積層してなる二層膜構造の垂直磁気記録媒体
であって、前記軟磁性裏打ち層を、該基板側より第１軟
磁性膜22a 、硬磁性膜22b 及び第２軟磁性膜22c の三層
構成とし、かつ硬磁性膜22b の膜厚を前記垂直記録膜23
の膜厚よりも薄くした構成とする。
置に用いる軟磁性裏打ち層上に垂直記録膜を積層した二
層膜構造の垂直磁気記録媒体に関し、外部からの漏洩磁
界による軟磁性裏打ち層の磁壁の移動を抑制して、垂直
記録膜の情報磁化の減磁、或いは消磁の発生を防止する
ことを目的とする。 【構成】 非磁性基板21上に、軟磁性裏打ち層と垂直記
録膜23とを積層してなる二層膜構造の垂直磁気記録媒体
であって、前記軟磁性裏打ち層を、該基板側より第１軟
磁性膜22a 、硬磁性膜22b 及び第２軟磁性膜22c の三層
構成とし、かつ硬磁性膜22b の膜厚を前記垂直記録膜23
の膜厚よりも薄くした構成とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は垂直磁気記録方式の磁気
ディスク装置に用いる垂直磁気記録媒体に係り、特に二
層膜構造の垂直磁気記録媒体に関するものである。
ディスク装置に用いる垂直磁気記録媒体に係り、特に二
層膜構造の垂直磁気記録媒体に関するものである。
【０００２】近年、コンピュータシステムにおける情報
処理量の増大により磁気ディスク装置の大容量化及び小
型化が進められ、高密度記録化が要求されている。それ
に伴って磁気記録媒体においても従来の水平磁気記録方
式の記録媒体に比べて遙に高密度記録が可能となる垂直
磁気記録方式の記録媒体、即ち、高透磁率な軟磁性裏打
ち層上に垂直磁気異方性を有する垂直記録膜を積層した
二層膜構造の垂直磁気記録媒体が提案され、実用化が進
められている。
処理量の増大により磁気ディスク装置の大容量化及び小
型化が進められ、高密度記録化が要求されている。それ
に伴って磁気記録媒体においても従来の水平磁気記録方
式の記録媒体に比べて遙に高密度記録が可能となる垂直
磁気記録方式の記録媒体、即ち、高透磁率な軟磁性裏打
ち層上に垂直磁気異方性を有する垂直記録膜を積層した
二層膜構造の垂直磁気記録媒体が提案され、実用化が進
められている。
【０００３】このような垂直磁気記録媒体では、高透磁
率な軟磁性裏打ち層の存在により該軟磁性裏打ち層に外
部からの漏洩磁界が吸収され易く、この吸収された漏洩
磁界により磁壁移動が生じて対応する垂直記録膜の記録
磁化を減磁、或いは消磁する傾向がある。このため、そ
のような外部漏洩磁界の影響を防止した信頼性の良い媒
体構造が必要とされている。
率な軟磁性裏打ち層の存在により該軟磁性裏打ち層に外
部からの漏洩磁界が吸収され易く、この吸収された漏洩
磁界により磁壁移動が生じて対応する垂直記録膜の記録
磁化を減磁、或いは消磁する傾向がある。このため、そ
のような外部漏洩磁界の影響を防止した信頼性の良い媒
体構造が必要とされている。
【０００４】
【従来の技術】従来の二層膜構造の垂直磁気記録媒体
は、図３に示すようにNiＰめっき等の表面処理を施した
アルミニウム円板、或いはガラス円板等からなる非磁性
基板11上に、数μｍから十数μｍの膜厚の Ni-Fe膜から
なる高透磁率な軟磁性裏打ち層、即ち、軟磁性膜12と垂
直磁気異方性を有する１μｍ以下の膜厚の Co-Cr膜から
なる垂直記録膜13とが順に積層され、その垂直記録膜13
の表面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜14が被覆
された構成からなっている。
は、図３に示すようにNiＰめっき等の表面処理を施した
アルミニウム円板、或いはガラス円板等からなる非磁性
基板11上に、数μｍから十数μｍの膜厚の Ni-Fe膜から
なる高透磁率な軟磁性裏打ち層、即ち、軟磁性膜12と垂
直磁気異方性を有する１μｍ以下の膜厚の Co-Cr膜から
なる垂直記録膜13とが順に積層され、その垂直記録膜13
の表面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜14が被覆
された構成からなっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の垂直磁気記録媒体では、高透磁率な軟磁性膜12に外
部からの漏洩磁界が吸収され易く、垂直磁気ヘッドと組
み合わせたその周囲に漏洩磁界が存在すると、該漏洩磁
界が垂直磁気ヘッドと対向する媒体領域に集中して前記
軟磁性膜12の磁壁が容易に移動する。
来の垂直磁気記録媒体では、高透磁率な軟磁性膜12に外
部からの漏洩磁界が吸収され易く、垂直磁気ヘッドと組
み合わせたその周囲に漏洩磁界が存在すると、該漏洩磁
界が垂直磁気ヘッドと対向する媒体領域に集中して前記
軟磁性膜12の磁壁が容易に移動する。
【０００６】従って、この磁壁移動に伴う磁束が発生
し、その領域上の垂直記録膜13の記録磁化を減磁する問
題があった。前記軟磁性膜12の膜厚は、記録再生効率を
向上させるために垂直記録膜13よりも厚めに設けられて
いるが、特にそれによって前記垂直記録膜13に対する軟
磁性膜12の体積比が増加するに伴って上記した減磁現象
が著しくなり、該垂直記録膜13の記録磁化を消磁させる
という欠点があった。
し、その領域上の垂直記録膜13の記録磁化を減磁する問
題があった。前記軟磁性膜12の膜厚は、記録再生効率を
向上させるために垂直記録膜13よりも厚めに設けられて
いるが、特にそれによって前記垂直記録膜13に対する軟
磁性膜12の体積比が増加するに伴って上記した減磁現象
が著しくなり、該垂直記録膜13の記録磁化を消磁させる
という欠点があった。
【０００７】本発明は上記した従来の問題点に鑑み、外
部からの漏洩磁界による軟磁性膜の磁壁の移動を抑制し
て、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消磁の発生を
防止するようにした新規な垂直磁気記録媒体を提供する
ことを目的とするものである。
部からの漏洩磁界による軟磁性膜の磁壁の移動を抑制し
て、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消磁の発生を
防止するようにした新規な垂直磁気記録媒体を提供する
ことを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、非磁性基板上に、軟磁性裏打ち層と垂直
記録膜とを積層してなる二層膜構造の垂直磁気記録媒体
であって、前記軟磁性裏打ち層を、該基板側より第１軟
磁性膜、硬磁性膜及び第２軟磁性膜の三層構成とし、か
つ硬磁性膜の膜厚を前記垂直記録膜の膜厚よりも薄く構
成する。
達成するため、非磁性基板上に、軟磁性裏打ち層と垂直
記録膜とを積層してなる二層膜構造の垂直磁気記録媒体
であって、前記軟磁性裏打ち層を、該基板側より第１軟
磁性膜、硬磁性膜及び第２軟磁性膜の三層構成とし、か
つ硬磁性膜の膜厚を前記垂直記録膜の膜厚よりも薄く構
成する。
【０００９】また、前記軟磁性裏打ち層を構成する各膜
の膜厚を、第１軟磁性膜の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よ
りも厚く、かつ該第２軟磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の
膜厚を薄く構成する。
の膜厚を、第１軟磁性膜の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よ
りも厚く、かつ該第２軟磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の
膜厚を薄く構成する。
【００１０】更に、前記軟磁性裏打ち層を構成する各膜
の内の硬磁性膜は、その膜面内の水平方向に磁化容易軸
を有してなる構成とする。
の内の硬磁性膜は、その膜面内の水平方向に磁化容易軸
を有してなる構成とする。
【００１１】
【作用】本発明では、非磁性基板と垂直記録膜との間に
介在する軟磁性裏打ち層を、基板側より第１軟磁性膜、
硬磁性膜及び第２軟磁性膜の三層構成とすることによ
り、該硬磁性膜は高保磁力を有することから、これら三
層構成の軟磁性裏打ち層に外部からの漏洩磁界が侵入し
ても前記硬磁性膜の磁壁が移動することはなく、しかも
該硬磁性膜がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜
の磁壁を係止（ピンニング）してその磁壁移動を抑制す
る。この結果、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消
磁が防止される。
介在する軟磁性裏打ち層を、基板側より第１軟磁性膜、
硬磁性膜及び第２軟磁性膜の三層構成とすることによ
り、該硬磁性膜は高保磁力を有することから、これら三
層構成の軟磁性裏打ち層に外部からの漏洩磁界が侵入し
ても前記硬磁性膜の磁壁が移動することはなく、しかも
該硬磁性膜がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜
の磁壁を係止（ピンニング）してその磁壁移動を抑制す
る。この結果、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消
磁が防止される。
【００１２】なお、このような垂直磁気記録媒体に垂直
磁気ヘッドによる磁気記録時には、前記三層構成の軟磁
性裏打ち層上の垂直記録膜を充分に記録磁化させるため
に、前記垂直磁気ヘッドからの記録磁界の強度が前記硬
磁性膜の係止力を大きくうわまわり、局部的に非常に強
い磁界が印加されるため、該硬磁性膜の係止力は無視で
き、その上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁気特
性に悪影響を与えることはない。
磁気ヘッドによる磁気記録時には、前記三層構成の軟磁
性裏打ち層上の垂直記録膜を充分に記録磁化させるため
に、前記垂直磁気ヘッドからの記録磁界の強度が前記硬
磁性膜の係止力を大きくうわまわり、局部的に非常に強
い磁界が印加されるため、該硬磁性膜の係止力は無視で
き、その上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁気特
性に悪影響を与えることはない。
【００１３】また、前記垂直記録膜の記録磁化の減磁に
対してはその直下に配設された前記第２軟磁性膜の影響
を最も強く受けるので、前記軟磁性裏打ち層を構成する
第１軟磁性膜の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よりも厚く、
かつ該第２軟磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の膜厚を薄く
し、更に該硬磁性膜の膜厚を前記垂直記録膜の膜厚より
も薄くした関係とすることにより、第１軟磁性膜及び硬
磁性膜の磁気特性を低下させることなく該垂直記録膜の
記録磁化の減磁をより効果的に抑制することができ，該
第２軟磁性膜での磁壁移動による発生磁界を極めて小さ
くできる。従って、記録磁化の消磁もより有効に抑制で
きる。
対してはその直下に配設された前記第２軟磁性膜の影響
を最も強く受けるので、前記軟磁性裏打ち層を構成する
第１軟磁性膜の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よりも厚く、
かつ該第２軟磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の膜厚を薄く
し、更に該硬磁性膜の膜厚を前記垂直記録膜の膜厚より
も薄くした関係とすることにより、第１軟磁性膜及び硬
磁性膜の磁気特性を低下させることなく該垂直記録膜の
記録磁化の減磁をより効果的に抑制することができ，該
第２軟磁性膜での磁壁移動による発生磁界を極めて小さ
くできる。従って、記録磁化の消磁もより有効に抑制で
きる。
【００１４】更に、前記硬磁性膜の膜面内の水平方向に
磁場を印加して磁化容易軸を設けることにより、これら
三層構成の軟磁性裏打ち層に外部からの漏洩磁界が侵入
しても該硬磁性膜の磁壁が移動することはなく、しかも
該硬磁性膜が上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁
壁を極めて効果的に係止してその磁壁移動が抑止され
る。この結果、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消
磁が防止される。
磁場を印加して磁化容易軸を設けることにより、これら
三層構成の軟磁性裏打ち層に外部からの漏洩磁界が侵入
しても該硬磁性膜の磁壁が移動することはなく、しかも
該硬磁性膜が上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁
壁を極めて効果的に係止してその磁壁移動が抑止され
る。この結果、垂直記録膜の情報磁化の減磁、或いは消
磁が防止される。
【００１５】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について詳
細に説明する。図１は本発明に係る垂直磁気記録媒体の
第１実施例を示す要部断面図である。
細に説明する。図１は本発明に係る垂直磁気記録媒体の
第１実施例を示す要部断面図である。
【００１６】図において、21は中心に支持孔が設けら
れ、NiＰめっき等の表面処理を施したアルミニウム円板
からなる非磁性基板であり、その非磁性基板21上に軟磁
性裏打ち層として、0.2 〜2.0 μｍの膜厚の Ni-Fe膜、
或いはFeＮ膜からなる第１軟磁性膜22a と、30〜200 Å
の膜厚の Co-Cr膜からなる硬磁性膜22b 及び0.2 〜0.8
μｍの膜厚の Ni-Fe膜、或いはFeＮ膜からなる第２軟磁
性膜22c が順に積層状に設けられている。
れ、NiＰめっき等の表面処理を施したアルミニウム円板
からなる非磁性基板であり、その非磁性基板21上に軟磁
性裏打ち層として、0.2 〜2.0 μｍの膜厚の Ni-Fe膜、
或いはFeＮ膜からなる第１軟磁性膜22a と、30〜200 Å
の膜厚の Co-Cr膜からなる硬磁性膜22b 及び0.2 〜0.8
μｍの膜厚の Ni-Fe膜、或いはFeＮ膜からなる第２軟磁
性膜22c が順に積層状に設けられている。
【００１７】また、この三層構成の軟磁性裏打ち層の最
上層である第２軟磁性膜22c 上には、更に0.1 〜0.2 μ
ｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直記録膜23が配設され、
その表面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜24が被
覆されている。
上層である第２軟磁性膜22c 上には、更に0.1 〜0.2 μ
ｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直記録膜23が配設され、
その表面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜24が被
覆されている。
【００１８】このような構造の垂直磁気記録媒体とする
ことにより、垂直磁気ヘッドと組み合わせた構成におい
てその媒体周辺に浮遊する漏洩磁界が前記三層構成の軟
磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁性膜22b は高保磁力
を有し、その磁壁が移動することはなく、しかも該硬磁
性膜22b がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜22
a,22c の磁壁を係止（ピンニング）してその磁壁移動が
抑制される。
ことにより、垂直磁気ヘッドと組み合わせた構成におい
てその媒体周辺に浮遊する漏洩磁界が前記三層構成の軟
磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁性膜22b は高保磁力
を有し、その磁壁が移動することはなく、しかも該硬磁
性膜22b がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜22
a,22c の磁壁を係止（ピンニング）してその磁壁移動が
抑制される。
【００１９】従って、漏洩磁界に起因する垂直記録膜23
の情報磁化の減磁、或いは消磁を防止することができ
る。なお、このような第１実施例の垂直磁気記録媒体を
製造するには、例えば中心に支持孔が設けられ、かつNi
Ｐめっき等の表面処理を施したアルミニウム円板からな
る非磁性基板21上に、スパッタ用供給電力のパワー密度
を４〜８Ｗ／ｃｍ2,反応ガス圧を５〜20mTorr ，基板温
度を 150〜250 ℃とするスパッタ条件によるスパッタリ
ング法により0.2 〜2.0 μｍの膜厚の Ni-Fe膜からなる
第１軟磁性膜22a を形成し、その第１軟磁性膜22a 上
に、スパッタ用供給電力のパワー密度を２〜６Ｗ／ｃｍ
2, 反応ガス圧を５〜10mTorr ，基板温度を 150〜250
℃とするスパッタ条件によるスパッタリング法により30
〜 200Åの膜厚の Co-Cr膜からなる硬磁性膜22b を形成
し、その硬磁性膜22b 上に、更に前記第１軟磁性膜22a
の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング法
により0.2 〜0.8 μｍの膜厚の Ni-Fe膜からなる第２軟
磁性膜22c を形成して三層構成の軟磁性裏打ち層を設け
る。
の情報磁化の減磁、或いは消磁を防止することができ
る。なお、このような第１実施例の垂直磁気記録媒体を
製造するには、例えば中心に支持孔が設けられ、かつNi
Ｐめっき等の表面処理を施したアルミニウム円板からな
る非磁性基板21上に、スパッタ用供給電力のパワー密度
を４〜８Ｗ／ｃｍ2,反応ガス圧を５〜20mTorr ，基板温
度を 150〜250 ℃とするスパッタ条件によるスパッタリ
ング法により0.2 〜2.0 μｍの膜厚の Ni-Fe膜からなる
第１軟磁性膜22a を形成し、その第１軟磁性膜22a 上
に、スパッタ用供給電力のパワー密度を２〜６Ｗ／ｃｍ
2, 反応ガス圧を５〜10mTorr ，基板温度を 150〜250
℃とするスパッタ条件によるスパッタリング法により30
〜 200Åの膜厚の Co-Cr膜からなる硬磁性膜22b を形成
し、その硬磁性膜22b 上に、更に前記第１軟磁性膜22a
の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング法
により0.2 〜0.8 μｍの膜厚の Ni-Fe膜からなる第２軟
磁性膜22c を形成して三層構成の軟磁性裏打ち層を設け
る。
【００２０】次に、その三層構成の軟磁性裏打ち層上
に、即ち、前記第２軟磁性膜22c 上に、前記硬磁性膜22
b の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング
法により0.1 〜0.2 μｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直
記録膜23を形成し、その表面に更にスパッタカーボン膜
等からなる保護膜24を被覆することによって図１に示す
所望の垂直磁気記録媒体を得ることができる。
に、即ち、前記第２軟磁性膜22c 上に、前記硬磁性膜22
b の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング
法により0.1 〜0.2 μｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直
記録膜23を形成し、その表面に更にスパッタカーボン膜
等からなる保護膜24を被覆することによって図１に示す
所望の垂直磁気記録媒体を得ることができる。
【００２１】図２は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
２実施例を示す要部断面図である。本実施例では、中心
に支持孔が設けられたガラス円板からなる非磁性基板31
上に軟磁性裏打ち層として、１μｍの膜厚の Ni-Feめっ
き膜からなる第１軟磁性膜32a と、膜面内の水平方向に
磁化容易軸を有する50Åの膜厚の Co-Crスパッタ膜から
なる硬磁性膜32b 及び0.4 μｍの膜厚の Ni-Fe、或いは
FeＮのスパッタ膜からなる第２軟磁性膜32c が順に積層
状に配設され、その三層構成の軟磁性裏打ち層の最上層
である第２軟磁性膜32c 上に、更に0.1 〜0.2 μｍの膜
厚の Co-Cr膜からなる垂直記録膜33が配設され、その表
面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜34が被覆され
ている。
２実施例を示す要部断面図である。本実施例では、中心
に支持孔が設けられたガラス円板からなる非磁性基板31
上に軟磁性裏打ち層として、１μｍの膜厚の Ni-Feめっ
き膜からなる第１軟磁性膜32a と、膜面内の水平方向に
磁化容易軸を有する50Åの膜厚の Co-Crスパッタ膜から
なる硬磁性膜32b 及び0.4 μｍの膜厚の Ni-Fe、或いは
FeＮのスパッタ膜からなる第２軟磁性膜32c が順に積層
状に配設され、その三層構成の軟磁性裏打ち層の最上層
である第２軟磁性膜32c 上に、更に0.1 〜0.2 μｍの膜
厚の Co-Cr膜からなる垂直記録膜33が配設され、その表
面にスパッタカーボン膜等からなる保護膜34が被覆され
ている。
【００２２】このような構造の垂直磁気記録媒体とする
ことによっても、垂直磁ヘッドと組み合わせた構成にお
いてその媒体周辺に浮遊する漏洩磁界が前記三層構成の
軟磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁性膜32b は高保磁
力を有し、しかもその膜面内の水平方向に磁化容易軸を
有することにより、その磁壁が移動することはない。
ことによっても、垂直磁ヘッドと組み合わせた構成にお
いてその媒体周辺に浮遊する漏洩磁界が前記三層構成の
軟磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁性膜32b は高保磁
力を有し、しかもその膜面内の水平方向に磁化容易軸を
有することにより、その磁壁が移動することはない。
【００２３】しかも、該硬磁性膜32b がその上下に配設
された第１、第２軟磁性膜32a,32cの磁壁を係止（ピン
ニング）してその磁壁移動を極めて効果的に抑止するた
め、漏洩磁界に起因する垂直記録層33の情報磁化の減
磁、或いは消磁をより有効に防止することができる。
された第１、第２軟磁性膜32a,32cの磁壁を係止（ピン
ニング）してその磁壁移動を極めて効果的に抑止するた
め、漏洩磁界に起因する垂直記録層33の情報磁化の減
磁、或いは消磁をより有効に防止することができる。
【００２４】なお、このような第２実施例の垂直磁気記
録媒体を製造するには、例えば中心に支持孔が設けら
れ、ガラス円板からなる非磁性基板31上に、めっき法に
より１μｍの膜厚の Ni-Feめっき膜からなる第１軟磁性
膜32a を形成し、その第１軟磁性膜32a 上にマグネット
等を用いて半径方向に磁場を印加した状態で、その第１
軟磁性膜32a 上に、スパッタ用供給電力のパワー密度を
２〜６Ｗ／ｃｍ2, 反応ガス圧を５〜10mTorr ，基板温
度を 150〜250 ℃とするスパッタ条件によるスパッタリ
ング法により50Åの膜厚の Co-Cr膜を形成することによ
り、半径方向に磁化容易軸を有する硬磁性膜32b を設け
る。
録媒体を製造するには、例えば中心に支持孔が設けら
れ、ガラス円板からなる非磁性基板31上に、めっき法に
より１μｍの膜厚の Ni-Feめっき膜からなる第１軟磁性
膜32a を形成し、その第１軟磁性膜32a 上にマグネット
等を用いて半径方向に磁場を印加した状態で、その第１
軟磁性膜32a 上に、スパッタ用供給電力のパワー密度を
２〜６Ｗ／ｃｍ2, 反応ガス圧を５〜10mTorr ，基板温
度を 150〜250 ℃とするスパッタ条件によるスパッタリ
ング法により50Åの膜厚の Co-Cr膜を形成することによ
り、半径方向に磁化容易軸を有する硬磁性膜32b を設け
る。
【００２５】その硬磁性膜32b 上に、更にスパッタ用供
給電力のパワー密度を４〜８Ｗ／ｃｍ2, 反応ガス圧を
５〜20mTorr ，基板温度を 150〜250 ℃とするスパッタ
条件によるスパッタリング法により 0.4μｍの膜厚の N
i-Fe膜からなる第２軟磁性膜32c を形成して三層構成の
軟磁性裏打ち層を設ける。
給電力のパワー密度を４〜８Ｗ／ｃｍ2, 反応ガス圧を
５〜20mTorr ，基板温度を 150〜250 ℃とするスパッタ
条件によるスパッタリング法により 0.4μｍの膜厚の N
i-Fe膜からなる第２軟磁性膜32c を形成して三層構成の
軟磁性裏打ち層を設ける。
【００２６】次に、その三層構成の軟磁性裏打ち層上
に、即ち、前記第２軟磁性膜32c 上に、前記硬磁性膜32
b の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング
法により0.1 〜0.2 μｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直
記録膜33を形成し、その表面に更にスパッタカーボン膜
等からなる保護膜34を被覆することによって図２に示す
所望の垂直磁気記録媒体を得ることができる。
に、即ち、前記第２軟磁性膜32c 上に、前記硬磁性膜32
b の形成時と同様なスパッタ条件によるスパッタリング
法により0.1 〜0.2 μｍの膜厚の Co-Cr膜からなる垂直
記録膜33を形成し、その表面に更にスパッタカーボン膜
等からなる保護膜34を被覆することによって図２に示す
所望の垂直磁気記録媒体を得ることができる。
【００２７】以上の実施例では非磁性基板としてNiＰめ
っき等の表面処理を施したアルミニウム円板、或いはガ
ラス円板等を用いた場合の例で説明したが、セラミック
等の非磁性基板を用いることもでき、また前記三層構成
の軟磁性裏打ち層の各膜の材料及び膜厚も、それぞれの
磁気的な機能を果たすことができるものやその膜厚であ
れば、特定するものではない。更に必要に応じて垂直記
録膜上の保護膜の表面に潤滑膜を設けた構成とする。
っき等の表面処理を施したアルミニウム円板、或いはガ
ラス円板等を用いた場合の例で説明したが、セラミック
等の非磁性基板を用いることもでき、また前記三層構成
の軟磁性裏打ち層の各膜の材料及び膜厚も、それぞれの
磁気的な機能を果たすことができるものやその膜厚であ
れば、特定するものではない。更に必要に応じて垂直記
録膜上の保護膜の表面に潤滑膜を設けた構成とする。
【００２８】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る二層膜構造の垂直磁気記録媒体によれば、軟磁性
裏打ち層を、第１軟磁性膜と第２軟磁性膜の間に高保磁
力を有し、その磁壁が移動することのない硬磁性膜、或
いは高保磁力を有し、しかもその膜面内の水平方向に磁
化容易軸を有し、かつその磁壁が移動することのない硬
磁性膜を介在した三層構成とし、かつその第１軟磁性膜
の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よりも厚く、かつ該第２軟
磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の膜厚を薄く構成すること
により、該垂直磁気記録媒体を垂直磁気ヘッドと組み合
わせた構成において、その媒体周辺に浮遊する漏洩磁界
が前記三層構成の軟磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁
性膜の磁壁が移動することはなく、しかもその硬磁性膜
がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁壁を係
止（ピンニング）してその磁壁移動を効果的に抑止する
利点を有し、漏洩磁界に起因する垂直記録膜の情報磁化
の減磁、或いは消磁を有効に防止することができるので
記録再生効率が著しく向上する等、優れた効果を奏す
る。
に係る二層膜構造の垂直磁気記録媒体によれば、軟磁性
裏打ち層を、第１軟磁性膜と第２軟磁性膜の間に高保磁
力を有し、その磁壁が移動することのない硬磁性膜、或
いは高保磁力を有し、しかもその膜面内の水平方向に磁
化容易軸を有し、かつその磁壁が移動することのない硬
磁性膜を介在した三層構成とし、かつその第１軟磁性膜
の膜厚が第２軟磁性膜の膜厚よりも厚く、かつ該第２軟
磁性膜の膜厚よりも硬磁性膜の膜厚を薄く構成すること
により、該垂直磁気記録媒体を垂直磁気ヘッドと組み合
わせた構成において、その媒体周辺に浮遊する漏洩磁界
が前記三層構成の軟磁性裏打ち層に侵入しても前記硬磁
性膜の磁壁が移動することはなく、しかもその硬磁性膜
がその上下に配設された第１、第２軟磁性膜の磁壁を係
止（ピンニング）してその磁壁移動を効果的に抑止する
利点を有し、漏洩磁界に起因する垂直記録膜の情報磁化
の減磁、或いは消磁を有効に防止することができるので
記録再生効率が著しく向上する等、優れた効果を奏す
る。
【図１】 本発明の垂直磁気記録媒体の第１実施例を示
す要部断面図である。
す要部断面図である。
【図２】 本発明の垂直磁気記録媒体の第２実施例を示
す要部断面図である。
す要部断面図である。
【図３】 従来の垂直磁気記録媒体を説明するための要
部断面図である。
部断面図である。
２１，３１ 非磁性基板 ２２ａ，３２ａ 第１軟磁性膜 ２２ｂ，３２ｂ 硬磁性膜 ２２ｃ，３２ｃ 第２軟磁性膜 ２３，３３ 垂直記録膜 ２４，３４ 保護膜
Claims (3)
- 【請求項１】 非磁性基板(21)上に、軟磁性裏打ち層と
垂直記録膜(23)とを積層してなる二層膜構造の垂直磁気
記録媒体であって、 前記軟磁性裏打ち層を、該基板側より第１軟磁性膜(22
a) 、硬磁性膜(22b) 及び第２軟磁性膜(22c) の三層構
成とし、かつ硬磁性膜(22b) の膜厚を前記垂直記録膜(2
3)の膜厚よりも薄くしたことを特徴とする垂直磁気記録
媒体。 - 【請求項２】 前記軟磁性裏打ち層を構成する各膜の膜
厚を、第１軟磁性膜(22a) の膜厚が第２軟磁性膜(22c)
の膜厚よりも厚く、かつ該第２軟磁性膜(22c) の膜厚よ
りも硬磁性膜(22b) の膜厚を薄くしてなることを特徴と
する請求項１の垂直磁気記録媒体。 - 【請求項３】 前記軟磁性裏打ち層を構成する各膜の内
の硬磁性膜(32b) は、その膜面内の水平方向に磁化容易
軸を有してなることを特徴とする請求項１の垂直磁気記
録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6195392A JPH05266455A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 垂直磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6195392A JPH05266455A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 垂直磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05266455A true JPH05266455A (ja) | 1993-10-15 |
Family
ID=13186073
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6195392A Withdrawn JPH05266455A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 垂直磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05266455A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6270885B1 (en) | 1997-11-17 | 2001-08-07 | Nec Corporation | Perpendicular magnetic recording medium |
| KR100328750B1 (ko) * | 1998-02-19 | 2002-03-14 | 가네꼬 히사시 | 자기 디스크 장치 |
| SG105009A1 (en) * | 2002-08-14 | 2004-07-30 | Toshiba Kk | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording/reproduction apparatus |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP6195392A patent/JPH05266455A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6270885B1 (en) | 1997-11-17 | 2001-08-07 | Nec Corporation | Perpendicular magnetic recording medium |
| KR100328750B1 (ko) * | 1998-02-19 | 2002-03-14 | 가네꼬 히사시 | 자기 디스크 장치 |
| SG105009A1 (en) * | 2002-08-14 | 2004-07-30 | Toshiba Kk | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording/reproduction apparatus |
| US6942936B2 (en) | 2002-08-14 | 2005-09-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording/reproduction apparatus |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990518 |