JPH0845068A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH0845068A
JPH0845068A JP17880894A JP17880894A JPH0845068A JP H0845068 A JPH0845068 A JP H0845068A JP 17880894 A JP17880894 A JP 17880894A JP 17880894 A JP17880894 A JP 17880894A JP H0845068 A JPH0845068 A JP H0845068A
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JP17880894A
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Kenichi Aoshima
賢一 青島
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 裏打ち層と垂直磁気記録層とを備えた磁気記
録媒体に関し、スパイク雑音の発生を防止するととも
に、記録密度を上げる。 【構成】 非磁性基体21と、軟磁性体からなる裏打ち
層22と、磁気記録層25とを有する磁気記録媒体にお
いて、裏打ち層22上に間隔をあけて複数の同心円状の
帯状の反強磁性層24a〜24cが形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体及びその
製造方法に関し、より詳しくは、裏打ち層と垂直磁気記
録層とを備えた磁気記録媒体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの処理情報量の増大
に伴い、外部記憶装置として用いられる磁気ディスクの
小型化かつ大容量化が要望されている。磁気記録層の磁
化方式として水平磁化方式と垂直磁化方式とがある。垂
直磁化方式では厚さ方向に磁化を残留させるため、自己
減磁界が少なく、損失の少ない高密度記録が可能にな
る。
【0003】図10(a)は垂直磁化方式の磁気ディス
クの斜視図で、図10(b)は半径方向(放射方向)に
切断したときの磁気ディスクの断面図である。ディスク
基板1上に、パーマロイ(NiFe)等の軟磁性膜から
なる裏打ち層2と、CoCrTa等の垂直磁化膜からな
る磁気記録層3とが積層されている。図10(c)の場
合、裏打ち層2は半径方向に磁化容易軸を有するものと
する。
【0004】裏打ち層2は高透磁率を有するため、図1
0(b)に示すように、不図示の磁気ヘッドから磁気記
録層3を通過した磁力線は裏打ち層2を水平かつ円周方
向に通過して再び磁気ヘッドに帰還する。このように、
裏打ち層2は主磁極から発生する磁界の強度を高めるな
ど、記録効率や再生効率を向上させる役目を果たしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、裏打ち層2を
有する磁気ヘッドでは記録信号や再生信号にスパイク雑
音がのり、記録データが消去されたり、再生の忠実度が
阻害されてしまう。このようなスパイク雑音は、図10
(c)に示すように、裏打ち層2に生じている磁壁4の
上方を磁気ヘッドの磁極が通過したときに生ずることが
わかった。
【0006】そこで、図11(a),(b)に示すよう
に、裏打ち層2の全面に反強磁性層5を形成して、反強
磁性層5と裏打ち層2の界面に生ずる交換相互作用によ
り、図11(c)に示すように、裏打ち層2の磁気スピ
ンを一定の方向に揃え、磁壁の発生を抑制するようにし
ている。図11(c)の場合、半径方向に磁化容易軸を
有している。
【0007】しかし、裏打ち層2と磁気記録層3の間に
反強磁性層5を挟むことにより、再生出力が低下する。
ところで、非磁性層を挟んだ場合も、再生出力が低下
し、かつ記録特性(例えば、記録密度特性)が低下する
ことが本願発明者の調査により判明した。同様に反強磁
性層5を挟んだ場合にも、記録特性が低下するという問
題が生じる。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するために創
作されたものであり、スパイク雑音の発生を防止すると
ともに、記録特性の向上を図ることができる磁気記録媒
体及びその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1に、非
磁性基体と、軟磁性体からなる裏打ち層と、磁気記録層
とを有する磁気記録媒体において、前記裏打ち層上に間
隔をあけて複数の同心円状の帯状の反強磁性層が形成さ
れてなり、または裏打ち層を分離する複数の同心円状の
帯状の反強磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒
体によって達成され、第2に、前記反強磁性層は周方向
に又は放射方向に磁気異方性を有することを特徴とする
磁気記録媒体によって達成され、第3に、前記反強磁性
層は記録を行わないガードバンド領域に形成されている
ことを特徴とする磁気記録媒体によって達成され、第4
に、非磁性基体と、軟磁性体からなる裏打ち層と、磁気
記録層とを有する磁気記録媒体において、前記裏打ち層
を分離する複数の同心円状の帯状の硬磁性層を有するこ
とを特徴とする磁気記録媒体によって達成され、第5
に、前記裏打ち層及び前記硬磁性層は放射方向の磁化容
易軸を有し、放射方向に磁化されていることを特徴とす
る磁気記録媒体によって達成され、第6に、非磁性基体
上に軟磁性層を形成する工程と、前記軟磁性層上に耐エ
ッチング性マスクを形成し、前記耐エッチング性マスク
に基づいて前記軟磁性層をエッチングして複数の同心円
状の帯状の溝を形成する工程と、前記耐エッチング性マ
スクを残したまま、反強磁性膜を堆積する工程と、前記
耐エッチング性マスクを除去することにより前記反強磁
性膜を選択的に除去し、前記溝内に前記反強磁性層を形
成する工程と、前記軟磁性層及び前記反強磁性層を被覆
して磁気記録層を形成する工程とを有することを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法によって達成され、第7
に、非磁性基体上に硬磁性膜を形成する工程と、前記硬
磁性膜をパターニングして複数の同心円状の帯状の硬磁
性層を形成する工程と、前記硬磁性層及び前記非磁性基
体を被覆して軟磁性膜を形成する工程と、前記軟磁性膜
を研磨して前記硬磁性層間に残し、前記硬磁性層により
分離された軟磁性層を形成する工程と、前記軟磁性層及
び前記硬磁性層を被覆して磁気記録層を形成する工程と
を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によ
って達成され、第8に、上記硬磁性層を形成する工程の
後、放射方向に磁場を印加して前記硬磁性層を磁化する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法によって達成
される。
【0010】
【作用】ところで、軟磁性体と反強磁性体の界面では交
換相互作用により、磁気スピンが一定方向に揃うという
効果がよく知られている。しかし、本願発明者の調査に
より、強磁性体や軟磁性体以外の層が裏打ち層と磁気記
録層間に挟まれると、再生出力が低下するため、記録特
性を向上させることができないことがわかった。
【0011】本発明の磁気記録媒体においては、軟磁性
体からなる裏打ち層上に間隔をあけて複数の同心円状の
帯状の反強磁性層が形成されてなり、又は裏打ち層を分
離する複数の同心円状の帯状の反強磁性層を有する。即
ち、反強磁性層を裏打ち層全面ではなく間隔をあけて、
例えば、記録を行わないガードバンド領域に形成してい
る。従って、記録領域の磁気記録層と裏打ち層間には他
の層が介在しないため、再生出力が向上し、これによ
り、記録特性の向上を図ることが出来る。
【0012】しかも、反強磁性層を裏打ち層全面ではな
く間隔をあけて形成しても、反強磁性層が形成されてい
ない裏打ち層に交換相互作用を有効に及ぼすことができ
る。即ち、反強磁性層下の或いは反強磁性層に隣接する
裏打ち層の磁気スピンが交換相互作用により揃うととも
に、その磁気スピンの磁化方向が順次より離れた裏打ち
層の磁気スピンにも及ぶため、裏打ち層のすべての磁気
スピンが一定方向に揃う。これにより、磁壁の発生を抑
制することができる。
【0013】更に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
ように、裏打ち層に溝を形成し、そこに反強磁性層を埋
め込むことにより、磁気記録層の表面を平坦化すること
ができる。従って、記録・再生を行う際に、磁気ヘッド
と磁気記録媒体表面とをより接近させることができるた
め、スペーシングロスを低減することができる。
【0014】また、本発明の別の磁気記録媒体において
は、裏打ち層を分離する複数の同心円状の帯状の硬磁性
層を有する。硬磁性層は永久磁石と同じように高い保磁
力を有するため、常時、一定方向の磁力線を発生してい
る。このため、硬磁性層間に存在する裏打ち層の磁気ス
ピンの方向は、硬磁性層の磁力線の方向に揃う。
【0015】特に、磁気記録媒体の円周方向に記録磁
場、或いは再生磁場を印加する場合、半径方向(放射方
向)に裏打ち層の磁化容易軸を向けるように硬磁性層を
磁化しておくことにより、裏打ち層の円周方向の透磁率
を一層高め、記録・再生効率を高めることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
について説明する。 (1)本発明に到った経過 以下に示す本願発明者の調査により、強磁性体や軟磁性
体以外の層が裏打ち層と磁気記録層間に挟まれると、磁
気記録密度が低下することがわかった。
【0017】実験に用いた試料を図2(b)に示す。図
2(b)において、円板状のAl板からなるディスク基
板11上に形成された裏打ち層12と磁気記録層14と
の間に強磁性体や軟磁性体以外のTi層13を介在させ
ている。形成が容易なため、反強磁性体層や硬磁性体層
の代わりにTi層13が用いられた。調査はTi層13
の膜厚に対する記録密度特性D50の依存性について行っ
た。記録密度特性D50は密度1のときの再生出力に対し
て再生出力が1/2に低下するときの密度を表す。
【0018】調査結果を図2(a)に示す。図2(a)
の縦軸は記録密度特性D50(単位:kFCL)を表し、
横軸はTi層13の膜厚(nm)を表す。ここで、FC
Lは、Flux Charge per Inchの略である。図2(a)に
よれば、記録密度特性D50はTi層13の膜厚が厚くな
るにつれて小さくなり、Ti層13の膜厚20nmのと
き、Ti層13を介在させない場合に比較して約92/
107×100%程度にまで低下する。
【0019】以上により、裏打ち層12と磁気記録層1
4間に強磁性体や軟磁性体以外の層を介在させないこと
が記録密度特性(記録特性)の向上にとって望ましい。 (2)本発明の第1の実施例に係る磁気記録媒体及びそ
の製造方法についての説明 図1(a)は、本発明の第1の実施例に係る磁気記録媒
体について示す斜視図であり、図1(b)は半径方向
(放射方向)の断面図であり、図1(c)は上面図であ
る。
【0020】図1(a),(b)に示すように、円板状
のAl板からなるディスク基板21上に膜厚100nm
のパーマロイ(NiFe)等の軟磁性膜からなる裏打ち
層22が形成されている。また、裏打ち層22には約2
μmの間隔をあけて同心円状の帯状の溝23a〜23cが形
成され、その溝23a〜23c内に反強磁性層24a〜24cが
埋め込まれている。溝23a〜23cは幅約1μm、深さ2
0nmとなっている。
【0021】更に、反強磁性層24a〜24c及び裏打ち層
22を被覆してCoCrTa等の垂直磁化膜からなる磁
気記録層23が形成されている。反強磁性層24a〜24c
が形成された領域は記録を行わないガードバンド領域と
なっている。また、反強磁性層24a〜24cは、図1
(c)に示すように、半径方向(放射方向)に磁気異方
性を有し、裏打ち層22も同じ方向に磁気スピンが揃っ
ている。
【0022】以上のように、本発明の第1の実施例に係
る磁気記録媒体においては、反強磁性層24a〜24cを裏
打ち層22全面ではなく間隔をあけて形成し、また、反
強磁性層24a〜24cが形成された領域は記録を行わない
ガードバンド領域となっている。従って、ガードバンド
領域以外の領域、即ち記録領域の磁気記録層25と裏打
ち層22間には他の層が介在しないため、再生出力が向
上し、これにより、記録密度の向上を図ることが出来
る。
【0023】しかも、反強磁性層24a〜24cの形成され
ていない領域の裏打ち層22にも交換相互作用を有効に
及ぼすことができる。即ち、反強磁性層24a〜24c下の
或いは反強磁性層24a〜24cに隣接する裏打ち層23の
磁気スピンが交換相互作用により揃うとともに、その磁
気スピンの磁化方向が順次より離れた裏打ち層22の磁
気スピンにも及ぶため、すべての磁気スピンが一定方向
に揃う。これにより、磁壁の発生を抑制することができ
る。
【0024】従って、実施例の磁気記録媒体ではスパイ
ク雑音の発生を防止するとともに、記録密度を上げるこ
とができる。次に上記の磁気記録媒体に記録を行う場合
について図9を参照しながら説明する。図9は磁気記録
装置の断面図である。図9に示すように、磁気記録媒体
の記録箇所の真上に磁気ヘッドを移動する。このとき、
主磁極41とリターン44が円周方向で前後に並ぶよう
に配置する。
【0025】次いで、記録・再生用コイル42に電流を
流すと磁気ヘッドの主磁極41から磁力線が発生する。
その磁力線は磁気ヘッドから僅かの間隔をあけて存在す
る磁気記録層25に入り、磁気記録層25を磁化して、
情報を記録する。磁気記録層25を通過した磁力線は裏
打ち層22に入る。裏打ち層22に入った磁力線は裏打
ち層22が半径方向に磁化容易軸を有しており、円周方
向の透磁率が高くなっているため、裏打ち層22を水平
かつ円周方向に通過する。このとき、裏打ち層22には
磁壁が発生していないので、スパイクノイズが発生せ
ず、忠実に情報が記録される。
【0026】裏打ち層22を通過した磁力線は磁気ヘッ
ドのリターン44に向かって磁気記録層25を通過し、
再び磁気ヘッドのリターン44に帰還する。次に、本発
明の実施例に係る磁気記録媒体の製造方法について図3
(a)〜(d)を参照しながら説明する。図3(a)〜
(d)は磁気記録媒体の断面図を示す。
【0027】まず、図3(a)に示すように、円板状の
Al基板21の上に膜厚約100nmのNiFe膜(裏
打ち層)22をスパッタ法により形成する。このとき、
半径方向(放射方向)に磁場をかけながら成膜する。次
いで、図3(b)に示すように、NiFe膜22上にレ
ジスト膜を形成した後、露光・現像により間隔1μmで
複数の円周に沿う幅2μmの帯状のレジストマスク(耐
エッチング性マスク)26を形成する。
【0028】次に、レジストマスク26をマスクとして
アルゴンガスを用いたイオンミリングによりNiFe膜
22をエッチングし、幅約1μm、深さ約20nmの複
数の円周に沿う溝23a,23bを形成する。次いで、減圧
状態を保持し、レジストマスク26を残したまま、膜厚
約20nmのFeMn膜24を形成する。このとき、半
径方向(放射方向)に磁場をかけながら成膜する。
【0029】次に、レジストマスク26を除去する(リ
フトオフする)ことにより、レジストマスク26上のF
eMn膜24もともに除去して溝23a,23b内にFeM
n膜24a,24bを残す。これにより、間隔2μmで複数
の同心円状の幅約1μmの反強磁性層24a,24bが形成
される。次いで、裏打ち層22及び反強磁性層24a,24
bを被覆して膜厚約100nmのCoCrTa膜からな
る磁気記録層25を形成する。
【0030】なお、その後必要により、磁気記録層25
の表面を保護する保護層や潤滑層を形成してもよい。以
上のように、本発明の第1の実施例に係る磁気記録媒体
の製造方法によれば、裏打ち層22に溝23a,23bを形
成し、そこに反強磁性層24a,24bを埋め込んでいるの
で、磁気記録層25の表面を平坦化することができる。
【0031】従って、記録・再生を行う際に、磁気ヘッ
ドと磁気記録媒体表面とをより接近させることができる
ため、スペーシングロスを低減することができる。な
お、上記の実施例では1トラックあたり1つの反強磁性
層24a,24bが形成されているが、数トラックあたり1
つの反強磁性層が形成されてもよい。また、NiFe膜
22及びFeMn膜24を形成する際に、放射方向に磁
場をかけているが、周方向に磁場をかけてもよい。この
場合、磁気ヘッドからの印加磁場は周方向に直角の放射
方向にかける方が高い透磁率が得られ、記録・再生効率
上好ましい。更に、少なくともFeMn膜24を形成す
る際に、磁場を印加してもよい。
【0032】また、裏打ち層22に溝23a,23bを形成
し、そこに反強磁性層24a,24bを埋め込んでいるが、
図4(a)に示すように、裏打ち層22を加工しない
で、直接その上に反強磁性層24d,24eを形成してもよ
い。更に、図4(b)に示すように、裏打ち層22を貫
通する溝23d,23eを形成し、その溝23d,23e内に反
強磁性層24f,24gを埋め込んでもよい。この場合、デ
ィスク基板21上に非磁性体のCr層27等を形成し、
直接反強磁性層24f,24gがディスク基板21に接触し
ないようにすることが好ましい。 (3)本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒体につい
ての説明 図5(a)は、本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒
体について示す斜視図であり、図5(b)は半径方向
(放射方向)の断面図であり、図5(c)は上面図であ
る。
【0033】図5(a),(b)に示すように、円板状
のAl板からなるディスク基板31上に膜厚約200n
mのCr膜からなる非磁性層32と、膜厚約200nm
のパーマロイ(NiFe)等の軟磁性膜からなる裏打ち
層33とが積層されている。なお、ディスク基板31と
非磁性層32とが非磁性基体を構成する。また、裏打ち
層33には約10〜20μmの間隔をあけて、裏打ち層
33を分離する同心円状の幅約5μmの帯状のCoCr
膜からなる膜厚約200nmの硬磁性層34a,34bが形
成されている。
【0034】更に、硬磁性層34a,34b及び裏打ち層3
3を被覆してCoCrTa等の垂直磁化膜からなる磁気
記録層35が形成されている。硬磁性層34a,34bは、
図5(c)に示すように、半径方向(放射方向)に磁化
容易軸を有する。硬磁性層34a,34bは永久磁石と同じ
ように高い保磁力を有するため、常時、一定方向の磁力
線を発生している。このため、硬磁性層34a,34b間に
存在する裏打ち層33の磁気スピンの方向は、硬磁性層
34a,34bの磁力線の方向に揃っている。
【0035】以上のように、本発明の第2の実施例に係
る磁気記録媒体においては、裏打ち層33を分離する複
数の同心円状の帯状の硬磁性層34a,34bを有する。従
って、硬磁性層34a,34bの磁化により裏打ち層33の
磁気スピンの方向は硬磁性層34a,34bの磁力線の方向
に揃い、磁壁は発生しない。また、硬磁性層34a,34b
の形成領域以外では裏打ち層33と磁気記録層36は直
接接している。
【0036】従って、スパイク雑音の発生を防止すると
ともに、記録密度を上げることができる。次に、本発明
の実施例に係る磁気記録媒体の製造方法について図6
(a)〜(c),図7(a),(b)を参照しながら説
明する。図6(a)〜(c),図7(a),(b)は磁
気記録媒体の断面図を示す。
【0037】まず、図6(a)に示すように、円板状の
Al基板31の上に膜厚約200nmのCr膜32をス
パッタ法により形成し、更に減圧状態を保持したまま、
Cr膜32上に膜厚約200nmのCoCr膜34をス
パッタ法により形成する。このとき、半径方向(放射方
向)に磁場Hをかけながら成膜する。図8にその様子を
図示する。磁石37により半径方向外向きに向かう1k
Oe以上の磁場が印加される。
【0038】次いで、CoCr膜34上にレジスト膜を
形成した後、露光・現像により間隔10〜20μmで複
数の円周に沿う幅5μmの帯状のレジストマスク(耐エ
ッチング性マスク)36を形成する。次に、図6(b)
に示すように、レジストマスク36をマスクとしてアル
ゴンガスを用いたイオンミリングによりCoCr膜34
をエッチングし、除去して、間隔10〜20μmで複数
の円周に沿う幅約5μmの帯状の硬磁性層34a,34bを
形成する。
【0039】次いで、レジストマスク36を除去した
後、図6(c)に示すように、膜厚約300nmのNi
Fe膜33をメッキ法により形成する。このとき、半径
方向(放射方向)に磁場をかけながら成膜する。次に、
図7(a)に示すように、硬磁性層34a,34bの上面と
NiFe膜33の上面とが一致するまでNiFe膜33
を研磨することにより、硬磁性層34a,34b間のCr膜
32上に裏打ち層33を形成する。
【0040】次いで、裏打ち層33及び硬磁性層34a,
34bを被覆して垂直磁化が可能な膜厚約100nmのC
oCrTa膜からなる磁気記録層35を形成する。以上
のように、本発明の実施例に係る磁気記録媒体の製造方
法によれば、硬磁性層34a,34bの間に裏打ち層33を
埋め込んでいるので、磁気記録層35の表面を平坦化す
ることができる。
【0041】従って、記録・再生を行う際に、磁気ヘッ
ドと磁気記録媒体表面とをより接近させることができる
ため、スペーシングロスを低減することができる。な
お、上記の実施例ではCoCr膜34及びNiFe膜3
3を形成する際に、磁場をかけているが、少なくともC
oCr膜34を形成する際に、磁場を印加してもよい。
【0042】更に、CoCr膜34を除去し、その除去
跡に裏打ち層33を埋め込んでいるが、逆に裏打ち層3
3を除去した後、その除去跡にCoCr膜等の硬磁性層
を埋め込んでもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体においては、軟磁
性体からなる裏打ち層上に間隔をあけて複数の同心円状
の帯状の反強磁性層が形成されてなり、又は裏打ち層を
分離する複数の同心円状の帯状の反強磁性層を有してい
る。従って、反強磁性層の形成されていない領域を記録
領域とすることで、記録領域の磁気記録層と裏打ち層間
には他の層が介在しないため、再生出力が向上し、これ
により、記録特性の向上を図ることが出来る。
【0044】しかも、反強磁性層の形成されていない領
域の裏打ち層にも交換相互作用を有効に及ぼすことがで
きるため、磁壁の発生を抑制することができ、これによ
り、スパイクノイズの発生を防止することができる。更
に、本発明の磁気記録媒体の製造方法のように、裏打ち
層に溝を形成し、そこに反強磁性層を埋め込むことによ
り、磁気記録層の表面を平坦化することができる。これ
により、記録・再生を行う際に、磁気ヘッドと磁気記録
媒体表面とをより接近させることができるため、スペー
シングロスを低減することができる。
【0045】また、本発明の別の磁気記録媒体によれ
ば、裏打ち層を分離する複数の同心円状の帯状の硬磁性
層を有しているため、硬磁性層間に埋め込まれた裏打ち
層の磁気スピンの方向は、硬磁性層の磁力線の方向に揃
う。これにより、裏打ち層での磁壁の発生を抑制するこ
とができるため、スパイクノイズの発生を防止すること
ができる。
【0046】特に、円周方向に記録磁場、或いは再生磁
場を印加する場合、半径方向(放射方向)に裏打ち層の
磁化容易軸を向けるように硬磁性層を磁化しておくこと
で、裏打ち層の円周方向の透磁率を一層高め、記録・再
生効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る磁気記録媒体につ
いて示す斜視図、断面図及び上面図である。
【図2】本発明の作用・効果を説明する特性図及び実験
に用いた磁気記録媒体の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る磁気記録媒体の製
造方法について示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る他の磁気記録媒体
について示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒体につ
いて示す斜視図、断面図及び上面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒体の製
造方法について示す断面図(その1)である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒体の製
造方法について示す断面図(その2)である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る磁気記録媒体の製
造方法について示す断面図(その3)である。
【図9】本発明の実施例に係る磁気記録装置について示
す断面図である。
【図10】従来例に係る磁気記録媒体について示す斜視
図、断面図及び上面図である。
【図11】他の従来例に係る磁気記録媒体について示す
斜視図、断面図及び上面図である。
【符号の説明】
11,21,31 ディスク基板、 12,22,33 軟磁性層、 13 Ti層、 14,25,35 磁気記録層、 23a〜23e 溝、 24a〜24g 反強磁性層、 26,36 レジストマスク、 27,32 Cr層、 34a,34b 硬磁性層、 37 磁石、 41 主磁極、 42 記録・再生コイル、 43 ガラス溝、 44 リターン。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体と、軟磁性体からなる裏打ち
    層と、磁気記録層とを有する磁気記録媒体において、 前記裏打ち層上に間隔をあけて複数の同心円状の帯状の
    反強磁性層が形成されてなることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記反強磁性層は、前記裏打ち層に形成
    された溝内に埋め込まれていることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基体と、軟磁性体からなる裏打ち
    層と、磁気記録層とを有する磁気記録媒体において、 前記裏打ち層を分離する複数の同心円状の帯状の反強磁
    性層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記反強磁性層は円周方向又は半径方向
    に磁気異方性を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記反強磁性層は記録を行わないガード
    バンド領域に形成されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性基体と、軟磁性体からなる裏打ち
    層と、磁気記録層とを有する磁気記録媒体において、 前記裏打ち層を分離する複数の同心円状の帯状の硬磁性
    層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記裏打ち層及び前記硬磁性層は放射方
    向の磁化容易軸を有し、かつ放射方向に磁化されている
    ことを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記磁気記録層は厚さ方向に磁化容易軸
    を有する垂直磁化膜からなることを特徴とする請求項1
    乃至請求項7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 非磁性基体上に軟磁性層を形成する工程
    と、 前記軟磁性層上に耐エッチング性マスクを形成し、前記
    耐エッチング性マスクに基づいて前記軟磁性層をエッチ
    ングして複数の同心円状の帯状の溝を形成する工程と、 前記耐エッチング性マスクを残したまま、反強磁性膜を
    堆積する工程と、 前記耐エッチング性マスクを除去することにより前記反
    強磁性膜を選択的に除去し、前記溝内に前記反強磁性層
    を形成する工程と、 前記軟磁性層及び前記反強磁性層を被覆して磁気記録層
    を形成する工程とを有することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 非磁性基体上に反強磁性膜を形成する
    工程と、 前記反強磁性膜をパターニングして複数の同心円状の帯
    状の反強磁性層を形成する工程と、 前記非磁性基体及び前記反強磁性層を被覆して軟磁性膜
    を形成する工程と、 前記軟磁性膜を研磨して前記反強磁性層間の前記非磁性
    基体上に残し、前記反強磁性層により分離された軟磁性
    層を形成する工程と、 前記軟磁性層及び前記反強磁性層を被覆して磁気記録層
    を形成する工程とを有することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 非磁性基体上に硬磁性膜を形成する工
    程と、 前記硬磁性膜をパターニングして複数の同心円状の帯状
    の硬磁性層を形成する工程と、 前記硬磁性層及び前記非磁性基体を被覆して軟磁性膜を
    形成する工程と、 前記軟磁性膜を研磨して前記硬磁性層間の前記非磁性基
    体上に残し、前記硬磁性層により分離された軟磁性層を
    形成する工程と、 前記軟磁性層及び前記硬磁性層を被覆して磁気記録層を
    形成する工程とを有することを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記硬磁性膜を形成する工程、或いは
    前記軟磁性層を形成する工程を半径方向に磁場を印加し
    ながら行い、前記硬磁性膜或いは前記硬磁性層を磁化す
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記硬磁性層を形成する工程の後、放
    射方向に磁場を印加して前記硬磁性層を磁化することを
    特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6531202B1 (en) * 1999-11-29 2003-03-11 Seagate Technology Llc Perpendicular magnetic recording media with reduced-noise soft magnetic underlayer
US6713197B2 (en) 2000-07-19 2004-03-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
US7271967B2 (en) 2004-10-28 2007-09-18 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. System and method for determining whether defect in perpendicular recording disk drive is from thermal asperity or defect in magnetically soft underlayer

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