JP4667720B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、ハードディスクなどの記憶装置に対しては、記憶容量の増大化が要求される。そのような要求を満たすべく、近年、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体が注目を集めている。垂直磁気記録方式の磁気記録媒体については、例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−109044号公報
【特許文献2】
特開平6−103550号公報
【特許文献3】
特開2001−283419号公報
【0004】
図10は、垂直磁気記録方式の従来の磁気記録媒体の一例である磁気ディスクX3を表す。図10では、磁気ディスクX3の部分斜視図が、記録用の磁気ヘッドHとともに表されている。また、図11は、磁気ディスクX3の積層構成を表す。
【0005】
磁気ディスクX3は、基板Sと、記録層31と、軟磁性層32と、中間層33と、密着層34と、保護膜35とからなる。各層は、密着層34、軟磁性層32、中間層33、記録層31、保護膜35の順で、基板Sの側から積層形成されたものである。記録層31は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜である。軟磁性層32は、比較的に高透磁率の磁性膜により構成され、当該磁性膜の膜面に平行な方向(面内方向)に磁化容易軸を有して磁化された面内磁化膜である。中間層33は、非磁性材料よりなり、記録層31および軟磁性層32を磁性的に分離するとともに、記録層31の積層形成の際に軟磁性層32の結晶格子構造の影響を回避するためのものである。密着層34は、非磁性材料よりなり、基板Sに対して、その上に積層形成される軟磁性層32を適切に固定するためのものである。保護膜35は、記録層31を外界から物理的に保護するためのものである。
【0006】
磁気ディスクX3への記録に際しては、図10に示すように、磁気ディスクX3の記録層31の側に電磁石である磁気ヘッドHを近接して対向させ、当該磁気ヘッドHにより、記録層31に対して記録磁界を印加する。記録磁界の一部は、記録層31を垂直に磁化して通過し、軟磁性層32にて向きを変えてから再び記録層31を垂直に通過して磁気ヘッドHへと帰還する。磁気ディスクX3に対して磁気ヘッドHを矢印Aで示す方向に相対移動させつつ磁気ヘッドHからの磁界の向きを変化させることにより、記録層31において、垂直方向に磁化されて交互に反転する複数の磁区が磁気ディスクX3のトラック方向に連なって形成される。このようにして、記録層31において、所定の信号に対応した磁区が記録されることとなる。一方、磁気ディスクX3の再生に際しては、記録層31の内部に形成された磁区からの磁界の方向の変化が、当該記録層31の磁化方向の変化として読取り用の磁気ヘッドを介して検出される。
【0007】
上述の記録処理においては、高透磁率の軟磁性層32が記録層31の下方に存在するため、記録層31における記録磁界の垂直成分は、当該軟磁性層32が存在しない場合よりも増大している。当該記録磁界垂直成分の増大は記録感度の向上に寄与することが知られている。このように、軟磁性層32は記録感度を向上するために設けられるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような軟磁性層32は相当程度に磁化率が高いため、磁気ディスクX3の再生においては、軟磁性層32に由来する磁界成分がノイズとして検出されてしまう。このように、垂直磁気記録方式の従来の磁気ディスクX3は、良好な再生を実現するのに困難性を有し、充分にノイズを低減できない場合がある。
【0009】
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、良好な記録とともに良好な再生を実現することのできる垂直磁気記録方式の磁気記録媒体、および、その製造方法を、提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると磁気記録媒体が提供される。この磁気記録媒体は、垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、記録層から第1軟磁性層までの間に位置し、且つ、垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このような構成を有する磁気記録媒体によると、良好な記録を実現することができる。本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体においては、相対的に記録層から遠い第1軟磁性層および相対的に記録層に近い第2軟磁性層により、記録層に対するいわゆる裏打ち軟磁性部が構成されている。第1および第2軟磁性層は高い透磁率を有する。また、第1軟磁性層が面内磁気異方性を有するのに対し、より記録層に近い第2軟磁性層は、記録層と同様に垂直磁気異方性を有する。このような裏打ち軟磁性部を備える磁気記録媒体に対する記録処理に際しては、記録磁界の一部は、記録層を垂直に磁化して通過し、垂直磁気異方性の第2軟磁性層を更に垂直に通過し、その後、面内磁気異方性の第1軟磁性層にて向きを変えてから再び第2軟磁性層および記録層を垂直に通過して磁気ヘッドへと帰還する。第1および第2軟磁性層が高い透磁率を有するので、記録層における記録磁界の垂直成分は、第1および第2軟磁性層が存在しない場合よりも相当な程度に大きい。また、記録磁界は、垂直磁気異方性の第2軟磁性層に対しては垂直方向に通過しやすく、面内磁気異方性の第1軟磁性層に対しては面内方向に通過しやすく、記録層に対して第1軟磁性層よりも第2軟磁性層の方が近接して設けられているので、記録層およびその近傍にて垂直方向に配向しやすい。そのため、本発明の第1の側面においては、記録層における記録磁界の垂直成分は、面内磁気異方性を有する軟磁性層が単独で裏打ち軟磁性部を構成する例えば磁気ディスクX3におけるそれよりも、大きい。このように、本発明の第1の側面によると、優れた記録感度を達成することができ、その結果、良好な記録を実現することが可能となるのである。
【0012】
また、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体によると、良好な再生を実現することができる。本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体においては、裏打ち軟磁性部は、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層および垂直磁気異方性を有する第2軟磁性層を含む。これら軟磁性層の保磁力は、記録層と比較して相当程度に小さく、第2軟磁性層は記録層および第1軟磁性層の間に位置する。記録磁界が印加されていないときには、第2磁性層は、自身の磁気エネルギーを最小とすべく、隣接する磁区の磁化を反転させて磁束を閉じる。第2軟磁性層の磁束が閉じると、第1軟磁性層からの磁界は、充分に遮断されて、記録層の側への漏出が阻止ないし充分に抑制される。第2軟磁性層のこのような磁束閉状態は、磁気記録媒体の再生の際にも維持され、再生時の磁気ヘッドの位置における、第1および第2軟磁性層に由来する磁界成分は、消失ないし充分に低減される。このように、本発明の第1の側面の磁気記録媒体によると、再生時においてノイズ磁界を消失ないし充分に低減することができ、その結果、良好な再生を実現することが可能となるのである。再生時のノイズ磁界の低減は、記録層における高記録密度化にも寄与する。
【0013】
このように、本発明の第1の側面に係る磁気記録媒体によると、良好な記録を実現することができるとともに、良好な再生を実現することができるのである。このような磁気記録媒体は、高記録密度な垂直磁気記録方式媒体として実用に適している。
【0014】
本発明の第1の側面においては、好ましくは、第1軟磁性層および第2軟磁性層の間には、非磁性層が介在している。このような構成によると、第1軟磁性層の上位に第2軟磁性層を積層形成する際に、第1軟磁性層の結晶格子構造の影響を受けずに第2軟磁性層を形成することができる。加えて、両軟磁性層を磁性的に適切に分離することができる。
【0015】
好ましくは、記録層および第2軟磁性層の間には、非磁性層が介在している。当該非磁性層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、または酸化マグネシウムよりなるのが好ましい。これらのような構成によると、第2軟磁性層の上位に記録層を積層形成する際に、第2軟磁性層の結晶格子構造の影響を受けずに記録層を形成することができる。加えて、両層を磁性的に適切に分離することができる。
【0016】
好ましくは、記録層は、貴金属およびその他の遷移金属よりなる磁性材料を含む。このような磁性材料は、垂直磁気記録方式における記録層を構成する材料として好適である。
【0017】
好ましくは、第2軟磁性層は、垂直方向に延びて垂直磁気異方性を有する複数の磁性コラムと非磁性領域とを含む磁性コラム構造を有するグラニュラ垂直磁化軟磁性層よりなる。グラニュラ垂直磁化軟磁性膜においては、その形状異方性に起因して、比較的大きな飽和磁化を維持しつつ、垂直方向に磁化容易軸を形成することができる。磁性コラムの延び方向長さは、好ましくは、当該磁性コラムの直径より長い。このような構成は、第2軟磁性層において良好な形状効果を確保するうえで好適である。また、記録層を構成する磁性粒子の粒径に対する、磁性コラムの直径の比率は、好ましくは0.5〜0.95である。このような構成は、第2軟磁性層において充分な強度の磁化を得るうえで好適である。
【0018】
本発明の第2の側面によると、垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、記録層から第1軟磁性層までの間に位置し且つ垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備える磁気記録媒体を製造するための方法が提供される。この製造方法は、基材の上に第1軟磁性層を形成するための工程と、第1軟磁性層の上位に第2軟磁性層を形成するための工程と、第2軟磁性層上に非磁性材料を堆積することによって非磁性材料膜を形成するための非磁性材料膜形成工程と、非磁性材料膜上に複数の磁性化可能粒子を形成するための粒子形成工程と、磁性化可能粒子に対してイオンを照射することにより、当該磁性化可能粒子を非磁性材料膜の内部へと移動させるためのイオン照射工程と、非磁性材料膜の内部における磁性化可能粒子を、垂直磁気異方性を有するように磁性化させることにより、非磁性材料膜の少なくとも一部において記録層を形成するための記録層形成工程と、を含むことを特徴とする。基材とは、軟磁性層以上の積層構造が形成されるベースとなる部材であって、基板単体、および、積層面に密着層が既に積層形成された基板を含む。また、第1軟磁性層の上位に第2軟磁性層を形成するとは、第1軟磁性層上に第2軟磁性層を直接形成する場合、および、第1軟磁性層に対して例えば非磁性層を介して第2軟磁性層を形成する場合を含む。また、磁性化とは、自発磁化を有する性質を獲得することをいうものとする。
【0019】
このような方法によると、第1の側面に係る磁気記録媒体を製造することができる。したがって、本発明の第2の側面によると、得られる磁気記録媒体において、第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。
【0020】
加えて、第2の側面に係る方法によると、記録層の記録分解能に優れた磁気記録媒体を製造することができる。磁気記録媒体の技術の分野においては、記録層における磁性機能を発現する磁性粒子の粒径が小さいほど、記録ノイズが小さくなり、当該記録層の記録分解能は向上することが知られている。また、磁性材料にて高い保磁力を生じさせるためには当該磁性材料を比較的に高温で熱処理する必要があるが、高温で熱処理すると、磁性粒子どうしが結合して成長することが知られている。本発明の第2の側面に係る製造方法においては、粒子形成工程にて、例えば加熱処理で促進される結晶化により磁性を獲得することが可能な非磁性粒子が、磁性化可能粒子として非磁性材料膜表面に一旦形成される。このとき、当該磁性化可能粒子は、所望の小さな粒径で形成される。次に、イオン照射工程にて、当該微小粒子が非磁性材料膜の内部へと埋没される。次に、記録層形成工程にて、当該微小粒子は結晶化が進んで垂直磁気異方性の磁性を獲得し、当該磁性粒子が所定の密度で存在する領域にて記録層が形成される。当該記録層形成工程では、粒子間の非磁性材料が障壁となって、近隣の粒子どうしの一体化は阻止または抑制される。その結果、当該粒子は小さな粒径を維持しつつ結晶化して磁性を獲得することができるのである。磁性粒子の粒径が小さいので、再生の際の記録層における記録ノイズは小さい、即ち、記録分解能は高い。このように、本発明の第2の側面に係る磁気記録媒体製造方法によると、記録層の磁性機能を発現する磁性粒子について小さな粒径を達成することができ、従って、記録分解能に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となるのである。
【0021】
本発明の第3の側面によると、垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、記録層から第1軟磁性層までの間に位置し且つ垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備える磁気記録媒体を製造するための他の方法が提供される。この製造方法は、基材の上に第1軟磁性層を形成するための工程と、第1軟磁性層の上位に第2軟磁性層を形成するための工程と、第2軟磁性層上に非磁性材料を堆積することによって非磁性材料膜を形成するための非磁性材料膜形成工程と、非磁性材料膜上に複数の磁性粒子を形成するための粒子形成工程と、磁性粒子に対してイオンを照射することにより、当該磁性粒子を非磁性材料膜の内部へと移動させ、非磁性材料膜の少なくとも一部において記録層を形成するための記録層形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
このような方法によると、第1の側面に係る磁気記録媒体を製造することができる。したがって、本発明の第3の側面によると、得られる磁気記録媒体において、第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。また、第3の側面に係る製造方法においては、粒子形成工程にて、例えば垂直磁気異方性の磁性を既に獲得している磁性粒子が非磁性材料膜表面に一旦形成される。このとき、当該磁性粒子は、所望の小さな粒径で形成される。次に、記録層形成工程にて、当該磁性粒子が非磁性材料膜の内部へと埋没され、当該磁性粒子が所定の密度で存在する領域にて記録層が形成される。記録層を構成する磁性粒子は粒子形成工程にて所望の小さな粒径に調節される。磁性粒子の粒径が小さいので、再生の際の記録層における記録ノイズは小さい、即ち、記録分解能は高い。このように、本発明の第3の側面に係る磁気記録媒体製造方法によっても、第2の側面に係る方法と同様に、記録層の磁性機能を発現する磁性粒子について小さな粒径を達成することができ、従って、記録分解能に優れた磁気記録媒体を製造することが可能となるのである。
【0023】
本発明の第2および第3の側面においては、好ましくは、非磁性材料は非磁性酸化物である。粒子形成工程では、好ましくは、磁性化可能粒子または磁性粒子はスパッタリング法により形成される。スパッタリング法により、非磁性材料膜上に所定の材料をいわゆる島状に堆積することによって、磁性化可能粒子または磁性粒子を形成することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体X1を表す。図1は、磁気記録媒体X1の部分断面を模式的に表したものである。磁気記録媒体X1は、基板Sと、記録層11と、軟磁性層12,13と、非磁性層14,15と、密着層16と、保護膜17とを備える垂直磁気記録方式磁気ディスクとして構成されたものであり、図2に示す積層構成を有する。
【0025】
基板Sは、例えばアルミニウム合金、ガラス、セラミックスからなる非磁性基板である。基板Sの表面は、化学的方法、物理的方法、または機械的方法により、平滑化されている。
【0026】
記録層11は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有する垂直磁気異方性を呈し、図中上方向または下方向に磁化されている。また、記録層11は、大きな保磁力を有し、垂直磁界に対する磁化の磁界依存性については例えば図3のグラフにて表すようなヒステリシスループを示す。このような記録層11は、例えば、CoCrPt,CoCrPt‐SiO2,CoCrTa,CoPt,TbFeCoなどのCo系合金、若しくは、FePt,γFe23などのフェライト系合金より構成することができる。記録層11の厚さは、例えば3〜30nmである。
【0027】
軟磁性層12は、グラニュラ垂直磁化軟磁性膜よりなる。当該グラニュラ垂直磁化軟磁性膜は、軟磁性材料よりなる磁性コラム12aと、これを包囲する非磁性材料よりなる非磁性領域12bとからなる。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイ(FeNi)およびセンダスト(FeSiAl)などの結晶化材料や、CoZrNbおよびFeSiCなどの微結晶材料ないしアモルファス材料などが用いられる。非磁性材料としては、例えば、SiO2,Al23,MgOなどの酸化物材料などが用いられる。軟磁性層12は、複数の磁性コラム12aの形状磁気異方性により、記録層11の磁化容易軸と同様に垂直方向に磁化容易軸を有し、当該垂直方向に磁化されている。また、軟磁性層12は、記録層11よりも小さな保磁力を有し、例えば図4のグラフにて表すような磁化の磁界依存性を示す。図4のグラフにおいて、曲線41は、垂直磁界に対する磁化の磁界依存性を表し、曲線42は、面内磁化に対する磁化の磁界依存性を表す。軟磁性層12の厚さは、例えば10〜100nmである。本実施形態では、磁性コラム12aの延び方向長さは、当該磁性コラム12aの直径より長い。このような構成は、軟磁性層12を垂直磁化膜として形成するうえで好適である。
【0028】
軟磁性層13は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して平行な方向に磁化容易軸を有する面内磁気異方性を呈し、当該面内方向に磁化されている。軟磁性層13の磁化容易軸および磁化方向は、ディスクの半径方向に向いているのが好ましい。軟磁性層13は、記録層11よりも小さな保磁力を有する。このような軟磁性層13は、例えば、パーマロイ、センダスト、Co系アモルファス材料、またはFe系アモルファス材料より構成することができる。軟磁性層13の厚さは、例えば50〜300nmである。
【0029】
非磁性層14は、非磁性材料よりなり、記録層11および軟磁性層12を磁性的に適切に分離するとともに、記録層11の積層形成の際に軟磁性層12の結晶格子構造の影響を回避するためのものである。非磁性層15は、非磁性材料よりなり、軟磁性層12および軟磁性層13を磁性的に適切に分離するとともに、軟磁性層12の積層形成の際に軟磁性層13の結晶格子構造の影響を回避するためのものである。非磁性層14,15は、例えば、SiO2,Al23,MgO,Cr,Ti,またはCrMoよりなる。非磁性層14,15の厚さは例えば0.5〜10nmである。
【0030】
密着層16は、基板Sに対して、その上に積層形成される軟磁性層12を適切に固定するためのものであり、例えば、Cr,Ti,NiP,NiAlよりなる。密着層16の厚さは、例えば1〜20nmである。保護膜17は、記録層11を外界から物理的に保護するためのものであり、例えば、アモルファスカーボン、ダイアモンドライクカーボン,SiN,またはSiCよりなる。保護膜17の膜厚は、例えば0.5〜5nmである。
【0031】
磁気記録媒体X1の製造においては、基板Sに平滑化表面処理を施した後、当該基板Sに対し、密着層16、軟磁性層13、非磁性層15、軟磁性層12、非磁性層14、および記録層11を、順次、積層形成する。これらの層は、各々に対応する所定の材料からなる単一の又は複数のターゲットを用いたスパッタリング法により、形成することができる。その後、記録層11の上に保護膜17を形成する。保護膜17は、例えばスパッタリング法やMOCVD法により形成することができる。
【0032】
磁気記録媒体X1への記録に際しては、図5に示すように、磁気記録媒体X1の記録層11の側に電磁石である磁気ヘッドHを近接して対向させ、当該磁気ヘッドHにより、記録層11に対して記録磁界を印加する。記録磁界の一部は、記録層11を垂直に磁化して通過し、非磁性層13を経て更に軟磁性層12を垂直に通過し、その後、非磁性層14を経て軟磁性層13にて向きを変えてから再び軟磁性層12および記録層11を垂直に通過して磁気ヘッドへと帰還する。磁気記録媒体X1に対して磁気ヘッドHを矢印Aで示す方向に相対移動させつつ磁気ヘッドHからの磁界の向きを変化させることにより、記録層11において、垂直方向に磁化されて交互に反転する複数の磁区が磁気記録媒体X1のトラック方向に連なって形成される。このようにして、記録層11において、所定の信号に対応した磁区が記録されることとなる。
【0033】
磁気記録媒体X1においては、相対的に記録層11に近い軟磁性層12および相対的に記録層11から遠い軟磁性層13により、当該記録層11に対する裏打ち軟磁性部が構成されている。軟磁性層12,13を構成する磁性材料は、軟磁性部として充分に高い透磁率を有する。また、軟磁性層13が面内磁気異方性を有するのに対し、軟磁性層12は、記録層11と同様に垂直磁気異方性を有する。このような裏打ち軟磁性部を具備する磁気記録媒体X1では、上述の記録処理において、大きな記録磁界を得ることができる。具体的には、垂直磁気異方性の軟磁性層12の存在に起因して、記録層11およびその近傍における記録磁界は垂直方向に配向しやすくなる。すなわち、記録層11およびその近傍の記録磁界の垂直成分は増大する。したがって、磁気記録媒体X1においては、面内磁気異方性の軟磁性層が単独で裏打ち軟磁性部を構成する従来の磁気記録媒体(例えば、図10を参照して上述した磁気ディスクX3)の場合よりも、大きな記録磁界を得ることができるのである。記録磁界が大きいほど記録感度は向上する。このように、磁気記録媒体X1によると、優れた記録感度を達成することができ、その結果、良好な記録を実現することが可能となる。
【0034】
磁気記録媒体X1においては、裏打ち軟磁性部は、垂直磁気異方性を有する軟磁性層12および面内磁気異方性を有する軟磁性層13を含んで構成されている。これら軟磁性層12,13の保磁力は記録層11のそれと比較して相当程度に小さく、軟磁性層12は記録層11および軟磁性層13の間に位置する。垂直磁気異方性であり且つ充分に保磁力の小さな軟磁性層12は、記録磁界が印加されていないときには、図6に示すように、自身の磁気エネルギーを最小とすべく、隣接する磁性コラム12aの磁化を反転させて磁束を閉じる。軟磁性層12の磁束が閉じると、軟磁性層13からの磁界は、充分に遮断されて、記録層11の側への漏出が阻止ないし充分に抑制される。軟磁性層12のこのような磁束閉状態は、磁気記録媒体X1の再生の際にも維持され、再生時の磁気ヘッドの位置における軟磁性層12,13に由来する磁界成分は、消失ないし充分に低減される。このように、磁気記録媒体X1によると、再生時においてノイズ磁界を消失ないし充分に低減しつつ記録層11の磁化方向の変化を読取り用の磁気ヘッドを介して適切に検出することができ、その結果、良好な再生を実現することが可能となる。再生時のノイズ磁界の低減は、記録層11における高記録密度化にも寄与する。
【0035】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体X2の部分断面模式図である。磁気記録媒体X2は、基板Sと、記録層21と、軟磁性層12,13と、非磁性層14,15と、密着層16と、保護膜17とを備える垂直磁気記録方式磁気ディスクとして構成されたものであり、磁気記録媒体X1と同様の、図2に示すような積層構成を有する。磁気記録媒体X2は、記録層11とは異なる記録層21を備える点において磁気記録媒体X1と相違し、他の構成については磁気記録媒体X1と同様である。
【0036】
記録層21は、磁性を発現するための磁性粒子21aが非磁性材料21bに内包された孤立微粒子構造を有し、記録層11と同様に垂直磁気異方性を呈して図中上方向または下方向に磁化されている。また、記録層21は、大きな保磁力を有し、垂直磁界に対する磁化の磁界依存性については例えば図3のグラフに表すようなヒステリシスループを示す。磁性粒子21aの粒径は、例えば2〜10nmであり、当該磁性粒子21aの粒径に対する、磁性コラム12aの直径の比率は、0.5〜0.95である。また、非磁性材料21bは非磁性層14と連続している。
【0037】
図8および図9は、磁気記録媒体X2の製造方法を表す。磁気記録媒体X2の製造においては、まず、基板Sに平滑化表面処理を施した後、当該基板Sに対し、密着層16、軟磁性層13、非磁性層15、および軟磁性層12を順次積層形成することによって、図8(a)に示すような積層構造体を形成する。これらの層は、各々に対応する所定の材料からなる単一の又は複数のターゲットを用いたスパッタリング法により、形成することができる。次に、スパッタリング法により、図8(b)に示すように、軟磁性層12の上に非磁性材料21bを成膜する。このとき、形成されることとなる記録層21および非磁性層14において所望の厚さを得るための膜厚で非磁性材料21bは成膜される。
【0038】
次に、図8(c)に示すように、成膜された非磁性材料21bの上に微粒子21a’を形成する。具体的には、所定のターゲットを用いたスパッタリング法により、非磁性材料21bの上に所定の材料を堆積することによって、後の工程で磁性化が可能な微粒子21a’を形成する。微粒子21a’は、所望の小さな粒径で形成される。また、磁性化可能な微粒子21a’は、例えば加熱処理を経て結晶化が進むことにより磁性化することが可能な材料よりなる。そのような磁性化可能材料としては、例えば、FePt,CoPt,CoCrPtなどが挙げられる。また、そのような磁性化可能材料は、非磁性材料21bよりも表面エネルギーの大きい金属や合金が望ましい。微粒子21a’を構成するための材料の表面エネルギーが非磁性材料21bのそれよりも大きく、且つ、両表面エネルギーの差が大きいほど、本工程で形成される当該微粒子21a’は、より小径で粒子化することが可能である。
【0039】
次に、このようにして形成した微粒子21a’を、図9(a)に示すように、非磁性材料21bの内部に埋没させる。具体的には、所定のエネルギーを有するイオンを、微粒子21a’の上方から照射することによって、非磁性材料21bの内部へと微粒子21a’を移動させる。所定の閾値以上のエネルギーでイオン照射すると、微粒子21a’は非磁性材料21bの内部へと適切に進入することが可能となる。本工程は、イオン照射装置を使用して行うことができ、イオンビームとしては、KrイオンビームやXeイオンビームなどを用いることができる。
【0040】
次に、加熱処理を施すことによって、図9(b)に示すように、微粒子21a’を磁性化させて磁性粒子21aを形成する。これにより、非磁性材料21bが当初成膜された領域において、非磁性層14と記録層21が形成されることとなる。本工程において、微粒子21a’は、加熱されて結晶化が進行することにより、所定の磁性を獲得していく。磁性を獲得する過程において、微粒子21a’の周りには非磁性材料21bが存在し、この非磁性材料21bが障壁となって、近隣の微粒子21a’どうしの一体化は阻止または抑制される。そのため、微粒子21a’は小さな粒径を維持しつつ結晶化して磁性を獲得することができるのである。
【0041】
次に、スパッタリング法により、図9(c)に示すように、記録層21の上に保護膜17を形成する。以上のようにして、磁気記録媒体X2を製造することができる。
【0042】
磁気記録媒体X2の製造では、図8(c)を参照して上述した工程において、後に磁性化が可能な非磁性の微粒子21a’に代えて、垂直磁気異方性の磁性を既に有する微粒子を形成してもよい。当該微粒子は、所望の小さな粒径で形成される。このような磁性微粒子を形成するためには、堆積材料として、例えば、Co/PtやCo/Pdなどの人工格子多層膜を用いることができる。これら多層膜は、CoとPtまたはPdとを数原子ごとに室温で交互に積層することにより、垂直方向に磁化容易軸を有する垂直磁化膜として形成される。図8(c)を参照して上述した工程において磁性粒子を形成するこのような手法を採用する場合には、図9(a)を参照して上述したイオン照射工程にて磁性微粒子が非磁性材料21bの内部に埋没することによって、磁気記録媒体X2の非磁性層14および記録層21が形成されることとなる。そのため、図9(b)を参照して上述したような、非磁性材料21bの内部の微粒子に磁性を獲得させるための加熱処理は行なわなくともよい。このような方法によっても、磁気記録媒体X2を製造することができる。
【0043】
磁気記録媒体X2は、磁気記録媒体X1と同様の裏打ち軟磁性部、即ち、グラニュラ垂直磁化軟磁性層である軟磁性層12と面内磁化軟磁性膜である軟磁性層13とを含む積層構造を有し且つ軟磁性層12の側が記録層に近接配置する軟磁性部を具備する。したがって、磁気記録媒体X2によると、磁気記録媒体X1に関して上述したのと同様に、記録時において優れた記録感度を達成することができ、その結果、良好な記録を実現することが可能となる。また、磁気記録媒体X2によると、磁気記録媒体X1に関して上述したのと同様に、再生時においてノイズ磁界を消失ないし充分に低減しつつ記録層21の磁化方向の変化を適切に検出することができ、その結果、良好な再生を実現することが可能となる。再生時のノイズ磁界の低減は、記録層21における高記録密度化にも寄与する。
【0044】
加えて、磁気記録媒体X2は、記録層21の記録分解能に優れている。磁気記録媒体X2の製造方法においては、上述のように、記録層21の磁性を発現するための磁性粒子21aを、非磁性材料21bの内部にて微小に形成することができる。記録層における磁性機能を発現する磁性粒子の粒径が小さいほど、記録ノイズが小さくなり、当該記録層の記録分解能が高くなることが知られている。したがって、上述の方法により製造される磁気記録媒体X2においては、記録層21の磁性機能を発現する磁性粒子21aについて小さな粒径を達成することができ、従って、高い記録分解能を得ることが可能となるのである。
【0045】
【実施例】
次に、本発明の実施例について記載する。
【0046】
【実施例1】
<磁気記録媒体の作製>
図2に示す積層構成を有する磁気記録媒体を作製した。具体的には、まず、表面粗さRaが0.2nm以下となるまでポリッシングによる表面平滑化処理を施したガラスディスク基板(φ2.5インチ、日本板硝子製)に対し、スパッタリング法によりCrを成膜することによって、厚さ5nmの密着層を形成した。当該スパッタリングには、複数のターゲットを具備することのできるインライン式のスパッタリング装置(商品名:C3010、アネルバ製)を使用した。以降のスパッタリングにおいてもこの装置を使用した。本スパッタリングでは、スパッタリングガスとしてArを使用し、ガス圧力を0.3Paとし、スパッタリング速度を40nm/minとした。以降のスパッタリングにおいてもスパッタリングガスとしてArガスを使用した。
【0047】
次に、スパッタリング法により密着層上にCoZrNbを成膜することによって、厚さ100nmの面内磁化軟磁性層を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を0.3Paとし、スパッタリング速度を30nm/minとした。形成された面内磁化軟磁性層は、Co85Zr10Nb5の組成を有し、飽和磁束密度は1.1T(テスラ)であった。次に、スパッタリング法により面内磁化軟磁性層上にCrを成膜することによって、厚さ5nmの第1の非磁性層を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を0.5Paとし、スパッタリング速度を20nm/minとした。
【0048】
次に、スパッタリング法により非磁性層上にFeNi−SiO2を成膜することによって、グラニュラ垂直磁化軟磁性層(厚さ:100nm、コラム径:5nm、コラム間の非磁性領域の幅:1nm)を形成した。具体的には、Fe50Ni50ターゲットとSiO2ターゲットを同時にスパッタすることで当該層を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を0.4Paとし、スパッタリング速度を25nm/minとした。本スパッタリングでは、FeNiとSiO2が層状構造にはならず、堆積成長する過程でFeNiはSiO2を吐出する。これにより、垂直方向に延びて垂直磁気異方性を有する複数の磁性コラム(FeNi)と非磁性材料(SiO2)とを含む磁性コラム構造が形成される。本構成においては、FeNiコラムの各々が、形状磁化異方性に起因して、垂直方向に磁化容易軸を有することになる。形成されたグラニュラ垂直磁化軟磁性層は、(Fe50Ni5090(SiO210の組成を有し、飽和磁束密度は0.7Tを示した。また、当該軟磁性層について磁化の磁界依存性を測定したところ、当該軟磁性層は図4に示すような特性を示し、当該軟磁性層の保磁力が充分に小さいことを確認した。
【0049】
次に、スパッタリング法によりグラニュラ垂直磁化軟磁性層上にSiO2を成膜することによって、厚さ5nmの第2の非磁性層を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を1.0Paとし、スパッタリング速度を15nm/minとした。
【0050】
次に、スパッタリング法により非磁性層上にCoCrPt-SiO2を成膜することによって、厚さ23nmの垂直磁気異方性の記録層を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を1.5Paとし、スパッタリング速度を10nm/minとした。形成された記録層は、Co70Cr18Pt12-SiO2の組成を有し、保磁力は4.5kOeを示し、飽和磁束密度は0.43Tを示した。当該記録層について磁化の磁界依存性を測定したところ、当該記録層は図3に示すような依存性を示し、当該記録層の保磁力が充分に大きいことを確認した。
【0051】
次に、スパッタリング法により記録層上にアモルファスカーボンを成膜することによって、厚さ5nmの保護膜を形成した。本工程では、スパッタリングガスとしてArを使用し、ガス圧力を0.3Paとし、スパッタリング速度を60nm/minとした。以上のようにして、本実施例の磁気記録媒体を作製した。
【0052】
<特性評価>
上述のようにして作製した磁気記録媒体に対して、オーバーライト特性を調べた。具体的には、まず、ライト電流を30mAとした単磁極ヘッド(単磁性部の磁束密度Bs:2T、ライトコアの幅:0.2μm)を使用して、本実施例の磁気記録媒体に対して線記録密度400kFCI(Flux Change per Inch)の信号を記録した後、同一の単磁極ヘッドを使用して更に線記録密度20kFCIの信号を記録した。次に、GMRヘッド(再生コアの幅:0.16μm、シールドギャップ長:0.08μm)を使用して当該記録信号を再生した。再生に際し、スペクトルアナライザ(アンリツ製)を使用して、20kFCI記録信号の出力を検出したところ、43dBであり、良好なオーバーライト特性が得られた。また、線記録密度20kFCIの再生信号振幅は0.7mVであり、このときの媒体ノイズNmは3μVrmsであった。一方、線記録密度300kFCIの信号を記録し、当該記録信号を再生する際の媒体ノイズNmを測定したところ、6μVrmsであった。
【0053】
【比較例1】
第1の非磁性層およびグラニュラ垂直磁化軟磁性層を形成しない以外は実施例1と同様にして、本比較例の磁気記録媒体を作製した。この磁気記録媒体について、実施例1と同様にして特性評価を行ったところ、オーバーライト特性については43dBであった。線記録密度20kFCIの再生信号振幅は0.72mVであり、このときの媒体ノイズNmは3μVrmsであった。一方、線記録密度300kFCIの記録信号を再生する際の媒体ノイズNmは11μVrmsであった。また、スペクトルアナライザを使用して、線記録密度300kFCIの記録信号を再生する際の再生スペクトルを調べたところ、面内磁化軟磁性層に由来するノイズが非常に大きいことが判った。記録信号の線記録密度の大きくなるほど、軟磁性層に由来する媒体ノイズは相対的に大きくなる傾向にあるが、このように、本比較例の磁気記録媒体は、実施例1の磁気記録媒体と比較して、線記録密度300kFCI程度以上の記録信号の再生の際に媒体ノイズNmの増大が顕著となることがわかった。上述の実施例1および比較例1の特性評価の結果から、記録層の直下にグラニュラ垂直磁化軟磁性層が存在する場合には、高線記録密度の信号を記録する場合にも、記録性能を劣化させることなくノイズが不当に大きく上昇しないことが判る。
【0054】
【実施例2〜4】
<磁気記録媒体の作製>
グラニュラ垂直磁化軟磁性層を形成する前に第1の非磁性層であるCr層を酸素に対して暴露した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4の磁気記録媒体を作製した。酸素の暴露量は、1Lないし約0.2分間(実施例2)、10Lないし約2分間(実施例3)、または100Lないし約5分間(実施例4)とした。
【0055】
グラニュラ垂直磁化軟磁性層においては、磁性コラムの直径に対して当該軟磁性層の厚さ(磁性コラムの高さ)を大きくすれば、垂直磁気異方性が増大する傾向にある。したがって、グラニュラ垂直磁化軟磁性層の厚さを100nmに設定する場合、層内に形成される磁性コラムの直径を制御することによって、当該軟磁性層がどの程度の垂直磁気異方性を獲得できるのかについて調べることができる。実施例2〜4の磁気記録媒体の作製では、第1の非磁性層(Cr層)における酸素リッチな表面にスパッタされたFeNi(磁性コラム構成材料)がCr層と強固に密着し、Cr層上のFeNiの移動は抑制される。その結果、堆積成長するFeNiからSiO2(グラニュラ垂直磁化軟磁性層の非磁性領域構成材料)が吐出されて、細い磁性コラムが成長しやすいのである。各実施例の磁気記録媒体について、磁性コラム(FeNi)の直径を調べたところ、実施例2では直径4.5nm、実施例3では4nm、実施例4では3nmであった。加えて、実施例2〜4では、このようなコラム径の減少に伴って、磁性コラム間の非磁性領域(SiO2)も薄くなったことが確認された。また、実施例2〜4のグラニュラ垂直磁化軟磁性層の飽和磁化の値は全て、約0.7Tであり同程度であった。
【0056】
<特性評価>
実施例2〜4の磁気記録媒体について、実施例1と同様にして、線記録密度300kFCIの信号を記録した後に当該記録信号のを再生した場合の媒体ノイズNmを測定した。その結果、実施例2では、2.8μVrmsであり、実施例3では2.6μVrmsであり、実施例4では2.4μVrmsであった。これらの値は、実施例1よりも小さい。このように、グラニュラ垂直磁化軟磁性層における磁性コラムのアスペクト比(高さ/コラム径)を大きくすると、媒体ノイズを低減できることが判った。
【0057】
【実施例5】
<磁気記録媒体の作製>
図2に示す層構成を有する磁気記録媒体を、実施例1とは異なる工程を含む方法により作製した。具体的には、まず、実施例1と同様にして、表面粗さRaが0.2nm以下となるまでポリッシングによる表面平滑化処理を施したガラスディスク基板(φ2.5インチ、日本板硝子製)に対し、密着層(Cr、厚さ5nm)、面内磁化軟磁性層(Co85Zr10NB5、厚さ100nm)、第1の非磁性層(Cr、厚さ5nm)、およびグラニュラ垂直磁化軟磁性層(Fe50Ni50−SiO2、厚さ:100nm、コラム径:5nm、コラム間の非磁性領域の幅:1nm)を形成した。
【0058】
次に、スパッタリング法により、グラニュラ垂直磁化軟磁性層上にSiO2を成膜することによって、厚さ12nmの非磁性材料膜を形成した。本スパッタリングでは、ガス圧力を1.0Paとし、スパッタリング速度を15nm/minとした。次に、スパッタリング法により非磁性材料膜上にFe50Pt50を島状に堆積成長させることによって、直径約5nmの非磁性微粒子を形成した。本スパッタリングでは、ターゲットとしてFe50Pt50を使用し、ガス圧力を1.0Paとし、スパッタリング速度を5nm/minとし、基板温度は室温とした。
【0059】
次に、非磁性微粒子に対してKrイオンを照射することによって、当該微粒子を非磁性材料膜の内部に埋没させた。これにより、非磁性材料膜が当初形成された領域において、グラニュラ垂直磁化軟磁性層上の非磁性層と、その上の記録層とが形成された。当該イオン照射工程における照射イオンのエネルギーは500keVとした。また、本工程では、微粒子の全体が第2の非磁性層内に進入した後は、それ以上にKrインオを照射しても当該微粒子は第2の非磁性層にそれ以上入り込むことはなかった。当該イオン照射の後、400℃で10分間、熱処理を行なった。その結果、FePtは、その結晶性が向上して規則合金となり、磁化を示した。このようにして形成された記録層の保磁力Hcは7kOeであり、飽和磁化の値Msは0.94Tであった。磁化は膜面に対して垂直方向を向いており、垂直磁気異方性を有していた。
【0060】
<特性評価>
本実施例の磁気記録媒体について、実施例1と同様にして、線記録密度20kFCIの信号を記録した後に当該記録信号のを再生したところ、当該信号振幅は0.67mVであり、800kFCIの媒体ノイズは5μVrmsであった。したがって、磁気ディスク媒体で一般的に利用される性能評価方法、即ち、孤立マーク(本実施例では20kFCIの信号)の再生信号振幅を高線記録密度の信号(本実施例では800kFCIの信号)を再生する際の媒体ノイズで除した値、S@20kFCI/Nm@800kFCIは42.5dBであった。
【0061】
【比較例2】
グラニュラ軟磁性層を形成した後に、SiO2を12nmの厚さで成膜したのに代えてSiO2を5nmの厚さで成膜することによって第2の非磁性層を形成し、且つ、当該第2の非磁性層上にFe50Pt50を100nmの厚さで成膜することによって記録層を形成した後に当該記録層を加熱処理(加熱温度:400℃、加熱時間:60秒)した以外は、実施例5と同様にして、本比較例の磁気記録媒体を作製した。この磁気記録媒体について、実施例5と同様にしてS@20kFCI/Nm@800kFCIの値を求めたところ、38.5dBであった。この結果から、本発明に係る実施例5の磁気記録媒体は、比較例2の磁気記録媒体よりも、媒体ノイズが小さく、記録分解能に優れていることが理解できよう。
【0062】
【実施例6】
第2の非磁性層の構成材料としてSiO2に代えてAl23を用い、且つ、イオン照射エネルギーを500keVに代えて600keVとした以外は、実施例5と同様にして、磁気記録媒体を作製した。Al23は、SiO2よりも、融点が高いので、結晶格子を構成する各原子間の結合エネルギーは大きい傾向にある。非磁性材料膜を構成する非磁性材料の原子間結合エネルギーが大きいほど、当該膜内で磁性化する粒子どうしの一体化は阻止または抑制され、従って、小径の磁性粒子を形成するうえでは好適であるといえる。本実施例の磁気記録媒体について、実施例5と同様にして再生特性を調べたところ、実施例5と同様な結果が得られた。
【0063】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0064】
(付記1)垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、
面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、
前記記録層から前記第1軟磁性層までの間に位置し、且つ、垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備えることを特徴とする磁気記録媒体。
(付記2)前記第1軟磁性層および前記第2軟磁性層の間には、非磁性層が介在している、付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記3)前記記録層および前記第2軟磁性層の間には、非磁性層が介在している、付記1または2に記載の磁気記録媒体。
(付記4)前記非磁性層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、または酸化マグネシウムよりなる、付記3に記載の磁気記録媒体。
(付記5)前記第2軟磁性層は、垂直方向に延びて垂直磁気異方性を有する複数の磁性コラムと非磁性領域とを含む磁性コラム構造を有する、付記1から4のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。
(付記6)前記磁性コラムの延び方向長さは、当該磁性コラムの直径より長い、付記5に記載の磁気記録媒体。
(付記7)前記記録層を構成する磁性粒子の粒径に対する、前記磁性コラムの前記直径の比率は、0.5〜0.95である、付記6に記載の磁気記録媒体。
(付記8)前記記録層は、貴金属およびその他の遷移金属よりなる磁性材料を含む、付記1から7のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。
(付記9)垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、前記記録層から前記第1軟磁性層までの間に位置し且つ垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備える磁気記録媒体を製造するための方法であって、
基材の上に前記第1軟磁性層を形成するための工程と、
前記第1軟磁性層の上位に前記第2軟磁性層を形成するための工程と、
前記第2軟磁性層上に非磁性材料を堆積することによって非磁性材料膜を形成するための非磁性材料膜形成工程と、
前記非磁性材料膜上に複数の磁性化可能粒子を形成するための粒子形成工程と、
前記磁性化可能粒子に対してイオンを照射することにより、当該磁性化可能粒子を前記非磁性材料膜の内部へと移動させるためのイオン照射工程と、
前記非磁性材料膜の内部における前記磁性化可能粒子を、垂直磁気異方性を有するように磁性化させることにより、前記非磁性材料膜の少なくとも一部において前記記録層を形成するための記録層形成工程と、を含むことを特徴とする、磁気記録媒体の製造方法。
(付記10)垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、前記記録層から前記第1軟磁性層までの間に位置し且つ垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する第2軟磁性層と、を備える磁気記録媒体を製造するための方法であって、
基材の上に前記第1軟磁性層を形成するための工程と、
前記第1軟磁性層の上位に前記第2軟磁性層を形成するための工程と、
前記第2軟磁性層上に非磁性材料を堆積することによって非磁性材料膜を形成するための非磁性材料膜形成工程と、
前記非磁性材料膜上に複数の磁性粒子を形成するための粒子形成工程と、
前記磁性粒子に対してイオンを照射することにより、当該磁性粒子を前記非磁性材料膜の内部へと移動させ、前記非磁性材料膜の少なくとも一部において前記記録層を形成するための記録層形成工程と、を含むことを特徴とする、磁気記録媒体の製造方法。
(付記11)前記非磁性材料は非磁性酸化物である、付記9または10に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記12)前記粒子形成工程では、前記磁性化可能粒子または前記磁性粒子はスパッタリング法により形成される、付記9から11のいずれか1つに記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0065】
【発明の効果】
本発明に係る垂直磁気記録方式の磁気記録媒体によると、記録時の記録磁界を増大させることによって良好な記録を実現することができるとともに、再生時の媒体ノイズを低減することによって良好な再生を実現することができる。また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法によると、良好な記録および再生を実現することのできる垂直磁気記録媒体の記録層にて小径の磁性粒子を適切に形成することによって、記録分解能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気記録媒体の部分断面模式図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の積層構成を表す。
【図3】記録層について、磁化の磁界依存性におけるヒステリシスループの一例を表す。
【図4】第2軟磁性層について、磁化の磁界依存性の一例を表す。
【図5】図1に示す磁気記録媒体に対する記録処理の様子を表す。
【図6】図1に示す磁気記録媒体の記録処理後の状態を表す。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る磁気記録媒体の部分断面模式図である。
【図8】図7に示す磁気記録媒体の製造方法における一部の工程を表す。
【図9】図8に続く工程を表す。
【図10】垂直磁気記録方式の従来の磁気記録媒体の部分斜視図である。
【図11】図10に示す磁気記録媒体の積層構成を表す。
【符号の説明】
X1,X2 磁気記録媒体
S 基板
11,21 記録層
12,13 軟磁性層
12a 磁性コラム
12b 非磁性領域
14,15 非磁性層
16 密着層
17 保護膜

Claims (2)

  1. 垂直磁気異方性を有して相対的に大きな垂直保磁力を有する記録層と、
    面内磁気異方性を有する第1軟磁性層と、
    垂直方向に延びて垂直磁気異方性を有して相対的に小さな垂直保磁力を有する複数の磁性コラム、および、非磁性領域、を含み、且つ、前記記録層から前記第1軟磁性層までの間に位置する、第2軟磁性層と、
    前記第1軟磁性層および前記第2軟磁性層の間に位置する非磁性層と、を備えることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記磁性コラムの延び方向長さは、当該磁性コラムの直径より長い、請求項1に記載の磁気記録媒体。
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