JP2008084413A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べてS/N比(信号とノイズとの比)が高く且つ実効書き込みコア幅が小くて、記録密度のより一層の向上が可能な磁気記録媒体、その磁気記録媒体の製造方法及びその磁気記録媒体を用いた磁気記録装置を提供する。
【解決手段】基板1の上に、裏打層2、FeCoBシード層3、fcc構造の結晶配向制御層4、非磁性下地層5、第1記録層6、第2記録層7及び保護層8を形成する。裏打層2は、第1軟磁性層2a、非磁性分断層2b及び第2軟磁性層2cの3層により構成される。第1記録層6は磁性粒子6bが非磁性体6中に分散したグラニュラ構造を有し、第2記録層7は非グラニュラ構造を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体、その磁気記録媒体の製造方法及びその磁気記録媒体を用いてデータを磁気的に記録する磁気記録装置に関する。
近年、磁気記録装置(ハードディスク)は、コンピュータだけでなく、ハードディスクビデオレコーダ等の映像記録機器や携帯型音楽再生装置等にも使用されるようになった。それに伴い、磁気記録装置のより一層の小型化及び大容量化が要求されている。
磁気記録装置の小型化及び大容量化を実現するためには、記録密度の向上が必須である。従来は、データを記録する記録層の磁化方向を面内方向とする面内磁気記録方式の記録媒体(磁気ディスク)を用いた磁気記録装置が一般的であった。しかし、この種の磁気記録装置では、記録媒体の記録密度が高くなるのに伴って、記録磁界や熱揺らぎにより記録ビットが消失するという現象が発生し、高密度化が限界に達しつつあると考えられている。そこで、記録ビットが熱的に安定で面内記録方式の記録媒体よりも更に高密度化が可能な垂直磁気記録方式の記録媒体(以下、「垂直磁気記録媒体」という)を用いた磁気記録装置が開発され、実用化されている。垂直磁気記録媒体では、記録層の磁化の方向が記録層の面に対し垂直な方向になる。
垂直磁気記録媒体では、面内記録方式の記録媒体と同様に、熱によって磁化の向きが変化する現象(すなわち、熱揺らぎ)に対する耐性(熱揺らぎ耐性)が求められるとともに、磁気的なノイズが少ないこと(低ノイズ性)が求められる。熱揺らぎ耐性と低ノイズ性とを両立させるためには、記録層の磁化容易軸の方向を揃えること、記録層の磁性粒子の孤立化を促進すること、及び記録層の抗磁力を高くすることが必要となる。
しかし、単に記録層の磁性粒子の孤立化を促進し、記録層の抗磁力を高くすると、磁気ヘッドで発生する記録磁界以上に記録層の飽和磁界が増大してしまうので、記録層の書き込み能力が低下し、その結果ノイズが増加してしまうという問題が発生する。このため、低ノイズ性、熱揺らぎ耐性及び書き込み能力のバランスをとりながら高密度化を図ることが重要となる。
特許文献1には、磁気記録用磁性膜を、フェリ磁性体の非晶質合金からなる磁性層と、その磁性層よりも大きな飽和磁化を有する垂直磁化層との2層構造とすることにより、ノイズが低減し、再生出力が増大することが記載されている。
特許文献2には、基板上に、第1下地膜、第1垂直磁性膜、第2下地膜、非磁性中間膜、第2垂直磁性膜及び保護層がこの順で積層された磁気記録媒体が記載されている。この特許文献2では、第1垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーを第2垂直磁性膜の磁気異方性エネルギーよりも高くすることにより、良好なノイズ特性及び熱揺らぎ耐性が得られることが記載されている。
特許文献3には、下地膜を、hcp(hexagonal close-peaked:六方最密)構造又は非晶質構造を有する第1下地層と、hcp構造を有し優先成長方位が[0001]の第2下地層との2層構造とし、更に垂直磁化膜を、下層垂直磁化層と該下層垂直磁化層よりも非磁性元素の濃度が低く且つ飽和磁化(Ms)及び磁気異方性エネルギー(Kw)が大きい上層垂直磁化層との2層構造とした磁気記録媒体が記載されている。
特許文献4には、裏打膜を、第1及び第2の軟磁性層と、それらの間に配置された非磁性中間層とにより構成した磁気記録媒体が記載されている。
特許文献5には、基板上に軟磁性裏打層、シード層、下地層、記録層、保護層及び潤滑層をこの順で積層した構造の垂直磁気記録媒体が記載されている。この特許文献5では、下地層を構成するRu(ルテニウム)又はRu合金からなる結晶粒子の間に空隙を設けている。
特許文献6の磁気記録媒体は、基板上にシード層、非磁性下地層、磁性層、保護層及び潤滑層を積層して形成されている。この特許文献6の磁気記録媒体では、非磁性下地層をhcp構造の金属層により形成し、その下のシード層をfcc(face-centered cubic lattice:面心立方)構造の金属層により形成している。
特許文献7は熱揺らぎ耐性を向上させることを目的としており、この目的を達成するものとして、垂直磁気記録媒体の磁性層を、Coを主成分とする第1及び第2の層により構成した磁気記録媒体が記載されている。この特許文献7の垂直磁気記録媒体は、第1の層にPt及び酸化物を含み、第2の層にはCrを含み且つ酸化物を含まないことを特徴としている。
特許文献8は磁気記録層の配向性を改善することを目的としており、この目的を達成するものとして、磁気記録層の下の下地層に非磁性NiFeCrを含有させた磁気記録媒体が記載されている。
特許文献9には軟磁性裏打層と磁気記録層との間に、グラニュラ構造のRu金属又はRu合金からなる中間層を設けた垂直磁気記録媒体が記載されている。
その他、本発明に関連する技術が非特許文献1〜4にも記載されている。
特開2001−148109号公報 特開2001−101643号公報 特開平11−296833号公報 特開2001−155321号公報 特開2005−353256号公報 特開2003−77122号公報 特開2004−310910号公報 特開2002−358617号公報 特開2004−220737号公報 IEEE Trans. Magn. Mag 38 (2002) 1976 IEEE Trans. Magn Mag-33 (1997) 2983 IEEE Trans. Magn. Mag 40 (2004) 2383 IEEE Trans. Magn. Mag 38 (2002) 1991
本発明の目的は、従来に比べてS/N比(信号とノイズとの比)が高く且つ実効書き込みコア幅が小くて、記録密度のより一層の向上が可能な磁気記録媒体、その磁気記録媒体の製造方法及びその磁気記録媒体を用いた磁気記録装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、基板と、前記基板の上に形成され、軟磁性材料により構成された裏打層と、前記裏打層の上に形成され、FeCoBにより構成されたシード層と、前記シード層の上に形成されたfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層と、前記配向制御層上に形成された非磁性材料からなる下地層と、前記下地層の上に形成されてデータを磁気的に記録する記録層とを有する磁気記録媒体が提供される。
本願発明者等は、垂直磁気記録媒体の記録密度をより一層向上すべく種々実験・研究を行った。その結果、軟磁性体により構成される裏打層の上にFeCoBシード層を形成し、そのFeCoBシード層の上にfcc(face-centered cubic lattice:面心立方)構造の結晶配向制御層を形成し、その結晶配向制御層の上に非磁性下地層及び記録層を形成することにより、垂直磁気記録媒体の磁気特性が大幅に改善されるとの知見を得た。本発明は、このような実験・研究に基づいてなされたものである。
FeCoBシード層は、軟磁性であるため、裏打層の上に形成すると裏打層の一部としても機能する。このため、本発明では磁気ヘッドと裏打層との間の距離を拡大させることなく、磁気特性を改善することができる。その結果、S/N比が向上するとともに、実効コア幅が縮小する。
なお、磁気特性の改善と実効コア幅の縮小とを実現するために、裏打層をFeCoBにより形成することも考えられる。しかしながら、その場合は以下に示す問題が発生する。すなわち、FeCoB層は、通常、マグネトロンスパッタ装置を用いて基板上に成膜される。しかし、FeCoBは飽和磁化が大きいため、ターゲット(FeCoB)の厚さを厚くすると、磁界の多くがターゲット内を通って還流するようになり、スパッタができなくなってしまう。従って、現状では、量産ベースでFeCoB層を裏打層として必要な厚さまで厚く形成することは困難である。
一方、本願発明では、裏打層を飽和磁化が小さい金属(例えば、CoNbZr等)により形成し、その上にFeCoBシード層を薄く形成すればよいので、FeCoBシード層の形成が容易であり、量産化が容易である。
FeCoBシード層の代わりに、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Cu(銅)、Nb(ニオブ)、Zr(ジルコニウム)、Si(シリコン)、Ta(タンタル)及びW(タングステン)のうちの少なくとも1種の元素を添加した非晶質又は微結晶のFeCo合金の層をシード層として用いても、同様の効果を得ることができる。
本発明の他の観点によれば、基板上に、軟磁性体により構成される裏打層を形成する工程と、前記裏打層の上に、FeCoBからなるシード層を形成する工程と、前記シード層の上にfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層を形成する工程と、前記結晶配向制御層の上に非磁性材料により下地層を形成する工程と、前記下地層の上に記録層を形成する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法が提供される。
本発明方法により形成された磁気記録媒体は、従来に比べて磁気特性が大幅に改善され、S/N比が向上するとともに、実効コア幅を縮小することができて、従来に比べてより一層高密度記録が可能になる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
(磁気記録媒体及びその製造方法)
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体を示す断面図である。本実施形態の磁気記録媒体10は、例えば直径が2.5インチの円盤状の基板1の上に、裏打層2、FeCoBからなるシード層3、fcc構造の結晶配向制御層4、非磁性下地層5、第1記録層6、第2記録層7及び保護層8をこの順で積層した構造を有している。裏打層2は、第1軟磁性層2a、非磁性分断層2b及び第2軟磁性層2cの3層により構成されている。また、第1記録層6は磁化容易軸が基板面に対し垂直に配向した磁性粒子6bを非磁性体6aにより磁気的に分離したグラニュラ構造を有し、第2記録層7は非グラニュラ構造の磁性体により構成されている。
図2〜図4は、本実施形態に係る磁気記録媒体10の製造方法を工程順に示す断面図である。これらの図を参照して、本実施形態に係る磁気記録媒体10の詳細を説明する。
最初に、図2に示す構造を形成するまでの工程について説明する。まず、例えば直径が2.5インチの円盤状の基板1を用意し、基板1の表面に例えばNiPめっきを施す。基板1には、非磁性であり、表面が平坦であって、機械的強度が高いことが要求される。基板1としては、例えばアルミニウム合金板、結晶化ガラス板、表面が化学強化処理されたガラス板、表面に熱酸化膜が形成されたシリコン基板、又はプラスチック板等を用いることができる。
次に、基板1の上に、圧力が0.5PaのAr(アルゴン)雰囲気中で投入電力を1kWとするDC(直流)スパッタ法でCoNbZrを例えば25nmの厚さに堆積して、アモルファス構造の第1軟磁性層2aを形成する。
第1軟磁性層2aは上述したCoNbZr層に限定されず、Co(コバルト)、Fe(鉄)及びNi(ニッケル)のうちの1種以上の元素と、Zr(ジルコニウム)、Ta(タンタル)、C(カーボン)、Nb(ニオブ)、Si(シリコン)及びB(ホウ素)のうちの1種以上の元素とを含むアモルファス又は微結晶構造の合金からなる層を第1軟磁性層2aとしてもよい。そのような材料としては、例えばCoNbTa、FeCoB、NiFeSiB、FeAlSi、FeTaC及びFeHfC等がある。量産性を考慮すると、第1軟磁性層2aの飽和磁化は1T(テスラ)程度とすることが好ましい。
なお、本実施形態では第1軟磁性層2aをDCスパッタ法により形成しているが、DCスパッタ法に代えて、RF(高周波)スパッタ法、パルスDCスパッタ法又はCVD(Chemical Vapor Deposition )法等を採用してもよい。以降のDCスパッタ法を用いた成膜工程においても同様である。
次に、第1軟磁性層2aの上に、例えば圧力が0.5PaのAr雰囲気中で投入電力を150WとするDCスパッタ法により、非磁性分断層2bとしてRu(ルテニウム)層を0.7nmの厚さに形成する。非磁性分断層2bはRu層に限定されず、Ru、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、Cu(銅)、Cr(クロム)、V(バナジウム)、Re(レニウム)、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)、Ta(タンタル)及びC(カーボン)のうちのいずれか1種の元素からなる層、若しくはそれらのうちの少なくとも1種の元素を含む合金の層、又はMgOの層を非磁性分断層2bとしてもよい。
続いて、圧力が0.5PaのAr雰囲気中で投入電力を1kWとするDCスパッタ法により、非磁性分断層2bの上にCoNbZrを例えば5nmの厚さに堆積して、第2軟磁性層2cを形成する。第2軟磁性層2cを構成する材料はCoNbZrに限定されるものではなく、第1軟磁性層2aと同様に、Co、Fe及びNiのうちの1種以上の元素と、Zr、Ta、C、Nb、Si及びBのうちの1種以上の元素とを含むアモルファス又は微結晶構造の合金の層を第2軟磁性層2cとしてもよい。
次いで、第2軟磁性層2cの上に、例えば圧力が0.67PaのAr雰囲気中でマグネトロンスパッタ法により厚さが約10.5nmのFeCoB層を形成し、このFeCoB層をシード層3とする。このシード層3は、その上に形成される結晶配向制御層4とともに記録層6,7の結晶構造を制御するために形成される。このFeCoBからなるシード層3は軟磁性を有するため、裏打層2の一部ということもできる。しかし、本実施形態では、便宜上、第1軟磁性層2a、非磁性分断層2b及び第2軟磁性層2cの3つの層で構成される積層体を裏打層2と呼んで、FeCoBシード層3と区別している。
非磁性分断層2bを挟んで2つの軟磁性層(第1軟磁性層2a及び第2軟磁性層2c)が積層された構造の裏打層2では、図2に示すように、非磁性分断層2bを介して隣接する第1軟磁性層2a及び第2軟磁性層2cの飽和磁化Ms1,Ms2が互いに逆向き(反平行)の状態、すなわち第1軟磁性層2a及び第2軟磁性層2cが反強磁性結合した状態で安定する。このとき、シード層3の磁化Ms3は隣接する第2軟磁性層2cと強磁性結合して、第2軟磁性層2cの磁化Ms2と同じ方向を向く。このような状態は、非磁性分断層2bの厚さを増加させることで周期的に現れる。その状態が最初に現れる厚さに非磁性分断層2bの厚さを設定することが好ましい。非磁性分断層2bとしてRu層を形成する場合、その厚さは例えば0.7〜1nmとする。
このように第1軟磁性層2aの飽和磁化Ms1と第2軟磁性層2cの飽和磁化Ms2とが互いに逆向き(反平行)となることで、これらの磁化に起因する磁束が互いに打ち消しあって、外部磁場がないときに裏打層2全体の磁気モーメントが実質的に0になる。その結果、裏打層2から外部に放出される漏洩磁束が低減され、データ読み取り時に漏洩磁束に起因して発生するスパイクノイズが低減される。
裏打層2の全膜厚は、その飽和磁束密度Bsが1T以上の場合、磁気ヘッドによる書き込み容易性や再生容易性の観点から10nm以上とすることが好ましく、30nm以上とすることがより一層好ましい。但し、裏打層2の全膜厚が厚すぎると製造コストが上昇するので、裏打層2の全膜厚は100nm以下とすることが好ましく、60nm以下とすることがより一層好ましい。
なお、シード層3を構成するFeCoB中のB濃度が10at%未満であると、磁気特性を改善する効果を十分に得ることができない。このため、シード層3を構成するFeCoB中のB濃度は10at%以上とすることが好ましい。
FeCoBシード層3の厚さは、磁気特性を改善するという観点から3nm以上とすることが必要である。また、量産時の膜厚制御の容易性と電磁変換特性とを考慮すると、シード層3の厚さは5nm以上とすることが好ましい。一方、FeCoBシード層3の厚さが厚くなると製造コストが上昇するので、FeCoBシード層3の厚さは20nm以下、より好ましくは12nm以下とする。FeCoBシード層3の代わりに、Ni、Cr、Cu、Nb、Zr、Si、Ta及びWのうちの少なくとも1種の元素を添加した非晶質又は微結晶のFeCo合金層を形成し、このFeCo合金層をシード層3としてもよい。そのような合金層としては、例えばFeCoBNi層、FeCoBCr層、FeCoNd層及びFeCoZr層等がある。
なお、このように第1及び第2軟磁性層2a,2cを非磁性分断層2bで分離する構造に代えて、非特許文献2、3に記載されているように、磁化の向きが一方向に揃えられた単層の反強磁性層を裏打層2として用いてもよい。
次に、図3に示す構造を形成するまでの工程について説明する。上述したように裏打層2及びFeCoBシード層3を形成した後、FeCoBシード層3の上に例えば圧力が0.67PaのAr雰囲気中でスパッタ法により非磁性NiFeCrを堆積して、fcc(面心立方)構造の結晶配向制御層4を形成する。この結晶配向制御層4は、その下にFeCoBシード層3が形成されているため、第2軟磁性層2cの表面状態に拘わらず、良好なfcc構造となる。この結晶配向制御層4の膜厚は、その上に形成される下地層5及び記録層6,7の結晶配向性を制御するという観点から、3nm以上とすることが好ましい。
なお、結晶配向制御層4は、非磁性材料により形成してもよく、磁性材料により形成してもよい。結晶配向制御層4を非磁性材料により形成する場合は、厚さが厚すぎると磁気ヘッドと裏打ち層2との間の距離が広がって記録密度の向上が困難になる。このため、結晶配向制御層4を非磁性材料により形成する場合は、厚さを20nm以下、より好ましくは10nm以下とする。また、結晶配向制御層4を磁性材料により形成する場合は、膜厚が厚すぎると結晶配向制御層64からのノイズが増大してS/N比が劣化してしまう。このため、結晶配向制御層4を磁性材料により形成する場合は、厚さを10nm以下とすることが好ましい。
次に、圧力が8PaのAr雰囲気中で投入電力を250WとするDCスパッタ法により、結晶配向制御層4の上にRu層を約20nmの厚さに形成し、そのRu層を非磁性下地層5とする。この非磁性下地層5を構成するRu層は、fcc構造の結晶配向制御層4の上に成膜されるため、その結晶構造はhcp構造となり、結晶性も良好である。
なお、非磁性下地層5は、Ru層に代えて、Co、Cr、W及びReのうちのいずれか1種の元素とRuとを含む合金の層により形成してもよい。また、非磁性下地層5は単層構造に限定されず、例えば前述した特許文献9に記載されているように、電磁変換特性向上等の目的のために2層以上の層で構成してもよい。
次に、CoCrPt及びSiO2により構成されるターゲットを用いたDCスパッタ法により、非磁性下地層5の上に第1記録層6を形成する。このときのスパッタは、例えばAr雰囲気中で投入電力が350Wの条件で行う。これにより、非磁性体(SiO2)6a中にCoCrPtからなる磁性粒子6bが分散された構造(グラニュラ構造)の第1記録層6が形成される。この第1記録層6の膜厚は特に限定されないが、本実施形態では11nmとする。また、本実施形態では、第1記録層6の磁性粒子6bを構成するCo、Cr及びPtの組成比(at%)は、Co:Cr:Pt=70:10:20とする。
ここで、第1記録層6の下のRuよりなる非磁性下地層5は、その結晶構造がhcp(六角最密)構造であり、垂直方向に磁性粒子6bの配向を揃えるように機能する。その結果、磁性粒子6bは、非磁性下地層5と同じように垂直方向に延びたhcp構造の結晶構造となり、且つhcp構造の六角柱の高さ方向(C軸)が磁化容易軸になって、第1記録層6が垂直磁気異方性を示すようになる。
なお、本実施形態では、第1記録層6中の非磁性体6aの材料としてSiO2を用いたが、SiO2以外の酸化物を非磁性体6aの材料としてもよい。そのような酸化物としては、例えば、Ta、Ti、Zr、Cr、Hf、Mg及びAlのいずれかの元素の酸化物がある。また、Si、Ta、Ti、Zr、Cr、Hf、Mg及びAlのいずれかの元素の窒化物を非磁性体6bの材料としてもよい。
また、第1記録層6中の磁性粒子6bの材料として、上記のCoCrPtの他に、Co、Ni及びFeのいずれか一種の金属元素を含む合金を用いてもよい。
次に、図4に示す構造を形成するまでの工程について説明する。上述したように第1記録層6を形成した後、第1記録層6の上に、Ar雰囲気中で投入電力を400WとするDCスパッタ法により、第2記録層7としてhcp構造のCoCrPtB層を例えば6nmの厚さに形成する。
本実施形態では、第2記録層7を構成するCo、Cr、Pt及びBの組成比(at%)は、Co:Cr:Pt:B=66:20:10:4とする。この第1記録層6上に形成された第2記録層7は、第1記録層6と同様に垂直磁気異方性を示す。第2記録層7を構成するCoCrPtB層は、その下の第1記録層6中の磁性粒子6bと同じhcp構造を有するため、第1記録層6の上に結晶性のよい第2記録層7が形成される。なお、第2記録層7はCoCrPtB層に限定されず、Co、Ni及びFeのうちの少なくとも1種の金属元素を含む合金よりなる層を第2記録層7として形成してもよい。
本実施形態において、第2記録層7を構成するCoCrPtBでは、Crが20at%、Ptが10at%の含有率で含有されているのに対し、第1記録層6の磁性粒子6bを構成するCoCrPtでは、Crが10at%、Ptが20at%の含有率で含有されている。このように、第2記録層7と比較して磁性粒子6bのCr含有率を低くし、且つPtの含有率を高くすることにより、第1記録層6の垂直磁気異方性が第2記録層よりも一層高くなる。すなわち、第1記録層6のほうが第2記録層7よりも異方性磁界(Hk)が大きく、磁化曲線の傾き(α)が小さくなる。その結果、第1記録層6の磁気データの分解能が高くなって書き込みコア幅を狭くすることが可能となり、第1記録層6の記録密度のより一層の向上を図ることができる。
更に、記録層6,7のCr及びPt含有率を上記のようにすることで、第1記録層6の抗磁力Hcが増大し、第1記録層6で発生するノイズ(例えば、遷移ノイズ)をより一層低減することも可能となる。
上述したようにして第2記録層7を形成した後、C22ガスを反応ガスとするRF−CVD(Radio Frequency Chemical Vapor Deposition)法により、第2記録層7の上に保護層8としてDLC(Diamond Like Carbon)層を厚さ約4nmに形成する。この保護層8の成膜条件は、例えば、圧力が約4Pa、高周波投入電力が1000W、基板とシャワーヘッドとの間のバイアス電圧が200V、基板温度が200℃である。
次に、保護層8の上に潤滑剤(不図示)を約1nmの厚さに塗布した後、研磨テープを用いて保護層8の表面突起及び異物を除去する。このようにして、本実施形態に係る磁気記録媒体10が完成する。なお、保護層8及び潤滑剤の層は必要に応じて形成すればよく、本発明において必須の構成要素ではない。
図5は、本実施形態の磁気記録媒体への書き込み動作を説明するための断面図である。
磁気記録媒体への書き込みを行うには、図5に示すように、主磁極11bとリターンヨーク11aとを有する磁気ヘッド11の先端を磁気記録媒体10に対向させて配置し、磁気ヘッド11に記録すべきデータに応じた信号を供給する。そうすると、断面積の小さな主磁極11bで発生した記録磁界Hは、裏打層2に向けて第1及び第2記録層6,7を垂直方向に貫通する。これにより、第1記録層6のうち主磁極11bの直下にある部分の磁区が記録磁界Hによって垂直方向に磁化される。
記録磁界Hは、第1記録層6を垂直方向に貫通した後、裏打層2を面内方向に通過し、再び第1及び第2記録層6,7を垂直方向に貫通して、断面積の大きなリターンヨーク11aに帰還する。このとき、磁束密度が低いため、第1及び第2記録層6,7の磁化の方向は変化しない。
磁気記録媒体10を磁気ヘッド11に対し図中のAで示す方向に相対的に移動させつつ、記録すべきデータに応じて記録磁界Hの向きを変えることにより、垂直方向に磁化された複数の磁区が磁気記録媒体10のトラック方向に連なって形成され、一連のデータが磁気記録媒体10に記録される。
ところで、前述したように、本実施形態ではfcc構造の結晶配向制御層4の膜厚を3nm以上としている。以下に、結晶配向制御層4の厚さとS/N比との関係について説明する。
図6(a)は記録層6,7に記録された高周波信号を磁気ヘッドで読んだときのfcc構造の結晶配向制御層4の厚さとS/N比との関係を調べた結果を示す図、図6(b)は、記録層6,7に記録された低周波信号を磁気ヘッドで読んだときのfcc構造の結晶配向制御層4の厚さとS/N比との関係を調べた結果を示す図である。但し、図6(a),(b)では、fcc構造の結晶配向制御層4を有しないリファレンスの磁気記録媒体(図6(a)においてfcc配向制御層の厚さが0の磁気記録媒体)のS/N比を0として示している。
高周波信号を読み出す場合であって結晶配向制御層4を非磁性体により形成する場合は、図6(a)からわかるように、結晶配向制御層4の厚さを3〜20nmとすることにより、リファレンスよりも良好なS/N比を得ることができる。また、高周波信号を読み出す場合であって結晶配向制御層4を磁性体により形成する場合は、図6(a)からわかるように、結晶配向制御層4の厚さを10nm以上とすると、リファレンスよりもS/N比が低下してしまう。
低周波信号を読み出す場合であって結晶配向制御層4を非磁性体により形成する場合は、図6(b)からわかるように、結晶配向制御層4の厚さを3〜10nmとすることにより、リファレンスよりも良好なS/N比を得ることができる。また、低周波信号を読み出す場合であって結晶配向制御層4を磁性体により形成する場合は、図6(b)からわかるように、結晶配向制御層4の厚さが10nmを超えると、リファレンスよりもS/N比が低下してしまう。
これらのことから、本実施形態においては、結晶配向制御層4を非磁性材料により形成する場合は、その厚さを3nm以上且つ20nm以下(より好ましくは10nm以下)とする。また、結晶配向制御層4を磁性材料により形成する場合は、その厚さを3nm以上且つ10nm以下とする。
以下、本実施形態に係る磁気記録媒体の磁気特性を調べた結果について説明する。このでは、図1に示すように、ガラス基板1の上に、第1軟磁性層(CoZrNb:厚さ25nm)2a、非磁性分断層(Ru:厚さ0.7nm)2b、第2軟磁性層(CoZrNb:厚さxnm)2c、シード層(FeCoB:厚さynm)3、結晶配向制御層(NiFeCr:厚さ5nm)4、非磁性下地層(Ru:厚さ20nm)5、第1記録層(CoCrPt−SiO2:厚さ11nm)6、第2記録層(CoCrPtB:厚さ8nm)7及び保護層(CN:厚さ4nm)8を形成している。なお、第2軟磁性層2cの厚さx(nm)及びFeCoBシード層3の厚さy(nm)は、下記(1)式に基づいて決定されている。
x(nm)・Bsa+y・Bsb=25nm・Bsc …(1)
ここで、Bsaは第2軟磁性層2cの飽和磁束密度、BsbはFrCoBシード層3の飽和磁束密度、Bscは第1軟磁性層2aの飽和磁束密度である。このような関係を満たすように第1軟磁性層2a、第2軟磁性層2c及びFeCoBシード層3の厚さを決定することにより、裏打層2からのノイズ(スパイクノイズ)が電磁変換特性に影響を与えることを回避できる。
図7(a)は高周波信号読み出し時におけるFeCoBシード層3の厚さとS/N比との関係を示す図、図7(b)は低周波信号読み出し時におけるFeCoBシード層3の厚さとS/N比との関係を示す図である。これらの図7(a),(b)から、FeCoBシード層3の厚さが厚いほど、S/N比が向上することがわかる。例えば、FeCoBシード層3の厚さを3nm以上とすることにより、S/N比は従来よりも1dB以上向上する。但し、前述したようにFeCoBシード層3を厚く形成することは困難であり、20nmを超えると製造コストが著しく高くなるので、FeCoBシード層3の厚さは20nm以下とすることが好ましい。
図8は、FeCoBシード層3の厚さと実効コア幅(WCw)との関係を示す図である。この図8に示すように、FeCoBシード層3の厚さを厚くするほど、実効コア幅を縮小することができる。
図9は、FeCoBシード層3の厚さと抗磁力Hcとの関係を示す図である。この図9に示すように、FeCoBシード層3の厚さを厚くするほど、抗磁力Hcが高くなる。
図10は、横軸に磁界をHとり、縦軸に磁化4πMをとって、記録層の磁化曲線を示す図である。この図10において、実線は記録層に対し垂直方向に磁界を印加したときの磁化曲線を示し、破線は記録層に対し面内方向の磁界を印加したときの磁化曲線を示している。この破線で示す磁化曲線で磁界が飽和したときの値が異方性磁界Hkである。この図10において、横軸と実線で示す磁化曲線とのなす角度、すなわち磁化曲線の傾き(磁化反転部の傾きともいう)をαとする。この磁化曲線の傾きαが小さいほど異方性磁界Hkが大きいということができる。
図11は、FeCoBシード層3の厚さと磁化曲線の傾きαとの関係を示す図である。この図11からFeCoBシード層3の厚さを厚くすると磁化曲線の傾きαが小さくなる。すなわち、図11から、FeCoBシード層3の厚さが厚いほど異方性磁界Hkが大きくなることがわかる。
これらのことから、本発明が垂直磁気記録媒体の記録密度の向上に有用であることが明らかである。
(磁気記録装置)
図12は、本発明に係る磁気記録装置を示す平面図である。
磁気記録装置50は、その筐体内に、円盤状の磁気記録媒体(磁気ディスク)51と、磁気ディスク51を回転させるスピンドルモータ(図示せず)と、データの書き込み及び読み出しを行う磁気ヘッド(スライダ)52と、磁気ヘッド52を保持するサスペンション53と、サスペンション53を磁気ディスク51の半径方向に駆動制御するアクチュエータ(図示せず)とを有している。磁気記録媒体51は、上述の実施形態で説明した構造を有している。
スピンドルモータにより磁気記録媒体51が高速で回転すると、磁気記録媒体51の回転によって生じる空気流により、磁気ヘッド52は磁気記録媒体51から若干浮上する。アクチュエータにより磁気ヘッド52が磁気記録媒体51の半径方向に移動し、磁気記録媒体51に対してデータの書き込み又は読み出しが行われる。
磁気ヘッド52には、データの書き込みに使用される書き込みヘッドと、データの読み出しに使用される読み出しヘッドとが設けられている。読み出しヘッドとしては、例えばGMR(Giant Magneto Resistive)素子又はTuMR(Tunneling Magneto resistive)素子等の磁気抵抗センサが用いられる。
このように構成された磁気記録装置は、上述した構造の磁気記録媒体51を使用しているので、データを高密度に記録することができる。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)基板と、
前記基板の上に形成され、軟磁性材料により構成された裏打層と、
前記裏打層の上に形成され、FeCoBにより構成されたシード層と、
前記シード層の上に形成されたfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層と、
前記配向制御層上に形成された非磁性材料からなる下地層と、
前記下地層の上に形成されてデータを磁気的に記録する記録層と
を有することを特徴とする磁気記録媒体。
(付記2)前記シード層の厚さが、3nm以上且つ20nm以下であることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記3)前記シード層を構成するFeCoB中のB濃度が10at%以上であることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記4)前記シード層が、非晶質又は微結晶質のFeCoBにより形成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記5)前記結晶配向制御層が、Ni、Fe、Co、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Al、Au及びAgのうちの少なくとも1種の元素を含む合金により形成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記6)前記結晶配向制御層の厚さが、3nm以上且つ20nm以下であることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記7)前記シード層が、前記FeCoBに代えて、Ni、Cr、Cu、Nb、Zr、Si、Ta及びWのうちの少なくとも1種の元素を含む非晶質又は微結晶質のFeCo合金により構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記8)前記記録層が、グラニュラ構造を有する第1記録層と、前記第1記録層の上に形成された非グラニュラ構造の第2記録層とにより構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記9)前記第1記録層が、前記第2記録層よりも異方性磁界Hkが大きく、磁化曲線の傾きαが小さいことを特徴とする付記8に記載の磁気記録媒体。
(付記10)前記裏打層が、第1軟磁性層と、前記第1軟磁性層の上に形成された非磁性分断層と、前記非磁性分断層の上に形成された第2軟磁性層とにより構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記11)前記第1軟磁性層と前記第2軟磁性層との磁化の向きが逆であることを特徴とする付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記12)前記第2軟磁性層の厚さをx、飽和磁束密度をBsaとし、前記シード層の厚さをy、飽和磁束密度をBsbとし、前記第1軟磁性層の厚さをc、飽和磁束密度をBscとしたときに、それらの間に、x・Bsa+y・Bsb=c・Bscの関係があることを特徴とする付記10に記載の磁気記録媒体。
(付記13)前記裏打層の厚さが、10nm以上且つ100nm以下であることを特徴とする付記1に記載の磁気記録媒体。
(付記14)基板上に、軟磁性体により構成される裏打層を形成する工程と、
前記裏打層の上に、FeCoBからなるシード層を形成する工程と、
前記シード層の上にfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層を形成する工程と、
前記結晶配向制御層の上に非磁性材料により下地層を形成する工程と、
前記下地層の上に記録層を形成する工程と
を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(付記15)前記CoFeBシード層を、3nm以上且つ20nmの厚さに形成することを特徴とする付記14に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記16)前記結晶配向制御層を、3nm以上且つ20nmの厚さに形成することを特徴とする付記14に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記17)前記裏打層として、軟磁性体からなる第1軟磁性層と、非磁性体からなる非磁性分断層と、軟磁性体からなる第2軟磁性層とを順次積層することを特徴とする付記14に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記18)前記記録層として、グラニュラ構造を有する第1記録層と、非グラニュラ構造の第2記録層とを順次積層することを特徴とする付記14に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記19)前記CoFeBシード層に代えて、Ni、Cr、Cu、Nb、Zr、Si、Ta及びWのうちの少なくとも1種の元素を添加した非晶質又は微結晶のFeCo合金層を形成することを特徴とする付記14に記載の記事記録媒体の製造方法。
(付記20)磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドによりデータの書き込み及び読み出しが可能な磁気記録媒体とを有する磁気記録装置において、
前記磁気記憶媒体が、
基板と、
前記基板の上に形成され、軟磁性材料により構成された裏打層と、
前記裏打層の上に形成され、FeCoBにより構成されたシード層と、
前記シード層の上に形成されたfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層と、
前記配向制御層上に形成された非磁性材料からなる下地層と、
前記下地層の上に形成されてデータを磁気的に記録する記録層とにより構成されていることを特徴とする磁気記録装置。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体を示す断面図である。 図2は、実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法を示す断面図(その1)である。 図3は、実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法を示す断面図(その2)である。 図4は、実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法を示す断面図(その3)である。 図5は、実施形態の磁気記録媒体への書き込み動作を説明するための断面図である。 図6(a)は高周波信号読み出し時におけるfcc結晶配向制御層の厚さとS/N比との関係を調べた結果を示す図、図6(b)は低周波信号読み出し時におけるfcc結晶配向制御層の厚さとS/N比との関係を調べた結果を示す図である。 図7(a)は高周波信号読み出し時におけるFeCoBシード層の厚さとS/N比との関係を示す図、図7(b)は低周波信号読み出し時におけるFeCoBシード層の厚さとS/N比との関係を示す図である。 図8は、FeCoBシード層の厚さと実効コア幅(WCw)との関係を示す図である。 図9は、FeCoBシード層の厚さと抗磁力Hcとの関係を示す図である。 図10は、記録層の磁化曲線を示す図である。 図11は、FeCoBシード層の厚さと磁化曲線の傾きαとの関係を示す図である。 図12は、本発明に係る磁気記録装置を示す平面図である。
符号の説明
1…基板、
2…裏打層、
2a…第1軟磁性層、
2b…非磁性分断層、
2c…第2軟磁性層、
3…シード層、
4…結晶配向制御層、
5…非磁性下地層、
6…第1記録層、
6a…非磁性体、
6b…磁性粒子、
7…第2記録層、
8…保護層、
10,51…磁気記録媒体、
11,52…磁気ヘッド、
11a…リターンヨーク、
11b…主磁極、
50…磁気記録装置、
53…サスペンション。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の上に形成され、軟磁性材料により構成された裏打層と、
    前記裏打層の上に形成され、FeCoBにより構成されたシード層と、
    前記シード層の上に形成されたfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層と、
    前記配向制御層上に形成された非磁性材料からなる下地層と、
    前記下地層の上に形成されてデータを磁気的に記録する記録層と
    を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記シード層の厚さが、3nm以上且つ20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記シード層を構成するFeCoB中のB濃度が10at%以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記結晶配向制御層が、Ni、Fe、Co、Cu、Rh、Ir、Pd、Pt、Al、Au及びAgのうちの少なくとも1種の元素を含む合金により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記結晶配向制御層の厚さが、3nm以上且つ20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記シード層が、前記FeCoBに代えて、Ni、Cr、Cu、Nb、Zr、Si、Ta及びWのうちの少なくとも1種の元素を含む非晶質又は微結晶質のFeCo合金により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記記録層が、グラニュラ構造を有する第1記録層と、前記第1記録層の上に形成された非グラニュラ構造の第2記録層とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記裏打層が、第1軟磁性層と、前記第1軟磁性層の上に形成された非磁性分断層と、前記非磁性分断層の上に形成された第2軟磁性層とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  9. 基板上に、軟磁性体により構成される裏打層を形成する工程と、
    前記裏打層の上に、FeCoBからなるシード層を形成する工程と、
    前記シード層の上にfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層を形成する工程と、
    前記結晶配向制御層の上に非磁性材料により下地層を形成する工程と、
    前記下地層の上に記録層を形成する工程と
    を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドによりデータの書き込み及び読み出しが可能な磁気記録媒体とを有する磁気記録装置において、
    前記磁気記憶媒体が、
    基板と、
    前記基板の上に形成され、軟磁性材料により構成された裏打層と、
    前記裏打層の上に形成され、FeCoBにより構成されたシード層と、
    前記シード層の上に形成されたfcc(面心立方)構造の結晶配向制御層と、
    前記配向制御層上に形成された非磁性材料からなる下地層と、
    前記下地層の上に形成されてデータを磁気的に記録する記録層とにより構成されていることを特徴とする磁気記録装置。
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