JPH05254318A - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JPH05254318A
JPH05254318A JP5809292A JP5809292A JPH05254318A JP H05254318 A JPH05254318 A JP H05254318A JP 5809292 A JP5809292 A JP 5809292A JP 5809292 A JP5809292 A JP 5809292A JP H05254318 A JPH05254318 A JP H05254318A
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damper device
upper joint
arm
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Fumitaka Ando
文隆 安藤
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 仮想キングピン軸を理想のものに近づけて性
能の向上を図るとともに、コンパクト化、軽量化および
レイアウト上の自由度の向上を図り、かつ連結部のガ
タ、ゆるみ等を防止しうるサスペンション装置を提供す
る。 【構成】 車輪を回転自在に支持するナックル部材1の
下端と車体とをロアアーム4を介して連結する。ナック
ル部材1の上端にアッパージョイント21を上下軸周りの
み回転可能に連結するとともに、ダンパー装置6の下端
をアッパージョイント21に対して前後軸39の周りにのみ
回転可能となるようにアッパージョイント21に連結す
る。一端が車体に連結されたアッパーアーム5の他端
を、前後軸39上またはアッパージョイント21に支持させ
る。ダンパー装置6下端と前後軸39との間にスリーブが
介装され、かつ該スリーブを介してダンパー装置6の下
端とアッパージョイント21とが連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のサスペンション装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の前輪用サスペンション装置
として、ストラット式のものとダブルウィッシュボーン
式のものとが知られている。
【0003】上記ストラット式サスペンション装置は、
部品点数が少なく、軽量かつ安価であり、レイアウト性
にも優れているため、特にFF型車の前輪用サスペンシ
ョン装置として汎く使用されている。しかしながら、ス
トラット式サスペンション装置では、車輪の操舵回転軸
である仮想キングピン軸が、ダンパー装置上端の車体と
の連結点と、ロアアームと車輪支持部材との連結点とを
結ぶ直線となっており、車両の性能上からは望ましいと
は言えない。すなわち、車両の性能上から言えば、仮想
キングピン軸は、車輪の回転中心線上では車輪の幅方向
の中心線よりも若干車体内側を通り、かつ車輪の接地面
では若干ネガティブキングピンオフセットとなるように
車輪の幅方向中心線よりも若干外側を通ることが理想で
あるが、ストラット式サスペンション装置の仮想キング
ピン軸は、この理想の仮想キングピン軸よりも車体内側
に傾斜したものとなっているからである。
【0004】これに対して、ダブルウィッシュボーン式
サスペンション装置では、その仮想キングピン軸が、ア
ッパーアームと車輪支持部材との連結点と、ロアアーム
と車輪支持部材との連結点とを結ぶ直線となり、上記両
連結点の適切な設定により理想キングピン軸に近づける
ことが可能である。しかしながら、ダブルウィッシュボ
ーン式サスペンション装置の場合、車輪に作用する水平
荷重等に対抗するために、アッパーアームおよびロアア
ームの車体との連結点がそれぞれ2ヶ所ずつ必要であ
り、その分他の部品の配置が制限される。特に、エンジ
ンを横置きに搭載したFF型車における前輪用サスペン
ション装置としてこのダブルウィッシュボーン式のもの
を使用すると、このレイアウト上の制約は重要な問題と
なる。
【0005】そこで、従来のストラット式のものとダブ
ルウィッシュボーン式のものとの利点を合せ有し、かつ
欠点を解消するために、数多くのサスペンション装置が
提案されている。
【0006】例えば特開平2-220904号公報に開示された
ものでは、アッパーアームを1本のリンク部材で構成す
るとともに、ダンパー装置の下端をロアアームに連結し
て、車輪に作用する荷重をダンパー装置にも支持させて
いる。この構成によれば、アッパーアームと車体との連
結点が1ヶ所だけであるから、その分レイアウトの自由
度を高めることができる。
【0007】また、特開平1-136804号公報に開示された
ものでは、車輪支持部材とアッパーアームとの間に中間
部材を設け、該中間部材にダンパー部材の下端を支持さ
せている。さらに、上記中間部材に対し、車輪支持部材
をボールジョイントを介して枢着するとともに、アッパ
ーアームを上下揺動のみ可能に枢着する構成となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなサスペンション装置にも、次のような欠点がある。
すなわち、特開平2-220904号公報記載のものでは、ダン
パー装置の下端がロアアームの車幅方向中間部に連結さ
れているため、車輪のバンプ・リバウンド時に車輪に作
用する上下方向の外力に対して、ダンパー装置が発生す
る力(減衰力)は、レバー比に相当する分大きくする必
要がある。そのため、ダンパー装置およびこれに連結さ
れるロアアームを大型化する必要があり、重量の増加を
招く。また、FF型車の場合、ドライブシャフトが車輪
の回転中心線上を車幅方向に延長して配置されるが、こ
のドライブシャフトとロアアームに形成されるダンパー
装置との干渉を避けるために、ダンパー装置の下端とロ
アアームとの間に、ドライブシャフトを通す二股状の連
結部材を設ける必要がある。この連結部材は、ダンパー
装置が発生する力を全て受けるので、大きな剛性を有し
なければならず、大型化する。このことからも、重量増
加を招く欠点がある。
【0009】また、特開平1-136804号公報記載のもので
は、車輪支持部材と中間部材とをボールジョイントで連
結しているため、車輪に作用する水平荷重(横力、前後
力)をダンパー装置で受けることができず、アッパーア
ームの車体との連結点は、ダブルウィッシュボーン式サ
スペンション装置と同じく2点必要となり、レイアウト
上の自由度を高めることができないという問題がある。
【0010】上述の事情に鑑み、本発明は、仮想キング
ピン軸を理想のものに近づけて性能の向上を図るととも
に、コンパクト化、軽量化およびレイアウト上の自由度
の向上を図りうる車両のサスペンション装置を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による車両のサス
ペンション装置は、車輪を回転自在に支持する車輪支持
部材と、一端が車輪支持部材の下端に連結、他端が車体
に連結されたロアアームと、車輪支持部材の上端に該車
輪支持部材に対して上下軸周りにのみ回転可能に連結さ
れたアッパージョイントと、上端が車体に連結され、下
端が前記アッパージョイントに対して前後軸周りにのみ
回転可能となるようにアッパージョイントに連結された
ダンパー装置と、一端が前後軸上またはアッパージョイ
ントに支持され、他端が車体に連結されたアッパーアー
ムとを備えている。そしてダンパー装置の下端と前後軸
との間にスリーブが介装され、かつ該スリーブを介して
ダンパー装置の下端とアッパージョイントとが連結され
てなることを特徴とするものである。
【0012】
【作用および効果】本発明によれば、ダンパー装置の下
端がアッパージョイントを介して車輪支持部材の上端に
連結されていて、車輪の回転中心線付近まで下方に延び
ていないため、FF型車の場合でも、ダンパー装置とド
イラブシャフトとが干渉することはなく、この干渉回避
のための特別な構造を採る必要もない。また、車輪に作
用する上下荷重は、ダンパー装置に対し、ほぼレバー比
1の割合をもって入力するため、ダンパー装置等を特に
大型化する必要がないから、装置の小型化、軽量化を図
ることができる。また、アッパーアームの車体との連結
点は1ヶ所のみでよいから、その分レイアウトの自由度
を高めることができる。
【0013】さらに、キャンバ変化特性をダブルウィッ
シュボーン式サスペンション装置と同程度に設定するこ
とができるから、サスペンション性能の向上をも図るこ
とができる。
【0014】また、ダンパー装置の下端と前後軸との間
にスリーブが介装され、かつ該スリーブを介してダンパ
ー装置の下端とアッパージョイントとが連結されている
ため、ダンパー装置の下端とアッパージョイントとの連
結部のガタ、すべり等がなく、前後軸を構成するボルト
のゆるみあるいは連結部における異音の発生等も防止す
ることができる効果がある。
【0015】さらに、ダンパー装置はアッパージョイン
トとの連結部に前後軸を取付ける以前に、ダンパー装置
とアッパージョイントとをスリーブを介してサブアセン
ブリすることが可能であるから、サスペンション装置の
組付け性が良好になる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1〜図4は本発明の実施例に係わるFF
型車の前輪用サスペンション装置を示し、1は車輪(前
輪)2を回転自在に支持する車輪支持部材としてのナッ
クル部材であり、該ナックル部材1の中央部には、ドラ
イブシャフト(図示は省略)を挿通する挿通孔3(図
1,図4参照)が形成されている。4はナックル部材1
の下端を車体側に連結するロアアーム、5はナックル部
材1の上端を車体側に連結するアッパーアーム、6は車
輪2の上下動を緩衝するショックアブソーバからなるダ
ンパー装置である。
【0018】上記ロアアーム4は前後2本のリンク部材
11,12からなり、前方のリンク部材11は車幅方向に沿っ
てほぼ直線状に延びている。そしてこのリンク部材11の
一端は、ボールジョイント13を介してナックル部材1の
下端に枢着され、リンク部材11の他端は、車体強度部材
であるクロスメンバ14(図2,図3参照)に対し、軸線
が車体前後方向に延びるラバーブッシュ15を介して上下
揺動自在に連結されている。また、後方のリンク部材12
は湾曲した形状を有しており、該リンク部材12の一端
は、ナックル部材1の下端におけるリンク部材11の枢着
点(ボールジョイント13の中心)の後方に近接した位置
にボールジョイント16を介して枢着され、リンク部材12
の他端は、リンク部材11とかなり離れた位置において、
クロスメンバ14に対しラバーブッシュ17を介して上下揺
動可能に連結されている。したがって、リンク部材11,
12の軸線同士は、それらのナックル部材1との枢着点
(ボールジョイント13,16の中心)よりも車体外方の点
O1で交わるようになっている(図3参照)。
【0019】上記ナックル部材1には、そのドライブシ
ャフト挿通口3付近から後方に延びるアーム部1aが一体
形成され(図1,図4参照)、該アーム部1aの先端にス
テアリング装置のタイロッド20が連結されている。ま
た、ナックル部材1の上端にはアッパージョイント21が
装着されているとともに、該アッパージョイント21に
は、アッパーアーム5とダンパー装置6の下端とが連結
されている。
【0020】アッパージョイント21は、図5に示すよう
に、上下方向に軸線を有する円筒状の第1ボス部21a を
備えており、該第1ボス部21a 内に、軸孔24d を備えた
内筒24が樹脂製の滑りブッシュ25を介して同軸的に、か
つ回転可能に設けられている。該内筒24の外周面には、
円筒面24a と、該円筒面24a の上端と連続しかつ上方に
向うに従って漸次拡径する上部円錐面24b と、上記円筒
面24a の下端と連続しかつ下方に向うに従って漸次拡径
する下部円錐面24c とが形成されている。また、第1ボ
ス部21a の内周面には、内筒24の円筒面24a 、上部円錐
面24b および下部円錐面24c に対して上記滑りブッシュ
25を介してそれぞれ対向する円筒面21b、上部円錐面21c
および下部円錐面21d が形成されている。そして、ナ
ックル部材1の上端に取付けられて上下方向に延びる上
下軸23が上記内筒24の軸孔24d 内に挿通され、かつ内筒
24が上下軸23に固定されていることにより、アッパージ
ョイント21は、ナックル部材1の上端に対し、上下軸23
の周りにのみ回転可能に設けられ、上下軸23と直交する
軸周りの回転力に対しては、内筒24の外周面と第1ボス
部21a の内周面との間での面抵抗により抵抗するように
なっている。
【0021】また、アッパーアーム5の一端(車体内側
端)は、クロスメンバ14上に取付けられたブラケット31
(図2参照)に対し、軸線が車体前後方向に延びるラバ
ーブッシュ32を介して上下揺動可能に連結されている一
方、アッパーアーム5の他端部(車体外方端部)には、
ダンパー装置6の下端を前後両側から挟むように二股状
に分岐した一対の分岐部5a,5aが形成され(図1,図3
参照)、各分岐部5aの先端は、それぞれ軸線が車体前後
方向に延びるラバーブッシュ33を介してアッパージョイ
ント21に上下揺動可能に連結されている。
【0022】さらにダンパー装置6の上端は、車体7に
対し、ラバーマウント36を介して弾性的に支持されてお
り(図1,図2参照)、ダンパー装置6の上部外周には
コイルスプリング37が配設されている。一方、ダンパー
装置6の下端にはブラケット38が枢着されて、該ブラケ
ット38は、ダンパー装置6への嵌着部から二股状に延び
る一対のアーム部38a ,38a を有し、両アーム部38a ,
38a は、アッパーアーム5の両分岐部5a,5aの内側に位
置し、かつアッパージョイント21に対して分岐部5a,5a
と同一の軸線周りに上下揺動可能に連結されている。
【0023】アッパージョイント21に対するアッパーア
ーム5(分岐部5a) およびダンパー装置6の下端(詳し
くはブラケット38のアーム部38a )の連結部の構成は図
6および図7に詳細に示してある。
【0024】図6および図7から明らかなように、アッ
パージョイント21は、前後方向に軸線を有する円筒状の
第2ボス部21e を備えており、該第2ボス部21e 内に、
軸孔40d を備えた内筒40が滑りブッシュ41を介して同軸
的に、かつ回転可能に設けられている。該内筒40の外周
面には、円筒面40a と、該円筒面40a の前端と連続しか
つ前方へ向うに従って漸次拡径する前部円錐面40b と、
上記円筒面40a の後端と連続しかつ後方へ向うに従って
漸次拡径する後部円錐面40c とが形成されている。ま
た、第2ボス部21e の内周面には、内筒40の円筒面40a
、前部円錐面40bおよび後部円錐面40c に対して上記滑
りブッシュ41を介してそれぞれ対向する円筒面21f 、前
部円錐面21g および後部円錐面21h が形成されている。
【0025】さらに上記内筒40の軸孔40d の前端部およ
び後端部には、軸孔40d の内径よりも所定寸法だけ大径
とされた凹部40e ,40e が同軸的に形成され、該凹部40
e ,40e 内にスリーブ42,42の後述する円筒部42a の先
端がそれぞれ嵌着されている。スリーブ42は、内筒40の
軸孔40d の内径にほぼ等しい内径を有する円筒部42a
と、該円筒部42a の一端に形成されたフランジ部42b と
を備えており、その円筒部42a の外周に、ダンパー装置
6の下端に取付けられたブラケット38の各アーム部38a
の先端が嵌装されており、スリーブ42の円筒部42a の先
端がアッパージョイント21の内筒40に嵌着されているこ
とにより、アーム部38a の前後端面は、スリーブ42のフ
ランジ部42b の端面と内筒40の側端面とにそれぞれ密接
し、これによってアーム部38a と内筒40とがスリーブ42
を介して剛結された状態となっている。
【0026】上記内筒40の軸孔40d と、その前後端に嵌
着されたスリーブ42,42には1本のボルト形状の前後軸
39が貫通しているが、この前後軸39には、アッパーアー
ム5の両分岐部5a,5aの先端にそれぞれ取付けられたラ
バーブッシュ33の内筒33a が、各スリーブ42のフランジ
部42b の外側端面に接するように挿入されている。な
お、33b はラバーブッシュ33の外筒、33c は内筒33a と
外筒33b との間に充填されたラバーである。
【0027】このように、2個のラバーブッシュ33の内
筒33a と、2個のスリーブ42と、アッパージョイント21
の内筒40とを貫通して取付けられた前後軸39の一端には
ナット43が締着され、これによって、アッパージョイン
ト21、ダンパー装置6の下端およびアッパーアーム5と
は、互いに前後軸39の周りのみに相対回転可能(上下揺
動可能)に連結されている。
【0028】以上が本実施例の構成であるが、次に本実
施例の作用および効果について説明する。
【0029】車輪2がタイロッド20からの操舵力をナッ
クル部材1を介して受けて左右に操舵されるとき、ナッ
クル部材1の下端側すなわちロアアーム4の瞬間回転中
心点は、ロアアーム4を構成する2本のリンク部材11,
12の軸線同士の交点O1である(図3参照)。また、ナ
ックル部材1の上端側の瞬間回転中心点は、ナックル部
材1がアッパージョイント21との連結軸である上下軸23
周りに回転するとともに、ダンパー装置6、アッパージ
ョイント21およびアッパーアーム5からなる構造体がダ
ンパー装置6上端の車体連結点(ラバーマウント36の中
心点)とアッパーアーム5の車体連結点(ラバーブッシ
ュ32の中心点)とを結ぶ直線L1(図2参照)周りに回
動変位することから、上下軸23の軸延長線L2と上記直
線L1との交点O2となる。したがって、仮想キングピ
ン軸は、上記2つの交点O1,O2を通る直線L3とな
るが、この仮想キングピン軸L3は、車輪2の回転中心
線L5上では、車輪2の幅方向中心線L4よりも若干車
体内側を通り、車輪2の接地面では、若干ネガティブキ
ングピンオフセット(−Δ)となるよう車輪2の幅方向
中心L4よりも若干車体外側を通る理想のものに近づく
ようになるので、サスペンション性能の向上を図ること
ができる。
【0030】さらに、ダンパー装置6の下端は、アッパ
ージョイント21を介してナックル部材1の上端に連結さ
れ、車輪2の回転中心線L5近くまでは下方に延びてい
ないため、ダンパー装置6とドライブシャフトとが干渉
することはない。したがって、この干渉回避のための特
別な構造を採る必要はなく、構造の簡略化、装置の小型
化および軽量化を図ることができる。また、車輪2に作
用する上下方向の荷重は、ダンパー装置6に対してほぼ
レバー比1の割合をもって入力するので、この上下荷重
に対応して減衰力を発生させる点からみればダンパー装
置6を特に大型化する必要はなく、より以上の小型化、
軽量化を図ることが可能になる。
【0031】さらに、アッパーアーム5の車体との連結
点は1ヶ所のみでよいから、その分レイアウト上の自由
度を高めることができる。
【0032】これに加えて、ダンパー装置6の下端に固
定されたブラケット38のアーム部38a と前後軸39との間
にスリーブ42が介装され、かつアーム部38a が前後軸39
に直接枢着されているのではなく、各アーム部38a とア
ッパージョイント21の内筒40とがれぞれスリーブ42を介
して剛結され、スリーブ42および内筒40に前後軸39が挿
通された構成を有しているため、アッパージョイント21
に対するアーム部38aの連結部のガタ、すべり等がな
く、また、アーム部38a の揺動による振動が前後軸
39に直接伝わらないため、前後軸39に締着されたナット
43が振動によってゆるむおそれもなくなる。
【0033】またさらに、ラバーブッシュ33および前後
軸39を取付ける以前に、アッパージョイント21の内筒40
にダンパー装置6下端のアーム部38a をスリーブ42を介
して取付けたのみの状態でサブアセンブリすることが可
能であるから、サスペンション装置の組付け性が良好に
なる利点もある。
【0034】次に上記上下軸23が上下方向(鉛直方向)
に対して、また上記前後軸39が水平方向または車体前後
方向に対して、それぞれ傾斜している場合、車輪2のホ
イールアラインメントへの影響について、図8〜図15を
参照しながら説明する。
【0035】図8(a) に示すように、上下軸23が車体側
方から見て上下方向に対して後方に傾斜している場合、
車輪2の操舵時には、該車輪2の上端側が上下軸23周り
に回動することから、車輪2のキャスタ角が増加する
(図8(b) 参照)。また、このキャスタ角の増加に伴い
車輪2のキャンバ角が負方向に変化する。
【0036】図9(a) に示すように、上下軸23が車体側
方から見て上下方向に対して前方に傾斜している場合、
車輪2の操舵時には、該車輪2の上端側が上下軸23周り
に回動することから、車輪2のキャスタ角が減少する
(図9(b) 参照)。また、このキャスタ角の減少に伴い
車輪2のキャンバ角が正方向に変化する。
【0037】図10に示すように、上下軸23が車体前後方
向から見て車体内側に傾斜している場合、車輪2の操舵
時には、図8(b) と同様の変化を生じ、車輪2のキャス
タ角が増加する。
【0038】図11に示すように、上下軸23が車体前後方
向から見て車体外側に傾斜している場合、車輪2の操舵
時には、図9(b) と同様の変化を生じ、車輪2のキャス
タ角が減少する。
【0039】図12(a) に示すように、前後軸39が車体側
方から見て水平方向に対し前方上向きに傾斜している場
合、車輪2のバンプ時には、該車輪2の上端側が前後軸
39周りに回動することから、車輪2のキャスタ角が減少
する(図12(b) 参照)。また、車輪2のリバウンド時に
も、車輪2のキャスタ角は減少する。
【0040】図13(a) に示すように、前後軸39が車体側
方から見て水平方向に対し前方下向きに傾斜している場
合、車輪2のバンプ時には、該車輪2の上端側が前後軸
39周りに回動することから、車輪2のキャスタ角が増加
する(図13(b) 参照)。また、車輪2のリバウンド時に
も、車輪2のキャスタ角は増加する。
【0041】図14(a) に示すように、前後軸39が車体上
方から見て車体前後方向に対し前方内向きに傾斜してい
る場合、車輪2のバンプ時には、該車輪2の上端側が前
後軸39の周りに回動することから、車輪2のキャスタ角
が減少する(図14(b) 参照)。また、車輪2のリバウン
ド時にも、車輪2のキャスタ角は減少する。
【0042】図15(a) に示すように、前後軸39が車体上
方から見て車体前後方向に対し前方外向きに傾斜してい
る場合、車輪2のバンプ時には、該車輪2の上端側が前
後軸39の周りに回動することから、車輪2のキャスタ角
が増加する(図15(b) 参照)。また、車輪2のリバウン
ド時にも、車輪2のキャスタ角は増加する。
【0043】ところで、上述の実施例では、アッパージ
ョイント21、アッパーアーム5およびダンパー装置6
を、車体前後方向に延びる1本の前後軸39周りに連結し
た構成となっているが、アッパージョイント21をダンパ
ー装置6の下端に前後軸周りに上下揺動可能に連結する
とともに、アッパーアーム5を、アッパージョイント21
とダンパー装置6とを連結する前後軸とは別の連結軸の
周りに上下揺動可能に枢着するようにしてもよい。
【0044】さらに、本実施例は、本発明をFF型車の
前輪用サスペンション装置に適用した場合であるが、こ
れに限らず、各種車両のサスペンション装置に適用する
ことができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるサスペンション装置の
斜視図
【図2】同車体前方から見た一部を断面とした正面図
【図3】同平面図
【図4】同側面図
【図5】ナックル部材とアッパージョイントとの連結構
造を示す断面図
【図6】アッパージョイントとアッパーアームおよびダ
ンパー装置との連結構造を示す断面図
【図7】図6の要部を拡大して示す断面図
【図8】上下軸の傾斜による車輪のホイールアラインメ
ントへの影響の説明に供する説明図
【図9】同説明図
【図10】同説明図
【図11】同説明図
【図12】前後軸の傾斜による車輪のホイールアライン
メントへの影響の説明に供する説明図
【図13】同説明図
【図14】同説明図
【図15】同説明図
【符号の説明】
1 ナックル部材(車輪支持部材) 2 車輪(前輪) 4 ロアアーム 5 アッパーアーム 6 ダンパー装置 11,12 リンク部材 21 アッパージョイント 23 上下軸 39 前後軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材
    と、 一端が前記車輪支持部材の下端に連結され、他端が車体
    に連結されたロアアームと、 前記車輪支持部材の上端に該車輪支持部材に対して上下
    軸周りにのみ回転可能に連結されたアッパージョイント
    と、 上端が車体に連結され、下端が前記アッパージョイント
    に対して前後軸周りにのみ回転可能となるように前記ア
    ッパージョイントに連結されたダンパー装置と、 一端が前記前後軸上または前記アッパージョイントに支
    持され、他端が車体に連結されたアッパーアームとを備
    え、 前記ダンパー装置の下端と前記前後軸との間にスリーブ
    が介装され、かつ該スリーブを介して前記ダンパー装置
    の下端と前記アッパージョイントとが連結されてなるこ
    とを特徴とする車両のサスペンション装置。
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