JPH05246710A - 導電性粉末およびその製造方法 - Google Patents

導電性粉末およびその製造方法

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JPH05246710A
JPH05246710A JP8137992A JP8137992A JPH05246710A JP H05246710 A JPH05246710 A JP H05246710A JP 8137992 A JP8137992 A JP 8137992A JP 8137992 A JP8137992 A JP 8137992A JP H05246710 A JPH05246710 A JP H05246710A
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JP
Japan
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conductive
fluoromica
whiteness
particle size
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JP8137992A
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Akio Yanagisawa
明男 柳沢
Daisuke Shibuta
大介 渋田
Kuniaki Wakabayashi
邦昭 若林
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸化錫または酸化アンチモンをドープした
酸化錫を表面被覆として有する導電性粉末であって、へ
き解粉砕処理を経ない少なくともフッ素を2重量%以上
含む非膨潤性フッ素雲母を基体とし、比表面積が1m2
/g〜10m2/gであり、該被覆量が5〜40重量%
であることを特徴とする導電性粉末。 【効果】 本発明の導電性粉末においては、タルクを
主原料とする人工雲母を基体として使用するため、その
粒度および形状の制御が容易である。このため、比較的
少ない充填量で樹脂等に導電性を付与することができ
る。また、基体の人工雲母は白色度が高いものを得るこ
とが容易であるので、白色度に優れた導電性粉末を簡便
に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化錫または酸化アン
チモンがドープされた酸化錫の導電層をその表面に形成
させた偏平状導電性フッ素雲母微粉末およびその製造方
法に関する。本発明の導電性微粉末は、樹脂または繊維
等に用いて、導電性を有する、または帯電防止特性に優
れた複合材を製造するのに特に有用である。
【0002】
【従来技術とその問題点】電気絶縁性の樹脂、繊維等に
導電性を付与する方法としては、これらに導電性粉末を
混合したり、その表面に導電性塗料を塗付または含浸す
る方法がある。こうした粉末または塗料用の導電性材料
としては、(i)カーボン系、金属系、金属酸化物系の導
電材料、(ii)高分子電解質または無機塩類等のイオン伝
導系の導電材料、あるいは(iii)表面に導電処理を施し
た無機粉体が挙げられ、粉末としては、微細粉状、粒
状、長繊維状、針状および偏平状の形状を有するものが
使用されている。
【0003】このうち、微細粉末および粒子状のもの
は、比較的製造が容易であるが、個々の導電粒子の形状
が概ね球形であるため、粒子どうしの接触はほぼ点接触
となり、導電性能を高めるためには充填量を多くして使
用することが必要である。このため、導電性を付与しよ
うとする樹脂等の特性や強度の劣化を招くという問題が
ある。一方、針状または長繊維状としたものは、粒子ど
おしの接触が線ないし面状となるため導電効率は良い
が、樹脂等に練り込んで成形した際、成形体の表面平滑
性に問題が生じるという問題がある。
【0004】偏平状の粒子は、粒子どおしの接触部が面
となるため、導電効率の面からは好ましい。このような
偏平状粒子の代表例は天然雲母であり、たとえば、米国
特許3536520は雲母粒子表面に金属被覆を形成さ
せた導電性顔料を、特開昭63−20342は、雲母粒
子表面に酸化錫、酸化アンチモンの混合被覆を形成させ
た導電性雲母微粒子について記載している。しかし、天
然雲母においては、(i)雲母のへき解性を利用して薄片
状に機械的に粉砕するので、表面平滑性を得るために必
要な10μm以下の粉体を得ることが困難である(不可
能ではないが収率が低くコストがかかる);(ii)粒度分
布が広く、凹凸のある不規則な形状を有するため充填性
が低い;(iii)不純物(主としてFe)の含有により白
色度が劣るため、白色導電材の基体として使用するには
不都合である、という問題点があった。
【0005】
【問題解決に至る知見】本発明者らは、従来の導電性微
粉末の有する上記問題点について検討し、非膨潤性合成
フッ素雲母(特開平2−149415)に着目し、これ
を基体としてその表面に導電処理を施すことを試みた。
その結果、上記雲母表面に、酸化アンチモンを含む酸化
錫被膜を形成することによって、単位重量当たりの導電
効果、白色度、表面平滑性に優れた導電性粉末が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の構成】すなわち、本発明は、酸化錫または酸化
アンチモンをドープした酸化錫を表面被覆として有する
導電性粉末であって、へき解粉砕処理を経ない少なくと
もフッ素を2重量%以上含む非膨潤性フッ素雲母を基体
とし、比表面積が1m2/g〜10m2/gであり、該被
覆量が5〜40重量%であることを特徴とする導電性粉
末を提供する。
【0007】本発明での使用に適するフッ素雲母は、ケ
イフッ化カリウムとタルクとを混合し加熱処理すること
によって得られ、構造式:αKF・β(aMgF2・bM
gO))・γSiO2によって示される。ここで、α、
β、γ、aおよびbはそれぞれ係数を表わし、αは0.
1〜2、βは2〜3.5、γは3〜4、aおよびbは0
〜1(但し、a+b=1)であり、好ましくは、αは1
であり、aは0〜0.2の範囲の数である。フッ素雲母
のフッ素含有量は、F換算で2重量%以上である。これ
より少ないと偏平状の微粉末が得られない。なお、フッ
素雲母の合成において、添加アルカリイオンとして上記
のようにカリウムを用いた場合には、生成する雲母は非
膨潤性となることが知られている。
【0008】導電性粒子の粒径は、平均粒径で0.5μ
m〜10μm、最大粒径で20μm以下とする。平均粒
径が0.5μm未満であると、単位重量当たりの接触回
数(したがって接触抵抗)が増加し導電性能が低下す
る。一方、平均粒径が10μmを超えると表面平滑性が
悪くなる。最大粒径が20μmを超えると表面平滑性が
低下するだけでなく、塗料で使用する場合に沈降分離し
て塗工が困難になりやすい。
【0009】粒子のアスペクト比(粒径/厚み)は、好
ましくは10以上である。アスペクト比が10未満であ
ると粒子どおしの接触面積が小さくなるので導電性能が
低下する。
【0010】比表面積は、1m2/g〜10m2/gとす
る。粒径とも関係するが、1m2/g未満であると塗工
性、表面平滑性に問題がある。10m2/gを超えると
導電性能が低下する。
【0011】上記フッ素雲母の粒径および形状は、原料
であるケイフッ化カリウムとタルクのそれにより決まる
ため、導電性粒子の基体としてフッ素雲母を使用するこ
とにより、その粒度分布や形状の制御は極めて容易に行
なうことができる。
【0012】白さについてはハンター白色度で90以上
であれば導電層を形成したときに、白色フィラーとして
好ましい白さを維持できる。不純物含有量の少ないタル
クを得ることは比較的容易であり、上記フッ素雲母を使
用することにより、従来の雲母を基体とした導電性粉末
では達成が困難であった白色度に優れた導電性粉末を容
易に製造することが可能となる。
【0013】フッ素雲母表面への導電性被覆の形成は、
従来の天然雲母表面への被覆形成と同様にして行なうこ
とができる。たとえば、フッ素雲母を含有する水性懸濁
液にSnCl4とSbCl3とを含む塩酸性水溶液を添加
しNaOH水溶液を添加してpHを2〜4になるように
調整して、雲母表面に酸化錫、酸化アンチモンの水酸化
物共沈物を形成し、これを水洗乾燥後、400〜900
℃で焼成する。
【0014】雲母表面に被覆する量については5〜40
重量%が好ましい。5%未満であると導電性が充分に得
られない。40%を超えても導電性能は改善されずかえ
って白色度が低下する。
【0015】
【発明の具体的開示】
【実施例1】平均粒径2μm、アスペクト比30、白色
度94、比表面積3.7m2/g、フッ素含有量8.5
重量%のフッ素雲母粉末100gを水0.3リットルに攪拌
分散させ、90℃に保持し、SnCl417gとSbC
32.5gを含む塩酸性水溶液と75g/lのNaO
H水溶液とをpHが2から4になるように30分にわた
って同時に添加し、酸化錫、酸化アンチモンの水酸化物
共沈物を被覆した。これを水洗、ろ過した後、100℃
で乾燥し、550℃、1時間で焼成した。その結果、収
量110g(被覆量10重量%)、体積電気抵抗率50
Ω・cm(100kg/cm2の加圧下)、白色度81
の白色導電性偏平状粉末が得られた。
【0016】
【実施例2〜3】平均粒径9μm、アスペクト比50、
白色度96、比表面積2.8m2/g、フッ素含有量
5.9重量%のフッ素雲母粉末100gを用い、実施例
1と同様な方法にて、被覆量10重量%(実施例2)、
36重量%(実施例3)の白色導電性偏平状粉末を得
た。白色度等の測定結果を表1に示す。
【0017】
【実施例4】平均粒径0.5μm、アスペクト比10、
白色度96、比表面積5.0m2/g、フッ素含有量
3.5重量%のフッ素雲母粉末100gを用い、実施例
1と同様な方法にて、被覆量10重量%の白色導電性偏
平状粉末を得た。白色度等の測定結果を表1に示す。
【0018】
【比較例1】ルチル型の粒状二酸化チタン(石原産業
(株)製、商品名CR−EL)(一時粒子径0.2μm、
白色度92、比表面積7m2/g)を用い、実施例1と
同じ条件で被覆を行なった。粉末特性は、体積電気抵抗
値9Ω・cm、白色度80であった。
【0019】
【比較例2】繊維状チタン酸カリウム(大塚化学(株)
製、商品名テイモス)(平均繊維長10〜20μm、繊
維径0.2〜0.5μm)を用い、実施例1と同じ条件
で被覆を行なった。粉末特性は、体積電気抵抗値45Ω
・cm、白色度71であった。
【0020】
【比較例3】天然白雲母粉末(ワンドー工業(株)製、商
品名MT−500)(平均フレーク径10〜20μm、
白色度77)を用い、実施例1と同じ条件で被覆を行な
った。粉末特性は、体積電気抵抗値110Ω・cm、白
色度62であった。
【0021】
【表1】 例 担 体 被覆量 白色度 体積電気抵抗 (重量%) (Ω・cm) 実施例1 フッ素雲母 10 81 50 実施例2 〃 10 84 21 実施例3 〃 36 79 8 実施例4 〃 10 82 50 比較例1 ルチル型TiO2 10 78 9 比較例2 チタン酸カリウム 10 71 45 比較例3 天然白雲母 10 62 110
【0022】
【実施例5〜7】実施例1の白色導電性粉末をアクリル
樹脂クリアー塗料(関西ペイント(株)製、商品名ACR
IC2000GL)に固形分30重量%で含有させ、ホ
モミキサーで1000rpm5分間分散させた。これを
アプリケータで75μmのポリエステルフィルムに塗付
した後、60℃で120分間かけて乾燥させ、塗膜厚、
シート抵抗および白色度を測定した。また、固形分含有
量を60重量%に増やし(実施例3)、あるいは、実施
例4の粉末を用い(実施例7)、同様にして塗膜を形成
した。結果を表2に示す。
【0023】
【比較例4〜9】比較例1〜3の粉末を用いた他は実施
例5および6と同様にして塗膜を形成した。結果を表2
に示す。
【0024】
【表2】 例 導電性粉末 粉末含有量 白色度 導 電 性 表面平滑性 (重量%) (Ω/□) 実施例5 実施例1 30 80 4×107 ◎ 実施例6 実施例1 60 79 3×104 ○ 実施例7 実施例4 30 79 3×104 ◎ 比較例4 比較例1 30 79 >1013 ◎ 比較例5 比較例1 60 78 6×108 ◎ 比較例6 比較例2 30 69 5×107 × 比較例7 比較例2 60 67 1×104 × 比較例8 比較例3 30 59 8×1010 △ 比較例9 比較例3 60 58 5×106
【0025】表に示されるように、導電性粉末が概ね球
形である比較例4・5は、表面平滑性にはすぐれている
が導電性が低い。導電性粉末が繊維状である比較例6・
7は導電性は比較的すぐれているが表面平滑性が悪い。
偏平状粒子である天然粉砕雲母を用いた比較例8・9
は、ほぼこの中間の特性を示すが、白色度が劣る。これ
対して、本願発明の非膨潤性フッ素雲母を基体とした例
(実施例5〜7)では、導電性、表面平滑性、白色度の
いずれにおいても良好な結果が得られている。
【0026】
【発明の効果】本発明の導電性粉末においては、タルク
を主原料とする人工雲母を基体として使用するため、そ
の粒度および形状の制御が容易である。このため、比較
的少ない充填量で樹脂等に導電性を付与することができ
る。また、基体の人工雲母は白色度が高いものを得るこ
とが容易であるので、白色度に優れた導電性粉末を簡便
に得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化錫または酸化アンチモンをドープし
    た酸化錫を表面被覆として有する導電性粉末であって、
    へき解粉砕処理を経ない少なくともフッ素を2重量%以
    上含む非膨潤性フッ素雲母を基体とし、比表面積が1m
    2/g〜10m2/gであり、該被覆量が5〜40重量%
    であることを特徴とする導電性粉末。
  2. 【請求項2】 該非膨潤性フッ素雲母が、ケイフッ化カ
    リウムとタルクとを混合し加熱処理することによって得
    られ、構造式:αKF・β(aMgF2・bMgO)・γ
    SiO2(式中、α、β、γ、aおよびbはそれぞれ係
    数を表わし、αは0.1〜2、βは2〜3.5、γは3
    〜4、aおよびbは0〜1の範囲の数(但し、a+b=
    1)である)によって示され、平均粒径で0.5μm〜
    10μmであり、最大粒径が20μm以下であり、アス
    ペクト比が10以上、ハンター白色度が90以上である
    フッ素雲母であることを特徴とする請求項1の導電性粉
    末。
  3. 【請求項3】 非膨潤性フッ素雲母を水性溶液に懸濁さ
    せ、該液に塩化錫と塩化アンチモンの塩酸水溶液および
    アルカリ水溶液を添加し、pH1.5〜7で該塩を加水
    分解して錫およびアンチモンの水酸化物を前記フッ素雲
    母の表面に析出させ、その後、これを焼成することから
    なる導電性フッ素雲母微粉末の製造方法。
JP8137992A 1992-03-04 1992-03-04 導電性粉末およびその製造方法 Withdrawn JPH05246710A (ja)

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