JPH05246340A - 四輪操舵車両における後輪の転舵制御方法 - Google Patents

四輪操舵車両における後輪の転舵制御方法

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JPH05246340A
JPH05246340A JP4388492A JP4388492A JPH05246340A JP H05246340 A JPH05246340 A JP H05246340A JP 4388492 A JP4388492 A JP 4388492A JP 4388492 A JP4388492 A JP 4388492A JP H05246340 A JPH05246340 A JP H05246340A
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JP
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steering
rear wheel
lateral
rear wheels
steered
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JP4388492A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Kido
友幸 城戸
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御手段の出力段階において異常が生じ、後
輪同位相転舵制御領域内で後輪が逆位相に転舵された場
合、ただちにこれを検出し、走行安定性が害されるのを
防止する制御を行う。 【構成】 後輪転舵方向を検出するとともに、横Gによ
って判断される後輪同位相転舵制御領域において後輪が
逆位相に転舵された場合、後輪を中立位置に戻して保持
すように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、四輪操舵車両におけ
る後輪の転舵制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の走行状況に応じて最適の走行性能
を得るため、前輪に加えて後輪をも転舵するように構成
した四輪操舵装置が広く普及している。四輪操舵装置
は、一般に、ステアリングの操舵角が小さい場合には、
後輪を前輪と同方向へ、すなわち、同位相へ転舵させる
一方、ステアリングの操舵角が所定値より大きくなる場
合は、後輪を前輪と逆方向へ、すなわち、逆位相へ転舵
させるように構成されている。
【0003】中・高速時の旋回やレーンチェンジを行う
場合には、概してステアリングの操舵角は小さく、この
ときに後輪を前輪と同位相に転舵させることにより、遠
心力に起因する車両の横滑りを抑制して走行安定性を高
めることができる。一方、低速時にUターン等の比較的
急な旋回を行う場合には、ステアリングの操舵角は大き
くなり、このときに後輪を逆位相に転舵させることによ
り、車両の旋回半径を小さくして小回り性を向上させる
ことができる。
【0004】このような四輪操舵装置には、たとえば、
特公昭60−44186号公報に記載されているよう
な、ステアリングシャフトの回転を機械的に後輪転舵機
構に伝達して後輪を転舵させるように構成されるもの
や、特開平1−204867号公報に記載されているも
ののように、電動モータや油圧アクチュエータで後輪転
舵機構を駆動するように構成されるもの等種々のタイプ
のものがある。
【0005】後輪転舵機構を電動モータで駆動するタイ
プの四輪操舵装置においては、後輪転舵機構が、前輪転
舵機構と機械的には完全に切り離されて独立させられる
とともに、ステアリングの操舵角を検出する操舵角セン
サ、車速センサ等によって検出される情報に基づいて、
上記電動モータを駆動して後輪を転舵させなければなら
ない。通常、上記電動モータを駆動するための制御手段
が設けられており、この制御手段としてマイクロコンピ
ュータが採用されることが多い。そして、上記操舵角セ
ンサ、車速センサ等からの情報に基づいて旋回時に理論
上発生する横G(車両の中心点に作用する横加速度)を
演算し、この横Gの値に基づいて後輪を転舵する方向お
よび転舵量を決定している。
【0006】ところで、電動モータによって駆動される
タイプの四輪操舵装置においては、制御手段、あるいは
センサ等に故障が生じると、後輪の適正な転舵制御を行
えなくなり、走行安定性が低下するおそれがある。上記
不都合を解消するため、たとえば、特開昭62−146
772号公報に記載されているもののように、種々のフ
ェイルセイフ手段が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、センサおよ
び制御手段の演算回路が正常に作動していても、制御手
段の出力段階で異常な転舵制御が行われる場合も考えら
れる。たとえば、制御手段を構成するマイクロコンピュ
ータの演算回路は、正常に横G等の演算を行っている
が、上記制御手段によって演算される横G等に基づいて
制御信号を発生するゲートアレイ等の部分に故障が生じ
たり、外乱によってメモリーに記憶されている転舵角や
転舵方向を読み違えて後輪を転舵制御してしまう場合が
ありうる。
【0008】特に、後輪が同位相に転舵制御されている
とき、すなわち、ある程度の速度で走行しているとき
に、上記の異常な制御によって後輪が逆位相に転舵され
ると、走行安定性を大きく害されるおそれがある。
【0009】上記問題を解決するため、特開昭62−1
46772号公報に記載されているもののように、制御
手段によって達成される制御の一部にでも異常な制御が
あった場合には、後輪を強制的に中立位置に戻し、2W
Sに切り換えるように制御することも考えられる。
【0010】しかし、上記公報に記載されている四輪操
舵装置は、上記制御手段から発せられる制御信号に異常
なものがあった場合に、上記制御手段の異常を判断する
ためのバックアップ制御手段を上記制御手段と別途に設
けるとともに、このバックアップ制御手段の出力によっ
て後輪を中立位置に強制的に戻す機構を設けて構成され
ている。このため、装置が非常に複雑になるばかりでな
く、上記バックアップ制御手段および後輪を強制的に中
立位置へ復帰させる機構の信頼性をさらに担保する手段
が必要となる。
【0011】一方、制御手段が異常な制御出力を発生さ
せる場合、上述したように、制御手段自体の演算回路に
故障があるのではなく、その出力段階において異常が生
じている場合も多い。このため、制御手段から異常な制
御出力が出た場合、ただちに制御手段による制御を打ち
切ることは、かえって装置の信頼性を低下させることに
もなりかねない。
【0012】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、制御手段
の出力段階において異常が生じ、後輪同位相転舵制御領
域内で後輪が逆位相に転舵された場合、ただちにこれを
検出し、走行安定性が害されるのを防止する制御を行い
得る四輪操舵車両における後輪の操舵制御方法を提供す
ることをその課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。すな
わち、本願発明は、ステアリング操作に応じて前輪を転
舵する前輪転舵機構と、制御手段によって制御される電
動モータで駆動される後輪転舵機構とを備え、上記制御
手段は、車速、ステアリング操舵角等に基づいて、ステ
アリング回転時に車両に作用する横Gを演算するととも
に、この横Gの大きさが所定値より小さい場合に、後輪
を前輪に対して逆位相に転舵するように制御する一方、
上記横Gの大きさが所定値より大きい場合に、後輪を前
輪に対して同位相に転舵するように制御する四輪操舵車
両において、後輪転舵方向を検出するとともに、上記横
Gによって判断される後輪同位相転舵制御領域において
後輪が逆位相に転舵された場合、後輪を中立位置に戻し
て保持すように制御することを特徴としている。
【0014】
【発明の作用および効果】本願発明に係る制御方法にお
いては、後輪の実際の転舵方向を検出するとともに、制
御手段によって演算される横Gが所定値より大きく、後
輪が前輪と同位相に転舵される後輪同位相転舵制御領域
において、後輪が逆位相に転舵された場合、後輪を中立
位置に戻して保持するように制御する。
【0015】すなわち、たえず後輪の転舵方向を監視
し、後輪同位相転舵制御領域内において、万一後輪が逆
位相に転舵された場合、後輪を中立位置に戻すのであ
る。上記後輪の転舵方向の検出は、後輪を転舵制御する
ための制御手段のサンプリング時間毎に行えるため、後
輪の逆位相転舵、すなわち異常な出力を早期にかつ迅速
に検出できる。
【0016】したがって、後輪同位相転舵制御領域、す
なわちある程度の速度を出して走行している場合におけ
る、後輪の逆位相転舵をその初期に検出して2WSの状
態に迅速に戻すことができる。このため、操縦安定性が
害される前に対処することが可能となり、高いフェイル
セイフ機能を発揮させることができる。
【0017】また、本願発明は、制御手段の出力段階の
異常を制御手段自体に発見させ、車両の走行安定性が害
されるのを防止しようとするものである。通常、制御手
段の出力段階における異常は、制御手段を構成するマイ
クロコンピュータの一部のゲイトアレイ等の故障、ある
いは駆動モータの配線ミス等によって生じることが多
い。したがって、同一制御手段内における、横G等を演
算する制御領域とは異なる別の領域を用いて上述した制
御を行うフェイルセイフ回路を構成しても、高い信頼性
を得ることができる。
【0018】
【実施例の説明】以下、本願発明に係る実施例を、図面
を参照しながら具体的に説明する。図1は、本実施例に
係る四輪操舵装置の全体構成を概略的に示した図であ
る。前輪転舵機構としては、一般的なラックピニオン式
のステアリングギヤを用いた前輪転舵機構1を採用する
ことができる。この前輪転舵機構1は、ステアリングシ
ャフト2を介して伝達されるステアリング3の回転が、
ギヤボックス4でラック扞5の車幅方向動に変換され、
さらに、このラック扞5の車幅方向の動きがラック扞5
の両端に連結されたタイロッド6,6を介してナックル
アーム7,7の軸8,8を中心とした回動に変換される
ように構成されている。そして、ナックルアーム8,8
の回動により前輪9,9が転舵される。
【0019】一方、後輪転舵機構10は、ホデーフロア
下面等に支持されるハウジング11内を車両前後方向に
延びる電動シャフト12の後端部に連結されるカム体1
3と、この両側方に配置される左右一対の回転ローラ状
のカムフォロア14,14と、これらカムフォロア1
4,14を中間部に支持し、かつ上記ハウジング11に
車幅方向スライド可能に支持されたスライドバー15と
を備えて構成される。
【0020】本実施例に係る上記カム体13は、図5に
示すように、略おむすび状を呈するプロファイルに形成
されており、この外周面には、所定の回転方向位置にお
いて、上記カムフォロア14,14を車幅方向に押動す
るカム面16a,16bが設けられている。後輪19
を、ステアリング3の操舵角が小さい範囲では同位相に
転舵させ、ステアリング3の操舵角が所定値以上になっ
たときに逆位相に転舵させるにあたっては、たとえば、
図5に示すように、上記カム体13に、これが中立回転
位置から回転したときに、まず一方のカムフォロア14
を押動するカム面16aを、さらに回転角が大きくなっ
たときに他方のカムフォロア14を押動するカム面16
bを設けることにより、容易に構成することができる。
また、後輪19の転舵量も、カム面をその回転軸心Oか
らの距離が回転角位置によって変化するように形成する
ことにより、ステアリング3の操舵角に応じて増減させ
ることができる。
【0021】上記スライドバー15の両端には、それぞ
れタイロッド17およびナックルアーム18を介して後
輪19が連結されている。したがって、カム体13が所
定量回転させられて、そのカム面16a,16bがカム
フォロア14,14を押動すると、これによりスライド
バー15が所定方向に車幅方向動させられ、これにとも
ない後輪19,19が所定方向に所定量転舵される。
【0022】本実施例においては、後輪転舵機構10
は、マイクロコンピュータ等からなる制御手段20によ
って回転制御される電動モータ21で駆動される。図1
に示すように、電動モータ21と上記電動シャフト12
は、モータ軸に取付けられる小径ギヤ33aと電動シャ
フト12に取付けられる大径ギヤ33bとからなる減速
機構33を介して連動連結されている。制御手段20
は、たとえば、車速やステアリング操舵角等に応じて後
輪19の転舵角および転舵方向を決定し、ステアリング
の操舵角が小さい範囲では、後輪19を同位相に転舵さ
せ、ステアリングの操舵角が所定量(たとえば240
°)より大きくなる場合には、後輪19を逆位相に転舵
させるように電動モータ21の駆動を制御する。
【0023】中・高速時の旋回走行時やレーンチェンジ
の際は、ステアリングの操舵角は小さく、このときに後
輪19を同位相に転舵させることにより、遠心力に起因
する車両の横滑りを抑制して速やかな方向転換を可能と
しつつ、旋回時の走行安定性を高めることができる。ま
た、このような同位相転舵においては、車速に応じて後
輪19の転舵量を増減させ、車速が大きくなるにつれて
後輪19の転舵量を大きくする。高速になるほど遠心力
の影響が大きくなって車両の横滑り傾向が強くなるから
である。一方、低速時においてUターン等の旋回を行う
場合には、ステアリングの操舵角は比較的大きく、この
とき後輪19を逆位相に転舵させることにより車両の旋
回半径を小さくして小回り性を向上させることができ
る。
【0024】上記制御手段20には、車速センサ22
や、ステアリング3の操舵角を検出する操舵角センサ2
3、シフト位置センサ38、電動モータ21の回転位置
を検出することにより、後輪19の転舵角を検出する回
転位置検出器37等からの信号が制御情報として入力さ
れる。
【0025】上記制御手段20には、図4に示すよう
に、上記車速センサ22および操舵角センサ23からの
情報に基づいて、旋回時等に理論上発生する横G(車両
の中心点に作用する横加速度)を演算する横G演算手段
24、上記横G演算手段によって演算した横Gに基づい
て後輪19を転舵すべき方向およびその転舵量を決定す
る後輪転舵角決定手段25、上記後輪転舵角決定手段2
5から受けた後輪転舵角情報に基づいてカム体13を回
転させるべき方向およびその回転量を決定し、かつ後輪
19の舵角を検出する回転位置検出器37からのフィー
ドバック信号を受けて、電動モータ21の制御を行うモ
ータ制御手段26等が設けられている。
【0026】さらに、本実施例においては、上記回転位
置検出器37からの出力を受けて、後輪19の転舵方向
を監視する後輪転舵方向監視手段27が設けられてい
る。上記後輪転舵方向監視手段27は、上記制御手段2
0を構成するマイクロコンピュータ内において、上記横
Gを演算する横G演算手段24等が設けられた領域とは
異なる領域に設けられており、上記回転位置検出器37
によって検出された後輪の転舵方向が、上記横G演算手
段によって演算された横Gに基づいて判断される転舵方
向出力と一致するか否かを監視するように構成されてい
る。
【0027】次に、上記構成の四輪操舵装置によって実
現される本願発明の後輪の操舵制御方法を、図2および
図3に記載したフローチャートを参照しながら説明す
る。なお、図2および図3は、一つのフローチャートを
分割したものである。
【0028】上記構成を備える四輪操舵車両において
は、上記横G演算手段24によって演算される横G等の
値に基づいて以下のような制御が行われる。図2に示す
ように、イグニッションスイッチキーをオンしてエンジ
ンを始動させると、制御手段20は、イニシャライズさ
れる(s101)。次いで、走行時、車速センサ22か
らの車速情報、および操舵角センサ23からのステアリ
ング操舵角情報が読み取られ(s102,s103)、
これから横加速度G(以下、横Gという)が演算される
(s104)。また、上記ステアリング操舵角情報か
ら、ステアリングの操舵角速度が演算される(s10
5)。そして、この横G等の大きさに応じて、後輪19
が所定方向に所定角度転舵させられる。
【0029】横Gの大きさが、0.1G以下であって
(s107でYES,s108でYES)、車速が所定
値(たとえば、25km/時)以下であり(s10
9)、かつステアリングの操舵角が所定角度(240
°)以上あり(s110)、さらに、シフト位置がファ
ーストまたはリバースである場合には(s111)、後
輪19が前輪9に対して逆位相に転舵される(s11
2)。このように横Gが比較的小さく、また変速機のシ
フト位置がファーストまたはリバースにあり、かつ車速
が所定値より小さくて、しかもステアリングが比較的大
きく切られる場合は、概して低速時においてUターン等
の旋回を行う場合であり、このときに後輪19を逆位相
に転舵させることにより、車両の回転半径をより小さく
して小回り性を向上させることができる。また、この場
合、後輪19の転舵角をステアリングの操舵角に応じて
増減させることにより、ドライバの運転感覚と車両の挙
動とを一致させて、ステアリングの操舵フィーリングを
向上させることができる。
【0030】上述したように、本実施例においては、上
記横Gによって判断される後輪逆位相転舵制御領域にお
いて、上記横Gの条件に加えて、車速、ステアリング操
舵角、およびシフト位置の条件が満たされない限り、後
輪19が逆位相に転舵されないように制御している。す
なわち、車速がある程度大きい場合において、後輪19
を逆位相に転舵させると、走行安定性が害される。ま
た、ステアリング操舵角がある程度小さい場合は、小さ
な旋回半径を必要とすることのない方向転換であると考
えられ、このような場合に後輪19を逆位相に転舵させ
る必要はない。さらに、後輪19を逆位相に転舵させる
場合は、低速走行時であり、このとき、シフトレバー
は、ファーストあるいはリバースにあるものと考えられ
るからである。
【0031】本願発明は、上記横Gが所定の値以下であ
り、上記横Gの値からは、後輪19を逆位相に転舵させ
るべきであると判断される後輪逆位相転舵制御領域にお
いて、車速、ステアリング操舵角、シフト位置が、それ
ぞれ所定の条件を満たさない限り、後輪19が逆位相に
転舵されないように制御しているのである。上記制御を
行うことによって、横Gの演算値が誤っているような場
合において、後輪19が誤って逆位相に転舵されること
を防止することが可能となり、走行安定性が害されるの
を未然に防止することができる。
【0032】しかも、後輪19が、逆位相に転舵されて
いる状態で、上記車速あるいはステアリング操舵角が所
定のしきい値を越えた場合においても、ただちに後輪1
9を中立位置に戻すことができる。したがって、後輪1
9が逆位相に転舵されているような場合においても、後
輪19をすばやく中立位置に戻し、2WS状態に切り換
えることができる。さらに、車速情報および上記ステア
リング操舵角情報の検出および演算は、きわめて単純な
回路で行うことができるため信頼性が高い。この結果、
きわめて信頼性の高いフェイルセイフ機能を発揮させる
ことができる。
【0033】また、上記制御を行う回路は、従来の制御
手段20を利用して構成することができるため、別途に
フェイルセイフ回路等を設ける必要はない。このため、
装置が複雑になって、かえってフェイルセイフ機能が低
下するといったおそれもない。
【0034】一方、横Gの大きさがある範囲にある場合
(s107でYES,s108でNO)、横Gの大きさ
が所定値以下であるが、車速が一定値以上である場合
(s109でNO)、横Gの大きさが所定値以下である
がステアリング操舵角は所定の値より小さい場合(s1
10でNO)、および、横Gの大きさは所定値以下であ
り、かつ、シフト位置がファーストまたはリバース以外
である場合(s111でNO)には、後輪19は中立位
置に戻される(s113)。このような場合は、車両が
直線走行する場合であり、後輪19を中立位置に戻して
2WS状態で走行する方が走行安定性がよいからであ
る。なお、本実施例においては、後輪中立位置検出セン
サ40が設けられており、後輪が中立位置に戻ったかど
うかを監視できるように構成している。
【0035】横Gの大きさが所定値よりも大きい場合は
(s107でNO)、後輪19が前輪に対して同位相に
転舵される。横Gの大きさが比較的大きくなる場合は、
概して中・高速時においてレーンチェンジ、あるいは旋
回を行う場合であり、このとき後輪19を同位相に転舵
させることにより、車両の横滑りを抑制し、速やかな方
向転換を可能にして走行安全性を向上させることができ
る。なお、この場合、図3に示すように、横Gの大きさ
に応じて(s203,s204,s205)、後輪19
の同位相方向の転舵量も制御される(s206,s20
7,s208,s209)。横Gが大きくなるほど車両
の横滑りの傾向の強くなるため、横Gの大きさに応じて
後輪19の転舵量を増減させる必要があるからである。
【0036】また、本実施例においては、後輪19を同
位相に転舵させる場合には、その転舵開始時期を、ステ
アリング操舵(前輪転舵)の開始に対して所定時間遅ら
せ(s201)、かつ、その遅れ時間がステアリングの
操舵角速度が大きいほど長くなるように設定する。これ
により、旋回初期に適切な大きさのヨーイングを促すこ
とができ、また、旋回過渡期において充分なヨー角加速
度を得ることができる。この結果、回頭性が高まり、方
向変換をきびきびと行うことが可能となる。さらに、速
度が高くなるほど上記遅れ時間を小さく設定する。これ
は、高速になるほど舵のききが鋭くなる、言い換えると
ヨーイングの立ち上がりが速くなることから、高速時に
おける遅れ時間を中速時の場合と同じに設定すると、後
輪の転舵が遅れ過ぎるという状況が発生し、かえって走
行安定性が悪くなるからである。
【0037】また、本実施例においては、後輪19を同
位相に転舵するにあたり、ステアリング操舵角速度の大
きさに応じて、後輪19の転舵速度が制御される。(s
202)。すなわち、ステアリングの操舵角速度が大き
くなるほど後輪の転舵速度を大きくするように制御する
ことにより、ドライバの運転感覚と車両の挙動を一致さ
せて、ステアリングの操舵フィーリングを向上させてい
る。
【0038】さらに、本実施例においては、上記回転位
置検出器37によって検出される後輪の転舵方向が、上
記制御手段20によって演算された横Gの値から判断さ
れる方向と一致しない場合、すなわち、横Gの値から判
断される後輪の同位相転舵制御領域において、後輪が実
際には逆位相に転舵されている場合、次のように後輪の
制御を行うように構成している。
【0039】すなわち、図4に示すように、制御手段2
0内に設けられた後輪転舵方向監視手段27によって、
上記横Gに基づいて上記後輪転舵角決定手段25におい
て判断される後輪転舵方向と、上記回転位置検出器37
によって検出された後輪の実際の転舵方向とがたえず比
較されている。そして、上記横Gの値から判断された後
輪転舵方向と実際の後輪転舵方向とが一致する場合は
(s214,s215,s216,s217においてY
ES)、上述した通常の制御が継続される。
【0040】もし、後輪の実際の転舵方向が、前輪と逆
位相の方向であった場合(s214,s215,s21
6,s217においてNO)、制御手段20によって後
輪19が中立位置に戻されるように制御され(s11
4)、フラッグ信号がセットされる(s115)。そし
て、イニシャライズされて(s101)フラッグ信号が
消えるまで後輪19は、上記中立位置に保持されること
になる(s106)。また、図4に示すように後輪が中
立位置に戻され、かつフラグセットがされた場合に、異
常警報手段28によって異常警報出力を出し、運転者に
異常を知らせるように構成することもできる。
【0041】本実施例の上記制御方法において、後輪の
同位相転舵制御領域において、後輪が実際には逆位相に
転舵された場合、その逆位相転舵の初期の段階で、これ
を検出して後輪を中立位置に戻すことができる。このた
め、後輪の制御の異常をいち早く検知して、走行安定性
を低下させることなく、2WS状態に切り換えることが
できる。
【0042】しかも、本実施例においては、上記後輪転
舵方向監視手段27は、後輪の転舵制御を行う制御手段
20内に設けられているが、上記横G演算手段24、電
動モータ制御手段26等とは別の領域に形成されてい
る。このため、制御手段20の出力段階において、後輪
転舵角決定手段の出力と異なる出力が出された場合に
も、信頼性の高いフェイルセイフ制御を行うことが可能
となる。
【0043】さらに、制御手段20内に上記後輪転舵方
向監視手段27を設けることによって、制御手段20の
出力段階における異常を迅速に発見し、走行安定性を低
下させることなく後輪の異常な転舵制御を早期に処置す
ることが可能となる。加えて、実施例においては、上記
制御手段20と全く別途にフェイルセイフ機能を有する
制御手段を構成したものではないため、制御手順および
制御装置が複雑になり、信頼性が低下するといったおそ
れもない。
【0044】本願発明は上述の実施例に限定されること
はない。実施例においては、後輪が逆位相に転舵された
場合後輪を中立位置に戻し、フラッグ信号をセットし
て、これにより後輪を中立位置に保持するように構成し
たが、後輪を中立位置に戻した後に、後輪の制御自体を
中止することもできる。
【0045】また、本実施例において、後輪が逆位相に
転舵される条件として、車速およびステアリング操舵角
の条件を課したが、これらの条件を課さないで構成する
こともできる。また、四輪操舵装置の構造についても特
に限定を受けるものではなく、たとえば、電動モータで
駆動される後輪転舵機構を備えるものであれば、他の構
成を備える四輪操舵車両にも適用することができる。
【0046】また、フローチャートにおいて示した横G
の基準等は、大まかなものであり、さらに細分化して後
輪転舵条件を決めるように構成することもできる。ま
た、実施例においては、後輪転舵方向を、電動モータに
連結される回転位置検出器によって検出するように構成
したが、別途後輪転舵方向を検出するセンサ等を設ける
こともできる。
【0047】また、実施例においては、後輪転舵方向監
視手段27に、後輪転舵角決定手段25からの出力を与
えるように構成したが、横G演算手段24からの信号を
直接入力することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例に係る四輪操舵車両の全体構
成の概略を示した図である。
【図2】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本願発明に係る制御方法のシステムブロック図
である。
【図5】実施例に係るカム体およびカムフォロアを図1
の矢印A方向から見た図であり、カム機構の動作を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 前輪転舵機構 3 ステアリング 10 後輪転舵機構 19 後輪 20 制御手段 21 電動モータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング操作に応じて前輪を転舵す
    る前輪転舵機構と、制御手段によって制御される電動モ
    ータで駆動される後輪転舵機構とを備え、上記制御手段
    は、車速、ステアリング操舵角等に基づいて、ステアリ
    ング回転時に車両に作用する横Gを演算するとともに、
    この横Gの大きさが所定値より小さい場合に、後輪を前
    輪に対して逆位相に転舵するように制御する一方、上記
    横Gの大きさが所定値より大きい場合に、後輪を前輪に
    対して同位相に転舵するように制御する四輪操舵車両に
    おいて、 後輪転舵方向を検出するとともに、上記横Gによって判
    断される後輪同位相転舵制御領域において後輪が逆位相
    に転舵された場合、後輪を中立位置に戻して保持すよう
    に制御することを特徴とする、四輪操舵車両における後
    輪の転舵制御方法。
JP4388492A 1992-02-28 1992-02-28 四輪操舵車両における後輪の転舵制御方法 Pending JPH05246340A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006271A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Toyota Motor Corp 運転支援装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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